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特開2023-131391磁気ディスク装置及びサーボパターンライト方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131391
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】磁気ディスク装置及びサーボパターンライト方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/10 20060101AFI20230914BHJP
   G11B 5/596 20060101ALI20230914BHJP
   G11B 21/08 20060101ALI20230914BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20230914BHJP
   G11B 5/09 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G11B21/10 W
G11B21/10 E
G11B5/596
G11B21/08 C
G11B21/08 E
G11B20/10 301Z
G11B5/09 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036125
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松永 俊孝
【テーマコード(参考)】
5D044
【Fターム(参考)】
5D044BC01
5D044CC04
5D044DE12
5D044DE32
5D044DE37
5D044DE46
(57)【要約】
【課題】 信頼性を向上可能な磁気ディスク装置及びサーボパターンライト方法を提供することである。
【解決手段】 本実施形態に係る磁気ディスク装置は、ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、第1スパイラルサーボパターンの前記ディスクの半径方向にずらして前記第1スパイラルサーボパターンと異なる第2スパイラルサーボパターンを重ね書きする、コントローラと、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクと、
前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、
第1スパイラルサーボパターンの前記ディスクの半径方向にずらして前記第1スパイラルサーボパターンと異なる第2スパイラルサーボパターンを重ね書きする、コントローラと、を備える磁気ディスク装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記第1スパイラルサーボパターンの前記半径方向に前記第2スパイラルサーボパターンを重ね書きした重ね書きスパイラルサーボパターンをリードしたリード信号に関連するMAG値に基づいて、位置決め制御を実行する、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記MAG値を積算した積算値の半分のタイミングに相当する位置を前第1重ね書きスパイラルサーボパターンの幅の中心位置として算出する、請求項2に記載の磁気ディスク装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記中心位置に基づいて、位置誤差を算出する、請求項3に記載の磁気ディスク装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記第1スパイラルサーボパターンの前記半径方向に前記第2スパイラルサーボパターンを重ね書きした重ね書きスパイラルサーボパターンの幅の中央部にイレーズパターンをライトする、請求項1に記載の磁気ディスク装置。
【請求項6】
前記イレーズパターンの周波数は、前記第1スパイラルサーボパターン及び前記第2スパイラルサーボパターンの周波数よりも大きい、請求項5に記載の磁気ディスク装置。
【請求項7】
前記コントローラは、前記イレーズパターンを1度だけ前記中央部にライトする、請求項5又は6に記載の磁気ディスク装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記重ね書きスパイラルサーボパターンの幅の中央部に前記イレーズパターンをライトした重ね書きイレーズスパイラルパターンをリードしたリード信号に関連するMAG値に基づいて、位置決め制御を実行する、請求項5乃至6のいずれか1項に記載の磁気ディスク装置。
【請求項9】
前記コントローラは、前記イレーズパターンを含まない前記重ね書きイレーズスパイラルパターンに対応する前記MAG値の内の最大値と前記イレーズパターンを含む前記重ね書きイレーズスパイラルパターンに対応する前記MAG値との差分値を算出し、前記差分値を積算した積算値の半分のタイミングに相当する位置を前記重ね書きイレーズスパイラルパターンの幅の中心位置として算出する、請求項8に記載の磁気ディスク装置。
【請求項10】
前記コントローラは、前記中心位置に基づいて、位置誤差を算出する、請求項9に記載の磁気ディスク装置。
【請求項11】
ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、を備える磁気ディスク装置に適用されるサーボパターンライト方法であって、
第1スパイラルサーボパターンの前記ディスクの半径方向にずらして前記第1スパイラルサーボパターンと異なる第2スパイラルサーボパターンを重ね書きする、サーボパターンライト方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、磁気ディスク装置及びサーボパターンライト方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスク装置は、スパイラルサーボパターンをライトするブランクディスクライティング(BDW)の工程において、全くデータ及びパターンがライトされていないディスクにヘッドにより複数のスパイラルサーボパターンをライトする。磁気ディスク装置は、セルフサーボライト(SSW)の工程において、複数のスパイラルサーボパターンに基づいて、ヘッドにより最終的な製品で使用される複数のサーボパターン(以下、製品サーボパターンと称する場合もある)をライトする。
【0003】
磁気ディスク装置において、ヘッドのライト幅が狭い場合、スパイラルサーボパターンの幅が狭くなるため、スパイラルサーボパターンのリード信号に含まれるシンクマークを検出する数が少なくなる。また、磁気ディスク装置において、オントラック中のヘッドによりスパイラルサーボパターンをリードして検出するシンクマークの数と比較してシーク中のヘッドによりスパイラルサーボパターンをリードして検出するシンクマークの数の方が少ないため、シーク中にシンクマークを検出できずにサーボが外れる可能性がある。そのため、SSWの工程の信頼性が低下する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7375918号明細書
【特許文献2】米国特許第8498072号明細書
【特許文献3】米国特許第8780488号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、信頼性を向上可能な磁気ディスク装置及びサーボパターンライト方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る磁気ディスク装置は、ディスクと、前記ディスクに対してデータをライトし、前記ディスクからデータをリードするヘッドと、第1スパイラルサーボパターンの前記ディスクの半径方向にずらして前記第1スパイラルサーボパターンと異なる第2スパイラルサーボパターンを重ね書きする、コントローラと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1実施形態に係る磁気ディスク装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態に係るディスクに対するヘッドの配置の一例を示す模式図である。
図3図3は、スパイラルサーボパターンのライト信号の一例を示す模式図である。
図4図4は、通常スパイラルサーボパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。
図5図5は、通常スパイラルサーボパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。
図6図6は、本実施形態に係る重ね書きスパイラルサーボパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。
図7図7は、本実施形態に係る重ね書きスパイラルサーボパターンのオフセット量のテーブルの一例を示す模式図である。
図8図8は、本実施形態に係る重ね書きスパイラルサーボパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。
図9図9は、本実施形態に係る重ね書きスパイラルサーボパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。
図10図10は、通常スパイラルサーボパターンのスパイラルパターンセンタ位置の算出方法の一例を示す模式図である。
図11図11は、本実施形態に係る重ね書きスパイラルサーボパターンのスパイラルパターンセンタ位置の算出方法の一例を示す模式図である。
図12図12は、本実施形態に係るサーボパターンライト方法の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、本実施形態に係るサーボパターンライト方法の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、本実施形態に係る重ね書きイレーズスパイラルパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。
図15図15は、第2実施形態に係る重ね書きイレーズスパイラルパターンのオフセット量のテーブルの一例を示す模式図である。
図16図16は、第2実施形態に係る重ね書きイレーズスパイラルパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。
図17図17は、第2実施形態に係る重ね書きイレーズスパイラルパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。
図18図18は、第2実施形態に係る重ね書きイレーズスパイラルパターンのイレーズパターンセンタ位置の算出方法の一例を示す模式図である。
図19図19は、第2実施形態に係るサーボパターンライト方法の一例を示すフローチャートである。
図20図20は、第2実施形態に係るサーボパターンライト方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図面は、一例であって、発明の範囲を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る磁気ディスク装置1の構成を示すブロック図である。
