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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131617
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】キャビネット及び配線装置
(51)【国際特許分類】
   H02B 1/40 20060101AFI20230914BHJP
   H02B 1/30 20060101ALI20230914BHJP
   H02G 3/10 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
H02B1/40 B
H02B1/30 E
H02G3/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036482
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横井 佑司
【テーマコード(参考)】
5G211
5G361
【Fターム(参考)】
5G211AA18
5G211BB03
5G211BB10
5G211BB13
5G211CC03
5G211DD01
5G211DD04
5G211DD23
5G211DD25
5G211EE06
5G361AA02
5G361AB12
5G361AC02
5G361AC05
5G361AC09
5G361AD01
5G361AD03
(57)【要約】
【課題】本開示の課題は、扉を施錠しつつ外観上の見栄えの向上を図ることができるキャビネット及び配線装置を提供することである。
【解決手段】キャビネットC1は、前面に開口部を有する箱状のボックスと、ボックスに取り付けられて開口部を開閉可能に塞ぐ扉3と、を備える。扉3は、開口部を塞ぐ閉位置と開口部を開放する開位置の間で回転可能にボックスに保持される。ボックスは、錠9の掛け金91が引掛可能な第1引掛部を有する。扉3は、掛け金91が引掛可能な第2引掛部と、掛け金91を第1引掛部及び第2引掛部に引掛けて施錠した状態において前方から見て錠9の少なくとも一部を覆う覆い部300と、を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口部を有する箱状のボックスと、
前記ボックスに取り付けられて前記開口部を開閉可能に塞ぐ扉と、
を備え、
前記扉は、前記開口部を塞ぐ閉位置と前記開口部を開放する開位置の間で回転可能に前記ボックスに保持され、
前記ボックスは、錠の掛け金が引掛可能な第1引掛部を有し、
前記扉は、前記掛け金が引掛可能な第2引掛部と、前記掛け金を前記第1引掛部及び前記第2引掛部に引掛けて施錠した状態において前方から見て前記錠の少なくとも一部を覆う覆い部と、を有する、
キャビネット。
【請求項2】
前記覆い部は、前記錠の全部を覆う、
請求項1記載のキャビネット。
【請求項3】
前記ボックス又は前記扉は、施錠した状態の前記錠を収容する収容部を有する、
請求項1又は2記載のキャビネット。
【請求項4】
前記第1引掛部及び前記第2引掛部はそれぞれ、前記掛け金が挿通される穴又は溝を有し、前記穴又は溝に対する前記掛け金の挿通方向は、前記扉の回転軸の軸方向と平行である、
請求項1-3のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項5】
前記第1引掛部及び前記第2引掛部の少なくとも一方は、前記掛け金が挿通される溝を有する、
請求項1-4のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項6】
前記ボックスは、前記第1引掛部を複数有し、
前記第2引掛部は、前記複数の第1引掛部のうちで隣り合う2つの前記第1引掛部の間に配置可能である、
請求項1-5のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項7】
前記ボックスは、隣り合う2つの前記第1引掛部の間に、前記第2引掛部の一部が嵌まる嵌合部を有する、
請求項6記載のキャビネット。
【請求項8】
前記扉は、前記第2引掛部を複数有し、
前記第1引掛部は、前記複数の第2引掛部のうちで隣り合う2つの前記第2引掛部の間に配置可能である、
請求項1-5のいずれか1項に記載のキャビネット。
【請求項9】
前記扉は、隣り合う2つの前記第2引掛部の間に、前記第1引掛部の一部が嵌まる嵌合部を有する、
請求項8記載のキャビネット。
【請求項10】
請求項1-9のいずれかのキャビネットと、
前記キャビネットに収容される電気機器と、
を有し、
前記電気機器は、少なくとも配線用遮断器を含む、
配線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、キャビネット及び配線装置に関し、より詳細には、扉付きのキャビネット及び当該キャビネットを備える配線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来例として特許文献1記載の電気機器収納用箱体(キャビネット)を例示する。特許文献1記載の電気機器収納用箱体は、前面に開口を有する箱本体と、箱本体の開口を開閉する扉体とを備える。
