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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131608
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A63F5/04 611A
A63F5/04 620
A63F5/04 661
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036464
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】小島 尚之
(72)【発明者】
【氏名】小野 洋一
(72)【発明者】
【氏名】菅野 聡
(72)【発明者】
【氏名】能冨 晃輔
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 拓也
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CD11
2C182CD12
2C182CE18
2C518CA03
2C518CA10
2C518DA11
2C518EA12
2C518EC09
2C518EC22
(57)【要約】
【課題】処理負荷を軽減可能な遊技機を提供する。
【解決手段】本発明の遊技機では、指示機能制御手段51は、第1演出状態における内部抽選において第1当選態様が得られ、所定の操作態様で停止操作が実行された場合に、指示演出に関する所定の特典を付与し、第1表示手段19は、第1演出状態における前記内部抽選において第1当選態様が得られた場合に、所定の操作態様に関連する第1の表示を表示し、第2表示手段13は、第1演出状態における内部抽選において第1当選態様が得られた場合に、所定の操作態様に関連する第2の表示を表示し、第1表示手段19が第1の表示を表示しているとともに第2表示手段13が第2の表示を表示している状態において電断が発生し、当該電断から復帰すると、第1表示手段19が第1の表示を表示しているとともに第2表示手段13が前記第2の表示を表示していない状態となる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
停止操作に基づいて前記内部抽選の結果に応じた態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
第1演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出に関する制御を行う指示機能制御手段と、
第1表示手段と、
第2表示手段と、を備え、
前記内部抽選において得られる当選態様には、第1当選態様が含まれ、
前記指示機能制御手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られ、所定の操作態様で前記停止操作が実行された場合に、前記指示演出に関する所定の特典を付与し、
前記第1表示手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られた場合に、前記所定の操作態様に関連する第1の表示を表示し、
前記第2表示手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られた場合に、前記所定の操作態様に関連する第2の表示を表示し、
前記第1表示手段が前記第1の表示を表示しているとともに前記第2表示手段が前記第2の表示を表示している状態において電断が発生し、当該電断から復帰すると、前記第1表示手段が前記第1の表示を表示しているとともに前記第2表示手段が前記第2の表示を表示していない状態となる
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から遊技機として、外周面に複数の図柄が配列されたリールを複数備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技開始に伴ってリールが回転を開始するとともに、抽選テーブルを用いた内部抽選が行われる。また、リールが停止したときに内部抽選に当選した当選役に対応する図柄組合せが複数のリールによって表示され、この当選役が入賞となると、入賞した当選役に対応する処理として、例えば、メダル(遊技価値)を払い出すメダル払出処理や、メダルを新たに消費することなく再度の遊技を可能とする再遊技処理等が行われる。
【0003】
また、スロットマシンにおいては、停止操作の態様に関する所定の報知を行う場合がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-122669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機においては処理負荷を軽減することが求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、処理負荷を軽減可能な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
停止操作に基づいて前記内部抽選の結果に応じた態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
第1演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出に関する制御を行う指示機能制御手段と、
第1表示手段と、
第2表示手段と、を備え、
前記内部抽選において得られる当選態様には、第1当選態様が含まれ、
前記指示機能制御手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られ、所定の操作態様で前記停止操作が実行された場合に、前記指示演出に関する所定の特典を付与し、
前記第1表示手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られた場合に、前記所定の操作態様に関連する第1の表示を表示し、
前記第2表示手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られた場合に、前記所定の操作態様に関連する第2の表示を表示し、
前記第1表示手段が前記第1の表示を表示しているとともに前記第2表示手段が前記第2の表示を表示している状態において電断が発生し、当該電断から復帰すると、前記第1表示手段が前記第1の表示を表示しているとともに前記第2表示手段が前記第2の表示を表示していない状態となる
ことを特徴とする。
【0008】
本発明においては、第1表示手段が第1の表示を表示しているとともに第2表示手段が第2の表示を表示している状態において電断が発生し、当該電断から復帰した場合には、第2表示手段が第2の表示を表示していない状態となるので、電断から復帰する際に第2の表示を再開するための処理を行う必要が無く、処理負荷を軽減することができる。また、当該電断から復帰した場合には、第1表示手段が第1の表示を表示している状態となるので、遊技者は当該第1の表示に基づいて停止操作を行うことができる。すなわち、本発明によれば、処理負荷を軽減することができるとともに、遊技者が指示演出に関する特典の獲得機会を失うことがないように適切な報知を行うことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、処理負荷を軽減可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
図2】同、遊技機の概略的な構成を示すブロック図である。
図3】同、内部抽選テーブルを説明するための図である。
図4】同、打順小役の打順と入賞役との関係を説明するための図である。
図5】同、遊技状態の状態遷移図である。
図6】同、遊技区間および演出状態の状態遷移図である。
図7】同、正解操作態様関連表示の表示中において電断が発生した場合の液晶ディスプレイの表示について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、遊技機の概略構成について説明する。なお、本実施の形態では、本発明を遊技機の1つであるスロットマシンに適用した場合を例にとって説明するが、本発明は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機やメダルレス遊技機等の他の遊技機に適用されてもよい。また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダル(遊技価値)の払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0013】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイ13やスピーカ14の他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けてもよい。
【0014】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機は、第1リール20aの中段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの中段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定数)が、3枚に設定されており、規定数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0015】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに内部抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、内部抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0016】
表示窓16の下方には、遊技情報表示部17および有利区間表示器18が設けられている。遊技情報表示部17は、LED、ランプ、7セグメント表示器等からなり、メダルのクレジット数、1回の遊技におけるメダルの払出数あるいは獲得数、エラー情報等の各種遊技情報が表示される。また、有利区間表示器18はLEDを有しており、このLEDの点灯および消灯により、有利区間に滞在しているか否かが報知されるようになっている。
【0017】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサ29(図2参照)が設けられている。
【0018】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0019】
図2に示すように、スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)31と、サブ制御基板(副制御装置)32とが設けられている。メイン制御基板31は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ29等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板32は、メイン制御基板31から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置の制御を行う。
【0020】
また、メイン制御基板31とサブ制御基板32とは電気的に接続されており、メイン制御基板31からサブ制御基板32へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板32からメイン制御基板31へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板31やサブ制御基板32等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0021】
