(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131440
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230914BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036203
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕之
(72)【発明者】
【氏名】前田 翔馬
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単な作業で作業報告書を作成する業務支援装置、業務支援方法及び業務支援プログラムを提供する。
【解決手段】業務支援装置1は、通信制御部41、取得部42、算出方法特定部43、算出部44、データ生成部45、表示制御部46と、を備える。算出方法特定部43は、作業報告書の作成対象者毎に設定された予定タイプに基づいて、作成対象者毎に作業時間の算出方法を特定する。算出部44は、算出方法特定部43が特定した算出方法に基づいて、各作成対象者の作業予定時間を算出する。データ生成部45は、算出部44で算出された作業予定時間、作成対象者が作業を行う案件、及び、案件の作業を行う作成対象者を含む作業報告予定データを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業報告書の作成対象者毎に設定された予定タイプに基づいて、前記作成対象者毎に作業時間の算出方法を特定する算出方法特定部と、
前記算出方法特定部により特定された算出方法に基づいて、各前記作成対象者の作業予定時間を算出する算出部と、
前記算出部で算出された作業予定時間、前記作成対象者が作業を行う案件、及び、前記案件の作業を行う前記作成対象者を含む作業報告予定データを生成するデータ生成部と、
を有する業務支援装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記案件に対して所定期間毎に割り当てられている各前記案件の予算金額の比率に基づいて、前記作成対象者が作業を行う案件に対する前記作業予定時間を算出すること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記算出部は、作業指示されている各前記案件の件数、又は、作業種の数で、前記作業時間を除算処理した時間を、前記作成対象者が作業を行う案件の前記作業予定時間として算出すること、
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記作成対象者が前記案件の作業実績となる作業時間を前記作業予定時間として算出すること、
を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記データ生成部は、前記作業報告予定データに基づいて、前記作成対象者及び前記作成対象者が作業を行った案件の作業実績を示す作業報告データを生成すること、
を特徴とする請求項1から請求項4のうち、いずれか一項に記載の業務支援装置。
【請求項6】
前記データ生成部は、修正入力操作に応じて、前記作業報告予定データを修正した前記作業報告データを生成すること、
を特徴とする請求項5に記載の業務支援装置。
【請求項7】
算出方法特定部が、作業報告書の作成対象者毎に設定された予定タイプに基づいて、前記作成対象者毎に作業時間の算出方法を特定する算出方法特定ステップと、
算出部が、前記算出方法特定ステップで特定された算出方法に基づいて、各前記作成対象者の作業予定時間を算出する算出ステップと、
データ生成部が、前記算出ステップで算出された作業予定時間、前記作成対象者が作業を行う案件、及び、前記案件の作業を行う前記作成対象者を含む作業報告予定データを生成するデータ生成ステップと、
を有する業務支援方法。
【請求項8】
コンピュータを、
作業報告書の作成対象者毎に設定された予定タイプに基づいて、前記作成対象者毎に作業時間の算出方法を特定する算出方法特定部と、
前記算出方法特定部により特定された算出方法に基づいて、各前記作成対象者の作業予定時間を算出する算出部と、
前記算出部で算出された作業予定時間、前記作成対象者が作業を行う案件、及び、前記案件の作業を行う前記作成対象者を含む作業報告予定データを生成するデータ生成部として機能させること、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、例えば建設業等の人件費が大きな原価要素となり得る業界においては、作業員等の作業時間を正確かつ迅速に管理するために、作業員、作業年月、作業内容及び作業時間等を記録した日報又は月報等の作業報告書が作成されることが多い。
【0003】
特許文献1(特開2022-013452号公報)には、作業日報の自動生成を行う工事管理支援装置が開示されている。この工事管理支援装置は、作業者を認識するための作業者特定情報を格納する記憶部、及び、撮像手段により撮像された対象工事の画像情報を取得する取得部を有する。画像解析部は、作業者特定情報を参照し、取得した画像情報を解析し、作業者を認識する。計測部は、認識した作業者の作業時間を計測する。そして、表示部は、認識された作業者と、作業者に関連付けられた作業時間とを含む作業情報を表示する。これにより、作業日報を自動生成して表示できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
日報又は月報等の作業報告書の作成作業は、作業負荷が大きいため、なるべく簡単な作業で作業報告書の作成を可能とすることが好ましい。
【0006】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、簡単な作業で作業報告書を作成可能とした業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、作業報告書の作成対象者毎に設定された予定タイプに基づいて、作成対象者毎に作業時間の算出方法を特定する算出方法特定部と、算出方法特定部により特定された算出方法に基づいて、各作成対象者の作業予定時間を算出する算出部と、算出部で算出された作業予定時間、作成対象者が作業を行う案件、及び、案件の作業を行う作成対象者を含む作業報告予定データを生成するデータ生成部と、を有する。
