(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131636
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】硬化性樹脂組成物、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物および樹脂硬化物
(51)【国際特許分類】
C08G 18/67 20060101AFI20230914BHJP
C08G 18/28 20060101ALI20230914BHJP
C08G 18/75 20060101ALI20230914BHJP
C08F 290/06 20060101ALI20230914BHJP
B29C 64/314 20170101ALI20230914BHJP
B29C 64/124 20170101ALI20230914BHJP
【FI】
C08G18/67
C08G18/28 015
C08G18/75 010
C08F290/06
B29C64/314
B29C64/124
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036511
(22)【出願日】2022-03-09
(71)【出願人】
【識別番号】000005887
【氏名又は名称】三井化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(74)【代理人】
【識別番号】100149607
【弁理士】
【氏名又は名称】宇田 新一
(72)【発明者】
【氏名】中原 理紗
(72)【発明者】
【氏名】上村 太一
(72)【発明者】
【氏名】景岡 正和
【テーマコード(参考)】
4F213
4J034
4J127
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
【課題】比較的低い収縮率と、優れた形状保持性と、優れた耐光性と、優れた機械物性とを有する樹脂硬化物を得られる硬化性樹脂組成物、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物、および、その硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物を提供すること。
【解決手段】硬化性樹脂組成物が、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含有する。活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、第1硬化性ポリウレタン樹脂を含む。第1硬化性ポリウレタン樹脂は、第1ポリイソシアネート成分、1価の高分子量アルコールを含み、多価の高分子量アルコールを含まない第1アルコール成分、および、第1活性エネルギー線硬化基含有成分の反応生成物を含む。第1ポリイソシアネート成分が、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含有する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含有する硬化性樹脂組成物であり、
前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、第1硬化性ポリウレタン樹脂を含み、
前記第1硬化性ポリウレタン樹脂は、
第1ポリイソシアネート成分と、
1価の高分子量アルコールを含み、多価の高分子量アルコールを含まない第1アルコール成分と、
第1活性エネルギー線硬化基含有成分と
の反応生成物を含み、
前記第1ポリイソシアネート成分が、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含有する、硬化性樹脂組成物。
【請求項2】
前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が、第2硬化性ポリウレタン樹脂を含み、
前記第2硬化性ポリウレタン樹脂は、
第2ポリイソシアネート成分と、
多価の高分子量アルコールを含み、1価の高分子量アルコールを含まない第2アルコール成分と、
第2活性エネルギー線硬化基含有成分と
の反応生成物を含む、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記第2ポリイソシアネート成分が、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含有する、請求項3に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
さらに、ラジカル反応性希釈剤と、活性エネルギー線重合開始剤とを含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を含む、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、樹脂硬化物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性樹脂組成物、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物および樹脂硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線の照射により硬化する硬化性樹脂組成物としては、例えば、以下の樹脂組成物が知られている。この樹脂組成物は、第1の単量体と、第2の単量体とを含む。第1の単量体は、下記(i)、下記(ii)および下記(iii)からなる群から選択される少なくとも1種の単量体である。また、第2の単量体は、下記(iv)および下記(v)からなる群から選択される少なくとも1種の単量体である。そして、第1の単量体と第2の単量体との合計質量に対する、第1の単量体の割合が、50~98質量%である。(i)ポリエーテルモノオールおよび(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物の等モル反応生成物。(ii)ポリエーテルモノオール、ジイソシアネートおよび(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物の等モル反応生成物。(iii)ポリエーテルポリオールおよび(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物の等モル反応生成物。(iv)ポリエーテルポリオールおよび(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物の反応生成物。(v)ポリオール(A)、ポリイソシアネートおよび(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物の反応生成物であって、ポリオール(A)は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ(メタ)アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ヒマシ油系ポリオールおよびポリオレフィンポリオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上である。また、上記の樹脂組成物を、3Dプリンター用の光硬化性樹脂組成物として使用することも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開2021/112192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
硬化性の樹脂組成物を3Dプリンターにおける成形材料として使用する場合、優れた造形性が要求される。より具体的には、樹脂組成物の成形物には、低い収縮率、および、高い形状保持力が、要求される。さらに、樹脂組成物の成形物には、優れた耐光性、および、優れた機械物性が、要求される。
【0005】
本発明は、比較的低い収縮率と、優れた形状保持性と、優れた耐光性と、優れた機械物性とを有する樹脂硬化物を得られる硬化性樹脂組成物、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物、および、その硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明[1]は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含有する硬化性樹脂組成物であり、前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、第1硬化性ポリウレタン樹脂を含み、前記第1硬化性ポリウレタン樹脂は、第1ポリイソシアネート成分と、1価の高分子量アルコールを含み、多価の高分子量アルコールを含まない第1アルコール成分と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分との反応生成物を含み、前記第1ポリイソシアネート成分が、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含有する、硬化性樹脂組成物を、含んでいる。
【0007】
本発明[2]は、前記活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が、第2硬化性ポリウレタン樹脂を含み、前記第2硬化性ポリウレタン樹脂は、第2ポリイソシアネート成分と、多価の高分子量アルコールを含み、1価の高分子量アルコールを含まない第2アルコール成分と、第2活性エネルギー線硬化基含有成分との反応生成物を含む、上記[1]に記載の硬化性樹脂組成物を、含んでいる。
【0008】
本発明[3]は、前記第2ポリイソシアネート成分が、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含有する、上記[3]に記載の硬化性樹脂組成物を、含んでいる。
【0009】
本発明[4]は、さらに、ラジカル反応性希釈剤と、活性エネルギー線重合開始剤とを含有する、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を、含んでいる。
【0010】
本発明[5]は、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物を含む、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物を、含んでいる。
