(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131601
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230914BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036455
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】517255566
【氏名又は名称】株式会社エクサウィザーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】阿部 一真
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 玄太
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 励
(72)【発明者】
【氏名】戸上 綾
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウィングキット
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】トゥンド マシュー アルバート
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】企業等による人事異動等の業務を支援することが期待できる学習モデルの生成方法、情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置であるサーバ装置1は、企業の社員に関する社員情報及び社員に対する評価情報を端末装置3から取得し、取得した社員情報及び評価情報を、社員が所属する企業の部門毎に分類し、部門毎に分類した社員情報及び評価情報を用いて、社員情報の入力に対して評価情報を出力する学習モデルを機械学習により部門毎に生成する。情報処理装置が、企業の社員に関する社員情報を取得し、社員情報の入力に対して社員に対する評価情報を出力するよう企業の部門毎に機械学習された複数の学習モデルへ、取得した社員情報を入力し、複数の学習モデルが出力する部門毎の複数の評価情報を取得し、社員に関する部門毎の評価情報を出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
企業の社員に関する社員情報、及び、前記社員に対する評価情報を取得し、
取得した前記社員情報及び前記評価情報を、社員が所属する前記企業の部門毎に分類し、
部門毎に分類した前記社員情報及び前記評価情報を用いて、社員情報の入力に対して評価情報を出力する学習モデルを機械学習により前記部門毎に生成する
学習モデルの生成方法。
【請求項2】
前記情報処理装置が、
第1時点における前記社員情報、及び、前記第1時点より後の第2時点における前記評価情報を取得し、
前記第1時点の社員情報の入力に対して前記第2時点の評価情報を出力する学習モデルを生成する、
請求項1に記載の学習モデルの生成方法。
【請求項3】
前記社員情報には複数の項目を含み、
前記情報処理装置は、
生成した前記学習モデルに基づいて、当該学習モデルが出力する評価情報に対する前記項目の影響度を算出し、
算出した前記項目の影響度を出力する、
請求項1又は請求項2に記載の学習モデルの生成方法。
【請求項4】
前記社員情報には、社員が経験した部門に関する情報又は社員が希望する部門に関する情報を含む、
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の学習モデルの生成方法。
【請求項5】
情報処理装置が、
企業の社員に関する社員情報を取得し、
社員情報の入力に対して社員に対する評価情報を出力するよう前記企業の部門毎に機械学習された複数の学習モデルへ、取得した前記社員情報を入力し、
前記複数の学習モデルが出力する部門毎の複数の評価情報を取得し、
前記社員に関する部門毎の評価情報を出力する、
情報処理方法。
【請求項6】
前記情報処理装置が、第1時点における前記社員情報を取得し、
前記学習モデルは、前記第1時点における前記社員情報の入力に対して、前記第1時点より後の第2時点における前記評価情報をそれぞれ出力し、
前記情報処理装置が、前記社員に関する部門毎の前記第2時点における前記評価情報を出力する、
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記情報処理装置が、
複数の社員に関する社員情報を取得し、
取得した複数の社員情報を前記複数の学習モデルへそれぞれ入力し、
前記複数の学習モデルが出力する複数の社員に関する評価情報を取得し、
取得した複数の社員の複数の部門に関する評価情報を基に、所定部門に関する複数の社員の評価情報を抽出し、
抽出した前記所定部門に関する複数の社員の評価情報を出力する
請求項5又は請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記情報処理装置が、
複数の社員に関する社員情報を取得し、
取得した複数の社員情報を前記複数の学習モデルへそれぞれ入力し、
前記複数の学習モデルが出力する複数の社員に関する評価情報を取得し、
取得した複数の社員の複数の部門に関する評価情報に基に、所定社員に関する複数の部門についての評価情報を抽出し、
抽出した前記所定社員に関する複数部門についての評価情報を出力する
請求項5から請求項7までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記社員情報には、社員が経験した部門に関する情報又は社員が希望する部門に関する情報を含む、
請求項5から請求項8までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
企業の社員に関する社員情報、及び、前記社員に対する評価情報を取得し、
取得した前記社員情報及び前記評価情報を、社員が所属する前記企業の部門毎に分類し、
部門毎に分類した前記社員情報及び前記評価情報を用いて、社員情報の入力に対して評価情報を出力する学習モデルを機械学習により前記部門毎に生成する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータに、
企業の社員に関する社員情報を取得し、
社員情報の入力に対して社員に対する評価情報を出力するよう前記企業の部門毎に機械学習された複数の学習モデルへ、取得した前記社員情報を入力し、
前記複数の学習モデルが出力する部門毎の複数の評価情報を取得し、
前記社員に関する部門毎の評価情報を出力する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項12】
企業の社員に関する社員情報、及び、前記社員に対する評価情報を取得する取得部と、
取得した前記社員情報及び前記評価情報を、社員が所属する前記企業の部門毎に分類する分類部と、
部門毎に分類した前記社員情報及び前記評価情報を用いて、社員情報の入力に対して評価情報を出力する学習モデルを機械学習により前記部門毎に生成する生成部と
を備える、情報処理装置。
【請求項13】
企業の社員に関する社員情報を取得する第1の取得部と、
社員情報の入力に対して社員に対する評価情報を出力するよう前記企業の部門毎に機械学習された複数の学習モデルへ、取得した前記社員情報を入力する入力部と、
前記複数の学習モデルが出力する部門毎の複数の評価情報を取得する第2の取得部と、
前記社員に関する部門毎の評価情報を出力する出力部と
を備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、社員の評価を予測するための学習モデルの生成方法、情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
企業にとって社員の配属先の決定又は人事異動等は重要であり、限られた人材を適切な部門へ配属することが望まれる。しかし、社員がどの部門に適しているかを判断することは難しい。
【0003】
特許文献1においては、採用を予定している企業の現在又は過去の社員夫々が職務適正試験を受験した結果を試験データとして取得し、既存社員それぞれの社内評価の結果を示す評価データを取得し、評価データそれぞれを複数の水準に分けたものをそれぞれの評価ラベルとして取得し、試験データそれぞれとこれらに対応するラベルそれぞれの組みを教師データとして教師あり学習を行うことにより、入社希望者の入社後評価を予測する学習モデルを構築する学習モデル構築装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の学習モデル構築装置が構築した学習モデルを用いることで、入社希望者の入社後評価を予測することが期待できる。しかしながら特許文献1に係る学習モデルを用いても、社員がどの部門に適しているかを判断することは難しい。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、企業等による人事異動等の業務を支援することが期待できる学習モデルの生成方法、情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る学習モデルの生成方法は、情報処理装置が、企業の社員に関する社員情報、及び、前記社員に対する評価情報を取得し、取得した前記社員情報及び前記評価情報を、社員が所属する前記企業の部門毎に分類し、部門毎に分類した前記社員情報及び前記評価情報を用いて、社員情報の入力に対して評価情報を出力する学習モデルを機械学習により前記部門毎に生成する。
【発明の効果】
【0008】
一実施形態による場合は、企業等による人事異動等の業務を支援することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態に係る情報処理システムの構成を説明するための模式図である。
【