磁気ディスク装置1は、後述するヘッドディスクアセンブリ(HDA)と、ドライバIC20と、ヘッドアンプ集積回路(以下、ヘッドアンプIC、又はプリアンプ)30と、揮発性メモリ70と、不揮発性メモリ80と、バッファメモリ(バッファ)90と、1チップの集積回路であるシステムコントローラ130とを備える。また、磁気ディスク装置1は、ホストシステム(以下、単に、ホストと称する)100と接続される。
【0009】
HDAは、磁気ディスク(以下、ディスクと称する)10と、スピンドルモータ(以下、SPMと称する)12と、ヘッド15を搭載しているアーム13と、ボイスコイルモータ(以下、VCMと称する)14とを有する。ディスク10は、SPM12に取り付けられ、SPM12の駆動により回転する。アーム13及びVCM14は、アクチュエータを構成している。アクチュエータは、VCM14の駆動により、アーム13に搭載されているヘッド15をディスク10の所定の位置まで移動制御する。ディスク10及びヘッド15は、2つ以上の数が設けられてもよい。また、アクチュエータも、2つ以上設けられていてもよい。
【0010】
ディスク10は、そのデータをライト可能な領域に、ユーザから利用可能なユーザデータ領域10aと、システム管理に必要な情報をライトするシステムエリア10bとが割り当てられている。なお、ディスク10には、ユーザデータ領域10a及びシステムエリア10bとは別の領域として、ホスト100等から転送されたデータ(又はコマンド)をユーザデータ領域10aの所定の領域にライトする前に一時的に保存又は記録するメディアキャッシュ(又は、メディアキャッシュ領域と称する場合もある)が割り当てられていてもよい。以下、ディスク10の内周から外周へ向かう方向、又はディスク10の外周から内周へ向かう方向を半径方向と称する。半径方向において、内周から外周へ向かう方向を外方向(又は、外側)と称し、外周から内周へ向かう方向を内方向(又は、内側)と称する。ディスク10の半径方向に交差、例えば、直交する方向を円周方向と称する。円周方向は、ディスク10の円周に沿った方向に相当する。また、ディスク10の半径方向の所定の位置を半径位置と称し、ディスク10の円周方向の所定の位置を円周位置と称する場合もある。半径位置及び円周位置をまとめて単に位置と称する場合もある。ディスク10は、半径方向の所定の範囲毎に複数の領域(以下、ゾーン、又はゾーン領域と称する場合もある)に区分される。ゾーンには、複数のトラックを含む。トラックは、複数のセクタを含む。なお、“トラック”は、“ディスク10を半径方向に所定の範囲毎に区分した複数の領域の内の1つの領域”、“ディスク10を半径方向に所定の範囲毎に区分した複数の領域の内の1つの領域にライトされたデータ”、“ディスク10の所定の半径位置で円周方向に延出する領域”、“ディスク10の所定の半径位置で円周方向に延出する領域にライトされたデータ”、“ディスク10の所定の半径位置の1周分の領域”、“ディスク10の所定の半径位置の1周分の領域にライトされた1周分のデータ”、“ディスク10の所定の半径位置に位置決めしてライトするヘッド15の経路”、“ディスク10の所定の半径位置に位置決めしたヘッド15でライトしたデータ”、“ディスク10の所定のトラックにライトされたデータ”や、その他の種々の意味で用いる。“セクタ”は、“ディスク10の所定のトラックを円周方向で区分した複数の領域の内の1つの領域”、“ディスク10の所定のトラックを円周方向で区分した複数の領域の内の1つの領域にライトしたデータ”、“ディスク10の所定の半径位置における所定の円周位置の領域”、“ディスク10の所定の半径位置における所定の円周位置の領域にライトされたデータ”、“ディスク10の所定のセクタにライトされたデータ”や、その他の種々の意味で用いる。“トラックの半径方向の幅”を“トラック幅”と称する場合もある。トラック幅の中心位置をトラックセンタと称する場合もある。トラックセンタを単にトラックと称する場合もある。
【0011】
ヘッド15は、スライダを本体として、当該スライダに実装されているライトヘッド15Wとリードヘッド15Rとを備える。ライトヘッド15Wは、ディスク10にデータをライトする。例えば、ライトヘッド15Wは、ディスク10に所定のトラックをライトする。リードヘッド15Rは、ディスク10に記録されているデータをリードする。例えば、リードヘッド15Rは、ディスク10の所定のトラックをリードする。なお、“ライトヘッド15W”を単に“ヘッド15”と称する場合もあるし、“リードヘッド15R”を単に“ヘッド15”と称する場合もある。また、“ライトヘッド15W及びリードヘッド15R”をまとめて“ヘッド15”と称する場合もある。“ヘッド15の中心部”を“ヘッド15”と称し、“ライトヘッド15Wの中心部”を“ライトヘッド15W”と称し、“リードヘッド15Rの中心部”を“リードヘッド15R”と称する場合もある。“ライトヘッド15Wの中心部”を単に“ヘッド15”と称する場合もあるし、“リードヘッド15Rの中心部”を単に“ヘッド15”と称する場合もある。“ヘッド15の中心部を所定の位置に位置決めする”ことを“ヘッド15を所定の位置に位置決めする”、“ヘッド15を所定の位置に配置する”、又は“ヘッド15を所定の位置に位置する”等で表現する場合もある。
【0012】
図2は、本実施形態に係るディスク10に対するヘッド15の配置の一例を示す模式図である。図2では、ディスク10の最内周IMCと最外周OMCとを示している。図2に示すように、円周方向において、ディスク10の回転する方向を回転方向と称する。なお、図2に示した例では、回転方向は、反時計回りで示しているが、逆向き(時計回り)であってもよい。
【0013】
図2に示した例では、ディスク10において、システムエリア10bは、ユーザデータ領域10aの外方向に配置されている。言い換えると、ディスク10において、ユーザデータ領域10aは、システムエリア10bの内方向に配置されている。図2に示した例では、システムエリア10bは、ディスク10の最外周OMCに配置されている。なお、ユーザデータ領域10aは、ディスク10の半径方向において、分割して配置されていてもよい。また、システムエリア10bは、図2に示した位置と異なる位置に配置されていてもよい。例えば、システムエリア10bは、ディスク10において、複数のユーザデータ領域10aの間に配置されていてもよいし、ディスク10の最内周IMCに配置されていてもよい。
【0014】
ディスク10は、データ領域DAと、最終的な製品で使用される複数のサーボパターン(以下、製品サーボパターンと称する場合もある)若しくは複数のサーボ領域(以下、製品サーボ領域と称する場合もある)PSVと、複数の製品サーボパターンPSVと異なる複数のスパイラルサーボパターン(複数のコースガイドスパイラル(CGS)サーボパターン、複数のファインガイドスパイラル(FGS)サーボパターン、及び複数のファイナルスパイラル(FS)サーボパターン)SSPと、を有している。
【0015】
図2において、複数のデータ領域DAは、それぞれ、複数の製品サーボパターンPSVの間に配置されている。例えば、データ領域DAは、円周方向において、2つの連続する製品サーボパターンPSVの間の領域に相当する。なお、“所定のトラックにおける1つのデータ領域DA”を”データセクタ領域”と称する場合もある。つまり、データ領域DAは、少なくとも1つのデータセクタ領域を有する。なお、”データ領域DA”を“データセクタ領域DA”と称する場合もある。データセクタ領域は、少なくとも1つのセクタを有している。”データセクタ領域”を”セクタ”と称する場合もある。”データセクタ領域”にライトされたデータ”を”データセクタ領域”と称する場合もある。また、“データセクタ領域にライトされている製品サーボデータ以外のデータ”を“ユーザデータ”と称する場合もある。
【0016】
図2において、複数のスパイラルサーボパターンSSPは、便宜上、ディスク10上でスパイラル状に延長している。なお、複数のスパイラルサーボパターンSSPは、ディスク10上で並行に延長しているように記載しているが、実際には並行に延長していなくてもよい。複数のスパイラルサーボパターンSSPは、ディスク10の円周方向に所定の間隔を空けて離散的に配置されている。以下、“所定のトラックにおけるスパイラルサーボパターンSSP”を“スパイラルサーボセクタ”と称する場合もある。なお、“スパイラルサーボパターンSSP”を“スパイラルサーボセクタ”と称する場合もある。“スパイラルサーボセクタ”を“スパイラルサーボパターン”と称する場合もある。“スパイラルサーボセクタ”は、対応する“サーボデータ”を含んでいる。なお、“スパイラルサーボセクタにライトされたスパイラルサーボデータ”を“スパイラルサーボセクタ”又は“スパイラルサーボパターン”と称する場合もある。また、“サーボデータ”を“サーボセクタ”又は“サーボパターン”と称する場合もある。
【0017】
図2において、複数の製品サーボパターンPSVは、便宜上、半径方向に直線状に延長している。なお、複数の製品サーボパターンPSVは、半径方向において内側から外側に直線状に延出しているように記載されているが、曲がっていてもよい。例えば、製品サーボパターンPSVは、ディスク10上でスパイラル状に延長していてもよい。複数の製品サーボパターンPSVは、ディスク10の半径方向に放射状に延出して、ディスク10の円周方向に所定の間隔を空けて離散的に配置されている。以下、“所定のトラックにおける製品サーボパターンPSV”を“製品サーボセクタ”と称する場合もある。なお、“製品サーボパターンPSV”を“製品サーボセクタ”と称する場合もある。“製品サーボセクタ”を“製品サーボパターン”と称する場合もある。製品サーボセクタは、サーボデータを含んでいる。なお、“製品サーボセクタにライトされた製品サーボデータ”を“製品サーボセクタ”と称する場合もある。
【0018】
サーボセクタ(又はサーボデータ)は、例えば、プリアンブル(Preamble)、及びシンクマークを含む。サーボセクタにおいて、プリアンブル、及びシンクマーク(若しくはシンクフィールドデータ・マーク)(Sync Mark)は、これらの順番で、円周方向の前から後に連続して配置されている。プリアンブルは、サーボマーク及びグレイコードなどで構成されるサーボパターンの再生信号に同期するためのプリアンブル情報を含む。シンクマークは、データセクタ領域等の先頭を検出するための情報などを含む。なお、サーボセクタは、プリアンブル及びシンクマーク以外のデータを含んでいてもよい。また、シンクマークは、データセクタ領域に含まれていてもよい。
【0019】
ドライバIC20は、システムコントローラ130(詳細には後述するMPU60)、SPM12、及びVCM14に接続され、システムコントローラ130(詳細には、後述するMPU60)の制御に従って、SPM12及びVCM14の駆動を制御する。
【0020】
ヘッドアンプIC(プリアンプ)30は、リードアンプ及びライトドライバ等を備えている。リードアンプは、ディスク10からリードしたリード信号を増幅して、システムコントローラ130(詳細には、後述するリード/ライト(R/W)チャネル40)に出力する。ライトドライバは、R/Wチャネル40から出力される信号に応じたライト電流をヘッド15に出力する。ヘッドアンプIC30は、ヘッド15等に電気的に接続されている。
【0021】
