(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013163
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】自動車用ウインカーレバー
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/34 20060101AFI20230119BHJP
【FI】
B60Q1/34 C
B60Q1/34 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117141
(22)【出願日】2021-07-15
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年8月24日 井上肇 納品書 1 令和2年12月15日 長橋和則 納品書 1 令和3年1月6日 長橋和則 納品書 1 令和3年1月29日 立花 納品書 1 令和3年2月1日 福祉、介護TAXIハーティ 納品書 1 令和3年2月6日 長橋和則 納品書 1 令和3年2月21日 有限会社エムシーアール 納品書 1 令和3年2月24日 山崎佑樹 納品書 1 令和3年3月3日 ファリーナレーサーズ 納品書 1 令和3年3月5日 有限会社エムシーアール 納品書 1 令和3年3月5日 ラッシュファクトリー 納品書 1 令和3年3月6日 カボワン・スポーツ 納品書 1 令和3年3月6日 加藤タクシー 納品書 1 令和3年4月12日 座山孝治 納品書 1 令和3年5月10日 若林モータース 納品書 1 令和3年5月13日 株式会社総合エンジニア 納品書 1 令和3年5月13日 石島隆人 納品書 1 令和3年6月9日 紺野英幸 納品書 1
(71)【出願人】
【識別番号】521313201
【氏名又は名称】株式会社ワイアンドワイ
(74)【代理人】
【識別番号】100121658
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 昌義
(72)【発明者】
【氏名】木富 美博
【テーマコード(参考)】
3K339
【Fターム(参考)】
3K339AA24
3K339AA25
3K339BA26
3K339BA30
3K339CA12
3K339GB01
3K339GB21
3K339HA22
3K339JA26
3K339MC77
(57)【要約】
【課題】より簡便な構成で、より簡便な操作によるハザードランプ点灯を制御することのできる自動車用ウインカーレバーを提供する。
【解決手段】本発明の一観点に係る自動車用ウインカーレバーは、レバーボディと、レバーボディの先端側に配置されるダイヤルキャップと、レバーボディを車体に取り付けるための取付部材を有する自動車用ウインカーレバーであって、前記ダイヤルキャップの頭頂部には孔が形成され、孔からスイッチボタンが突出するよう、ダイヤルキャップ内にスイッチユニットが配置され、更に、レバーボディ内を経由してハザードランプ点灯制御回路に接続される分岐配線と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レバーボディと、前記レバーボディの先端側に配置されるダイヤルキャップと、前記レバーボディを車体に取り付けるための取付部材と、を有する自動車用ウインカーレバーであって、
前記ダイヤルキャップの頭頂部には孔が形成され、
前記孔からスイッチボタンが突出するよう、前記ダイヤルキャップ内にスイッチユニットが配置され、
前記スイッチユニットは、更に、前記レバーボディ内を経由してハザードランプ点灯制御回路に接続される分岐配線と、を備える自動車用ウインカーレバー。
【請求項2】
自動車本体のメインハザードスイッチがモーメンタリスイッチであって、前記スイッチユニットの前記スイッチボタンもモーメンタリスイッチである請求項1記載の自動車用ウインカーレバー。
【請求項3】
自動車本体のメインハザードスイッチがオルタネイトスイッチであって、前記スイッチユニットの前記スイッチボタンがモーメンタリスイッチであり、
前記メインハザードスイッチの前記スイッチボタンがオン状態であるとき、前記スイッチユニットの操作が無効となる請求項1記載の自動車用ウインカーレバー。
【請求項4】
自動車本体のメインハザードスイッチがオルタネイトスイッチであって、前記スイッチユニットの前記スイッチボタンもオルタネイトスイッチであり、
前記メインハザードスイッチ及び前記オルタネイトスイッチの少なくともいずれかがオン状態である場合、ハザード点灯状態となる請求項1記載の自動車用ウインカーレバー。