【0011】
本発明[6]は、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の硬化性樹脂組成物の硬化物である、樹脂硬化物を、含んでいる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の硬化性樹脂組成物および3Dプリンター用硬化性樹脂組成物では、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が、第1硬化性ポリウレタン樹脂を含有している。第1硬化性ポリウレタン樹脂は、第1ポリイソシアネート成分と、1価の高分子量アルコールを含み、多価の高分子量アルコールを含まない第1アルコール成分と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分との反応生成物を含む。そして、第1ポリイソシアネート成分が、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含有している。そのため、硬化性樹脂組成物および3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、比較的低い収縮率と、優れた形状保持性と、優れた耐光性と、優れた機械物性とを有する樹脂硬化物を得ることができる。
【0013】
また、本発明の樹脂硬化物は、上記の硬化性樹脂組成物の硬化物である。そのため、樹脂硬化物は、比較的低い収縮率と、優れた形状保持性と、優れた耐光性と、優れた機械物性とを有する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含有する。活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、活性エネルギー線(後述)の照射により硬化するポリウレタン樹脂である。
【0015】
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、必須成分として、第1硬化性ポリウレタン樹脂を含む。
【0016】
第1硬化性ポリウレタン樹脂は、第1ポリイソシアネート成分と、第1アルコール成分と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分との反応生成物を含む。好ましくは、第1硬化性ポリウレタン樹脂は、第1ポリイソシアネート成分と、第1アルコール成分と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分との反応生成物からなる。
【0017】
第1ポリイソシアネート成分は、必須成分として、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含んでいる。ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとしては、例えば、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン単量体、および、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン誘導体が挙げられる。
【0018】
ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン単量体としては、例えば、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,3-H6XDI)、および、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(1,4-H6XDI)が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
【0019】
ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン誘導体としては、例えば、上記ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン単量体を公知の方法で変性した変成体が、挙げられる。変成体としては、例えば、多量体、イソシアヌレート変成体、アロファネート変性体、ポリオール変性体、ビウレット変性体、ウレア変性体、オキサジアジントリオン変性体およびカルボジイミド変性体が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
【0020】
ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとして、好ましくは、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン単量体が挙げられ、より好ましくは、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンが挙げられる。
【0021】
第1ポリイソシアネート成分は、任意成分として、その他のポリイソシアネートを含有できる。その他のポリイソシアネートは、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを除くポリイソシアネートである。その他のポリイソシアネートとしては、例えば、第2ポリイソシアネート成分として後述するポリイソシアネート(ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを除く。)が挙げられる。
【0022】
その他のポリイソシアネートは、単独使用または2種類以上併用できる。その他のポリイソシアネートの含有割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜設定される。その他のポリイソシアネートの含有割合は、第1ポリイソシアネート成分の総量に対して、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、0質量%である。
【0023】
換言すると、第1ポリイソシアネート成分は、より好ましくは、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンからなり、さらに好ましくは、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン単量体からなり、とりわけ好ましくは、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンからなる。
【0024】
第1アルコール成分は、必須成分として、1価の高分子量アルコール(高分子量モノオール)を含む。1価の高分子量アルコールは、分子中に水酸基を1つ有し、比較的高分子量の有機化合物である。なお、比較的高分子量とは、数平均分子量が400以上であることを示す(以下同様)。
【0025】
1価の高分子量アルコールとしては、特に制限されないが、例えば、片末端封鎖マクロジオールが挙げられる。樹脂硬化物(後述)の触感を向上する観点から、好ましくは、ノニオン性基を含有する片末端封鎖マクロジオールが挙げられる。ノニオン性基としては、例えば、ポリオキシエチレン基が挙げられる。
【0026】
ノニオン性基を含有する片末端封鎖マクロジオールとしては、例えば、片末端封鎖ポリオキシエチレングリコールが挙げられる。片末端封鎖ポリオキシエチレングリコールとしては、例えば、アルキル基で片末端封止したアルコキシエチレングリコール(モノアルコキシポリエチレングリコール)が挙げられる。アルキル基としては、例えば、炭素数1~20のアルキル基が挙げられ、好ましくは、炭素数1~10のアルキル基が挙げられ、より好ましくは、炭素数1~4のアルキル基が挙げられる。アルキル基として、より具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチルおよびt-ブチルが挙げられ、好ましくは、メチルおよびエチルが挙げられる。片末端封鎖ポリオキシエチレングリコールとして、より具体的には、メトキシポリオキシエチレングリコール、および、エトキシポリオキシエチレングリコールが挙げられ、好ましくは、メトキシポリオキシエチレングリコールが挙げられる。
【0027】
1価の高分子量アルコールの数平均分子量は、例えば、400以上、好ましくは、500以上、より好ましくは、1000以上、さらに好ましくは、2000以上である。また、1価の高分子量アルコールの数平均分子量は、例えば、20000以下、好ましくは、10000以下、より好ましくは、5000以下である。なお、数平均分子量は、水酸基当量および平均水酸基数から、公知の方法で算出できる。また、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフにより、ポリスチレン換算分子量として測定できる(以下同様)。
【0028】
第1アルコール成分は、任意成分として、低分子量アルコールを含有できる。低分子量アルコールは、分子中に水酸基を1つ以上有し、比較的低分子量の有機化合物である。なお、比較的低分子量とは、数平均分子量が400未満であることを示す(以下同様)。
【0029】
低分子量アルコールとしては、例えば、1価の低分子量アルコール(低分子量モノオール)、および、多価の低分子量アルコール(低分子量ポリオール)が挙げられ、好ましくは、多価の低分子量アルコール(低分子量ポリオール)が挙げられる。低分子量ポリオールとしては、例えば、2価アルコール、3価アルコール、および、4価以上のアルコールが挙げられる。2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールおよびジプロピレングリコールが挙げられる。3価アルコールとしては、例えば、グリセリンおよびトリメチロールプロパンが挙げられる。4価以上のアルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトールおよびジグリセリンが挙げられる。これら低分子量ポリオールは、単独使用または2種類以上併用できる。
【0030】
低分子量アルコールの含有割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜設定される。低分子量アルコールの含有割合は、例えば、第1アルコール成分の総量に対して、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、0質量%である。つまり、第1アルコール成分は、好ましくは、低分子量アルコールを含まない。
