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  • 特開-棒状化粧料繰り出し容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131611
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】棒状化粧料繰り出し容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20230914BHJP
   A45D 40/04 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
A45D40/00 D
A45D40/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036468
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000140915
【氏名又は名称】株式会社カツシカ
(72)【発明者】
【氏名】湯下 大樹
(57)【要約】
【課題】 容器全長を極力細く、短くした棒状化粧料繰り出し容器に関し、棒状化粧料の上方充填に対応した棒状化粧料容器の提供を目的とする。
【解決手段】 紅筒は、紅皿の下端より脚筒が垂下し、脚筒に軸線方向に長く回転規制面及び雄ネジを設ける。脚筒が挿入される規制筒は、回転規制面に係合して紅筒を回動不能に摺動自在にする規制穴を穿設し、外側壁にガイド突部を突設する。規制筒を回動自在に脱落不能にしたネジ筒は、内側壁に紅筒の雄ネジが螺合する雌ネジを螺設し、外側壁に雄ネジを螺設する。ネジ筒が回動自在に挿入される基筒は、内側壁にネジ筒の雄ネジが螺合する雌ネジを螺設する。基筒の上部に回動自在に脱落不能に保持されるスリーブは、内側壁にガイド突部が係合して規制筒を摺動自在に回動不能に案内するガイド溝を軸線方向に長く、上端が紅筒の下降限の時紅皿の上端よりも下方に位置して刻設する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状化粧料(1)を保持する紅皿(21)の下端より脚筒(22)が垂下し、該脚筒(22)の外側壁に軸線方向に長く回転規制面(221)を設け、該回転規制面(221)以外の脚筒(22)外周壁に雄ネジ(222)を螺設した紅筒(2)と、
該紅筒(2)の脚筒(22)が挿入され、脚筒(22)の回転規制面(221)に係合して紅筒(2)を回動不能に上下摺動自在に案内する規制穴(31)を穿設し、外側壁にガイド突部(32)を突設した規制筒(3)と、
該規制筒(3)を上端に回動自在に脱落不能に保持し、内側壁に前記紅筒(2)の雄ネジ(222)が螺合する雌ネジ(43)を螺設し、外側壁に雄ネジ(421)を螺設したネジ筒(4)と、
該ネジ筒(4)が回動自在に挿入され、内側壁にネジ筒(4)の雄ネジ(421)が螺合する雌ネジ(51)を螺設した基筒(5)と、
該基筒(5)の上部に回動自在に脱落不能に保持され、前記棒状化粧料(1)、紅筒(2)、及び規制筒(3)を覆い、内側壁に前記規制筒(3)のガイド突部(32)が係合して規制筒(3)を上下摺動自在に回動不能に案内するガイド溝(721)を軸線方向に長く刻設したスリーブ(7)と、が主な構成要素となり、
前記紅筒(2)の下降限の時、前記ガイド溝(721)の上端が紅皿(21)の上端よりも下方に位置することを特徴とする棒状化粧料繰り出し容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は口紅、リップクリーム、スティックファンデーションなどの棒状化粧料を収容し、繰り出し機構により棒状化粧料を繰り上げする棒状化粧料繰り出し容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収容した棒状化粧料の下方に、棒状化粧料の繰り出し機構を配置した棒状化粧料繰り出し容器が知られている。この種の繰り出し容器は、容器外径を細くできる半面、容器全長が長くなってしまう欠点を有していた。そこで、特許文献1及び特許文献2に示すような、二重螺旋方式の棒状化粧料繰り出し容器が知られている。この種の繰り出し機構は、棒状化粧料繰り出し用のネジがアンテナ状に二重に畳んでいるため、繰り出し機構の長さを棒状化粧料の繰り出しストロークの1/2強の長さにすることができ、容器全長を短くすることができた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-239277