【請求項5】
レバーボディと、前記レバーボディの先端側に配置されるダイヤルキャップと、前記レバーボディを車体に取り付けるための取付部材と、を有する自動車用ウインカーレバーの改良方法であって、
ダイヤルキャップの頭頂部に孔を形成するステップ、
前記ダイヤルキャップ内にスイッチユニットを配置し、前記ダイヤルキャップの前記孔からスイッチボタンを突出させるステップ、
前記スイッチユニットに接続される分岐配線を、前記レバーボディ内を経由して自動車のハザードランプ点灯制御回路に接続するステップ、を備える自動車用ウインカーレバーの改良方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ウインカーレバーに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車運転時においてハザードランプは、後続の自動車に対し注意を促すものとして非常に重要である。
【0003】
しかしながら、一般に、自動車のハザードランプは、車内部のインストルメントパネルに設置されるものであり、運転中にハザードランプを点灯させようとする場合、ハンドルから手を大きく離してインストルメントパネルのハザードランプまで腕を伸ばす必要がある。これを非常時に行うことは危険を伴う動作となる。
【0004】
ハザードランプに関する技術としては、例えば下記特許文献1に記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の技術は、ウインカーとハザードランプを連動させる技術であり、非常に複雑な配線工事が必要になるといった課題がある。更に、これらランプ制御は複雑な作業が必要となるため、非常時に適切な動作を行う場合において課題が残る。
【0007】
一方で、自動車には、ハンドル近くにウインカーレバーが付されており、右折時又は左折時においてこのレバーを上下させることでウインカーを点灯させることができることは事実であり、これをうまく活用することが重要である。
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、より簡便な構成で、より簡便な操作によるハザードランプ点灯を制御することのできる自動車用ウインカーレバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の一観点に係る自動車用ウインカーレバーは、レバーボディと、レバーボディの先端側に配置されるダイヤルキャップと、レバーボディを車体に取り付けるための取付部材と、を有する自動車用ウインカーレバーであって、ダイヤルキャップの頭頂部には孔が形成され、孔からスイッチボタンが突出するよう、ダイヤルキャップ内にスイッチユニットが配置され、スイッチユニットは、更に、レバーボディ内を経由してハザードランプ点灯制御回路に接続される分岐配線と、を備えるものである。
【0010】
また、本観点において、限定されるわけではないが、自動車本体のメインハザードスイッチがモーメンタリスイッチであって、スイッチユニットのスイッチボタンもモーメンタリスイッチであることが好ましい。
【0011】
自動車本体のメインハザードスイッチがオルタネイトスイッチであって、スイッチユニットのスイッチボタンがモーメンタリスイッチであり、メインハザードスイッチのスイッチボタンがオン状態であるとき、スイッチユニットの操作が無効となることが好ましい。
【0012】
また、本観点において、限定されるわけではないが、自動車本体のメインハザードスイッチがオルタネイトスイッチであって、スイッチユニットのスイッチボタンもオルタネイトスイッチであり、メインハザードスイッチ及びオルタネイトスイッチの少なくともいずれかがオン状態である場合、ハザード点灯状態となることが好ましい。
【0013】
また、本発明の他の捉え方として、ウインカーレバーの改良方法としての捉え方も可能である。具体的には、本発明の他の一観点に係るウインカーレバーの改良方法は、レバーボディと、レバーボディの先端側に配置されるダイヤルキャップと、レバーボディを車体に取り付けるための取付部材と、を有する自動車用ウインカーレバーの改良方法であって、ダイヤルキャップの頭頂部に孔を形成するステップ、ダイヤルキャップ内にスイッチユニットを配置し、ダイヤルキャップの孔からスイッチボタンを突出させるステップ、スイッチユニットに接続される分岐配線を、レバーボディ内を経由して自動車のハザードランプ点灯制御回路に接続するステップ、を有する。
【発明の効果】
