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特開2023-131581置き換え支援装置、システム、及び置き換え支援方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131581
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】置き換え支援装置、システム、及び置き換え支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20230914BHJP
【FI】
G06F16/9035
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036429
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】瀬戸 将志
(72)【発明者】
【氏名】天野 彬
(72)【発明者】
【氏名】松本 充由
(72)【発明者】
【氏名】宮嶋 弥侑
(72)【発明者】
【氏名】田中 将斗
(72)【発明者】
【氏名】上島 淳也
(72)【発明者】
【氏名】松本 将和
(72)【発明者】
【氏名】多田 謙太郎
(72)【発明者】
【氏名】下村 智之
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの実際の使用状況に即した仕様を有する置き換え候補となる電子装置の情報を提示する置き換え支援装置、システム及び置き換え支援方法を提供する。
【解決手段】複数の電子装置と、端末装置と、サーバ装置とが、通信回線を介して通信可能に接続されるシステムにおいて、電子装置1が有する通信装置は、複数の既存の電子装置から、各既存の電子装置の動作時における各デバイス構成要素の動作状態を示す動作情報を受信する。記憶装置は、置き換え候補となる新たな電子装置の仕様を示す仕様情報を格納する。CPUは、複数の既存の電子装置1から受信された動作情報を統計的に集約し、統計的に集約された動作情報及び仕様情報に基づいて、複数の既存の電子装置1のうちの予め決められた割合の電子装置の動作状態と同様の動作状態を可能にする仕様を有する新たな電子装置を選択する。端末装置の表示装置は、選択された新たな電子装置の情報を提示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデバイス構成要素をそれぞれ含む複数の電子装置の置き換えを支援する置き換え支援装置であって、
複数の既存の電子装置から、前記各既存の電子装置の動作時における前記各デバイス構成要素の動作状態を示す動作情報を受信する通信装置と、
置き換え候補となる新たな電子装置の仕様を示す仕様情報を格納する記憶装置と、
前記複数の既存の電子装置から受信された動作情報を統計的に集約し、前記統計的に集約された動作情報及び前記仕様情報に基づいて、前記複数の既存の電子装置のうちの予め決められた割合の電子装置の動作状態と同様の動作状態を可能にする仕様を有する新たな電子装置を選択する処理装置と、
前記選択された新たな電子装置の情報を提示する出力装置とを備える、
置き換え支援装置。
【請求項2】
前記出力装置は、前記統計的に集約された動作情報を提示する、
請求項1記載の置き換え支援装置。
【請求項3】
前記デバイス構成要素は1つ又は複数のUSBポートを含み、
前記動作情報は、前記各USBポートが使用中であるか否かを示す第1の情報と、前記各USBポートの使用時間長と、同時に使用されるUSBポートの個数とのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1又は2記載の置き換え支援装置。
【請求項4】
前記通信装置は、前記各既存の電子装置から、前記第1の情報として前記各USBポートの消費電力を受信し、
前記処理装置は、前記各USBポートの消費電力が予め決められたしきい値を超えるか否かに基づいて、前記既存の電子装置ごとに、同時に使用されるUSBポートの個数を計算する、
請求項3記載の置き換え支援装置。
【請求項5】
前記デバイス構成要素はバッテリを含み、
前記動作情報は、前記各既存の電子装置のバッテリ駆動時間長を含む、
請求項1~4のうちの1つに記載の置き換え支援装置。
【請求項6】
前記処理装置は、前記バッテリ駆動時間長に基づいて、前記各既存の電子装置の頑健性要件を決定する、
請求項5記載の置き換え支援装置。
【請求項7】
前記デバイス構成要素は1つ又は複数の映像出力ポートを含み、
前記動作情報は、前記各映像出力ポートが使用中であるか否かを示す第2の情報と、前記各映像出力ポートの使用時間長と、同時に使用される表示画面の個数とのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1~6のうちの1つに記載の置き換え支援装置。
【請求項8】
前記デバイス構成要素は1つ又は複数の通信ポートを含み、
前記動作情報は、前記各通信ポートが使用中であるか否かを示す第3の情報を含む、
請求項1~7のうちの1つに記載の置き換え支援装置。
【請求項9】
複数のデバイス構成要素をそれぞれ含む複数の電子装置と、
請求項1~8のうちの1つに記載の置き換え支援装置とを含む、
システム。
【請求項10】
複数のデバイス構成要素をそれぞれ含む複数の電子装置の置き換えを支援する置き換え支援方法であって、
複数の既存の電子装置から、前記各既存の電子装置の動作時における前記各デバイス構成要素の動作状態を示す動作情報を受信するステップと、
置き換え候補となる新たな電子装置の仕様を示す仕様情報を記憶装置から読み出すステップと、
前記複数の既存の電子装置から受信された動作情報を統計的に集約し、前記統計的に集約された動作情報及び前記仕様情報に基づいて、前記複数の既存の電子装置のうちの予め決められた割合の電子装置の動作状態と同様の動作状態を可能にする仕様を有する新たな電子装置を選択するステップと、
前記選択された新たな電子装置の情報を出力装置から提示するステップとを含む、
置き換え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、パーソナルコンピュータなどの電子装置の置き換えを支援する置き換え支援装置、システム、及び置き換え支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータなどの電子装置を購入する場合、ユーザの要件に適した候補を自動的に提示するとユーザにとって便利である。
【0003】
例えば、特許文献1は、個人がインターネット上の仮想ショップによるオンライン販売を利用してパーソナルコンピュータを購入する場合におけるパーソナルコンピュータ買い換え支援システムを開示している。特許文献1のシステムによれば、買い換え対象となるユーザ端末が内蔵する該ユーザ端末のハードウェア情報をサーバがユーザ端末から取得することで、購入者が希望する使用感に適合する性能を持つパーソナルコンピュータを簡単に見つけ出せるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-122965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のシステムは、サーバ装置はユーザ端末の単純なハードウェア情報(DMI(desktop management interface)情報)を取得するだけであり、ユーザの実際の使用状況に即した仕様を有する候補を提案することは困難である。このため、ユーザの実際の使用状況に即した仕様を有する候補を提案することが求められる。
【0006】
本開示の目的は、ユーザの実際の使用状況に即した仕様を有する置き換え候補となる電子装置の情報を提示することができる置き換え支援装置、システム、及び置き換え支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、
複数のデバイス構成要素をそれぞれ含む複数の電子装置の置き換えを支援する置き換え支援装置であって、
複数の既存の電子装置から、前記各既存の電子装置の動作時における前記各デバイス構成要素の動作状態を示す動作情報を受信する通信装置と、
置き換え候補となる新たな電子装置の仕様を示す仕様情報を格納する記憶装置と、