メイン制御基板31は、投入受付手段40と、乱数発生手段41と、内部抽選を行って役の当否を決定する内部抽選手段42と、リールの回転を制御するリール制御手段43と、全てのリールが停止したときに当選役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段44と、払出制御手段45と、リプレイ制御手段46と、設定変更手段47と、初期化手段48と、遊技状態制御手段49と、指示機能制御手段51と、演出メイン制御手段52と、記憶手段60と、を備えている。また、記憶手段60は、ROMとRAMとを備えている。
また、サブ制御基板32は、演出サブ制御手段70と、サブ側記憶手段72と、を備えている。また、サブ側記憶手段72は、ROMとRAMとを備えている。
【0022】
また、演出メイン制御手段52と演出サブ制御手段70とによって、演出制御手段100が構成されている。演出メイン制御手段52は、遊技状態や演出状態等に基づき演出サブ制御手段70へ指示を出す。また、演出サブ制御手段70は、演出メイン制御手段52から送信される遊技状態、演出状態に関する情報、あるいは指示演出を行うか否かの情報に基づき、サブ側記憶手段72に記憶された演出用データを用いて、演出用の装置の制御を行う。なお、本実施形態において説明する演出メイン制御手段52で行う制御は、演出サブ制御手段70で行ってもよく、演出サブ制御手段70で行う制御は、演出メイン制御手段52で行ってもよい。また、本実施形態において説明する演出制御手段100で行う制御は、指示機能制御手段51で行ってもよく、指示機能制御手段51で行う制御は演出制御手段100で行ってもよい。
【0023】
投入受付手段40は、遊技ごとにメダルの投入を受け付けて、規定数のメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバー24に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。具体的には、メダル投入口22にメダルが投入されると、メダルセンサ29がメダルを検知することに伴って、投入受付手段40が、規定数を限度として、投入されたメダルを投入状態(ベット状態)に設定する。また、投入受付手段40は、メダルがクレジットされた状態でベットボタン23が押下されると、規定数を限度として、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。なお、本実施形態の遊技機では、規定数のメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバー24に対する最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、当該操作を契機としてリール20a~20cの回転が開始されるとともに、内部抽選等の抽選が行われる。
【0024】
また、投入受付手段40は、リプレイが入賞した遊技の次回の遊技では遊技者の所有するメダルを新たに投入状態に設定しないように制御する。具体的には、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、メダルの投入を受け付けている状態でメダル投入口22にメダルが投入されても投入されたメダルを投入状態に設定することなく、クレジット上限数(例えば、50枚)を限度として、投入されたメダルをクレジットする。また、メダルの投入を受け付けている状態においてベットボタン23に対する操作を受け付けないようにして、ベットボタン23が押下されてもクレジットされたメダルを投入状態に設定しないようにする。
【0025】
乱数発生手段41は、抽選用の乱数値を発生させるものである。乱数値は、例えばインクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお、本実施形態において、「乱数」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0026】
内部抽選手段42は、有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に基づいて内部抽選テーブルを用いた内部抽選を行う。
内部抽選テーブルは、複数の乱数(例えば、0~65535の65536個の乱数)のそれぞれに対して、小役、リプレイおよびボーナスを含む各種の当選役やハズレ(不当選)が対応付けられたものであり、記憶手段60のROMに設けられた内部抽選テーブル記憶領域61に複数格納されている。本実施形態の遊技機では、後述するように、遊技状態として、一般中状態、ボーナス内部中状態およびボーナス作動中状態が設定可能とされ、設定値として、設定1~設定6までの6つの設定値が設定可能とされており、内部抽選手段42は、遊技状態および設定値に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。
なお、小役とは、入賞することにより、入賞した小役に応じた所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、リプレイとは、入賞することにより、メダルを新たに消費することなく、再度遊技を行うことができる役である。リプレイが入賞すると、遊技者のメダルを使うことなくスタートレバー24の操作が有効化され、スタートレバー24の操作により遊技を開始することが可能な状態となる。
【0027】
内部抽選では、乱数発生手段41から抽選用の乱数値を取得し、この乱数値を内部抽選テーブルに照合して当選役に当選したか否かを判定し、当該乱数値に対応付けられた当選役が当選となる。具体的には、内部抽選テーブルには、図3に示すような複数の当選エリアが設けられており、乱数発生手段41から取得される乱数値のそれぞれがいずれかの当選エリアに対応付けられている。また、当選エリアには、1または複数の当選役が含まれる(当選役が対応付けられた)当選エリアと、いずれの当選役も含まれない(ハズレが対応付けられた)当選エリアとがある。また、各当選エリア同士は、含まれる当選役の組み合わせが異なっている。そして、乱数発生手段41から取得された乱数値に対応付けられた当選エリアに属する全ての当選役が、内部抽選の結果として当選となるようになっている。以下では、内部抽選において、当選エリアに属する役が当選することを「当選エリアが当選」ともいうこととする。また、いずれの役にも当選しない場合を「当選エリア「不当選」が当選」ともいうこととする。
【0028】
図3に示すように、本実施形態の遊技機では、小役として、小役1~小役30が用意されている。また、小役が含まれる当選エリアとして「小役ALL」、「1枚ALL」、「弱チェリー1」、「弱チェリー2」、「中チェリー」、「強チェリー」、「共通1枚1」、「打順プラムA1」、「打順プラムA2」、「打順プラムA3」、「打順プラムA4」、「打順プラムB1」、「打順プラムB2」、「打順プラムB3」、「打順プラムB4」、「共通プラム1」、「共通プラム2」および「共通1枚2」が用意されている。また、小役1~小役5は入賞すると8枚のメダルが払い出される8枚役となっており、小役6~小役15は入賞すると3枚のメダルが払い出される3枚役となっており、小役16~小役30は入賞すると1枚のメダルが払い出される1枚役となっている。
なお、以下では、当選エリア「打順プラムA1」、「打順プラムA2」、「打順プラムA3」、「打順プラムA4」、「打順プラムB1」、「打順プラムB2」、「打順プラムB3」および「打順プラムB4」をまとめて当選エリア「打順小役」と呼ぶこととする。
【0029】
当選エリア「小役ALL」は、全ての小役(小役1~小役30)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「1枚ALL」は、全ての1枚役(小役16~小役30)が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「弱チェリー1」は、複数の3枚役と1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「弱チェリー2」、「中チェリー」および「強チェリー」は、複数の3枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「共通1枚1」および「共通1枚2」は、複数の1枚役が重複して当選する当選エリアとなっている。また、当選エリア「打順小役」は、8枚役のうちいずれか1つと、1枚役とが重複して当選する当選エリアとなっている。
【0030】
また、本実施形態の遊技機では、リプレイとして、リプレイ1~リプレイ22が用意されている。また、リプレイが含まれる当選エリアとして「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」、「特殊リプレイ3」、「特殊リプレイ4」、「特殊リプレイ5」、「特殊リプレイ6」、「特殊リプレイ7」、「弱ベル」、「強ベル」および「チャンス目」が用意されている。
【0031】
当選エリア「リプレイ1」、「リプレイ2」、「リプレイ3」、「特殊リプレイ1」、「特殊リプレイ2」、「特殊リプレイ3」、「特殊リプレイ4」、「特殊リプレイ5」、「特殊リプレイ6」、「特殊リプレイ7」、「弱ベル」および「強ベル」は、複数のリプレイが重複して当選する当選エリアとなっている。当選エリア「チャンス目」は、リプレイ10が単独で当選する当選エリアとなっている。
【0032】
また、本実施形態の遊技機では、ボーナスとして、ビッグボーナス(RBB)が用意されている。また、ビッグボーナス(RBB)が単独で当選する当選エリアとして、当選エリア「RBB」が用意されている。また、当選エリア「共通1枚2」は、ビッグボーナス(RBB)が重複して当選するように設定されている。また、当選エリア「共通1枚2」は、遊技状態が一般中状態の場合には、ビッグボーナス(RBB)が重複して当選する一方、遊技状態がボーナス内部中状態の場合には、ビッグボーナス(RBB)が重複して当選しないようになっている。
なお、本実施形態の遊技機では、ボーナスとしていわゆる第一種特別役物に係る役物連続作動装置を想定しているが、これ以外のボーナス、例えば第一種特別役物(レギュラーボーナス(RB))等を用いてもよい。換言すると、本実施形態におけるビッグボーナス(RBB)をレギュラーボーナス(RB)等と読み替えてもよい。また、他のボーナスも併せて搭載することとしてもよい。また、搭載するボーナスは、それぞれ単独で当選するように設定されていてもよく、リプレイや小役と重複して当選するように設定されていてもよい。例えば、ビッグボーナス(RBB)やレギュラーボーナス(RB)が単独で当選する当選エリアが設けられていてもよい。
【0033】
また、ハズレが対応付けられた当選エリアとして「不当選」が用意されている。
【0034】
各当選エリアは、遊技状態に応じて当選する場合としない場合とが設定されている。換言すると、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行うようになっており、これにより当選し得る役が変化するようになっている。さらに換言すると、各遊技状態においては、各遊技状態において当選し得る当選エリアが抽選対象に含まれる内部抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。図3では、各遊技状態において各当選エリアが当選し得るか否かを「〇」印によって示している。すなわち、当選エリア「不当選」、「小役ALL」および「1枚ALL」は、遊技状態がボーナス作動中状態の場合に当選し、一般中状態およびボーナス内部中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「RBB」は、遊技状態が一般中状態の場合に当選し、ボーナス内部中状態およびボーナス作動中状態では当選しないようになっている。また、当選エリア「不当選」、「小役ALL」、「1枚ALL」および「RBB」以外の当選エリアは、遊技状態が一般中状態またはボーナス内部中状態の場合に当選し、ボーナス作動中状態では当選しないようになっている。
【0035】
各当選エリアには、それぞれに異なる当選エリア番号が付されている。そして、当選エリア番号によって各当選エリアが識別可能となっている。
【0036】