図2】本実施の形態に係るサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施の形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】学習用データの一例を説明するための模式図である。
【
図5】本実施の形態に係る学習モデルの構成を説明するための模式図である。
【
図6】学習モデルの生成結果に関する情報の表示例を示す模式図である。
【
図7】学習モデルの生成結果に関する情報の表示例を示す模式図である。
【
図8】本実施の形態に係るサーバ装置が行う学習モデル生成処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】本実施の形態に係る端末装置が行う学習モデル生成処理の手順を示すフローチャートである。
【
図10】端末装置が表示する予測結果の一例を示す模式図である。
【
図11】端末装置が表示する異動候補部門の一例を示す模式図である。
【
図12】端末装置が表示する異動候補社員の一例を示す模式図である。
【
図13】本実施の形態に係るサーバ装置が行う予測処理の手順を示すフローチャートである。
【
図14】本実施の形態に係る端末装置が行う予測処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る情報処理システムの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0011】
<システム構成>
図1は、本実施の形態に係る情報処理システムの構成を説明するための模式図である。本実施の形態に係る情報処理システムは、例えば企業の人事担当者等のユーザに対して、この企業の社員に関する情報に基づいて将来における社員の評価をこの企業の部門毎に予測する学習モデル5を生成すると共に、生成した学習モデル5を用いて社員の部門毎の評価を予測するサービスを提供する。なお本実施の形態においては、企業において業務内容などに応じて複数の社員をまとめた組織を「部門」と呼ぶが、例えば「部署」、「チーム」、「課」又は「係」等であってもよい。本実施の形態に係る情報処理システムは、学習モデル5の生成及び学習モデル5を用いた評価等のサービスを提供するサーバ装置1と、このサービスを利用するユーザが使用する一又は複数の端末装置3とを備えて構成されている。
【0012】
サーバ装置1は、本サービスの提供会社等が管理運営する装置であり、インターネット等のネットワークを介して一又は複数の端末装置3との通信を行い、端末装置3に対して上記のサービスを提供するための種々の情報処理を行う。端末装置3は、例えば企業の人事担当者等が使用するパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であり、スマートフォン又はタブレット型端末装置等の可搬型の情報処理装置であってよい。
【0013】
ユーザは、企業に所属する社員に関する様々な情報、例えば社員の入社前の学歴等の情報、並びに、社員の入社後における成績及び評価等の情報等を収集し、収集したこれらの社員の情報に基づいて学習用データを端末装置3にて作成する。学習用データには、例えば社員が入社後に経験した部門に関する情報、社員の勤怠情報及び労務情報、社員の希望部門、又は、社員の上司等によるコメント等の情報(社員情報)が含まれ得る。また学習用データには、例えば社員の所属部門における1年毎の評価の情報(評価情報)が含まれ得る。ユーザは、端末装置3にて作成した学習用データをサーバ装置1へ送信し、サーバ装置1に学習モデル5の生成を依頼することができる。
【0014】
端末装置3から学習モデルの生成依頼を受けたサーバ装置1は、端末装置3から送信される学習用データを取得し、取得した学習用データから学習モデル5を生成する機械学習の処理を行うための教師データを生成する。例えばサーバ装置1は、学習用データに含まれる複数の社員に関する情報を所属する部門毎に分類し、部門毎に分類した各社員に関する種々の情報を適宜に数値化し、ある時点(第1時点)におけるこれらの情報と、この時点から所定期間後の時点(第2時点)における社員の評価の情報とを対応付けた部門毎の教師データを生成する。サーバ装置1は、生成した部門毎の教師データを用いて機械学習の処理を行うことによって、第1時点における社員の情報を入力として受け付けて、第2時点における社員の評価を予測する学習モデル5を部門毎に生成する。
【0015】
なお本実施の形態において教師データに含まれる社員の評価に関する情報は、社員が所属する部門の上司等がこの社員を1~5の数値で5段階評価したものとするが、これに限るものではない。社員の評価は、例えば高評価及び低評価の2段階評価であってもよく、例えば高評価、中評価及び低評価の3段階評価であってもよく、また例えば4段階評価又は6段階以上の評価であってよい。また本実施の形態においては、生成した複数の学習モデル5をサーバ装置1が保持するものとするが、これに限るものではなく、生成した複数の学習モデル5をサーバ装置1が端末装置3へ送信してもよい。
【0016】
また本実施の形態においてサーバ装置1は、生成した学習モデル5に基づき、学習済みの学習モデル5が出力する評価について、この学習モデル5へ入力される情報に含まれる種々の項目の影響度を、学習モデル毎(即ち、部門毎)に算出する。例えば学習モデル5へ入力する情報に、社員がこれまでに所属した部門に関する情報、社員の勤怠情報及び社員が希望する部門に関する情報等の複数の項目が含まれる場合に、部門毎の学習モデル5が出力する社員の評価にこれらの項目がどの程度の影響を与えるかをサーバ装置1は算出する。サーバ装置1は、学習モデル5の生成を依頼した端末装置3に対して、複数の部門についての学習モデル5の生成が完了した旨の通知と、生成した各学習モデル5について出力の評価に対する入力の各項目の影響度の算出結果の情報とを含む生成結果を送信する。サーバ装置1から生成結果を受信した端末装置3は、複数の学習モデル5の生成が完了した旨をユーザに通知すると共に、各学習モデル5について入力の各項目の影響度に関する情報を表示してユーザに提示する。
【0017】
サーバ装置1による学習モデル5の生成が完了した後、ユーザは、例えば人事異動の対象となっている社員についての情報を収集し、収集した情報に基づいて評価予測用データを作成する。評価予測用データは、学習用データから評価情報を除いた形式のデータである。ユーザは、端末装置3にて作成した評価予測用データをサーバ装置1へ送信し、サーバ装置1に複数の学習モデル5を用いた部門毎の社員の評価予測を依頼することができる。
【0018】
端末装置3から評価予測の依頼を受けたサーバ装置1は、端末装置3から送信される評価予測用データを取得し、取得した評価予測用データから学習モデル5へ入力するための入力データを生成する。例えばサーバ装置1は、学習用データから教師データを生成する際に行ったものと同様の処理で、評価対象の社員に関する情報を数値化することで入力データを生成する。サーバ装置1は、生成した入力データを学習済の複数の学習モデル5に対して入力し、各学習モデル5が出力する出力データをそれぞれ取得する。各学習モデル5の出力データには、各部門における社員の評価の予測値、本実施の形態においては1~5の範囲の数値(整数値又は小数値)が含まれている。サーバ装置1は、対象社員に関する部門毎の評価の予測結果を、評価予測の依頼を行った端末装置3に対して送信する。
【0019】
サーバ装置1から予測結果を受信した端末装置3は、予測結果を表示部に表示してユーザに提示する。このときに端末装置3は、例えば評価対象の一又は複数の社員と、部門毎の社員の評価の予測結果とを一覧表示する。また端末装置3は、例えば複数の部門の中から1つの部門の選択をユーザから受け付けて、選択された部門に関する評価の順に複数の社員を並べ替えて表示してもよく、例えば選択された部門に関する評価が高い(例えば評価4以上の)社員を抽出して表示してもよい。また端末装置3は、例えば複数の社員の中から1人の社員の選択をユーザから受け付けて、選択された社員について評価の順に複数の部門を並べて表示してもよい。端末装置3は学習モデル5の予測結果をどのような態様で表示してユーザに提供してもよく、表示のための情報の抽出などの処理は端末装置3又はサーバ装置1のいずれが行ってもよい。このような予測結果の表示を端末装置3が行うことによって、人事担当者等のユーザは、人事異動の対象となった社員について、いずれの部門への移動が適しているかを容易に把握することができる。
【0020】
<装置構成>
図2は、本実施の形態に係るサーバ装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るサーバ装置1は、処理部11、記憶部(ストレージ)12及び通信部(トランシーバ)13等を備えて構成されている。なお本実施の形態においては、1つのサーバ装置にて処理が行われるものとして説明を行うが、複数のサーバ装置が分散して処理を行ってもよい。
【0021】
処理部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)又は量子プロセッサ等の演算処理装置、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を用いて構成されている。処理部11は、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを読み出して実行することにより、端末装置3から取得したデータに基づいて複数の学習モデル5を生成する処理、及び、生成した学習モデル5を用いて社員の部門毎の評価を予測する処理等の種々の処理を行う。
【0022】
記憶部12は、例えばハードディスク等の大容量の記憶装置を用いて構成されている。記憶部12は、処理部11が実行する各種のプログラム、及び、処理部11の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部12は、処理部11が実行するサーバプログラム12aを記憶する。また記憶部12は、機械学習の処理により生成した複数の学習モデル5に関する情報を記憶する学習モデル記憶部12bが設けられている。
【0023】