揮発性メモリ70は、電力供給が断たれると保存しているデータが失われる半導体メモリである。揮発性メモリ70は、磁気ディスク装置1の各部での処理に必要なデータ等を格納する。揮発性メモリ70は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、又はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)である。なお、揮発性メモリ70は、後述するシステムコントローラ130に含まれていてもよい。
【0022】
不揮発性メモリ80は、電力供給が断たれても保存しているデータを記録する半導体メモリである。不揮発性メモリ80は、例えば、NOR型またはNAND型のフラッシュROM(Flash Read Only Memory :FROM)である。なお、不揮発性メモリ80は、後述するシステムコントローラ130に含まれていてもよい。
【0023】
バッファメモリ90は、磁気ディスク装置1とホスト100との間で送受信されるデータ等を一時的に記録する半導体メモリである。なお、バッファメモリ90は、揮発性メモリ70と一体に構成されていてもよい。バッファメモリ90は、例えば、DRAM、SRAM(Static Random Access Memory)、SDRAM、FeRAM(Ferroelectric Random Access memory)、又はMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)等である。なお、バッファメモリ90は、後述するシステムコントローラ130に含まれていてもよい。
【0024】
システムコントローラ(コントローラ)130は、例えば、複数の素子が単一チップに集積されたSystem-on-a-Chip(SoC)と称される大規模集積回路(LSI)を用いて実現される。システムコントローラ130は、リード/ライト(R/W)チャネル40と、ハードディスクコントローラ(HDC)50と、マイクロプロセッサ(MPU)60と、を含む。R/Wチャネル40、HDC50、及びMPU60は、それぞれ、互いに電気的に接続されている。システムコントローラ130は、例えば、ドライバIC20、ヘッドアンプIC60、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、バッファメモリ90、及びホストシステム100等に電気的に接続されている。
【0025】
R/Wチャネル40は、後述するMPU60からの指示に応じて、ディスク10からホスト100に転送されるデータ、例えば、リードデータとホスト100から転送されるデータ、例えば、ライトデータとの信号処理を実行する。R/Wチャネル40は、例えば、ヘッドアンプIC30、HDC50、及びMPU60等に電気的に接続されている。R/Wチャネル40は、ライトデータを変調する回路、又は機能を有している。また、R/Wチャネル40は、リードデータの信号品質を測定する回路若しくは機能と、リードデータをデコードする回路若しくは機能と、を有している。R/Wチャネル40は、ヘッドアンプIC30等に電気的に接続されている。
【0026】
HDC50は、データの転送を制御する。HDC50は、後述するMPU60からの指示に応じて、ホスト100とディスク10との間のデータ転送を制御する。HDC50は、例えば、ヘッドアンプIC30、R/Wチャネル40、MPU60、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、及びバッファメモリ90等に電気的に接続されている。
【0027】
MPU60は、磁気ディスク装置1の各部を制御するメインコントローラである。MPU60は、ドライバIC20を介してVCM14を制御し、ヘッド15の位置決めを行うサーボ制御を実行する。MPU60は、ドライバIC20を介してSPM12を制御し、ディスク10を回転させる。MPU60は、ディスク10へのデータのライト動作を制御すると共に、ホスト100から転送されるデータ、例えば、ライトデータの保存先を選択する。MPU60は、ディスク10からのデータのリード動作を制御すると共に、ディスク10からホスト100に転送されるデータ、例えば、リードデータの処理を制御する。また、MPU60は、データを記録する領域を管理する。MPU60は、磁気ディスク装置1の各部に接続されている。MPU60は、例えば、ドライバIC20、R/Wチャネル40、及びHDC50等に電気的に接続されている。
【0028】
MPU60は、リード/ライト制御部610と、サーボパターンライト部620と、位置決め制御部630とを備えている。MPU60は、これら各部、例えば、リード/ライト制御部610、サーボパターンライト部620、及び位置決め制御部630等の処理をファームウェア上で実行する。なお、MPU60は、これら各部、例えば、リード/ライト制御部610、サーボパターンライト部620、及び位置決め制御部630等を回路として備えていてもよい。
【0029】
リード/ライト制御部610は、ホスト100からのコマンド等に従って、データのリード処理及びライト処理を制御する。リード/ライト制御部610は、ドライバIC20を介してVCM14を制御し、ヘッド15をディスク10上の所定の半径位置に配置し、リード処理又はライト処理を実行する。以下、“ライト処理”及び“リード処理”をまとめて“アクセス”又は“アクセス処理”という用語で表現する場合もある。
【0030】
サーボパターンライト部620は、ディスク10にサーボパターンをライトする。サーボパターンライト部620は、ディスク10にスパイラルサーボパターンSSPと、製品サーボパターンPSVとをライトする。
【0031】
サーボパターンライト部620は、ディスク10にスパイラルサーボパターンSSPをライトする。サーボパターンライト部620は、全くデータ及びパターンがライトされていない(以下、ブランク状態と称する場合もある)ディスク10にスパイラルサーボパターンSSPを順番にライトするブランクディスクライティング(BDW)(又はブランクディスクサーボライト)の工程(以下、BDW工程と称する場合もある)において、ブランク状態のディスク10に所定の速度(以下、スパイラル速度と称する場合もある)でスパイラルサーボパターンSSPをライトする。サーボパターンライト部620は、BDW工程において、ブランク状態のディスク10ではデータ若しくはパターン等をリードできないためリード処理(又はオントラック)を実行せずに、ブランク状態のディスク10の1周に1回の基準のクロックに相当するディスク10の位置(以下、クロック基準位置と称する場合もある)を開始地点として、VCM14から生じる逆起電圧に基づくディスク10に対するヘッド15の速度情報(以下、逆起速度情報と称する場合もある)に応じてヘッド15を所定のスパイラル速度で等速制御してディスク10にスパイラルサーボパターンSSPを半径方向の内方向、例えば、最内周IMCから外方向、例えば、最外周OMCに向かってライトする。なお、サーボパターンライト部620は、BDW工程において、ブランク状態のディスク10のクロック基準位置を開始地点として、逆起速度情報に応じてヘッド15を所定のスパイラル速度で等速制御してディスク10にスパイラルサーボパターンSSPを半径方向の外方向、例えば、最外周OMCから内方向、例えば、最内周IMCに向かってライトしてもよい。
【0032】
サーボパターンライト部620は、ブランク状態のディスク10の開始地点であるクロック基準位置からヘッド15の等速制御を開始する位置までの範囲において、所定のスパイラル速度に到達するまでヘッド15を加速させながらスパイラルサーボパターンSSPをライトする。ヘッド15の等速制御を開始する位置にヘッド15が到達した場合、サーボパターンライト部620は、ブランク状態のディスク10のヘッド15の等速制御を開始する位置からヘッド15の減速を開始する位置までの範囲において、所定のスパイラル速度でヘッド15を等速制御してこのスパイラルサーボパターンSSPをライトする。ヘッド15の減速を開始する位置にヘッド15が到達した場合、サーボパターンライト部620は、ブランク状態のディスク10の減速を開始する位置から終了地点までの範囲において、所定の速度から所定の速度までヘッド15を減速させながらこのスパイラルサーボパターンSSPをライトする。以下、開始地点からヘッド15の等速制御を開始する位置までの範囲においてヘッド15を所定の速度に到達するまで加速している状態を加速状態、加速時、加速制御、又は加速度制御と称し、等速度のヘッド15でライトしている状態を等速状態、等速時、等速制御、又は等速度制御と称し、ヘッド15の減速を開始する位置から終了地点までの範囲においてヘッド15を所定の速度に到達するまで減速している状態を減速状態、減速時、又は減速制御と称する場合もある。なお、“スパイラルサーボパターンをライトするヘッド15の等速時の速度”を“スパイラル速度”と称する場合もあるし、“スパイラルサーボパターンをライトするヘッド15の加速時の速度”を“スパイラル速度”と称する場合もあるし、“スパイラルサーボパターンをライトするヘッド15の減速時の速度”を“スパイラル速度”と称する場合もある。また、“スパイラルサーボパターンをライトするヘッド15(の加速時、等速時、及び減速時)の速度”をまとめて“スパイラル速度”と称する場合もある。
【0033】
サーボパターンライト部620は、ディスク10に複数のスパイラルサーボパターンSSPを重ね書きする。言い換えると、サーボパターンライト部620は、ディスク10において所定のスパイラルサーボパターンSSPの半径方向の一部にこのスパイラルサーボパターンと異なる他のスパイラルサーボパターン(以下、単に、他のスパイラルサーボパターンと称する場合もある)SSPを重ね書きする。なお、サーボパターンライト部620は、ディスク10において、完全に同じトラック上に上書きするのでなければ、つまり、僅かにずれるのであれば、所定のスパイラルサーボパターンSSPに対してずらさずに他のスパイラルサーボパターンSSPを上書きしてもよい。以下、“重ね書きした複数のスパイラルサーボパターンを重ね書きスパイラルサーボパターン”、又は、単に“スパイラルサーボパターン”と称する場合もある。また、“重ね書きされていないスパイラルサーボパターン”及び“1つのスパイラルサーボパターン”を“通常スパイラルサーボパターン”、又は、単に“スパイラルサーボパターン”と称する場合もある。なお、サーボパターンライト部620は、ディスク10の全面に亘って重ね書きスパイラルサーボパターンをライトしてもよい。また、サーボパターンライト部620は、ディスク10の一部に重ね書きスパイラルサーボパターンをライトしてもよい。言い換えると、サーボパターンライト部620は、ディスク10に重ね書きスパイラルサーボパターン及び通常スパイラルサーボパターンを混合してライトしてもよい。
【0034】
例えば、通常スパイラルサーボパターンSSPの幅は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSPの幅よりも小さい。言い換えると、重ね書きスパイラルサーボパターンSSPの幅は、通常スパイラルサーボパターンSSPの幅よりも大きい。通常スパイラルサーボパターンSSPの幅は、例えば、ライトヘッド15Wの幅に相当する。通常スパイラルサーボパターンSSPの幅は、ライトヘッド15Wの幅よりも小さくてもよいし、ライトヘッド15Wの幅よりも大きくてもよい。重ね書きスパイラルサーボパターンSSPの幅は、例えば、ライトヘッド15Wの幅よりも大きい。重ね書きスパイラルサーボパターンSSPの幅は、例えば、ライトヘッド15Wの幅よりも小さくてもよいし、ライトヘッド15Wの幅と同じであってもよい。