【0008】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、算出方法特定部が、作業報告書の作成対象者毎に設定された予定タイプに基づいて、作成対象者毎に作業時間の算出方法を特定する算出方法特定ステップと、算出部が、算出方法特定ステップで特定された算出方法に基づいて、各作成対象者の作業予定時間を算出する算出ステップと、データ生成部が、算出ステップで算出された作業予定時間、作成対象者が作業を行う案件、及び、案件の作業を行う作成対象者を含む作業報告予定データを生成するデータ生成ステップと、を有する。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、作業報告書の作成対象者毎に設定された予定タイプに基づいて、作成対象者毎に作業時間の算出方法を特定する算出方法特定部と、算出方法特定部により特定された算出方法に基づいて、各作成対象者の作業予定時間を算出する算出部と、算出部で算出された作業予定時間、作成対象者が作業を行う案件、及び、案件の作業を行う作成対象者を含む作業報告予定データを生成するデータ生成部として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、簡単な作業で作業報告書を作成できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、予定データ管理マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、予定タイプを説明するための図である。
【
図4】
図4は、連携用マッピングマスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、労働時間マスタの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、作業者属性テーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、作業指示テーブルの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、作業実績テーブルの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、予算情報テーブルの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、作業者別案件テーブルの一例を示す図である。
【
図14】
図14は、属性別作業パターンテーブルの一例を示す図である。
【
図18】
図18は、実施の形態の業務支援装置における日報作成動作の概要を示す図である。
【
図19】
図19は、実施の形態の業務支援装置における作業者別案件データの作成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、作業者別案件マスタ画面の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、実施の形態の業務支援装置における日報予定データの作成動作の流れを示すフローチャートである。
【
図22】
図22は、日報予定データ作成画面の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、実施の形態の業務支援装置における日報データの作成動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。例えば、実施の形態の業務支援装置1は、勤務予定に基づく各要素より日報予定データ及び日報データを生成することとして説明を行う。しかし、実施の形態の業務支援装置1は、勤務予定に基づく各要素より月報予定データ及び月報データを生成し、又は、年報予定データ及び年報データを生成する等のように、他の期間に対応する作業報告書のデータを生成してもよい。
【0013】
(ハードウェア構成)
図1は、実施の形態の業務支援装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。一例ではあるが、実施の形態の業務支援装置1は、ビルディング等の建築を行う建築業における、設計又は現場作業等の各種作業の作業報告書である日報の作成支援を行う。この業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7は、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部の他、日報の印刷を行う印刷装置等に相当する。入力装置6としては、キーボード装置及びマウス装置、及びマイクロホン装置の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置を用いることができる。
【0014】
通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網であるネットワーク8に接続されている。ネットワーク8には、経理サーバ装置9、調達サーバ装置10及び原価サーバ装置11が接続されている。経理サーバ装置9には、記憶部の記憶領域である予算管理テーブル12が設けられている。予算管理テーブル12には、予算データが記憶されている。実施の形態の業務支援装置1は、この予算データを、ネットワーク8及び通信インターフェース部4を介して取得する。詳しくは後述する。
【0015】
同様に、調達サーバ装置10には、記憶部の記憶領域である発注明細テーブル13が設けられている。発注明細テーブル13には、予算手配データが記憶されている。実施の形態の業務支援装置1は、この予算手配データを、ネットワーク8及び通信インターフェース部4を介して取得する。また、原価サーバ装置11には、記憶部の記憶領域である工数計画テーブル14が設けられている。工数計画テーブル14には、予算工数データが記憶されている。実施の形態の業務支援装置1は、この予算工数データを、ネットワーク8及び通信インターフェース部4を介して取得する。詳しくは後述する。
【0016】
なお、この例では、予算データは、経理サーバ装置9から取得し、予算手配データは、調達サーバ装置10から取得し、予算工数データは、原価サーバ装置11から取得することとした。しかし、予算管理テーブル12、発注明細テーブル13、及び、工数計画テーブル14を実施の形態の業務支援装置1の記憶部2に設け、この記憶部2に設けた予算管理テーブル12、発注明細テーブル13、及び、工数計画テーブル14から予算データ、予算手配データ及び予算工数データを取得してもよい。
【0017】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、それぞれ記憶領域である予定データ管理マスタ21、連携用マッピングマスタ22、労働時間マスタ23、作業者属性テーブル24、作業指示テーブル25、作業実績テーブル26、作業者別案件テーブル27、勤務予定テーブル28、属性別作業パターンテーブル29、作業予定テーブル30、日報予定テーブル31及び日報テーブル32が設けられている。
【0018】
また、記憶部2には、経理サーバ9~原価サーバ装置11からそれぞれ取得した予算データ、予算手配データ及び予算工数データが記憶される。また、記憶部2には、後述する日報データの作成支援を行うための業務支援プログラムが記憶されている。