【0031】
また、第1アルコール成分は、後述する多価の高分子量アルコール(高分子量ポリオール)を含まない。第1アルコール成分は、好ましくは、1価の高分子量アルコール(高分子量モノオール)からなる。
【0032】
第1アルコール成分の数平均分子量は、例えば、400以上、好ましくは、500以上、より好ましくは、1000以上、さらに好ましくは、2000以上である。また、第1アルコール成分の数平均分子量は、例えば、20000以下、好ましくは、10000以下、より好ましくは、5000以下である。
【0033】
第1活性エネルギー線硬化基含有成分としては、例えば、ヒドロキシ基含有不飽和化合物が挙げられる。ヒドロキシ基含有不飽和化合物は、1つ以上のエチレン性不飽和基、および、1つ以上のヒドロキシ基を併有する化合物である。
【0034】
エチレン性不飽和基含有基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニルフェニル基、プロペニルエーテル基、アリルエーテル基およびビニルエーテル基が挙げられる。なお、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイルおよび/またはメタクリロイルを示す。また、(メタ)アクリルとは、アクリルおよび/またはメタクリルを示(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを示す。
【0035】
エチレン性不飽和基含有基として、好ましくは、(メタ)アクリロイル基が挙げられ、より好ましくは、アクリロイル基が挙げられる。エチレン性不飽和基含有基が(メタ)アクリロイル基である場合、ヒドロキシ基含有不飽和化合物としては、例えば、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0036】
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、ポリヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレート、および、ポリヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0037】
モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートは、1分子中に、ヒドロキシ基を1つ有し(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物である。モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタル酸、2-ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、および、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0038】
ポリヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートは、1分子中に、ヒドロキシ基を複数有し、(メタ)アクリロイル基を1つ有する化合物である。ポリヒドロキシルモノ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、および、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0039】
モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートは、1分子中に、ヒドロキシ基を1つ有し、(メタ)アクリロイル基を複数有する化合物である。モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、および、2-ヒドロキシ-3-(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0040】
ポリヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートは、1分子中に、ヒドロキシ基を複数有し、(メタ)アクリロイル基を複数有する化合物である。ポリヒドロキシルポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、および、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0041】
これらヒドロキシ基含有不飽和化合物は、単独使用または2種類以上併用することができる。ヒドロキシ基含有不飽和化合物として、好ましくは、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレ-ト、より好ましくは、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレ-ト、モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、とりわけ好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0042】
第1ポリイソシアネート成分と、第1アルコール成分と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分とを反応させる方法は、特に制限されない。例えば、第1ポリイソシアネート成分と、第1アルコール成分と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分とを、一括反応させてもよい。また、第1ポリイソシアネート成分と、第1アルコール成分と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分とを、順次反応させてもよい。好ましくは、まず、第1ポリイソシアネート成分と、第1アルコール成分とを反応させ、その後、これらの反応生成物と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分とを反応させる。
【0043】
より具体的には、この方法では、まず、第1ポリイソシアネート成分と、第1アルコール成分とを、所定の割合で配合し、ウレタン化反応させる。これにより、第1イソシアネートアルコール付加体を生成させる(第1イソシアネート反応工程)。
【0044】
第1イソシアネート反応工程において、第1アルコール成分中の水酸基に対する、第1ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/水酸基)は、例えば、1を超過し、好ましくは、1.1以上、より好ましくは、3以上、さらに好ましくは、6以上であり、好ましくは、20以下、より好ましくは、15以下、さらに好ましくは、10以下である。
【0045】
第1イソシアネート反応工程では、公知の反応方法が採用される。反応方法としては、例えば、バルク反応および溶液反応が挙げられる。バルク反応では、例えば、窒素雰囲気下、上記成分を配合して、反応温度75~85℃で、1~20時間程度反応させる。溶液反応では、例えば、窒素雰囲気下、上記成分を公知の有機溶剤に添加し、反応温度20~80℃で、1~20時間程度反応させる。また、第1イソシアネート反応工程では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒が、適宜の割合で添加される。
【0046】
これにより、第1イソシアネート反応工程の反応生成物として、第1イソシアネートアルコール付加体が得られる。第1イソシアネートアルコール付加体は、必要に応じて、公知の方法で精製される。精製方法としては、例えば、蒸留および抽出が挙げられ、好ましくは、蒸留が挙げられる。蒸留方法としては、特に制限されないが、例えば、バッチ式蒸留法および連続式蒸留法が挙げられ、好ましくは、連続式蒸留法が挙げられる。連続式蒸留法としては、例えば、薄膜蒸留法(スミス式薄膜蒸留法)が挙げられる。なお、蒸留条件は、目的および用途に応じて、設定される。
【0047】
第1イソシアネートアルコール付加体のイソシアネート基濃度は、第1イソシアネートアルコール付加体の総量(固形分換算)に対して、例えば、0.3質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは、1.0質量%以上である。また、第1イソシアネートアルコール付加体のイソシアネート基濃度は、第1イソシアネートアルコール付加体の総量(固形分換算)に対して、例えば、15質量%以下、好ましくは、12質量%以下、より好ましくは、10質量%以下である。
【0048】
次いで、この方法では、第1イソシアネートアルコール付加体と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分とを、所定の割合で反応させる(第1硬化性基付加工程)。これにより、第1硬化性ポリウレタン樹脂を生成させる。
【0049】
より具体的には、第1硬化性基付加工程では、例えば、不活性ガス雰囲気下、上記のイソシアネート基末端プレポリマーと、第1活性エネルギー線硬化基含有成分(ヒドロキシ基含有不飽和化合物)とを、所定の当量比となるように配合し、ウレタン化反応させる。
【0050】
第1活性エネルギー線硬化基含有成分(ヒドロキシ基含有不飽和化合物)中のヒドロキシ基に対する、イソシアネート基末端プレポリマー中のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)は、例えば、0.7以上、好ましくは、0.9以上であり、例えば、1.5以下、好ましくは、1.2以下である。
【0051】
また、反応条件は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。例えば、反応温度が、例えば、40℃以上、好ましくは、50℃以上、より好ましくは、60℃以上である。また、反応温度が、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下、より好ましくは、80℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1.0時間以上である。また、反応時間が、例えば、24時間以下、好ましくは、10時間以下である。また、第1硬化性基付加工程では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒が、適宜の割合で添加される。