【0035】
サーボパターンライト部620は、ブランク状態のディスク10に複数のスパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPを重ね書きする。サーボパターンライト部620は、ブランク状態のディスク10に複数のスパイラルサーボパターンSSPをそれぞれ一方向(以下、順方向と称する場合もある)、例えば、半径方向の一方向にずらして重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをライトする。サーボパターンライト部620は、ブランク状態のディスク10に複数のスパイラルパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPをそれぞれ所定の間隔(以下、オフセット量と称する場合もある)ずつ半径方向にずらして重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをライトする。以下、複数のスパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPを重ね書きしていく一方向を順方向と称する場合もある。つまり、順方向は、所定のスパライルサーボパターンの一部にこのスパイラルサーボパターンと異なる他のスパイラルサーボパターンを重ね書きしていく方向に相当する。なお、サーボパターンライト部620は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをライトする場合に、この重ね書きスパイラルサーボパターンの内の各通常スパイラルサーボパターンを所定の回数(以下、繰り返し回数と称する場合もある)繰り返して同じ位置にライト(若しくは上書き)してもよい。
【0036】
例えば、サーボパターンライト部620は、ブランク状態のディスク10に3つのスパイラルサーボパターンSSPをそれぞれ0.5トラックずつ順方向にずらして重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをライトする。なお、サーボパターンライト部620は、ブランク状態のディスク10に2つのスパイラルサーボパターンSSPをそれぞれ0.5トラックずつ順方向にずらして重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをライトしてもよいし、ブランク状態のディスク10に4つ以上のスパイラルサーボパターンSSPをそれぞれ0.5トラックずつ順方向にずらして重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをライトしてもよい。なお、スパイラルサーボパターンSSPは、ライトされたスパイラルサーボパターンSSPが重なる範囲において、0.5トラックに限らず、例えば0~1の範囲で任意にずらして重ね書きして、重ね書きスパイラルサーボパターンSSPがライトされてもよい。
【0037】
サーボパターンライト部620は、スパイラルサーボパターンSSPの幅の中心位置(以下、スパイラルパターンセンタ位置と称する場合もある)を算出又は取得する。サーボパターンライト部620は、スパイラルサーボパターンSSPのリード信号(若しくはリード信号強度)のシンクマーク(Sync)を検出する度に復調MAG値を取得し、この復調MAG値の積算値(以下、単に、積算値と称する場合もある)の半分(1/2)に相当するタイミングに対応する位置をスパイラルパターンセンタ位置として算出又は取得する。復調MAG値は、リード信号に関連する値に相当する。復調MAG値は、例えば、信号レベル又は面積に相当する。
【0038】
例えば、サーボパターンライト部620は、通常スパイラルサーボパターンSSPのシンクマークを検出する度に復調MAG値を取得し、この復調MAG値の積算値の半分(1/2)に相当するタイミングに対応する位置をスパイラルパターンセンタ位置として算出又は取得する。
【0039】
例えば、サーボパターンライト部620は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSPのシンクマークを検出する度に復調MAG値を取得し、この復調MAG値の積算値の半分(1/2)に相当するタイミングに対応する位置をスパイラルパターンセンタ位置として算出又は取得する。
【0040】
サーボパターンライト部620は、ディスク10に製品サーボパターンPSVをライトする。サーボパターンライト部620は、セルフサーボライト(SSW)の工程(以下、SSW工程又はSSW処理と称する場合もある)において、スパイラルサーボパターンSSPに基づいて製品サーボパターンPSVをライトする。サーボパターンライト部620は、SSW工程において、スパイラルサーボパターンSSP及びスパイラルパターンセンタ位置に基づいて、スパイラルパターンセンタ位置のずれを位置誤差計算に使用して補正しながら、製品サーボパターンPSVを半径方向の内方向、例えば、最内周IMCから外方向、例えば、最外周OMCに向かってライトする。なお、サーボパターンライト部620は、SSW工程において、スパイラルサーボパターンSSP及びスパイラルパターンセンタ位置に基づいて、スパイラルパターンセンタ位置のずれを位置誤差計算に使用して補正しながら、製品サーボパターンPSVを半径方向の外方向、例えば、最外周OMCから内方向、例えば、最内周IMCに向かってライトしてもよい。なお、BDW工程及びSSW工程をまとめてSSW工程と称する場合もある。サーボパターンライト部620は、SSW工程において、スパイラルサーボパターンSSPをライトしてもよい。
【0041】
位置決め制御部630は、ヘッド15の位置決め制御を実行する。位置決め制御部630は、スパイラルサーボパターンSSP、スパイラルパターンセンタ位置、及び製品サーボパターンPSVに基づいてヘッド15の位置決め制御を実行する。位置決め制御部630は、スパイラルパターンセンタ位置に基づいて、位置誤差を算出し、位置誤差に基づいて、ヘッド15の位置決め制御を実行する。言い換えると、MPU60は、スパイラルパターンセンタ位置のずれを使用して位置誤差を算出し、算出した位置誤差に基づいて、ヘッド15の位置決め制御を実行する。
【0042】
図3は、スパイラルサーボパターンSSPのライト信号の一例を示す模式図である。図3において、横軸は、時間を示している。図3の横軸の時間は、矢印の先端側に進行するに従って経過する。
【0043】
MPU60は、例えば、図3に示すようなスパイラルサーボパターンSSPのライト信号に従って、ディスク10に基本Dibit及びシンクマーク(Sync)を交互にライトしてスパイラルサーボパターンSSPをライトする。
【0044】
図4は、通常スパイラルサーボパターンSSPのライト処理方法の一例を示す模式図である。図4には、半径方向と、スパイラルサーボパターンSSPをライトしている間に時間の経過とともに進行する方向(以下、時間方向と称する場合もある)とを示している。図4の半径方向は、矢印の先端側に進行するに従って外方向に進行し、矢印の先端側と反対側に進行するに従って内方向に進行する。図4には、ディスク10に所定の間隔を置いて連続して配置された通常スパイラルサーボパターンSSPe1(SSP)、SSPe2(SSP)、及びSSPe3(SSP)を示している。図4の通常スパイラルサーボパターンSSPe1(SSP)、SSPe2(SSP)、及びSSPe3(SSP)において、縦線は、シンクマーク(Sync)に相当する。図4に示した例では、通常スパイラルサーボパターンSSPe1、SSPe2、及びSSPe3の幅は、ライトヘッド15Wの幅に相当する。図4には、オントラック時の通常スパイラルサーボパターンSSP(SSPe1、SSPe2、及びSSPe3)に対するリードヘッド15Rの経路(以下、オントラック経路と称する場合もある)ORReを示している。図4では、通常スパイラルサーボパターンSSPe1(SSP)、SSPe2(SSP)、及びSSPe3(SSP)は、説明の便宜上、斜めに帯状に延出しているように示しているが、実際にはディスク10にスパライル状に配置され得る。図4には、オントラックしているリードヘッド15Rで通常スパイラルサーボパターンSSP(SSPe1、SSPe2、及びSSPe3)をリードした場合のリード信号の大きさ又はリード信号強度(以下、オントラック時リード信号強度と称する場合もある)RSe11、RSe21、及びRSe31を示している。図4には、時間を示している。図4の時間は、矢印の先端側に進行するに従って経過する。オントラック時リード信号強度RSe11は、通常スパイラルサーボパターンSSPe1をオントラックしている(又は、所定のトラックに配置している)リードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。オントラック時リード信号強度RSe21は、通常スパイラルサーボパターンSSPe2をオントラックしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。オントラック時リード信号強度RSe31は、通常スパイラルサーボパターンSSPe3をオントラックしたリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。オントラック時リード信号強度RSe11、RSe21、及びRSe31において、縦線は、シンクマーク(Sync)をリードしたリード信号強度に相当する。
【0045】
図4に示した例では、MPU60は、ディスク10に通常スパイラルサーボパターンSSPe1、SSPe2、及びSSPe3を時間方向に間隔を置いてライトする。MPU60は、オントラック経路ORReに従ってリードヘッド15Rをオントラックして通常スパイラルサーボパターンSSPe1、SSPe2、及びSSPe3をリードしてオントラック時リード信号強度RSe11、RSe21、及びRSe31を取得する。
【0046】
図5は、通常スパイラルサーボパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。図5には、図4に示した通常スパイラルサーボパターンSSPe1(SSP)、SSPe2(SSP)、及びSSPe3(SSP)を示している。図5には、シーク時の通常スパイラルサーボパターンSSP(SSPe1、SSPe2、及びSSPe3)に対するリードヘッド15Rの経路(以下、シーク経路と称する場合もある)SRReを示している。図5には、シークしているリードヘッド15Rで通常スパイラルサーボパターンSSP(SSPe1、SSPe2、及びSSPe3)をリードした場合のリード信号強度(以下、シーク時リード信号強度と称する場合もある)RSe12、RSe22、及びRSe32を示している。シーク時リード信号強度RSe12は、スパイラルサーボパターンSSPe1をシークしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。シーク時リード信号強度RSe22は、スパイラルサーボパターンSSPe2をシークしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。シーク時リード信号強度RSe32は、スパイラルサーボパターンSSPe3をシークしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。