【0019】
図2は、予定データ管理マスタ21の一例を示す模式図である。この
図2に示すように、予定データ管理マスタ21には、予定タイプ、予算データの記憶場所、予算手配データの記憶場所、及び、予算工数データの記憶場所を示す情報が記憶されている。
【0020】
予算タイプは、「予算」、「予算手配」、「予算工数」、「予算指示」及び「作業実績」の各タイプに分けられている。
図3に示すように、「予算」の予算タイプは、案件に対する工事予算を示す。この「予算」の予算タイプは、月別工事別の予算額まで設定される。この「予算」の予算タイプは、案件は確定しているが、作業者、作業種、日付及び時間は未確定となっている。なお、案件は、工事番号(工事NO)、プロジェクト及び受注番号等で示される。また、作業種は、工程、作業内容及び作業種類等で示される。
【0021】
「予算手配」の予算タイプは、予算作業計画を示す。この「予算手配」の予算タイプは、月別工事別の予算額まで設定される。この「予算手配」の予算タイプは、案件は確定しているが、作業者、作業種、日付及び時間は未確定となっている。「予算工数」は、工事予算を示す。この「予算工数」は、月別工事別の予算額まで設定される。この「予算手配」は、作業者及び案件は確定しており、作業種、日付及び時間は未確定となっている。
【0022】
「作業指示」の予算タイプは、日別工事別に確定した作業員及び作業種を示す。なお、この「作業指示」の予算タイプにおいて、実作業時間(時間)のみが未確定となっており、作業者、案件、作業種及び日付は確定している。「作業実績」は、実際の作業結果を示す。この「作業実績」は、作業者、作業種及び日付が確定となっており、案件及び時間が未確定となっている。
【0023】
予算データの記憶場所としては、
図2の例の場合、「TKYSV01」のサーバ装置における経理システムのデータベース(DB)の予算管理テーブルが指定されている。これは、
図1に示す経理サーバ装置9の予算管理テーブル12に、予算データが記憶されていることを示している。制御部3は、この予定データ管理マスタ21を参照することで予算データの記憶場所を認識し、経理サーバ装置9にアクセスして予算データを取得する。
【0024】
予算手配データの記憶場所としては、
図2の例の場合、「NGYSV01」のサーバ装置における調達システムのデータベース(DB)の発注明細テーブルが指定されている。これは、
図1に示す調達サーバ装置10の発注明細テーブル13に、予算手配データが記憶されていることを示している。制御部3は、この予定データ管理マスタ21を参照することで予算手配データの記憶場所を認識し、調達サーバ装置10にアクセスして予算手配データを取得する。
【0025】
予算工数データの記憶場所としては、
図2の例の場合、「OSKSV01」のサーバ装置における原価システムのデータベース(DB)の工数計画テーブルが指定されている。これは、
図1に示す原価サーバ装置14の工数計画テーブル14に、予算工数データが記憶されていることを示している。制御部3は、この予定データ管理マスタ21を参照することで予算工数データの記憶場所を認識し、原価サーバ装置11にアクセスして予算工数データを取得する。
【0026】
次に、
図4は、連携用マッピングマスタ22の一例を示す模式図である。この連携用マッピングマスタ22には、実施の形態の業務支援装置1で用いられている各種データの項目名に対応する、実施の形態の業務支援装置1以外の他のシステムで用いられている各種データの項目名が関連付けされて記憶されている。
図4の例の場合、実施の形態の業務支援装置1で用いられている「作業者」との項目に対しては、他のシステムで用いられている項目として「社員」の項目が関連付けされている。
【0027】
同様に、実施の形態の業務支援装置1で用いられている「部署」との項目に対しては、他のシステムで用いられている項目として「部門」の項目が関連付けされている。また、実施の形態の業務支援装置1で用いられている「案件」との項目に対しては、他のシステムで用いられている項目として「PJ(プロジェクト)番号」の項目が関連付けされている。この連携用マッピングマスタ22を参照することで、他のシステムの項目も、日報予定データ及び日報データの生成に用いることが可能となっている。
【0028】
図5は、労働時間マスタ23の一例を示す模式図である。この
図5に示すように、労働時間マスタ23には、職種及び部署毎の規定の労働時間が記憶されている。具体的には、この
図5の例の場合、部署コードが「100」の「工事部」の「作業員」の労働時間は「8時間/日」に規定されている。また、部署コードが「100」の「工事部」の「監督員」の労働時間は「7.5時間/日」に規定されている。
【0029】
図6は、作業者属性テーブル24の一例を示す模式図である。この
図6に示すように、作業者属性テーブル24には、作業者、部署、職種、雇用形態、及び、上述の予定タイプが、それぞれ関連付けされて記憶されている。この
図6の例の場合、作業者コードが「1001」の「山下さん」は、部署コードが「100」の「工事部」の所属であり、職種は、「作業員」であることを示している。また、「山下さん」の雇用形態は「正社員」であり、予定タイプは「予算」となっている。
【0030】
また、
図6の例の場合、作業者コードが「1002」の「木下さん」は、部署コードが「100」の「工事部」の所属であり、職種は、「監督員」であることを示している。また、「木下さん」の雇用形態は「正社員」であり、予定タイプは「予算手配」となっている。また、
図6の例の場合、作業者コードが「1003」の「中川さん」は、部署コードが「100」の「工事部」の所属であり、職種は、「補助員」であることを示している。また、「中川さん」の雇用形態は「臨時員」であり、予定タイプは「予算工数」となっている。
【0031】
また、
図6の例の場合、作業者コードが「1004」の「吉田さん」は、部署コードが「100」の「工事部」の所属であり、職種は、「補助員」であることを示している。また、「吉田さん」の雇用形態は「臨時員」であり、予定タイプは「作業指示」となっている。また、
図6の例の場合、作業者コードが「1005」の「神崎さん」は、部署コードが「100」の「工事部」の所属であり、職種は、「補助員」であることを示している。また、「神崎さん」の雇用形態は「臨時員」であり、予定タイプは「作業実績」となっている。
【0032】
次に、
図7は、作業指示テーブル25の一例を示す模式図である。この
図7に示すように、作業指示テーブル25には、案件、作業日、作業者及び作業内容が、それぞれ関連付けされて記憶されている。この