【特許文献2】実全昭51-47745
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の棒状化粧料繰り出し容器は、筒部材9(スリーブ)上部の棒状化粧料収容スペースの内側壁に、棒状化粧料を保持する皿部材18(紅皿)の係合片16が回動不能に上下摺動自在に係合するガイド溝11が設けられているため、熱融解した化粧料を流し込み、収容スペース形状の棒状化粧料に冷却固形化させる上方充填方式の充填方法には適さなかった。
【0005】
反対に、特許文献2の棒状化粧料繰り出し容器は、収納筒部1(スリーブ)上部の棒状化粧料収容スペースに凹凸がないため、上方充填方式の充填方法に対応できた。しかし、紅皿13を収納筒部1(スリーブ)内に回動不能に上下摺動自在に収容するため、収納筒部1と紅皿13の間に上下動筒10を配置して、特許文献1に示された筒部材9内のガイド溝11の代用としており、特許文献1の構成に比べ1パーツ増加してしまった。この構成は上下動筒10が収納筒部1と紅皿13の間に配設されるため、この種の容器が有していた容器外径を細くできる利点が失われてしまった。また、上下動筒10と収納筒部1とは係合突子2が軸線方向に長い縦割溝9に係合し、収納筒部1と紅皿13とは係合子12が軸線方向に長い縦溝15に係合して配設されている。つまり、上下動筒10は紅皿13の下降限時以外での上下動に対しての規制はなく、自由に上下に動き、カタカタ音を発する可能性があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、紅筒2と、規制筒3と、ネジ筒4と、基筒5と、スリーブ7とが主な構成要素となる棒状化粧料繰り出し容器である。
【0007】
紅筒2は、棒状化粧料1を保持する紅皿21の下端より脚筒22が垂下し、この脚筒22の外側壁に軸線方向に長く回転規制面221を設け、回転規制面221以外の外周壁に雄ネジ222を螺設する。この紅筒2の脚筒22が挿入される規制筒3は、脚筒22の回転規制面221に係合して紅筒2を回動不能に上下摺動自在に案内する規制穴31を穿設し、外側壁にガイド突部32を突設する。この規制筒3を上端に回動自在に脱落不能に保持したネジ筒4は、内側壁に前記紅筒2の雄ネジ222が螺合する雌ネジ43を螺設し、外側壁に雄ネジ421を螺設する。このネジ筒4が回動自在に挿入される基筒5は、内側壁にネジ筒4の雄ネジ421が螺合する雌ネジ51を螺設する。この基筒5の上部に回動自在に脱落不能に保持されるスリーブ7は、前記棒状化粧料1、紅筒2、及び規制筒3を覆い、内側壁に前記規制筒3のガイド突部32が係合して規制筒3を上下摺動自在に回動不能に案内するガイド溝721を軸線方向に長く、上端が紅筒2の下降限の時紅皿21の上端よりも下方に位置して刻設する。
【発明の効果】
【0008】
使用時には、スリーブ7と基筒5を相対回転すると、スリーブ7内のガイド溝721にガイド突部32が係合した規制筒3も従動する。更に規制筒3の規制穴31が回転規制面221に係合した紅筒2がスリーブと従動する。そして、紅筒2の雄ネジ222と螺合する雌ネジ43を有したネジ筒4の雄ネジ421が、相対回転する基筒5の雌ネジ51に螺合しているため、螺合作用によりネジ筒4及び紅筒2が上下摺動し、紅筒2に保持した棒状化粧料1を出没させる。
【0009】
紅筒2の回り止めを果たす規制筒3の規制穴31は、特許文献1の紅筒の係合片の位置よりも下方に位置し、しかも規制筒3のガイド突部32の移動距離は、特許文献1の係合片の移動距離の半分強となっている。そのためスリーブ7のガイド溝721の上端を、紅筒2が下降限の時の紅皿21の上端よりも下方に設ける事が可能となり、スリーブ7の棒状化粧料1の収容部71の内壁には何の凹凸もなく、上方よりの化粧料の直接充填が可能となっている。
【0010】