【0052】
これにより、第1硬化性ポリウレタン樹脂が得られる。第1硬化性ポリウレタン樹脂は、第1イソシアネートアルコール付加体のイソシアネート基と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分(ヒドロキシ基含有不飽和化合物)のヒドロキシ基とがウレタン化反応して得られる。つまり、第1硬化性ポリウレタン樹脂は、第1イソシアネートアルコール付加体と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分との反応生成物である。第1硬化性ポリウレタン樹脂は、第1活性エネルギー線硬化基含有成分(ヒドロキシ基含有不飽和化合物)に由来する不飽和結合を有するポリウレタン樹脂である。
【0053】
第1硬化性ポリウレタン樹脂の数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算分子量)は、例えば、500以上、好ましくは、1000以上である。また、第1硬化性ポリウレタン樹脂の数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算分子量)は、例えば、20000以下、好ましくは、15000以下である。
【0054】
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、任意成分として、第2硬化性ポリウレタン樹脂を含むことができる。収縮率、形状保持性、耐光性および機械物性の観点から、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、好ましくは、第2硬化性ポリウレタン樹脂を含む。活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂は、より好ましくは、第1硬化性ポリウレタン樹脂と、第2硬化性ポリウレタン樹脂とからなる。
【0055】
第2硬化性ポリウレタン樹脂は、第2ポリイソシアネート成分と、第2アルコール成分と、第2活性エネルギー線硬化基含有成分との反応生成物を含む。好ましくは、第2硬化性ポリウレタン樹脂は、第2ポリイソシアネート成分と、第2アルコール成分と、第2活性エネルギー線硬化基含有成分との反応生成物からなる。
【0056】
第2ポリイソシアネート成分としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、および、芳香脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
【0057】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート単量体および脂肪族ポリイソシアネート誘導体が挙げられる。脂肪族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、および、オクタメチレンジイソシアネートが挙げられる。脂肪族ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート単量体の上記変成体が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
【0058】
脂環族ポリイソシアネートとしては、脂環族ポリイソシアネート単量体および脂環族ポリイソシアネート誘導体が挙げられる。脂環族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、上記したビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)、および、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)が挙げられる。脂環族ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、脂環族ポリイソシアネート単量体の上記変成体が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
【0059】
芳香族ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート単量体および芳香族ポリイソシアネート誘導体が挙げられる。芳香族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TODI)、パラフェニレンジイソシアネート、および、ナフタレンジイソシアネート(NDI)が挙げられる。芳香族ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート単量体の上記変成体が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
【0060】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体および芳香脂肪族ポリイソシアネート誘導体が挙げられる。芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体としては、例えば、キシリレンジイソシアネート(XDI)、および、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)が挙げられる。芳香脂肪族ポリイソシアネート誘導体としては、例えば、芳香脂肪族ポリイソシアネート単量体の上記変成体が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用できる。
【0061】
第2ポリイソシアネート成分は、単独使用または2種類以上併用できる。耐光性および機械物性の観点から、第2ポリイソシアネート成分は、好ましくは、上記したビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含む。第2ポリイソシアネート成分は、より好ましくは、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンからなり、さらに好ましくは、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン単量体からなり、とりわけ好ましくは、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンからなる。
【0062】
第2アルコール成分は、多価の高分子量アルコール(高分子量ポリオール)からなる。多価の高分子量アルコールは、分子中に水酸基を2つ以上有し、比較的高分子量の有機化合物である。
【0063】
多価の高分子量アルコールとしては、公知のマクロポリオールが挙げられる。マクロポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリウレタンポリオール、エポキシポリオール、植物油ポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオールおよびビニルモノマー変性ポリオールが挙げられる。これらマクロポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。マクロポリオールとして、好ましくは、ポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0064】
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオール、および、ポリテトラメチレンエーテルポリオールが挙げられ、好ましくは、ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールが挙げられる。
【0065】
ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールは、例えば、上記した低分子量ポリオールまたは低分子量ポリアミンを開始剤とする、アルキレンオキサイドの付加重合物である。
【0066】
低分子量ポリアミンとしては、例えば、低分子量ジアミンおよび低分子量トリアミンが挙げられる。低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,3--ブタンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、2,5-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,6-ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ヒドラジン、および、トリレンジアミンが挙げられる。低分子量トリアミンとしては、例えば、トリエチレンテトラミン、および、テトラエチレンペンタミンが挙げられる。これら低分子量ポリアミンは、単独使用または2種類以上併用できる。
【0067】
これら開始剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。開始剤として、好ましくは、低分子量ポリオールが挙げられる。
【0068】
アルキレンオキサイドとしては、炭素数2~3のアルキレンオキサイドが挙げられる。アルキレンオキサイドとして、より具体的には、例えば、エチレンオキサイド(IUPAC名:オキシラン)、プロピレンオキサイド(1,2-プロピレンオキサイド(IUPAC名:メチルオキシラン))、および、トリエチレンオキサイド(1,3-プロピレンオキサイド)が挙げられる。これらアルキレンオキサイドは、単独使用または2種類以上併用することができる。アルキレンオキサイドとして、好ましくは、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドが挙げられる。
【0069】
ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールとして、より具体的には、例えば、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリオキシトリエチレンポリオール、および、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンポリオール(ランダムまたはブロック共重合体)が挙げられる。ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールは、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0070】
