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特開2023-131770画像形成装置、印刷管理システム、および画像形成装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131770
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】画像形成装置、印刷管理システム、および画像形成装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20230914BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20230914BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20230914BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20230914BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G03G21/00 396
B41J29/38 204
B41J29/393 107
G03G15/00 303
G03G21/00 510
G06F3/12 331
G06F3/12 308
G06F3/12 356
G06F3/12 385
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036718
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】臼井 孝
(72)【発明者】
【氏名】南川 友樹
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CF05
2C061HJ01
2C061HK07
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP08
2C061HQ01
2C061KK04
2C061KK12
2C061KK25
2C061KK28
2C061KK32
2H270KA04
2H270KA62
2H270LA19
2H270LA22
2H270LA53
2H270LA60
2H270LA90
2H270LA99
2H270LB01
2H270LB04
2H270LD03
2H270LD08
2H270MB11
2H270MB25
2H270MB33
2H270MB38
2H270MB43
2H270MB55
2H270MF16
2H270MF21
2H270MH10
2H270NB02
2H270NB06
2H270NB09
2H270NC07
2H270NC08
2H270NC20
2H270ND12
2H270ND14
2H270ND25
2H270ND30
2H270ND31
2H270ND36
2H270RA02
2H270RA04
2H270RA10
2H270RA13
2H270RB05
2H270RC10
2H270RC11
2H270RC14
2H270RC16
2H270RC18
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】消耗品に対応する適切な制御情報を得ることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、着脱可能な消耗品と、消耗品を用いて画像を印刷する印刷部と、消耗品に対応して設定される、印刷部を制御するための制御情報の有無を判定する制御部と、を備え、制御部は、消耗品に対応する制御情報が無いと判定した場合、印刷部によって印刷された所定のテストパターンの画像から画像情報を抽出し、抽出された画像情報に基づき生成された前記制御情報を取得する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱可能な消耗品と、
前記消耗品を用いて画像を印刷する印刷部と、
前記消耗品に対応して設定される、前記印刷部を制御するための制御情報の有無を判定する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記消耗品に対応する前記制御情報が無いと判定した場合、前記印刷部によって印刷された所定のテストパターンの画像から画像情報を抽出し、
抽出された前記画像情報に基づき生成された前記制御情報を取得する、画像形成装置。
【請求項2】
前記画像形成装置を管理する管理サーバと通信可能に接続されており、
前記制御部は、
抽出した前記画像情報を、前記管理サーバに送信し、前記管理サーバから前記画像情報に基づき生成された前記制御情報を取得する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記印刷部によって前記所定のテストパターンの画像が印刷された用紙の用紙情報をさらに取得しており、
前記画像情報ともに前記用紙情報を前記管理サーバに送信する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記管理サーバから前記所定のテストパターンと前記所定のテストパターンを印刷するための印刷条件とを含むテストパターン情報を取得しており、
前記印刷部は、取得された前記テストパターン情報に基づき前記所定のテストパターンを印刷する請求項2または3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置において現在設定されている前記制御情報である、設定済み制御情報を記憶する記憶部を備え、