【0014】
以上、本発明によって、より簡便な構成で、より簡便な操作によるハザードランプ点灯を制御することのできる自動車用ウインカーレバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施形態に係るウインカーレバーの概略図(設置時)である。
【
図2】実施形態に係るウインカーレバーの概略図(分離時)である。
【
図3】実施形態に係るウインカーレバーの分解概略図である。
【
図4】実施形態に係るウインカーレバーのダイヤルキャップ付近の断面図である。
【
図5】実施形態に係るウインカーレバーが用いるスイッチ種類のイメージ図である。
【
図6】実施形態に係るウインカーレバーにおけるスイッチの配線における接続関係を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる形態による実施が可能であり、また以下に示す実施形態、実施例において記載される具体的な例示についても適宜変更及び調整が可能であり、これらに限定されるものではない。
【0017】
図1は、本実施形態に係るウインカーレバー(以下、「本レバー」という。)1の概略図である。本図では、本レバーをハンドル近傍に取り付けた場合の概略を示しており、
図2は、本レバー1をハンドルから取り外した状態、又は、取り付ける前の状態の概略図である。また、
図3は、本レバーの分解概略図であり、
図4は本レバーのダイヤルキャップ付近におけるレバー延伸方向に沿った面における断面図である。
【0018】
本図で示すように、本レバー1は、レバーボディ2と、レバーボディ2の先端側に配置されるダイヤルキャップ3と、レバーボディ2を車体に取り付けるための取付部材5と、を有する自動車用ウインカーレバーであって、ダイヤルキャップ3の頭頂部には孔31が形成され、孔31からスイッチボタン41が突出するよう、ダイヤルキャップ3内にスイッチユニット4が配置され、スイッチユニット4は、更に、レバーボディ2内を経由してハザードランプ点灯制御回路に接続される分岐配線42と、を備えるものである。
【0019】
一般に、ハザードランプのスイッチは車内部のインストルメントパネルに設置されるものであるが、本レバー1ではハンドルのウインカーレバーの先端にも付されることとなるため、運転中に手をインストルメントパネルまで伸ばす必要が無く、視線を動かさずともハザードランプの操作が可能となる。すなわち、より安全かつ簡便にハザードランプの操作が可能となる。
【0020】
また本レバー1は、市販のウインカーレバーを基本部品として用いる一方、そのダイヤルキャップ3を改良することにより実現することができる。すなわち、本レバー1は、レバーボディと、レバーボディの先端側に配置されるダイヤルキャップと、レバーボディを車体に取り付けるための取付部材と、を有する自動車用ウインカーレバーの改良方法であって、(1)ダイヤルキャップの頭頂部に孔を形成するステップ、(2)ダイヤルキャップ内にスイッチユニットを配置し、ダイヤルキャップの孔からスイッチボタンを突出させるステップ、(3)スイッチユニットに接続される分岐配線を、レバーボディ内を経由して自動車のハザードランプ点灯制御回路に接続するステップ、を実行する方法(以下「本改良方法」という。)により製造することができる。
【0021】
本レバー1におけるレバーボディ2は、ウィンカー(方向指示器)やランプを制御するために用いられるものであり、もともとその自動車に設置されたものを使用することができるが、別途新品のウインカーレバーを購入してそれを自動車に取り付けることとしてもよい。
【0022】
また、本レバー1における取付部材5は、上記の通り、レバーボディ2を車体に取り付けるための部材である。この点についても、上記レバーボディ2と同様、もともとその自動車に設置されたものを使用することができるが、別途新品のウインカーレバーを購入してそれを自動車に取り付けることとしてもよい。
【0023】
また、本レバー1におけるダイヤルキャップ3は、上記の通り、レバーボディ2の先端側に配置されるものであり、ダイヤルキャップ3の頭頂部には孔31が形成されている。この孔31は、市販のウインカーレバー1には無い構成であり、本方法により形成されるものである。
【0024】
そして更に、孔31からスイッチボタン41が突出するよう、ダイヤルキャップ3内にスイッチユニット4が配置されている。
【0025】