【0047】
図5に示した例では、MPU60は、シーク経路SRReに従ってリードヘッド15Rをシークして通常スパイラルサーボパターンSSPe1、SSPe2、及びSSPe3をリードしてシーク時リード信号強度RSe12、RSe22、及びRSe32を取得する。
【0048】
図5に示した例では、シーク時リード信号強度RSe12、RSe22、及びRSe32は、オントラック時リード信号強度RSe11、RSe21、及びRSe31よりも小さいため、オントラックしているリードヘッド15Rでリードするシンクマーク(Sync)の数よりもシークしているリードヘッド15Rでリードするシンクマーク(Sync)の数の方が少ない。
【0049】
図6は、本実施形態に係る重ね書きスパイラルサーボパターンSPP1のライト処理方法の一例を示す模式図である。図6には、半径方向と、時間方向とを示している。図6において、順方向は、外方向に相当する。なお、順方向は、内方向であってもよいし、内方向及び外方向以外の方向であってもよい。図6には、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1(SSP)を示している。図6において、例えば、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1は、通常スパイラルサーボパターンSSP11、SSP12、及びSSP13を記載の順番で重ね書きして構成されている。言い換えると、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1は、通常スパイラルサーボパターンSSP11、SSP12、及びSSP13を含む。図6に示した通常スパイラルサーボパターンSSP11、SSP12、及びSSP13において、縦線は、シンクマーク(Sync)に相当する。図6では、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1(SSP)、通常スパイラルサーボパターンSSP11、SSP12、及びSSP13は、説明の便宜上、斜めに帯状に延出しているように示しているが、実際にはディスク10にスパイラル状に配置され得る。
【0050】
図6に示した例では、MPU60は、ディスク10に所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP11をライトする。通常スパイラルサーボパターンSSP11をライトした後に、MPU60は、所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP11に対して順方向に所定のオフセット量ずらして通常スパイラルサーボパターンSSP12を重ね書きする。通常スパイラルサーボパターンSSP11に通常スパイラルサーボパターンSSP12を重ね書きした後に、MPU60は、所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP12に対して順方向に所定のオフセット量ずらして通常スパイラルサーボパターンSSP13を重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1をライトする。
【0051】
図7は、本実施形態に係る重ね書きスパイラルサーボパターンのオフセット量のテーブルTB1の一例を示す模式図である。図7には、図6に示した重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1に対応するオフセット量のテーブルTB1を示している。テーブルTB1は、重ね書きスパイラルサーボパターンにおいてスパイラルサーボパターンを重ね書きする順番に相当する番号(以下、重ね書き番号と称する場合もある)と、重ね書き番号1番のスパイラルサーボパターンSSP1に対するオフセット量と、各スパイラルサーボパターンSSPの繰り返し回数とを含んでいる。テーブルTB1は、所定の記録領域、例えば、ディスク10、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、若しくはバッファメモリ90に記録されていてもよい。
【0052】
図7に示した例では、通常スパイラルサーボパターンSSP11をライトした後に、MPU60は、テーブルTB1に示すように、所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP11に対して順方向に-0.5トラック(Track)ずらして通常スパイラルサーボパターンSSP12を重ね書きする。通常スパイラルサーボパターンSSP11に通常スパイラルサーボパターンSSP12を重ね書きした後に、MPU60は、所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP11に対して順方向に-1.0トラック(Track)ずらして通常スパイラルサーボパターンSSP12に通常スパイラルサーボパターンSSP13を重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1をライトする。
【0053】
図8は、本実施形態に係る重ね書きスパイラルサーボパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。図8には、半径方向と、順方向と、時間方向とを示している。図8には、ディスク10に所定の間隔を置いて連続して配置された重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1(SSP)、SSP2(SSP)、及びSSP3(SSP)を示している。図8の重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1、SSP2、及びSSP3において、縦線は、シンクマーク(Sync)に相当する。図8において、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1は、通常スパイラルサーボパターンSSP11、SSP12、及びSSP13を含む。重ね書きスパイラルサーボパターンSSP2は、通常スパイラルサーボパターンSSP21、SSP22、及びSSP23を含む。重ね書きスパイラルサーボパターンSSP3は、通常スパイラルサーボパターンSSP31、SSP32、及びSSP33を含む。図8に示した例では、通常スパイラルサーボパターンSSP11、SSP12、SSP13、SSP21、SSP22、SSP23、SSP31、SSP32、及びSSP33の幅は、ライトヘッド15Wの幅に相当する。図8には、オントラック時の重ね書きスパイラルサーボパターンSSP(SSP1、SSP2、及びSSP3)に対するリードヘッド15Rのオントラック経路ORR1を示している。図8では、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1(SSP)、SSP2(SSP)、及びSSP3(SSP)は、説明の便宜上、斜めに帯状に延出しているように示しているが、実際にはディスク10にスパイラル状に配置される。図8には、オントラック時リード信号強度RS11、RS21、及びRS31を示している。図8には、時間を示している。オントラック時リード信号強度RS11は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1をオントラックしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。オントラック時リード信号強度RS21は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP2をオントラックしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。オントラック時リード信号強度RS31は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP3をオントラックしたリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。オントラック時リード信号強度RS11、RS21、及びRS31において、縦線は、シンクマークをリードしたリード信号強度に相当する。
【0054】
図8に示した例では、MPU60は、ディスク10に通常スパイラルサーボパターンSSP11、SSP12、及びSSP13を順方向に重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1をライトする。MPU60は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1から時間方向に間隔を置いて、通常スパイラルサーボパターンSSP21、SSP22、及びSSP23を順方向に重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSP2をライトする。MPU60は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP2から時間方向に間隔を置いて、通常スパイラルサーボパターンSSP31、SSP32、及びSSP33を順方向に重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSP3をライトする。
【0055】
図8に示した例では、MPU60は、オントラック経路ORR1に従ってリードヘッド15Rをオントラックして重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1、SSP2、及びSSP3をリードしてオントラック時リード信号強度RS11、RS21、及びRS31を取得する。
【0056】
オントラック時リード信号強度RS11、RS21、及びRS31は、オントラック時リード信号強度RSe11、RSe21、及びRSe31よりも大きいため、オントラックしているリードヘッド15Rで通常スパイラルサーボパターンSSPをリードするシンクマーク(Sync)の数よりもオントラックしているリードヘッド15Rで重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをリードするシンクマーク(Sync)の数の方が多い。
【0057】
図9は、本実施形態に係る重ね書きスパイラルサーボパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。図9には、図8に示した重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1(SSP)、SSP2(SSP)、及びSSP3(SSP)を示している。図9には、シーク時の重ね書きスパイラルサーボパターンSSP(SSP1、SSP2、及びSSP3)に対するリードヘッド15Rのシーク経路SRR1を示している。図9には、シーク時リード信号強度RS12、RS22、及びRS32を示している。シーク時リード信号強度RS12は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1をシークしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。シーク時リード信号強度RS22は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP2をシークしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。シーク時リード信号強度RS32は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP3をシークしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。
