(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131364
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】電動シートの操作装置
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20230914BHJP
H01H 23/24 20060101ALI20230914BHJP
B60N 2/06 20060101ALI20230914BHJP
B60N 2/22 20060101ALI20230914BHJP
A47C 7/40 20060101ALI20230914BHJP
A47C 7/50 20060101ALI20230914BHJP
B60N 3/06 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B60N2/90
H01H23/24 C
B60N2/06
B60N2/22
A47C7/40
A47C7/50 A
B60N3/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036076
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】鵜飼 宗典
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3B088
5G035
【Fターム(参考)】
3B084EB02
3B087AA02
3B087BA02
3B087BB02
3B087BC17
3B087BD03
3B087DE10
3B088JA02
3B088JB02
5G035AA04
5G035CA01
5G035CB05
5G035DA20
(57)【要約】
【課題】操作ノブの部品点数が少ない電動シートの操作装置を提供する。
【解決手段】電動シートの操作装置は、基板30と、ノブ本体20Aと、ノブ本体20Aから基板30の主面34に向かって突出する第1軸部21及び第2軸部と、ノブ本体20Aの意匠面20aに設けられ、シートバック及びシートクッションの各々に対応する操作位置を表示する表示部と、を有する操作ノブと、主面34に直交する軸線を中心として操作ノブが回動操作されるときに第1軸部21の移動を案内する第1回動案内面と、前後方向において操作ノブがスライド操作されるときに第2軸部の移動を案内するスライド案内面と、を有する案内部材40と、回動操作を検知してシートバックをリクライニングさせる信号を出力するリクライニング操作検知部と、スライド操作を検知してシートクッションをスライドさせる信号を出力するスライド操作検知部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向にスライド可能に構成されたシートクッションと、前記シートクッションに対してリクライニング可能に設けられたシートバックと、を備える電動シートに適用され、前記シートクッションのスライド及び前記シートバックのリクライニングを操作する操作装置であって、
主面を有する基板と、
前記主面と対向するとともに前記主面に沿って移動可能に設けられたノブ本体と、前記ノブ本体から前記主面に向かってそれぞれ突出する第1軸部及び第2軸部と、前記ノブ本体の意匠面において前記第1軸部及び前記第2軸部の各々に対応する位置に設けられ、前記シートバック及び前記シートクッションの各々に対応する操作位置を表示する表示部と、を有する操作ノブと、
前記主面に直交する軸線を中心として前記操作ノブが回動操作されるときに前記第1軸部の移動を案内する回動案内面と、前記前後方向において前記操作ノブがスライド操作されるときに前記第2軸部の移動を案内するスライド案内面と、を有する案内部材と、
前記回動操作を検知するとともに当該回動操作に対応した向きに前記シートバックをリクライニングさせる信号を出力するリクライニング操作検知部と、
前記スライド操作を検知するとともに当該スライド操作に対応した向きに前記シートクッションをスライドさせる信号を出力するスライド操作検知部と、を備える、
電動シートの操作装置。
【請求項2】
前記リクライニング操作検知部は、
前記第1軸部と前記基板との間に設けられるとともに一対の第1可動接点を有する第1可動片と、
前記基板の前記主面に設けられた一対の第1固定接点と、を備え、
前記一対の第1固定接点は、前記回動操作に伴う前記第1軸部の移動方向の両側に位置しており、
前記第1軸部の移動に伴って前記第1軸部により前記第1可動片が押圧されて前記第1可動接点の一方が当該一方に対応する前記第1固定接点に接触することで前記回動操作を検知するように構成されている、
請求項1に記載の電動シートの操作装置。
【請求項3】
前記スライド操作検知部は、
前記第2軸部と前記基板との間に設けられるとともに一対の第2可動接点を有する第2可動片と、
前記基板の前記主面に設けられた一対の第2固定接点と、を備え、
前記一対の第2固定接点は、前記スライド操作に伴う前記第2軸部の移動方向の両側に位置しており、
前記第2軸部の移動に伴って前記第2軸部により前記第2可動片が押圧されて前記第2可動接点の一方が当該一方に対応する前記第2固定接点に接触することで前記スライド操作を検知するように構成されている、
請求項1または請求項2に記載の電動シートの操作装置。
【請求項4】
前記第1軸部の中立位置である第1中立位置に向けて前記第1軸部を付勢する第1付勢部材と、
前記第2軸部の中立位置である第2中立位置に向けて前記第2軸部を付勢する第2付勢部材と、を備える、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動シートの操作装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記意匠面に設けられた窪み部により構成されている、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電動シートの操作装置。
【請求項6】
