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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131623
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、および照明システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/20 20170101AFI20230914BHJP
【FI】
G06T7/20 300Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036493
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】緒方 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】西垣 英則
(72)【発明者】
【氏名】菊田 紗耶香
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA02
5L096CA04
5L096CA17
5L096FA69
5L096GA17
5L096HA02
(57)【要約】
【課題】分析範囲を精度よく設定する情報処理装置、および照明システムを提供する。
【解決手段】実施形態に係る情報処理装置は、取得部と、設定部とを具備する。取得部は、カメラによって撮像された撮像画像を取得する。設定部は、取得された撮像画像に含まれるマーカーを基準に、所定の作業に関する動きを分析するための分析範囲を設定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラによって撮像された撮像画像を取得する取得部と;
取得された前記撮像画像に含まれるマーカーを基準に、所定の作業に関する動きを分析するための分析範囲を設定する設定部と;
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記マーカーの座標を基準に前記分析範囲を設定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記設定部は、作業台に設置された前記マーカーを基準に前記分析範囲を設定する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記作業台に対する設置場所を変更可能な前記マーカーを基準に前記分析範囲を設定する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記設定部は、複数のマーカーを基準に前記分析範囲を設定する
請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記設定部は、複数のマーカーに対してそれぞれ前記分析範囲を設定する
請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記設定部は、前記マーカーと、作業者の動きに応じたヒートマップとに基づいて分析範囲を設定する
請求項1~6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記設定部は、前記分析範囲の設定を、前記マーカーを基準とした自動設定、および手動設定に切替可能である
請求項1~7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1つに記載の情報処理装置と;
前記カメラと照明部とを有する照明装置と;
を備える照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、および照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像部によって撮像した撮像画像に基づいて作業者の作業を検出する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-120577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、作業者の作業を確認する分析範囲の設定方法について改善の余地がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、分析範囲を精度よく設定する情報処理装置、および照明システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る情報処理装置は、取得部と、設定部とを具備する。取得部は、カメラによって撮像された撮像画像を取得する。設定部は、取得された撮像画像に含まれるマーカーを基準に、所定の作業に関する動きを分析するための分析範囲を設定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、分析範囲を精度よく設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る照明システムが有する照明装置の外観例を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る照明システムの概要を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図4図4は、撮像画像における分析範囲の設定の一例を示す図である。
図5図5は、撮像画像における分析範囲の設定の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る分析範囲の設定処理を説明するフローチャートである。