この規制筒3は、ネジ筒4の上端に直列に回動自在に保持されているため、特許文献2よりも細く、特許文献1と同じ太さで構成できる。ただし規制筒3がネジ筒4と直列に配置する関係で容器全長は、特許文献1に比べ規制筒3の高さプラスアルファ分長くなってしまう。しかも、この規制筒3はネジ筒に回動自在に脱落不能に保持されているため、規制筒3単体でのガタ付きは全くなく、カタカタ音を発する事もない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明実施例の棒状化粧料繰り出し容器の棒状化粧料及び紅筒の下降限時の正面断面図である。
図2図1に於けるA-A’断面図である。
図3】本発明実施例の棒状化粧料繰り出し容器の棒状化粧料及び紅筒の上昇限時の正面断面図である。
図4図3に於けるB-B’断面図である。
図5】本発明実施例の棒状化粧料の繰り出し機構の部分断面分解斜視図である。
【実施例0012】
本発明実施例棒状化粧料繰り出し容器について、図1図5によって説明する。本発明棒状化粧料繰り出し容器は、棒状化粧料1を収容し棒状化粧料1を上下摺動させる繰り出し機構11と、この繰り出し機構11を収容し意匠的な加飾が施された外装体12とより成っている。繰り出し機構11は、紅筒2、規制筒3、ネジ筒4、基筒5、スリーブ7、及び必要に応じてOリング6とより成っている。外装体12は、キャップ8、中筒9、及びハカマ筒10より成っている。
【0013】
まず、繰り出し機構11について説明する。紅筒2は、紅皿21と、紅皿21より垂下した脚筒22とより成っている。紅皿21は、内周壁に保持リブ211を設け、口紅、リップクリーム、スティックファンデーションなどの棒状化粧料1を保持する。脚筒22は、紅皿21より小径のパイプ状をしており、外側壁に一対の平面状の回転規制面221を軸線方向に長く設けている。その結果、脚筒22の径方向断面は円筒形状の両面に平面を設けた疑似トラック形状の非円形状をしている。この回転規制面221以外の脚筒22外周壁には、連続した左ネジの雄ネジ222を螺設している。この紅筒2の雄ネジ222は下端より始まっており、下部のネジ溝中にストッパー223を突設している。更に脚筒22の下端には、切り欠き224が設けられ、紅筒2のストッパー223が内方向にたわみ可能となっている。
【0014】
この紅筒2の脚筒22は、規制筒3の規制穴31に挿入されている。この規制穴31は、脚筒2の径方向断面形状と相似形状をしており、脚筒2の回転規制面221と係合して紅筒2を回動不能に上下摺動自在に案内している。この規制筒3外径は、前記紅筒2の紅皿21の外径とほぼ同径であり、この外周壁には4個のガイド突部32を均等に配置、突設している。この規制筒3の下部には円筒形状の連結部33が設けられ、この規制筒3の連結部33の下端よりは複数の切り欠き331を設けており、外径方向にたわみ可能となっている。更に、規制筒3の連結部33の下部内側壁には、連結リブ332を突設している。
【0015】
この規制筒3は、ネジ筒4の上部に回動自在に脱落不能に連結している。このネジ筒4の上部は、規制筒3の連結部33内径よりも僅かに小径で連結リブ332の内径よりも大径の被嵌部41が設けられ、規制筒3の連結リブ332が切り欠き331により外側に広がりながら乗り越え、係合している。
【0016】
このネジ筒4の被嵌部41の下方は、規制筒3の外径よりも小径のネジ部42となっている。このネジ部42には左ネジの雄ネジ421を螺設している。このネジ筒4の雄ネジ421は下端より始まっており、この下端のネジ溝中にストッパー422を突設している。更にネジ部42の下端には、切り欠き423が設けられ、ネジ筒4のストッパー422が内方向にたわみ可能となっている。
【0017】
また、ネジ筒4の内径は前記紅筒2の脚筒22の外径よりも大径で、規制筒3を貫通した脚筒22が挿入されている。このネジ筒4の上端内側壁には、紅筒2の雄ネジ222と螺合する雌ネジ43を螺設している。このネジ筒4の雌ネジ43は、凸状をしている。紅筒2の装着時には、ネジ筒4の雌ネジ43と紅筒2の雄ネジ222を螺合させ、ネジ筒4の雌ネジ43が紅筒2のストッパー223に当接した状態で更にねじ込むと、脚筒22下端が紅筒2の切り欠き224により内方向にたわんでネジ筒4の雌ネジ43が紅筒2のストッパー223を乗り越える。装着後は紅筒2のストッパー223にネジ筒4の雌ネジ43が当接し脱落しないようになっている。その結果、紅筒2は、紅筒2のストッパー223にネジ筒4の雌ネジ43が当接する位置から、紅筒2の紅皿21下面が規制筒3上面に当接する位置までの範囲で上下摺動する。