図7の例の場合、「2021年4月1日」に作業予定(作業日)の「K001」の案件の「設計業務」に対しては、作業者コードが「1004」の「吉田さん」が割り当てられていることを示している。同様に、「2021年4月1日」に作業予定(作業日)の「K001」の案件の「現地調査」の業務に対しても、作業者コードが「1004」の「吉田さん」が割り当てられていることを示している。
【0033】
また、この
図7の例は、「2021年4月2日」に作業予定(作業日)の「K003」の案件の「設計業務」に対しては、作業者コードが「1004」の「吉田さん」が割り当てられていることを示している。また、「2021年4月3日」に作業予定(作業日)の「K003」の案件の「設計業務」に対しても、作業者コードが「1004」の「吉田さん」が割り当てられていることを示している。
【0034】
次に、
図8は、作業実績テーブル26の一例を示す模式図である。この
図8に示すように、作業実績テーブル26には、過去に実施済みの作業を示す情報が記憶されている。具体的には、作業実績テーブル26には、過去に実施済みの作業の、作業場所、作業日、作業者及び作業内容がそれぞれ関連付けされて記憶されている。この
図8の例の場合、作業日である「2021年4月1日」に、作業者コードが「1005」の「神崎さん」により、「東京倉庫」において「梱包」の作業が行われたことを示している。
【0035】
同様に、
図8の例の場合、作業日である「2021年4月1日」に、作業者コードが「1005」の「神崎さん」により、「東京倉庫」において「出荷」の作業が行われたことを示している。また、
図8の例の場合、作業日である「2021年4月2日」に、作業者コードが「1005」の「神崎さん」により、「横浜倉庫」において「梱包」の作業が行われたことを示している。また、
図8の例の場合、作業日である「2021年4月3日」に、作業者コードが「1005」の「神崎さん」により、「横浜倉庫」において「出荷」の作業が行われたことを示している。
【0036】
次に、
図9は、
図1に示す経理サーバ装置9の予算管理テーブル12の一例を示す模式図である。この
図9に示すように、予算管理テーブル12には、案件、予算年月、部署及び予算金額がそれぞれ関連付けされて記憶されている。この
図9の例は、案件コードが「K001」の案件で「2021年4月」において、部署コードが「100」の「工事部」により行われる作業に対しては、「210000円」の予算金額が設定されていることを示している。同様に、
図9の例は、案件コードが「K001」の案件に対する「2021年5月分」の予算金額としては、「140000円」が設定されていることを示している。
【0037】
また、この
図9の例は、案件コードが「K002」の案件で「2021年4月」において、部署コードが「200」の「土木部」により行われる作業に対しては、「35000円」の予算金額が設定されていることを示している。同様に、
図9の例は、案件コードが「K003」の案件で「2021年4月」において、部署コードが「100」の「工事部」により行われる作業に対しては、「90000円」の予算金額が設定されていることを示している。
【0038】
次に、
図10は、
図1に示す調達サーバ装置10の発注明細テーブル13の一例を示す模式図である。この
図10に示すように、調達サーバ装置10には、案件、予算年月、部署、職種及び予算金額が、それぞれ関連付けされて記憶されている。この
図10の例は、案件コードが「K001」の案件で「2021年4月」において、部署コードが「100」の「工事部」により行われる作業の「作業員」に対しては、「70000円」の予算金額が設定されていることを示している。同様に、
図10の例は、案件コードが「K001」の案件で「2021年5月」において、部署コードが「100」の「工事部」により行われる作業の「作業員」に対しては、「140000円」の予算金額が設定されていることを示している。
【0039】
また、
図10の例は、案件コードが「K002」の案件で「2021年4月」において、部署コードが「100」の「工事部」により行われる作業の「監督員」に対しては、「30000円」の予算金額が設定されていることを示している。また、
図10の例は、案件コードが「K003」の案件で「2021年4月」において、部署コードが「100」の「工事部」により行われる作業の「監督員」に対しては、「30000円」の予算金額が設定されていることを示している。
【0040】
次に、
図11は、
図1に示す原価サーバ装置11の工数計画テーブル14の一例を示す模式図である。この
図11の例は、案件コードが「K001」の案件で「2021年4月」において、「補助員」の作業を行う、作業者コードが「1003」の「中川さん」に対しては、「70000円」の予算金額が設定されていることを示している。また、
図11の例は、案件コードが「K002」の案件で「2021年4月」において、「補助員」の作業を行う、作業者コードが「1003」の「中川さん」に対しては、「140000円」の予算金額が設定されていることを示している。
【0041】
また、
図11の例は、案件コードが「K001」の案件で「2021年5月」において、「補助員」の作業を行う、作業者コードが「1003」の「中川さん」に対しては、「35000円」の予算金額が設定されていることを示している。また、
図11の例は、案件コードが「K002」の案件で「2021年5月」において、「補助員」の作業を行う、作業者コードが「1003」の「中川さん」に対しては、「30000円」の予算金額が設定されていることを示している。
【0042】
次に、
図12は、作業者別案件テーブル27の一例を示す模式図である。この作業者別案件テーブル27には、作業者、年月、案件、作業内容及び比率が、それぞれ関連付けされて記憶されている。「比率」は、その月に作業者が作業を行う予定の各案件に対して割当られている予算金額に基づいて設定される。この「比率」に基づいて、作業者の案件毎の作業予定時間が算出される。詳しくは、後述する。
【0043】
この
図12の例は、「2021年4月」に、作業者コードが「1001」の「山下さん」により行われる「K001」の案件の比率は「70%」であり、同じく「2021年4月」に、「山下さん」により行われる「K003」の案件の比率は「30%」であることを示している。すなわち、「山下さん」は、「2021年4月」に、「K001」の案件及び「K003」の案件を、70:30の割合で作業予定であることを示している。
【0044】
同様に、
図12の例は、「2021年4月」に、作業者コードが「1002」の「木下さん」により行われる「K002」の案件の比率は「50%」であり、同じく「2021年4月」に、「木下さん」により行われる「K003」の案件の比率は「50%」であることを示している。すなわち、「木下さん」は、「2021年4月」に、「K002」の案件及び「K003」の案件を、50:50の割合で作業予定であることを示している。
【0045】
同様に、