【0058】
図9に示した例では、MPU60は、シーク経路SRR1に従ってリードヘッド15Rをシークしながら重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1、SSP2、及びSSP3をリードしてシーク時リード信号強度RS12、RS22、及びRS32を取得する。
【0059】
図9に示した例では、シーク時リード信号強度RS12、RS22、及びRS32は、シーク時リード信号強度RSe12、RSe22、及びRSe32よりも大きいため、シークしているリードヘッド15Rで通常スパイラルサーボパターンSSPをからリードするシンクマーク(Sync)の数よりもシークしているリードヘッド15Rで重ね書きスパイラルサーボパターンSSPからリードするシンクマーク(Sync)の数の方が多い。
【0060】
図10は、通常スパイラルサーボパターンSSPe1のスパイラルパターンセンタ位置の算出方法の一例を示す模式図である。図10には、図4に示した通常スパイラルサーボパターンSSPe1と、オントラック経路ORReと、通常スパイラルサーボパターンSSPe1のオントラック時リード信号強度とを示している。図10には、通常スパイラルサーボパターンSSPe1のオントラック時リード信号強度RSe1に対応する復調MAG値(以下、オントラック通常復調MAG値と称する場合もある)と、このオントラック通常復調MAG値に対応する復調MAG値の積算値(以下、オントラック通常積算値若しくは積算値と称する場合もある)とを示している。オントラック通常復調MAG値とオントラック通常積算値との横軸は、時間である。
【0061】
図10に示した例では、MPU60は、通常スパイラルサーボパターンSSPe1のオントラック時リード信号強度に基づいて、シンクマーク(Sync)を検出した各タイミングに相当する各オントラック通常復調MAG値を取得する。MPU60は、取得した通常スパイラルサーボパターンSSPe1のオントラック時リード信号強度に基づくシンクマークを検出した各タイミングに相当する各オントラック通常復調MAGを積算してオントラック通常積算値を算出し、このオントラック通常積算値の半分(1/2)のタイミングに相当する位置を通常スパイラルサーボパターンSSPe1のスパイラルパターンセンタ位置として算出又は取得する。MPU60は、算出した通常スパイラルサーボパターンSSPe1のスパイラルパターンセンタ位置を所定の記録領域、例えば、ディスク10、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、又はバッファメモリ90に記録してもよい。
【0062】
図11は、本実施形態に係る重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1のスパイラルパターンセンタ位置の算出方法の一例を示す模式図である。図11には、図8に示した重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1と、オントラック経路ORR1と、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1のオントラック時リード信号強度RS11とを示している。図11には、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1のオントラック時リード信号強度RS11に対応する復調MAG値(以下、オントラック重ね書き復調MAG値と称する場合もある)と、このオントラック重ね書き復調MAG値に対応する復調MAG値の積算値(以下、オントラック重ね書き積算値若しくは積算値と称する場合もある)とを示している。オントラック重ね書き復調MAG値とオントラック重ね書き積算値との横軸は、時間である。
【0063】
図11に示した例では、MPU60は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1のオントラック時リード信号強度RS11に基づいて、シンクマーク(Sync)を検出した各タイミングに相当する各オントラック重ね書き復調MAG値を取得する。MPU60は、取得した重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1のオントラック時リード信号強度RS1に基づくシンクマークを検出した各タイミングに相当する各オントラック重ね書き復調MAG値を積算してオントラック重ね書き積算値を算出し、このオントラック重ね書き積算値の半分(1/2)のタイミングに相当する位置を重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1のスパイラルパターンセンタ位置として算出又は取得する。MPU60は、算出した重ね書きスパイラルサーボパターンSSP1のスパイラルパターンセンタ位置を所定の記録領域、例えば、ディスク10、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、又はバッファメモリ90に記録してもよい。
【0064】
図12は、本実施形態に係るサーボパターンライト方法の一例を示すフローチャートである。
MPU60は、ディスク10に所定のスパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPをライトし(B1201)、順方向に所定のオフセット量ずらして、このスパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPに他のスパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPを重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをライトする(B1202)。MPU60は、スパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPを重ね書きするか重ね書きしないかを判定する(B1203)。
【0065】
スパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPを重ね書きすると判定した場合(B1203のYES)、MPU60は、B1202の処理に進む。スパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPを重ね書きしないと判定した場合(B1203のNO)、MPU60は、処理を終了する。
【0066】
図13は、本実施形態に係るサーボパターンライト方法の一例を示すフローチャートである。
MPU60は、スパイラルサーボパターンSSPをリードし(B1301)、このスパイラルサーボパターンSSPのリード信号のシンクマークを検出する度に各復調MAG値を取得する(B1302)。MPU60は、このスパイラルサーボパターンSSPに対応する復調MAG値の積算値を算出し(B1303)、この復調MAG値の積算値の半分(1/2)に相当するタイミングに対応する位置をスパイラルパターンセンタ位置として算出し(B1304)、処理を終了する。
【0067】
本実施形態によれば、磁気ディスク装置1は、ディスク10に複数の通常スパイラルサーボパターンSSPをそれぞれ順方向にずらして重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをライトする。磁気ディスク装置1は、スパイラルサーボパターンSSPをリード信号のシンクマークを検出する度に復調MAG値を取得し、この復調MAG値の積算値の半分(1/2)に相当するタイミングに対応する位置をスパイラルパターンセンタ位置として算出する。そのため、磁気ディスク装置1は、ライト幅が狭いヘッド15であっても、SSW工程の不良等を低下することができる。したがって、磁気ディスク装置1は、信頼性を向上することができる。
【0068】
次に、第1実施形態の他の実施形態に係る磁気ディスク装置について説明する。他の実施形態において、前述の第1実施形態と同一の部分には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る磁気ディスク装置1は、スパイラルサーボパターンSSPのライト処理方法が前述した第1実施形態の磁気ディスク装置1と異なる。
【0069】
MPU60は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをライトし、この重ね書きスパイラルサーボパターンSSPにイレーズパターンをライト(又は上書き)する。MPU60は、重ね書きスパイラルサーボパターンにおいてイレーズパターンの幅方向、例えば、半径方向の両端(以下、単に、イレーズパターンの両端と称する場合もある)は同じ形状であることが望ましいため、重ね書きスパイラルサーボパターンSSPの幅の中央部に一度だけイレーズパターンをライト(又は上書き)する。なお、MPU60は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSPの幅の中央部以外にイレーズパターンをライト(又は上書き)してもよい。また、MPU60は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSPに複数回イレーズパターンをライト(又は上書き)してもよい。イレーズパターンは、所定のデータ、例えば、通常スパイラルサーボパターンの周波数よりも周波数が高いACイレーズパターンに相当する。イレーズパターンは、通常スパイラルサーボパターンの周波数の数倍、例えば、4倍高い周波数のACイレーズパターンに相当する。
【0070】
MPU60は、イレーズパターンを上書きした重ね書きスパイラルサーボパターン(以下、重ね書きイレーズスパイラルパターンと称する場合もある)SSPのイレーズパターンの幅の中心位置(以下、イレーズパターンセンタ位置と称する場合もある)を算出又は取得する。MPU60は、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSPのリード信号(若しくはリード信号強度)のシンクマーク(Sync)を検出する度に復調MAG値(以下、イレーズスパイラル復調MAG値と称する場合もある)を取得する。MPU60は、重ね書きイレーズスパイラルパターンのイレーズスパイラル復調MAG値におけるイレーズパターンを含まない領域における最大のイレーズスパイラル復調MAG値(以下、最大イレーズスパイラル復調MAG値若しくは復調MAG値と称する場合もある)と重ね書きイレーズスパイラルパターンのイレーズパターンを含む領域における各イレーズスパイラル復調MAG値(以下、イレーズ復調MAG値若しくは復調MAG値と称する場合もある)との各差分値(以下、イレーズスパイラル差分値と称する場合もある)を算出する。MPU60は、各イレーズスパイラル差分値を積算した積算値(以下、差分積算値若しくは積算値と称する場合もある)を算出し、その差分積算値の半分(1/2)に相当するタイミングに対応する位置をイレーズパターンセンタ位置として算出又は取得する。