本実施の形態においてサーバプログラム(コンピュータプログラム、プログラム製品)12aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体99に記録された態様で提供され、サーバ装置1は記録媒体99からサーバプログラム12aを読み出して記憶部12に記憶する。ただし、サーバプログラム12aは、例えばサーバ装置1の製造段階において記憶部12に書き込まれてもよい。また例えばサーバプログラム12aは、遠隔の他のサーバ装置等が配信するものをサーバ装置1が通信にて取得してもよい。例えばサーバプログラム12aは、記録媒体99に記録されたものを書込装置が読み出してサーバ装置1の記憶部12に書き込んでもよい。サーバプログラム12aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体99に記録された態様で提供されてもよい。
【0024】
記憶部12の学習モデル記憶部12bは、サーバ装置1が生成した学習モデル5に関する情報を記憶する。学習モデル5に関する情報には、例えば学習モデル5がどのような構成であるかを示す構成情報、及び、機械学習の処理により決定された学習モデル5の内部パラメータの値等の情報が含まれ得る。本実施の形態においてサーバ装置1は企業の部門毎に学習モデル5を生成し、複数の部門に関する複数の学習モデル5の情報が学習モデル記憶部12bに記憶される。
【0025】
通信部13は、携帯電話通信網、無線LAN(Local Area Network)及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部13は、ネットワークNを介して、一又は複数の端末装置3との間で通信を行う。通信部13は、処理部11から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部11へ与える。
【0026】
なお記憶部12は、サーバ装置1に接続された外部記憶装置であってよい。またサーバ装置1は、複数のコンピュータを含んで構成されるマルチコンピュータであってよく、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。またサーバ装置1は、上記の構成に限定されず、例えば可搬型の記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部、操作入力を受け付ける入力部、又は、画像を表示する表示部等を含んでもよい。
【0027】
また本実施の形態に係るサーバ装置1には、記憶部12に記憶されたサーバプログラム12aを処理部11が読み出して実行することにより、学習用データ取得部11a、教師データ生成部11b、学習モデル生成部11c、評価予測用データ取得部11d及び予測処理部11e等が、ソフトウェア的な機能部として処理部11に実現される。なお本図においては、処理部11の機能部として、学習モデル5を生成する処理及び社員の評価を予測する処理に関連する機能部を図示し、これ以外の処理に関する機能部は図示を省略している。
【0028】
学習用データ取得部11aは、ユーザが使用する端末装置3から、ユーザが作成した学習用データを取得する処理を行う。学習用データ取得部11aは、通信部13にて端末装置3との通信を行い、学習モデル5の生成依頼と共に端末装置3から送信される学習用データを受信して、記憶部12に一時的に記憶する。
【0029】
教師データ生成部11bは、端末装置3から取得した学習用データに対して、例えば学習用データに含まれる数値情報の正規化、文字情報の数値化、画像情報の数値化、文章情報のベクトル化、欠損情報の補完等の種々の前処理を施すことによって、機械学習に用いる教師データを生成する。本実施の形態において学習用データには、1年毎の社員に関する種々の情報(社員情報)と、この社員に関する1年毎の評価に関する情報(評価情報)とが含まれる。社員情報には、例えば各社員の年齢及び学歴等の属性情報、社員が入社後に経験した部門又は業務等に関する情報、1年毎の業務実績及び勤怠情報等の情報、並びに、現在に所属する部門に関する情報等の情報が含まれ得る。社員の評価情報は、所属部門でなされた社員の5段階の評価に関する情報であり、本実施の形態においては1~5の範囲の数値情報である。なお本例では、1年毎の社員情報及び評価情報が学習用データとして用いられているが、これに限るものではなく、これらの情報は例えば半年毎、四半期毎又は1ヶ月毎等の種々の期間毎の情報が学習用データとして用いられてよい。
【0030】
教師データ生成部11bは、まず学習用データに含まれる複数の社員の情報を、社員の所属部門毎に分類することで、部門毎の学習用データを生成する。次いで教師データ生成部11bは、部門毎の学習用データから、ある時点(第1時点)における社員情報を入力とし、所定期間(例えば1年、2年等)後の時点(第2時点)における評価情報をラベル(出力)として対応付けた物を教師データとして生成する。教師データ生成部11bは、部門毎に教師データを生成し、生成した複数の教師データを記憶部12に記憶する。
【0031】
学習モデル生成部11cは、教師データ生成部11bが生成した部門毎の複数の教師データを用いて、いわゆる教師あり学習の機械学習の処理を行うことにより、部門毎の複数の学習モデル5を生成する処理を行う。本実施の形態に係る学習モデル5は、第1時点における社員に関する情報(社員情報)を入力として受け付けて、この社員の第2時点における評価を示す情報(評価情報)を出力する学習モデルである。学習モデル生成部11cは、教師データ生成部11bが生成した教師データのデータ構造等を調べ、教師データに含まれる情報の数及び種類等に応じて学習モデル5の入出力情報数を決定し、決定した入出力情報数に応じた構成の未学習の学習モデルを生成する。次いで学習モデル生成部11cは、教師データ生成部11bが生成した教師データを記憶部12から読み出して機械学習の処理を行うことにより、未学習の学習モデルの内部のパラメータを決定し、決定したパラメータを記憶部12に学習モデル5として記憶する。学習モデルの教師あり学習の処理は、既存の技術であるため詳細な説明は省略するが、学習モデル生成部11cは、例えば勾配降下法、確率的勾配降下法又は誤差逆伝播法等の手法により学習モデルの学習を行うことができる。また本実施の形態において学習モデル生成部11cは、部門毎の教師データを用いて部門毎の学習モデル5をそれぞれ生成する。
【0032】
本実施の形態においてサーバ装置1が生成する学習モデル5は、決定木の構成が採用される。決定木の構成の学習モデルには、例えばXGBoost(eXtreme Gradient Boosting)、LightGBM(Light Gradient Boosting Machine)又はランダムフォレスト等を含み得る。決定木の構成の学習モデル5は、学習モデル5の出力に対する入力情報の影響度(重要度、寄与度)を算出することが可能である。ただし、学習モデル5の構成は決定木に限るものではなく、例えばSVM(Support Vector Machine)又はニューラルネットワーク等の構成であってもよく、この場合には例えばLIME(Local Interpretable Model-agnostic Explanations)又はSHAP(SHapley Additive exPlanations)等のXAI(eXplainable Artificial Intelligence)技術を用いて入力情報の影響度の算出を行うことができる。また例えば学習モデル5は、Transformer等の構成であってもよく、この場合には例えばアテンション機構を用いて入力情報の影響度の算出を行ってよい。また学習モデル5は、例えば時系列的に変化する情報を入力データとして扱うRNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short Term Memory)又はTransformer等の学習モデルであってよく、この場合にはXAI技術又はアテンション機構等を用いて入力情報の影響度の算出を行ってよい。
【0033】
学習モデル生成部11cは、機械学習により生成した学習モデル5の構造及び内部パラメータ等に基づいて、学習モデル5に対する入力情報の影響度を算出する。学習モデル生成部11cは、例えば決定木の構造の学習モデル5について、決定木の分岐条件に用いられている入力情報がいずれであるか、及び、入力情報の分岐条件に用いられる頻度等を調べることにより、入力情報の影響度を算出することができる。本実施の形態において学習モデル生成部11cは、生成した複数の学習モデル5のそれぞれについて、入力情報の影響度を個別に算出する。学習モデル生成部11cは、部門毎の複数の学習モデル5の生成が完了した後、学習モデル5の生成を依頼した端末装置3へ生成が完了したことを通知すると共に、算出した各学習モデル5の入力情報の影響度に関する情報を送信する。サーバ装置1からこれらの情報を受信した端末装置3は、生成された複数の学習モデル5について重要な入力情報がいずれであるかをそれぞれユーザに提示することができ、これらの情報に基づいてユーザは例えば部門毎にどのような項目が評価に対して影響を与える可能性が高いかを分析することができる。
【0034】
又は、学習モデル生成部11cは、学習モデル5の生成に用いた学習用データに含まれる各社員のデータついて、入力情報(第1時点の社員情報)を学習モデル5へ入力した場合にこの学習モデル5が出力する出力情報(第2時点の評価情報)を取得すると共に、この出力情報に対する入力情報の各項目のSHAP値(シャープレイ値)を算出してもよい。学習モデル生成部11cは、学習用データに含まれる全社員のデータについて入力情報の各項目のSHAP値を算出し、項目毎にSHAP値の平均値又は合計値等を算出したものを入力情報の影響度としてもよい。なおSHAP値は、学習モデルに対する各入力情報が出力情報に対してどの程度の影響を与えたかを示す数値である。SHAP値の算出は既存の技術であるため、算出方法の詳細な説明は省略する。
【0035】
