(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131408
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】撮影画像記憶方法及びストロボスコープ
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20230914BHJP
H04N 1/32 20060101ALI20230914BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230914BHJP
【FI】
H04N1/387 110
H04N1/32 144
H04N5/232 290
H04N5/232 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036152
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松岡 大輔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 昭宏
【テーマコード(参考)】
5C076
5C122
【Fターム(参考)】
5C076AA14
5C076AA26
5C076BA03
5C122DA30
5C122EA47
5C122FH18
5C122GA34
5C122HA02
5C122HA03
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】人が撮影画像に写る撮影対象を観察する際に撮影対象の観察を行いやすくすること。
【解決手段】制御装置は、撮影画像を取得する。制御装置は、撮影画像を取得した時点での撮影条件を取得する。制御装置は、撮影画像を表すYUVの3つの成分のうちU成分を第1変更量だけ変更した第1コードであって撮影条件を示す第1コードを撮影画像に重畳する。制御装置は、撮影画像を表すYUVの3つの成分のうちU成分を第2変更量だけ変更した第2コードであって撮影条件を示す第2コードを撮影画像に重畳する。制御装置は、第1コードを撮影画像に重畳することと、第2コードを撮影画像に重畳することを1数毎に切り替える。制御装置は、撮影画像を記憶媒体に記憶する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラから取得した撮影画像を制御装置が記憶媒体に記憶する撮影画像記憶方法であって、
前記制御装置が、
前記撮影画像を取得することと、
前記撮影画像を取得した時点での撮影条件を取得することと、
前記撮影画像を表すYUVの3つの成分のうちU成分及びV成分の少なくとも一方を第1変更量だけ変更した第1コードであって前記撮影条件を示す第1コードを前記撮影画像に重畳することと、
前記U成分及び前記V成分のうち前記第1変更量によって変更された成分と同一の成分を第2変更量だけ変更した第2コードであって前記撮影条件を示す第2コードを前記撮影画像に重畳することと、
前記撮影画像を前記記憶媒体に記憶することと、を含み、
前記第1コードを前記撮影画像に重畳することと、前記第2コードを前記撮影画像に重畳することは、前記カメラから連続して取得した複数の前記撮影画像に対して行われ、
前記第1コードを前記撮影画像に重畳することと、前記第2コードを前記撮影画像に重畳することとは、所定枚数毎に切り替えられる、撮影画像記憶方法。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記第1コードを前記撮影画像に重畳する際に、前記U成分及び前記V成分の少なくとも一方に前記第1変更量を加算した前記第1コードを前記撮影画像に重畳し、
前記第2コードを前記撮影画像に重畳する際に、前記U成分及び前記V成分のうち前記第1変更量によって変更された成分と同一の成分に前記第2変更量を減算した前記第2コードを前記撮影画像に重畳する、請求項1に記載の撮影画像記憶方法。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記第1コードを前記撮影画像に重畳する際に、前記U成分及び前記V成分の一方を前記第1変更量だけ変更した前記第1コードを前記撮影画像に重畳する、請求項1又は請求項2に記載の撮影画像記憶方法。
【請求項4】
カメラと、
制御装置と、を備え、前記カメラから取得した撮影画像を記憶媒体に記憶するストロボスコープであって、
前記制御装置は、
前記撮影画像を取得し、
前記撮影画像を取得した時点での撮影条件を取得し、
前記撮影画像を表すYUVの3つの成分のうちU成分及びV成分の少なくとも一方を第1変更量だけ変更した第1コードであって前記撮影条件を示す第1コードを前記撮影画像に重畳し、
前記U成分及び前記V成分のうち前記第1変更量によって変更された成分と同一の成分を第2変更量だけ変更した第2コードであって前記撮影条件を示す第2コードを前記撮影画像に重畳し、