前記制御部が、前記消耗品に対応する前記制御情報が無いと判定した場合、
前記記憶部に記憶された前記設定済み制御情報に基づき前記印刷部によって印刷された前記所定のテストパターンの画像から前記画像情報を抽出し、
抽出された前記画像情報とともに前記設定済み制御情報を前記管理サーバに送信し、前記管理サーバから前記画像情報および前記設定済み制御情報に基づき生成された前記制御情報を取得する、請求項2から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、取得した前記制御情報と、前記消耗品とを対応づけて前記記憶部に記憶させる、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷部によって前記所定のテストパターンの画像が印刷された用紙が搬送される搬送路と、
前記搬送路を通過する前記用紙から前記所定のテストパターンの画像を読み取る画像読取装置と、を備え、
前記制御部は、前記画像読取装置によって読み取られた前記所定のテストパターンの画像から前記画像情報を抽出する請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の画像形成装置と、
前記画像形成装置によって抽出された前記画像情報に基づき、前記制御情報を生成する管理サーバと、を有する、印刷管理システム。
【請求項9】
着脱可能な消耗品を用いて画像を印刷する印刷部を備えた画像形成装置の制御方法であって、
前記消耗品に対応して設定される、前記印刷部を制御するための制御情報の有無を判定するステップと、
前記消耗品に対応する前記制御情報が無いと判定された場合、前記印刷部によって印刷された所定のテストパターンの画像から画像情報を抽出するステップと、
抽出された前記画像情報に基づき生成された前記制御情報を取得するステップと、を含む画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、印刷管理システム、および印刷管理システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、消耗品の識別情報を取得してサーバ装置に送信し、サーバ装置から画像形成部を制御する画像形成条件を受信する画像形成装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-61016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1では、サーバ装置により識別情報を認識できない消耗品が装着された場合、画像形成装置は消耗品に応じた制御情報を得ることができない。
【0005】
本開示の目的は、消耗品に対応する適切な制御情報を得ることができる画像形成装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る画像形成装置は、着脱可能な消耗品と、前記消耗品を用いて画像を印刷する印刷部と、前記消耗品に対応して設定される、前記印刷部を制御するための制御情報の有無を判定する制御部と、を備え、前記制御部は、前記消耗品に対応する前記制御情報が無いと判定した場合、前記印刷部によって印刷された所定のテストパターンの画像から画像情報を抽出し、抽出された前記画像情報に基づき生成された前記制御情報を取得する。
【0007】
本開示の一態様に係る印刷管理システムは、着脱可能な消耗品と、前記消耗品を用いて画像を印刷する印刷部と、前記消耗品に対応して設定される、前記印刷部を制御するための制御情報の有無を判定する制御部と、を備え、前記制御部は、前記消耗品に対応する前記制御情報が無いと判定した場合、前記印刷部によって印刷された所定のテストパターンの画像から画像情報を抽出し、抽出された前記画像情報に基づき生成された前記制御情報を取得する画像形成装置と、前記画像形成装置によって抽出された前記画像情報に基づき、前記制御情報を生成する管理サーバと、を有する。
【0008】
本開示の一態様に係る画像形成装置の制御方法は、着脱可能な消耗品を用いて画像を印刷する印刷部を備えた画像形成装置の制御方法であって、前記消耗品に対応して設定される、前記印刷部を制御するための制御情報の有無を判定するステップと、前記消耗品に対応する前記制御情報が無いと判定された場合、前記印刷部によって印刷された所定のテストパターンの画像から画像情報を抽出するステップと、抽出された前記画像情報に基づき生成された前記制御情報を取得するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、画像形成装置は、消耗品に対応する適切な制御情報を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る印刷管理システムの要部構成を示すブロック図である。
図2図1に示す印刷管理システムが備える画像形成装置の内部構造の一例を示す概略図である。
図3】本開示の実施形態に係る画像形成装置で印字するテストパターンの一例を示す図である。
図4】本開示の実施形態に係る画像形成装置で印字するテストパターンの一例を示す図である。
図5】本開示の実施形態に係る画像形成装置で印字するテストパターンの一例を示す図である。
図6】本開示の実施形態に係る画像形成装置で印字するテストパターンの一例を示す図である。
図7】本開示の実施形態に係る画像形成装置で印字するテストパターンの一例を示す図である。