評価予測用データ取得部11dは、ユーザが使用する端末装置3から、ユーザが作成した評価予測用データを取得する処理を行う。評価予測用データ取得部11dは、通信部13にて端末装置3との通信を行い、対象者の評価依頼と共に端末装置3から送信される評価予測用データを受信して、記憶部12に一時的に記憶する。評価予測用データ取得部11dが端末装置3から取得する評価予測用データは、端末装置3から取得する学習用データと略同じ構成のデータであるが、社員に対する評価情報は含まれていない。評価予測用データに含まれる情報は、人事異動の対象となっている社員等についての情報であり、対象社員の現時点での情報である。
【0036】
予測処理部11eは、評価予測用データ取得部11dが取得した評価予測用データと、学習モデル生成部11cが生成した学習済の複数の学習モデル5とを用いて、評価予測用データに含まれる対象社員について、所定期間後の各部門における評価を予測する処理を行う。予測処理部11eは、評価予測用データ取得部11dが取得したデータに対して、教師データ生成部11bが学習用データに対して行った前処理と同じ処理を行って、学習モデル5への入力データを生成する。予測処理部11eは、生成した入力データを学習済の複数の学習モデル5へそれぞれ入力し、複数の学習モデル5が出力する出力データをそれぞれ取得する。出力データは、入力データに係る対象社員の所定期間後の各部門における評価の予測結果であり、例えば各部門について1~5の範囲の数値を評価の予測値としたものである。予測処理部11eは、対象社員の評価の予測値を含む予測結果の情報を端末装置3へ送信する。
【0037】
図3は、本実施の形態に係る端末装置3の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る端末装置3は、処理部31、記憶部(ストレージ)32、通信部(トランシーバ)33、表示部(ディスプレイ)34及び操作部35等を備えて構成されている。例えば企業の人事担当者等のユーザが使用する装置であり、例えばスマートフォン、タブレット型端末装置又はパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成され得る。
【0038】
処理部31は、CPU又はMPU等の演算処理装置、ROM及び等を用いて構成されている。処理部31は、記憶部32に記憶されたプログラム32aを読み出して実行することにより、社員の評価を予測する学習モデル5を生成するための学習用データを作成する処理、学習モデル5を用いて評価を予測する対象社員に関する評価用データを作成する処理、及び、学習モデル5による評価の予測結果を表示する処理等の種々の処理を行う。
【0039】
記憶部32は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ素子又はハードディスク等の記憶装置等を用いて構成されている。記憶部32は、処理部31が実行する各種のプログラム、及び、処理部31の処理に必要な各種のデータを記憶する。本実施の形態において記憶部32は、処理部31が実行するプログラム32aを記憶している。本実施の形態においてプログラム32aは遠隔のサーバ装置等により配信され、これを端末装置3が通信にて取得し、記憶部32に記憶する。ただしプログラム32aは、例えば端末装置3の製造段階において記憶部32に書き込まれてもよい。例えばプログラム32aは、メモリカード又は光ディスク等の記録媒体98に記録されたプログラム32aを端末装置3が読み出して記憶部32に記憶してもよい。例えばプログラム32aは、記録媒体98に記録されたものを書込装置が読み出して端末装置3の記憶部32に書き込んでもよい。プログラム32aは、ネットワークを介した配信の態様で提供されてもよく、記録媒体98に記録された態様で提供されてもよい。
【0040】
通信部33は、携帯電話通信網、無線LAN及びインターネット等を含むネットワークNを介して、種々の装置との間で通信を行う。本実施の形態において通信部33は、ネットワークNを介して、サーバ装置1との間で通信を行う。通信部33は、処理部31から与えられたデータを他の装置へ送信すると共に、他の装置から受信したデータを処理部31へ与える。
【0041】
表示部34は、液晶ディスプレイ等を用いて構成されており、処理部31の処理に基づいて種々の画像及び文字等を表示する。操作部35は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作を処理部31へ通知する。例えば操作部35は、機械式のボタン又は表示部34の表面に設けられたタッチパネル等の入力デバイスによりユーザの操作を受け付ける。また例えば操作部35は、マウス及びキーボード等の入力デバイスであってよく、これらの入力デバイスは端末装置3に対して取り外すことが可能な構成であってもよい。
【0042】
また本実施の形態に係る端末装置3は、記憶部32に記憶されたプログラム32aを処理部31が読み出して実行することにより、学習用データ送信部31a、評価予測用データ送信部31b及び表示処理部31c等がソフトウェア的な機能部として処理部31に実現される。なおプログラム32aは、本実施の形態に係る情報処理システムに専用のプログラムであってもよく、インターネットブラウザ又はウェブブラウザ等の汎用のプログラムであってもよい。
【0043】
学習用データ送信部31aは、ユーザが作成した学習用データを、学習モデル5の生成依頼と共にサーバ装置1へ送信する処理を行う。本実施の形態に係る情報処理システムにおいて学習用データは、複数の社員について、複数項目の情報を集めたテーブル状のデータであり、例えばCSV(Comma Separated Value)又はTSV(Tab Separated Values)等のファイル形式のデータである。企業の人事担当者等のユーザは、現在又は過去において企業に所属した社員に関する情報を収集し、社員に関する情報とこの社員の評価に関する情報とを対応付けた学習用データを生成する。ユーザは、例えば端末装置3にて表計算等のアプリケーションプログラムを利用してこれらの情報を入力することで、学習用データを作成することができる。学習用データ送信部31aは、ユーザが作成した学習用データを取得して、サーバ装置1へ送信する。
【0044】
評価予測用データ送信部31bは、ユーザが作成した評価予測用データを、社員の評価予測の依頼と共にサーバ装置1へ送信する処理を行う。本実施の形態に係る情報処理システムにおいて評価予測用データは、上記の学習用データと略同じ構成であるが、例えば人事異動の対象となっている社員等に関する情報を集めたものであり、各部門について所定期間後の評価を予測したいとユーザが考える社員に関する情報を集めたものである。ただし評価予測用データには、人事異動の対象となっている社員に限らず、例えば企業の全ての社員、企業に入社する予定の人又は企業に採用を検討している人等の情報が含まれていてもよい。学習用データには社員の評価情報が含まれるが、評価予測用データには社員の評価情報が含まれない。評価情報以外の情報については、学習用データと評価予測用データとで含まれる項目が一致することが好ましい。評価予測用データ送信部31bは、ユーザが作成した評価予測用データを取得して、サーバ装置1へ送信する。
【0045】
表示処理部31cは、サーバ装置1から送信される学習モデル5の生成結果又は学習モデル5を用いた評価結果等の情報を受信し、受信したこれらの情報を表示部34に表示する処理を行う。例えば表示処理部31cは、サーバ装置1による学習モデル5の生成完了を通知するメッセージを表示すると共に、生成された学習モデル5に関する入力情報(社員情報に含まれる複数の項目)の影響度等の情報を表示する。また例えば表示処理部31cは、サーバ装置1による学習モデル5を用いた対象社員の所定期間後における各部門の評価の予測結果を表示する。
【0046】
<学習モデル生成処理>
図4は、学習用データの一例を説明するための模式図である。本実施の形態に係る情報処理システムが扱う学習用データは、上述のようにテーブル形式のデータであり、例えば企業の社員に対して一意的に付される「社員ID」に対して、「年度」の情報と、「基本情報」、「経験部門」、「勤怠情報」、「労務情報」、「上司コメント」、「所属部門」及び「希望部門」等を含む種々の情報(社員情報)と、所属部門においてなされたこの社員に対する「評価」(評価情報)とが対応付けられたデータである。学習用データには、各社員について1年毎に社員情報及び評価情報がまとめられる。
図4においては、「社員ID」が「A1234」の社員について、「2015」年度~「2017」年度の各「年度」について社員情報及び評価情報が示されている。
【0047】
「基本情報」は、例えば「年齢」及び「最終学歴」等の社員に関する基本的な種々の情報、いわゆる属性情報である。「基本情報」には、「最終学歴」のように年度に応じて変化しない情報と、「年齢」のように年度に応じて変化する情報とが含まれ得る。本例において「社員ID」が「A1234」の社員は、「基本情報」の「年齢」が「25」、「26」、「27」と増加し、「最終学歴」が「大学」である。「基本情報」は、「年齢」及び「最終学歴」以外の様々な情報、例えば「居住地」、「家族構成」、「通勤時間」又は「保有資格」等の情報が含まれてよい。
【0048】
「経験部門」は、例えば「組立部門」及び「溶接部門」等のように、企業に含まれる複数の部門について、社員の経験年数が設定される。本例において「社員ID」が「A1234」の社員は、「2015」年度において「組立部門」を「2」年経験し、「溶接部門」を経験したことがない。またこの社員は、「2016」年度において「組立部門」を「3」年経験し、「溶接部門」を経験したことがなく、「2017」年度において「組立部門」を「3」年経験し、「溶接部門」を「1」年経験している。「経験部門」の各数値は、基本的には1年毎にいずれかの部門の経験年数に1が加算されるが、例えば社員が長期の休業を取った場合には経験年数が加算されない場合があり得る。また社員が複数の部門を兼任した場合には、例えば複数の部門の経験年数に1が加算されてもよく、また例えば合計値が1となるように複数の部門に小数の値を割り振ってもよい。
【0049】