図7図7は、変形例の撮像画像における分析範囲の設定の一例を示す図である。
図8図8は、変形例の撮像画像における分析範囲の設定の一例を示す図である。
図9図9は、変形例の撮像画像における分析範囲の設定の一例を示す図である。
図10図10は、変形例の撮像画像における分析範囲の設定の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に説明する実施形態に係る情報処理装置20は、取得部231と、設定部234とを具備する。取得部231は、カメラ16によって撮像された撮像画像Pを取得する。設定部234は、取得された撮像画像Pに含まれるマーカーMを基準に、所定の作業に関する動きを分析するための分析範囲Rを設定する。
【0010】
また、以下に説明する実施形態に係る設定部234は、前記マーカーMの座標を基準に前記分析範囲Rを設定する。
【0011】
また、以下に説明する実施形態に係る設定部234は、作業台に設置された前記マーカーMを基準に前記分析範囲Rを設定する。
【0012】
また、以下に説明する実施形態に係る設定部234は、前記作業台に対する設置場所を変更可能な前記マーカーMを基準に前記分析範囲Rを設定する。
【0013】
また、以下に説明する実施形態に係る設定部234は、複数のマーカーMを基準に前記分析範囲Rを設定する。
【0014】
また、以下に説明する実施形態に係る設定部234は、複数のマーカーMに対してそれぞれ分析範囲Rを設定する。
【0015】
また、以下に説明する実施形態に係る設定部234は、前記マーカーと、作業者の動きに応じたヒートマップとに基づいて分析範囲R2を設定する。
【0016】
また、以下に説明する実施形態に係る設定部234は、前記分析範囲の設定を、前記マーカーを基準とした自動設定、および手動設定に切替可能である。
【0017】
また、以下に説明する実施形態に係る照明システム1は、情報処理装置20と、照明装置とを具備する。照明装置は、カメラ16と照明装置とを有する。
【0018】
[照明装置]
最初に、実施形態に係る照明装置10の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る照明システム1が有する照明装置10の外観例を示す斜視図である。
【0019】
図1に示すように、照明装置10は、照明部11と、撮像ユニット12と、本体部13とを具備する。照明装置10は、たとえば、本体部13が天井面などに設置され、照明部11から出力される光が床面へと照射される天井直付けタイプの照明装置である。照明装置10は、たとえば工場での生産ラインの監視やオフィス内での従業員の状態監視などの用途で主に屋内で使用される。
【0020】
なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直下向きを正方向とし、鉛直上向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。また、X軸は照明装置10の長さ方向に、Y軸は照明装置10の幅方向に、それぞれ沿うように図示している。
【0021】
照明部11は、Y軸方向に沿うように配置された、長尺状のシャーシまたは基板(不図示)上に所定の間隔で配置された複数の発光素子(不図示)を有し、シャーシとの間に発光素子が収容されるよう床面側、すなわちZ軸正方向側に拡散カバー14が設けられた照明バーである。
【0022】
拡散カバー14は、たとえば、アクリルやポリカーボネートなどの透光性の材料から作られている。拡散カバー14は、フロスト処理が施されて複数の発光素子から出射される光を拡散する機能を有するようになっている。なお、拡散カバー14に適宜拡散材や着色剤を混入させてもよい。
【0023】
撮像ユニット12は、遮光カバー15と、カメラ16とを有する。撮像ユニット12は、照明部11のX軸負方向側に隣り合うように並んで配置される。
【0024】
本体部13は、照明部11および撮像ユニット12を保持する。また、本体部13は、照明装置10を天井等の所定の位置に取り付けるための取付部材を兼ねる。
【0025】
遮光カバー15は、本体部13との間にカメラ16を覆うように本体部13のZ軸正方向側に配設される。また、遮光カバー15は、カメラ16のレンズと対向する位置に設けられた貫通口を有する。このような遮光カバー15を配設することで、照明部11の拡散カバー14から照射された光をカメラ16のレンズに入り込みにくくすることができる。
【0026】
[照明システム]
つづいて、実施形態に係る照明システム1の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、実施形態に係る照明システム1の概要を示す図である。なお、以下では、照明システム1が工場に導入される場合を例に挙げて説明する。
【0027】
図2に示すように、実施形態に係る照明システム1は、複数の照明装置10と、情報処理装置20とを備える。また、図2に示す例では、各照明装置10が工場の作業現場(たとえば、製造ラインなど)に設置される場合を示す。
【0028】
複数の照明装置10は、たとえば、生産ラインにおける各作業者50の作業台40(図4参照)の上部にそれぞれ設けられ、カメラ16(図1参照)により、各作業台40を上部から撮像する。
【0029】
情報処理装置20は、作業現場に設置された各照明装置10を管理する装置である。たとえば、情報処理装置20は、ネットワークNを介して、各照明装置10の照明部11の照明態様や、カメラ16の撮像処理などを遠隔で制御する。
【0030】