前記撮影画像を前記記憶媒体に記憶し、
前記第1コードの前記撮影画像への重畳と、前記第2コードの前記撮影画像への重畳とは、前記カメラから連続して取得した複数の前記撮影画像に対して行われ、
前記第1コードの前記撮影画像への重畳と、前記第2コードの前記撮影画像への重畳とは、所定枚数毎に切り替えられる、ストロボスコープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮影画像記憶方法及びストロボスコープに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラによって撮影された撮影画像を記憶媒体に記憶する撮影画像記憶方法としては、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示の撮影画像記憶方法は、二次元コードが重畳された撮影画像を記憶媒体に記憶している。二次元コードは、撮影条件を示すものである。撮影条件を二次元コードとして撮影画像に重畳することで、撮影画像と撮影条件とを対応付けることができる。これにより、撮影条件を示すデータを撮影画像毎に作成して撮影画像とともにフォルダに保存する場合に比べて、フォルダが煩雑になることを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
二次元コードを撮影画像に重畳すると、撮影画像の一部が二次元コードに隠される。これにより、人が撮影画像に写る撮影対象を観察する際に撮影対象の観察を行いにくくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する撮影画像記憶方法は、カメラから取得した撮影画像を制御装置が記憶媒体に記憶する撮影画像記憶方法であって、前記制御装置が、前記撮影画像を取得することと、前記撮影画像を取得した時点での撮影条件を取得することと、前記撮影画像を表すYUVの3つの成分のうちU成分及びV成分の少なくとも一方を第1変更量だけ変更した第1コードであって前記撮影条件を示す第1コードを前記撮影画像に重畳することと、前記U成分及び前記V成分のうち前記第1変更量によって変更された成分と同一の成分を第2変更量だけ変更した第2コードであって前記撮影条件を示す第2コードを前記撮影画像に重畳することと、前記撮影画像を前記記憶媒体に記憶することと、を含み、前記第1コードを前記撮影画像に重畳することと、前記第2コードを前記撮影画像に重畳することは、前記カメラから連続して取得した複数の前記撮影画像に対して行われ、前記第1コードを前記撮影画像に重畳することと、前記第2コードを前記撮影画像に重畳することとは、所定枚数毎に切り替えられる。
【0006】
記憶媒体に記憶された複数の撮影画像を連続して表示すると、第1コードが重畳された撮影画像と第2コードが重畳された撮影画像が切り替わる。この際、人の視覚は明度成分の違いには敏感に反応するが、色彩の違いには反応しにくい。第1コードが重畳された撮影画像と第2コードが重畳された撮影画像とを切り替えながら表示すると、人は第1コードと第2コードが混ぜ合わされた色を知覚することになる。これにより、第1コードが重畳された撮影画像と第2コードが重畳された撮影画像を連続して表示した際に、第1コードと第2コードが視認されにくい。撮影画像に写る撮影対象の視認が第1コード及び第2コードによって行いにくくなることを抑制できる。このため、人が撮影画像に写る撮影対象を観察する際に撮影対象の観察を行いやすい。
【0007】
上記撮影画像記憶方法について、前記制御装置は、前記第1コードを前記撮影画像に重畳する際に、前記U成分及び前記V成分の少なくとも一方に前記第1変更量を加算した前記第1コードを前記撮影画像に重畳し、前記第2コードを前記撮影画像に重畳する際に、前記U成分及び前記V成分のうち前記第1変更量によって変更された成分と同一の成分に前記第2変更量を減算した前記第2コードを前記撮影画像に重畳してもよい。
【0008】
上記撮影画像記憶方法について、前記制御装置は、前記第1コードを前記撮影画像に重畳する際に、前記U成分及び前記V成分の一方を前記第1変更量だけ変更した前記第1コードを前記撮影画像に重畳してもよい。
【0009】
上記課題を解決するストロボスコープは、カメラと、制御装置と、を備え、前記カメラから取得した撮影画像を記憶媒体に記憶するストロボスコープであって、前記制御装置は、前記撮影画像を取得し、前記撮影画像を取得した時点での撮影条件を取得し、前記撮影画像を表すYUVの3つの成分のうちU成分及びV成分の少なくとも一方を第1変更量だけ変更した第1コードであって前記撮影条件を示す第1コードを前記撮影画像に重畳し、前記U成分及び前記V成分のうち前記第1変更量によって変更された成分と同一の成分を第2変更量だけ変更した第2コードであって前記撮影条件を示す第2コードを前記撮影画像に重畳し、前記撮影画像を前記記憶媒体に記憶し、前記第1コードの前記撮影画像への重畳と、前記第2コードの前記撮影画像への重畳とは、前記カメラから連続して取得した複数の前記撮影画像に対して行われ、前記第1コードの前記撮影画像への重畳と、前記第2コードの前記撮影画像への重畳とは、所定枚数毎に切り替えられる。