「勤怠情報」は、社員の勤怠に関する情報であり、例えば有給休暇の消化日数、遅刻回数、累積残業時間又は累積休日出勤日数等の情報が含まれ得る。「労務情報」は、社員の業務に関する様々な情報であり、例えば給与に関する情報、役職に関する情報又は業務の実績に関する情報等の情報が含まれ得る。「上司コメント」は、所属部門の上司による社員の評価に関するコメントの文章であり、任意の長さの文章情報である。
【0050】
「所属部門」は、その年度に社員が所属していた部門がいずれであるかを示す情報である。本例において「社員ID」が「A1234」の社員は、「2015」年度及び「2016」年度に「組立」部門に所属し、「2017」年度に「溶接」部門に所属している。「希望部門」は、社員が所属することを希望している部門がいずれであるかを示す情報である。例えば企業において人事部等が1年に1度の頻度で各社員に対して異動先の部署の希望の聞き取り調査を行い、その調査結果が「希望部門」として設定される。「所属部門」及び「希望部門」が同じ部門である場合、社員が異動を希望していないことを示す。
【0051】
「評価」は、所属部門の上司等がその年度の社員の働きを評価したものであり、本実施の形態においては5段階で評価がなされ、1~5の数値が設定される。本例において「社員ID」が「A1234」の社員は、「2015」年度及び「2016」年度に「評価」として「4」を獲得し、「2017」年度に「評価」として「3」を獲得している。なお社員の評価は上司以外の人が行ってもよく、社員の評価方法はどのようなものであってよい。また例えば社員の売上又は成績等の数値に基づいてサーバ装置1が評価を判断してもよい。
【0052】
企業の人事担当者等のユーザは、この企業に所属している社員(過去に所属していた社員を含み得る)に関する種々の情報を収集して、
図4に示す構成のテーブル形式の学習用データを予め作成する。学習用データの作成は、端末装置3とは異なる装置にて行われてもよい。学習用データを作成した後、ユーザは端末装置3にて学習用データをサーバ装置1へ送信すると共に、学習モデル5の生成依頼をサーバ装置1へ与えることで、サーバ装置1に学習モデル5の生成処理を開始させることができる。
【0053】
なお、
図4に示した各種の情報は、学習用データに含まれ得る情報の一例であって、これに限るものではない。ユーザは、社員に関する任意の情報を、学習用データに含めることが可能である。また本実施の形態に係る学習用データに含まれる情報は、数値又は文字で表される情報であるが、これに限るものではない。学習用データには、静止画像、動画像又は音声等のような数値及び文字以外の種々の情報が含まれていてよい。
【0054】
端末装置3から学習用データを取得したサーバ装置1は、取得した学習用データに含まれる複数の情報について、機械学習に適した形式に変換する処理を行う。例えばサーバ装置1は、学習用データに「所属部門」として「組立」又は「溶接」の文字列が設定されている場合に、これを適宜の数値に置換する。また例えばサーバ装置1は、学習用データに「上司コメント」として任意の文章の情報が設定されている場合に、これを所定サイズの特徴量ベクトルに変換する。文章から特徴量ベクトルへの変換には、例えば予め機械学習がなされたエンコーダ等の学習モデルが用いられ得る。また例えばサーバ装置1は、任意の範囲の数値情報について、0から1までの範囲の数値情報に変換する処理を行ってもよい。これらの情報の形式を変換する処理は、機械学習におけるいわゆる前処理と呼ばれる処理であり、サーバ装置1は、端末装置3から取得した学習用データに対してどのような前処理を行ってもよい。
【0055】
サーバ装置1は、上記の前処理を行った学習用データに基づいて、部門毎の複数の学習モデル5を生成するための、部門毎の複数の教師データを生成する。本実施の形態においてサーバ装置1は、ある年度(N年度)の「評価」と、これより1年前の年度(N-1年度)の「社員情報」とを学習用データから抽出する。サーバ装置1は、抽出したN-1年度(第1時点)の「社員情報」を学習モデル5への入力情報(説明変数)とし、N年度(第2時点)の「評価」の情報を学習モデル5の出力情報(目的変数、正解ラベル)として対応付けたものを教師データとする。
図4において例えば太線で囲んで示すように、「社員ID」が「A1234」の社員について、「2015」年度の社員情報と、「2016」年度の「評価」とが対応付けて教師データとされる。
【0056】
またサーバ装置1は、学習用データから生成した複数の教師データを、部門毎の教師データに分類する。本実施の形態においてサーバ装置1は、N-1年度の「社員情報」とN年度の「評価」とを対応付けた教師データを、N年度における社員の「所属部門」に応じて分類する。
図4において太線で囲んで示した「2015」年度の「社員情報」と「2016」年度の「評価」とを対応付けた教師データは、「2016」年度の「所属部門」である「組立」(
図4においてハッチングを付して示している)部門用の教師データに分類される。また更に
図4においては、例えば「2016」年度の「社員情報」と「2017」年度の「評価」とを対応付けた教師データは、「2017」年度の「所属部門」である「溶接」部門用の教師データに分類される。
【0057】
サーバ装置1は、学習用データからある社員のN-1年度の「社員情報」とN年度の「評価」とを抽出し、N年度の「所属部門」に応じて分類する処理を繰り返し行うことで、部門毎に分類された教師データを生成する。サーバ装置1は、生成した部門毎に分類された複数の教師データを用いて機械学習の処理をそれぞれ行い、部門毎の複数の学習モデル5を生成する。
【0058】
図5は、本実施の形態に係る学習モデル5の構成を説明するための模式図である。なお本実施の形態に係る情報処理システムでは、サーバ装置1が部門毎の複数の学習モデル5を生成するが、これら複数の学習モデル5は機械学習に用いられる教師データが異なり、入力情報及び出力情報の数及び種類等は同じであるため、
図5には1つの学習モデル5の構成を示している。
【0059】
本実施の形態に係る学習モデル5は、例えば「基本情報」、「経験部門」、「勤怠情報」、「労務情報」、「上司コメント」、「所属部門」及び「希望部門」等のN-1年度の社員情報を入力として受け付けて、この社員のN年度(1年後)の「評価」に関する情報を出力するよう機械学習がなされたモデルである。学習モデル5へ入力される情報の数及び種類は、端末装置3から取得した学習用データに含まれる情報の数及び種類に基づいて決定される。学習モデル5の出力情報は、N年度の評価を示す1~5の範囲の数値情報であり、学習モデル5による社員の5段階評価の予測値である。学習モデル5の出力値は、例えば1,2,3,4,5の5種類の整数値であってもよく、また例えば1~5の範囲内の小数値であってもよい。
【0060】
部門毎の教師データを用いて機械学習を行うことにより部門毎の学習モデル5を生成したサーバ装置1は、生成した複数の学習モデル5について予測精度をそれぞれ算出すると共に、生成した複数の学習モデル5を用いた予測における入力情報の影響度をそれぞれ算出し、算出したこれらの情報を端末装置3へ送信して、学習モデル5の生成完了を通知する。端末装置3は、サーバ装置1から受信した予測精度等の情報を表示部34に表示してユーザに提供する。
図6及び
図7は、学習モデル5の生成結果に関する情報の表示例を示す模式図である。
【0061】
図6に示す学習モデル5の生成結果の表示例は、生成した学習モデル5の予測精度に関する情報の表示例である。サーバ装置1から受信した情報に基づいて端末装置3は、例えば画面の最上部に「予測精度」のタイトル文字列を表示し、その下方に複数の学習モデル5による全体での予測精度が「76.9%」であることを、円グラフを用いて表示する。なお本例では、複数の学習モデル5の予測精度の平均値を全体の予測精度としている。また端末装置3は、例えば全体の予測精度の円グラフの下方に、部門毎の学習モデル5の単体についての予測精度を、それぞれ円グラフを用いて表示する。図示の例では、「組立部門」、「溶接部門」及び「検査部門」の3つの部門についてそれぞれ生成された学習モデル5の予測精度が表示されている。「組立部門」の予測精度は81.5%であり、「溶接部門」の予測精度は74.3%であり、「検査部門」の予測精度は75.2%である。なお本実施の形態においては、学習モデル5の単体の予測精度として、正解率(Accuracy)の値が用いられる。ただし予測精度は正解率に限るものではなく、例えば適合率(Precision)、再現率(Recall)又はF値等の他の評価値が用いられてもよい。
【0062】
サーバ装置1は、例えば学習用データから生成した部門毎の教師データの一部を、学習モデル5を生成するための機械学習には用いずに、生成した学習モデル5の予測精度を算出するためのデータとして用いる。サーバ装置1は、学習モデル5を生成した後、予測精度算出用のデータに含まれる社員情報を学習モデル5へ入力し、学習モデル5が出力する評価の予測値を取得する。サーバ装置1は、学習モデル5が出力した評価の予測値と、予測精度算出用のデータに含まれる評価情報とを比較することによって、学習モデル5の予測精度を算出する。サーバ装置1は、例えば学習モデル5の出力値に基づいて決定係数(R^2)を算出し、この値を予測精度とすることができる。なおサーバ装置1は、例えば二乗平均平方根誤差(RMSE(Root Mean Squared Error))又は平均絶対誤差(MAE(Mean Absolute Error))等を算出し、これらの値を元に予測精度を算出してもよい。学習モデル5の予測精度の算出は、既存の技術であるため、算出方法の詳細な説明は省略する。
【0063】