また、情報処理装置20は、各照明装置10のカメラ16で撮像された撮像画像P(図4参照)を収集し、記憶する。たとえば、情報処理装置20によって収集された撮像画像Pは、作業内容の確認、作業内容の解析、および作業現場の監視などに用いられる。なお、本開示において、情報処理装置20は、静止画としての撮像画像Pを取得してもよく、動画としての撮像画像Pを取得してもよい。
【0031】
[情報処理装置]
つづいて、実施形態に係る情報処理装置20の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置20の構成を示すブロック図である。図3に示すように、情報処理装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを具備する。情報処理装置20は、例えば、クラウドサーバである。
【0032】
通信部21は、たとえば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。通信部21は、たとえば、ネットワークNを介して、複数の照明装置10との間で情報の送受信を行う。
【0033】
記憶部22は、クラウドサーバにおける記憶部として機能する。記憶部22は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。
【0034】
たとえば、記憶部22は、カメラ16によって撮像された撮像画像Pを記憶する。記憶部22は、撮像画像Pにおける分析範囲Rを記憶する。
【0035】
制御部23は、クラウドサーバにおける制御部として機能する。制御部23は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって、情報処理装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部23は、たとえば、コントローラであり、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0036】
図3に示すように、制御部23は、取得部231と、検出部232と、判定部233と、設定部234とを具備し、以下に説明する制御処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部23の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する制御処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0037】
取得部231は、カメラ16(図1参照)によって撮像された撮像画像Pを取得する。取得部231は、通信部21を介して各カメラ16から撮像画像Pを取得する。
【0038】
検出部232は、各種の検出を行う。たとえば、検出部232は、撮像画像PからマーカーMを検出する。検出部232は、撮像画像PにおけるマーカーMの座標を検出する。マーカーMは、作業台40に設置される。マーカーMは、作業台40に対して設置場所を変更可能である。マーカーMは、たとえば、管理者によって設置される。マーカーMは、作業台40によって作業を行う作業者50によって設置されてもよい。
【0039】
マーカーMは、たとえば、カードに記載される記号である。たとえば、マーカーMは、カードに記載されたQRコード(登録商標)である。記号は、○、□、および十字などであってもよい。マーカーMは、カード以外の物体に記載されてもよい。マーカーMは、立体形状の物体に記載されてもよい。マーカーMは、カード自体の形状、および物体自体の立体形状であってもよい。
【0040】
マーカーMは、たとえば、作業台40に着脱可能な部材を介して作業台40に設置される。マーカーMは、作業台40から落ちにくい部材、および形状であることが望ましい。
【0041】
検出部232は、取得された撮像画像Pに対して、所定の画像処理を行うことで各種検出を行う。所定の画像処理は、たとえば、検出モデルを用いることで実行される。検出モデルは、例えば、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)等の機械学習のアルゴリズムにより学習を行うことで得られる。検出モデルは、例えば、教師あり学習により得られてよい。検出モデルは、HOG(Histogram Of Gradient)特徴量を利用したSVM(Support Vector Machine)等の機械学習のアルゴリズムを用いる構成であってもよい。また、検出部232は、機械学習を行った検出モデルを用いることなく、例えば、テンプレートマッチング等を用いて各種検出を実行する構成であってもよい。また、検出部232は、撮像画像Pから作業者50の動きを検出する。検出部232は、たとえば、両手の位置を検出する。
【0042】
判定部233は、マーカーMが検出されたか否かを判定する。判定部233は、たとえば、取得された撮像画像P毎にマーカーMが検出されたか否かを判定する。
【0043】
設定部234は、撮像画像Pから所定の作業に関する動きを分析するための分析範囲Rを設定する。所定の作業は、予め設定される作業である。たとえば、所定の作業は、作業台40において行われる作業である。所定の作業は、たとえば、対象物に部品を取り付ける作業、対象物を梱包する作業、および部品や作業用の道具を取る作業などである。
【0044】
設定部234は、撮像画像Pに含まれるマーカーMを基準に分析範囲Rを設定する。設定部234は、作業台40に設置されたマーカーMを基準に分析範囲Rを設定する。設定部234は、撮像画像PにおけるマーカーMの座標に対して分析範囲Rを設定する。たとえば、設定部234は、撮像画像Pにおける分析範囲Rの座標を設定する。