前記電動シートは、前記シートクッションに対して傾動可能に設けられたオットマンを備えるものであり、
前記操作ノブは、前記第2軸部に対して前記第1軸部とは反対側に位置するとともに前記主面に向かって突出する第3軸部を有しており、
前記表示部は、前記ノブ本体の前記意匠面において前記第3軸部に対応する位置に設けられるとともに前記オットマンの操作位置を表示しており、
前記回動案内面は、前記第3軸部を中心として前記操作ノブが回動操作されるときに前記第1軸部の移動を案内する第1回動案内面であり、
前記案内部材は、前記第1軸部を中心として前記操作ノブが回動操作されるときに前記第3軸部の移動を案内する第3回動案内面を有しており、
前記第1軸部を中心とした前記操作ノブの回動操作を検知したときに当該回動操作に対応した向きに前記オットマンを傾動させる信号を出力するオットマン操作検知部を備える、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電動シートの操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動シートの操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動車用電動シートのスイッチ装置が開示されている。
このスイッチ装置は、第1の操作ノブと第2の操作ノブとを備えている。第1の操作ノブは、シートクッションを前後方向にスライドさせるスライド用スイッチ部を操作可能に構成されている。第2の操作ノブは、シートバックをリクライニングさせるリクライニング用スイッチ部を操作可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のスイッチ装置の場合、シートクッションをスライドさせる操作とシートバックをリクライニングさせる操作とを行うために2つの操作ノブを必要とする。このため、操作ノブの部品点数が多くなるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための電動シートの操作装置は、前後方向にスライド可能に構成されたシートクッションと、前記シートクッションに対してリクライニング可能に設けられたシートバックと、を備える電動シートに適用され、前記シートクッションのスライド及び前記シートバックのリクライニングを操作する操作装置であって、主面を有する基板と、前記主面と対向するとともに前記主面に沿って移動可能に設けられたノブ本体と、前記ノブ本体から前記主面に向かってそれぞれ突出する第1軸部及び第2軸部と、前記ノブ本体の意匠面において前記第1軸部及び前記第2軸部の各々に対応する位置に設けられ、前記シートバック及び前記シートクッションの各々に対応する操作位置を表示する表示部と、を有する操作ノブと、前記主面に直交する軸線を中心として前記操作ノブが回動操作されるときに前記第1軸部の移動を案内する回動案内面と、前記前後方向において前記操作ノブがスライド操作されるときに前記第2軸部の移動を案内するスライド案内面と、を有する案内部材と、前記回動操作を検知するとともに当該回動操作に対応した向きに前記シートバックをリクライニングさせる信号を出力するリクライニング操作検知部と、前記スライド操作を検知するとともに当該スライド操作に対応した向きに前記シートクッションをスライドさせる信号を出力するスライド操作検知部と、を備える。
【0006】
同構成によれば、シートバックをリクライニングさせる場合には、使用者により上記軸線を中心として操作ノブが回動操作される。このとき、使用者は、表示部によって操作ノブの回動中心を直感的に把握できる。また、案内部の回動案内面によって第1軸部の移動が案内されることにより、使用者は、操作ノブを安定して回動操作することができる。そして、リクライニング操作検知部により、回動操作が検知されると、当該回動操作に対応した向きにシートバックをリクライニングさせる信号が出力される。
【0007】
一方、シートクッションをスライドさせる場合には、使用者により前後方向において操作ノブがスライド操作される。このとき、使用者は、表示部によって操作ノブのスライド方向を直感的に把握できる。また、案内部のスライド案内面によって第2軸部の移動が案内されることにより、使用者は、操作ノブを安定してスライド操作することができる。そして、スライド操作検知部により、スライド操作が検知されると、当該スライド操作に対応した向きにシートクッションをスライドさせる信号が出力される。
【0008】
このように、上記構成によれば、1つの操作ノブによってシートバックのリクライニング及びシートクッションのスライドを行うことができる。したがって、操作ノブの部品点数を減らすことができる。
【0009】
上記電動シートの操作装置において、前記リクライニング操作検知部は、前記第1軸部と前記基板との間に設けられるとともに一対の第1可動接点を有する第1可動片と、前記基板の前記主面に設けられた一対の第1固定接点と、を備え、前記一対の第1固定接点は、前記回動操作に伴う前記第1軸部の移動方向の両側に位置しており、前記第1軸部の移動に伴って前記第1軸部により前記第1可動片が押圧されて前記第1可動接点の一方が当該一方に対応する前記第1固定接点に接触することで前記回動操作を検知するように構成されていることが好ましい。
【0010】
同構成によれば、操作ノブが回動操作されることで第1軸部が移動すると、第1軸部によって第1可動片が押圧されることで第1可動接点の一方が当該一方に対応する第1固定接点に接触する。これにより、操作ノブの回動操作が検知される。
【0011】
このように、第1軸部と基板との間に第1可動片を設けるとともに、基板の主面に一対の第1固定接点を設けることによって、リクライニング操作検知部を簡単な構成によって具現化することができる。
【0012】
上記電動シートの操作装置において、前記スライド操作検知部は、前記第2軸部と前記基板との間に設けられるとともに一対の第2可動接点を有する第2可動片と、前記基板の前記主面に設けられた一対の第2固定接点と、を備え、前記一対の第2固定接点は、前記スライド操作に伴う前記第2軸部の移動方向の両側に位置しており、前記第2軸部の移動に伴って前記第2軸部により前記第2可動片が押圧されて前記第2可動接点の一方が当該一方に対応する前記第2固定接点に接触することで前記スライド操作を検知するように構成されていることが好ましい。