本レバー1におけるスイッチユニット4は、上記の通りスイッチボタン41を備えるものであり、また、上記スイッチボタン41のほか、自動車の車内に別途設けられているハザードランプ点灯制御回路に接続される分岐配線42を有する。本レバー1では、この分岐配線42を設けることで、スイッチボタン41の状態に応じた信号を自動車の本体に設けられるハザードランプ点灯制御回路に出力することが可能である。
【0026】
ところで、本レバー1におけるスイッチユニット4はハザードランプの点灯を制御するために用いられるものであるが、一般に、自動車本体(具体的にはインストルメントパネル)にもハザードランプ用のハザードスイッチが取り付けられている(このハザードランプを以下「メインハザードスイッチ」という。)。すなわち、本レバー1を用いると、メインハザードスイッチのオンオフ状態と本レバー1のスイッチボタン41によるオンオフ状態に齟齬が生じてしまう場合がある。そのため、スイッチボタン及びメインハザードスイッチの種類に応じて制御の方法を異ならせる必要がある。以下具体的に説明する。
【0027】
まず、前提として、スイッチには押した瞬間だけオン状態となり、手を離したら元に戻りオフ状態となる「モーメンタリスイッチ」と、一度押せばそのオン状態を維持し、もう一度押すことでそのオン状態を解除してオフ状態に戻る「オルタネイトスイッチ」の二つが存在しており、いずれのスイッチをメインハザードスイッチとして選択するのかについてはその自動車によって異なる。これらのスイッチの種類のイメージを
図5に示しておく。
【0028】
そして、更にまず、自動車本体のメインハザードスイッチがモーメンタリスイッチであって、スイッチユニットのスイッチボタンもモーメンタリスイッチである場合について説明する。
【0029】
この場合、いずれも手を離すとオフ状態になるスイッチとなっているため、いずれか一方を押しておくことでハザードランプを点灯させることが可能となる。この場合の配線の接続関係について
図6に示しておく。本図では二つのスイッチが並列に配置されているため、上記の通り一方をオン状態とすることで回路が接続され、ハザードランプ点灯制御回路に信号を送ることが可能となる。なお、モーメンタリスイッチの場合、押している時間だけオン状態になる場合でもよいし、一度押した場合にオン状態となり、もう一度押した場合にオフ状態になるようなスイッチ操作としてもよく、いずれの場合においても適用が可能である。
【0030】
また、自動車本体のメインハザードスイッチがオルタネイトスイッチであって、スイッチユニット4のスイッチボタン41がモーメンタリスイッチである場合についても説明する。
【0031】
この場合における配線の接続関係についても上記
図6と同じである。具体的には、メインハザードスイッチがオン状態であるとき、スイッチユニット4側の操作が無効となる、又は、操作に効果がない状態としておくことが好ましい。本図の場合、常にメインハザードスイッチがオン状態となっているため、スイッチユニット4のオンオフは関係が無くなる。一方、メインハザードスイッチがオフ状態であるとき、スイッチユニット4側の操作が有効となる、すなわち、スイッチユニット4におけるスイッチボタン41を押した場合オン状態となり、手を離した場合オフ状態となることが好ましい。このようにすることで、メインハザードスイッチがオン状態で維持されている場合に手元のレバー操作によってハザードランプが消されてしまうといった不都合を行わないようにすることができ、安全性を確保することができる。
【0032】
また、自動車本体のメインハザードスイッチがオルタネイトスイッチであって、スイッチユニットのスイッチボタンもオルタネイトスイッチである場合について説明する。この場合における配線の接続関係についても、上記
図6と同様である。メインハザードスイッチ及びオルタネイトスイッチの少なくともいずれかがオン状態である場合、ハザード点灯状態となることが好ましく、両方がオフ状態となった場合ハザード消灯状態となることが好ましい。本図の構成であれば、一方がオン状態である以上、他方のスイッチがオン状態であろうがオフ状態であろうがオン状態を維持することができる。すなわち、このようにすることで、少なくとも一方のスイッチがオン状態で維持されている場合に、他方のレバー操作によってハザードランプが消されてしまうといった不都合を行わないようにすることができ、安全性を確保することができる。
【0033】
以上、本実施形態によって、より簡便な構成で、より簡便な操作によるハザードランプ点灯を制御することのできる自動車用ウインカーレバーを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、自動車用ウインカーレバーとして産業上の利用可能性がある。