また、本実施形態の遊技機では、一般中状態とボーナス内部中状態とで小役の当選確率が同一となっている。また、一般中状態とボーナス内部中状態とで、リプレイの当選確率が同一となっている。また、ボーナス作動中状態ではリプレイに当選しないようになっている。換言すると、一般中状態およびボーナス内部中状態では、ボーナス作動中状態よりもリプレイの当選確率が高くなっている。
【0037】
内部抽選手段42は、内部抽選の結果当選した役に対応する当選フラグを非当選状態(オフ状態)から当選状態(オン状態)に設定する。また、複数の当選役が重複して当選した場合には、重複して当選したそれぞれの役に対応する当選フラグを非当選状態から当選状態に設定する。また、当選フラグの設定情報は、記憶手段60のRAMに設けられた当選フラグ記憶領域62に格納される。
【0038】
また、当選フラグには、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な当選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態が持ち越されず、非当選状態にリセットされる当選フラグ(持越不可フラグ)とがある。持越可能フラグが対応づけられる役としては、ボーナス(ビッグボーナス(RBB))がある。また、持越不可フラグが対応づけられる役としては、小役およびリプレイがある。例えば、内部抽選手段42は、内部抽選でボーナスに当選すると、ボーナスの当選フラグの当選状態を、ボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき内部抽選手段42は、ボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち、ボーナスの当選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているボーナスの当選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの当選フラグとの、2種類以上の役に対応する当選フラグを当選状態に設定する。
【0039】
また、スロットマシン10は、設定1~設定6までの6つの設定値について、設定値の違いによって、役の当選確率が異なるようになっている。具体的には、設定が変わると、遊技状態に応じて選択される複数の内部抽選テーブルからなる内部抽選テーブル群が、各設定に対応付けられた内部抽選テーブル群に変更されるようになっており、設定によって小役、リプレイ、ボーナスの当選確率が異なる内部抽選テーブル群に変わるようになっている。
【0040】
設定変更手段47は、記憶手段60のRAMに設けられた設定値記憶領域63に記憶されている設定値を変更する制御を行う。具体的には、スロットマシン10の内部に設けられた設定変更キーシリンダに設定変更キーが挿入され、設定変更キー(設定変更キーシリンダ)が初期位置から時計回りに90度回された状態でスロットマシン10の電源が投入されると、設定変更手段47は、スロットマシン10を設定変更モードで起動する。設定値は、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から選択できるようになっており、設定1から設定6に向かって順番に出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。設定変更手段47は、設定変更モードにおいてスロットマシン10の内部に設けられた設定変更ボタンが押下される毎に、設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバー24が押下されると、設定値を確定させて、確定された設定値を設定値記憶領域63に記憶させる。また、設定変更キーシリンダに挿入された設定変更キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。
なお、本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
【0041】
また、設定変更キーシリンダが初期位置にある状態で電源が投入されると、スロットマシン10を遊技モードで起動する。本実施形態の遊技機では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
【0042】
初期化手段48は、設定値が変更されると記憶手段60のRAMに記憶されている情報の少なくとも一部を初期化する初期化処理を行う。具体的には、設定値が変更されると初期化手段48は、後述する遊技状態、遊技区間および演出状態を初期状態に戻す処理を行う。すなわち、設定値が変更されると、遊技状態が一般中状態となり、遊技区間が非有利区間となり、演出状態が非有利区間演出状態となり、これらの状態が工場出荷後最初に電源を入れたときと同様の状態となる。また、初期化手段48は、初期化処理において、他にも記憶手段60のRAMに記憶された演出に関する情報等を初期化する。また、サブ制御基板32も初期化手段(図示せず)を備えており、設定値が変更されたことを知らせる信号がメイン制御基板31から送信されると、サブ制御基板32の初期化手段はサブ側記憶手段72のRAMに記憶された演出に関する情報を初期化する。
なお、設定値が変更されても、遊技状態や遊技区間や演出状態が初期状態に戻らないようにしてもよい。
【0043】
リール制御手段43は、メイン制御基板31による制御のもと有効化されたスタートレバー24が操作されたこと(すなわち、遊技開始)に伴って各リール20a~20cの回転を開始させるとともに、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタンに対応するリールの停止制御を行う。
【0044】
すなわち、リール制御手段43は、ストップボタン26a~26cの各ボタンが操作される毎に、第1リール20a~第3リール20cのうち、操作されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行う。スロットマシン10では、ストップボタン26aが操作されると、第1リール20aの回転が停止され、ストップボタン26bが操作されると、第2リール20bの回転が停止され、ストップボタン26cが操作されると、第3リール20cの回転が停止される。したがって、ストップボタン26a~26cの操作順序(打順)によって、第1リール20a~第3リール20cの停止順序が変化する。
【0045】
なお、以下では、停止操作の順序(ストップボタン26a~26cの操作順序)について、ストップボタン26a~26cのうちの全てのストップボタンを操作する1まとまりの停止操作の順序を「打順」とする。また打順を構成する各停止操作のうち、最初に行う停止操作を「第1停止操作」、2番目に行う停止操作を「第2停止操作」、3番目に行う停止操作を「第3停止操作」とする。
【0046】
また、以下では、第1リール20a、第2リール20b、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順1」とし、第1リール20a、第3リール20c、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順2」とし、第2リール20b、第1リール20a、第3リール20cの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順3」とし、第2リール20b、第3リール20c、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順4」とし、第3リール20c、第1リール20a、第2リール20bの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順5」とし、第3リール20c、第2リール20b、第1リール20aの順に回転リールを停止させるストップボタン26a、26b、26cの操作を「打順6」とする。また、「打順1」と「打順2」とをまとめて「左押し」と呼び、「打順3」と「打順4」とをまとめて「中押し」と呼び、「打順5」と「打順6」とをまとめて「右押し」と呼ぶ。また、「中押し」と「右押し」とをまとめて「変則押し」と呼ぶことがある。
【0047】
ストップボタン26a~26cが操作された際の停止制御において、リール制御手段43は、当選フラグが当選状態に設定されている当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。具体的には、1つの当選役の当選フラグが当選状態に設定されている状態では、この当選役が入賞するように各リール20a~20cの停止制御を行う。また、複数の当選役の当選フラグが重複して当選状態に設定されている状態では、役毎に定められた優先順位に従って、所定の当選役が入賞するように、各リール20a~20cを停止させる。本実施形態の遊技機においては、当該優先順位は、「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められている。そして、リール制御手段43は、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄が、優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄に優先して有効ライン上に表示されるように、リール20a~20cを停止させる。
【0048】
また、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先順位は、有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて優先順位を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先順位を求める場合とが存在する。有効ライン上に表示可能な図柄組合せの数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの数が多くなる停止位置ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先順位を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先順位を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先順位はそれぞれ同一のものとして扱われる。
【0049】
当選エリア「打順小役」のそれぞれには、8枚役入賞打順と8枚役非入賞打順とが設定されている。具体的には、図4に示すように、当選エリア「打順小役」のいずれかが当選した場合に、8枚役入賞打順で操作がされると8枚役が入賞し、8枚役非入賞打順で操作がされると1枚役が入賞し得る(8枚役が入賞しない)ようになっている。また、当選エリア「打順小役」のそれぞれは、8枚役入賞打順が1通りに定められており、他の5通りの打順は8枚役非入賞打順とされている。また、当選エリア「打順小役」のそれぞれは、打順3~6のうちのいずれかが8枚役入賞打順に設定されている。換言すると、当選エリア「打順小役」はいずれも打順1および打順2は8枚役非入賞打順に設定されている。また、当選エリア「打順プラムA1」、「打順プラムA2」、「打順プラムA3」および「打順プラムA4」は、互いに異なる打順が8枚役入賞打順に設定されている。また、当選エリア「打順プラムB1」、「打順プラムB2」、「打順プラムB3」および「打順プラムB4」は、互いに異なる打順が8枚役入賞打順に設定されている。
【0050】
なお、図4における括弧書きの内容は、その打順で停止操作が行われた場合における、1枚役の入賞率を示している。すなわち、「1枚役(1/2)」という表記は、停止操作のタイミングがランダムであることを前提として、1/2の確率で1枚役が入賞し、1/2の確率で1枚役を取りこぼす(1枚役が入賞しない)ことを示している。また、図4は、ボーナス内部中状態における各当選エリアと8枚役入賞打順および8枚役非入賞打順との関係を示すものである。当選エリア「打順プラムB1」、「打順プラムB2」、「打順プラムB3」および「打順プラムB4」は、一般中状態においてもボーナス内部中と同様の停止制御が行われる。一方、当選エリア「打順プラムA1」、「打順プラムA2」、「打順プラムA3」および「打順プラムA4」は、一般中状態においては、ボーナス内部中状態における8枚役入賞打順(8枚役が入賞する打順)で停止操作がされた場合に、1枚役が入賞するように停止制御が行われる。