【0013】
同構成によれば、操作ノブがスライド操作されることで第2軸部が移動すると、第2軸部によって第2可動片が押圧されることで第2可動接点の一方が当該一方に対応する第2固定接点に接触する。これにより、操作ノブのスライド操作が検知される。
【0014】
このように、第2軸部と基板との間に第2可動片を設けるとともに、基板の主面に一対の第2固定接点を設けることによって、スライド操作検知部を簡単な構成によって具現化することができる。
【0015】
上記電動シートの操作装置において、前記第1軸部の中立位置である第1中立位置に向けて前記第1軸部を付勢する第1付勢部材と、前記第2軸部の中立位置である第2中立位置に向けて前記第2軸部を付勢する第2付勢部材と、を備えることが好ましい。
【0016】
同構成によれば、回動操作されている状態の操作ノブから使用者が手を離すと、第1付勢部材によって第1軸部が第1中立位置に向けて付勢されることで、操作ノブが中立位置に復帰するようになる。一方、スライド操作されている状態の操作ノブから使用者が手を離すと、第2付勢部材によって第2軸部が第2中立位置に向けて付勢されることで、操作ノブが中立位置に復帰するようになる。これにより、操作ノブを中立位置に戻す操作が不要となる。したがって、操作装置の使い勝手が向上する。
【0017】
上記電動シートの操作装置において、前記表示部は、前記意匠面に設けられた窪み部により構成されていることが好ましい。
同構成によれば、使用者は、手指を窪み部に引っ掛けることによって操作ノブの回動操作やスライド操作を直感的に行うことができる。
【0018】
また、上記構成によれば、表示部が窪んでいるため、操作ノブが誤って操作される誤操作が生じにくい。
上記電動シートの操作装置において、前記電動シートは、前記シートクッションに対して傾動可能に設けられたオットマンを備えるものであり、前記操作ノブは、前記第2軸部に対して前記第1軸部とは反対側に位置するとともに前記主面に向かって突出する第3軸部を有しており、前記表示部は、前記ノブ本体の前記意匠面において前記第3軸部に対応する位置に設けられるとともに前記オットマンの操作位置を表示しており、前記回動案内面は、前記第3軸部を中心として前記操作ノブが回動操作されるときに前記第1軸部の移動を案内する第1回動案内面であり、前記案内部材は、前記第1軸部を中心として前記操作ノブが回動操作されるときに前記第3軸部の移動を案内する第3回動案内面を有しており、前記第1軸部を中心とした前記操作ノブの回動操作を検知したときに当該回動操作に対応した向きに前記オットマンを傾動させる信号を出力するオットマン操作検知部を備えることが好ましい。
【0019】
同構成によれば、オットマンを傾動させる場合には、使用者により第1軸部を中心として操作ノブが回動操作される。このとき、使用者は、表示部によって操作ノブの回動中心を直感的に把握できる。また、案内部の第3回動案内面によって第3軸部の移動が案内されることにより、使用者は、操作ノブを安定して回動操作することができる。そして、オットマン操作検知部により、回動操作が検知されると、当該回動操作に対応した向きにオットマンを傾動させる信号が出力される。
【0020】
このように、上記構成によれば、1つの操作ノブによってシートバックのリクライニング、シートクッションのスライド、及びオットマンの傾動を行うことができる。したがって、操作ノブの部品点数を減らすことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、操作ノブの部品点数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る電動シートの操作装置を備える車両のドアの側面図である。
【
図2】
図2は、同実施形態に係る電動シートの側面図である。
【
図3】
図3は、同実施形態に係る基板の側面図である。
【
図4】
図4は、同実施形態に係る操作ノブの側面図である。
【
図5】
図5は、同実施形態に係る案内部材の側面図である。
【
図9】
図9は、同実施形態に係る第1可動片の斜視図である。
【
図10】
図10は、同実施形態に係るシートバックのリクライニング操作時の操作ノブの側面図である。
【
図12】
図12は、同実施形態に係るオットマンの傾動操作時の操作ノブの側面図である。
【
図13】
図13は、同実施形態に係るシートクッションのスライド操作時の操作ノブの側面図である。
【
図14】
図14は、同実施形態に係る電動シートの操作装置の電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、
図1~
図14を参照して、電動シートの操作装置を車載電動シートの操作装置として具体化した一実施形態について説明する。
なお、以降において、車両の前後方向を前後方向Lとし、前後方向Lの前方及び後方をそれぞれ単に前方及び後方として説明する。
【0024】
また、車幅方向Wにおいて車両の中心に近づく向き及び中心から離れる向きをそれぞれ単に内方及び外方として説明する。
また、車両が水平面上に位置しているときの車両の上下方向を上下方向Zとし、上下方向Zの上方及び下方をそれぞれ単に上方及び下方として説明する。
【0025】
図1に示すように、車両の側部には、乗員が乗降する乗降口(図示略)を開閉するドア17が設けられている。ドア17は、例えば前後方向Lにスライド可能に構成されたスライドドアである。ドア17は、ドア17の内面を構成するドアトリム18を備えている。
【0026】
図2に示すように、車室内には、電動シート(以下、シート10)が設けられている。シート10は、車幅方向Wにおいてドア17と隣り合う位置に設けられている。シート10は、例えば車両の2列目シートである。
【0027】
シート10は、シートクッション11と、シートバック12と、オットマン13とを備えている。