前記複数の既存の電子装置から受信された動作情報を統計的に集約し、前記統計的に集約された動作情報及び前記仕様情報に基づいて、前記複数の既存の電子装置のうちの予め決められた割合の電子装置の動作状態と同様の動作状態を可能にする仕様を有する新たな電子装置を選択する処理装置と、
前記選択された新たな電子装置の情報を提示する出力装置とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、ユーザの実際の使用状況に即した仕様を有する置き換え候補となる電子装置の情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係るシステム100の構成を示す概略図である。
図2図1の電子装置1の構成を示すブロック図である。
図3図1のサーバ装置2の構成を示すブロック図である。
図4図1の端末装置3の構成を示すブロック図である。
図5図1の電子装置1のハードウェア及びソフトウェアアーキテクチャを示す概略図である。
図6図2の電子装置1のCPU11によって実行される動作情報収集処理を示すフローチャートである。
図7図3のサーバ装置2のCPU21によって実行されるUSBポート要件決定処理を示すフローチャートである。
図8図3のサーバ装置2のCPU21によって実行されるバッテリ要件決定処理を示すフローチャートである。
図9図3のサーバ装置2のCPU21によって実行される映像出力ポート要件決定処理を示すフローチャートである。
図10図3のサーバ装置2のCPU21によって実行される通信ポート要件決定処理を示すフローチャートである。
図11図3のサーバ装置2のCPU21によって実行される推奨機種決定処理を示すフローチャートである。
図12図7のステップS27において統計的に集約された各USBポート15bの使用時間長を示すグラフである。
図13図7のステップS27において統計的に集約された、同時に使用されるUSBポート15bの個数を示すグラフである。
図14図8のステップS40において統計的に集約されたバッテリ16bの放電時間長を示すグラフである。
図15図9のステップS67において統計的に集約された各映像出力ポート14cの使用時間長を示すグラフである。
図16図9のステップS67において統計的に集約された映像出力ポート14cの個数を示すグラフである。
図17図10のステップS84において統計的に集約された各通信ポートの使用時間長を示すグラフである。
図18図11のステップS92における電子装置1の頑健性要件の決定を説明するための表である。
図19図11のステップS94において提示される推奨機種の一例を示す表である。
図20】実施形態の変形例に係る電子装置1のCPU11によって実行される動作情報収集処理を示すフローチャートである。
図21図20のステップS101(USBポートモニタリング処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。
図22図20のステップS102(バッテリモニタリング処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。
図23図20のステップS103(映像出力ポートモニタリング処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。
図24図20のステップS104(通信ポートモニタリング処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0011】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
[実施形態の構成]
図1は、実施形態に係るシステム100の構成を示す概略図である。図1のシステム100は、複数の電子装置1-1~1-3、サーバ装置2、端末装置3、及び通信回線4を備える。
【0013】
電子装置1-1~1-3は、通信回線4を介してサーバ装置2と通信可能に接続される。電子装置1-1~1-3のそれぞれは、USBポート、バッテリ、映像出力ポート、及び通信ポートなど、複数のデバイス構成要素を備える。電子装置1-1~1-3は、例えば、ノート型、タブレット型、又はデスクトップ型のパーソナルコンピュータである。電子装置1-1~1-3は、所定の会社、会社内の所定の部署などのような、何らかのグループG1に属する。
【0014】
本明細書では、電子装置1-1~1-3を総称して「電子装置1」とも呼ぶ。
【0015】
サーバ装置2は、各電子装置1から、電子装置1の動作時における各デバイス構成要素の動作状態を示す動作情報を取得し、動作情報に基づいて、電子装置1の置き換え候補となる新たな電子装置の機種を選択する。
【0016】
端末装置3は、通信回線4又は他の通信回線を介してサーバ装置2と通信可能に接続される。端末装置3は、例えば、電子装置1を所有する会社の管理者によって、又は、電子装置1を販売する会社の営業担当者によって使用され、これにより、管理者又は営業担当者は、電子装置1の置き換え候補となる新たな電子装置の情報をサーバ装置2から取得することができる。管理者又は営業担当者は、既存の電子装置1を新たな電子装置により置き換える。ここで、「置き換え」は、既存の電子装置1の廃棄及び新たな電子装置の購入であってもよく、金銭の授受を伴わない電子装置の移動であってもよい。
【0017】
サーバ装置2及び端末装置3は、実施形態に係る置き換え支援装置の一例である。
【0018】
通信回線4は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、携帯電話網、又はそれらの組み合わせである。
【0019】
図2は、図1の電子装置1の構成を示すブロック図である。電子装置1は、バス10、CPU(central processing unit)11、メモリ12、記憶装置13、GPU(graphics processing unit)14a、表示装置14b、映像出力ポート14c、USB(universal serial bus)制御回路15a、USBポート15b、バッテリ制御回路16a、バッテリ16b、通信装置17、及び入力装置18を備える。
【0020】
本明細書では、電子装置1の各構成要素11~18を「デバイス構成要素」とも呼ぶ。
【0021】
CPU11は、電子装置1全体の動作を制御し、例えば、電子装置1の動作時における各デバイス構成要素の動作状態をモニタリングする。メモリ12は、電子装置1の動作に必要なプログラム及びデータを一時的に記憶する。記憶装置13は、オペレーティングシステム、複数のアプリケーションプログラム、及びユーザデータを含むデータを格納する。記憶装置13は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの不揮発性記憶媒体である。
【0022】
GPU14aは、CPU11によって処理されたデータをさらに処理し、処理されたデータを表示装置14bに出力する。追加又は代替として、GPU14aは、処理されたデータを、映像出力ポート14cを介して接続された外部表示装置に出力してもよい。映像出力ポート14cは、例えば、VGA(Video Graphics Array)端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)(登録商標)端子、及びDVI(Digital Visual Interface)端子などのうちの1つ又は複数の端子を含む。
【0023】
USB制御回路15aは、USB2.0規格及びUSB3.1規格などに従って、USBポート15bを介して接続された周辺装置を制御する。USBポート15bは、タイプA端子及びタイプC端子などのうちのいずれかを含む。周辺装置は、例えば、キーボード、マウス、記憶装置、表示装置、通信装置、プリンタなどを含む。
【0024】
バッテリ制御回路16aは、外部電源(図示せず)に接続され、バッテリ16bへの充電及び放電を制御する。電子装置1は、外部電源に接続されている場合には外部電源から電力供給を受けて動作し、外部電源に接続されていない場合にはバッテリ16bの放電電力により動作する。
【0025】
通信装置17は、有線LAN(local area network)、無線LAN、及び無線WAN(wide area network)などの1つ又は複数の通信ポートを含み、いずれかの通信ポート及び通信回線4を介してサーバ装置2と通信可能に接続される。