【0051】
当選エリア「打順小役」のいずれかが当選した場合に、8枚役入賞打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役1~4を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められ、8枚役非入賞打順でストップボタン26a~26cが押下されると、小役16~30を入賞させることができる停止位置の候補の優先順位が最も高くなるように優先順位が求められる。
【0052】
なお、図示は省略するが、当選エリア「共通1枚1」および「共通1枚2」は、いずれの打順で停止操作がされても必ず1枚役が入賞するようになっている。
【0053】
入賞判定手段44は、リール20a~20cの回転が停止されると作動され、リール20a~20cの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する。具体的には、リール20a~20cが停止することによって有効ライン上に表示(停止表示)された図柄組合せを、記憶手段60のROMに記憶されている入賞判定テーブルに照合する。入賞判定テーブルには、各当選役のそれぞれの入賞形態(停止表示された場合に入賞となる図柄組合せ)が記憶されており、前述した照合により、入賞の有無や入賞した当選役の種類が判明する。メイン制御基板31は、当選役が入賞した場合、入賞した当選役に対応する入賞処理を実行する。入賞処理としては、具体的には、小役が入賞した場合には払出処理を行い、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理(再遊技処理)を行い、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる処理(遊技状態移行制御処理)を行う。
【0054】
ここで、払出処理は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいて決定された枚数のメダルを払い出す処理であり、払出制御手段45が行う。払出制御手段45は、小役が入賞した場合に、役毎に定められている配当に基づいてメダルの払出数を決定し、決定された払出数のメダルをホッパー装置に払い出させる。なお、クレジットが許可されている場合には、ホッパー装置によって実際にメダルを払い出す代わりに、記憶手段60のRAMに設けられたクレジット記憶領域に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して、払出数を加算するクレジット加算処理を行って、仮想的にメダルを払い出す。
【0055】
本実施形態の遊技機では、小役1~5に入賞すると8枚のメダルが払い出され、小役6~15に入賞すると3枚のメダルが払い出され、小役16~30に入賞すると1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0056】
また、リプレイ処理は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ遊技開始待機状態に設定する処理であり、リプレイ制御手段46が行う。リプレイが入賞した場合には、前回の遊技(当該リプレイが入賞した遊技)において投入状態に設定された枚数と同じ枚数分のメダルを、遊技者の手持ちのメダル(クレジットされたメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、自動投入処理によって投入されたメダルの数に対応する有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバー24に対する遊技開始操作を待機する。また、自動投入処理が行なわれた場合、メダルを追加投入することはできないようになっている。
【0057】
遊技状態制御手段49は、図5に示すように、一般中状態、ボーナス内部中状態およびボーナス作動中状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。
遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことに基づいて遊技状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、遊技状態を移行させてもよい。
【0058】
また上述のように、内部抽選手段42は、遊技状態に応じて内部抽選テーブルを選択して内部抽選を行う。具体的には、一般中状態では、ビッグボーナス(RBB)が抽選対象に設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、ボーナス内部中状態では、ビッグボーナス(RBB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。また、ボーナス作動中状態では、ビッグボーナス(RBB)が抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照して内部抽選を行う。
【0059】
遊技状態は、初期状態においては、一般中状態となっている。
また、一般中状態からはボーナス内部中状態への移行が可能となっている。遊技状態制御手段49は、一般中状態においてビッグボーナス(RBB)が当選した場合に、遊技状態をボーナス内部中状態へ移行させる。
【0060】
ボーナス内部中状態は、内部抽選でビッグボーナス(RBB)に当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス内部中状態では、ビッグボーナス(RBB)が入賞するまでビッグボーナス(RBB)に対応する抽選フラグが当選状態に維持され、ビッグボーナス(RBB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技状態制御手段49は、遊技状態をボーナス内部中状態からボーナス作動中状態へ移行させる。
【0061】
ボーナス作動中状態は、ビッグボーナス(RBB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。また、ボーナス作動中状態では、ボーナス作動中状態において払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段49は、ボーナス作動中状態を終了させて、遊技状態を一般中状態へ移行させる。
なお、ボーナス作動中状態の終了条件は、ボーナス作動中状態での遊技回数や小役の入賞回数等によって定められていてもよい。また、ボーナス作動中状態は、1回の遊技で終了するように終了条件が定められたものであってもよい。
【0062】
指示機能制御手段51は、遊技区間制御手段80と、演出状態制御手段81と、特典付与手段82とを備えている。指示機能制御手段51は、有利区間において所定の役の入賞を補助する指示機能の作動に係る処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、所定の役が当選した場合に、この役の入賞を補助する指示演出を行うか否かを決定する。より具体的には、指示機能制御手段51は、当選エリア「打順小役」が当選した場合に、8枚役入賞打順を報知して8枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を行うか否かを決定する。そして、この決定に基づいて、演出制御手段100が、打順ナビ演出を液晶ディスプレイ13等に実行させるようになっている。打順ナビ演出では、液晶ディスプレイ13は、8枚役入賞打順を報知する表示(打順ナビ表示)を実行する。具体的には、例えば、液晶ディスプレイ13は、8枚役入賞打順に係る第1停止操作、第2停止操作および第3停止操作を報知する打順ナビ表示を実行する。
【0063】
遊技区間制御手段80は、図6に示すように、遊技の進行状況に応じて、非有利区間と有利区間との間で遊技区間を移行させる遊技区間移行制御処理を行う。非有利区間は、複数種類の遊技区間の中で初期状態に相当する遊技区間となっている。また、非有利区間においては、指示演出が実行されないようになっている。
【0064】
非有利区間においては、特典付与手段82は、所定契機で有利区間への移行の可否を決定する抽選(有利区間移行抽選)を行う。有利区間移行抽選に当選すると、遊技区間制御手段80は、遊技区間を非有利区間から有利区間へ移行させる。なお、有利区間移行抽選で有利区間への移行が決定される確率は100%であってもよい。
【0065】
本実施形態では、内部抽選の結果が所定の結果となる場合において、有利区間移行抽選が実行される。具体的には、遊技区間が非有利区間であり遊技状態が一般中状態であるときの遊技において、当選エリア「弱チェリー1」、「弱チェリー2」、「中チェリー」、「強チェリー」、「共通1枚1」、「打順小役」、「共通プラム1」、「共通プラム2」、「共通1枚2」、「リプレイ2」、「リプレイ3」、「特殊リプレイ1」~「特殊リプレイ7」、「弱ベル」、「強ベル」および「チャンス目」のいずれかに当選した場合には有利区間移行抽選が実行され、遊技区間が非有利区間であり遊技状態が一般中状態であるときの遊技において、当選エリア「リプレイ1」に当選した場合には有利区間移行抽選が実行されないようになっている。また、遊技区間が非有利区間であり遊技状態がボーナス内部中状態であるときの遊技において、当選エリア「弱チェリー1」、「弱チェリー2」、「中チェリー」、「強チェリー」、「共通1枚1」、「打順小役」、「共通プラム1」、「共通プラム2」、「リプレイ2」、「リプレイ3」、「特殊リプレイ1」~「特殊リプレイ7」、「弱ベル」、「強ベル」および「チャンス目」のいずれかに当選した場合には有利区間移行抽選が実行され、遊技区間が非有利区間であり遊技状態がボーナス内部中状態であるときの遊技において、当選エリア「リプレイ1」および「共通1枚2」のいずれかに当選した場合には、有利区間移行抽選が実行されないようになっている。また、遊技区間が非有利区間であり遊技状態がボーナス作動中状態であるときの遊技においては、いずれの当選エリアに当選した場合であっても、有利区間移行抽選が実行されないようになっている。また、本実施形態では、遊技区間が非有利区間から有利区間へ移行する確率は、遊技状態が一般中状態からボーナス内部中状態へ移行する確率およびボーナス内部中状態からボーナス作動中状態へ移行する確率よりも高くなっている。
【0066】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において1回の遊技が行われる毎に、スタートレバー24に対する遊技開始操作を契機として、記憶手段60のRAMに設けられた有利区間遊技数カウンタ65の記憶値に一回分の遊技に相当する値として「1」を加算するインクリメント処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、有利区間遊技数カウンタ65への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値がしきい値(上限値)「3000」に達すると、有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。すなわち、有利区間における遊技回数は、上限値が3000回に設定されており、有利区間において3000回を超える遊技が連続して行なわれないようになっている。
【0067】