ポリオキシアルキレン(C2-3)ポリオールとして、好ましくは、ポリオキシプロピレンポリオールが挙げられ、より好ましくは、ポリオキシプロピレングリコールが挙げられる。
【0071】
多価の高分子量アルコール(マクロポリオール)の数平均分子量は、例えば、400以上、好ましくは、500以上、より好ましくは、1000以上、さらに好ましくは、2000以上である。また、多価の高分子量アルコール(マクロポリオール)の数平均分子量は、例えば、20000以下、好ましくは、10000以下、より好ましくは、5000以下である。
【0072】
多価の高分子量アルコール(マクロポリオール)の平均官能基数は、例えば、2.0以上である。また、多価の高分子量アルコール(マクロポリオール)の平均官能基数は、例えば、4.0以下、好ましくは、3.0以下、より好ましくは、2.5以下である。第2アルコール成分の平均官能基数は、とりわけ好ましくは、2.0である。
【0073】
また、第2アルコール成分は、任意成分として、上記した低分子量アルコールを含有できる。低分子量アルコールの含有割合は、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、適宜設定される。低分子量アルコールの含有割合は、例えば、第2アルコール成分の総量に対して、例えば、30質量%以下、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、0質量%である。つまり、第2アルコール成分は、好ましくは、低分子量アルコールを含まない。
【0074】
また、第2アルコール成分は、上記した1価の高分子量アルコール(高分子量モノオール)を含まない。第2アルコール成分は、好ましくは、多価の高分子量アルコール(高分子量ポリオール)からなる。
【0075】
第2アルコール成分の数平均分子量は、例えば、400以上、好ましくは、500以上、より好ましくは、1000以上、さらに好ましくは、2000以上である。また、第2アルコール成分の数平均分子量は、例えば、20000以下、好ましくは、10000以下、より好ましくは、5000以下である。
【0076】
第2アルコール成分(総量)の平均官能基数は、例えば、2.0以上である。また、第2アルコール成分(総量)の平均官能基数は、例えば、4.0以下、好ましくは、3.0以下、より好ましくは、2.5以下である。第2アルコール成分の平均官能基数は、とりわけ好ましくは、2.0である。
【0077】
第2活性エネルギー線硬化基含有成分としては、例えば、上記したヒドロキシ基含有不飽和化合物が挙げられる。ヒドロキシ基含有不飽和化合物として、好ましくは、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレ-ト、より好ましくは、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレ-ト、モノヒドロキシルポリ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、モノヒドロキシルモノ(メタ)アクリレート、さらに好ましくは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、とりわけ好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0078】
第2ポリイソシアネート成分と、第2アルコール成分と、第2活性エネルギー線硬化基含有成分とを反応させる方法は、特に制限されない。例えば、第2ポリイソシアネート成分と、第2アルコール成分と、第2活性エネルギー線硬化基含有成分とを、一括で反応させてもよい。また、第2ポリイソシアネート成分と、第2アルコール成分と、第2活性エネルギー線硬化基含有成分とを、順次反応させてもよい。好ましくは、まず、第2ポリイソシアネート成分と、第2アルコール成分とを反応させ、その後、これらの反応生成物と、第2活性エネルギー線硬化基含有成分とを反応させる。
【0079】
好ましくは、第2ポリイソシアネート成分、第2アルコール成分、および、第2活性エネルギー線硬化基含有成分は、順次反応する。
【0080】
より具体的には、この方法では、まず、第2ポリイソシアネート成分と、第2アルコール成分とを、所定の割合で配合し、ウレタン化反応させる。これにより、第2イソシアネート基末端プレポリマーを生成させる(第2イソシアネート反応工程)。
【0081】
第2イソシアネート反応工程において、第2アルコール成分中の水酸基に対する、第2ポリイソシアネート成分中のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/水酸基)は、例えば、1を超過し、好ましくは、1.1以上、より好ましくは、3以上、さらに好ましくは、6以上であり、好ましくは、20以下、より好ましくは、15以下、さらに好ましくは、10以下である。
【0082】
第2イソシアネート反応工程では、公知の重合方法が採用される。重合方法としては、例えば、バルク重合および溶液重合が挙げられる。バルク重合では、例えば、窒素雰囲気下、上記成分を配合して、反応温度75~85℃で、1~20時間程度反応させる。溶液重合では、例えば、窒素雰囲気下、上記成分を公知の有機溶剤に添加し、反応温度20~80℃で、1~20時間程度反応させる。また、第2イソシアネート反応工程では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒が、適宜の割合で添加される。
【0083】
これにより、第2イソシアネート反応工程の反応生成物として、第2イソシアネート基末端プレポリマーが得られる。第2イソシアネート基末端プレポリマーは、必要に応じて、公知の方法で精製される。精製方法としては、例えば、蒸留および抽出が挙げられ、好ましくは、蒸留が挙げられる。蒸留方法としては、特に制限されないが、例えば、バッチ式蒸留法および連続式蒸留法が挙げられ、好ましくは、連続式蒸留法が挙げられる。連続式蒸留法としては、例えば、薄膜蒸留法(スミス式薄膜蒸留法)が挙げられる。なお、蒸留条件は、目的および用途に応じて、設定される。
【0084】
第2イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基濃度は、第2イソシアネート基末端プレポリマーの総量(固形分換算)に対して、例えば、0.3質量%以上、好ましくは、0.5質量%以上、より好ましくは、1.0質量%以上である。また、第2イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基濃度は、第2イソシアネート基末端プレポリマーの総量(固形分換算)に対して、例えば、15質量%以下、好ましくは、12質量%以下、より好ましくは、10質量%以下である。
【0085】
次いで、この方法では、第2イソシアネート基末端プレポリマーと、第2活性エネルギー線硬化基含有成分とを、所定の割合で反応させる(第2硬化性基付加工程)。これにより、第2硬化性ポリウレタン樹脂を生成させる。
【0086】
より具体的には、第2硬化性基付加工程では、例えば、不活性ガス雰囲気下、上記のイソシアネート基末端プレポリマーと、第2活性エネルギー線硬化基含有成分(ヒドロキシ基含有不飽和化合物)とを、所定の当量比となるように配合し、ウレタン化反応させる。
【0087】
第2活性エネルギー線硬化基含有成分(ヒドロキシ基含有不飽和化合物)中のヒドロキシ基に対する、イソシアネート基末端プレポリマー中のイソシアネート基の当量比(イソシアネート基/ヒドロキシ基)は、例えば、0.7以上、好ましくは、0.9以上であり、例えば、1.5以下、好ましくは、1.2以下である。
【0088】
また、反応条件は、特に制限されず、目的および用途に応じて、適宜設定される。例えば、反応温度が、例えば、40℃以上、好ましくは、50℃以上、より好ましくは、60℃以上である。また、反応温度が、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下、より好ましくは、80℃以下である。また、反応時間が、例えば、0.5時間以上、好ましくは、1.0時間以上である。また、反応時間が、例えば、24時間以下、好ましくは、10時間以下である。また、第2硬化性基付加工程では、必要に応じて、公知のウレタン化触媒が、適宜の割合で添加される。
【0089】
これにより、第2硬化性ポリウレタン樹脂が得られる。第2硬化性ポリウレタン樹脂は、第2イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基と、第2活性エネルギー線硬化基含有成分(ヒドロキシ基含有不飽和化合物)のヒドロキシ基とがウレタン化反応して得られる。つまり、第2硬化性ポリウレタン樹脂は、第2イソシアネート基末端プレポリマーと、第2活性エネルギー線硬化基含有成分との反応生成物である。第2硬化性ポリウレタン樹脂は、第2活性エネルギー線硬化基含有成分(ヒドロキシ基含有不飽和化合物)に由来する不飽和結合を有するポリウレタン樹脂である。
【0090】
第2硬化性ポリウレタン樹脂の数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算分子量)は、例えば、500以上、好ましくは、1000以上である。また、第2硬化性ポリウレタン樹脂の数平均分子量(GPC測定による標準ポリスチレン換算分子量)は、例えば、20000以下、好ましくは、15000以下である。
【0091】
活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が、第2硬化性ポリウレタン樹脂を含有する場合、その含有割合は、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0092】
例えば、第1硬化性ポリウレタン樹脂と第2硬化性ポリウレタン樹脂との総量に対して、第1硬化性ポリウレタン樹脂が、例えば、30質量%以上、好ましくは、50質量%以上、より好ましくは、55質量%以上、さらに好ましくは、60質量%以上である。また、第1硬化性ポリウレタン樹脂と第2硬化性ポリウレタン樹脂との総量に対して、第1硬化性ポリウレタン樹脂が、例えば、99質量%以下、好ましくは、95質量%以下、より好ましくは、90質量%以下、さらに好ましくは、80質量%以下である。
【0093】