【0003】
扉体は、外周縁部が後側へ折り曲げられてなり、箱本体に対し右側部を軸として片開き自在となっている。扉体の左側面部に使用者が回動操作可能なハンドルが設置され、箱本体の水切り部の左部表面にハンドルが係合可能な受け具が設置されている。
【0004】
ハンドルの前面の下端部には、南京錠の掛け金を挿通させるための錠用切り欠きが設けられている。そして、扉体を閉じた状態で南京錠の掛け金を錠用切り欠きに挿通させて、南京錠が施錠されると、扉体が閉塞状態でロックされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-22829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1記載の従来例では、扉体をロックした状態では南京錠がむき出しの状態にあるために外観上の見栄えがよくないという問題があった。
【0007】
本開示の目的は、扉を施錠しつつ外観上の見栄えの向上を図ることができるキャビネット及び配線装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係るキャビネットは、前面に開口部を有する箱状のボックスと、前記ボックスに取り付けられて前記開口部を開閉可能に塞ぐ扉と、を備える。前記扉は、前記開口部を塞ぐ閉位置と前記開口部を開放する開位置の間で回転可能に前記ボックスに保持される。前記ボックスは、錠の掛け金が引掛可能な第1引掛部を有する。前記扉は、前記掛け金が引掛可能な第2引掛部と、前記掛け金を前記第1引掛部及び前記第2引掛部に引掛けて施錠した状態において前方から見て前記錠の少なくとも一部を覆う覆い部と、を有する。
【0009】
本開示の一態様に係る配線装置は、前記キャビネットと、前記キャビネットに収容される電気機器と、を有する。前記電気機器は、少なくとも配線用遮断器を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示のキャビネット及び配線装置は、扉を施錠しつつ外観上の見栄えの向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の実施形態に係る配線装置及びキャビネットの扉を閉じた状態の正面図である。
図2図2は、同上の配線装置及びキャビネットの扉を開いた状態の正面図である。
図3図3は、同上の配線装置及びキャビネットの扉を閉じた状態の下面図である。
図4図4は、同上の配線装置及びキャビネットの分解斜視図である。
図5図5は、同上のキャビネットを示し、扉を閉じる前の要部の斜視図である。
図6図6は、同上のキャビネットを示し、扉を閉じた後の要部の斜視図である。
図7図7は、同上のキャビネットにおける扉の斜視図である。
図8図8は、同上の配線装置の施工状況を示す概略図である。
図9図9は、同上の配線装置の扉と中蓋を外した状態の正面図である。
図10図10は、同上のキャビネットの変形例1の正面図である。
図11図11は、同上のキャビネットの変形例1の背面図である。
図12図12は、同上のキャビネットの変形例2の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態に係るキャビネット及び配線装置について、図面を参照して詳細に説明する。ただし、下記の実施形態において説明する各図は模式的な図であり、各構成要素の大きさ及び厚さのそれぞれの比が必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。なお、以下の実施形態で説明する構成は本開示の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0013】
(1)概要
実施形態に係るキャビネットC1は、前面に開口部21を有する箱状のボックスB1と、ボックスB1に取り付けられて開口部21を開閉可能に塞ぐ扉3と、を備える(図1図3参照)。扉3は、開口部21を塞ぐ閉位置(図1及び図3参照)と開口部21を開放する開位置(図2参照)の間で回転可能にボックスB1に保持される。ボックスB1は、錠9の掛け金91が引掛可能な第1引掛部22を有する。扉3は、掛け金91が引掛可能な第2引掛部32と、掛け金91を第1引掛部22及び第2引掛部32に引掛けて施錠した状態において前方から見て錠9の少なくとも一部を覆う覆い部300と、を有する。
【0014】
また、実施形態に係る配線装置A1は、実施形態に係るキャビネットC1と、実施形態に係るキャビネットC1に収容される電気機器5(図2参照)と、を有する。電気機器5は、少なくとも配線用遮断器を含む。
【0015】
しかして、実施形態に係るキャビネットC1及び配線装置A1は、ボックスB1の第1引掛部22と扉3の第2引掛部32に錠9の掛け金91を引掛けて扉3を施錠し、扉3が不用意に開けられることを防ぐことができる。しかも、実施形態に係るキャビネットC1及び配線装置A1は、扉3が施錠された状態において、覆い部300が、前方から見て錠9の少なくとも一部を覆うので、従来例のように錠が全体的に露出している場合に比べて、外観上の見栄えの向上を図ることができる。