図7に示す学習モデル5の生成結果の表示例は、生成した学習モデル5を用いて学習用データに含まれる社員の評価予測を行った場合の、予測結果の要因に関する情報の表示例であり、「組立部門」での評価を予測する学習モデル5についての情報の表示例である。本実施の形態に係る情報処理システムにおいてサーバ装置1が生成する学習モデル5は木構造の学習モデルである。木構造の学習モデル5は、複数の条件判定を木構造で連ねたものであり、入力情報に含まれるいずれかの項目に対して条件判定を順に行って木構造の分岐を辿ることで出力データを得ることができる。木構造の学習モデル5は、その静的な構造に基づいて、入力情報の各項目の影響度(重要度、寄与度)を算出することができる。この場合、学習モデル5に木構造で連なった複数の条件判定において使用される項目がいずれであるか、更に学習モデル5の全体で各項目が条件判定に使用された回数を調べることにより、各項目の影響度が算出できる。例えば学習モデル5内に条件判定を行う箇所が100個存在し、その中で項目Aが判定条件として20回使用されている場合、項目Aの影響度は20%となる。
【0064】
また木構造の学習モデル5は、入力データを与えて出力データを得た際に、入力データから出力データへ至るまでに辿った木構造の経路を調べ、この経路中で行われた条件判定に用いられた項目を調べることによって、学習モデル5の出力結果に対する入力情報の各項目の影響度を算出することができる。例えばある対象者の情報を学習モデル5へ入力し、学習モデル5の木構造を辿って20回の条件判定が行われ、その中で項目Aが判定条件として5回使用されている場合、項目Aの影響度は25%となる。更に、複数の対象者について情報を学習モデル5へ入力して条件判定において各項目が使用された回数を調べ、複数の対象者について得られた回数の合計値に基づいて各項目の影響度を算出してもよい。
【0065】
なお、上記のいずれの方法で影響度を算出する場合であっても、学習モデル5の木構造の何層目の条件判定で使用されたかに応じて、各項目の使用回数に重み付けして影響度を算出してもよい。
【0066】
またサーバ装置1は、入力情報に含まれる各項目の影響度をSHAP値に基づいて算出することができる。サーバ装置1は、学習用データに含まれる社員の評価予測を学習モデル5にて行い、各社員について予測結果に対する入力情報の各項目のSHAP値を算出する。サーバ装置1は、学習用データに含まれる全社員について評価予測及びSHAP値の算出を行い、入力情報の各項目について全社員のSHAP値の平均値又は合計値を算出し、算出した値を影響度とすることができる。なおSHAP値として正負の値が算出される場合、サーバ装置1は、SHAP値の絶対値に基づいて影響度の順位を決定してよい。
【0067】
また上記の影響度の算出方法は一例であってこれに限るものではなく、どのような方法で影響度の算出が行われてもよい。
【0068】
本実施の形態においては、生成した各学習モデル5に教師データに含まれる複数の社員情報を入力し、入力から出力までに条件判定で使用された項目を調べることにより、各項目の影響度を算出する。サーバ装置1は、学習モデル5に社員情報を入力して評価の予測を行った際に、予測結果に対する影響度(重要度、寄与度)が高い入力情報の項目がいずれであるかを判定し、この項目を評価予測の要因とする。サーバ装置1は、例えば教師データに含まれる社員のうち、評価が所定値(例えば4)を超えると予測した社員についてその要因を特定して集計し、要因の多いものについて例えば上位1番目から順番に要因に関する情報を端末装置3へ送信する。端末装置3は、例えば
図6に示した予測精度の情報を表示する画面において、いずれかの部門の選択をユーザから受け付けた場合に、サーバ装置1から受信した予測要因に関する情報に基づいて、選択された部門について評価予測の要因に関する情報を表示部34に表示する。
【0069】
図示の例では、端末装置3は、「組立部門」の学習モデル5について、評価予測の要因となった入力情報の「項目」とその「影響度」とを対応付けて表示している。「影響度」は、例えば評価が所定を超えると予測した全ての社員についての要因においてその「項目」が占める割合を算出したものとすることができる。本例において端末装置3は、「影響度」が高いものから順に第1位から第5位までの入力情報の「項目」を上から下に並べて表示している。本例において、影響度が高い項目の第1位は「経験部門(組立)」であり、第2位は「希望部門」であり、第3位は「上司コメント」であり、第4位は「経験部門(溶接)」であり、第5位は「最終学歴」である。なお
図7に示す項目、項目の順位及び影響度等は一例であって、これに限るものではない。このような情報表示を端末装置3が行うことによって、ユーザは各部門で評価が高い社員について影響度が高い項目を把握することができ、今後の人事異動等の参考とすることが期待できる。
【0070】
図8は、本実施の形態に係るサーバ装置1が行う学習モデル生成処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態においてサーバ装置1の処理部11の学習用データ取得部11aは、通信部13にて端末装置3との通信を行うことにより、端末装置3から学習用データを取得する(ステップS1)。処理部11の教師データ生成部11bは、端末装置3から取得した学習用データに対して型変換等の所定の前処理を施すことにより、機械学習を行うための教師データを生成する(ステップS2)。また教師データ生成部11bは、学習用データから生成した複数の教師データを、部門別の教師データに分類する(ステップS3)。
【0071】
処理部11の学習モデル生成部11cは、ステップS3にて分類した複数の部門の教師データの中から、一の部門の教師データを取得する(ステップS4)。学習モデル生成部11cは、ステップS4にて取得した教師データを用いて、いわゆる教師ありの機械学習の処理を行い(ステップS5)、学習モデル5を生成する。学習モデル生成部11cは、生成した学習モデル5の情報を記憶部12に記憶する(ステップS6)。学習モデル生成部11cは、生成した学習モデル5に対して教師データに含まれる入力データを入力し、学習モデル5が出力する出力データを取得し、取得した出力データの評価の予測値と教師データに含まれる評価とを比較することにより、予測精度を算出する(ステップS7)。学習モデル生成部11cは、ステップS7にて予測精度を算出するために学習モデル5を用いた際に、各社員について予測結果に対する入力情報の項目の影響度を算出する(ステップS8)。
【0072】
学習モデル生成部11cは、全ての部門について学習モデル5の生成を完了したか否かを判定する(ステップS9)。全ての部門について学習モデル5の生成を完了していない場合(S9:NO)、学習モデル生成部11cは、ステップS4へ処理を戻し、別の部門の教師データを用いて学習モデル5生成を行う。全ての部門について学習モデルの生成を完了した場合(S9:YES)、学習モデル生成部11cは、ステップS7にて算出した各学習モデル5の予測精度、及び、ステップS8にて算出した各学習モデル5の入力情報の項目の影響度等を含む学習モデル5の生成結果に関する情報を端末装置3へ送信し(ステップS10)、処理を終了する。
【0073】
図9は、本実施の形態に係る端末装置3が行う学習モデル生成処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る情報処理システムでは、企業の社員に関する種々の社員情報と、この社員に関する評価情報とを対応付けたデータをユーザが予め作成する。このデータの作成は端末装置3にて行われてもよく、他の装置にて行われてもよい。本実施の形態に係る端末装置3の処理部31の学習用データ送信部31aは、ユーザが予め作成して記憶部32等に記憶したこのデータを、サーバ装置1が学習モデル5を生成する機械学習を行うための学習用データとして取得する(ステップS21)。学習用データ送信部31aは、取得した学習用データをサーバ装置1へ送信し(ステップS22)、学習モデル5の生成を依頼する。
【0074】
処理部31の表示処理部31cは、サーバ装置1から学習モデル5の生成結果の情報を受信したか否かを判定する(ステップS23)。サーバ装置1から学習モデル5の生成結果を受信していない場合(S23:NO)、表示処理部31cは、生成結果を受信するまで待機する。サーバ装置1から学習モデル5の生成結果を受信した場合(S23:YES)、表示処理部31cは、サーバ装置1から受信した情報に基づいて、
図6に示した学習モデル5の予測精度に関する情報の表示を行う(ステップS24)。
【0075】
次いで表示処理部31cは、予測精度に関する情報の表示画面においてユーザによる部門の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS25)。部門の選択を受け付けていない場合、表示処理部31cは、ステップS24へ処理を戻し、予測精度に関する情報の表示を継続して行う。部門の選択を受け付けた場合(S25:YES)、表示処理部31cは、サーバ装置1から受信した情報に基づいて、
図7に示した学習モデル5への入力情報に含まれる項目の影響度に関する情報を表示して(ステップS26)、処理を終了する。
【0076】
<予測処理>
部門毎の複数の学習モデル5の生成が完了した後、ユーザは、例えば企業で人事異動の対象となっている社員等について、複数の学習モデル5を用いた1年後の各部門での評価の予測を行うことができる。ユーザは、学習モデル5を生成した際の学習用データと同様のテーブル形式で、一又は複数の対象社員に関する情報を集めた評価予測用データを生成し、評価予測用データを端末装置3にてサーバ装置1へ送信して部門毎の評価の予測を依頼することができる。図示は省略するが、評価予測用データの構成は、
図4に示した学習用データの構成から「評価」の項目を取り除いた構成に相当し、1人の対象社員につき1年度(最新年度)分の社員情報を集めたデータである。評価予測用データには、1年後の各部門における評価を予測する少なくとも1人の対象社員についての情報が含まれる。
【0077】
端末装置3から評価予測用データを受信したサーバ装置1は、学習モデル5の生成処理において学習用データから教師データを生成する際に行った前処理と同じ処理を評価予測用データに対して行い、学習モデル5への入力データを生成する。サーバ装置1は、生成した入力データを複数の学習モデル5へそれぞれ入力し、複数の学習モデル5が出力する出力データをそれぞれ取得する。本実施の形態において各学習モデル5が出力する出力データは、対象社員の1年後の各部門における5段階評価の予測値である。サーバ装置1は、評価予測用データに含まれる全ての対象者について評価の予測を行い、予測結果の情報を端末装置3へ送信する。