【0018】
基筒5はパイプ状をしており、内径が前記ネジ筒4のネジ部42外径よりも僅かに大径で、紅筒2の紅皿21の外径及び規制筒3の外径よりも小径になっており、ネジ筒4が回動自在に上下摺動自在に挿入可能で、規制筒3下面が当接するようになっている。この基筒5の上端内側壁には、ネジ筒4の雄ネジ421と螺合する雌ネジ51を螺設している。この基筒5の雌ネジ51は、凸状をしている。ネジ筒4の装着時には、基筒5の雌ネジ51とネジ筒4の雄ネジ421を螺合させ、基筒5の雌ネジ51がネジ筒4のストッパー422に当接した状態で更にねじ込むと、ネジ部42下端がネジ筒4の切り欠き423により内方向にたわんで基筒5の雌ネジ51がネジ筒4のストッパー422を乗り越える。装着後はネジ筒4のストッパー422に基筒5の雌ネジ51が当接し、脱落しないようになっている。その結果、ネジ棒4は、ネジ筒4のストッパー422に基筒5の雌ネジ51が当接する位置から、規制筒3の連結部33下面が基筒5の上面に当接する位置までの範囲で上下摺動する。
【0019】
基筒5の上部は、前記規制筒3のガイド突部32を含めた外径とほぼ同径の被嵌部52となっている。この被嵌部52の外周壁には嵌着溝521及び連結溝522が上下に刻設されている。この嵌着溝521には、NBR、エラストマーなどの弾性材より成形されたOリング6が巻着している。この基筒5の被嵌部52下方は外径が拡大した基部53となっている。
【0020】
スリーブ7はパイプ状をしており、前述した棒状化粧料1、紅筒2、規制筒3、ネジ筒4、及び基筒5の被嵌部52を覆っている。スリーブ7の内壁の、棒状化粧料1、紅筒2が相対した部位は収容部71となり、規制筒3が相対した部位は機構部72となり、基筒5の被嵌部52に相対した部位は連結部73となっている。スリーブ7の収容部71及び機構部72の内径は、前記紅筒2の紅皿21の外径及び規制筒3の外径と同径か僅かに大径になっている。スリーブ7の連結部73の内径は、収容部71及び機構部72より大径で、規制筒3のガイド突部32を含めた外径及び基筒5の被嵌部52の外径と同径か僅かに大径になっている。
【0021】
このスリーブ7の連結部73は基筒5の被嵌部52に嵌合しており、連結部73の内周壁には、連結リブ731を突設して基筒5の連結溝522に係合させ、基筒5とスリーブ7を回動自在に脱落不能に連結している。基筒5の嵌着溝521に巻着したOリング6は、スリーブ7の連結部73内壁に弾性を有して摺接し、基筒5とスリーブ7の相対回転時に摺動抵抗が発生する。この摺動抵抗により良好な回転繰り出し操作感に調整する。スリーブ7の機構部72は内側壁には、複数のガイド溝721を軸線方向に長く刻設している。このガイド溝721には、前記規制筒3のガイド突部32が係合して規制筒3を回動不能に上下摺動自在に案内している。
【0022】
その結果、スリーブ7と基筒5を相対回転させると、スリーブ7のガイド溝721にガイド突部32が係合した規制筒3も従動する。更に規制筒3の規制穴31に回転規制面221が係合した紅筒2従動する。その結果、紅筒2の雄ネジ222と螺合する雌ネジ43を有したネジ筒4の雄ネジ421が基筒5の雌ネジ51に螺合しているため、螺合作用により紅筒2及び規制筒3・ネジ筒4が上下摺動する。この紅筒2及び規制筒3・ネジ筒4の上下摺動中も、紅筒2の回転規制面221と規制筒3の規制穴31が回動不能に係合し、スリーブ7のガイド溝721と規制筒3のガイド突部32が回動不能に係合しているため、螺合作用が維持される。この紅筒2の上下摺動は、紅筒2のストッパー223にネジ筒4の凸状の雌ネジ43が当接し、ネジ筒4のストッパー422に基筒5の凸状の雌ネジ51が当接した時点で上昇限となり、紅筒2の紅皿21下面が規制筒3上面に当接し、規制筒3の連結部33下面が基筒5の上面に当接した時点で下降限となる。
【0023】