【0016】
(2)実施形態に係る配線装置の詳細
実施形態に係る配線装置A1(以下、配線装置A1と略す。)は、図8に示すように、住宅H1の屋側(外壁の表面)に設置される。住宅H1の屋側には、配線装置A1とともに、電力量計M1及び電気自動車用の充電器F1が設置される。
【0017】
電力量計M1は、柱上変圧器D1から住宅H1に引き込まれる引込線E1と電気的に接続される。電力量計M1は、第1の幹線X1によって配線装置A1と電気的に接続される。引込線E1及び第1の幹線X1には、単相3線式電路の2本の電圧側線と1本の中性線を含む、屋外配線用の3芯の電気ケーブルが用いられる。電力量計M1は、引込線E1から第1の幹線X1を通して住宅H1及び充電器F1に供給される電力量を計測する。
【0018】
充電器F1は、筐体F10と、充電ケーブルF11と、充電コネクタF12と、を有している。筐体F10は、充電制御装置を収容して住宅H1の屋側に取り付けられる。充電ケーブルF11は、筐体F10から引き出されている。充電ケーブルF11の先端に充電コネクタF12が設けられている。充電コネクタF12は、電気自動車(プラグインハイブリッド電気自動車を含む。以下、同じ。)の充電インレットに対して挿抜可能に接続される。
【0019】
充電制御装置は、充電コネクタF12及び充電ケーブルF11を介して電気自動車の充電制御ECU(Electronic Control Unit)と通信し、充電制御ECUの指示に基づいて、充電ケーブルF11への給電の入切等を制御する。
【0020】
配線装置A1は、第3の幹線X3によって充電器F1と電気的に接続される。また、配線装置A1は、第2の幹線X2によって住宅用分電盤(以下、住宅盤と略す。)G1と電気的に接続される。
【0021】
住宅盤G1は、住宅H1の屋内に設置される。住宅盤G1は、1台の主開閉器G11と、複数台の分岐開閉器G12と、を有している。第2の幹線X2には、VVFケーブルなどの屋内配線用の3芯の電気ケーブルが用いられる。第2の幹線X2は、主開閉器G11の1次側端子と電気的に接続される。
【0022】
配線装置A1は、実施形態に係るキャビネットC1(以下、キャビネットC1と略す。)と、キャビネットC1に収容される複数の電気機器5と、を備えている(図9参照)。
【0023】
実施形態における電気機器5は、複数の配線用遮断器、複数の端子台、避雷器、複数のヒューズホルダなどを含む。
【0024】
第1の開閉器51は、配線用遮断器で構成されている。ただし、第1の開閉器51は、漏電遮断器で構成されてもよい。第1の開閉器51は、3つの1次側端子511と、3つの2次側端子512と、を有している。3つの1次側端子511のそれぞれに、3本の第1の幹線X1が1本ずつ電気的に接続される。ただし、3本の第1の幹線X1のうちの電圧側線に対応する2本の第1の幹線X1が両端の2つの1次側端子511に1本ずつ接続され、中性線に対応する残り1本の第1の幹線X1が中央の1次側端子511に接続される。つまり、第1の開閉器51の1次側端子511は、第1の幹線X1を介して電力量計M1と電気的に接続される。
【0025】
第1の開閉器51の3つの2次側端子512は、3つの第1の電路57Aと1つずつ電気的に接続される。また、第1の開閉器51の3つの2次側端子512のうちの両端の2つの2次側端子512が2つの第2の電路57Bと1つずつ電気的に接続される。つまり、2つの第2の電路57Bは、第1の開閉器51を介して、電圧側線に対応する2本の第1の幹線X1と電気的に接続されることになる。
【0026】
第1端子台53は、3対のねじ端子を有している。これら3対のねじ端子はそれぞれ、3枚の導電板を介して導通している。ただし、各対のねじ端子及び導電板同士は、互いに電気的に絶縁されている。3つのねじ端子には、3つの第1の電路57Aが1つずつ電気的に接続される。また、それぞれの対になる3つのねじ端子には、3本の第2の幹線X2が1本ずつ電気的に接続される。つまり、3つの第1の電路57Aは、第1端子台53を介して、3本の第2の幹線X2と1本ずつ電気的に接続される。
【0027】
第2の開閉器52は、第1の開閉器51と同様に配線用遮断器で構成されている。ただし、第2の開閉器52は、漏電遮断器で構成されてもよい。第2の開閉器52は、2つの1次側端子521と、2つの2次側端子522と、を有している。2つの1次側端子521のそれぞれに、2つの第2の電路57Bが1つずつ電気的に接続される。また、2つの2次側端子522のそれぞれに2つの第3の電路57Cが1つずつ電気的に接続される。
【0028】
第2端子台54は、3対のねじ端子を有している。これら3対のねじ端子はそれぞれ、3枚の導電板を介して導通している。ただし、各対のねじ端子及び導電板同士は、互いに電気的に絶縁されている。2つのねじ端子には、2つの第3の電路57Cが1つずつ電気的に接続される。さらに、これら2つのねじ端子には、2つの第4の電路57Dが1つずつ電気的に接続される。また、それぞれの対になる2つのねじ端子には、2本の第3の幹線X3が1本ずつ電気的に接続される。つまり、2つの第3の電路57C及び2つの第4の電路57Dはそれぞれ、第2端子台54を介して、2本の第3の幹線X3と1本ずつ電気的に接続される。