シートクッション11は、車両のフロアに設けられたシートレール(図示略)に沿って前後方向Lにスライド可能に構成されている。
【0028】
シートバック12は、シートクッション11に対して軸R1を中心にリクライニング可能に設けられている。軸R1は、シートクッション11の後部に位置しており、車幅方向Wに沿って延在している。
【0029】
オットマン13は、シートクッション11に対して軸R2を中心に傾動可能に設けられている。軸R2は、シートクッション11の前部に位置しており、車幅方向Wに沿って延在している。
【0030】
シートクッション11には、シートクッション11をスライドさせるスライドモータ15と、シートバック12をリクライニングさせるリクライニングモータ14と、オットマン13を傾動させるオットマンモータ16とが内蔵されている。
【0031】
図1に示すように、ドアトリム18には、シート10を操作する操作装置50が設けられている。
ドアトリム18には、ドアトリム18を車幅方向Wに貫通する孔19が設けられている。孔19は、例えば側面視矩形状である。
【0032】
操作装置50は、孔19を通じて車室内に露出している。
図14に示すように、車両には、スライドモータ15、リクライニングモータ14、及びオットマンモータ16の駆動を制御する制御装置70が設けられている。制御装置70は、例えばシート10に内蔵されている。
【0033】
制御装置70には、スライドモータ15、リクライニングモータ14、及びオットマンモータ16が電気的に接続されている。
制御装置70には、操作装置50が電気的に接続されている。
【0034】
図3~
図8に示すように、操作装置50は、基板30と、操作ノブ20と、案内部材40とを備えている。
また、
図14に示すように、操作装置50は、リクライニング操作検知部51、スライド操作検知部54、及びオットマン操作検知部57を備えている。
【0035】
次に、操作装置50の各構成について説明する。
<基板30>
図3に示すように、基板30は、前後方向L及び上下方向Zに延在するとともに内方に向く主面34を有している。
【0036】
主面34には、第1凹部31a、第2凹部32a、及び第3凹部33aが後方から前方に向かって順に設けられている。第1凹部31a、第2凹部32a、及び第3凹部33aは、上方から下方に向かって順に設けられている。
【0037】
第1凹部31aの軸線、第2凹部32aの軸線、及び第3凹部33aの軸線は、
図3に二点鎖線にて示す仮想直線V上に位置している。仮想直線Vは、前方ほど下方に位置するように延在する直線である。
【0038】
第1凹部31a、第2凹部32a、及び第3凹部33aは、側面視円形状である。
図6~
図8に示すように、第1凹部31a、第2凹部32a、及び第3凹部33aには、それぞれ第1共通端子31e、第2共通端子32e、及び第3共通端子33eが設けられている。
【0039】
第1共通端子31e、第2共通端子32e、及び第3共通端子33eは、例えば有底円筒状である。
図3に示すように、基板30の主面34には、一対の第1固定接点31c,31d、一対の第2固定接点32c,32d、及び一対の第3固定接点33c,33dが設けられている。
【0040】
図3に示すように、第1固定接点31c,31dは、
図3に二点鎖線にて示す仮想円弧C1上に位置している。仮想円弧C1は、第3凹部33aの軸線を中心として第1凹部31aの軸線を通る円弧である。仮想円弧C1上において、一方の第1固定接点31cは、第1凹部31aに対して他方の第1固定接点31dの反対側に位置している。詳しくは、一方の第1固定接点31cは、第1凹部31aよりも上方かつ前方に位置している。他方の第1固定接点31dは、第1凹部31aよりも下方かつ後方に位置している。
【0041】
第2固定接点32c,32dは、
図3に示す仮想直線C2上に位置している。仮想直線C2は、前後方向Lに延びて第2凹部32aの軸線を通る直線である。一方の第2固定接点32cは、第2凹部32aの前方に位置している。他方の第2固定接点32dは、第2凹部32aの後方に位置している。
【0042】
第3固定接点33c,33dは、
図3に二点鎖線にて示す仮想円弧C3上に位置している。仮想円弧C3は、第1凹部31aの軸線を中心として第3凹部33aを通る円弧である。仮想円弧C3上において、一方の第3固定接点33cは、第3凹部33aに対して他方の第3固定接点33dの反対側に位置している。詳しくは、一方の第3固定接点33cは、第3凹部33aよりも上方かつ前方に位置している。他方の第3固定接点33dは、第3凹部33aよりも下方かつ後方に位置している。
【0043】
図6に示すように、基板30には、第1固定接点31c,31dにそれぞれ接続された第1端子31f,31gが設けられている。
図7に示すように、基板30には、第2固定接点32c,32dにそれぞれ接続された第2端子32f,32gが設けられている。
【0044】
図8に示すように、基板30には、第3固定接点33c,33dにそれぞれ接続された第3端子33f,33gが設けられている。
<操作ノブ20>
図4、
図6~
図8に示すように、操作ノブ20は、ノブ本体20A、第1軸部21、第2軸部22、及び第3軸部23を備えている。
【0045】
ノブ本体20Aは、基板30の主面34と対向するとともに主面34に沿って移動可能に設けられている。
図4に示すように、ノブ本体20Aは、例えば側面視矩形の板状である。
【0046】
図6~
図8に示すように、第1軸部21、第2軸部22、及び第3軸部23は、ノブ本体20Aから主面34に向かってそれぞれ突出している。
第1軸部21は、第1凹部31aに対応した位置に設けられている。
【0047】
第2軸部22は、第2凹部32aに対応した位置に設けられている。
第3軸部23は、第3凹部33aに対応した位置に設けられている。
すなわち、第3軸部23は、第2軸部22に対して第1軸部21とは反対側に位置している。
【0048】
図6に示すように、第1軸部21には、第1軸部21の外周面から第1軸部21の径方向外側に向かって突出する第1規制部21aが設けられている。第1規制部21aは、例えば円板状である。
【0049】