【0010】
第1コードが重畳された撮影画像と第2コードが重畳された撮影画像を連続して表示した際に、第1コードと第2コードが視認されにくい。撮影画像に写る撮影対象の視認が第1コード及び第2コードによって行いにくくなることを抑制できる。このため、人が撮影画像に写る撮影対象を観察する際に撮影対象の観察を行いやすい。
【発明の効果】
【0011】
人が撮影画像に写る撮影対象を観察する際に撮影対象の観察を行いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】第1コードが重畳された撮影画像の模式図である。
【
図4】第2コードが重畳された撮影画像の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
撮影画像記憶方法、及びストロボスコープの一実施形態について説明する。本実施形態の撮影画像記憶方法、及びストロボスコープは、織機の観察に用いられる。まず、織機について説明する。
【0014】
<織機>
図1に示すように、織機10は、主軸11と、検出部12と、出力部13と、を備える。織機10はエアで緯入れするエアジェット織機である。主軸11は、図示しないモータによって駆動される。織機10は、緯糸を噴出する図示しないノズルを備える。ノズルが緯糸を噴出するタイミングは、主軸11の回転角度に対応している。ノズルは、主軸11の回転角度が特定の角度から所定の角度だけ回転したときに緯糸を噴出する。以下の説明では、主軸11の特定の回転角度を基準角度という。また、基準角度に対する遅れ角を遅延角度という。
【0015】
検出部12は、主軸11の回転角度を検出する。検出部12は、例えば、ロータリエンコーダである。検出部12は、出力部13に接続されている。検出部12は、検出結果を出力部13に送信する。出力部13は、検出部12が検出した主軸11の回転角度が予め設定された基準角度になる度にストロボスコープに信号を出力する。例えば、基準角度が0[°]の場合、出力部13は、主軸11の回転角度が0[°]になる度に信号を出力する。
【0016】
<ストロボスコープ>
ストロボスコープ20は、発光器21と、カメラ22と、表示部23と、入力部24と、制御装置25と、を備える。
【0017】
発光器21は、例えば、発光ダイオードである。発光器21は、制御装置25によって制御される。
カメラ22は、撮像装置である。カメラ22は、撮像素子を備える。カメラ22は、発光器21が照らす部分を撮影可能となるように設けられている。カメラ22は、制御装置25によって制御される。
【0018】
ストロボスコープ20は、織機10に対し、発光器21が緯糸を照らし、かつ、カメラ22が緯糸を撮影するように配置される。カメラ22の撮影対象は、織機10である。ストロボスコープ20は、図示しない固定装置によって所望の位置に固定されてもよい。
【0019】
表示部23は、例えば、液晶ディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等のディスプレイである。表示部23には、各種データを表示させることができる。表示部23は、制御装置25によって制御される。
【0020】
入力部24は、ストロボスコープ20のユーザがストロボスコープ20への入力操作を行うための部材である。入力部24としては、例えば、ダイヤル、物理ボタン、タッチパネルを挙げることができる。入力部24によってカメラ22のゲイン設定、及び撮影位相を設定することができる。撮影位相とは、カメラ22によって織機10を撮影するタイミングを規定するものである。撮影位相は、基準角度に対する遅延角度によって規定される。
【0021】
制御装置25は、プロセッサ26と、記憶部27と、を備える。プロセッサ26としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、及びDSP(Digital Signal Processor)を挙げることができる。記憶部27は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。記憶部27は、処理をプロセッサ26に実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。記憶部27、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。制御装置25は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェア回路によって構成されていてもよい。処理回路である制御装置25は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICやFPGA等の1つ以上のハードウェア回路、或いは、それらの組み合わせを含み得る。