【0026】
入力装置18は、電子装置1の動作を制御するユーザ入力を受ける。入力装置18は、例えば、キーボード及びポインティングデバイスを含む。
【0027】
CPU11、メモリ12、記憶装置13、GPU14a、USB制御回路15a、バッテリ制御回路16a、通信装置17、及び入力装置18は、バス10を介して互いに接続される。
【0028】
電子装置1がデスクトップ型のパーソナルコンピュータである場合、表示装置14b及び入力装置18は、電子装置1の外部に設けられ、映像出力ポート14c及びUSBポート15bを介して電子装置1にそれぞれ接続される。
【0029】
電子装置1は、図5を参照して後述するように、エンベデッドコントローラのような制御回路をさらに備えてもよく、また、各デバイス構成要素の消費電力をモニタリングする電力モニタをさらに備えてもよい。
【0030】
図3は、図1のサーバ装置2の構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、バス20、CPU21、メモリ22、記憶装置23、表示装置24、通信装置27、及び入力装置28を備える。CPU21は、サーバ装置2全体の動作を制御し、また、電子装置1の置き換え候補となる新たな電子装置の機種を選択する。メモリ22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム及びデータを一時的に記憶する。記憶装置23は、サーバ装置2の動作に必要なプログラムを格納する不揮発性記憶媒体である。記憶装置23はまた、電子装置1の置き換え候補となる新たな電子装置の機種を選択するために必要なデータを含む動作情報データベース(DB)、要件情報データベース(DB)、及び仕様情報データベース(DB)を格納する。動作情報データベースは、各電子装置1から受信された各電子装置1のデバイス構成要素の動作情報を含む。要件情報データベースは、各電子装置1のデバイス構成要素の動作情報を統計的に集約したデータに基づく、新たな電子装置が満たすべき仕様を示す要件情報を含む。ここで、「統計的に集約する」とは、複数の電子装置1にわたって、それらのデバイス構成要素に関する所定の特徴が発生する頻度又は割合を計算することを意味する。仕様情報データベースは、置き換え候補となる新たな電子装置の仕様を示す仕様情報を含む。表示装置24は、サーバ装置2の状態に関連する情報を表示する。通信装置27は、通信回線4を介して電子装置1及び端末装置3と通信可能に接続される。入力装置28は、サーバ装置2の動作を制御するユーザ入力を受ける。入力装置28は、例えば、キーボード及びポインティングデバイスを含む。CPU21、メモリ22、記憶装置23、表示装置24、通信装置27、及び入力装置28は、バス20を介して互いに接続される。
【0031】
サーバ装置2は、データを処理してグラフなどの形式で可視化するBI(Business Intelligence)ツールのソフトウェアを備えてもよい。
【0032】
図4は、図1の端末装置3の構成を示すブロック図である。端末装置3は、バス30、CPU31、メモリ32、記憶装置33、表示装置34、通信装置37、及び入力装置38を備える。CPU31は、端末装置3全体の動作を制御する。メモリ32は、端末装置3の動作に必要なプログラム及びデータを一時的に記憶する。記憶装置33は、端末装置3の動作に必要なプログラムを格納する不揮発性記憶媒体である。表示装置34は、端末装置3の状態に関連する情報を表示し、また、サーバ装置2から取得された、各電子装置1の置き換え候補となる新たな電子装置の情報を表示する。通信装置37は、通信回線4を介してサーバ装置2と通信可能に接続される。入力装置38は、端末装置3の動作を制御するユーザ入力を受ける。入力装置38は、例えば、キーボード及びポインティングデバイスを含む。CPU31、メモリ32、記憶装置33、表示装置34、通信装置37、及び入力装置38は、バス30を介して互いに接続される。
【0033】
端末装置3の表示装置34は、サーバ装置2によって選択された新たな電子装置の情報を提示する出力装置の一例である。
【0034】
サーバ装置2は、各電子装置1の置き換え候補となる新たな電子装置の情報を提示するために、端末装置3によってアクセス可能なインターフェース、例えばウェブページに基づくインターフェースを提供する。この場合、サーバ装置2は、ウェブサーバのアプリケーションプログラムを実行し、端末装置3は、ウェブブラウザのアプリケーションプログラムを実行してサーバ装置2のウェブサーバにアクセスする。
【0035】
図5は、図1の電子装置1のハードウェア及びソフトウェアアーキテクチャを示す概略図である。図5では、図示の簡単化のために、図2に示すデバイス構成要素のうちの一部のみを示す。
【0036】
電子装置1は、図2に示す各デバイス構成要素に加えて、エンベデッドコントローラのような制御回路41を備えてもよく、また、各デバイス構成要素の消費電力をモニタリングする電力モニタ42を備えてもよい。CPU11によって、オペレーティングシステム43及びアプリケーションプログラム44が実行される。
【0037】
アプリケーションプログラム44は、バッテリ情報ロガー44a、装置情報ロガー44b、動作情報ロガー44c、消費電力情報ロガー44d、及びログマネージャ44eを含む。バッテリ情報ロガー44aは、制御回路41から、バッテリ16bの消費電力等の情報を取得する。装置情報ロガー44bは、オペレーティングシステム43から、電子装置1自体のハードウェア情報及び各種設定情報を取得する。また、装置情報ロガー44bは、オペレーティングシステム43から取得しにくい情報、例えば、電子装置1の機種名、製品番号、及びシリアル番号を制御回路41から取得する。動作情報ロガー44cは、オペレーティングシステム43から、USBポート15b、映像出力ポート14c、及び通信ポートに接続された周辺装置についての情報を取得する。消費電力情報ロガー44dは、電力モニタ42から、USBポート15b、映像出力ポート14c、及び通信ポートのそれぞれの消費電力の情報を取得する。
【0038】
消費電力情報ロガー44dは、例えば、Microsoft Windows(登録商標)上で動作するE3(Energy Estimation Engine)であってもよい。
【0039】
ログマネージャ44eは、バッテリ情報ロガー44a、装置情報ロガー44b、動作情報ロガー44c、及び消費電力情報ロガー44dをそれぞれ定期的(例えば、数分ごと又は数時間ごと)に実行し、各ロガー44a~44dから情報を取得する。ログマネージャ44eは、各ロガー44a~44dによって取得された情報をローカルに一時的に保存し、保存した情報を定期的(例えば、1日ごと、1週間ごと、又は1ヶ月ごと)にサーバ装置2に送信する。
【0040】
サーバ装置2は、各電子装置1から取得された動作情報のログ形式を整形して保存する。
【0041】
[実施形態の動作]
次に、図6図19を参照して、実施形態に係るシステムの動作について説明する。図6図19の例では、各電子装置1が、3つのUSBポート15b-1~15b-3を有し、3つの映像出力ポート14c、すなわち、VGA端子、HDMI端子、及びDVI端子を有し、3つの通信ポート、すなわち、有線LANポート、無線LANポート、及び無線WANポートを有する場合について説明する。
【0042】
図6は、図2の電子装置1のCPU11によって実行される動作情報収集処理を示すフローチャートである。
【0043】
ステップS1において、CPU11は、各USBポート15bの動作情報を取得する。各USBポート15bの動作情報は、例えば、各USBポート15bが使用中であるか否かを示す情報と、各USBポート15bの使用時間長と、同時に使用されるUSBポート15bの個数とのうちの少なくとも1つを含む。「USBポート15bが使用されている」とは、USBポート15bに何らかの周辺装置が接続されている状態を意味する。例えば、CPU11は、オペレーティングシステム43又は制御回路41から、各USBポート15bが使用中であるか否かを示す情報を取得してもよい。また、CPU11は、各USBポート15bが使用中であるか否かを示す情報として、電力モニタ42からUSBポート15bの消費電力の値を取得してもよい。この場合、USBポート15bの消費電力が予め決められた最小値を超えていると、USBポート15bが使用されていると判断される。図6及び図7の例では、電子装置1が、各USBポート15bが使用中であるか否かを示す情報を取得してサーバ装置2に送信し、サーバ装置2が、この情報に基づいて、各USBポート15bの使用時間長と、同時に使用されるUSBポート15bの個数とを計算する。