図8】本開示の実施形態に係る画像形成装置で印字するテストパターンの一例を示す図である。
図9】本開示の実施形態に係る画像形成装置による制御情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
図10】本開示の実施形態の第1変形例に係る画像形成装置による制御情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
図11】本開示の実施形態の第2変形例に係る画像形成装置による制御情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態及び変形例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下ではすべての図を通じて同一または相当する部材には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0012】
(印刷管理システム)
本開示の実施形態に係る印刷管理システム300について図1および図2を参照して説明する。図1は本開示の実施形態に係る印刷管理システム300の要部構成を示すブロック図である。図2は、図1に示す印刷管理システム300が備える画像形成装置100の内部構造の一例を示す概略図である。
【0013】
本開示の実施形態に係る印刷管理システム300は、図1に示すように画像形成装置100と、ネットワークを介して前記画像形成装置100と通信可能に接続された管理サーバ200とを備える。なお、図1では説明の便宜上、管理サーバ200と接続される画像形成装置100は1台であるが複数台であってもよい。
【0014】
(画像形成装置)
画像形成装置100は、画像を形成する用紙に対して多色及び単色の画像を形成するレーザ方式のカラープリンタである。画像形成装置100は、画像読取装置90により原稿から読み取られた画像データ、または外部から受信した画像データに基づき、用紙に画像を印刷する。なお、本実施形態では、画像形成装置100として、レーザ方式のカラープリンタを例に挙げて説明するがこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置100は、インクジェット方式のプリンタであってもよい。
【0015】
図2に示されるように、画像形成装置100は、印刷部110、画像読取装置90、原稿載置台92、および自動原稿処理装置120を備えてなる構成である。印刷部110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、および手差し給紙カセット82を備える。
【0016】
印刷部110の上部には、画像読取装置90、および透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられている。また、原稿載置台92の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。
【0017】
自動原稿処理装置120は、原稿載置台92の上に自動で原稿を搬送する。また、自動原稿処理装置120は矢印R方向に回動することができるように構成されている。そして、原稿載置台92の上を開放することにより、原稿を原稿載置台92の上に載置させることができる。
【0018】
画像読取装置90は、原稿載置台92の上に搬送または載置された原稿から画像データを読み取る。印刷部110は、画像読取装置90により読み取られた画像データに基づき用紙に画像を印刷する。
【0019】
画像形成装置100において扱われる画像データは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、及び帯電器5は、各色に応じた4種類の潜像を形成するようにそれぞれ設けられている。
【0020】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。帯電器5は、チャージャ型、接触型、またはブラシ型の帯電器などを用いることができる。
【0021】
露光ユニット1は、レーザ出射部及び反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成される。露光ユニット1は、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって反射されたレーザ光を感光体ドラム3に導くためのレンズまたはミラー等の光学部材とを備える。露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を、画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する。
【0022】
現像器2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を、トナーにより顕像化するものである。現像器2は現像槽2aを含み、現像槽2aにはトナーが収容されている。現像器2は、この現像槽2aに収容されたトナーを感光体ドラム3に供給するように構成されている。また、各現像槽2aは、図示しないトナー供給パイプを介してトナーを収容する各トナーカートリッジ20(消耗品)に接続されている。トナーカートリッジ20は4色のトナーそれぞれに応じて設けられている。
【0023】
クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去および回収する。
【0024】