図7に示すように、第2軸部22には、第2軸部22の外周面から第2軸部22の径方向外側に向かって突出する第2規制部22aが設けられている。第2規制部22aは、例えば円板状である。
【0050】
図8に示すように、第3軸部23には、第3軸部23の外周面から第3軸部23の径方向外側に向かって突出する第3規制部23aが設けられている。第3規制部23aは、例えば円板状である。
【0051】
図4に示すように、ノブ本体20Aの意匠面20aには、シートバック12、シートクッション11、及びオットマン13の各々に対応する操作位置を表示する表示部24が設けられている。
【0052】
表示部24は、シートバック表示部26、シートクッション表示部25、及びオットマン表示部27を有している。
シートバック表示部26は、シートバック12の側面形状を模した側面形状を有しており、シートバック12に対応する操作位置を表示する。シートバック表示部26は、意匠面20aの上部のうち後方部分に位置し、意匠面20aの面方向において第1軸部21を含む大きさを有している。シートバック表示部26は、上方ほど後方に位置するように延在する側面視長方形状である。
【0053】
シートクッション表示部25は、シートクッション11の側面形状を模した側面形状を有しており、シートクッション11に対応する操作位置を表示する。シートクッション表示部25は、意匠面20aの中央部分に位置し、意匠面20aの面方向において第2軸部22を含む大きさを有している。シートクッション表示部25は、前後方向Lに延在する側面視長方形状である。
【0054】
オットマン表示部27は、オットマン13の側面形状を模した側面形状を有しており、オットマン13に対応する操作位置を表示する。オットマン表示部27は、意匠面20aの下部のうち前方部分に位置し、意匠面20aの面方向において第3軸部23を含む大きさを有している。オットマン表示部27は、下方ほど前方に位置するように延在する側面視長方形状である。
【0055】
図6~
図8に示すように、表示部24は、意匠面20aに設けられた窪み部251,261,271により構成されている。ノブ本体20Aの意匠面20aとは反対側の面には、窪み部251,261,271に対応する突出部252,262,272が設けられている。
【0056】
操作ノブ20は、例えば硬質樹脂製である。
<案内部材40及びばね41g,42g,43g>
図6~
図8に示すように、案内部材40は、基板30と操作ノブ20との間において基板30と隣り合って設けられている。
【0057】
図6に示すように、案内部材40において基板30に対向する面には、第1軸部21を収容する第1収容凹部41aが設けられている。案内部材40には、第1収容凹部41aの底壁を貫通する第1スリット41bが設けられている。
【0058】
第1軸部21は、第1スリット41bに挿通されている。
図5に示すように、第1スリット41bは、回動用スリット41c及びスライド用スリット41dを有している。
【0059】
回動用スリット41cは、第1凹部31aの軸線を中心に仮想円弧C1に沿って延在している。スライド用スリット41dは、第1凹部31aの軸線を中心に前後方向Lに沿って延在している。すなわち、回動用スリット41cとスライド用スリット41dとは第1凹部31aの軸線において交わっている。
【0060】
回動用スリット41cの内側面は、第3凹部33aの軸線を中心として操作ノブ20が回動操作されるときに第1軸部21の移動を案内する第1回動案内面41eとして機能する。
【0061】
図5及び
図6に示すように、案内部材40には、操作ノブ20に向かって突出する一対の第1座部41fが設けられている。
図5に示すように、一対の第1座部41fは、仮想円弧C1上において回動用スリット41cの両側に設けられている。
【0062】
図5及び
図6に示すように、一対の第1座部41fと操作ノブ20の突出部262との間には、一対のばね41gがそれぞれ取り付けられている。ばね41gは、第1軸部21を第1凹部31aの軸線、すなわち第1軸部21の中立位置である第1中立位置に向けて付勢している。
【0063】
図7に示すように、案内部材40において基板30に対向する面には、第2軸部22を収容する第2収容凹部42aが設けられている。案内部材40には、第2収容凹部42aの底壁を貫通する第2スリット42bが設けられている。
【0064】
第2軸部22は、第2スリット42bに挿通されている。
図5に示すように、第2スリット42bは、回動用スリット42c及びスライド用スリット42dを有している。
【0065】
回動用スリット42cは、2つの仮想円弧C2a,C2bに沿って延在している。仮想円弧C2aは、第3凹部33aの軸線を中心として第2凹部32aを通る円弧である。仮想円弧C2bは、第1凹部31aの軸線を中心として第2凹部32aを通る円弧である。スライド用スリット42dは、第2凹部32aの軸線を中心に前後方向Lに沿って延在している。すなわち、回動用スリット42cとスライド用スリット42dとは第2凹部32aの軸線において交わっている。
【0066】
スライド用スリット42dの内側面は、操作ノブ20がスライド操作されるときに第2軸部22の移動を案内するスライド案内面42eとして機能する。
図5及び
図7に示すように、案内部材40には、操作ノブ20に向かって突出する一対の第2座部42fが設けられている。
【0067】
図5に示すように、一対の第2座部42fは、前後方向Lにおいてスライド用スリット41dの両側に設けられている。
図5及び
図7に示すように、一対の第2座部42fと操作ノブ20の突出部252との間には、一対のばね42gがそれぞれ取り付けられている。ばね42gは、第2軸部22を第2凹部32aの軸線、すなわち第2軸部22の中立位置である第2中立位置に向けて付勢している。
【0068】
図8に示すように、案内部材40において基板30に対向する面には、第3軸部23を収容する第3収容凹部43aが設けられている。案内部材40には、第3収容凹部43aの底壁を貫通する第3スリット43bが設けられている。
【0069】
第3軸部23は、第3スリット43bに挿通されている。