【0078】
図10は、端末装置3が表示する予測結果の一例を示す模式図である。サーバ装置1から対象社員に関する各部門の評価予測の情報を受信した端末装置3は、例えば複数の対象社員についての予測結果を
図10に示すように一覧表示する。このときに端末装置3は、各対象社員について、「社員ID」及び「所属部門」と、1年後の複数の部門(本例では「組立部門」、「溶接部門」及び「検査部門」)における評価の予測値とを対応付けて一覧表示する。なお本例において端末装置3は、「社員ID」の昇順で情報を一覧表示している。
【0079】
本例では、「社員ID」が「A1234」の社員について、現在の「所属部門」が「溶接部門」であり、一年後の評価の予測結果が「組立部門」で「4.2」であり、「溶接部門」で「4.0」であり、「検査部門」で「3.1」であることが示されている。また「社員ID」が「A1255」の社員について、現在の「所属部門」が「組立部門」であり、一年後の評価の予測結果が「組立部門」で「3.5」であり、「溶接部門」で「2.9」であり、「検査部門」で「3.8」であることが示されている。また「社員ID」が「A1313」の社員について、現在の「所属部門」が「検査部門」であり、一年後の評価の予測結果が「組立部門」で「2.2」であり、「溶接部門」で「3.2」であり、「検査部門」で「4.8」であることが示されている。
【0080】
なお
図10に示す例では、端末装置3は評価予測が行われた全ての対象社員の情報を単に一覧表示している。ユーザは、端末装置3に対して条件入力等の操作を行うことによって、一覧表示された全ての対象社員の中から特定の条件を満たす対象者のみを抽出して表示させることができる。またユーザは、端末装置3に対して所定の操作を行うことによって、例えば「組立部門」の評価が大きい順、「溶接部門」の評価が小さい順又は「所属部門」の五十音順等で、複数の対象社員の情報を並べ替えて表示させることができる。これにより端末装置3は、例えば「組立部門」の評価が3.5を超えると予測された対象社員を抽出し、その評価値が大きい順に複数の対象社員の情報を並べて表示することができ、ユーザはこれらの条件を人事異動の1つの条件として「組立部門」へ移動させる候補社員の絞り込み等を行うことができる。
【0081】
また端末装置3は、
図10に示した予測結果の一覧表示画面において、操作部35に対するユーザの操作に基づいて、いずれか1人の社員の選択を受け付け、受け付けた社員に関する異動候補部門の情報を表示部34に表示する。
図11は、端末装置3が表示する異動候補部門の一例を示す模式図である。図示の例は、
図10において「社員ID」が「A1234」の社員が選択された場合に端末装置3が表示する画面であり、画面の最上部に「社員ID:A1234の異動候補部門」のタイトル文字列が表示されている。また端末装置3は、タイトル文字列の下方に、この社員の現在の所属部門を示す情報として「所属部門:溶接部門」の文字列を表示する。
【0082】
この文字列の下方に、端末装置3は、選択された社員の異動先の候補となる部門を順位付けて一覧表示する。端末装置3は、選択された社員についてサーバ装置1が予測した各部門の評価値を比較し、評価値が高い部門から順に1位、2位、3位…の順位付けを行う。この順位付けの結果に基づいて端末装置3は、企業の複数の部門について、「順位」、「部門」及び「予測評価」の情報を対応付けて表示する。本例においては、選択された社員の異動先の候補となる部門は、「1位」が「組立部門」で予測評価は「4.2」であり、「2位」が「溶接部門」で予測評価は「4.0」であり、「3位」が「検査部門」で予測評価は「3.1」であることが示されている。
【0083】
また端末装置3は、
図10に示した予測結果の一覧表示画面において、操作部35に対するユーザの操作に基づいて、いずれか1つの部門の選択を受け付け、受け付けた部門に関する異動候補社員の情報を表示部34に表示する。
図12は、端末装置3が表示する異動候補社員の一例を示す模式図である。図示の例は、
図10において「組立部門」が選択された場合に端末装置3が表示する画面であり、画面の最上部に「組立部門の異動候補社員」のタイトル文字列が表示されている。
【0084】
このタイトル文字列の下方に、端末装置3は、選択された部門に異動させる社員の候補を順位付けて一覧表示する。端末装置3は、サーバ装置1が予測した複数の社員の評価に基づき、選択された部門の評価値を比較して、評価値が高い社員から順に1位、2位、3位…の順位付けを行う。この順位付けの結果に基づいて端末装置3は、選択された部門に異動する候補となる社員について、「順位」、「社員ID」及び「予測評価」の情報を対応付けて表示する。本例においては、選択された組立部門に異動する候補となる社員は、「1位」が社員ID「A1234」の社員で予測評価は「4.2」であり、「2位」が社員ID「A1255」の社員で予測評価は「3.5」であり、「3位」が社員ID「A1313」の社員で予測評価は「2.2」であることが示されている。
【0085】
図13は、本実施の形態に係るサーバ装置1が行う予測処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係るサーバ装置1の処理部11の評価予測用データ取得部11dは、通信部13にて端末装置3との通信を行うことにより、端末装置3から評価予測用データを取得する(ステップS41)。処理部11の予測処理部11eは、端末装置3から取得した評価予測用データに対して教師データを生成した際と同じ内容の前処理を施すことにより、学習モデル5に対する入力データを生成する(ステップS42)。予測処理部11eは、生成した入力データを部門毎の複数の学習モデル5へそれぞれ入力する(ステップS43)。予測処理部11eは、複数の学習モデル5がそれぞれ出力する複数の出力データを取得することにより(ステップS44)、対象社員の部門毎の評価を予測する。予測処理部11eは、対象社員の部門毎の評価の予測結果に関する情報を端末装置3へ送信し(ステップS45)、処理を終了する。
【0086】
図14は、本実施の形態に係る端末装置3が行う予測処理の手順を示すフローチャートである。本実施の形態に係る情報処理システムでは、例えば企業において人事異動の対象となっている社員等に関する種々の情報を集めた評価予測用データをユーザが予め作成する。このデータの作成は端末装置3にて行われてもよく、他の装置にて行われてもよい。本実施の形態に係る端末装置3の処理部31の評価予測用データ送信部31bは、ユーザが予め作成して記憶部32等に記憶したこの評価予測用データを取得する(ステップS61)。評価予測用データ送信部31bは、取得した評価予測用データをサーバ装置1へ送信し(ステップS62)、学習モデル5による対象者の評価予測を依頼する。
【0087】
処理部31の表示処理部31cは、サーバ装置1から学習モデル5による対象者の予測結果を受信したか否かを判定する(ステップS63)。サーバ装置1から予測結果を受信していない場合(S63:NO)、表示処理部31cは、予測結果を受信するまで待機する。サーバ装置1から予測結果を受信した場合(S63:YES)、表示処理部31cは、サーバ装置1から受信した情報に基づいて、
図10に示した対象社員の予測結果の一覧表示を行う(ステップS64)。
【0088】
次いで表示処理部31cは、操作部35に対するユーザの操作に基づいて、一覧表示された複数の社員の中からいずれか1人の社員の選択がなされたか否かを判定する(ステップS65)。社員の選択がなされていない場合(S65:NO)、表示処理部31cは、操作部35に対するユーザの操作に基づいて、表示された複数の部門の中からいずれか1つの部門の選択がなされたか否かを判定する(ステップS67)。部門の選択がなされていない場合(S67:NO)、表示処理部31cは、ステップS64へ処理を戻し、社員又は部門の選択がなされるまで、予測結果の一覧表示を継続して行う。
【0089】
社員の選択がなされた場合(S65:YES)、表示処理部31cは、選択された社員について予測された各部門の評価値に基づいて、
図11に示した社員の異動候補部門の画面を表示部34に表示し(ステップS66)、ステップS69へ処理を進める。部門の選択がなされた場合(S67:YES)、表示処理部31cは、選択された部門について予測された各社員の評価値に基づいて、
図12に示した部門の異動候補社員の画面を表示部34に表示し(ステップS68)、ステップS69へ処理を進める。表示処理部31cは、操作部35に対するユーザの操作に基づいて、例えば表示終了の操作が行われたか否かに基づいて、情報の表示を終了するか否かを判定する(ステップS69)。表示を終了しないと判定した場合(S69:NO)、表示処理部31cは、ステップS64へ処理を戻し、情報の表示を継続して行う。表示を終了すると判定した場合(S69:YES)、表示処理部31cは、処理を終了する。
【0090】
<まとめ>
以上の構成の本実施の形態に係る情報処理システムでは、企業の社員に関する種々の社員情報及びこの社員に関する評価情報を対応付けた学習用データをサーバ装置1が端末装置3から取得する。サーバ装置1は、端末装置3から取得した学習用データを社員が所属する部門毎に分類し、部門毎に分類したデータを用いて、社員情報の入力に対して評価情報を出力する学習モデル5を機械学習により部門毎に生成する。これにより、本実施の形態に係る情報処理システムは、社員情報に基づいて企業の各部門における社員の評価を予測することが可能となり、企業の人事担当者等のユーザによる人事異動等の業務を支援することが期待できる。
【0091】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、学習用データに基づいて、N-1年度(第1時点)における社員情報とN年度(第2時点)における評価情報とを対応付けた教師データをサーバ装置1が取得し、N-1年度の社員情報の入力に対してN年度の評価情報を出力する学習モデル5を生成する。これにより本実施の形態に係る情報処理システムは、ある年度の社員情報に基づいて学習モデル5がこの社員の翌年の評価を予測することが可能となり、人事異動等の業務を支援することが期待できる。