【0022】
制御装置25は、カメラ22によって撮影した撮影画像を記憶媒体30に記憶可能である。記憶媒体30は、ストロボスコープ20に内蔵されていてもよい。記憶媒体30は、ストロボスコープ20に接続可能である外部記憶媒体であってもよい。記憶媒体30は、制御装置25とネットワークを介して接続されたサーバーが備えるものであってもよい。即ち、記憶媒体30は、制御装置25がデータの書き込みをすることができればよい。記憶媒体30としては、データを書き換え可能な記憶媒体が用いられる。記憶媒体30としては、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)及びフラッシュメモリを挙げることができる。
【0023】
<撮影画像記憶方法>
ストロボスコープ20は、織機10の運転条件調整時に、緯糸の姿勢などをカメラ22によって撮影するために用いられる。織機10の運転条件調整時には、カメラ22によって連続して撮影された複数の撮影画像が得られる。織機10の運転条件調整時にカメラ22によって連続して撮影された複数の撮影画像を画像群とする。織機10の運転条件調整時には、以下の撮影画像記憶方法によって記憶媒体30に画像群が記憶される。
【0024】
制御装置25が行う画像記憶制御について説明する。画像記憶制御は、織機10の運転条件調整時に繰り返し行われる。
図2に示すように、ステップS1において、制御装置25は、撮影画像を取得する。撮影画像は、YUVの3つの成分で表される撮影画像である。YUVのうちY成分は輝度成分を意味する。YUVのうちU成分及びV成分は、色差成分を意味する。U成分は、輝度信号と青色成分との差である。V成分は、輝度信号と赤色成分との差である。YUV形式の撮影画像を得られるカメラ22であれば、制御装置25は、カメラ22からYUV形式の撮影画像を取得してもよい。制御装置25は、カメラ22から取得した撮影画像を変換することによってYUV形式の撮影画像を取得してもよい。例えば、カメラ22から取得した撮影画像がRGB形式の場合、制御装置25は、RGB形式をYUV形式に変換することでYUV形式の撮影画像を取得してもよい。
【0025】
次に、ステップS2において、制御装置25は、撮影条件を取得する。撮影条件には、少なくとも撮影時刻、及び動作条件を含む。撮影時刻は、ステップS1の撮影画像を取得した時刻である。撮影時刻は、制御装置25が備える計時機能によって取得することができる。撮影時刻は、リアルタイムクロックから取得してもよい。動作条件は、カメラ22のゲイン設定、撮影位相、及び製織条件の少なくとも1つを含む。製織条件は、例えば、ノズルが緯糸を噴出する際の圧力である。本実施形態において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。カメラ22のゲイン設定、及び撮影位相は、入力部24によって設定されたものである。
【0026】
次に、ステップS3において、制御装置25は、ステップS1で取得した撮影画像が、奇数番目に取得された撮影画像か否かを判定する。制御装置25は、ステップS1でカメラ22から撮影画像を取得する度に、カメラ22から撮影画像を取得した回数をカウントしている。これにより、制御装置25は、ステップS1で取得した撮影画像が奇数番目に取得された撮影画像か、偶数番目に取得された撮影画像かを判定できる。カメラ22から撮影画像を取得した回数のカウントは、撮影画像記憶方法による記憶媒体30への画像群の記憶を終えるとリセットされる。即ち、制御装置25は、撮影画像が画像群の中で奇数番目か偶数番目かを判定しているといえる。ステップS3の判定結果が肯定の場合、制御装置25は、ステップS4の処理を行う。ステップS3の判定結果が否定の場合、制御装置25は、ステップS5の処理を行う。
【0027】
図2及び
図3に示すように、ステップS4において、制御装置25は、撮影画像IMを表すYUVの3つの成分のうちU成分を第1変更量だけ変更した第1コードC1をステップS1で取得した撮影画像IMに重畳する。詳細にいえば、制御装置25は、第1コードC1を重畳する画素毎に、当該画素のU成分を第1変更量だけ変更した第1コードC1を撮影画像IMに重畳する。第1コードC1を重畳する画素のうちY成分及びV成分は、変更しない。即ち、第1コードC1は、ステップS1で取得した撮影画像IMを表すYUVの3つの成分のうちU成分のみを変更することで生成されたものである。第1変更量は、一定値である。第1変更量は、整数である。本実施形態において、制御装置25は、撮影画像IMを表すYUVの3つの成分のうちU成分に第1変更量を加算した第1コードC1を撮影画像IMに重畳する。第1コードC1は、ステップS2で取得した撮影条件を示すものである。第1コードC1としては、QRコード(登録商標)等の二次元コードであってもよいし、バーコード等の一次元コードであってもよい。ステップS4の処理を終えると、制御装置25は、ステップS6の処理を行う。