図12の例は、「2021年4月」に、作業者コードが「1003」の「中川さん」により行われる「K001」の案件の比率は「33%」であり、同じく「2021年4月」に、「中川さん」により行われる「K002」の案件の比率は「67%」であることを示している。すなわち、「中川さん」は、「2021年4月」に、「K001」の案件及び「K002」の案件を、33:67の割合で作業予定であることを示している。
【0046】
次に、
図13は、勤務予定テーブル28の一例を示す模式図である。この
図13に示すように、勤務予定テーブル28には、日付、作業者、平日・休日区分、及び、作業予定時間が関連付けされて記憶されている。この
図13の例は、「2021年4月1日」及び「2021年4月2日」の「平日」に、作業コードが「1001」の「山下さん」は「8時間」の作業時間を予定していることを示している。また、
図13の例は、「2021年4月3日」の「所定休日」及び「2021年4月4日」の「法廷休日」には、「山下さん」の作業時間は「0時間」の予定であることを示している。
【0047】
次に、
図14は、属性別作業テーブル29の一例を示す模式図である。この
図14に示すように、属性別作業テーブル29には、各職種に対する作業員の雇用形態及び作業種が関連付けされて記憶されている。具体的には、案件の「現場作業」を行う「作業員」としては、「正社員」が従事可能であることを示している。また、案件の「監督業務」を行う「監督員」としては、「正社員」が従事可能であることを示している。さらに、案件の「補助業務」を行う「補助員」は、「臨時員」が従事可能であることを示している。
【0048】
次に、
図15は、作業予定テーブル30の一例を示す模式図である。この作業予定テーブル30には、案件、案件の作業を行う日付、及び、案件の作業を行う作業者が、それぞれ関連付けされて記憶されている。
図15の例は、「2021年4月1日」に作業予定の案件コードが「T001」の案件は、作業者コードが「1005」の「神崎さん」により、作業が行われる予定であることを示している。また、
図15の例は、「2021年4月2日」に作業予定の案件コードが「Y001」の案件は、作業者コードが「1005」の「神崎さん」により、作業が行われる予定であることを示している。
【0049】
次に、
図16は、実施の形態の業務支援装置1により生成される日報予定データが記憶される日報予定テーブル31の一例を示す模式図である。この
図16に示すように、日報予定テーブル31には、所定の日付で予定されている案件毎及び作業者毎の作業予定時間が、上述の「比率(
図12参照)」に基づいて算出されて入力された日報予定データが記憶される。
【0050】
この
図16の例は、「2021年4月1日」において、作業者コードが「1001」の「山下さん」は、案件コードが「K001」の案件の現場作業、及び、案件コードが「K003」の案件の現場作業を行う予定であり、各案件の作業時間は、上述の「比率」から「5.6時間」及び「2.4時間」の予定であることを示している。
【0051】
また、
図16の例は、「2021年4月1日」において、作業者コードが「1002の「木下さん」は、案件コードが「K002」の案件の監督業務、及び、案件コードが「K003」の案件の監督業務を行う予定であり、各案件の作業時間は、上述の「比率」から「4時間」及び「4時間」の予定であることを示している。
【0052】
次に、
図17は、実施の形態の業務支援装置1により生成される日報データが記憶される日報テーブル32の一例を示す模式図である。実施の形態の業務支援装置1の場合、日報予定データに基づいて、
図17に示す日報データを、出力装置7を介して表示する。業務オペレータは、日報予定データに不備があった場合、手動で修正を行う。これにより、修正済みの日報データが生成され、日報テーブル32に記憶される。
【0053】
例えば、この
図17の例において、「2021年4月1日」の「K001」の案件の補助業務は「中川さん」により行われる予定であったが、「中川さん」は作業を「3時間」行って早退し、午後から「佐藤さん」が「K001」の案件の補助業務に従事したとする。この場合、業務オペレータは、午前中の中川さんの作業時間を「2.6時間」から「3時間」に修正する。また、業務オペレータは、作業者を「中川さん」から作業者コードが「1007」の「佐藤さん」に修正し、作業時間も、佐藤さんが従事した例えば「5時間」に修正する。
【0054】
このように修正された日報予定データに対応する日報データが生成され、日報テーブル32に記憶される。或いは、修正が不要の場合は、日報予定データが、そのまま日報データとして日報テーブル32に記憶される。
【0055】
(業務支援装置の機能構成)
次に、業務支援装置1の制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、
図1に示すように通信制御部41、取得部42、算出方法特定部43、算出部44、データ生成部45及び表示制御部46として機能する。
【0056】
通信制御部41は、通信インターフェース部4及びネットワーク8を介して経理サーバ装置9、調達サーバ装置10、及び、原価サーバ装置14と通信し、予算データ、予算手配データ、及び、予算工数データを取得する。取得部21は、各サーバ装置9~11から取得された予算データ、予算手配データ、及び、予算工数データを業務支援装置1のシステム内に取り込む。
【0057】
算出方法特定部43は、各作業者の予定タイプに基づいて、作業者毎の作業予定時間の算出方法を特定する。具体的には、予定タイプが「予算」、「予算手配」及び「予算工数」の作業者の場合、算出方法特定部43は、上述の「比率」に基づく算出方法を、作業者毎の作業予定時間を算出する算出方法として特定する。また、予定タイプが「作業指示」の場合、算出方法特定部43は、その日の案件数又は作業種の数で一日分の作業時間を按分する算出手法を、作業者毎の作業予定時間を算出する算出方法として特定する。また、予定タイプが「作業実績」の場合、算出方法特定部43は、各案件で実際に作業が行われた時間(=作業実績)を、作業者の作業予定時間とする算出方法を特定する。
【0058】
算出部44は、算出方法特定部43で特定された算出方法を用いて、作業者の案件毎の作業予定時間を算出する。データ生成部45は、各マスタ21~23,及び、各テーブル24~32に記憶する各種データを生成する。表示制御部46は、後述する作業者別案件マスタ画面、及び、日報予定データ作成画面等を、出力装置7を介して表示する。
【0059】
(業務支援装置の動作概要)
次に、
図18に、実施の形態の業務支援装置1の動作概要を示す。この
図18に示すように、実施の形態の業務支援装置1は、業務支援プログラムに基づいて実行される「日報登録支援機能」により、作業計画データ、発注詳細データ、及び、勤務計画データ等に基づいて、各案件に対する作業者の作業予定時間を含む日報予定データを生成する。