感光体ドラム3の上方には、中間転写ベルトユニット6が配置されている。中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、複数の中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、C,M,Y,Kの各色に対応して4つ設けられている。
【0025】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び4つの中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64は、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスを与える。
【0026】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト61に順次、重ねて転写することによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。中間転写ベルト61は、例えば、厚さ100μm~150μm程度のフィルムを用いて無端状に形成されている。
【0027】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(-)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8~10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM、発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。
【0028】
各感光体ドラム3上で各色相に応じて顕像化された静電潜像は、中間転写ベルト61で積層され、用紙と中間転写ベルト61との接触位置に配置された転写ローラ10によって用紙上に転写される。
【0029】
このとき、中間転写ベルト61と転写ローラ10とは、所定ニップで圧接されると共に、転写ローラ10にはトナーを用紙に転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(-)とは逆極性(+)の高電圧)。
【0030】
また、上記のように、感光体ドラム3に接触することにより中間転写ベルト61に付着したトナー、もしくは転写ローラ10によって用紙上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去及び回収される。
【0031】
中間転写ベルトクリーニングユニット65は、中間転写ベルト61に接触する、例えばクリーニング部材としてクリーニングブレードを備える。なお、中間転写ベルト61においてクリーニングブレードと接触する面の反対側の面は、中間転写ベルト従動ローラ63によって支持されている。
【0032】
給紙カセット81は、画像形成に使用する用紙を蓄積しておくためのトレイであり、印刷部110の露光ユニット1の下側に設けられている。また、印刷部110の側面には手差し給紙カセット82が設けられている。画像形成装置100では、手差し給紙カセット82にも用紙を手差しによりセットすることができる。
【0033】
印刷部110には、さらに排紙トレイ91が設けられている。排紙トレイ91は、印刷済みの用紙をフェイスダウンで集積する。
【0034】
また印刷部110には、給紙カセット81及び手差し給紙カセット82の用紙を、転写ローラ10および定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための用紙搬送路Sが設けられている。給紙カセット81または手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までの用紙搬送路Sに沿って、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a~12d、レジストローラ13、転写ローラ10、及び定着ユニット7等が配されている。
【0035】
搬送ローラ12a~12dは、用紙の搬送を補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に備えられ、給紙カセット81から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。同様にピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に備えられ、手差し給紙カセット82から用紙を1枚ずつピックアップして用紙搬送路Sに供給する。
【0036】
レジストローラ13は、用紙搬送路Sにおいて搬送されている用紙を一旦保持するものである。レジストローラ13は、中間転写ベルト61上のトナー像の先端と用紙の先端とを合わせるタイミングで用紙を転写ローラ10に搬送する。
【0037】
定着ユニット7は、ヒートローラ71及び加圧ローラ72を備えており、ヒートローラ71及び加圧ローラ72は、用紙を挟んで回転するようになっている。またヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて所定の定着温度となるように設定されている。そして、ヒートローラ71は、加圧ローラ72とともにトナーを用紙に熱圧着する。これにより、定着ユニット7は、用紙に転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、用紙に対して熱定着させることができる。なお、定着ユニット7には、ヒートローラ71を外部から加熱するための外部加熱ベルト73が設けられている。