また、遊技区間制御手段80は、有利区間において、記憶手段60のRAMに設けられた差枚数カウンタ64の記憶値をメダルの差枚数によって更新し、メダルの払出数に相当する値(例えば、8枚のメダルの払い出しがあった場合には「8」とし、いずれの役も入賞せずに払い出しがなかった場合には「0」とする)から遊技に使用されたメダルの投入数に相当する値(例えば、3枚の投入があった場合には「3」とする)を減算して当該遊技における差枚数の演算結果を求めて、この演算結果を差枚数カウンタ64の記憶値に加算する更新処理を行う。なお、遊技区間制御手段80は、非有利区間においては、差枚数カウンタ64への加算を行わない。また、非有利区間から有利区間へ移行した時点においては、差枚数カウンタ64の記憶値は「0」となっている。そして、遊技区間制御手段80は、差枚数カウンタ64の記憶値がしきい値(例えば、「2400」)を超えた場合に有利区間の終了条件が成立したとして、遊技区間を有利区間から非有利区間へ移行させる。なお、差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下回らないように制御され、例えば、遊技開始時における差枚数カウンタ64の記憶値が「2」であり、遊技を行った結果、いずれの役も入賞せずにメダルの払い出しがなかった場合には、その遊技における差枚数の演算結果が「-3」となり、差枚数カウンタ64の記憶値に差枚数の演算結果を加算すると初期値「0」を下回ってしまうが、更新後の差枚数カウンタ64の記憶値は初期値「0」を下限値としてカウントストップされるようになっている。すなわち、有利区間において獲得可能なメダル数には、上限値が設定されており、有利区間においてメダルが最も減少したときを基準「0」として、当該基準からのメダルの増加数が2400枚を超えた場合に有利区間が終了するようになっている。また、遊技においてリプレイの入賞があった場合には、リプレイの入賞した遊技で当該遊技の規定投入数に相当するメダルの払い出しがあったものとして取り扱って差枚数を求め、リプレイの入賞によって無償で提供される次回の遊技については実際のメダルの投入は行われていなくても当該遊技の規定投入数に相当するメダルの投入が行われたものとして扱い、差枚数を求めることとしてもよい。
【0068】
また、有利区間表示器18は、非有利区間において消灯し、有利区間において点灯するようになっている。
なお、有利区間表示器18は、有利区間に移行すると同時に点灯させる必要はなく、最初の指示演出を行うまでに点灯させればよい。また、一度点灯させると、有利区間が終了するまでは、消灯しないようになっている。
【0069】
演出状態制御手段81は、図6に示すように、非有利区間演出状態、第1開始時演出状態、第2開始時演出状態、通常演出状態、チャンス演出状態、準備中演出状態およびAT演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態移行制御処理を行う。演出状態の移行条件(終了条件)は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したことによって演出状態を移行させてもよく、複数の予め定められた条件の複数あるいは全てが成立したことに基づいて、演出状態を移行させてもよい。
【0070】
非有利区間演出状態は、複数種類の演出状態の中で初期状態に相当する演出状態である。非有利区間においては、演出状態制御手段81は、演出状態を非有利区間演出状態に設定している。非有利区間演出状態(非有利区間)においては、上述のように特典付与手段82が有利区間移行抽選を行っており、有利区間移行抽選において有利区間への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態を第1開始時演出状態または第2開始時演出状態に移行させる。
【0071】
具体的には、遊技状態が一般中状態であり、演出状態が非有利区間演出状態(非有利区間)である状況において、内部抽選で当選エリア「共通1枚2」または「RBB」に当選し有利区間への移行が決定された場合(ビッグボーナス(RBB)が単独でまたは1枚役と重複して当選するとともに有利区間への移行が決定された場合)、演出状態制御手段81は、演出状態を第1開始時演出状態へ移行させる。また、遊技状態が一般中状態であり、演出状態が非有利区間演出状態(非有利区間)である状況において、内部抽選で当選エリア「共通1枚2」および「RBB」以外の当選エリアに当選し有利区間への移行が決定された場合(当該当選エリアの当選に基づく有利区間移行抽選に当選した場合)、演出状態制御手段81は、演出状態を第2開始時演出状態へ移行させる。
なお、演出状態制御手段81は、遊技状態が一般中状態であり、演出状態が非有利区間演出状態(非有利区間)である状況において、内部抽選で当選エリア「RBB」に当選し有利区間への移行が決定された場合に、演出状態を第2開始時演出状態へ移行させることとしてもよい。また、内部抽選で当選エリア「RBB」に当選した場合には、有利区間移行抽選が実行されないこととしてもよい。
【0072】
また、遊技状態がボーナス内部中状態であり、演出状態が非有利区間演出状態(非有利区間)である状況において、内部抽選で当選エリア「共通1枚2」以外の当選エリアに当選し有利区間への移行が決定された場合(当該当選エリアの当選に基づく有利区間移行抽選に当選した場合)に、演出状態制御手段81は、演出状態を第2開始時演出状態へ移行させる。
【0073】
また、遊技状態がボーナス内部中状態であり、演出状態が非有利区間演出状態(非有利区間)である状況において、内部抽選で当選エリア「共通1枚2」に当選した場合、有利区間への移行が決定されることはない。換言すると、遊技状態がボーナス内部中状態であり、演出状態が非有利区間演出状態(非有利区間)である状況において、内部抽選で当選エリア「共通1枚2」に当選した場合、第1開始時演出状態および第2開始時演出状態のいずれにも移行することはない。なお、本実施形態では、非有利区間かつボーナス内部中状態における内部抽選で当選エリア「共通1枚2」に当選した場合には、有利区間移行抽選が実行されないことにより、有利区間への移行が決定されないようになっているが、有利区間移行抽選の当選確率が0%に設定されていたり、有利区間移行抽選の当選を無効としたりすることにより、有利区間への移行が決定されないようになっていてもよい。
【0074】
なお、本実施形態では、非有利区間かつ一般中状態である状況において当選エリア「共通1枚2」または「RBB」に当選すると、記憶手段60に記憶される特定のフラグの設定情報が、オン状態に設定されるようになっている。一方、非有利区間かつ一般中状態である状況あるいは非有利区間かつボーナス内部中状態である状況において当選エリア「共通1枚2」または「RBB」以外の当選エリアに当選すると、当該特定のフラグの設定状態がオン状態に設定されることはなく、オフ状態に設定されたままとなるようになっている。そして、当該特定のフラグがオン状態に設定されている場合には、演出状態が第1開始時演出状態へ移行し、当該特定のフラグがオフ状態に設定されている場合には、演出状態が第2開始時演出状態へ移行するようになっている。換言すると、当該特定のフラグがオン状態に設定されている状態を第1開始時演出状態といい、当該特定のフラグがオフ状態に設定されている状態を第2開始時演出状態ということもできる。
【0075】
第1開始時演出状態においては、1回の遊技が実行される。また、第1開始時演出状態においては、指示機能制御手段51は、演出状態を通常演出状態へ移行させることを決定する。すなわち、第1開始時演出状態において1回の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、演出状態を通常演出状態へ移行させる。
【0076】
第2開始時演出状態においては、1回の遊技が実行される。また、第2開始時演出状態においては、指示機能制御手段51は、いずれの演出状態へ移行させるかを遊技状態を参照して決定する。具体的には、指示機能制御手段51は、遊技状態が一般中状態である場合には、演出状態を通常演出状態へ移行させることを決定する。また、指示機能制御手段51は、遊技状態がボーナス内部中状態である場合には、演出状態をチャンス演出状態へ移行させることを決定する。すなわち、第2開始時演出状態において1回の遊技が実行されると、演出状態制御手段81は、遊技状態に応じて演出状態を通常演出状態またはチャンス演出状態へ移行させる。換言すると、演出状態制御手段81は、遊技状態がボーナス内部中状態である場合には、遊技状態が一般中状態である場合に比べ、有利な演出状態へ移行させる。
なお、ここで参照する遊技状態は、第2開始時演出状態における最初の遊技開始時の遊技状態であり、第2開始時演出状態が開始されたときの遊技状態(換言すると、非有利区間から有利区間へ移行した際の遊技状態)となっている。
【0077】
なお、第1開始時演出状態や第2開始時演出状態では、複数回の遊技が実行されるようになっていてもよい。また、指示機能制御手段51は、第1開始時演出状態または第2開始時演出状態において実行される複数回の遊技のうちの所定の遊技あるいは複数の遊技を使用して、演出状態をいずれの演出状態へ移行させるか決定することとしてもよい。
【0078】
通常演出状態においては、遊技の回数が、記憶手段60のRAMに設けられた非AT遊技数カウンタ66の記憶値に基づいて管理されている。指示機能制御手段51は、演出状態が通常演出状態へ移行する場合に、非AT遊技数カウンタ66に初期値として所定の値(例えば「700」)をセットする。また、指示機能制御手段51は、通常演出状態において、1回の遊技が行われる毎に、非AT遊技数カウンタの記憶値から一回分の遊技に相当する値「1」を減算するデクリメント更新を行う。そして、遊技区間制御手段80は、非AT遊技数カウンタの記憶値が「0」となった場合に、有利区間の終了条件が成立したと判定し、有利区間を終了させて遊技区間を非有利区間へ移行させる。
なお、通常演出状態においては、チャンス演出状態への移行の可否を決定する抽選(CZ抽選)を実行してもよい。
【0079】
チャンス演出状態においては、特典付与手段82は、AT演出状態への移行の可否を決定する抽選(AT抽選)を行う。具体的には、特典付与手段82は、例えば、チャンス演出状態において、内部抽選の結果(例えば所定の役(当選エリア)の当選)に応じて、AT抽選を行う。そして、AT抽選に基づいてAT演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段81は、演出状態をAT演出状態へ移行させる。
【0080】
チャンス演出状態は、通常演出状態に比べ、AT演出状態への移行の確率(期待度)が高く、通常演出状態に比べ、遊技者に有利な演出状態となっている。すなわち、本実施形態では、通常演出状態からAT演出状態へ移行する確率よりも、チャンス演出状態からAT演出状態へ移行する確率の方が高くなっている。なお、通常演出状態においてAT抽選が実行され、通常演出状態においてAT演出状態への移行が決定されるようになっていてもよく(通常演出状態から直接AT演出状態へ移行する場合があっていてもよく)、チャンス演出状態におけるAT抽選でAT演出状態への移行が決定される確率が、通常演出状態におけるAT抽選でAT演出状態への移行が決定される確率よりも高くなっていてもよい。
【0081】
なお、AT抽選に当選し、チャンス演出状態からAT演出状態に移行する場合等、ある演出状態から他の演出状態に移行する際に、別の演出状態を経由してから移行するようにしてもよい。例えば、チャンス演出状態においてAT抽選に当選した場合に、即座にAT演出状態を開始するのではなく、チャンス演出状態からAT演出状態の準備状態(準備中演出状態)等へ移行させ、その後AT演出状態へ移行させるものとしてもよい。本実施形態では、AT抽選に当選するなどしてAT演出状態への移行の権利が特典付与手段82から付与されると、演出状態が準備中演出状態に移行し、準備中演出状態において所定の条件が成立すると、AT演出状態が開始されるようになっている。準備中演出状態の詳細については後述する。
【0082】
AT演出状態においては、当選エリア「打順小役」が当選すると、演出制御手段100が、液晶ディスプレイ13等の演出装置に打順ナビ演出を実行させる。AT演出状態は、通常演出状態やCZ演出状態に比べ、打順ナビ演出が実行される確率(頻度)が高く、通常演出状態やCZ演出状態に比べ、遊技者に有利な演出状態となっている。
【0083】