【0029】
避雷器55は、2つの入力端子551と、1つの接地端子552と、アレスタ及びバリスタと、を備えている。アレスタ及びバリスタは、各入力端子551と接地端子552の間に直列に挿入される。避雷器55は、アレスタによって大きなサージ電圧のエネルギを吸収しつつ、バリスタによって続流を抑制する。2つの入力端子551は、2つの第4の電路57Dと1つずつ電気的に接続される。接地端子552は、第5の電路57Eを介して第2端子台54のねじ端子と電気的に接続される。第2端子台54のねじ端子は、接地線と電気的に接続される。なお、接地線は、住宅H1の外(屋外)においてD種接地工事によって大地に接地される。
【0030】
ヒューズホルダ56は、2つの第4の電路57Dの途中に1つずつ挿入されるヒューズを保持している。
【0031】
(3)実施形態に係るキャビネットの詳細
キャビネットC1は、ボックスB1と、扉3と、中蓋4と、を備える(図1図4参照)。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、図4に矢印で示す前後、上下、左右の各方向をキャビネットC1の前後、上下、左右の各方向と定義する。
【0032】
(3-1)ボックス
ボックスB1は、ベース1と、枠体2と、を有する。
【0033】
ベース1は、ポリカーボネート樹脂などの自己消化性を有する合成樹脂材料により、四辺形の板状に形成されている(図4参照)。ベース1の前面に取付板58が固定される。取付板58は、金属板によって四辺形の板状に形成されている。取付板58の前面に、電気機器5(第1の開閉器51、第2の開閉器52、第1端子台53、第2端子台54、避雷器55、及び2つのヒューズホルダ56)が取り付けられる(図4参照)。なお、取付板58は、ねじ止め、かしめなどの適宜の固定方法によってベース1の前面に固定される。
【0034】
ベース1は、取付板58よりも下の部分に複数(図示例では4つ)の引込み口10を有している。これらの引込み口10には第1の幹線X1、第2の幹線X2、第3の幹線X3が挿通可能である。
【0035】
枠体2は、ポリカーボネート樹脂などの自己消化性を有する合成樹脂材料により、開口部21を囲む4つの側板20を有して四辺形の枠状に形成されている。ここで、開口部21の上下左右にそれぞれに位置する側板20を、上側板20U、下側板20D、左側板20L、及び右側板20Rと呼ぶ場合がある。
【0036】
また、枠体2は、ひさし部23、及び3つの壁部24(左壁部24L、右壁部24R、及び下壁部24D)を有している。
【0037】
上側板20Uは、円弧状に湾曲している。ひさし部23は、上側板20Uと同様に円弧状に湾曲した板状に形成され、上側板20Uの前端から前方へ突出している。上側板20Uとひさし部23の境界付近に複数(図示例では3つ)の第1の軸受け部25が設けられている(図4参照)。
【0038】
左壁部24Lは、斜辺が円弧状に湾曲した台形状に形成され、左側板20Lの前端から前方へ突出している。なお、左壁部24Lの外表面における上部前端に、左向きに突出するストッパ片240が設けられている。
【0039】
右壁部24Rは、斜辺が円弧状に湾曲した台形状に形成され、右側板20Rの前端から前方へ突出している。なお、右壁部24Rの外表面における上部前端にも、右向きに突出するストッパ片240が設けられている。
【0040】
下壁部24Dは、下側板20Dの前端から前方へ突出している。下壁部24Dの左右方向の両端に、それぞれ係止部242が1つずつ設けられている。これら2つの係止部242は、角柱状に形成されて下壁部24Dの下面から下向きに突出している(図2参照)。また、下壁部24Dの左右方向の中央に第1凹部200が設けられている。第1凹部200は、上に向かって半長円形状に凹んだ下壁部24Dの中央部分と、下側板20Dの左右方向の中央部分の前端と下壁部24Dの中央部分の後端をつないでいる平板状の底部201と、で構成されている(図2参照)。
【0041】
ここで、第1凹部200には、一対の第1引掛部22が設けられている(図5参照)。一対の第1引掛部22はそれぞれ、左右方向から見て逆L字形に形成されており、第1凹部200における下壁部24Dの下面から下向きに突出している。なお、一対の第1引掛部22は、左右方向において所定の隙間を空けて平行に並んでいる(図5参照)。
【0042】
さらに、底部201の前面に嵌合部241が設けられている。嵌合部241は、底部201の前面において、一対の第1引掛部22の間から底部201の下端まで達する溝状に形成されている(図5参照)。
【0043】
枠体2は、ベース1の前面に取り付けられる。なお、枠体2とベース1の固定は、ねじ止めなどの適宜の方法で固定される。
【0044】
(3-2)扉
扉3は、ボックスB1の開口部21と対向する前壁30と、前壁30の周縁からボックスB1に向かって突出する周壁31と、を有する(図4及び図7参照)。なお、前壁30と周壁31は、ポリカーボネート樹脂などの自己消化性を有する合成樹脂材料によって一体に形成されている。