【0044】
ステップS2において、CPU11は、バッテリ16bの動作情報を取得する。バッテリ16bの動作情報は、例えば、バッテリ16bが放電中であるか否かを示す情報、又は、電子装置1のバッテリ16bの放電時間長を含む。図6及び図8の例では、電子装置1が、バッテリ16bが放電中であるか否かを示す情報を取得してサーバ装置2に送信し、サーバ装置2が、この情報に基づいて、電子装置1のバッテリ16bの放電時間長を計算する。
【0045】
ステップS3において、CPU11は、映像出力ポート14cの動作情報を取得する。各映像出力ポート14cの動作情報は、例えば、各映像出力ポート14cが使用中であるか否かを示す情報と、各映像出力ポート14cの使用時間長と、同時に使用される映像出力ポート14cの個数とのうちの少なくとも1つを含む。「映像出力ポート14cが使用されている」とは、映像出力ポート14cに外部表示装置が接続されている状態を意味する。例えば、CPU11は、オペレーティングシステム43又は制御回路41から、各映像出力ポート14cが使用中であるか否かを示す情報を取得してもよい。また、CPU11は、各映像出力ポート14cが使用中であるか否かを示す情報として、電力モニタ42から映像出力ポート14cの消費電力の値を取得してもよい。この場合、映像出力ポート14cの消費電力が予め決められた最小値を超えていると、映像出力ポート14cが使用されていると判断される。図6及び図9の例では、電子装置1が、各映像出力ポート14cが使用中であるか否かを示す情報を取得してサーバ装置2に送信し、サーバ装置2が、この情報に基づいて、各映像出力ポート14cの使用時間長と、同時に使用される映像出力ポート14cの個数とを計算する。
【0046】
ステップS4において、CPU11は、通信ポートの動作情報を取得する。各通信ポートの動作情報は、例えば、各通信ポートが使用中であるか否かを示す情報と、各通信ポートの使用時間長とのうちの少なくとも1つを含む。「通信ポートが使用されている」とは、電子装置1が通信ポートを介して外部装置と通信中にある状態を意味する。例えば、CPU11は、オペレーティングシステム43又は制御回路41から、各通信ポートが使用中であるか否かを示す情報を取得してもよい。また、CPU11は、各通信ポートが使用中であるか否かを示す情報として、電力モニタ42から通信ポートの消費電力の値を取得してもよい。この場合、通信ポートの消費電力が予め決められた最小値を超えていると、通信ポートが使用されていると判断される。図6及び図10の例では、電子装置1が、各通信ポートが使用中であるか否かを示す情報を取得してサーバ装置2に送信し、サーバ装置2が、この情報に基づいて、各通信ポートの使用時間長を計算する。
【0047】
ステップS5において、CPU11は、電子装置1自体の情報を取得する。電子装置1自体の情報は、例えば、電子装置1の機種名、製品番号、及びシリアル番号を含む。
【0048】
ステップS6において、CPU11は、ステップS1~S4において取得された各動作情報と、ステップS5において取得された電子装置1自体の情報を、サーバ装置2に送信する。
【0049】
ステップS7において、CPU11は、モニタリング期間が経過したか否かを判断し、YESのときはステップS1に戻り、NOのときはステップS7を繰り返す。
【0050】
電子装置1は、図6の動作情報収集処理を実行することにより、USBポート15b、バッテリ16b、映像出力ポート14c、及び通信ポートの動作情報を、時間長T0のモニタリング期間ごとに定期的に取得してサーバ装置2に送信する。動作情報は、モニタリング期間のうちのある瞬間におけるUSBポート15b、バッテリ16b、映像出力ポート14c、及び通信ポートの動作状態を示す。これにより、動作情報は、動作状態の時系列データを含む。
【0051】
サーバ装置2は、各電子装置1から受信された動作情報及び電子装置1自体の情報を記憶装置23の動作情報データベースに格納する。サーバ装置2は、所定個数のモニタリング期間にわたる動作情報が取得されるごとに、図7図10の処理を実行し、USBポート15b、バッテリ16b、映像出力ポート14c、及び通信ポートの要件情報を決定する。ここで、サーバ装置2は、要件情報を決定するために、グループG1に含まれる複数の電子装置1から受信された動作情報を統計的に集約する。
【0052】
図7は、図3のサーバ装置2のCPU21によって実行されるUSBポート要件決定処理を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS11において、CPU21は、グループG1に含まれる1つの電子装置1を選択する。
【0054】
ステップS12において、CPU21は、選択された電子装置1の所定個数のモニタリング期間にわたるUSBポート動作情報を、記憶装置23の動作情報データベースから読み出す。さらに、CPU21は、選択された電子装置1の各USBポート15b-1~15b-3の使用時間長を示すパラメータTu1~Tu3と、同時に使用されるUSBポートの個数を示すパラメータNuとを0に初期化する。
【0055】
動作情報データベースから読み出されたUSBポート動作情報は、例えば、下記の要素を含む。
【0056】
・日付及び時刻
・電子装置の機種名又は製品番号
・USBポート15b-1の消費電力の時系列データ
・USBポート15b-2の消費電力の時系列データ
・USBポート15b-3の消費電力の時系列データ
【0057】
ステップS13において、CPU21は、1つのモニタリング期間のUSBポート動作情報を選択する。
【0058】
ステップS14において、CPU21は、USBポート15b-1が使用中であるか否かを判断し、YESのときはステップS15に進み、NOのときはステップS17に進む。ステップS15において、CPU21は、USBポート15b-1の使用時間長Tu1をモニタリング期間の時間長T0だけインクリメントする。ステップS16において、CPU21は、選択された電子装置1のUSBポート15b-1~15b-3のうち、同時に使用されるUSBポートの個数Nuを1だけインクリメントする。
【0059】
ステップS17において、CPU21は、USBポート15b-2が使用中であるか否かを判断し、YESのときはステップS18に進み、NOのときはステップS20に進む。ステップS18において、CPU21は、USBポート15b-2の使用時間長Tu2をモニタリング期間の時間長T0だけインクリメントする。ステップS19において、CPU21は、同時に使用されるUSBポートの個数Nuを1だけインクリメントする。
【0060】
ステップS20において、CPU21は、USBポート15b-3が使用中であるか否かを判断し、YESのときはステップS21に進み、NOのときはステップS23に進む。ステップS21において、CPU21は、USBポート15b-3の使用時間長Tu3をモニタリング期間の時間長T0だけインクリメントする。ステップS22において、CPU21は、同時に使用されるUSBポートの個数Nuを1だけインクリメントする。
【0061】
ステップS23において、CPU21は、すべてのモニタリング期間にわたって、選択された電子装置1のUSBポート動作情報を処理したか否かを判断し、YESのときはステップS25に進み、NOのときはステップS24に進む。ステップS24において、CPU21は、他のモニタリング期間のUSBポート動作情報を選択し、ステップS14~S23を繰り返す。
【0062】
ステップS13~S24を実行することにより、CPU21は、選択された電子装置1の各USBポート15b-1~15b-3の使用時間長Tu1~Tu3と、同時に使用されるUSBポートの個数Nuの最大値とを決定する。
【0063】
ステップS25において、CPU21は、グループG1に含まれるすべての電子装置1のUSBポート動作情報を処理したか否かを判断し、YESのときはステップS27に進み、NOのときはステップS26に進む。ステップS26において、CPU21は、グループG1に含まれる他の電子装置1を選択し、ステップS12~S25を繰り返す。