AT演出状態の継続は、記憶手段60のRAMに設けられたAT終了判定カウンタ67の記憶値に基づいて管理されている。指示機能制御手段51は、演出状態がAT演出状態へ移行する場合に、AT終了判定カウンタ67に設定する値を決定する。換言すると、指示機能制御手段51は、演出状態がAT演出状態へ移行する場合に、AT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる。さらに換言すると、指示機能制御手段51は、演出状態がAT演出状態へ移行する場合に、AT終了判定カウンタ67に、AT演出状態の継続期間に係る値を設定する。
【0084】
また、指示機能制御手段51は、AT演出状態における遊技の進行に応じて、AT終了判定カウンタ67の記憶値を減少させる。そして、演出状態制御手段81は、AT演出状態においてAT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値「0」に達すると、AT演出状態の終了条件が成立したとして、AT演出状態を終了させる。
【0085】
なお、AT終了判定カウンタ67の記憶値は、例えば、AT演出状態において獲得可能なメダルの枚数を表すものとしてもよく、AT演出状態において実行可能な遊技の回数(AT遊技回数)を表すものとしてもよく、実行可能なAT演出状態のセット数(ATセット数)を表すものとしてもよく、AT演出状態において実行可能な打順ナビ演出の回数(打順ナビ回数)を表すものとしてもよい。換言すると、AT演出状態が開始される場合に、AT終了判定カウンタ67に獲得可能なメダルの枚数や、AT遊技回数や、ATセット数や、打順ナビ回数等を設定するとともに、AT演出状態において、メダルが払い出される毎、遊技が行われる毎、1セットのAT演出状態が行われる毎あるいは打順ナビ演出が行われる毎等の、所定契機でAT終了判定カウンタ67の記憶値を更新し、AT終了判定カウンタ67の記憶値がしきい値に達したことに基づいて、AT演出状態を終了させることとしてもよい。
【0086】
また、特典付与手段82は、AT演出状態において、所定契機でAT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させるか否か決定する(AT演出状態の継続期間を増加させるか否か決定する)抽選(上乗せ抽選)を行い、当該抽選の結果に基づいてAT終了判定カウンタ67の記憶値を増加させる。
【0087】
指示機能制御手段51は、有利区間が終了し、遊技区間が通常区間に移行する際に、指示機能に係る情報として記憶手段60のRAMに記憶されている情報を初期化する指示機能情報初期化処理を行う。具体的には、指示機能制御手段51は、有利区間遊技数カウンタ65の記憶値、差枚数カウンタ64の記憶値、指示機能に係る抽選に関するフラグ(抽選結果)、非AT遊技数カウンタ66の記憶値およびAT終了判定カウンタ67の記憶値等を初期化する。すなわち、指示機能に係る情報は、複数の有利区間を跨いで持ち越されることがないようになっている。また、初期化手段48が、設定値が変更された際に行う上述の初期化処理を行うと、ここで示した指示演出に係る情報も初期化されるようになっている。
【0088】
演出制御手段100は、演出状態がAT演出状態である場合等に、当選エリア「打順小役」が当選すると、8枚役入賞打順を報知して8枚役の入賞を補助する指示演出(打順ナビ演出)を液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出装置に実行させる制御を行う。当選エリア「打順小役」が当選し、指示演出で報知された8枚役入賞打順に沿ってストップボタン26a~26cが押下されると必ず8枚役が入賞して8枚のメダルを獲得することができるようになっている。
なお、打順ナビ演出を行う場合には、遊技情報表示部17の7セグメント表示器(主制御表示器19)も8枚役入賞打順を報知する表示(打順ナビ表示)を行う。
【0089】
本実施形態の遊技機では、ボーナス内部中状態においては、内部抽選の結果にかかわらず(かつ停止操作の態様にかかわらず)ビッグボーナス(RBB)の入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されることがないようにリール20a~20cの停止制御が実行されるようになっている。すなわち、本実施形態の遊技機では、遊技状態が一度ボーナス内部中状態に設定されると、以降はボーナス内部中状態での遊技が継続するようになっている。このため、開始された有利区間が終了し、非有利区間が開始される際の遊技状態はボーナス内部中状態となる。
【0090】
なお、本実施形態において、ボーナスが入賞したことによって移行するボーナス作動中状態における出玉率(メダルの投入数に対する払出数の比率)の期待値は100%以下(未満)となっている(ただし100%以上であってもよい)。具体的には、ボーナス作動中状態について8枚役の抽選態様を工夫することで、出玉率の期待値が低くされている。本実施形態では、一般中状態およびボーナス内部中状態では、当選エリア「打順小役」のそれぞれについて小役1~小役4の4種類の8枚役が互いに重複せずに当選するように設定する一方で、ボーナス作動中状態では、当選エリア「小役ALL」について4種類の8枚役が重複して当選するように設定している。そして、ボーナス作動中状態における当選エリア「小役ALL」の当選確率を、他の遊技状態における当選エリア「打順小役」のそれぞれの当選確率よりも高く設定している。また、ボーナス作動中状態において当選エリア「小役ALL」に当選する確率を、他の遊技状態において当選エリア「打順小役」のいずれかに当選する確率よりも低く設定している。そして、これによりボーナス作動中状態において8枚役の入賞が可能な機会を他の遊技状態に比べて減少させ、ボーナスが作動している状況における出玉率の期待値が低くされている。
【0091】
準備中演出状態においては、内部抽選で当選エリア「打順小役」に当選した場合に(当選エリア「打順小役」に当選した遊技において)、択当て遊技が実行されるようになっている。択当て遊技は、遊技者に正解操作態様(特定操作態様)を当てさせる遊技である。指示機能制御手段51は、択当て遊技において正解操作態様で停止操作がされると、指示演出に関する所定の特典を付与する。具体的には、指示機能制御手段51は、択当て遊技において正解操作態様で停止操作がされると、AT演出状態の開始という特典を遊技者に付与し、AT演出状態を開始させる。すなわち、本実施形態では、準備中演出状態における所定の遊技において特定の操作態様(正解操作態様)で停止操作がされた場合に、指示演出に関する所定の特典が付与されるようになっている。
【0092】
また、択当て遊技において正解操作態様で停止操作がされなかった場合、指示機能制御手段51は、AT演出状態の開始という特典を遊技者に付与しない。すなわち、択当て遊技において正解操作態様と異なる操作態様(不正解操作態様)で停止操作がされると、AT演出状態が開始されず、準備中演出状態が継続する。なお、択当て遊技において不正解操作態様で停止操作がされた場合に、準備中演出状態が終了し、例えば通常演出状態あるいは非有利区間演出状態等へ移行するようになっていてもよい。
【0093】
なお、準備中演出状態においては、所定の時点からの実行された遊技の回数が所定回数に達した場合には、択当て遊技において正解操作態様で停止操作がされる前であってもAT演出状態が開始されるようになっていてもよい。例えば、準備中演出状態が開始されてからの遊技の回数が所定回数に達した場合にAT演出状態が開始されるようになっていてもよい。また、例えば、有利区間が開始されてからの遊技の回数が所定回数に達した場合にAT演出状態が開始されるようになっていてもよい。
【0094】
本実施形態では、当選エリア「打順プラムA1」、「打順プラムA2」、「打順プラムB1」および「打順プラムB2」の当選に基づいて実行される択当て遊技は、中押しが正解操作態様となっている。また、当選エリア「打順プラムA3」、「打順プラムA4」、「打順プラムB3」および「打順プラムB4」の当選に基づいて実行される択当て遊技は、右押しが正解操作態様となっている。すなわち、本実施形態では、当選エリア「打順小役」に当選し、8枚役の入賞が可能となる第1停止操作(8枚役入賞打順に係る第1停止操作)を行う停止操作の態様が、正解操作態様となっている。すなわち、正解操作態様には、8枚役が入賞となる操作態様が含まれている。換言すると、特定の役としての8枚役(小役1~小役4のいずれか)を入賞可能とする操作態様が正解操作態様となっている。
なお、正解操作態様には、8枚役が入賞となる操作態様が含まれていなくてもよい。また、8枚役が入賞となる操作態様のみが正解操作態様となっていてもよい。
【0095】
サブ制御基板32(演出サブ制御手段(サブ表示制御手段)70)は、択当て遊技において、正解操作態様に関連(対応)する表示(正解操作態様関連表示)を液晶ディスプレイ13に表示させる。具体的には、サブ制御基板32は、準備中演出状態において内部抽選で当選エリア「打順小役」に当選すると、中押しまたは右押しで停止操作を行うことを指示する表示を液晶ディスプレイ13に表示させる。より具体的には、サブ制御基板32は、図7(b)に示すように、液晶ディスプレイ13の表示画面におけるストップボタン26a,26b,26cのそれぞれに対応する位置に「×」「?」「?」の表示を表示させる。ここで、「×」は、操作態様に関する表示を表示しないことあるいは対応するストップボタン26(ストップボタン26a)の操作(第1停止操作での操作)を回避することを指示する表示を表示することを意味する。また、「?」は、「?」の文字を表示することを意味する。そして、「×」「?」「?」の表示によって、中押しまたは右押しのいずれかの操作態様が正解操作態様であること(中押しまたは右押しのいずれかの操作態様で操作すべきであるが、いずれの操作態様で操作すべきであるかは不明であること)が報知されるようになっている。
【0096】
正解操作態様関連表示は、正解操作態様での停止操作を補助する表示ともいえる。なお、本実施形態における正解操作態様関連表示は、「×」「?」「?」の表示であり、中押しまたは右押しの中から正解操作態様を当てることを指示することにより正解操作態様での停止操作を補助するようになっているが、例えば、「?」「?」「?」の表示のような、左押し、中押しまたは右押しの中から正解操作態様を当てることを指示する表示、すなわち操作態様の選択を促すが正解操作態様とならない操作態様が報知されない(判別できない)表示等についても、正解操作態様での停止操作を補助する表示といえる。すなわち、何らの表示もされない場合には、遊技者は、その遊技機において通常行うべき打順(例えば左押し)あるいは自らが定めた特定の打順(例えば左押し)で停止操作を行ってしまうおそれがあるが、「?」「?」「?」の表示のような、操作態様の選択を促す表示があれば、遊技者は意識的に選択を行い正解操作態様を当てる機会を得ることができるので、このような表示についても正解操作態様での停止操作を補助する表示といえる。
【0097】
なお、正解操作態様関連表示は、例えば、正解操作態様に係る第1停止操作を報知するものであってもよい。具体的には、例えば、サブ制御基板32は、液晶ディスプレイ13の表示画面における第1停止操作で操作すべきストップボタン26に対応する位置に、数字の「1」の表示を表示させるとともに、残りの2つのストップボタン26に対応する位置のそれぞれに「?」の文字を表示させるなどしてもよい。すなわち、正解操作態様関連表示は、第2停止操作に関する選択を促す表示等であってもよい。また、正解操作態様関連表示は、正解操作態様を報知する表示であってもよい。
【0098】