【0045】
前壁30は、四辺形の板状であり、かつ、前方へ突出するように弧状に湾曲している。そして、前壁30の周縁から後方に向かって周壁31が突出している。なお、前壁30の上下左右のそれぞれの端から突出する周壁31を、上壁31U、下壁31D、左壁31L、右壁31Rと呼ぶ場合がある。
【0046】
上壁31Uは、円弧状に湾曲している。上壁31Uの後端に3組の第2の軸受け部33が設けられている(図7参照)。これら3組の第2の軸受け部33は、枠体2の3つの第1の軸受け部25と一対一に対応し、各第1の軸受け部25とともに回転軸を回転可能に支持する。
【0047】
左壁31Lは、斜辺が円弧状に湾曲した台形状に形成され、前壁30の左端から後方へ突出している。なお、左壁31Lの内表面(右側面)の上部において、前後方向を長手方向とするリブ310が右向きに突出している(図7参照)。
【0048】
右壁31Rは、斜辺が円弧状に湾曲した台形状に形成され、前壁30の右端から後方へ突出している。なお、右壁31Rの内表面(左側面)の上部において、前後方向を長手方向とするリブ310が左向きに突出している(図7参照)。
【0049】
下壁31Dは、前壁30の下端から後方へ突出している。下壁31Dの左右方向の両端における後端から、それぞれ係止片34が1つずつ後方に突出している。各係止片34の先端には、上向きに突出する係止爪340が設けられている(図7参照)。また、下壁31Dの左右方向の中央に第2凹部311が設けられている。第2凹部311は、上に向かって半長円形状に凹んだ下壁31Dの中央部分と、半長円形状に凹んだ下壁31Dの中央部分に囲まれた前壁30の下端部分(以下、覆い部300と呼ぶ。)と、で構成されている(図7参照)。
【0050】
扉3は、第2引掛部32を有している。第2引掛部32は、前壁30の覆い部300の後面に設けられている(図7参照)。第2引掛部32は、先端(後端)が半円形である短冊形に形成され、板厚の方向を左右方向に一致させるようにして前壁30の後面(覆い部300の後面)から後方に突出している。なお、第2引掛部32の先端部(後端部)には、板厚方向(左右方向)に関する丸穴320が形成されている。
【0051】
(3-3)中蓋
中蓋4は、ポリカーボネート樹脂などの自己消化性を有する合成樹脂材料によって四辺形の平板状の形成されている(図4参照)。中蓋4は、電気機器5を前方から覆うようにボックスB1の開口部21内に配置される(図2参照)。中蓋4には複数の窓40が設けられている。これらの窓40は、第1の開閉器51、第2の開閉器52、避雷器55、及びヒューズホルダ56と対向している。すなわち、第1の開閉器51及び第2の開閉器52のそれぞれのハンドルが窓40を通して操作可能である。また、避雷器55の動作状態が窓40を通して確認可能である。さらに、ヒューズホルダ56のヒューズの交換作業が窓40を通して実施可能である。なお、中蓋4の下端における左右方向の中央に切欠41が設けられており、この切欠41にボックスB1の第1凹部200が収まる。
【0052】
(4)実施形態に係る配線装置の施工手順
次に、配線装置A1の施工手順を説明する。ただし、以下に説明する施工手順は一例であり、幾つかの手順の順序を入れ替えることも可能である。
【0053】
施工作業を行う作業者は、取付板58を取り外したボックスB1を住宅H1の外壁に取り付ける。このとき、作業者は、住宅H1の外壁を貫通する穴を通して住宅H1の屋内から引き出した第2の幹線X2を、ベース1のいずれかの引込み口10に挿通してボックスB1内に引き込む。
【0054】
続いて、作業者は、扉3を開けた状態で、あらかじめ取り外しておいた取付板58をボックスB1内に収めてベース1に取り付ける。このとき、ボックスB1の左右の壁部(左壁部24L及び右壁部24R)の内側面に設けられた一対のリブ310が、扉3の周壁31(左壁31L及び右壁31R)に設けられた一対のストッパ片240と接触する。その結果、扉3は、一対のリブ310と一対のストッパ片240の間にはたらく摩擦力によって、任意の開き角度で保持されることが可能である。
【0055】
その後、作業者は、引込み口10から引き込んだ第2の幹線X2を、第1端子台53のねじ端子に電気的に接続する。また、作業者は、下側板20Dに設けられた引込み口から引き込んだ第1の幹線X1を、第1の開閉器51の1次側端子511に電気的に接続する。さらに、作業者は、下側板20Dの別の引込み口10から引き込んだ第3の幹線X3を、第2端子台54のねじ端子に電気的に接続する。また、作業者は、第3の引込み口から引き込んだ接地線を、第2端子台54のねじ端子に電気的に接続する。
【0056】
続いて、作業者は、扉3を下向きに回転させて扉3を閉じる。このとき、作業者は、扉3の一対の係止片34の先端の係止爪340を、下壁部24Dの一対の係止部242に係止させる。これにより、扉3は、ボックスB1の開口部21を塞ぐ位置(閉位置)で保持される。
【0057】