図5に示すように、第3スリット43bは、回動用スリット43c及びスライド用スリット43dを有している。
【0070】
回動用スリット43cは、第3凹部33aの軸線を中心に仮想円弧C3に沿って延在している。スライド用スリット43dは、第3凹部33aの軸線を中心に前後方向Lに沿って延在している。すなわち、回動用スリット43cとスライド用スリット43dとは第3凹部33aの軸線において交わっている。
【0071】
回動用スリット43cの内側面は、第1凹部31aの軸線を中心として操作ノブ20が回動操作されるときに第3軸部23の移動を案内する第3回動案内面43eとして機能する。
【0072】
図5及び
図8に示すように、案内部材40には、操作ノブ20に向かって突出する一対の第3座部43fが設けられている。
図5に示すように、一対の第3座部43fは、仮想円弧C3上において回動用スリット43cの両側に設けられている。
【0073】
図5及び
図8に示すように、一対の第3座部43fと操作ノブ20の突出部272との間には、一対のばね43gがそれぞれ取り付けられている。ばね43gは、第3軸部23を第3凹部33aの軸線、すなわち第3軸部23の中立位置である第3中立位置に向けて付勢している。
【0074】
案内部材40は、例えば硬質樹脂製である。
なお、一対のばね41gが、本発明に係る第1付勢部材に相当する。また、一対のばね42gが、本発明に係る第2付勢部材に相当する。
【0075】
<リクライニング操作検知部51>
図14に示すように、リクライニング操作検知部51は、上方リクライニング操作検知部52と、下方リクライニング操作検知部53とを備えている。
【0076】
図3及び
図6に示すように、第1軸部21と基板30との間には、第1可動片61が設けられている。
第1可動片61は、第1共通端子31eの内部に位置する中心部61aと、中心部61aから延在する延在部61bとを有している。延在部61bは、第1共通端子31eの径方向において中心部61aから離れるほど基板30から内方に離れるように延びている。
【0077】
図9に示すように、延在部61bは、例えば中心部61aを中心に放射状に延在する側面視円形状である。
第1可動片61は、導電性の金属板により構成されている。第1可動片61は、例えば銅製である。
【0078】
図6に示すように、延在部61bは、第1共通端子31eの開口周縁部に接触している。
延在部61bの周縁部には、一対の第1固定接点31c,31dと接触可能な一対の第1可動接点61c,61dがそれぞれ設けられている。
【0079】
第1可動接点61cと第1固定接点31cとによって上方リクライニング操作検知部52が構成されている。
第1可動接点61dと第1固定接点31dとによって下方リクライニング操作検知部53が構成されている。
【0080】
第3凹部33aの軸線を中心として操作ノブ20が反時計回りに回動操作されると、第1軸部21の移動に伴って第1軸部21により第1可動片61が押圧されて第1可動接点61cが第1固定接点31cに接触する。このとき、第1固定接点31cと第1共通端子31eとを含む回路が第1可動片61を介して閉成される。上方リクライニング操作検知部52は、このことを検知して、制御装置70に対して、上記回動操作に対応した向き、すなわち上向きにシートバック12をリクライニングさせる信号を出力する。そして、制御装置70は、シートバック12を上向きにリクライニングさせるようにリクライニングモータ14を駆動する。
【0081】
図10及び
図11に示すように、第3凹部33aの軸線を中心として操作ノブ20が時計回りに回動操作されると、第1軸部21の移動に伴って第1軸部21により第1可動片61が押圧されて第1可動接点61dが第1固定接点31dに接触する。このとき、第1固定接点31dと第1共通端子31eとを含む回路が第1可動片61を介して閉成される。下方リクライニング操作検知部53は、このことを検知して、制御装置70に対して、上記回動操作に対応した向き、すなわち下向きにシートバック12をリクライニングさせる信号を出力する。そして、制御装置70は、シートバック12を下向きにリクライニングさせるようにリクライニングモータ14を駆動する。
【0082】
<スライド操作検知部54>
図14に示すように、スライド操作検知部54は、前方スライド操作検知部55と、後方スライド操作検知部56とを備えている。
【0083】
図3及び
図7に示すように、第2軸部22と基板30との間には、第2可動片62が設けられている。
第2可動片62は、第2共通端子32eの内部に位置する中心部62aと、中心部62aから延在する延在部62bとを有している。延在部62bは、第2共通端子32eの径方向において中心部62aから離れるほど基板30から内方に離れるように延びている。
【0084】
図9に示す第1可動片61と同様に、延在部62bは、例えば中心部62aを中心に放射状に延在する側面視円形状である。
第2可動片62は、導電性の金属板により構成されている。第2可動片62は、例えば銅製である。
【0085】
図7に示すように、延在部62bは、第2共通端子32eの開口周縁部に接触している。
延在部62bの周縁部には、一対の第2固定接点32c,32dと接触可能な一対の第2可動接点62c,62dがそれぞれ設けられている。
【0086】
第2可動接点62cと第2固定接点32cとによって前方スライド操作検知部55が構成されている。
第2可動接点62dと第2固定接点32dとによって後方スライド操作検知部56が構成されている。
【0087】
前方に向けて操作ノブ20がスライド操作されると、第2軸部22の移動に伴って第2軸部22により第2可動片62が押圧されて第2可動接点62cが第2固定接点32cに接触する。このとき、第2固定接点32cと第2共通端子32eとを含む回路が第2可動片62を介して閉成される。前方スライド操作検知部55は、このことを検知して、制御装置70に対して、上記スライド操作に対応した向き、すなわち前向きにシートクッション11をスライドさせる信号を出力する。そして、制御装置70は、シートクッション11を前向きにスライドさせるようにスライドモータ15を駆動する。
【0088】