【0028】
図2及び
図4に示すように、ステップS5において、制御装置25は、撮影画像IMを表すYUVの3つの成分のうちU成分を第2変更量だけ変更した第2コードC2をステップS1で取得した撮影画像IMに重畳する。詳細にいえば、制御装置25は、第2コードC2を重畳する画素毎に、当該画素のU成分を第2変更量だけ変更した第2コードC2を撮影画像IMに重畳する。第2コードC2を重畳する画素のうちY成分及びV成分は、変更しない。即ち、第2コードC2は、ステップS1で取得した撮影画像IMを表すYUVの3つの成分のうちU成分のみを変更することで生成されたものである。第2変更量は、一定値である。第2変更量は、第1変更量と同一の値である。本実施形態において、制御装置25は、撮影画像IMを表すYUVの3つの成分のうちU成分から第2変更量を減算した第2コードC2を撮影画像IMに重畳する。第2コードC2は、ステップS2で取得した撮影条件を示すものである。第2コードC2としては、QRコード等の二次元コードであってもよいし、バーコード等の一次元コードであってもよい。ステップS5の処理を終えると、制御装置25は、ステップS6の処理を行う。
【0029】
上記したように、奇数番目の撮影画像IMには第1コードC1が重畳される。偶数番目の撮影画像IMには第2コードC2が重畳される。奇数と偶数は1枚毎に切り替わるため、第1コードC1を撮影画像IMに重畳することと、第2コードC2を撮影画像IMに重畳することとは、1枚毎に切り替えられている。第1コードC1及び第2コードC2の大きさは任意であるが、第1コードC1の大きさと第2コードC2の大きさは同一にすることが好ましい。第1コードC1及び第2コードC2を重畳する位置は任意であるが、第1コードC1を重畳する位置と第2コードC2を重畳する位置は同一にすることが好ましい。
【0030】
ステップS6において、制御装置25は、撮影画像IMを記憶媒体30に記憶する。奇数番目の撮影画像IMであれば第1コードC1が重畳された撮影画像IMが記憶媒体30に記憶される。偶数番目の撮影画像IMであれば第2コードC2が重畳された撮影画像IMが記憶媒体30に記憶される。制御装置25は、第1コードC1が重畳された撮影画像IMと第2コードC2が重畳された撮影画像IMとを交互に記憶媒体30に記憶するといえる。ステップS1~ステップS6の処理が織機10の運転条件調整時に繰り返し行われることによって記憶媒体30には画像群を構成する撮影画像IMが記憶されていく。
【0031】
[本実施形態の作用]
記憶媒体30に記憶された画像群は、表示部に表示させることができる。表示部は、例えば、記憶媒体30に記憶されたデータを読み出し可能なコンピュータが備えるものである。表示部に画像群を表示させる際には、画像群の連続再生を行うことによって動画として再生を行うことができる。連続再生は、撮影時刻の順に、表示部に表示される撮影画像IMを切り替えることで行われる。画像群の連続再生を行うと、第1コードC1が重畳された撮影画像IMと第2コードC2が重畳された撮影画像IMとが交互に切り替わりながら表示部に表示される。人は、表示部に表示された撮影画像IMを視認することによって織機10の運転条件調整時の織機10の状態を観察することができる。この際、人の視覚は明度成分の違いには敏感に反応するが、色彩の違いには反応しにくい。第1コードC1が重畳された撮影画像IMと第2コードC2が重畳された撮影画像IMとを交互に表示すると、人は第1コードC1と第2コードC2が混ぜ合わされた色を知覚することになり、第1コードC1と第2コードC2が重畳された箇所の画像が重畳する前の元の画像に復元されたかのように見える。これにより、第1コードC1が重畳された撮影画像IMと第2コードC2が重畳された撮影画像IMを連続して表示部に表示した際に、第1コードC1と第2コードC2が視認されにくい。
【0032】
[本実施形態の効果]
(1)制御装置25は、U成分を第1変更量だけ変更した第1コードC1を撮影画像IMに重畳することと、U成分を第2変更量だけ変更した第2コードC2を撮影画像IMに重畳することを1枚毎に切り替えている。記憶媒体30に記憶された複数の撮影画像IMを連続して表示した際に、第1コードC1と第2コードC2が視認されにくい。撮影画像IMに写る織機10の視認が第1コードC1及び第2コードC2によって行いにくくなることを抑制できる。このため、人が撮影画像IMを観察する際に観察を行いやすい。また、撮影画像IMに重畳される第1コードC1及び第2コードC2は、複数枚の撮影画像IMを連続して表示した際に視認されにくくなればよく、撮影画像IMを単独で見る場合にも視認されにくいものである必要がない。したがって、連続して表示するのではなく、単独で撮影画像IMを表示したときには第1コードC1及び第2コードC2を支障なく識別することができる。
【0033】