また、扉3が閉位置で保持されているとき、扉3の第2引掛部32がボックスB1の一対の第1引掛部22の間に挿入される(図6参照)。このとき、第2引掛部32の先端(後端)が、ボックスB1の底部201の前面に設けられた嵌合部241と嵌合する。その結果、第2引掛部32の左右方向の動きが規制される。
【0058】
続いて、作業者は、錠9(南京錠)の掛け金91を第1引掛部22の溝220(図6参照)及び第2引掛部32の丸穴320に挿通した後、掛け金91を錠本体90に差し込んで施錠する。しかして、扉3が錠9で施錠されることにより、鍵を用いて錠9が解錠されない限り、扉3が閉位置から開位置(図2参照)に回転されることが防止できる。
【0059】
以上の手順で配線装置A1の施工作業が完了する。
【0060】
(5)実施形態に係るキャビネットの作用効果
キャビネットC1は、扉3が錠9で施錠された状態(施錠状態)において、扉3の前壁30の一部分である覆い部300によって、前方から見て錠9の一部(掛け金91)を覆っている(図1参照)。そのため、キャビネットC1は、従来例のように錠が全体的に露出している場合に比べて、外観上の見栄えの向上を図ることができる。
【0061】
ここで、第1引掛部22の溝220に対する掛け金91の挿通方向、及び第2引掛部32の丸穴320に対する掛け金91の挿通方向は、いずれも扉3の回転軸の軸方向(左右方向)と平行である。すなわち、第1引掛部22及び第1の軸受け部25が、合成樹脂の成形体として枠体2と一体に形成される場合、第1引掛部22の溝220に対する掛け金91の挿通方向と扉3の回転軸の軸方向を平行にすることによって、枠体2の成形用の金型の設計の容易化を図ることができる。同様に、第2引掛部32及び第2の軸受け部33が、合成樹脂の成形体として扉3と一体に形成される場合、第2引掛部32の丸穴320に対する掛け金91の挿通方向と扉3の回転軸の軸方向を平行にすることによって、扉3の成形用の金型の設計の容易化を図ることができる。
【0062】
また、第1引掛部22において掛け金91が挿通される部位が、穴ではなく溝220であるので、穴を形成する場合に比べて、枠体2の成形用の金型の設計の更なる容易化を図ることができる。ただし、第1引掛部22に穴が形成され、第2引掛部32に溝が形成されても構わない。
【0063】
さらに、キャビネットC1は、ボックスB1(枠体2)に複数(2つ)の第1引掛部22が設けられ、隣り合う2つの第1引掛部22の間に第2引掛部32が配置される(図6参照)。これにより、キャビネットC1は、錠9の掛け金91が引掛けられた状態における第1引掛部22及び第2引掛部32の強度の向上を図ることができる。
【0064】
また、ボックスB1(枠体2)の底部201に嵌合部241が設けられている。嵌合部241は、底部201の前面における2つの第1引掛部22の間に位置している。しかして、扉3が閉位置で保持されているとき、扉3の第2引掛部32の先端(後端)が嵌合部241と嵌合するため、第2引掛部32の左右方向の動きが規制される。その結果、キャビネットC1は、第2引掛部32の丸穴320に掛け金91が挿通される際の作業性の向上を図ることができる。
【0065】
ところで、キャビネットC1は、第1引掛部22がボックスB1(枠体2)に1つだけ設けられ、第2引掛部32が扉3に複数設けられ、隣り合う2つの第2引掛部32の間に1つの第1引掛部22が配置されても構わない。この場合においても、キャビネットC1は、錠9の掛け金91が引掛けられた状態における第1引掛部22及び第2引掛部32の強度の向上を図ることができる。なお、この場合、扉3の後面における端部(覆い部300)において、隣り合う2つの第2引掛部32の間に嵌合部(溝)が設けられても構わない。しかして、キャビネットC1は、扉3が閉位置で保持されているとき、ボックスB1の第1引掛部22の先端(前端)が扉3の嵌合部と嵌合するため、第1引掛部22の左右方向の動きが規制される。その結果、キャビネットC1は、第1引掛部22に掛け金91を引掛ける際の作業性の向上を図ることができる。
【0066】
なお、上述したキャビネットC1の作用効果は、キャビネットC1を備える配線装置A1も奏することが可能である。
【0067】
(6)変形例
次に、実施形態に係るキャビネットC1の幾つかの変形例を説明する。ただし、各変形例のキャビネットC1の基本構成は、実施形態に係るキャビネットC1の基本構成と共通である。したがって、実施形態に係るキャビネットC1と共通の構成要素には同一の符号を付して適宜図示及び説明を省略する。
【0068】
(6-1)変形例1
変形例1のキャビネットC1は、前方から見て覆い部301が錠9の全部を覆う点に特徴がある(図10参照)。
【0069】
変形例1における覆い部301は、実施形態における覆い部300と、扉3の下壁31Dにおける左右方向の中央から下向きに突出する補助覆い部302と、を含んでいる。補助覆い部302は、四辺形の箱状に形成されている(図10及び図11参照)。なお、補助覆い部302は、合成樹脂材料によって扉3と一体に形成されることが好ましい。
【0070】