【0045】
設定部234は、検出部232によって検出されるマーカーMに応じて分析範囲Rを設定する。設定部234は、マーカーMの種別に応じた分析範囲Rを設定する。マーカーMは、分析範囲Rを設定するための情報を有する。分析範囲Rの設定方法を区別するための情報は、マーカーMの種類、マーカーMの形状、およびマーカーMの模様などを含む。
【0046】
たとえば、検出部232によって検出されるマーカーMがQRコードである場合、設定部234は、QRコードによって特定される形状、およびQRコードによって特定される大きさの分析範囲Rを設定する。
【0047】
たとえば、マーカーMがQRコードであり、かつQRコードが、QRコードに対して撮像画像Pの上方側、およびQRコードに対して撮像画像Pの右方側に延びる分析範囲Rを示す場合、図4に示すように、撮像画像Pに対して分析範囲Rが設定される。図4は、撮像画像Pにおける分析範囲Rの設定の一例を示す図である。
【0048】
たとえば、マーカーMが○の記号であり、かつ○の記号に対して所定の半径を有する分析範囲Rを示す場合、図5に示すように、撮像画像Pに対して分析範囲Rが設定される。図5は、撮像画像Pにおける分析範囲Rの設定の一例を示す図である。なお、分析範囲Rの設定方法は、上記方法に限定されるものではない。たとえば、分析範囲Rは、マーカーMを中心とする矩形状であってもよい。たとえば、分析範囲Rは、マーカーMからの距離、およびマーカーMに対する延伸方向が、マーカーMに対して設定される。
【0049】
情報処理装置20は、たとえば、設定した分析範囲Rにおける作業者50の作業情報を収集し、作業が、予め登録された作業手順によって行われたか否かなどの解析を実行する。また、情報処理装置20は、作業のタクトタイムなどを計測する。
【0050】
[分析範囲の設定処理]
つづいて、実施形態に係る分析範囲Rの設定処理について図6を参照し説明する。図6は、実施形態に係る分析範囲Rの設定処理を説明するフローチャートである。
【0051】
情報処理装置20は、カメラ16から、カメラ16によって撮像された撮像画像Pを取得する(S100)。情報処理装置20は、取得した撮像画像Pに対してマーカーMを検出するための所定の画像処理を実行する(S101)。
【0052】
情報処理装置20は、取得した撮像画像PにマーカーMが有るか否かを判定する(S102)。情報処理装置20は、撮像画像PにマーカーMが無い場合(S102:No)、今回の処理を終了する。
【0053】
情報処理装置20は、撮像画像PにマーカーMが有る場合(S102:Yes)、マーカーMに応じて分析範囲Rを設定する(S103)。
【0054】
[効果]
情報処理装置20は、取得部231と、設定部234とを具備する。取得部231は、カメラ16によって撮像された撮像画像Pを取得する。設定部234は、取得された撮像画像Pに含まれるマーカーMを基準に、所定の作業に関する動きを分析するための分析範囲Rを設定する。
【0055】
これにより、情報処理装置20は、撮像画像Pに対して分析範囲Rを精度よく設定することができる。たとえば、作業台40における作業内容が変更された場合、および作業台40のレイアウトが変更された場合であっても、情報処理装置20は、分析範囲Rを精度よく設定することができる。また、情報処理装置20は、分析範囲Rの設定に要する時間を短くすることができる。たとえば、分析範囲Rの設定を管理者などの手動によって実行される場合と比較して、情報処理装置20は、分析範囲Rの設定に要する時間を短くすることができ、また分析範囲Rを容易に設定することができる。
【0056】
設定部234は、マーカーMの座標を基準に分析範囲Rを設定する。
【0057】
これにより、情報処理装置20は、マーカーMに対して分析範囲Rを精度よく設定することができる。情報処理装置20は、分析範囲Rのずれ、およびばらつきを抑制することができる。そのため、情報処理装置20は、分析範囲Rにおける分析結果、例えば、作業者50の動き、および作業内容を正確に検出することができ、作業者50の動き、および作業内容の分析結果の精度を向上させることができる。
【0058】
設定部234は、作業台40に設定されたマーカーMを基準に分析範囲Rを設定する。
【0059】
これにより、情報処理装置20は、作業台40に対して、分析範囲Rを精度よく設定することができる。そのため、たとえば、作業台40における作業内容が変更された場合、および作業台40のレイアウトが変更された場合であっても、情報処理装置20は、作業台40に対して分析範囲Rを精度よく設定することができる。
【0060】
設定部234は、作業台40に対する設置場所を変更可能なマーカーMを基準に分析範囲Rを設定する。
【0061】
これにより、たとえば、作業台40における作業内容などが変更された場合であっても、マーカーMが作業内容などに応じて移動されることで、情報処理装置20は、分析範囲Rを精度よく設定することができる。作業台40における作業内容などが変更された場合であっても、情報処理装置20は、適切な分析範囲Rを容易に設定することができる。
【0062】
[変形例]
変形例に係る情報処理装置20は、分析範囲Rを一度設定された後、分析範囲Rのリセット操作が行われるまで、撮像画像Pに対して分析範囲Rを自動的に設定してもよい。たとえば、分析範囲Rが設定され、作業台40からマーカーMが撤去された場合であっても、情報処理装置20は、撮像画像Pに対して同じ分析範囲Rを設定してもよい。リセット操作は、たとえば、管理者などによって実行される。なお、リセット操作は、所定のタイミングで実行されてもよい。所定のタイミングは、たとえば、作業が開始されるタイミングである。所定のタイミングは、所定の時刻を含む。