【0038】
上記した構成を有する画像形成装置100では、印刷部110は、画像データを取得すると、以下のようにして用紙に印刷する。すなわち、印刷部110は、例えば、給紙カセット81に載置された用紙を、ピックアップローラ11aによって1枚ずつ用紙搬送路Sに導き、搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送する。そして、レジストローラ13によって、用紙の先端と中間転写ベルト61上のトナー像の先端とが整合するタイミングで転写ローラ10に用紙を搬送し、用紙上にトナー像が転写される。その後、用紙が定着ユニット7を通過することによって用紙上にトナー像を熱定着させ、搬送ローラ12bを経て排紙トレイ91に用紙を排出する。
【0039】
ところで、本開示の実施形態に係る画像形成装置100では、画像形成装置100において着脱可能な消耗品として、トナーカートリッジ20を挙げることができる。
【0040】
ここで交換後のトナーカートリッジ20が交換前のトナーカートリッジ20と同じ製品である場合、画像形成装置100では印刷部110は、交換前のトナーカートリッジ20に応じて設定されている画像処理パラメータなどの制御情報32をそのまま利用して、印刷を行うことができる。また、交換後のトナーカートリッジ20が、画像形成装置100の製造メーカにより提供された商品であって、ランニングチェンジにより交換前のトナーカートリッジ20から設計変更が施されている場合、画像形成装置100の製造メーカに交換後のトナーカートリッジ20に応じた制御情報を問い合わせ、取得することができる。
【0041】
しかしながら、交換後のトナーカートリッジ20が、画像形成装置100の製造メーカによって提供されたものではない場合、画像形成装置100は交換後のトナーカートリッジ20に応じた制御情報を得ることができないため、適切な印刷を行うことができない場合がある。
【0042】
そこで、本開示の実施形態に係る画像形成装置100では、交換後のトナーカートリッジ20に応じた制御情報32を有さない場合であっても、交換後のトナーカートリッジ20に応じた制御情報32を取得することができるように構成されている。以下において、消耗品としてトナーカートリッジ20を例に挙げて、トナーカートリッジ20に応じた制御情報32の取得処理に関する構成について図1を参照して説明する。
【0043】
図1に示されるように、画像形成装置100は、上記した印刷部110および画像読取装置90に加えて、装着部21、用紙設定部93、通信部94、記憶部30、および制御部40を備えている。
【0044】
装着部21は、トナーカートリッジ20を収納する収納容器である。トナーカートリッジ20は装着部21に対して着脱可能となっている。装着部21は、トナーカートリッジ20を挿入したり、引き出したりするための開口を有する。
【0045】
トナーカートリッジ20を画像形成装置100に装着する場合、ユーザは、装着部21の開口にトナーカートリッジ20を挿入して押し込む。また、トナーカートリッジ20を取り外す場合は、ユーザは、装着部21に収納されているトナーカートリッジ20を装着部21の開口を通じて引き出す。
【0046】
トナーカートリッジ20が装着部21に装着されると、トナーカートリッジ20に設けられた不図示の不揮発性メモリが画像形成装置100と電気的に接続される。そして、制御部40が、トナーカートリッジ20に設けられた不揮発性メモリからトナーカートリッジ20の識別番号を読み出すように構成されている。
【0047】
用紙設定部93は、画像形成装置100において画像が印刷される用紙のサイズおよび種類を設定するためのユーザインターフェースである。画像形成装置100では、用紙設定部93をユーザが操作して印刷する用紙のサイズおよび種類を設定することができる。
【0048】
通信部94は、管理サーバ200との通信を確立させて、管理サーバ200との間で情報を送受信する。
【0049】
記憶部30は、読み書き可能な記録媒体であり例えばSSD(Solid State Drive)またはHDD(hard disk drive)などが例示できる。制御部40がCPUである場合、記憶部30は、CPUによって実行される制御プログラムなどを記憶する。さらにまた記憶部30は、制御情報32、およびテストパターン情報33を記憶する。
【0050】
制御情報32は、装着部21に装着されたトナーカートリッジ20に対応して設定される情報であって、印刷部110を制御するための情報である。トナーカートリッジ20に対応して必要となる制御情報32としては、例えば、色補正するための調整値、中間転写ローラ64に印加する転写バイアスの設定値、定着ユニット7で設定される定着温度の設定値、露光ユニット1で出射するレーザのパワーの設定値などの情報が挙げられる。
【0051】
なお、制御情報32には、画像形成装置100の製造時に予め設定されたデフォルトの制御情報と、装着部21に装着されたトナーカートリッジ20に対応して新たに設定された更新後の制御情報とがそれぞれ含まれていてもよいし、更新後の制御情報のみを含んでいてもよい。
【0052】
また、制御情報32には、装着部21に今まで装着されたことのあるトナーカートリッジ20それぞれに対応する制御情報が含まれていてもよい。制御情報32として今まで装着されたことのあるトナーカートリッジ20それぞれについて対応する制御情報を含む場合、装着部21に装着されたトナーカートリッジ20を示す識別情報と、このトナーカートリッジ20に対応する制御情報32とが対応づけられて記憶部30に記憶される。