【0060】
生成された各作業員の日報予定データは、一括して取得され(バッチ処理実行)、日報データとして記憶部2の日報テーブル32に記憶される。また、日報予定データは、「日報入力機能」に基づいて業務オペレータが手動で修正可能となっており、修正された日報予定データが日報データとして日報テーブル32に記憶される。
【0061】
すなわち、実施の形態の業務支援装置1は、各種データに基づいて、各作業員の各案件に対して予測される作業時間を含む日報予定データを自動的に生成する。そして、この日報予定データが修正不要の場合は、そのまま日報データとして日報テーブル32に記憶する。また、日報予定データの修正が必要な場合は、業務オペレータが手動で日報予定データを修正し、修正した日報予定データを日報データとして日報テーブル32に記憶する。これにより、日報データを作成する際に必要としていた業務オペレータの入力作業を、大幅に軽減できる。
【0062】
(業務支援装置の詳細動作)
以下、実施の形態の業務支援装置1における日報データの作成動作を詳細に説明する。
【0063】
(作業者別案件テーブルの形成動作)
実施の形態の業務支援装置1は、日報予定データ及び日報データの生成に先立って、
図12に示した「比率」を記憶させた作業者別案件テーブル27を作成する。
図19は、この作業者別案件テーブル27の作成動作の流れを示すフローチャートである。制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムに基づいて動作することで、この
図19のフローチャートに示す各処理を実行する。
【0064】
まず、作業者別案件テーブル27を作成する場合、業務オペレータは、入力装置6を操作することで、作業者別案件マスタ画面の表示指定操作を行う。この表示指定操作が行われると、表示制御部46は、
図20に例示する作業者別案件マスタ画面を、出力装置7を介して表示する(ステップS1)。
【0065】
この作業者別案件マスタ画面が表示されると、業務オペレータは、担当者(=作業者)の選択欄から、上述の「比率」を算出する担当者を選択操作すると共に、年月を指定する。
図20の例は、担当者として「山下さん」が選択され、「2021年4月」が、年月として指定された例である。
【0066】
このように担当者が選択されると、取得部42は、
図6に示した作業者属性テーブル24を参照することで、選択された担当者の部署、職種及び予算タイプを取得する(ステップS2)。
図20の例の場合、担当者として「山下さん」が選択されたため、取得部42は、
図6に示す「山下さん」の部署として「100:工事部」、職種として「作業員」及び予定タイプとして「予算」の各作業者属性データを取得する。表示制御部46は、取得された部署及び職種を、
図20に示すように担当者の名前に隣接させて表示する。
【0067】
次に、取得部42(及び通信制御部41)は、ステップS2で取得された予定タイプに対応し、かつ、予算年月及び部署に対応する予算金額を取得する(ステップS3)。例えば、
図20の例の場合、作業者である「山下さん」の予定タイプは「予算」である。この場合、通信制御部41は、経理サーバ装置12と通信を行い、予算管理テーブル12に記憶されている予算タイプに対応し、かつ、予算年月及び部署に対応する予算金額を取得する。
【0068】
すなわち、
図20の例の場合、予算年月として「2021年4月」が指定され、部署として「100:工事部」が指定されている。このため、通信制御部41は、
図9に示す予算データのうち、「2021年4月」に「100:工事部」が作業する予定の「K001」の案件に対する予算金額である「210000円」、及び、「K003」の案件に対する予算金額である「90000円」を取得する。この予算金額は、取得部42によりシステム内に取り込まれる。
【0069】
次に、算出部44は、作業者が作業予定の各案件の予算金額に基づいて、作業者が各案件の作業を行う比率を算出し、案件と共に、
図12に示す作業者別案件テーブル27に記憶する(ステップS4)。また、表示制御部46は、
図20に示すように、「案件」、「比率を算出する要素となった予算金額」、及び、「算出部44により算出された比率」を作業者別案件マスタ画面に表示する。
【0070】
具体的には、「山下さん」が所属する「100:工事部」の、「2021年4月」における「K001」の案件に対する予算金額は「210000円」であり、「K003」の案件に対する予算金額は「90000円」である。このため、算出部44は、「K001:K003=210000円:90000円=70%:30%」の演算を行うことで、「2021年4月」に「山下さん」が作業予定の「K001」及び「K003」の各案件の作業比率を算出する。表示制御部46は、
図20に示すように、「210000円」を計算の要素として行った「K001」の案件の作業比率の演算結果である「70%」、及び、「90000円」を計算の要素として行った「K003」の案件の作業比率の演算結果である「30%」を作業者別案件マスタ画面に表示する。
【0071】
このような作業比率の演算は、作業者毎に繰り返し行われる(ステップS5:Yes)。そして、各作業者の作業比率の演算が終了すると(ステップS5:No)、
図12に示した作業者別案件テーブル27が形成され、
図19のフローチャートの全処理が終了する。
【0072】
(日報予定データの作成動作)
このように作業者別案件テーブル27が形成されると、日報予定データの作成が可能となる。
図21は、日報予定データの作成動作の流れを示すフローチャートである。この
図21のフローチャートの各処理は、制御部3が、記憶部2に記憶された業務支援プログラムに基づいて実行する。
【0073】
日報予定データを作成する場合、業務オペレータは、入力装置6を操作して日報予定データ作成画面の表示操作を行う。この表示操作が行われると、表示制御部46は、
図22に例示する日報予定データ作成画面を、出力装置7を介して表示する(ステップS11)。
【0074】
次に、業務オペレータは、この日報予定データ作成画面の部署の選択欄を操作して、日報予定データを作成する所望の部署を選択する。また、業務オペレータは、日報予定データを作成する期間を入力すると共に、日報予定データの作成対象とする作業員の作業者コードを選択する。
図22の例は、部署として部署コードが「100」の工事部が選択された例である。また、
図22の例は、日報予定データの作成対象とする期間として「2021年4月1日~2021年4月20日」が入力された例である。また、
図22の例は、作業者コードとして「1001(山下さん)~1003(中川さん)」が選択された例である。
【0075】
算出部44は、このような日報予定データ作成画面に対して選択及び入力された各種情報に基づいて、日報予定データの作成対象となる部署、期間及び作業者を認識する(ステップS12)。そして、算出部44は、日報予定データ作成画面に設けられている予定作成ボタンのボタン操作の有無を監視する(ステップS13)。