【0063】
変形例に係る情報処理装置20は、複数のマーカーMを基準に分析範囲Rを設定してもよい。変形例に係る情報処理装置20は、複数のマーカーMの種別に応じて、分析範囲Rを設定してもよい。たとえば、情報処理装置20は、図7に示すように、関連する複数のマーカーMの座標を基準に分析範囲Rを設定してもよい。すなわち、情報処理装置20は、複数のマーカーMの位置関係に応じて分析範囲Rを設定してもよい。図7は、変形例の撮像画像Pにおける分析範囲Rの設定の一例を示す図である。図7における複数のマーカーMは、複数のマーカーMを頂点とする多角形の範囲が分析範囲Rとして設定されるマーカーMである。
【0064】
これにより、情報処理装置20は、複数のマーカーMを基準にして分析範囲Rを精度よく設定することができる。また、情報処理装置20は、複雑な形状の分析範囲Rを設定することができる。
【0065】
変形例に係る情報処理装置20は、図8に示すように、複数のマーカーMに対してそれぞれ分析範囲Rを設定してもよい。図8は、変形例の撮像画像Pにおける分析範囲Rの設定の一例を示す図である。
【0066】
これにより、情報処理装置20は、複数の分析範囲Rを設定できる。たとえば、情報処理装置20は、分析範囲R毎の作業の解析を行うことができる。たとえば、作業台40における作業の手順が決まっている場合、情報処理装置20は、作業の手順に応じて作業者50の手が移動する各範囲に分析範囲Rを設定することによって、作業手順の確認を容易に行うことができる。また、たとえば、情報処理装置20は、各作業手順のタクトタイムを容易に計ることができる。
【0067】
変形例に係る情報処理装置20は、図9に示すように、作業者50を含む範囲を分析範囲Rとして設定してもよい。図9は、変形例の撮像画像Pにおける分析範囲Rの設定の一例を示す図である。すなわち、マーカーMは、作業者50を含んでもよい。
【0068】
また、マーカーMは、作業に用いられる部品などが入った箱などを含んでもよい。たとえば、情報処理装置20は、撮像画像Pから作業台40に載置された部品の情報を検出してもよい。たとえば、情報処理装置20は、部品が入った箱などに記載された部品の型番、箱などに記載されたQRコードなどから部品情報を検出してもよい。なお、情報処理装置20は、撮像画像Pに基づいて、部品の種類を検出してもよい。
【0069】
変形例に係る情報処理装置20は、マーカーMに基づいて設定される分析範囲Rを調整可能であってもよい。たとえば、情報処理装置20は、マーカーMに基づいて設定された分析範囲Rよりも外側に作業者50の手が出て作業が行われている場合、作業者50の手が動く範囲を含めた分析範囲Rを設定してもよい。たとえば、変形例に係る情報処理装置20は、ヒートマップに基づいて、分析範囲Rを設定してもよい。
【0070】
変形例に係る情報処理装置20は、撮像画像Pから、作業者50の手の動きを検出し、作業者50の手の動きに基づいたヒートマップを作成してもよい。ヒートマップは、他の情報処理装置によって作成されてもよい。ヒートマップは、カメラ16によって撮像される撮像画像Pの画角内における作業者50の手の動きの回数など基づいて作成される。
【0071】
たとえば、ヒートマップでは、作業者50の動きの多い箇所と、作業者50の動きの少ない箇所とが異なる色などによって分けられる。変形例に係る情報処理装置20は、マーカーと、ヒートマップとに基づいて分析範囲Rを設定してもよい。変形例に係る情報処理装置20は、ヒートマップにおいて、作業者50の手の動きが予め設定される閾値よりも多い箇所を含む所定範囲を含む範囲を分析範囲Rに設定する。たとえば、変形例に係る情報処理装置20は、マーカーMを基準に設定される分析範囲Rに、ヒートマップに基づいた分析範囲を追加して分析範囲R2を設定する。
【0072】
たとえば、情報処理装置20は、図10に示すように、マーカーMを基準に設定される分析範囲Rに、ヒートマップにおいて作業者50の手の動きが予め設定される閾値よりも多い箇所を含む所定範囲R1を含む範囲を加えて、分析範囲R2を設定する。図10は、変形例の撮像画像Pにおける分析範囲R2の設定の一例を示す図である。図10においては、所定範囲R1を含む範囲が追加された分析範囲R2を破線で示す。
【0073】
これにより、変形例に係る情報処理装置20は、作業者50の動きに応じたヒートマップに基づいて分析範囲R2を設定することで、作業者50の作業に対して、分析範囲R2を精度よく設定することができる。そのため、情報処理装置20は、分析範囲R2における分析結果の精度を向上させることができる。
【0074】
変形例に係る情報処理装置20は、分析範囲Rの設定を、マーカーMを基準とした自動設定、および手動設定に切替可能であってもよい。これにより、情報処理装置20は、たとえば、使用目的に応じて、分析範囲Rの設定方法を切り替えることができる。
【0075】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0076】
1 照明システム
10 照明装置
11 照明部
12 撮像ユニット
16 カメラ
20 情報処理装置
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
40 作業台
50 作業者
231 取得部
232 検出部
234 設定部
M マーカー
P 撮像画像
R 分析範囲
R2 分析範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10