【0064】
ステップS27において、CPU21は、グループG1に含まれるすべての電子装置1のUSBポート動作情報を統計的に集約する。ここで、CPU21は、複数の電子装置1にわたって統計的に集約されたUSBポート動作情報として、例えば、USBポート15b-1~15b-3のそれぞれについて使用時間長の頻度を計算してもよい。また、CPU21は、複数の電子装置1にわたって統計的に集約されたUSBポート動作情報として、同時に使用されるUSBポート15bの異なる個数の割合を計算してもよい。ステップS28において、CPU21は、統計的に集約されたUSBポート動作情報をUSBポート要件として記憶装置23の要件情報データベースに格納する。
【0065】
要件情報データベースに格納されたUSBポート要件は、例えば、下記の要素を含む。
【0066】
・期間
・電子装置の機種名又は製品番号
・USBポート15b-1の使用時間長
・USBポート15b-2の使用時間長
・USBポート15b-3の使用時間長
・同時に使用可能なUSBポートの個数
【0067】
図12は、図7のステップS27において統計的に集約された各USBポート15bの使用時間長を示すグラフである。図13は、図7のステップS27において統計的に集約された、同時に使用されるUSBポート15bの個数を示すグラフである。図12及び図13に示すように、複数の電子装置1のUSBポート動作情報を統計的に集約することにより、置き換え候補となる電子装置がいくつのUSBポート15bを備えるべきか、USBポート15bの需要の傾向がわかる。
【0068】
図8は、図3のサーバ装置2のCPU21によって実行されるバッテリ要件決定処理を示すフローチャートである。
【0069】
ステップS31において、CPU21は、グループG1に含まれる1つの電子装置1を選択する。
【0070】
ステップS32において、CPU21は、選択された電子装置1の所定個数のモニタリング期間にわたるバッテリ動作情報を、記憶装置23の動作情報データベースから読み出す。さらに、CPU21は、選択された電子装置1のバッテリ16bの放電時間長を示すパラメータTbを0に初期化する。
【0071】
動作情報データベースから読み出されたバッテリ動作情報は、例えば、下記の要素を含む。
【0072】
・日付及び時刻
・電子装置の機種名又は製品番号
・充放電状態を示すフラグの時系列データ
【0073】
ステップS33において、CPU21は、1つのモニタリング期間のバッテリ動作情報を選択する。
【0074】
ステップS34において、CPU21は、バッテリ16bが放電中であるか否かを判断し、YESのときはステップS35に進み、NOのときはステップS36に進む。ステップS35において、CPU21は、バッテリ16bの放電時間長Tbをモニタリング期間の時間長T0だけインクリメントする。
【0075】
ステップS36において、CPU21は、すべてのモニタリング期間にわたって、選択された電子装置1のバッテリ動作情報を処理したか否かを判断し、YESのときはステップS38に進み、NOのときはステップS37に進む。ステップS37において、CPU21は、他のモニタリング期間のUSBポート動作情報を選択し、ステップS34~S36を繰り返す。
【0076】
ステップS33~S37を実行することにより、CPU21は、選択された電子装置1のバッテリ16bの放電時間長Tbを決定する。
【0077】
ステップS38において、CPU21は、グループG1に含まれるすべての電子装置1のバッテリ動作情報を処理したか否かを判断し、YESのときはステップS40に進み、NOのときはステップS39に進む。ステップS39において、CPU21は、グループG1に含まれる他の電子装置1を選択し、ステップS32~S38を繰り返す。
【0078】
ステップS40において、CPU21は、グループG1に含まれるすべての電子装置1のバッテリ動作情報を統計的に集約する。ここで、CPU21は、複数の電子装置1にわたって統計的に集約されたバッテリ動作情報として、例えば、バッテリ16bの放電時間長の頻度を計算してもよい。ステップS41において、CPU21は、統計的に集約されたバッテリ動作情報をバッテリ要件として記憶装置23の要件情報データベースに格納する。
【0079】
要件情報データベースに格納されたバッテリ要件は、例えば、下記の要素を含む。
【0080】
・期間
・電子装置の機種名又は製品番号
・放電時間長
【0081】
図14は、図8のステップS40において統計的に集約されたバッテリ16bの放電時間長を示すグラフである。図14に示すように、複数の電子装置1のバッテリ動作情報を統計的に集約することにより、置き換え候補となる電子装置が備えるべきバッテリの容量の傾向がわかる。
【0082】
図9は、図3のサーバ装置2のCPU21によって実行される映像出力ポート要件決定処理を示すフローチャートである。
【0083】
ステップS51において、CPU21は、グループG1に含まれる1つの電子装置1を選択する。
【0084】
ステップS52において、CPU21は、選択された電子装置1の所定個数のモニタリング期間にわたる映像出力ポート動作情報を、記憶装置23の動作情報データベースから読み出す。さらに、CPU21は、選択された電子装置1の各映像出力ポート14c、すなわち、VGA端子、HDMI端子、及びDVI端子の使用時間長を示すパラメータTv1~Tv3と、同時に使用される映像出力ポートの個数を示すパラメータNvとを0に初期化する。
【0085】
動作情報データベースから読み出された映像出力ポート動作情報は、例えば、下記の要素を含む。
【0086】
・日付及び時刻
・電子装置の機種名又は製品番号
・VGA端子の消費電力の時系列データ
・HDMI端子の消費電力の時系列データ
・DVI端子の消費電力の時系列データ
【0087】
ステップS53において、CPU21は、1つのモニタリング期間の映像出力ポート動作情報を選択する。
【0088】
ステップS54において、CPU21は、VGA端子が使用中であるか否かを判断し、YESのときはステップS55に進み、NOのときはステップS57に進む。ステップS55において、CPU21は、VGA端子の使用時間長Tv1をモニタリング期間の時間長T0だけインクリメントする。ステップS56において、CPU21は、選択された電子装置1の映像出力ポート14cのうち、同時に使用される映像出力ポートの個数Nvを1だけインクリメントする。
【0089】
ステップS57において、CPU21は、HDMI端子が使用中であるか否かを判断し、YESのときはステップS58に進み、NOのときはステップS60に進む。ステップS58において、CPU21は、HDMI端子の使用時間長Tv2をモニタリング期間の時間長T0だけインクリメントする。ステップS59において、CPU21は、同時に使用される映像出力ポートの個数Nvを1だけインクリメントする。
【0090】
ステップS60において、CPU21は、DVI端子が使用中であるか否かを判断し、YESのときはステップS61に進み、NOのときはステップS63に進む。ステップS61において、CPU21は、DVI端子の使用時間長Tv3をモニタリング期間の時間長T0だけインクリメントする。ステップS62において、CPU21は、同時に使用される映像出力ポートの個数Nvを1だけインクリメントする。
【0091】
ステップS63において、CPU21は、すべてのモニタリング期間にわたって、選択された電子装置1の映像出力ポート動作情報を処理したか否かを判断し、YESのときはステップS65に進み、NOのときはステップS64に進む。ステップS64において、CPU21は、他のモニタリング期間の映像出力ポート動作情報を選択し、ステップS54~S63を繰り返す。
【0092】
ステップS53~S64を実行することにより、CPU21は、選択された電子装置1の各映像出力ポート14cの使用時間長Tu1~Tu3と、同時に使用される映像出力ポート14cの個数Nuの最大値とを決定する。
【0093】
ステップS65において、CPU21は、グループG1に含まれるすべての電子装置1の映像出力ポート動作情報を処理したか否かを判断し、YESのときはステップS67に進み、NOのときはステップS66に進む。ステップS66において、CPU21は、グループG1に含まれる他の電子装置1を選択し、ステップS52~S65を繰り返す。
【0094】