【0076】
予定作成ボタンのボタン操作を検出すると(ステップS13:Yes)、算出部44は、
図12に示した作業者別案件テーブル27に記憶されている各作業者が従事予定となっている各案件に対する作業の比率に基づいて、各作業者の案件毎の作業時間を算出する(ステップS14)。
【0077】
具体的には、
図13に示すように、勤務予定テーブル28には、「2021年4月1日」の「平日」における「山下さん」の「作業予定時間」は、「8時間」となっている。また、
図12に示した作業者別案件テーブル27には、「2021年4月」における「山下さん」の作業の比率は、「K001」の案件に対しては「70%」、「K003」の案件に対しては「30%」となっている。このため、算出部44は、以下の演算を行うことで、「2021年4月1日」における「山下さん」の8時間の労働時間のうち、「70%」である「5.6時間」を「K001」の案件に対する作業予定時間として算出し、残り「30%」である「2.4時間」を「K003」の案件に対する作業予定時間として算出する。
【0078】
K001の作業予定時間=平日の労働時間8時間×70%=5.6時間
K003の作業予定時間=平日の労働時間8時間×30%=2.4時間
【0079】
他の例としては、「2021年4月1日」の「平日」における「木下さん」の場合、
図12に示すように、「K002」の案件に対しては「50%」、「K003」の案件に対しては「50%」の作業の比率となっている。このため、算出部44は、以下の演算を行うことで、「2021年4月1日」における「木下さん」の8時間の労働時間のうち、「50%」である「4.0時間」を「K002」の案件に対する作業予定時間として算出し、残り「50%」である「4.0時間」を「K003」の案件に対する作業予定時間として算出する。
【0080】
K002の作業予定時間=平日の労働時間8時間×50%=4.0時間
K003の作業予定時間=平日の労働時間8時間×50%=4.0時間
【0081】
さらに、他の例としては、「2021年4月1日」の「平日」における「中川さん」の場合、
図12に示すように、「K001」の案件に対しては「33%」、「K002」の案件に対しては「67%」の作業の比率となっている。このため、算出部44は、以下の演算を行うことで、「2021年4月1日」における「中川さん」の8時間の労働時間のうち、「33%」である「約2.6時間」を「K001」の案件に対する作業予定時間として算出し、残り「67%」である「約5.4時間」を「K003」の案件に対する作業予定時間として算出する。
【0082】
K001の作業予定時間=平日の労働時間8時間×33%≒2.6時間
K003の作業予定時間=平日の労働時間8時間×50%≒5.4時間
【0083】
ここで、以上の説明は、各作業者の予定タイプが「予算」、「予算手配」又は「予算工数」であることから、各案件の作業の「比率」に基づいて各案件の作業予定時間を算出する算出手法が用いられた例であった。これに対して、
図6に示すように、「吉田さん」の予定タイプは「作業指示」であり、「神崎さん」の予定タイプは「作業実績」である。
【0084】
「吉田さん」のように、予定タイプが「作業指示」である場合、算出部44は、指定された日付で作業が指示されている案件の件数又は作業種(作業内容)の件数で労働時間を除算処理して作業予定時間を算出する算出方法を用いる。具体的には、この場合、算出部44は、
図7に示した作業指示テーブル25を参照し、指定された日付で作業を指示している案件の件数及び作業種(作業内容)を検出する。例えば、「2021年4月1日」において、「吉田さん」に対して「K001」及び「K002」の案件の作業が指示されていた場合、案件数が「2件」であるため、算出部44は、「8時間÷2件=4時間」の演算を行う。この場合、「K001」の案件に対する作業予定時間は「4時間」とされ、「K002」の案件に対する作業予定時間も「4時間」とされる。
【0085】
同様に、「2021年4月1日」において、「吉田さん」に対して「K001」の案件に対する「設計業務」及び「現地調査」の作業が指示されていた場合、作業種(作業内容)の件数が「2件」であるため、算出部44は、「8時間÷2件=4時間」の演算を行う。この場合、「K001」の案件の「設計業務」に対する作業予定時間は「4時間」とされ、「現地調査」に対する作業予定時間も「4時間」とされる。
【0086】
これに対して、「神崎さん」のように、予定タイプが「作業実績」である場合(
図6参照)、算出部44は、
図8に示した作業実績テーブル26に記録されている、指定された日付で既に作業済みの各作業の実際の作業時間を、作業予定時間とする算出方法を用いる。例えば、「神崎さん」は、「2021年4月1日」の前半の作業として「梱包」の作業を「5.6時間」行い、後半の作業として「梱包」の作業を「2.4時間」行ったとする。この場合、算出部44は、「2021年4月1日」における前半の「梱包」の作業である「5.6時間」を作業予定時間とすると共に、後半の「梱包」の作業である「2.4時間」を作業予定時間とする。
【0087】
「吉田さん」は、作業に対する具体的な指示があり、また、「神崎さん」は、具体的な作業実績のある作業員である。このため、「吉田さん」及び「神崎さん」の作業予定時間は、作業指示テーブル25又は作業実績テーブル26を参照することで、簡単に検出及び算出できる。
【0088】
次に、データ生成部45は、算出部44により算出された作業予定時間、日付、作業者、案件、及び作業種を含む日報予定データを生成し、
図16に示すように日報予定テーブル31に記憶する(ステップS15)。
【0089】
図16の例は、「2021年4月1日」に予定されている「山下さん」、「木下さん」、「中川さん」、「吉田さん」、「神崎さん」の日報予定データの例である。例えば、予定タイプが「予算」の「山下さん」、予定タイプが「予算手配」の「木下さん」、及び、予定タイプが「予算工数」の「中川さん」の場合、上述の各案件の予算金額に基づく「比率」で算出された作業予定時間が日報予定テーブル31に記憶される。また、予定タイプが「作業指示」の「吉田さん」の場合、各案件又は各職種により一日の労働時間を按分して算出した作業予定時間が日報予定テーブル31に記憶される。また、予定タイプが「作業実績」の「神崎さん」の場合、作業を行った作業種毎の時間が日報予定テーブル31に記憶される。
【0090】
実施の形態の業務支援装置1では、このような日報予定データを自動的に作成することができる。このため、業務オペレータは、日報予定データに基づいて、以下に説明する日報データを作成できるため、入力が必要なデータを削減でき、簡単な作業で日報データを作成できる。換言すると、実施の形態の業務支援装置1の場合、日報データの元となる日報予定データを自動的に作成できる。この日報予定データに基づいて日報データを作成することで、簡単な作業で日報データを作成することができる。