図13に示すように、後方に向けて操作ノブ20がスライド操作されると、第2軸部22の移動に伴って第2軸部22により第2可動片62の第2可動接点62dが第2固定接点32dに接触する。このとき、第2固定接点32dと第2共通端子32eとを含む回路が第2可動片62を介して閉成される。後方スライド操作検知部56は、このことを検知して、制御装置70に対して、上記スライド操作に対応した向き、すなわち後向きにシートクッション11をスライドさせる信号を出力する。そして、制御装置70は、シートクッション11を後向きにスライドさせるようにスライドモータ15を駆動する。
【0089】
<オットマン操作検知部57>
図14に示すように、オットマン操作検知部57は、上方オットマン操作検知部58と、下方オットマン操作検知部59とを備えている。
【0090】
図3及び
図8に示すように、第3軸部23と基板30との間には、第3可動片63が設けられている。
第3可動片63は、第3共通端子33eの内部に位置する中心部63aと、中心部63aから延在する延在部63bとを有している。延在部63bは、第3共通端子33eの径方向において中心部63aから離れるほど基板30から内方に離れるように延びている。
【0091】
図9に示す第1可動片61と同様に、延在部63bは、例えば中心部63aを中心に放射状に延在する側面視円形状である。
第3可動片63は、導電性の金属板により構成されている。第3可動片63は、例えば銅製である。
【0092】
図7に示すように、延在部63bは、第3共通端子33eの開口周縁部に接触している。
延在部63bの周縁部には、一対の第3固定接点33c,33dと接触可能な一対の第3可動接点63c,63dがそれぞれ設けられている。
【0093】
第3可動接点63cと第3固定接点33cとによって上方オットマン操作検知部58が構成されている。
第3可動接点63dと第3固定接点33dとによって下方オットマン操作検知部59が構成されている。
【0094】
第1凹部31aの軸線を中心として操作ノブ20が時計回りに回動操作されると、第3軸部23の移動に伴って第3軸部23により第3可動片63が押圧されて第3可動接点63cが第3固定接点33cに接触する。このとき、第3固定接点33cと第3共通端子33eとを含む回路が第3可動片63を介して閉成される。上方オットマン操作検知部58は、このことを検知して、制御装置70に対して、上記回動操作に対応した向き、すなわち上向きにオットマン13を傾動させる信号を出力する。そして、制御装置70は、オットマン13を上向きに傾動させるようにオットマンモータ16を駆動する。
【0095】
図12に示すように、第1凹部31aの軸線を中心として操作ノブ20が反時計回りに回動操作されると、第3軸部23の移動に伴って第3軸部23により第3可動片63が押圧されて第3可動接点63dが第3固定接点33dに接触する。このとき、第3固定接点33dと第3共通端子33eとを含む回路が第3可動片63を介して閉成される。下方オットマン操作検知部59は、このことを検知して、制御装置70に対して、上記回動操作に対応した向き、すなわち下向きにオットマン13を傾動させる信号を出力する。そして、制御装置70は、オットマン13を下向きに傾動させるようにオットマンモータ16を駆動する。
【0096】
次に、本実施形態の作用について説明する。
シートバック12をリクライニングさせる場合には、使用者により第3軸部23を中心として操作ノブ20が回動操作される。このとき、使用者は、シートバック表示部26によって操作ノブ20の回動中心を直感的に把握できる。また、案内部材40の第1回動案内面41eによって第1軸部21の移動が案内されることにより、使用者は、操作ノブ20を安定して回動操作することができる。そして、リクライニング操作検知部51により、回動操作が検知されると、当該回動操作に対応した向きにシートバック12をリクライニングさせる信号が出力される。
【0097】
シートクッション11をスライドさせる場合には、使用者により前後方向Lにおいて操作ノブ20がスライド操作される。このとき、使用者は、シートクッション表示部25によって操作ノブ20のスライド方向を直感的に把握できる。また、案内部材40のスライド案内面42eによって第2軸部22の移動が案内されることにより、使用者は、操作ノブ20を安定してスライド操作することができる。そして、スライド操作検知部54により、スライド操作が検知されると、当該スライド操作に対応した向きにシートクッション11をスライドさせる信号が出力される。
【0098】
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)操作ノブ20には、第1軸部21、第2軸部22、及び第3軸部23が設けられている。案内部材40には、第1軸部21の移動を案内する第1回動案内面41eと、第2軸部22の移動を案内するスライド案内面42eとが設けられている。
【0099】
こうした構成によれば、上述した作用を奏することから、1つの操作ノブ20によってシートバック12のリクライニング及びシートクッション11のスライドを行うことができる。したがって、操作ノブ20の部品点数を減らすことができる。
【0100】
(2)リクライニング操作検知部51は、第1可動接点61c,61dを有する第1可動片61と、第1固定接点31c,31dとを備える。
こうした構成によれば、操作ノブ20が回動操作されることで第1軸部21が移動すると、第1軸部21によって第1可動片61が押圧されることで第1可動接点61c,61dが第1固定接点31c,31dに接触する。これにより、操作ノブ20の回動操作が検知される。
【0101】
このように、第1軸部21と基板30との間に第1可動片61を設けるとともに、基板30の主面34に第1固定接点31c,31dを設けることによって、リクライニング操作検知部51を簡単な構成によって具現化することができる。
【0102】
(3)スライド操作検知部54は、第2可動接点62c,62dを有する第2可動片62と、第2固定接点32c,32dとを備える。