ステップS67において、CPU21は、グループG1に含まれるすべての電子装置1の映像出力ポート動作情報を統計的に集約する。ここで、CPU21は、複数の電子装置1にわたって統計的に集約された映像出力ポート動作情報として、例えば、VGA端子、HDMI端子、及びDVI端子のそれぞれについて使用時間長の頻度を計算してもよい。また、CPU21は、複数の電子装置1にわたって統計的に集約された映像出力ポート動作情報として、同時に使用される映像出力ポート14cの異なる個数の割合を計算してもよい。ステップS68において、CPU21は、統計的に集約された映像出力ポート動作情報を映像出力ポート要件として記憶装置23の要件情報データベースに格納する。
【0095】
要件情報データベースに格納された映像出力ポート要件は、例えば、下記の要素を含む。
【0096】
・期間
・電子装置の機種名又は製品番号
・VGA端子の使用時間長
・HDMI端子の使用時間長
・DVI端子の使用時間長
・同時に使用可能な映像出力ポートの個数
【0097】
図15は、図9のステップS67において統計的に集約された各映像出力ポート14cの使用時間長を示すグラフである。図16は、図9のステップS67において統計的に集約された映像出力ポート14cの個数を示すグラフである。図15及び図16に示すように、複数の電子装置1の映像出力ポート動作情報を統計的に集約することにより、どのような種類の映像出力ポート14cを備えるべきか、また、置き換え候補となる電子装置がいくつの映像出力ポート14cを備えるべきか、映像出力ポート14cの需要の傾向がわかる。
【0098】
図10は、図3のサーバ装置2のCPU21によって実行される通信ポート要件決定処理を示すフローチャートである。
【0099】
ステップS71において、CPU21は、グループG1に含まれる1つの電子装置1を選択する。
【0100】
ステップS72において、CPU21は、選択された電子装置1の所定個数のモニタリング期間にわたる通信ポート動作情報を記憶装置23の動作情報データベースから読み出す。さらに、CPU21は、選択された電子装置1の各通信ポート、すなわち、有線LANポート、無線LANポート、及び無線WANポートの使用時間長を示すパラメータTc1~Tc3と、同時に使用される通信ポートの個数を示すパラメータNcとを0に初期化する。
【0101】
動作情報データベースから読み出された通信ポート動作情報は、例えば、下記の要素を含む。
【0102】
・日付及び時刻
・電子装置の機種名又は製品番号
・有線LANポートの消費電力の時系列データ
・無線LANポートの消費電力の時系列データ
・無線WANポートの消費電力の時系列データ
【0103】
ステップS73において、CPU21は、1つのモニタリング期間の通信ポート動作情報を選択する。
【0104】
ステップS74において、CPU21は、有線LANポートが使用中であるか否かを判断し、YESのときはステップS75に進み、NOのときはステップS76に進む。ステップS75において、CPU21は、有線LANポートの使用時間長Tc1をモニタリング期間の時間長T0だけインクリメントする。
【0105】
ステップS76において、CPU21は、無線LANポートが使用中であるか否かを判断し、YESのときはステップS77に進み、NOのときはステップS78に進む。ステップS77において、CPU21は、無線LANポートの使用時間長Tc2をモニタリング期間の時間長T0だけインクリメントする。
【0106】
ステップS78において、CPU21は、無線WANポートが使用中であるか否かを判断し、YESのときはステップS79に進み、NOのときはステップS80に進む。ステップS79において、CPU21は、無線WANポートの使用時間長Tc3をモニタリング期間の時間長T0だけインクリメントする。
【0107】
ステップS80において、CPU21は、すべてのモニタリング期間にわたって、選択された電子装置1の通信ポート動作情報を処理したか否かを判断し、YESのときはステップS82に進み、NOのときはステップS81に進む。ステップS81において、CPU21は、他のモニタリング期間の通信ポート動作情報を選択し、ステップS74~S80を繰り返す。
【0108】
ステップS73~S80を実行することにより、CPU21は、選択された電子装置1の各通信ポートの使用時間長Tc1~Tc3を決定する。
【0109】
ステップS82において、CPU21は、グループG1に含まれるすべての電子装置1の通信ポート動作情報を処理したか否かを判断し、YESのときはステップS84に進み、NOのときはステップS83に進む。ステップS83において、CPU21は、グループG1に含まれる他の電子装置1を選択し、ステップS72~S82を繰り返す。
【0110】
ステップS84において、CPU21は、グループG1に含まれるすべての電子装置1の通信ポート動作情報を統計的に集約する。ここで、CPU21は、複数の電子装置1にわたって統計的に集約された通信ポート動作情報として、例えば、有線LANポート、無線LANポート、及び無線WANポートのそれぞれについて使用時間長の頻度を計算してもよい。ステップS85において、CPU21は、統計的に集約された通信ポート動作情報を通信ポート要件として記憶装置23の要件情報データベースに格納する。
【0111】
要件情報データベースに格納された通信ポート要件は、例えば、下記の要素を含む。
【0112】
・期間
・電子装置の機種名又は製品番号
・有線LANポートの使用時間長
・無線LANポートの使用時間長
・無線WANポートの使用時間長
【0113】
図17は、図10のステップS84において統計的に集約された各通信ポートの使用時間長を示すグラフである。図17に示すように、複数の電子装置1の通信ポート動作情報を統計的に集約することにより、置き換え候補となる電子装置がどのような種類の通信ポートを備えるべきか、通信ポートの需要の傾向がわかる。
【0114】
図11は、図3のサーバ装置2のCPU21によって実行される推奨機種決定処理を示すフローチャートである。
【0115】
ステップS91において、CPU21は、USBポート要件、バッテリ要件、映像出力ポート要件、及び通信ポート要件を記憶装置23の要件情報データベースから読み出す。
【0116】
ステップS92において、CPU21は、バッテリ要件に基づいて、電子装置の頑健性要件を決定する。バッテリ16の放電中には、電子装置は移動されている可能性が高い。バッテリ16の放電時間長が長くなると、移動中の落下などに起因して、電子装置が衝撃を受けるリスクが増大すると考えられる。従って、CPU21は、バッテリ16bの放電時間長が長くなるほど高い頑健性を有するように、電子装置の頑健性要件を決定する。
【0117】
図18は、図11のステップS92における電子装置1の頑健性要件の決定を説明するための表である。CPU21は、バッテリ16bの放電時間長が長くなるほど頑健性スコアを増大させる。頑健性スコアは、例えば、MIL-STD-810G又はMIL-STD-810Hなど、予め決められた耐衝撃試験又は耐振動試験に合格したこと、又は、所定の補強部材を備えていることを示す。図18の例では、頑健性スコアは、大きくなるほど頑健性が高いことをしめす。
【0118】
ステップS93において、CPU21は、USBポート要件、バッテリ要件、映像出力ポート要件、通信ポート要件、及び頑健性要件を満たす電子装置の機種を記憶装置23の仕様情報データベースから読み出す。
【0119】
仕様情報は、例えば、下記の要素を含む。
【0120】
・製造業者
・電子装置の機種名又は製品番号
・サムネイル画像
・USBタイプAポートの個数
・USBタイプCポートの個数
・HDMI端子の有無
・DVI端子の有無
・有線LANポートの有無
・頑健性スコア
【0121】
CPU21は、要件情報及び仕様情報に基づいて、グループG1のすべての電子装置の動作状態と同様の動作状態を可能にする仕様を有する新たな電子装置を選択してもよい。また、CPU21は、要件情報及び仕様情報に基づいて、グループG1の電子装置のうちの予め決められた割合、例えば50%~90%の電子装置の動作状態と同様の動作状態を可能にする仕様を有する新たな電子装置を選択してもよい。
【0122】