【0071】
MPU60は、イレーズパターンセンタ位置に基づいて、位置誤差を算出し、算出した位置誤差に基づいて、ヘッド15の位置決め制御を実行する。言い換えると、MPU60は、イレーズパターンセンタ位置のずれを使用して位置誤差を算出し、算出した位置誤差に基づいて、ヘッド15の位置決め制御を実行する。
【0072】
図14は、本実施形態に係る重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4のライト処理方法の一例を示す模式図である。図14には、半径方向と、順方向と、時間方向とを示している。図14において、順方向は、外方向に相当する。なお、順方向は、内方向であってもよいし、内方向及び外方向以外の方向であっても良い。図14には、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4(SSP)を示している。図14において、例えば、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4は、通常スパイラルサーボパターンSSP41、SSP42、SSP43、SSP44、SSP45、及びSSP46とイレーズパターンEP4とを含む。図14に示した通常スパイラルサーボパターンSSP41、SSP42、SSP43、SSP44、SSP45、及びSSP46において、縦線は、シンクマーク(Sync)に相当する。図14では、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4、通常スパイラルサーボパターンSSP41乃至SSP46、及びイレーズパターンEP4は、説明の便宜上、斜めに帯状に延出しているように示しているが、実際にはディスク10にスパイラル状に配置され得る。
【0073】
図14に示した例では、MPU60は、ディスク10に所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP41をライトする。通常スパイラルサーボパターンSSP41をライトした後に、MPU60は、所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP41に対して順方向に所定のオフセット量ずらして通常スパイラルサーボパターンSSP42を重ね書きする。通常スパイラルサーボパターンSSP41に通常スパイラルサーボパターンSSP42を重ね書きした後に、MPU60は、所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP42に対して順方向に所定のオフセット量ずらして通常スパイラルサーボパターンSSP43を重ね書きする。通常スパイラルサーボパターンSSP42に通常スパイラルサーボパターンSSP43を重ね書きした後に、MPU60は、所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP43に対して順方向に所定のオフセット量ずらして通常スパイラルサーボパターンSSP44を重ね書きする。通常スパイラルサーボパターンSSP43に通常スパイラルサーボパターンSSP44を重ね書きした後に、MPU60は、所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP44に対して順方向に所定のオフセット量ずらして通常スパイラルサーボパターンSSP45を重ね書きする。通常スパイラルサーボパターンSSP44に通常スパイラルサーボパターンSSP45を重ね書きした後に、MPU60は、所定のスパイラル速度で通常スパイラルサーボパターンSSP45に対して順方向に所定のオフセット量ずらして通常スパイラルサーボパターンSSP46を重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンをライトする。
【0074】
MPU60は、通常スパイラルサーボパターンSSP41乃至SSP46を含む重ね書きスパイラルサーボパターンの幅の中央部にイレーズパターンEP4を上書きして重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4をライトする。
【0075】
図15は、第2実施形態に係る重ね書きイレーズスパイラルパターンのオフセット量のテーブルTB2の一例を示す模式図である。図15には、図14に示した重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4に対応するオフセット量のテーブルTB2を示している。テーブルTB2は、重ね書きイレーズスパイラルパターンにおいてスパイラルサーボパターンを重ね書きする順番に相当する重ね書き番号と、重ね書き番号4番のスパイラルサーボパターンSSP44に対するオフセット量と、各スパイラルサーボパターンSSPの繰り返し回数とを含んでいる。テーブルTB2は、所定の記録領域、例えば、ディスク10、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、若しくはバッファメモリ90に記録されていてもよい。
【0076】
図15に示した例では、MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP44を配置する位置から順方向と反対方向(以下、逆順方向と称する場合もある)に+1.5トラック(Track)ずらしてスパイラルサーボパターンSSP41をライトする。MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP41を1~5回繰り返し重ね書き(若しくは上書き)してもよい。
【0077】
MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP44を配置する位置から順方向と反対方向(以下、逆順方向と称する場合もある)に+1.0トラック(Track)ずらして、スパイラルサーボパターンSSP41の順方向にスパイラルサーボパターンSSP42を重ね書きする。MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP42を1~5回繰り返し重ね書き(若しくは上書き)してもよい。
【0078】
MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP44を配置する位置から逆順方向に+0.5トラック(Track)ずらして、スパイラルサーボパターンSSP42の順方向にスパイラルサーボパターンSSP43を重ね書きする。MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP43を1~5回繰り返し重ね書き(若しくは上書き)してもよい。
【0079】
MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP43の順方向にスパイラルサーボパターンSSP44を重ね書きする。MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP44を1~5回繰り返し重ね書き(若しくは上書き)してもよい。
【0080】
MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP44を配置する位置から順方向に-0.5トラック(Track)ずらして、スパイラルサーボパターンSSP44の順方向にスパイラルサーボパターンSSP45を重ね書きする。MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP45を1~5回繰り返し重ね書き(若しくは上書き)してもよい。
【0081】
MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP44を配置する位置から順方向に-1.0トラック(Track)ずらして、スパイラルサーボパターンSSP45の順方向にスパイラルサーボパターンSSP46を重ね書きして、スパイラルサーボパターンSSP41乃至SSP46を含む重ね書きスパイラルサーボパターンをライトする。MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP46を1~5回繰り返し(若しくは上書き)重ね書きしてもよい。
【0082】
MPU60は、スパイラルサーボパターンSSP44を配置する位置から順方向に0.5~0トラック(Track)ずらして、スパイラルサーボパターンSSP41乃至SSP46を含む重ね書きスパイラルサーボパターンの幅の中央部にイレーズパターンEP4を上書きして重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4をライトする。MPU60は、イレーズパターンEP4を1回のみ上書きする。
【0083】
なお、MPU60は、重ね書きの精度が十分に得られなくても隙間なく書き込むことができれば、スパイラルサーボパターンSSP41乃至SSP46をそれぞれ、6回以上繰り返し重ね書き若しくは上書きしてもよい。また、MPU60は、5つ以下のスパイラルサーボパターンSSPを重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンをライトしてもよいし、7つ以上のスパイラルサーボパターンSSPを重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンをライトしてもよい。
【0084】
図16は、第2実施形態に係る重ね書きイレーズスパイラルパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。図16には、半径方向と、順方向と、時間方向とを示している。図16には、ディスク10に所定の間隔を置いて連続して配置された重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4(SSP)、及びSSP5(SSP)を示している。図16の重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4、及びSSP5において、縦線は、シンクマーク(Sync)に相当する。図16において、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4は、スパイラルサーボパターンSSP41、SSP42、SSP43、SSP45、SSP46、及びイレーズパターンEP4を含む。重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP5は、スパイラルサーボパターンSSP51、SSP52、SSP53、SSP55、SSP56、及びイレーズパターンEP5を含む。図16に示した例では、スパイラルサーボパターンSSP41、SSP42、SSP43、SSP45、SSP46、SSP51、SSP52、SSP53、SSP55、SSP56、イレーズパターンEP4、及びEP5の幅は、ライトヘッド15Wの幅に相当する。図16には、オントラック時の重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP(SSP4、及びSSP5)に対するリードヘッド15Rのオントラック経路ORR2を示している。図16では、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4(SSP)、及びSSP5(SSP)は、説明の便宜上、斜めに帯状に延出しているように示しているが、実際にはディスク10にスパイラル状に配置され得る。図16には、オントラック時リード信号強度RS41、RS42、RS51、及びRS52を示している。図16には、時間を示している。オントラック時リード信号強度RS41及びRS42は、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4をオントラックしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。オントラック時リード信号強度RS51及びRS52は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSP5をオントラックしたリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。オントラック時リード信号強度RS41、RS42、RS51、及びRS52において、縦線は、シンクマークをリードしたリード信号強度に相当する。