【0091】
また、同じ会社の中には、「吉田さん」及び「神崎さん」のように、具体的な作業が指示されている作業員、及び、例えば現場監督又はプロジェクトマネージャ等のように、複数の仕事を同時に兼務する作業員が混在する。しかし、実施の形態の業務支援装置1の場合、例えば現場監督又はプロジェクトマネージャ等のように、複数の仕事を同時に兼務する作業員であっても、上述のように予定される作業の「比率」に基づいて作業予定時間を算出できる。このため、例えば現場監督又はプロジェクトマネージャ等のように、複数の仕事を同時に兼務する作業員と、「吉田さん」及び「神崎さん」のように、具体的な作業が指示されている作業員とを一律に取り扱って(同じ会社内の全作業員を一律で取り扱って)、日報予定データ及び後述する日報データを作成できる。
【0092】
(日報データの作成動作)
次に、実施の形態の業務支援装置1における、日報予定データに基づく日報データの作成動作を説明する。
図23は、日報データの作成動作の流れを示すフローチャートである。この
図23のフローチャートの各処理は、制御部3が、記憶部2に記憶された業務支援プログラムに基づいて実行する。まず、ステップS21では、データ生成部45が、日報データの作成を指示する業務オペレータの指示操作の有無を監視しており、この指示操作を検出した際に(ステップS21:Yes)、表示制御部46は、
図16に示した日報予定データを、出力装置7を介して表示する(ステップS22)。
【0093】
業務オペレータは、表示された日報予定データを見て、不備の有無を判断し、不備を認識した場合、修正を指定する修正操作を行い、該当箇所の修正を行う。ステップS23では、データ生成部45が、この修正操作の有無を監視している。修正操作が行われない場合(ステップS23:No)、データ生成部45は、
図17に示すように、日報予定データを日報データとして日報テーブル32に記憶する(ステップS25)。
【0094】
これに対して、修正操作が行われた場合(ステップS23:Yes)、データ生成部45は、業務オペレータの修正操作に応じて、日報予定データの該当箇所を修正入力する(ステップS24)。
【0095】
例えば、「2021年4月1日」の「K001」の案件の補助業務は「中川さん」により行われる予定であったが、「中川さん」は作業を「3時間」行って早退し、午後から「佐藤さん」が「K001」の案件の補助業務に従事したとする。この場合、
図17に示すように、業務オペレータは、日報予定データにおける、午前中の中川さんの作業時間を「2.6時間」から「3時間」に修正する。また、業務オペレータは、日報予定データにおける作業者を「中川さん」から作業者コードが「1007」の「佐藤さん」に修正し、作業時間も、佐藤さんが従事した例えば「5時間」に修正する。
【0096】
このように、日報予定データの修正を可能とすることにより、より正確な日報データの生成を可能とすることができる。
【0097】
データ生成部45は、修正された日報予定データを、日報データとして日報テーブル32に記憶する(ステップS25)。これにより、
図23のフローチャートに示す日報データの作成動作の全処理が終了する。
【0098】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の業務支援装置1は、予算、発注、勤務計画等の既存情報を組み合わせることで、一定基準の正確性を備えた日報予定データを作成できる。このため、業務オペレータが、作業時間報告のために日報データを作成する事務作業負荷を大幅に軽減できる。
【0099】
また、従来、原価管理は管理者の感覚で行われることが多かった。しかし、実施の形態の業務支援装置1の場合、作業時間管理の煩雑さ及び事務作業負荷を軽減できるため、正確性及び適時性が向上した原価管理を行うことができる。従って、事務作業負荷の軽減のみならず、利益管理精度の向上をも図ることができる。
【0100】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0101】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0102】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0103】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0104】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0105】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0106】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0107】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0108】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0109】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0110】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0111】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0112】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0113】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明は、例えば工事業全般(建設、土木、設計等)の他、広く人件費管理が重要な業種において、日報又は月報等の作業報告書の作成を行う業務に有用である。
【符号の説明】
【0115】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
8 ネットワーク
9 経理サーバ装置
10 調達サーバ装置
11 原価サーバ装置
12 予算管理テーブル
13 発注明細テーブル
14 工数計画テーブル
21 予定データ管理マスタ
22 連携用マッピングマスタ
23 労働時間マスタ
24 作業者属性テーブル
25 作業指示テーブル
26 作業実績テーブル
27 作業者別案件テーブル
28 勤務予定テーブル
29 属性別作業パターンテーブル
30 作業予定テーブル
31 日報予定テーブル
32 日報テーブル
41 通信制御部
42 取得部
43 算出方法特定部
44 算出部
45 データ生成部
46 表示制御部