ステップS94において、CPU21は、端末装置3からの要求に応じて、各要件を満たす電子装置の情報を端末装置3に送信する。端末装置3のCPU31は、サーバ装置2から受信された電子装置の情報を表示装置34に出力する。これにより、グループG1に含まれる複数の電子装置1の置き換え候補として、各要件を満たす電子装置の情報を管理者又は営業担当者に提示することができる。
【0123】
図19は、図11のステップS94において提示される推奨機種の一例を示す表である。図19は、要件を満たす3つの機種の電子装置が存在する場合を示す。要件を満たす複数の機種の電子装置が存在する場合、電子装置を何らかのスコア値に従って順序付けてもよい。スコア値は、電子装置のいずれかの機能を優先するように重み付けされてもよい。
【0124】
電子装置1のユーザは、端末装置3に表示された電子装置を参照し、所望の電子装置を購入することができる。
【0125】
サーバ装置2のCPU21は、各要件を満たす電子装置の情報とともに、統計的に集約された動作情報を端末装置3に送信してもよい。この場合、端末装置3のCPU31は、図12図17のグラフを表示装置34に出力する。これにより、電子装置1のユーザは、統計的に集約された動作情報を参照することにより、電子装置1の各デバイス構成要素の実際の使用状況に即して、最適な電子装置を購入することができる。
【0126】
以上説明したように、実施形態に係るシステムによれば、既存の電子装置の動作時における各デバイス構成要素の動作状態を示す動作情報を取得することにより、ユーザの実際の使用状況に即した仕様を有する置き換え候補となる電子装置の情報を提示することができる。従って、実施形態に係るシステムは、複数のデバイス構成要素をそれぞれ含む複数の電子装置1の置き換えを支援することができる。
【0127】
実施形態に係るシステムによれば、複数の電子装置から収集された動作情報を統計的に集約することにより、多数の電子装置を置き換える場合であっても、大部分のユーザの要件を満たす新たな電子装置を容易に選定することができる。
【0128】
特許文献1のシステムは、単純なハードウェア情報(DMI情報)を取得していた。一方、実施形態に係るシステムは、ユーザの使用状況に即したデータを独自に収集して加工することにより、ユーザが必要とする仕様を有する電子装置を従来よりも高精度に提案することができる。例えば、USBポートの消費電力を取得し、消費電力の値に基づいて、USBポートを使用しているか否かを判定することで、USBポートの使用状況を把握することができる。これによって、ユーザに必要なUSBポートの個数を提案することができる。また、電子装置が交流電源により動作しているか、それともバッテリにより動作しているかの情報を取得することにより、ユーザが電子装置をバッテリ駆動で使用している時間長を把握することができる。これによって、ユーザに必要なバッテリの容量を提案することができる。
【0129】
実施形態に係るシステムによれば、バッテリの充放電、USBポートの消費電力、外部装置の接続などについての情報を電子装置から収集して加工することで、電子装置のポート(インターフェース)の需要を判断し、また、電子装置の落下リスクの程度を算出することができる。これらの情報と、社内で保管する製品仕様情報を照合することで、顧客の次期買い替え時に必要な電子装置の仕様をユーザの実際の使用状況に即して提案することができる。
【0130】
従来、管理者は、ユーザへのヒアリング又は問い合わせに基づいて、ユーザに適した仕様を有する電子装置を選定しているが、この選定工程は、管理者にとって非常に負荷の高いものであった。実施形態に係るシステムによれば、ユーザの使用状況を遠隔で収集して活用することで、管理者の選定工程の負荷をおさえることができる。また、管理者によるユーザへのヒアリングに基づいて電子装置を選定する場合、ユーザは高い性能を有するデバイス構成要素を好む傾向があり、過剰な性能によりコストがかさむ傾向がある。実施形態に係るシステムによれば、ユーザの使用状況を遠隔で収集して活用することで、コスト合理性のある最適な仕様を有する電子装置を選定できる。
【0131】
実施形態に係るシステムによれば、電子装置の動的な稼働情報をバックグラウンドで取得してクラウドのサーバ装置により収集することで、ユーザの実際の使用状況に基づく最適な電子装置を提案することができる。
【0132】
実施形態に係るシステムによれば、デバイス構成要素の使用時間長を取得することにより、使用時間長に基づいてデバイス構成要素の要否を判断することができる。
【0133】
実施形態に係るシステムによれば、営業担当者は、各種データに基づいて、最適な仕様を有する電子装置を提案することができる。また、管理者は、各種データに基づいて、最適な仕様を有する電子装置を選定することができる。
【0134】
[実施形態の変形例]
図6図10の例では、サーバ装置2のCPU21が、各USBポート15bの使用時間長、同時に使用されるUSBポート15bの個数、バッテリ16bの放電時間長、各映像出力ポート14cの使用時間長、同時に使用される映像出力ポート14cの個数、及び各通信ポートの使用時間長を計算したが、これらの動作情報は電子装置1によって計算されてもよい。次に、図20図24を参照して、電子装置1のCPU11が、上述した動作情報を計算する場合について説明する。
【0135】
図20は、実施形態の変形例に係る電子装置1のCPU11によって実行される動作情報収集処理を示すフローチャートである。
【0136】
図20のステップS101において、CPU11は、USBポートモニタリング処理を実行し、各USBポート15bの動作情報を取得する。
【0137】
図21は、図20のステップS101(USBポートモニタリング処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。ステップS111~S119は、図7のステップS14~S22と同様である。ステップS120において、CPU11は、USBポート動作情報を記憶装置13に格納する。
【0138】
図20のステップS102において、CPU11は、バッテリモニタリング処理を実行し、バッテリ16bの動作情報を取得する。
【0139】
図22は、図20のステップS102(バッテリモニタリング処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。ステップS121~S122は、図8のステップS34~S35と同様である。ステップS123において、CPU11は、バッテリ動作情報を記憶装置13に格納する。
【0140】
図20のステップS103において、CPU11は、映像出力ポートモニタリング処理を実行し、映像出力ポート14cの動作情報を取得する。
【0141】
図23は、図20のステップS103(映像出力ポートモニタリング処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。ステップS131~S139は、図9のステップS54~S62と同様である。ステップS140において、CPU11は、映像出力ポート動作情報を記憶装置13に格納する。
【0142】
図20のステップS104において、CPU11は、通信ポートモニタリング処理を実行し、通信ポートの動作情報を取得する。
【0143】
図24は、図20のステップS104(通信ポートモニタリング処理)のサブルーチンを示すフローチャートである。ステップS141~S146は、図10のステップS74~S79と同様である。ステップS147において、CPU11は、通信ポート動作情報を記憶装置13に格納する。
【0144】
図20のステップS105~S107は、図6のステップS5~S7と同様である。
【0145】
サーバ装置2のCPU21は、各電子装置1から受信された動作情報を統計的に集約する。その後、CPU21は、図11の推奨機種決定処理を実行する。
【0146】
図20図24の処理によれば、サーバ装置2の動作を、図6図10の場合よりも簡単化することができる。
【0147】
[実施形態の効果等]
実施形態に係る置き換え支援装置は、複数のデバイス構成要素をそれぞれ含む複数の電子装置1の置き換えを支援する。サーバ装置2は、通信装置27、記憶装置23、及びCPU21を備える。通信装置27は、複数の既存の電子装置1から、各既存の電子装置1の動作時における各デバイス構成要素の動作状態を示す動作情報を受信する。記憶装置23は、置き換え候補となる新たな電子装置の仕様を示す仕様情報を格納する。CPU21は、複数の既存の電子装置1から受信された動作情報を統計的に集約し、統計的に集約された動作情報及び仕様情報に基づいて、複数の既存の電子装置1のうちの予め決められた割合の電子装置の動作状態と同様の動作状態を可能にする仕様を有する新たな電子装置を選択する。端末装置3の表示装置34は、選択された新たな電子装置の情報を提示する。