メイン制御基板31(指示機能制御手段(メイン表示制御手段)51)は、択当て遊技において、正解操作態様関連表示(正解操作態様での停止操作を補助する表示)を遊技情報表示部17に表示させる。具体的には、メイン制御基板31は、準備中演出状態において内部抽選で当選エリア「打順小役」に当選すると、中押しまたは右押しで停止操作を行うことを指示する表示を遊技情報表示部17に表示させる。より具体的には、メイン制御基板31は、主制御表示器19としての遊技情報表示部17の7セグメント表示器に数字の「5」を表示させる。本実施形態では、主制御表示器19における各数字の表示について、数字の「1」の表示は打順3で停止操作を行うことを指示する表示となっており、数字の「2」の表示は打順4で停止操作を行うことを指示する表示となっており、数字の「3」の表示は打順5で停止操作を行うことを指示する表示となっており、数字の「4」の表示は打順6で停止操作を行うことを指示する表示となっており、数字の「5」の表示は中押しまたは右押しで停止操作を行うことを指示する表示となっている。そして、主制御表示器19に「1」~「5」の各数字が表示される場合には、サブ制御基板32(演出サブ制御手段70)は、各数字の指示内容と同様の指示内容の表示を液晶ディスプレイ13に表示させるようになっている。具体的には、例えば、打順ナビ演出の実行が決定され、主制御表示器19に打順ナビ表示としての「1」~「4」の各数字が表示される場合には、サブ制御基板32は、液晶ディスプレイ13に打順ナビ表示を表示させるようになっている。また、例えば、択当て遊技の実行が決定され、主制御表示器19に正解操作態様関連表示としての数字の「5」が表示される場合には、サブ制御基板32は、液晶ディスプレイ13に正解操作態様関連表示としての「×」「?」「?」の表示を表示させるようになっている。
なお、主制御表示器19は、所定の文字(例えばアルファベット)や所定の図柄等の表示あるいは所定の点灯態様でのLEDの点灯表示等によって停止操作に関する指示を行うようになっていてもよい。
【0099】
なお、主制御表示器19に停止操作の態様に関する表示(正解操作態様関連表示や打順ナビ表示)が表示されない場合(数字が表示されない場合)は、停止操作に関する指示がないことを意味する。ただし、ここで「停止操作に関する指示がない」とは、どの操作態様(打順)で停止操作を行ってもよいことを意味するとは限らない。例えば、遊技機では、停止操作に関する指示がない場合には、所定の操作態様(例えば左押し)で停止操作をしないと所定のペナルティが課せられるようになっていてもよい。すなわち、停止操作に関する指示がない場合については、所定の操作態様(例えば左押し)で遊技が行われた場合の方が他の操作態様(例えば変則押し)で遊技が行われた場合に比べ、遊技者に有利となるように設定されており、実質的に所定の操作態様が推奨されていてもよい。当該所定のペナルティは、例えば、当該他の操作態様で停止操作がされた場合には、当該所定の操作態様で停止操作がされた場合に実行されうる指示演出に係る所定の処理としてのCZ抽選やAT抽選等が実行されないというもの等であってもよい。
【0100】
また、主制御表示器19に停止操作の態様に関する表示(正解操作態様関連表示や打順ナビ表示)が表示されない場合(数字が表示されない場合)には、液晶ディスプレイ13に正解操作態様関連表示や打順ナビ表示がされることもない。ただし、主制御表示器19に停止操作の態様に関する表示がされない場合において、所定の操作態様(例えば左押し)で停止操作がされなかった場合に、所定の操作態様での停止操作を促す表示(例えば左押しで遊技を行うことを指示する表示)等を行うことで、前述のペナルティが課せられることを防止するようになっている等してもよい。
【0101】
なお、本実施形態では、液晶ディスプレイ13における正解操作態様関連表示(「×」「?」「?」の表示)および主制御表示器19における正解操作態様関連表示(数字の「5」の表示)は、遊技開始操作に基づく内部抽選で当選エリア「打順小役」に当選した後、ストップボタン26に対する停止操作(第1停止操作)が有効化される前に表示が開始されるようになっている。また、液晶ディスプレイ13における正解操作態様関連表示は、第1停止操作がされると表示が終了するようになっている。また、主制御表示器19における正解操作態様関連表示は、第3停止操作がされると表示が終了するようになっている。すなわち、液晶ディスプレイ13または主制御表示器19における各正解操作態様関連表示は、所定の停止操作がされると表示が終了するようになっている。
【0102】
次に、液晶ディスプレイ13および主制御表示器19に正解操作態様関連表示がされている状態において電断が発生した場合について説明する。
【0103】
準備中演出状態において内部抽選で当選エリア「打順小役」に当選すると、択当て遊技が実行され、液晶ディスプレイ13および主制御表示器19に正解操作態様関連表示が表示される(図7(b)参照)。また、液晶ディスプレイ13および主制御表示器19に正解操作態様関連表示が表示されると、所定の停止操作(例えば第1停止操作)がされるまで、液晶ディスプレイ13および主制御表示器19に正解操作態様関連表示が表示された状態が維持される。
【0104】
また、液晶ディスプレイ13および主制御表示器19に正解操作態様関連表示が表示されている状態、換言すると択当て遊技で第1停止操作がされる前において電断が発生し、電断から復帰すると、メイン制御基板31およびサブ制御基板32は所定の復帰処理を実行する。当該復帰処理が実行されると、内部抽選で当選エリア「打順小役」に当選した状態であってリール20a~20cが回転するとともにストップボタン26a~26cに対する停止操作(第1停止操作)が有効な状態に復帰する。また、当該復帰処理が実行されると、液晶ディスプレイ13および主制御表示器19の表示状態が所定の状態となる。具体的には、液晶ディスプレイ13は、正解操作態様関連表示を表示していない状態となる(図7(c)参照)。また、主制御表示器19は、正解操作態様関連表示を表示している状態となる。換言すると、液晶ディスプレイ13および主制御表示器19に正解操作態様関連表示が表示されている状態において電断が発生した場合、電断から復帰後の液晶ディスプレイ13の表示は、電断前と異なる表示となり、電断から復帰後の主制御表示器19の表示は、電断前と同様の表示となる。すなわち、液晶ディスプレイ13および主制御表示器19に正解操作態様関連表示が表示されている状態において電断が発生した場合、電断から復帰するとメイン制御基板31によって表示が制御される主制御表示器19には正解操作態様関連表示が表示され、サブ制御基板32によって表示が制御される液晶ディスプレイ13には正解操作態様関連表示が表示されない状態となる。
【0105】
なお、電断から復帰後の液晶ディスプレイ13の表示は、図7(c)に示すように、準備中演出状態におけるデフォルトの表示となる。ここで、デフォルトの表示とは、準備中演出状態に対応する表示であって準備中演出状態における択当て遊技が実行されない遊技(当選エリア「打順小役」以外の所定の当選エリアに当選した遊技)における表示である。準備中演出状態においては、デフォルトの表示が表示されている期間が他の表示がされている期間よりも長くなっている。一方、択当て遊技においては、図7(b)に示すように、通常、液晶ディスプレイ13に正解操作態様関連表示がされるとともに、背景の表示も、デフォルト表示とは異なる特定の表示(択当て遊技に係る表示)となる。しかし、液晶ディスプレイ13に当該特定の表示が表示されている状態において電断が発生し、電断から復帰した場合、液晶ディスプレイ13の背景の表示は当該特定の表示とはならず、準備中演出状態における択当て遊技が実行されない遊技において表示される背景の表示(デフォルトの表示)となる。なお、デフォルトの表示がされている状態において電断が発生し、電断から復帰した場合には、液晶ディスプレイ13の表示はデフォルトの表示となる。
【0106】
このように本実施形態では、電断から復帰すると、液晶ディスプレイ13に正解操作態様関連表示が表示されていない状態(デフォルトの表示をしている状態)となるが、この状態において正解操作態様で停止操作がされた場合には、正解操作態様関連表示が表示されている状態において正解操作態様で停止操作がされた場合と同様に、指示演出に関する所定の特典が付与される(AT演出状態が開始される)。すなわち、電断から復帰すると、液晶ディスプレイ13に正解操作態様関連表示が表示されていない状態となるが、内部的には電断の発生直前と同様の状態となっており、当選エリア「打順小役」に係る8枚役を入賞させることや、指示演出に関する特典を得ることが可能となっている。
【0107】
なお、択当て遊技は、準備中演出状態以外の演出状態において実行されるものであってもよい。また、択当て遊技において正解操作態様で停止操作がされた場合に付与される指示演出に関する特典は、例えば、所定の抽選(例えば、CZ抽選、AT抽選または上乗せ抽選等)であってもよく、AT演出状態の継続期間の増加(上乗せ)に関するものであってもよく、指示演出に関する有利度が高い所定の演出状態(例えば、上乗せに対する期待度が高いいわゆる特化ゾーン等)への移行に関するもの等であってもよく、指示演出に関する所定のポイント(例えば、蓄積することでチャンス演出状態やAT演出状態への移行の期待度が上昇するポイント等)等であってもよい。
【0108】
なお、打順ナビ演出が実行され、液晶ディスプレイ13および主制御表示器19が8枚役入賞打順を報知する表示(打順ナビ表示)を表示している状態において電断が発生した場合についても同様に、電断から復帰後の液晶ディスプレイ13は、8枚役入賞打順を報知していない状態となり、電断から復帰後の主制御表示器19は、8枚役入賞打順を報知している状態となるようにしてもよい。
【0109】
(変形例)
次に、本実施形態の遊技機の変形例について説明する。
本変形例の遊技機では、準備中演出状態における内部抽選で当選エリア「リプレイ3」に当選した場合に、液晶ディスプレイ13および主制御表示器19に正解操作態様関連表示が表示される。また、準備中演出状態における内部抽選で当選エリア「打順小役」に当選した場合には、正解操作態様関連表示が表示されず、打順ナビ表示が表示される。そして、当選エリア「打順小役」に当選した場合に、打順ナビ表示で報知される通りにストップボタン26a~26cが押下されると8枚役が入賞して8枚のメダルを獲得することができるようになっている。
【0110】
内部抽選で当選エリア「リプレイ3」に当選した場合には、右押しで停止操作を行うとともに、各停止操作を所定のタイミングで行うことで、特定の図柄組合せが有効ライン上に表示される停止態様(特定の図柄としての7図柄(数字の7を図案化した図柄))が一直線上に並んで表示される停止態様)(以下、特定停止態様という)でリール20a~20cが停止するようになっている。そして、本変形例の正解操作態様は、特定停止態様でリール20a~20cが停止する操作態様となっている。
【0111】
本変形例では、液晶ディスプレイ13が表示する正解操作態様関連表示は、右押しで停止操作を行うことを指示する表示と、7図柄を狙って停止操作を行うことを指示する表示と、を含んでいる。具体的には、サブ制御基板32は、液晶ディスプレイ13の表示画面におけるストップボタン26a,26b,26cのそれぞれに対応する位置に「3」「2」「1」の表示(第1停止操作でストップボタン26cを操作し、第2停止操作でストップボタン26bを操作し、第3停止操作でストップボタン26cを操作することを指示する表示)を表示させるとともに、液晶ディスプレイ13の表示画面に「7を狙え」の文字を表示させる。そして、正解操作態様関連表示で指示される通りに停止操作を行うことで、特定停止操作態様でリール20a~20cが停止するようになっている。換言すると、本変形例においては、遊技者は複数種類の選択肢の中から正解となる停止操作の態様を当てる(推測する)必要はなく、正解操作態様関連表示で指示される通りに停止操作を行えば必ず特定停止操作態様でリール20a~20cを停止させることができるようになっている。
なお、「狙って」とは、上段、中段、下段のうちの所定の位置に狙った図柄が停止するように停止操作を行うことをいう。
【0112】
正解操作態様関連表示が表示された遊技において正解操作態様で停止操作がされると、AT演出状態が開始されるようになっている。換言すると、特定停止態様でリール20a~20cが停止すると、演出状態がAT演出状態へ移行するようになっている。また、正解操作態様関連表示が表示された遊技において不正解操作態様で停止操作がされると、準備中演出状態が継続するようになっている。換言すると、特定停止態様でリール20a~20cが停止しなかった場合、演出状態がAT演出状態へ移行しないようになっている。