なお、従来であれば、特許文献1の様に紅皿21をスリーブ7内で回動不能に上下摺動自在に案内するガイド溝は、紅皿21のストロークに対応した長さが必要であるが、本発明のガイド溝721は、紅筒2を回動不能に上下摺動自在に案内する規制穴31を設けた規制筒3をスリーブ7内で回動自在に上下摺動自在に案内すればよく、特許文献1のガイド溝の長さに比べ、1/2強の長さで済み、しかも特許文献1のガイド溝よりも下方から始められる。つまり、ガイド溝721の上端は、紅筒2の下降限の時の紅皿21の上端よりも下方に位置し、スリーブ7の収容部71内には何ら凹凸がなく、溶融した化粧料を直接充填して収容部71内で棒状化粧料1に冷却固形化する棒状化粧料の直接充填方式に対応できるようになっている。
【0024】
次に前記繰り出し機構11を内装する外装体12について説明する。繰り出し機構11のスリーブ7下端より突出した基筒5の基部53は、外装体11の中筒9内に挿入止着している。この中筒9の下部はハカマ筒10内に止着されており、上部はハカマ筒10上端より突出して嵌合部91になっている。この時、繰り出し機構11のスリーブ7は、嵌合部91より突出している。キャップ8は、このスリーブ7を覆って、中筒9の嵌合部に着脱可能に嵌合している。そして、キャップ8を抜脱し露出した露出した繰り出し機構11のスリーブ7と外装体12のハカマ筒10を相対回転させることにより、中筒9を介してハカマ筒10に止着された繰り出し機構11の基筒5が従動してスリーブ7と相対回転し、棒状化粧料1の繰り上げ下げ操作が行える。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明実施例に於いては、紅筒2、規制筒3、ネジ筒4、基筒5、及びスリーブ7が主な構成要素より成る繰り出し機構11を外装体12に止着した構成を説明したが、繰り出し機構11を外装体12に着脱自在に係合させることによって、切り出し機構11がカートリッジとして、外装体12をホルダーとして、必要に応じて着脱できるカートリッジ式の棒状化粧料繰り出し容器とすることができる。
【0026】
本発明実施例に於いては、紅筒2の脚筒22外側面に一対の回転規制面221を軸方向に長く設ける事により、脚筒22の径方向断面を非円形状の略トラック形状とし、規制筒3の規制穴31を脚筒22の径方向断面と相似形状とし、紅筒2と規制筒3を上下摺動自在に回動不能に保持させているが、脚筒22の外周面に軸方向に長く凹溝を設けた回転規制面221とし、規制筒3の内周壁に回転規制面221の凹溝と係合する凸部を設けた規制穴31として紅筒2と規制筒2を上下摺動自在に回動不能に保持させる等、紅筒2と規制筒3を上下摺動自在に回動不能に保持する一般的な公知の構成が利用可能である。
【0027】
本発明実施例に於いては、図2及び図5に示したように、規制筒3のガイド突部32は、外周壁に4個均等に配置し、スリーブ7のガイド溝721は内周壁に8個均等に配置している。この規制筒3のガイド突部32は、1個以上、できれば2個以上外周壁に均等に配置する事が望ましい。また、規制筒3のガイド突部32が係合するスリーブ7のガイド溝721は、ガイド突部32の数と同数設けても、ガイド突部32の数の整数倍の数を内周壁に均等に配置しても良い。
【0028】
本発明実施例に於いては、規制筒3下部の連結部33の下端より切り欠き331を設け、この切り欠き331により連結リブ332を設けた連結部33を外径方向に広がり変形可能に構成し、この連結リブ332をネジ筒4の連結溝411に回動自在に脱落不能に係合させている。この構成は、規制筒3の下面周壁よりより、外径方向に変形可能な舌片状の連結部33を複数、均等に垂下し、この連結部33内壁に設けた連結リブ332を、ネジ筒4の連結溝411に回動自在に脱落不能に係合させても良い。
【0029】
本発明実施例に於いては、基筒5とスリーブ7との間にOリング6を挟み込み、このOリング6により、基筒5とスリーブ7間の相対回転時に摺動摩擦抵抗を生じさせ、高級感のある適度な重さを持った操作感に調整している。しかし、このOリング6がなくても繰り出し機構11として成立する。つまり、Oリング6をなくしてコストダウンする事も可能であり、コスト重視、品質重視でOリング6の有無を選択できる。
【符号の説明】
【0030】
1 棒状化粧料
2 紅筒
3 規制筒
4 ネジ筒
5 基筒
7 スリーブ
21 紅皿
22 脚筒
31 規制穴
32 ガイド突部
43 雌ネジ
51 雌ネジ
221 回転制御面
222 雄ネジ
421 雄ネジ
721 ガイド溝
図1
図2
図3
図4
図5