【0148】
この構成によれば、ユーザの実際の使用状況に即した仕様を有する置き換え候補となる電子装置の情報を提示することができる。
【0149】
実施形態に係る置き換え支援装置によれば、表示装置34は、統計的に集約された動作情報を提示してもよい。
【0150】
この構成によれば、多数の電子装置を置き換える場合であっても、大部分のユーザの要件を満たす新たな電子装置を容易に選定することができる。
【0151】
実施形態に係る置き換え支援装置によれば、デバイス構成要素は1つ又は複数のUSBポートを含んでもよい。この場合、動作情報は、各USBポートが使用中であるか否かを示す第1の情報と、各USBポートの使用時間長と、同時に使用されるUSBポートの個数とのうちの少なくとも1つを含む。
【0152】
この構成によれば、USBポートの実際の使用状況に即して、USBポートに関する仕様を適切に決定することができる。
【0153】
実施形態に係る置き換え支援装置によれば、通信装置27は、各既存の電子装置1から、第1の情報として各USBポートの消費電力を受信してもよい。この場合、CPU21は、各USBポートの消費電力が予め決められたしきい値を超えるか否かに基づいて、既存の電子装置1ごとに、同時に使用されるUSBポートの個数を計算する。
【0154】
この構成によれば、USBポートの個数を適切に決定することができる。
【0155】
実施形態に係る置き換え支援装置によれば、デバイス構成要素はバッテリ16bを含んでもよい。この場合、動作情報は、各既存の電子装置1のバッテリ駆動時間長を含む。
【0156】
この構成によれば、バッテリの容量を適切に決定することができる。
【0157】
実施形態に係る置き換え支援装置によれば、CPU21は、バッテリ駆動時間長に基づいて、各既存の電子装置1の頑健性要件を決定してもよい。
【0158】
この構成によれば、電子装置1の頑健性要件を適切に決定することができる。
【0159】
実施形態に係る置き換え支援装置によれば、デバイス構成要素は1つ又は複数の映像出力ポートを含んでもよい。この場合、動作情報は、各映像出力ポートが使用中であるか否かを示す第2の情報と、各映像出力ポートの使用時間長と、同時に使用される表示画面の個数とのうちの少なくとも1つを含む。
【0160】
この構成によれば、映像出力ポートの実際の使用状況に即して、映像出力ポートに関する仕様を適切に決定することができる。
【0161】
実施形態に係る置き換え支援装置によれば、デバイス構成要素は1つ又は複数の通信ポートを含んでもよい。この場合、動作情報は、各通信ポートが使用中であるか否かを示す第3の情報を含む。
【0162】
この構成によれば、通信ポートの実際の使用状況に即して、通信ポートに関する仕様を適切に決定することができる。
【0163】
実施形態に係るシステムは、複数のデバイス構成要素をそれぞれ含む複数の電子装置1と、上述の置き換え支援装置とを含む。
【0164】
この構成によれば、ユーザの実際の使用状況に即した仕様を有する置き換え候補となる電子装置の情報を提示することができる。
【0165】
実施形態に係る置き換え支援方法は、複数のデバイス構成要素をそれぞれ含む複数の電子装置1の置き換えを支援する。本方法は、複数の既存の電子装置1から、各既存の電子装置1の動作時における各デバイス構成要素の動作状態を示す動作情報を受信するステップを含む。本方法は、置き換え候補となる新たな電子装置の仕様を示す仕様情報を記憶装置から読み出すステップを含む。本方法は、複数の既存の電子装置1から受信された動作情報を統計的に集約し、統計的に集約された動作情報及び仕様情報に基づいて、複数の既存の電子装置1のうちの予め決められた割合の電子装置の動作状態と同様の動作状態を可能にする仕様を有する新たな電子装置を選択するステップを含む。本方法は、選択された新たな電子装置を出力装置から提示するステップを含む。
【0166】
この構成によれば、ユーザの実際の使用状況に即した仕様を有する置き換え候補となる電子装置の情報を提示することができる。
【0167】
[他の実施形態]
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0168】
そこで、以下、他の実施形態を例示する。
【0169】
USBポート動作情報及びUSBポート要件情報は、USBポートのタイプ(すなわち、タイプA又はタイプC)ごとに生成及び処理されてもよい。
【0170】
電子装置1は、1つ又は2つのUSBポートを備えてもよく、4つ以上のUSBポートを備えてもよい。また、電子装置1は、1つ又は2つの映像出力ポートを備えてもよく、4つ以上の映像出力ポートを備えてもよい。
【0171】
サーバ装置2は、既存の電子装置1の仕様情報を格納した装置情報データベースをさらに備えてもよい。装置情報データベースは、その要素として、例えば、電子装置の機種名又は製品番号、搭載したポートの情報、バッテリの容量などを含む。この場合、サーバ装置2のCPU21は、置き換え候補となる新たな電子装置の情報を提示するとき、装置情報データベースから読み出された既存の電子装置1に関する情報をともに提示してもよい。
【0172】
サーバ装置2は、データレイク装置及びデータウェアハウス装置など、複数のサーバ装置の組み合わせであってもよい。この場合、データレイク装置は、各電子装置1から収集した動作情報などをそのまま一時的に保存してもよく、データウェアハウス装置は、データレイク装置から読み出した動作情報を統計的に集約してもよい。
【0173】
動作情報データベース、要件情報データベース、及び仕様情報データベースは、サーバ装置2の1つの記憶装置23に格納されることに限定されず、1つ又は複数の場所に設けられた複数の記憶装置に格納されてもよい。
【0174】
サーバ装置によって選択された置き換え候補となる電子装置は、端末装置3の表示装置34に出力されることに代えて、サーバ装置2の表示装置24に出力されてもよい。また、サーバ装置によって選択された置き換え候補となる電子装置は、サーバ装置2又は端末装置3に接続されたプリンタなどの他の出力装置を介して提示されてもよい。
【0175】
置き換え候補となる電子装置をサーバ装置2が選択することに代えて、端末装置3が選択してもよい。この場合、端末装置3は、サーバ装置2から各電子装置1のデバイス構成要素の動作情報を取得し、動作情報に基づいて、置き換え候補となる電子装置を選択して表示装置34に出力する。
【0176】
あるグループG1に含まれるすべての電子装置1が、同時期に購入された同じ機種の電子装置である場合、電子装置1のCPU11及びサーバ装置2のCPU21は、電子装置1の機種名又は製品番号に基づいてデータを処理してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0177】
本開示は、パーソナルコンピュータなどの電子装置の買い換えを支援するために利用可能である。
【符号の説明】
【0178】
1,1-1~1-3 電子装置
2 サーバ装置
3 端末装置
4 通信回線
10 バス
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14a GPU
14b 表示装置
14c 映像出力ポート
15a USB制御回路
15b USBポート
16a バッテリ制御回路
16b バッテリ
17 通信装置
18 入力装置
20 バス
21 CPU
22 メモリ
23 記憶装置
24 表示装置
27 通信装置
28 入力装置
30 バス
31 CPU
32 メモリ
33 記憶装置
34 表示装置
37 通信装置
38 入力装置
41 制御回路
42 電力モニタ
43 オペレーティングシステム
44 アプリケーションプログラム
44a バッテリ情報ロガー
44b 装置情報ロガー
44c 動作情報ロガー
44d 消費電力情報ロガー
44e ログマネージャ
100 システム
G1 グループ
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