換言すると、第1硬化性ポリウレタン樹脂と第2硬化性ポリウレタン樹脂との総量に対して、第2硬化性ポリウレタン樹脂が、例えば、1質量%以上、好ましくは、5質量%以上、より好ましくは、10質量%以上、さらに好ましくは、20質量%以上である。また、第1硬化性ポリウレタン樹脂と第2硬化性ポリウレタン樹脂との総量に対して、第2硬化性ポリウレタン樹脂が、例えば、70質量%以下、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは、45質量%以下、さらに好ましくは、40質量%以下である。
【0094】
また、第1硬化性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、第2ポリウレタン樹脂が、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上、より好ましくは、20質量部以上、さらに好ましくは、30質量部以上である。また、第1硬化性ポリウレタン樹脂100質量部に対して、第2ポリウレタン樹脂が、例えば、150質量部以下、好ましくは、100質量部以下、より好ましくは、70質量部以下、さらに好ましくは、50質量部以下である。
【0095】
硬化性樹脂組成物は、さらに、任意成分として、ラジカル反応性希釈剤を含有できる。硬化性樹脂組成物は、好ましくは、ラジカル反応性希釈剤を含有する。
【0096】
ラジカル反応性希釈剤は、活性エネルギー線(後述)の照射によりラジカル重合する化合物であり、かつ、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を希釈するための希釈剤である。
【0097】
ラジカル反応性希釈剤としては、例えば、芳香族炭化水素骨格を有する反応性化合物、脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物、鎖状脂肪族炭化水素骨格を有する反応性化合物、鎖状エーテル骨格を有する反応性化合物、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、アミド骨格を有する反応性化合物、オキシアルキレン骨格を有する反応性化合物、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物、ポリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート、および、不飽和カルボン酸アリルエステルが挙げられる。
【0098】
芳香族炭化水素骨格を有する反応性化合物としては、例えば、3-フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、および、α-メチルスチレンが挙げられる。
【0099】
脂環式炭化水素骨格を有する反応性化合物としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、および、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0100】
鎖状脂肪族炭化水素骨格を有する反応性化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、および、ラウリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0101】
鎖状エーテル骨格を有する反応性化合物としては、例えば、2-エチルヘキシル-ジグルコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0102】
脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物としては、例えば、環状トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート、(2ーメチル-2-エチル-1,3-ジオキソラン-4-イル)メチルアクリレート、および、4-(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。
【0103】
アミド骨格を有する反応性化合物としては、例えば、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0104】
オキシアルキレン骨格を有する反応性化合物としては、例えば、2-エチルヘキシル-ジグリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0105】
(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物としては、例えば、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1-メチル-2-ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5-ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6-ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4-ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p-ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシ)エチル、および、(メタ)アクリル酸2-(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチルが挙げられる。
【0106】
ポリオールポリ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、および、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0107】
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、上記したヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0108】
不飽和カルボン酸アリルエステルとしては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、および、ジアリルイタコネートが挙げられる。
【0109】
これらラジカル反応性希釈剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
【0110】
耐光性および低収縮率の観点から、ラジカル反応性希釈剤として、好ましくは、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物が挙げられ、より好ましくは、脂環式エーテル骨格を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0111】
硬化性樹脂組成物において、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂とラジカル反応性希釈剤との配合割合は、特に制限されず、本発明の優れた効果を損なわない範囲において、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0112】
ラジカル反応性希釈剤の配合割合は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂(総量)100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上、より好ましくは、10質量部以上である。また、ラジカル反応性希釈剤の配合割合は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂(総量)100質量部に対して、例えば、500質量部以下、好ましくは、300質量部以下、より好ましくは、100質量部以下、さらに好ましくは、50質量部以下、とりわけ好ましくは、20質量部以下である。
【0113】
硬化性樹脂組成物は、さらに、任意成分として、活性エネルギー線重合開始剤を含有できる。好ましくは、硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線重合開始剤を含有する。
【0114】
活性エネルギー線重合開始剤としては、公知の活性エネルギー線重合開始剤が挙げられ、例えば、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2-ベンジル-2-(ジメチルアミノ)-4’-モルフォリノブチロフェノン、1,2-オクタンジオン1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(o-ベンゾイルオキシム)、エタノン-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)、1-ヒドロキシチクロヘキシル-フェニルケトン、および、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノンが挙げられる。また、活性エネルギー線重合開始剤は、市販品として入手可能である。そのような市販品としては、例えば、TPO(商品名、東京化成工業製)、Irgacure819(BAPO、商品名、BASF製)、Irgacure369(Omnirad369、商品名、BASF製)、IrgacureOXE01(商品名、BASF製)、IrgacureOXE02(商品名、BASF製)、IrgacureOXE03(商品名、BASF製)、IrgacureOXE04(商品名、BASF製)、Irgacure184(Omnirad 184、商品名、BASF製)、Omnirad 1173(Darocur 1173、商品名、BASF製)、NCI-831(商品名、ADEKA製)、および、NCI-930(商品名、ADEKA製)が挙げられる。これらは、単独使用または2種類以上併用することができる。耐光性の観点から、活性エネルギー線重合開始剤として、好ましくは、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、および、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイドが挙げられ、より好ましくは、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイドが挙げられる。