しかして、変形例1のキャビネットC1は、扉3に設けられた覆い部301が錠9の全部を覆うので、覆い部300が錠9の一部のみを覆う実施形態のキャビネットC1と比較して、外観上の見栄えの更なる向上を図ることができる。
【0071】
(6-2)変形例2
変形例2のキャビネットC1は、ボックスB1(枠体2)に、施錠した状態の錠9を収容する収容部26が設けられている点に特徴がある(図12参照)。
【0072】
収容部26は、枠体2の下側板20D及び下壁部24Dの左右方向の中央に設けられた凹所である。収容部26は、錠9の錠本体90と掛け金91の大部分が収容可能な大きさに形成されている。なお、収容部26は、第1凹部200の底部201とつながっている。
【0073】
ここで、下側板20Dにおける収容部26の左右両側の縁に、収容部26に収容された錠9を支持する一対の支持部材260が設けられている。各支持部材260は、合成樹脂材料により、長手方向(前後方向)から見た平面視の形状がZ形の板状に形成されている。各支持部材260の長手方向の両端面(前端面及び後端面)に軸が設けられている。各支持部材260は、長手方向の両端面に設けられた軸が、下側板20Dに設けられた一対の軸穴に1つずつ嵌め込まれることにより、下側板20Dに対して回転可能に取り付けられる。詳しく説明すると、一対の支持部材260は、下から見て収容部26の左右両側の縁から収容部26に向かって一部が突出する第1の位置(図12参照)と、下から見て収容部26の左右両側の縁から突出しない第2の位置と、の間で回転可能である。
【0074】
変形例2のキャビネットC1において、扉3を施錠した状態の錠9が上向きに押し上げられると、一対の支持部材260が錠本体90に上向きに押されて第2の位置まで回転する。そして、錠本体90が支持部材260を通り越して収容部26に収容されると、一対の支持部材260が第2の位置から第1の位置に復帰する。そして、変形例2のキャビネットC1は、第2の位置に復帰した一対の支持部材260で錠本体90を下から支持させることにより、錠9を収容部26に収容した状態に維持することができる(図12参照)。なお、収容部26から錠9を取り出す場合、錠本体90を上に持ち上げた状態で一対の支持部材260を第2の位置から第1の位置に回転させればよい。
【0075】
しかして、変形例2のキャビネットC1によれば、収容部26に収容された錠9がキャビネットC1の前方からは見えなくなるので、外観上の見栄えの更なる向上を図ることができる。
【0076】
なお、変形例2のキャビネットC1において、一対の支持部材が合成ゴムで形成されても構わない。合成ゴムで形成される支持部材は、下から見て収容部26の左右両側の縁から収容部26に向かって一部が突出する状態で下側板20Dに固定される。
【0077】
しかして、扉3を施錠した状態の錠9が上向きに押し上げられると、一対の支持部材260が錠本体90に上向きに押されて撓む。そして、錠本体90が撓んだ支持部材260を通り越して収容部26に収容されると、一対の支持部材260が元の状態に復帰する。そして、元の状態に復帰した一対の支持部材260で錠本体90が下から支持されることにより、錠9が収容部26に収容された状態に維持される。なお、収容部26から錠9を取り出す場合、錠9を下に引っ張って一対の支持部材260を撓ませればよい。
【0078】
(7)まとめ
本開示の第1の態様に係るキャビネット(C1)は、前面に開口部(21)を有する箱状のボックス(B1)と、ボックス(B1)に取り付けられて開口部(21)を開閉可能に塞ぐ扉(3)と、を備える。扉(3)は、開口部(21)を塞ぐ閉位置と開口部(21)を開放する開位置の間で回転可能にボックス(B1)に保持される。ボックス(B1)は、錠(9)の掛け金(91)が引掛可能な第1引掛部(22)を有する。扉(3)は、掛け金(91)が引掛可能な第2引掛部(32)と、掛け金(91)を第1引掛部(22)及び第2引掛部(32)に引掛けて施錠した状態において前方から見て錠(9)の少なくとも一部を覆う覆い部(300;301)と、を有する。
【0079】
第1の態様に係るキャビネット(C1)は、扉(3)が有する覆い部(300;301)によって、前方から見て錠(9)の一部(掛け金91)を覆うので、従来例のように錠が全体的に露出している場合に比べて、外観上の見栄えの向上を図ることができる。
【0080】
本開示の第2の態様に係るキャビネット(C1)は、第1の態様との組合せにより実現され得る。第2の態様に係るキャビネット(C1)において、覆い部(301)は、錠(9)の全部を覆うことが好ましい。
【0081】
第2の態様に係るキャビネット(C1)は、覆い部(301)が錠(9)の全部を覆うので、外観上の見栄えの更なる向上を図ることができる。
【0082】
本開示の第3の態様に係るキャビネット(C1)は、第1又は第2の態様との組合せにより実現され得る。第3の態様に係るキャビネット(C1)において、ボックス(B1)又は扉(3)は、施錠した状態の錠(9)を収容する収容部(26)を有することが好ましい。
【0083】
第3の態様に係るキャビネット(C1)は、収容部(26)に収容された錠(9)が前方からは見えなくなるので、外観上の見栄えの更なる向上を図ることができる。
【0084】