(2)制御装置25は、撮影画像IMのU成分に第1変更量を加算した第1コードC1を撮影画像IMに重畳している。制御装置25は、撮影画像IMのU成分から第2変更量を減算した第2コードC2を撮影画像IMに重畳している。U成分に所定値を乗算した第1コードC1を用いる場合、制御装置25の処理時にU成分に小数点が生じる場合がある。同様に、U成分に所定値を除算した第2コードC2を用いる場合、制御装置25の処理時にU成分に小数点が生じる場合がある。これに対し、撮影画像IMのU成分に第1変更量を加算した第1コードC1を用いることでU成分に小数点が生じない。撮影画像IMのU成分から第2変更量を減算した第2コードC2を用いることでU成分に小数点が生じない。従って、制御装置25の処理負荷を軽減することができる。
【0034】
(3)制御装置25は、U成分のみを変更した第1コードC1を撮影画像IMに重畳している。U成分及びV成分の両方が変更される場合、2つの色差成分が変更されることになる。この場合、複数の撮影画像IMを連続して表示した際に、U成分のみを変更した場合に比べて、第1コードC1と第2コードC2が視認されやすくなる。U成分のみを変更した第1コードC1を撮影画像IMに重畳することで第1コードC1及び第2コードC2の視認性を低くすることができる。
【0035】
[変更例]
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0036】
○制御装置25は、撮影画像IMを表すYUVの3つの成分のうちV成分を第1変更量だけ変更した第1コードC1をステップS1で取得した撮影画像IMに重畳してもよい。この場合、制御装置25は、撮影画像IMを表すYUVの3つの成分のうちV成分を第2変更量だけ変更した第2コードC2をステップS1で取得した撮影画像IMに重畳する。第2コードC2は、第1変更量によって変更された成分と同一の成分を第2変更量だけ変更したコードといえる。
【0037】
○制御装置25は、撮影画像IMを表すYUVの3つの成分のうちU成分及びV成分を第1変更量だけ変更した第1コードC1をステップS1で取得した撮影画像IMに重畳してもよい。この際、U成分とV成分とで第1変更量の値を異なる値にしてもよい。この場合、制御装置25は、撮影画像IMを表すYUVの3つの成分のうちU成分及びV成分を第2変更量だけ変更した第2コードC2をステップS1で取得した撮影画像IMに重畳する。この際、U成分とV成分とで第2変更量の値を異なる値にしてもよい。U成分に対応する第2変更量としては、U成分に対応する第1変更量と同一の値であることが好ましい。V成分に対応する第2変更量としては、V成分に対応する第1変更量と同一の値であることが好ましい。
【0038】
○第1変更量と第2変更量とは異なる値であってもよい。この場合、第1変更量と第2変更量との差は、許容範囲に収まることが好ましい。第1変更量と第2変更量との差が大きいほど、第1コードC1が重畳された撮影画像IMと第2コードC2が重畳された撮影画像IMを連続して表示部に表示した際に、第1コードC1及び第2コードC2が視認されやすい。許容範囲としては、第1コードC1が重畳された撮影画像IMと第2コードC2が重畳された撮影画像IMを連続して表示部に表示した際に、第1コードC1と第2コードC2とが織機10の観察をできる程度に視認されにくくなる範囲である。
【0039】
○制御装置25は、撮影画像IMのU成分及びV成分の少なくとも一方に第1所定値を乗算することによってU成分及びV成分の少なくとも一方を第1変更量だけ変更してもよい。第1所定値は、1よりも大きい値である。制御装置25は、撮影画像IMのU成分及びV成分の少なくとも一方を第2所定値で除算することによってU成分及びV成分の少なくとも一方を第2変更量だけ変更してもよい。第2所定値は、1よりも大きい値である。第1所定値と第2所定値は、同一の値であってもよいし、異なる値であってもよい。第1所定値及び第2所定値は、任意の値を用いることができる。
【0040】
○撮影画像IMに第1コードC1を重畳することと、撮影画像IMに第2コードC2を重畳することは、所定枚数毎に切り替えられればよく、複数枚毎に切り替えられてもよい。例えば、制御装置25は、撮影画像IMに第1コードC1を重畳することと、撮影画像IMに第2コードC2を重畳することを2枚毎に切り替えてもよい。このように、撮影画像IMに第1コードC1を重畳することと、撮影画像IMに第2コードC2を重畳することは、一定枚数毎に切り替えられてもよい。また、撮影画像IMに第1コードC1を重畳することと、撮影画像IMに第2コードC2を重畳することは、異なる枚数毎に切り替えられてもよい。例えば、制御装置25は、2枚の撮影画像IMに第1コードC1を重畳した後に、3枚の撮影画像IMに第2コードC2を重畳してもよい。また、所定枚数がランダムに切り替わるようにしてもよい。
【0041】
○撮影対象は、織機10とは異なるものであってもよい。
【符号の説明】
【0042】
C1…第1コード、C2…第2コード、IM…撮影画像、20…ストロボスコープ、22…カメラ、25…制御装置、30…記憶媒体。