【0115】
活性エネルギー線重合開始剤の配合割合は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂(総量)100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上、好ましくは、1.0質量部以上である。また、活性エネルギー線重合開始剤の配合割合は、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂(総量)100質量部に対して、例えば、5.0質量部以下、好ましくは、3.0質量部以下である。
【0116】
硬化性樹脂組成物は、さらに、公知の添加剤を含有できる。添加剤としては、例えば、可塑剤、内部離型剤、オレフィン類、潤滑剤、増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、耐活性エネルギー線安定剤、耐光安定剤、触媒、顔料、染料、滑剤、フィラー、および、加水分解防止剤が挙げられる。これら添加剤の添加量および添加のタイミングは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0117】
形状保持性および耐光性の観点から、好ましくは、硬化性樹脂組成物は、可塑剤を含有しない。上記の硬化性樹脂組成物は、上記の活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂を含むため、可塑剤を含まなくとも、優れた低硬度性を得られる。
【0118】
硬化性樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば、0.1Pa・s以上、好ましくは、0.3Pa・s以上、より好ましくは、0.5Pa・s以上である。また、硬化性樹脂組成物の25℃における粘度は、例えば、5.0Pa・s以下、好ましくは、3.0Pa・s以下、より好ましくは、1.5Pa・s以下である。
【0119】
そして、このような硬化性樹脂組成物では、活性エネルギー線硬化性ポリウレタン樹脂が、第1硬化性ポリウレタン樹脂を含有している。第1硬化性ポリウレタン樹脂は、第1ポリイソシアネート成分と、1価の高分子量アルコールを含み、多価の高分子量アルコールを含まない第1アルコール成分と、第1活性エネルギー線硬化基含有成分との反応生成物を含む。そして、第1ポリイソシアネート成分が、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンを含有している。そのため、硬化性樹脂組成物および3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、比較的低い収縮率と、優れた形状保持性と、優れた耐光性と、優れた機械物性とを有する樹脂硬化物を得ることができる。
【0120】
そのため、上記の硬化性樹脂組成物は、例えば、接着剤、コーティング剤、エラストマー、成形材料などとして、各種産業分野において、好適に用いられる。とりわけ、上記の硬化性樹脂組成物は、成形材料、より具体的には、3Dプリンターにおける成形材料として、好適に用いられる。
【0121】
本発明の3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、上記の硬化性樹脂組成物を含む。好ましくは、3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、上記の硬化性樹脂組成物からなる。
【0122】
このような3Dプリンター用硬化性樹脂組成物は、上記の硬化性樹脂組成物を含むため、比較的低い収縮率と、優れた形状保持性と、優れた耐光性と、優れた機械物性とを有する樹脂硬化物を得ることができる。
【0123】
樹脂硬化物を得るには、例えば、硬化性樹脂組成物を所望形状に成形した後、活性エネルギー線を照射する。これにより、硬化性樹脂組成物を硬化させる。
【0124】
活性エネルギー線としては、例えば、紫外線および電子線が挙げられる。活性エネルギー線の照射量(積算光量)は、例えば、10×10-3J/cm2以上、好ましくは、15×10-3J/cm2以上であり、例えば、6J/cm2以下、好ましくは、4J/cm2以下である。
【0125】
また、ピーク照度が、例えば、1.0mW/cm2以下、好ましくは、0.8mW/cm2以下である。また、ピーク照度は、通常、0.01mW/cm2以上である。また、積算光量が、例えば、50mJ/cm2以下、好ましくは、30mJ/cm2以下、より好ましくは、20mJ/cm2以下である。また、積算光量は、通常、0.1mJ/cm2以上である。
【0126】
なお、活性エネルギー線による硬化は、一括硬化であってもよく、分割硬化であってもよい。すなわち、1回の活性エネルギー線の照射により、硬化性樹脂組成物を硬化させてもよく、2回以上の活性エネルギー線の照射により、硬化性樹脂組成物を硬化させてもよい。これにより、硬化性樹脂組成物からなる成形物(樹脂硬化物)が得られる。
【0127】
また、例えば、硬化性樹脂組成物の塗布および硬化を複数回繰り返すこともできる。より具体的には、3Dプリンターなどにおいて、まず、上記の方法で活性エネルギー線の照射により硬化性樹脂組成物を硬化させ、樹脂硬化物からなる樹脂層を得る。次いで、樹脂層に、硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射により硬化させる。これにより、複数の樹脂層を積層させる。このような操作を繰り返すことによって、複数の樹脂層からなる成形物(樹脂硬化物)が得られる。
【0128】
また、樹脂硬化物を、活性エネルギー線の照射後、必要により、養生できる。養生条件としては、特に制限されないが、温度条件が、例えば、10~150℃、好ましくは、10~100℃である。また、湿度条件が、例えば、20~80%、好ましくは、30~70%である。また、養生時間は、例えば、0.5~10日間、好ましくは、1~7日間である。
【0129】
樹脂硬化物は、上記の硬化性樹脂組成物の硬化物である。そのため、樹脂硬化物は、比較的低い収縮率と、優れた形状保持性と、優れた耐光性と、優れた機械物性とを有する。
【0130】
また、上記の樹脂硬化物は、必要に応じて、コーティング層によってコーティングされる。コーティング層は、例えば、樹脂硬化物の表面に、公知のコーティング剤を、公知の方法で塗布および乾燥することによって、形成される。コーティング層の厚みは、目的および用途に応じて、適宜設定される。
【0131】
このような樹脂硬化物は、低硬度性が要求される各種産業分野において、好適に用いられる。樹脂硬化物が用いられる分野としては、例えば、擬似生体材料、ロボット部材、アンドロイド部材、ウェアラブル部材、衣料用品、衛生用品、化粧用品、家具用品、食品包装部材、スポーツ用品、レジャー用品、医療用品、介護用品、住宅用部材、音響部材、照明部材、防振部材、防音部材、日用品、雑貨、クッション、寝具、応力吸収材、応力緩和材、自動車内装材、自動車外装材、鉄道部材、航空機部材、光学部材、OA機器用部材、雑貨表面保護部材、半導体封止材、自己修復材料、健康器具、メガネレンズ、玩具、パッキン、ケーブルシース、ワイヤーハーネス、電気通信ケーブル、自動車配線、コンピューター配線、工業用品、衝撃吸収材および半導体用品が挙げられる。好ましくは、樹脂硬化物は、手術練習用の疑似生体材料(例えば、人工臓器および人工皮膚)として、好適に用いられる。
【実施例0132】
次に、本発明を、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメ-タなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメ-タなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
【0133】
1.第1硬化性ポリウレタン樹脂
合成例1(ML3000+H6XDI+HEA)
窒素雰囲気下、ガラス製のセパラブルフラスコに、数平均分子量3000のメトキシポリオキシエチレングリコール(ML3000、片末端封止ポリオキシエチレングリコール)と、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとを、投入した。なお、投入量は、メトキシポリオキシエチレングリコール(片末端封止ポリオキシエチレングリコール)の水酸基に対する、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が8.0となるように、調整した。
【0134】
次いで、メトキシポリオキシエチレングリコールと、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとの混合物を、80℃に昇温した。次いで、混合物に、ウレタン化触媒(エチルヘキサン酸スズ(II))を投入した。なお、投入量は、混合物に対するウレタン化触媒が、10ppmとなるように、調整した。その後、混合物を80℃で4時間反応させた。これにより、第1イソシアネートアルコール付加体と、未反応の1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとを含む粗生成物を得た。次いで、粗生成物を、薄膜蒸留(160~170℃、70~100Pa)し、第1イソシアネートアルコール付加体を精製した。
【0135】
次いで、セパラブルフラスコに、第1イソシアネートアルコール付加体と、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)とを、投入した。なお、投入量は、2-ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基に対する、第1イソシアネートアルコール付加体のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.0となるように、調整した。
【0136】
次いで、第1イソシアネートアルコール付加体と、2-ヒドロキシエチルアクリレートの混合物を、70℃に昇温した。次いで、混合物に、ウレタン化触媒(エチルヘキサン酸スズ(II))を投入した。なお、投入量は、混合物に対するウレタン化触媒が、200ppmとなるように、調整した。その後、混合物を70℃で4時間反応させた。これにより、第1硬化性ポリウレタン樹脂Aを得た。
【0137】
合成例2(ML10000+H6XDI+HEA)