こうした構成によれば、操作ノブ20がスライド操作されることで第2軸部22が移動すると、第2軸部22によって第2可動片62が押圧されることで第2可動接点62c,62dが第2固定接点32c,32dに接触する。これにより、操作ノブ20のスライド操作が検知される。
【0103】
このように、第2軸部22と基板30との間に第2可動片62を設けるとともに、基板30の主面34に第2固定接点32c,32dを設けることによって、スライド操作検知部54を簡単な構成によって具現化することができる。
【0104】
(4)案内部材40には、ばね41g、ばね42g、及びばね43gが設けられている。
こうした構成によれば、回動操作されている状態の操作ノブ20から使用者が手を離すと、ばね41gによって第1軸部21が第1中立位置に向けて付勢されることで、操作ノブ20が中立位置に復帰するようになる。一方、スライド操作されている状態の操作ノブ20から使用者が手を離すと、ばね42gによって第2軸部22が第2中立位置に向けて付勢されることで、操作ノブ20が中立位置に復帰するようになる。これにより、操作ノブ20を中立位置に戻す操作が不要となる。したがって、操作装置50の使い勝手が向上する。
【0105】
(5)表示部24は、意匠面20aに設けられた窪み部251,261,271により構成されている。
こうした構成によれば、使用者は、手指を窪み部251,261,271に引っ掛けることによって操作ノブ20の回動操作やスライド操作を直感的に行うことができる。
【0106】
また、上記構成によれば、シートバック表示部26及びシートクッション表示部25が窪んでいるため、操作ノブ20が誤って操作される誤操作が生じにくい。
(6)シート10はオットマン13及びオットマン操作検知部57を備える。操作ノブ20は、第2軸部22に対して第1軸部21とは反対側に位置する第3軸部23を有する。意匠面20aには、オットマン表示部27が設けられている。案内部材40には、第3回動案内面43eが設けられている。
【0107】
こうした構成によれば、オットマン13を傾動させる場合には、使用者により第3軸部23を中心として操作ノブ20が回動操作される。このとき、使用者は、オットマン表示部27によって操作ノブ20の回動中心を直感的に把握できる。また、案内部材40の第3回動案内面43eによって第3軸部23の移動が案内されることにより、使用者は、操作ノブ20を安定して回動操作することができる。そして、オットマン操作検知部57により、回動操作が検知されると、当該回動操作に対応した向きにオットマン13を傾動させる信号が出力される。
【0108】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0109】
・本発明は、オットマン13を備えないシート10にも適用できる。この場合、シートバック12をリクライニングさせる際には、第2軸部22を中心として操作ノブ20が回動される。
【0110】
・表示部24は、意匠面20aに対して突出している凸部により構成されていたり、意匠面20aに印刷されていてもよい。
・案内部材40及び操作ノブ20は、樹脂製のものに限定されず、例えば金属製のものであってもよい。
【0111】
・ばね41g、ばね42g、及びばね43gを省略してもよい。
・リクライニング操作検知部51、スライド操作検知部54、及びオットマン操作検知部57の構成は、本実施形態のものに限定されない。例えば、基板30に赤外線センサを設けることで、当該赤外線センサが第1軸部21、第2軸部22、及び第3軸部23が当該赤外線センサと重なる位置に移動したことを検知してもよい。
【0112】
・シート10の操作装置50は、車両後席のドア17のドアトリム18に埋め込まれているものに限定されない。シート10の操作装置50は、シート10の側面に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0113】
10…シート
11…シートクッション
12…シートバック
13…オットマン
14…リクライニングモータ
15…スライドモータ
16…オットマンモータ
17…ドア
18…ドアトリム
19…孔
20…操作ノブ
20A…ノブ本体
20a…意匠面
21…第1軸部
21a…第1規制部
22…第2軸部
22a…第2規制部
23…第3軸部
23a…第3規制部
24…表示部
25…シートクッション表示部
251…窪み部
252…突出部
26…シートバック表示部
261…窪み部
262…突出部
27…オットマン表示部
271…窪み部
272…突出部
30…基板
31a…第1凹部
31c,31d…第1固定接点
31e…第1共通端子
31f,31g…第1端子
32a…第2凹部
32c,32d…第2固定接点
32e…第2共通端子
32f,32g…第2端子
33a…第3凹部
33c,33d…第3固定接点
33e…第3共通端子
33f,33g…第3端子
34…主面
40…案内部材
41a…第1収容凹部
41b…第1スリット
41c…回動用スリット
41d…スライド用スリット
41e…第1回動案内面
41f…第1座部
41g…ばね(第1付勢部材)
42a…第2収容凹部
42b…第2スリット
42c…回動用スリット
42d…スライド用スリット
42e…スライド案内面
42f…第2座部
42g…ばね(第2付勢部材)
43a…第3収容凹部
43b…第3スリット
43c…回動用スリット
43d…スライド用スリット
43e…第3回動案内面
43f…第3座部
43g…ばね
50…操作装置
51…リクライニング操作検知部
52…上方リクライニング操作検知部
53…下方リクライニング操作検知部
54…スライド操作検知部
55…前方スライド操作検知部
56…後方スライド操作検知部
57…オットマン操作検知部
58…上方オットマン操作検知部
59…下方オットマン操作検知部
61…第1可動片
61a…中心部
61b…延在部
61c,61d…第1可動接点
62…第2可動片
62a…中心部
62b…延在部
62c,62d…第2可動接点
63…第3可動片
63a…中心部
63b…延在部
63c,63d…第3可動接点
70…制御装置
C1,C2a,C2b,C3…仮想円弧
C2…仮想直線
R1,R2…軸
V…仮想直線