本開示の第4の態様に係るキャビネット(C1)は、第1-第3のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第4の態様に係るキャビネット(C1)において、第1引掛部(22)及び第2引掛部(32)はそれぞれ、掛け金(91)が挿通される穴(丸穴320)又は溝(220)を有することが好ましい。穴又は溝(220)に対する掛け金(91)の挿通方向は、扉(3)の回転軸の軸方向と平行であることが好ましい。
【0085】
第4の態様に係るキャビネット(C1)は、ボックス(B1)及び扉(3)が合成樹脂成形体で形成される場合において、成形用の金型の設計の容易化を図ることができる。
【0086】
本開示の第5の態様に係るキャビネット(C1)は、第1-第4のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第5の態様に係るキャビネット(C1)において、第1引掛部(22)及び第2引掛部(32)の少なくとも一方は、掛け金(91)が挿通される溝(220)を有することが好ましい。
【0087】
第5の態様に係るキャビネット(C1)は、ボックス(B1)及び扉(3)が合成樹脂成形体で形成される場合において、成形用の金型の設計の容易化を図ることができる。
【0088】
本開示の第6の態様に係るキャビネット(C1)は、第1-第5のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第6の態様に係るキャビネット(C1)において、ボックス(B1)は、第1引掛部(22)を複数有することが好ましい。第2引掛部(32)は、複数の第1引掛部(22)のうちで隣り合う2つの第1引掛部(22)の間に配置可能であることが好ましい。
【0089】
第6の態様に係るキャビネット(C1)は、錠(9)の掛け金(91)が引掛けられた状態における第1引掛部(22)及び第2引掛部(32)の強度の向上を図ることができる。
【0090】
本開示の第7の態様に係るキャビネット(C1)は、第6の態様との組合せにより実現され得る。第7の態様に係るキャビネット(C1)において、ボックス(B1)は、隣り合う2つの第1引掛部(22)の間に、第2引掛部(32)の一部が嵌まる嵌合部(241)を有することが好ましい。
【0091】
第7の態様に係るキャビネット(C1)は、扉(3)が閉位置で保持されているとき、扉(3)の第2引掛部(32)の一部が嵌合部(241)と嵌合するため、第2引掛部(32)の動きが規制される。その結果、第7の態様に係るキャビネット(C1)は、第2引掛部(32)に掛け金(91)が引掛けられる際の作業性の向上を図ることができる。
【0092】
本開示の第8の態様に係るキャビネット(C1)は、第1-第5のいずれかの態様との組合せにより実現され得る。第8の態様に係るキャビネット(C1)において、扉(3)は、第2引掛部(32)を複数有することが好ましい。第1引掛部(22)は、複数の第2引掛部(32)のうちで隣り合う2つの第2引掛部(32)の間に配置可能であることが好ましい。
【0093】
第8の態様に係るキャビネット(C1)は、錠(9)の掛け金(91)が引掛けられた状態における第1引掛部(22)及び第2引掛部(32)の強度の向上を図ることができる。
【0094】
本開示の第9の態様に係るキャビネット(C1)は、第8の態様との組合せにより実現され得る。第9の態様に係るキャビネット(C1)において、扉(3)は、隣り合う2つの第2引掛部(32)の間に、第1引掛部(22)の一部が嵌まる嵌合部を有することが好ましい。
【0095】
第9の態様に係るキャビネット(C1)は、扉(3)が閉位置で保持されているとき、ボックス(B1)の第1引掛部(22)の一部が嵌合部と嵌合するため、第1引掛部(22)の動きが規制される。その結果、第9の態様に係るキャビネット(C1)は、第1引掛部(22)に掛け金(91)が引掛けられる際の作業性の向上を図ることができる。
【0096】
本開示の第10の態様に係る配線装置(A1)は、第1-第9のいずれかのキャビネット(C1)と、キャビネット(C1)に収容される電気機器(5)と、を有する。電気機器(5)は、少なくとも配線用遮断器(第1の開閉器51、第2の開閉器52)を含む。
【0097】
第10の態様に係る配線装置(A1)は、扉(3)が有する覆い部(300;301)によって、前方から見て錠(9)の一部(掛け金91)を覆うので、従来例のように錠が全体的に露出している場合に比べて、外観上の見栄えの向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0098】
A1 配線装置
B1 ボックス
C1 キャビネット
3 扉
5 電気機器
9 錠
21 開口部
22 第1引掛部
26 収容部
32 第2引掛部
51 第1の開閉器(配線用遮断器)
52 第2の開閉器(配線用遮断器)
91 掛け金
220 溝
241 嵌合部
300 覆い部
301 覆い部
320 丸穴(穴)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12