【0113】
また、準備中演出状態において正解操作態様関連表示が表示され、不正解操作態様で停止操作がされると、当該準備中演出状態において打順ナビ演出が実行される頻度(確率)が、正解操作態様関連表示の表示前に比べて低下するようになっている。換言すると、正解操作態様関連表示が表示された場合において、正解操作態様関連表示で指示される通りに停止操作がされないと、打順ナビ演出が実行される頻度(確率)が、低下するようになっている。なお、ここで「頻度(確率)が低下する」とは、打順ナビ演出が全く実行されないようになる場合を含む。具体的には、例えば、正解操作態様関連表示が表示されるまでの期間においては当選エリア「打順小役」に当選すると必ず打順ナビ演出が実行されるとともに、正解操作態様関連表示が実行され不正解操作態様で停止操作がされると、当選エリア「打順小役」に当選しても打順ナビ演出が実行されない場合が存在する(一切実行されない場合を含む)ようになることとしてもよい。なお、本実施形態では、このように不正解操作態様で停止操作がされた場合には、打順ナビ演出が実行される頻度が低下するが、当選エリア「打順小役」に当選する頻度(確率)は低下しないようになっている。
なお、打順ナビ演出が実行される頻度が低下するのは、準備中演出状態の開始後最初に正解操作態様関連表示が表示された遊技において不正解操作態様で停止操作がされた場合としてもよく、準備中演出状態における正解操作態様関連表示が表示された複数の遊技において不正解操作態様で停止操作がされた場合としてもよく、準備中演出状態における正解操作態様関連表示が表示された遊技において不正解操作態様で停止操作がされる毎としてもよい。また、正解操作態様関連表示が表示され、不正解操作態様で停止操作がされた場合に、打順ナビ演出が実行される頻度を低下させるか否かを決定する抽選を実行してもよい。
【0114】
本変形例の遊技機によれば、正解操作態様関連表示が表示された遊技において正解操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作がされると打順ナビ演出が実行される頻度が低下するので、意図的に正解操作態様とは異なる所定の操作態様で停止操作を行い、打順ナビ演出が実行される期間を長期化させるといった攻略性が生まれてしまうことを防止できる。
【0115】
なお、指示演出がされない遊技については予め定めた1つの操作態様で遊技を続けることとした場合の、出玉率の期待値が最も高くなる当該1つの操作態様を特定操作態様としたときに、7図柄は、特定操作態様で停止操作を行った場合に、少なくとも1つのリール(例えば第1リール20a)について所定の表示位置に表示されない(例えば、下段、中段および上段のいずれにも表示されない)図柄であることとしてもよい。すなわち、遊技機においては、所定の当選エリアに当選した場合に、所定のタイミングで所定の停止操作を行うと所定の小役を入賞させることが可能であるが、所定のタイミングで所定の停止操作を行わないと所定の小役を入賞させることができない(小役を取りこぼす)場合が存在することがある。換言すると、所定の当選エリアに当選した場合に、所定のタイミングで所定の停止操作を行うと所定の図柄を所定の表示位置に表示させることが可能であるが、所定のタイミングで所定の停止操作を行わないと所定の図柄を所定の表示位置に表示させることができない場合が存在することがある。例えば、本実施形態では、当選エリア「弱チェリー1」に当選した場合には、所定のタイミングでストップボタン26aを操作することで、所定の図柄としてのチェリー図柄(チェリーを図案化した図柄)が第1リール20aの下段に表示され3枚役が入賞する一方で、所定のタイミングでストップボタン26aが操作されないと、チェリー図柄が第1リール20aの下段に表示されず3枚役が入賞しない(1枚役が入賞するあるいはいずれの役も入賞しない)ようになっている。このため、指示演出がされない遊技においては、当選エリア「弱チェリー1」に当選していた場合のことを考え、チェリー図柄が第1リール20aの下段に表示可能となるタイミングでストップボタン26aを操作することが好ましく、このように遊技を行うことで、遊技全体を通しての出玉率の期待値を高くすることができる。すなわち、本実施形態では、第1リール20aには、当選エリア「弱チェリー1」の当選時に3枚役の取りこぼし(所定の表示位置にチェリー図柄が表示されないこと)を防止するための押下位置、いわゆるDDTポイントが設定されており、指示演出がされない遊技においては、DDTポイントで停止操作を行うDDT打法が推奨される。7図柄は、このようなDDTポイントでの停止操作を行った場合に、少なくとも1つのリール(例えば第1リール20a)について所定の表示位置に表示されない(例えば、下段、中段および上段のいずれにも表示されない)図柄となっていることが好ましい。換言すると、DDT打法で停止操作を行った場合、仮に当選エリア「リプレイ3」に当選していた場合であっても、特定停止態様としての7図柄が一直線上に並んで表示される停止態様でリール20a~20cが停止することがないように、リール20a~20c上における7図柄の配置(7図柄とチェリー図柄との配置関係)が設定されていることが好ましい。
このような構成によれば、正解操作態様関連表示が表示される遊技において惰性的に遊技が行われてしまうことを防止し、正解操作態様関連表示に対する遊技者の集中度を高めることができる。
なお、当選エリア「弱チェリー1」は、いわゆるレア役となっており、他の所定の当選エリア(例えば当選エリア「打順小役」の各当選エリアや当選エリア「リプレイ3」等)よりも当選確率が低くなっている。なお、当選エリア「弱チェリー1」は、停止操作の態様にかかわらず同一の枚数のメダルが払い出される当選エリアや、停止操作の態様にかかわらずリプレイが入賞する当選エリア等であってよい。
【0116】
本実施形態の遊技機は、
複数種類の図柄が配列された複数のリール20a~20cと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段42と、
停止操作に基づいて前記内部抽選の結果に応じた態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段43と、
第1演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態制御手段81と、
所定の役の入賞を補助する指示演出に関する制御を行う指示機能制御手段51と、
第1表示手段(主制御表示器19)と、
第2表示手段(液晶ディスプレイ13)と、を備え、
前記内部抽選において得られる当選態様には、第1当選態様(当選エリア「打順小役」あるいは当選エリア「リプレイ3」)が含まれ、
前記指示機能制御手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られ、所定の操作態様で前記停止操作(正解操作態様)が実行された場合に、前記指示演出に関する所定の特典を付与し、
前記第1表示手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られた場合に、前記所定の操作態様に関連する第1の表示(正解操作態様関連表示)を表示し、
前記第2表示手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られた場合に、前記所定の操作態様に関連する第2の表示(正解操作態様関連表示)を表示し、
前記第1表示手段が前記第1の表示を表示しているとともに前記第2表示手段が前記第2の表示を表示している状態において電断が発生し、当該電断から復帰すると、前記第1表示手段が前記第1の表示を表示しているとともに前記第2表示手段が前記第2の表示を表示していない状態となる
ことを特徴とする。
【0117】
本実施形態においては、第1表示手段が第1の表示を表示しているとともに第2表示手段が第2の表示を表示している状態において電断が発生し、当該電断から復帰した場合には、第2表示手段が第2の表示を表示していない状態となるので、電断から復帰する際に第2の表示を再開するための処理を行う必要が無く、処理負荷を軽減することができる。具体的には、電断から復帰する際にメイン制御基板31からサブ制御基板32に正解操作態様関連表示を再開させるための情報を送信する必要が無いので、電断から復帰する際の処理負荷を軽減できる。また、当該電断から復帰した場合には、第1表示手段が第1の表示を表示している状態となるので、遊技者は当該第1の表示に基づいて停止操作を行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、処理負荷を軽減することができるとともに、遊技者が指示演出に関する特典の獲得機会を失うことがないように適切な報知を行うことができる。
【0118】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンおよびメダルレス遊技機の遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンやメダルレス遊技機に限らず、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0119】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、あるいは任意の構成要素の変形、もしくは任意の構成要素の省略等が可能である。
【符号の説明】
【0120】
13 液晶ディスプレイ
18 主制御表示器
20a,20b,20c リール
42 内部抽選手段
43 リール制御手段
51 指示機能制御手段
81 演出状態制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-08-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄が配列された複数のリールと、
役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、
停止操作に基づいて前記内部抽選の結果に応じた態様でリールを停止させる制御を行うリール制御手段と、
第1演出状態および第2演出状態を含む複数種類の演出状態の間で演出状態を移行させる演出状態制御手段と、
所定の役の入賞を補助する指示演出に関する制御を行う指示機能制御手段と、
第1表示手段と、
第2表示手段と、を備え、
前記内部抽選において得られる当選態様には、正解役と、前記正解役とは異なる不正解役とに重複して当選する当選態様であって、得られた場合に正解順序で前記停止操作を行うと前記正解役が入賞可能であり、不正解順序で前記停止操作を行うと前記正解役が入賞不可能な複数種類の第1当選態様が含まれ、
前記正解役は、入賞した場合に、投入された遊技価値よりも多くの遊技価値が払い出される小役であり、
前記演出状態制御手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られ、所定の操作態様で前記停止操作が実行されたことに基づいて、演出状態を前記第1演出状態から前記第2演出状態へ移行させ
前記所定の操作態様には、前記第1当選態様が得られた場合に前記正解役が入賞となる操作態様が少なくとも含まれ、
前記第1表示手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られた場合に、前記所定の操作態様に関連する第1の表示を表示し、
前記第2表示手段は、前記第1演出状態における前記内部抽選において前記第1当選態様が得られた場合に、前記所定の操作態様に関連する第2の表示を表示し、
前記第1表示手段が前記第1の表示を表示しているとともに前記第2表示手段が前記第2の表示を表示している状態において電断が発生し、当該電断から復帰すると、前記第1表示手段が前記第1の表示を表示しているとともに前記第2表示手段が前記第2の表示を表示していない状態となり、
前記演出状態制御手段は、前記第1演出状態において、前記所定の操作態様で前記停止操作が実行される前であっても、演出状態を前記第1演出状態から前記第2演出状態へ移行させることが可能である
ことを特徴とする遊技機。