数平均分子量3000のメトキシポリオキシエチレングリコールに代えて、数平均分子量10000のメトキシポリオキシエチレングリコール(ML10000、片末端封止ポリオキシエチレングリコール)を使用した。これ以外は、合成例1と同じ方法で、第1硬化性ポリウレタン樹脂Bを得た。
【0138】
合成例3(ML3000+IPDI+HEA)
1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンに代えて、イソホロンジイソシアネートを使用した。これ以外は、合成例1と同じ方法で、第1硬化性ポリウレタン樹脂Cを得た。
【0139】
合成例4(ML10000+IPDI+HEA)
1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンに代えて、イソホロンジイソシアネートを使用した。また、数平均分子量3000のメトキシポリオキシエチレングリコールに代えて、数平均分子量10000のメトキシポリオキシエチレングリコールを使用した。これ以外は、合成例1と同じ方法で、第1硬化性ポリウレタン樹脂Dを得た。
【0140】
2.第2硬化性ポリウレタン樹脂
合成例5(PPG3000+H6XDI+HEA)
窒素雰囲気下、ガラス製のセパラブルフラスコに、数平均分子量3000のポリオキシプロピレングリコール(PPG3000)と、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとを、投入した。なお、投入量は、メトキシポリオキシエチレングリコール(片末端封止ポリオキシエチレングリコール)の水酸基に対する、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が8.0となるように、調整した。
【0141】
次いで、ポリオキシプロピレングリコールと、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとの混合物を、80℃に昇温した。次いで、混合物に、ウレタン化触媒(エチルヘキサン酸スズ(II))を投入した。なお、投入量は、混合物に対するウレタン化触媒が、10ppmとなるように、調整した。その後、混合物を80℃で4時間反応させた。これにより、イソシアネート基末端プレポリマーと、未反応の1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンとを含む粗生成物を得た。次いで、粗生成物を、薄膜蒸留(160~170℃、70~100Pa)し、第2イソシアネート基末端プレポリマーを精製した。
【0142】
次いで、セパラブルフラスコに、第2イソシアネート基末端プレポリマーと、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)とを、投入した。なお、投入量は、2-ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基に対する、第2イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が1.0となるように、調整した。
【0143】
次いで、第2イソシアネート基末端プレポリマーと、2-ヒドロキシエチルアクリレートの混合物を、70℃に昇温した。次いで、混合物に、ウレタン化触媒(エチルヘキサン酸スズ(II))を投入した。なお、投入量は、混合物に対するウレタン化触媒が、200ppmとなるように、調整した。その後、混合物を70℃で4時間反応させた。これにより、第2硬化性ポリウレタン樹脂Aを得た。
【0144】
合成例6(PPG10000+H6XDI+HEA)
数平均分子量3000のポリオキシプロピレングリコールに代えて、数平均分子量10000のポリオキシプロピレングリコール(ML10000、片末端封止ポリオキシエチレングリコール)を使用した。これ以外は、合成例5と同じ方法で、第2硬化性ポリウレタン樹脂Bを得た。
【0145】
合成例7(PPG3000+IPDI+HEA)
1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンに代えて、イソホロンジイソシアネートを使用した。これ以外は、合成例5と同じ方法で、第2硬化性ポリウレタン樹脂Cを得た。
【0146】
合成例8(PPG10000+IPDI+HEA)
1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンに代えて、イソホロンジイソシアネートを使用した。また、数平均分子量3000のポリオキシプロピレングリコールに代えて、数平均分子量10000のポリオキシプロピレングリコールを使用した。これ以外は、合成例5と同じ方法で、第2硬化性ポリウレタン樹脂Dを得た。
【0147】
3.硬化性樹脂組成物
表1~表4に記載の処方に従って、第1硬化性ポリウレタン樹脂と、第2硬化性ポリウレタン樹脂と、ラジカル反応性希釈剤と、活性エネルギー線重合開始剤と、必要に応じて可塑剤とを、合計100gとなるように褐色瓶に投入し、60℃で撹拌した。これにより、硬化性樹脂組成物を得た。
【0148】
また、得られた硬化性樹脂組成物の25℃における粘度を、E型粘度計(東機産業社製、TV25形粘度計、ローター角度:1°34’、ローター半径2.4cm)にて測定した。
【0149】
4.樹脂硬化物
以下に示す方法で、硬化性樹脂組成物を硬化させ、樹脂硬化物を得た。すなわち、市販の3Dプリンター(Phrozen社製 Phrozen shuffle 4K)を用いて、硬化性樹脂組成物を活性エネルギー線の照射により硬化させ、膜厚100μmの樹脂層を得た。次いで、樹脂層に硬化性樹脂組成物を塗布し、活性エネルギー線の照射により硬化させ、樹脂層を積層させた。このような操作を繰り返すことにより、100mm×5mm×2mmの樹脂硬化物を得た。
【0150】
なお、活性エネルギー線の出力は、0.65mW/cm2(照度計(日置電機社製3664光パワーメータ(測定波長405nm)にて測定)とし、積算光量が19.5J/cm2となるように、照射時間を調整した。
【0151】
5.評価
(1)収縮率
3Dプリンターの設計図に示された予定成形物の体積と、3Dプリンターにおいて実際に得られた樹脂硬化物の体積とを比較し、その差を算出した。そして、体積の差に基づいて、樹脂硬化物の収縮率を評価した。評価基準を下記する。
【0152】
○;体積差±1%以下。
△;体積差±1%を超過し、2.5%以下。
×;体積差±2.5%を超過。
【0153】
(2)機械物性
(a)貯蔵弾性率
100mm×5mm×2mmの樹脂硬化物の動的粘弾性スペクトルを、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製、型式:DVA-220)を用いて、測定した。そして、25℃における貯蔵弾性率E’を測定した。なお、測定条件を下記する。
【0154】
測定温度-100~250℃、昇温速度5℃/min、引張モード、標線間長20mm、静/動応力比1.8、測定周波数10Hz
【0155】
(b)破断強度および破断伸び
100mm×5mm×2mmの樹脂硬化物から、JIS K7311(1995)に従って、JIS-3号ダンベル型試験片を作成した。そして、試験片の破断強度および破断伸びを、50mm/min、標線間距離20mmの条件で測定した。
【0156】
(c)引裂き強度
100mm×5mm×2mmの樹脂硬化物から、JIS K7311(1995)に従って、アングル型試験片を作成した。そして、試験片の引裂き強度を、引裂速度500mm/minの条件で測定した。
【0157】
(3)立体造形性
3Dプリンターで成形した100mm×5mm×2mmの樹脂硬化物の外観を、目視で確認した。そして、形状の崩れの有無を確認した。評価基準を下記する。
【0158】
○;形状の崩れが確認された。
×;形状の崩れが確認されなかった。
【0159】
(4)耐光性
紫外線蛍光灯が取り付けられたQUVウェザリングテスター(スガ試験機社製、紫外線蛍光灯ウェザーメーターFUV)により、100mm×5mm×2mmの樹脂硬化物に、紫外線を照射した。なお、照射条件を下記する。
【0160】
温度;60℃、相対湿度;10%、紫外線波長270~720nm、照射強度28W/m2、照射時間48時間
【0161】
そして、試験前後における成形物のΔb(b値の変化量)を、色差計(東京電色社製、カラーエースMODEL TC-1)により測定した。そして、Δbに基づいて、樹脂硬化物の耐光性を評価した。評価基準を下記する。
【0162】
○;Δbが5以下。
△;Δbが5を超過し15以下。
×;Δbが15を超過。
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
なお、表中の略号の詳細を下記する。
【0168】
1,3-H6XDI:1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、三井化学製
IPDI:イソホロンジイソシアネート、商品名VESTANAT IPDI、Evonik製
【0169】
PPG3000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量3000、三井化学SKCポリウレタン製
PPG10000:ポリオキシプロピレンポリオール、平均官能基数2、数平均分子量10000、三井化学SKCポリウレタン製
ML3000:メトキシポリオキシエチレングリコール、平均官能基数1、数平均分子量3000、三井化学SKCポリウレタン製
ML10000:メトキシポリオキシエチレングリコール、平均官能基数1、数平均分子量10000、三井化学SKCポリウレタン製
HEA:2-ヒドロキシエチルアクリレート
【0170】
ACMO:ラジカル反応性希釈剤、4-アクリロイルモルフォリン、脂環式エーテル骨格を有する反応性化合物、KJケミカルズ製
AO-MA:ラジカル反応性希釈剤、2-(アリルオキシメチル)アクリル酸メチル、(メタ)アクリロイル基およびビニル基併有化合物、日本触媒製
【0171】
ベンゾフレックス9-98:可塑剤、ジプロピレングリコールジベンゾアート、CBC社製
DL10000:可塑剤、数平均分子量10000のポリオキシプロピレンポリオール
【0172】
TPO:光重合開始剤、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フォスフィンオキサイド、東京化成工業社製
Omnirad819:光重合開始剤、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォルフィンオキサイド、IGM resinsB.V.社製