【0092】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、学習モデル5へ入力される社員情報に複数の項目を含み、サーバ装置1は、生成した学習モデル5に基づいて、この学習モデル5が出力する評価情報に対する各項目の影響度を算出し、算出した影響度に関する情報を端末装置3へ送信して表示させる。これにより本実施の形態に係る情報処理システムでは、社員情報のどのような項目が部門毎の評価に影響するかをユーザが分析することができ、人事異動等の業務を支援することが期待できる。
【0093】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、学習用データの社員情報には、社員が経験した部門に関する情報又は社員が希望する部門に関する情報を含む。これらの情報に基づいて社員の評価を予測する学習モデル5を部門毎に生成することにより、部門毎の評価を精度よく予測することが期待できる。
【0094】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、一又は複数の社員に関する社員情報を含む評価予測用データをサーバ装置1が端末装置3から取得し、取得した評価予測用データに基づく入力データを学習済みの複数の学習モデル5へ入力し、各学習モデル5が出力する評価情報を取得する。サーバ装置1は取得した評価情報に関する情報を端末装置3へ送信(出力)し、端末装置3にこれらの情報を表示(出力)させる。これにより、本実施の形態に係る情報処理システムは、人事異動の対象社員等の社員に関する社員情報に基づいて、学習済みの複数の学習モデル5を用いて部門毎の評価を予測することができる。よって本実施の形態に係る情報処理システムは、人事異動等の業務を支援することが期待できる。
【0095】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、例えば現時点(第1時点)における社員情報を含む評価予測用データをサーバ装置1が端末装置3から取得し、社員情報を学習モデル5へ入力して1年後(第2時点)における社員の評価を予測する。これにより本実施の形態に係る情報処理システムは、現状の社員を各部門に配置した場合の将来の評価の予測結果をユーザに提供することができ、人事異動等の業務を支援することが期待できる。
【0096】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、サーバ装置1が端末装置3から複数の社員に関する社員情報を含む評価予測用データを取得し、複数の学習モデル5を用いて複数の社員について各部門の評価を予測し、予測した複数の社員の複数の部門に関する評価情報を端末装置3へ送信する。端末装置3は、サーバ装置1から取得した評価情報に基づいて、ユーザが選択した所定部門に関する社員の評価情報を抽出し、抽出した評価情報に基づいて例えば複数の社員を予測評価が高い順に表示する。これによりユーザは、企業の部門毎にいずれの社員が適しているかを容易に把握することが期待できる。
【0097】
また本実施の形態に係る情報処理システムでは、サーバ装置1が端末装置3から複数の社員に関する社員情報を含む評価予測用データを取得し、複数の学習モデル5を用いて複数の社員について各部門の評価を予測し、予測した複数の社員の複数の部門に関する評価情報を端末装置3へ送信する。端末装置3は、サーバ装置1から取得した評価情報に基づいて、ユーザが選択した所定社員に関する各部門の評価情報を抽出し、抽出した評価情報に基づいて例えば複数の部門を予測評価が高い順に表示する。これによりユーザは、社員毎にいずれの部門が適しているかを容易に把握することができる。
【0098】
なお本実施の形態に係る情報処理システムでは、ユーザが使用する端末装置3とは別の装置、即ちサーバ装置1が学習モデル5の生成及び学習モデル5を用いた予測等の処理を行っているが、これに限るものではなく、端末装置3が学習モデル5の生成及び学習モデル5を用いた予測等の処理を行ってもよい。またサーバ装置1は生成した学習モデル5を端末装置3へ送信し、学習モデル5を用いた予測等の処理を端末装置3が行ってもよい。
【0099】
また本実施の形態において
図6、
図7、
図10、
図11及び
図12等に示した端末装置3による画面表示は、一例であってこれに限るものではない。学習モデル5による予測結果等の情報は、どのような態様で表示されてもよい。また本実施の形態において
図4に示した学習用データに含まれる情報は、一例であってこれに限るものではない。
【0100】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0101】
1 サーバ装置(情報処理装置、コンピュータ)
3 端末装置(情報処理装置、コンピュータ)
5 学習モデル
11 処理部
11a 学習用データ取得部(取得部、分類部)
11b 教師データ生成部
11c 学習モデル生成部(生成部)
11d 評価予測用データ取得部(第1の取得部)
11e 予測処理部(入力部、第2の取得部、算出部、出力部)
12 記憶部
12a サーバプログラム
12b 学習モデル記憶部
13 通信部
31 処理部
31a 学習用データ送信部
31b 評価予測用データ送信部
31c 表示処理部
32 記憶部
32a プログラム
33 通信部
34 表示部
35 操作部
N ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2022-12-19
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、社員の評価を予測するための情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置に関する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、企業等による人事異動等の業務を支援することが期待できる情報処理方法、コンピュータプログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、企業の複数の社員に関する社員情報を取得し、社員情報の入力に対して社員に対する評価情報を出力するよう前記企業の部門毎に機械学習された複数の学習モデルへ、取得した複数の前記社員情報をそれぞれ入力し、前記複数の学習モデルが出力する複数の社員に関する部門毎の複数の評価情報を取得し、取得した複数の社員の複数の部門に関する評価情報を基に、所定部門に関する複数の社員の評価情報を抽出し、抽出した評価情報を基に、前記複数の社員の中から前記所定部門への異動の候補となる社員を順位付けて出力する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
企業の複数の社員に関する社員情報を取得し、
社員情報の入力に対して社員に対する評価情報を出力するよう前記企業の部門毎に機械学習された複数の学習モデルへ、取得した複数の前記社員情報をそれぞれ入力し、
前記複数の学習モデルが出力する複数の社員に関する部門毎の複数の評価情報を取得し、
取得した複数の社員の複数の部門に関する評価情報を基に、所定部門に関する複数の社員の評価情報を抽出し、
抽出した評価情報を基に、前記複数の社員の中から前記所定部門への異動の候補となる社員を順位付けて出力する、
情報処理方法。
【請求項2】
前記情報処理装置が、第1時点における前記社員情報を取得し、
前記学習モデルは、前記第1時点における前記社員情報の入力に対して、前記第1時点より後の第2時点における前記評価情報をそれぞれ出力し、
前記情報処理装置が、前記社員に関する部門毎の前記第2時点における前記評価情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記情報処理装置が、
複数の社員に関する社員情報を取得し、
取得した複数の社員情報を前記複数の学習モデルへそれぞれ入力し、
前記複数の学習モデルが出力する複数の社員に関する評価情報を取得し、
取得した複数の社員の複数の部門に関する評価情報に基に、所定社員に関する複数の部門についての評価情報を抽出し、
抽出した前記所定社員に関する複数部門についての評価情報を出力する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記社員情報には、社員が経験した部門に関する情報又は社員が希望する部門に関する情報を含む、
請求項1から請求項3までのいずれか1つに記載の情報処理方法。
【請求項5】
コンピュータに、
企業の複数の社員に関する社員情報を取得し、
社員情報の入力に対して社員に対する評価情報を出力するよう前記企業の部門毎に機械学習された複数の学習モデルへ、取得した複数の前記社員情報をそれぞれ入力し、
前記複数の学習モデルが出力する複数の社員に関する部門毎の複数の評価情報を取得し、
取得した複数の社員の複数の部門に関する評価情報を基に、所定部門に関する複数の社員の評価情報を抽出し、
抽出した評価情報を基に、前記複数の社員の中から前記所定部門への異動の候補となる社員を順位付けて出力する
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項6】
企業の複数の社員に関する社員情報を取得する第1の取得部と、
社員情報の入力に対して社員に対する評価情報を出力するよう前記企業の部門毎に機械学習された複数の学習モデルへ、取得した複数の前記社員情報をそれぞれ入力する入力部と、
前記複数の学習モデルが出力する複数の社員に関する部門毎の複数の評価情報を取得する第2の取得部と、
取得した複数の社員の複数の部門に関する評価情報を基に、所定部門に関する複数の社員の評価情報を抽出する抽出部と、
抽出した評価情報を基に、前記複数の社員の中から前記所定部門への異動の候補となる社員を順位付けて出力する出力部と
を備える、情報処理装置。