【0085】
図16に示した例では、MPU60は、ディスク10にスパイラルサーボパターンSSP41乃至SSP46を順方向に重ね書きした重ね書きスパイラルサーボパターンSSP4の幅の中央部にイレーズパターンEP4を上書きして重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4をライトする。MPU60は、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4から時間方向に間隔を置いて、ディスク10にスパイラルサーボパターンSSP51乃至SSP56を順方向に重ね書きした重ね書きスパイラルサーボパターンSSP5の幅の中央部にイレーズパターンEP5を上書きして重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP5をライトする。
【0086】
図16に示した例では、MPU60は、オントラック経路ORR2に従ってリードヘッド15Rをオントラックして重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4、及びSSP5をリードしてオントラック時リード信号強度RS41、RS42、RS51、及びRS52を取得する。
【0087】
図17は、第2実施形態に係る重ね書きイレーズスパイラルパターンのライト処理方法の一例を示す模式図である。図17には、図16に示した重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4(SSP)、及びSSP5(SSP)を示している。図17には、シーク時の重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP(SSP4、及びSSP5)に対するリードヘッド15Rのシーク経路SRR2を示している。図17には、シーク時リード信号強度RS43、RS44、RS53、及びRS54を示している。シーク時リード信号強度RS43及びRS44は、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4をシークしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。シーク時リード信号強度RS53、及びRS55は、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP5をシークしているリードヘッド15Rでリードした信号の大きさに相当する。
【0088】
図17に示した例では、MPU60は、シーク経路SRR2に従ってリードヘッド15Rをシークして重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4、及びSSP5をリードしてシーク時リード信号強度RS43、RS44、RS53、及びRS54を取得する。
【0089】
図18は、第2実施形態に係る重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4のイレーズパターンセンタ位置の算出方法の一例を示す模式図である。図18には、図16に示した重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4と、オントラック経路ORR2と、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4のオントラック時リード信号強度RS41及びRS42とを示している。図18には、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4のオントラック時リード信号強度RS41及びRS42に対応するイレーズスパイラル復調MAG値と、このイレーズスパイラル復調MAG値における最大イレーズスパイラル復調MAG値とイレーズ復調MAG値とのイレーズスパイラル差分値と、このイレーズスパイラル差分値に対応する差分積算値(以下、オントラック差分積算値、若しくは差分積算値と称する場合もある)とを示している。イレーズスパイラル復調MAG値と、イレーズスパイラル差分値と、差分積算値との横軸は、時間である。
【0090】
図18に示した例では、MPU60は、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4のオントラック時リード信号強度RS41及びRS42に基づいて、シンクマーク(Sync)を検出した各タイミングに相当する各イレーズスパイラル復調MAG値を取得する。MPU60は、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4の各イレーズスパイラル復調MAG値の内の最大イレーズスパイラル復調MAG値と各イレーズ復調MAG値との各イレーズスパイラル差分値を算出する。MPU60は、これら各イレーズスパイラル差分値を積算した差分積算値を算出し、この差分積算値の半分(0.5)のタイミングに相当する位置を重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4のイレーズパターンセンタ位置として算出する。MPU60は、算出した重ね書きイレーズスパイラルパターンSSP4のイレーズパターンセンタ位置を所定の記録領域、例えば、ディスク10、揮発性メモリ70、不揮発性メモリ80、又はバッファメモリ90に記録してもよい。
【0091】
図19は、第2実施形態に係るサーボパターンライト方法の一例を示すフローチャートである。
MPU60は、ディスク10に所定のスパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPをライトし(B1201)、順方向に所定のオフセット量ずらして、このスパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPに他のスパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPを重ね書きして重ね書きスパイラルサーボパターンSSPをライトする(B1202)。MPU60は、スパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPを重ね書きするか重ね書きしないかを判定する(B1203)。スパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPを重ね書きすると判定した場合(B1203のYES)、MPU60は、B1202の処理に進む。
【0092】
スパイラルサーボパターン(通常スパイラルサーボパターン)SSPを重ね書きしないと判定した場合(B1203のNO)、MPU60は、複数のスパイラルサーボパターンSSPを重ね書きした重ね書きスパイラルサーボパターンSSPの幅の中央部にイレーズパターンを上書きし(B1901)、処理を終了する。
【0093】
図20は、第2実施形態に係るサーボパターンライト方法の一例を示すフローチャートである。
MPU60は、スパイラルサーボパターン、例えば、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSPをリードし(B2001)、この重ね書きイレーズスパイラルパターンSSPのリード信号のシンクマークを検出する度に各復調MAG値を取得する(B2002)。MPU60は、この重ね書きイレーズスパイラルパターンSSPの各復調MAG値の内の最大イレーズスパイラル復調MAG値と各イレーズ復調MAG値との各イレーズスパイラル差分値を算出する(B2003)。MPU60は、各イレーズスパイラル差分値を積算した差分積算値を算出し(B2004)、この差分積算値の半分に相当するタイミングに対応する位置をイレーズパターンセンタ位置として算出し(B2005)、処理を終了する。
【0094】
第2実施形態によれば、磁気ディスク装置1は、重ね書きスパイラルサーボパターンSSPの幅の中央部にイレーズパターンを上書きして重ね書きイレーズスパイラルパターンSSPをライトする。磁気ディスク装置1は、重ね書きイレーズスパイラルパターンSSPをリードし、この重ね書きイレーズスパイラルパターンSSPのリード信号のシンクマークを検出する度に各復調MAG値を取得する。磁気ディスク装置1は、この重ね書きイレーズスパイラルパターンSSPの各復調MAG値の内の最大イレーズスパイラル復調MAG値と各イレーズ復調MAG値との各イレーズスパイラル差分値を算出する。磁気ディスク装置1は、各イレーズスパイラル差分値を積算した差分積算値を算出し、この差分積算値の半分に相当するタイミングに対応する位置をイレーズパターンセンタ位置として算出する。磁気ディスク装置1は、重ね書きの精度が十分に得られない場合にスパイラルサーボパターンの幅にムラが生じても、複数のスパイラルサーボパターンSSPを隙間なく重ね書きして、イレーズパターンを上書きする。そのため、磁気ディスク装置1は、ライト幅が狭いヘッド15であっても、SSW工程の不良等を低下することができる。したがって、磁気ディスク装置1は、信頼性を向上することができる。
【0095】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1…磁気ディスク装置、10…磁気ディスク、10a…ユーザデータ領域、10b…システムエリア、12…スピンドルモータ(SPM)、13…アーム、14…ボイスコイルモータ(VCM)、15…ヘッド、15W…ライトヘッド、15R…リードヘッド、20…ドライバIC、30…ヘッドアンプIC、40…リード/ライト(R/W)チャネル、50…ハードディスクコントローラ(HDC)、60…マイクロプロセッサ(MPU)、70…揮発性メモリ、80…不揮発性メモリ、90…バッファメモリ、100…ホストシステム(ホスト)、130…システムコントローラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20