【0053】
なお、本明細書では、画像形成装置100において現在設定されている制御情報32を設定済み制御情報と称する場合がある。
【0054】
テストパターン情報33は、制御情報32を得るために用紙に印刷するテストパターンの画像データと、テストパターンの画像データに基づき行われる印刷の印刷条件に関する情報とを含む。用紙に印刷するテストパターンとしては、図3に示すキャリブレーションパッチ、図4に示す色補正パッチ、図5に示す全面単一色パターン、図6に示す矩形パターン、図7に示す細線パターン、図8に示すドットパターンなどが挙げられる。図3から図8は本開示の実施形態に係る画像形成装置100で印字するテストパターンの一例を示す図である。
【0055】
図3に示すキャリブレーションパッチは、上からC,M,Y,Kについて複数の階調値のパッチで表したパターンの画像である。つまり、図3の上の2段はCについて示すパッチ列であり、Cの下の2段はMについて示すパッチ列であり、Mの下の2段はYについて示すパッチ列であり、Yの下の2段はKについて示すパッチ列である。用紙に印刷されたこのキャリブレーションパッチの画像を読み取ることで、制御情報32としてC,M,Y,Kそれぞれ単色について階調を調整するための調整値を得ることができる。
【0056】
図4に示す色補正パッチは、さまざまな階調値のC,M,Y,Kそれぞれを重ね合わせたパッチのパターンを示す画像である。用紙に印刷されたこの色補正パッチの画像を読み取ることで、様々な階調のC,M,Y,Kそれぞれを重ね合わせた色について調整するための調整値を、制御情報32として得ることができる。
【0057】
図5に示す全面単一色パターンは、用紙全面を単一色で印刷した画像である。全面単一色パターンに基づき用紙に印刷された画像から、色の均一性を調べることができる。例えば、網点印刷で網点面積が100%となるときの色の均一性は、主として中間転写ローラ64に印加する転写バイアスの設定値および定着ユニット7の定着温度の設定値によって調整することができる。また、中間階調の均一性は、主として、間転写ローラ64に印加する転写バイアスの設定値およびハーフトーンパターンの変更により調整することができる。また、バンディングによる均一性阻害については、主としてハーフトーンパターンの変更により調整することができる。このため、全面単一色パターンを印刷した画像を読み取り、画像情報を抽出することで、制御情報32として、中間転写ローラ64に印加する転写バイアスの設定値、定着ユニット7の定着温度の設定値、ならびにハーフトーンパターンなどを得ることができる。
【0058】
図6に示す矩形パターンは、所定の階調値のC,M,Y,Kそれぞれについて矩形を印刷した画像である。この矩形パターンに基づき用紙に印刷された画像から、印刷欠けの有無を調べることができる。この印刷欠けは、中間転写ローラ64に印加する転写バイアスの設定値によって調整することができる。このため、矩形パターンを印刷した画像を読み取り、画像情報を抽出することで、制御情報32として、中間転写ローラ64に印加する転写バイアスの設定値を得ることができる。
【0059】
図7に示す細線パターンは、主走査方向および副走査方向に複数の細線を引いた画像である。この細線パターンに基づき用紙に印刷された画像から、線幅に変化が生じているか否か調べることができる。この線幅は、露光ユニット1で出射するレーザのパワーの大きさによって調整することができる。このため、細線パターンを印刷した画像を読み取り、画像情報を抽出することで、制御情報32として、露光ユニット1で出射するレーザのパワーの設定値を得ることができる。
【0060】
図8に示すドットパターンは、C,M,Y,Kそれぞれについて1画素または2画素以上の複数画素で構成されたドット(網点)によるハーフトーンを印刷した画像となる。このドットパターンに基づき用紙に印刷された画像から、ドット形状および大きさなど、ドットの再現性を調べることができる。このドットの再現性は、スクリーン(網点)の設定によって向上させることができる。このため、ドットパターンを印刷した画像を読み取り、画像情報を抽出することで、制御情報32として、選択すべきスクリーンの種類を得ることができる。
【0061】
制御部40は画像形成装置100が備える各部の各種制御を行うものであり、例えば、CPUによって実現できる。制御部40は、機能ブロックとして、判定部41、抽出部42、制御情報取得部43、用紙情報取得部44、およびテストパターン取得部45を含む。これらの機能ブロックは、制御部40がCPUの場合、CPUが記憶部30に記憶されている不図示のプログラムを読み出し実行することで実現できる。
【0062】
判定部41は、装着部21に装着されたトナーカートリッジ20に応じて設定される、印刷部110を制御するための制御情報32の有無を判定する。判定部41による制御情報32の有無に関する判定処理の詳細については後述する。
【0063】
判定部41は、装着されたトナーカートリッジ20に対応する制御情報32がないと判定した場合、テストパターン情報33に基づく画像を用紙に印刷するように、印刷部110に対して指示する。この判定部41からの指示に応じて、印刷部110がテストパターン情報33を記憶部30から読み出し、テストパターン情報33に基づく画像を用紙に印刷する。
【0064】
なお、記憶部30に記憶されているテストパターン情報33は、画像形成装置100の記憶部30にて予め記憶された情報であってもよいし、管理サーバ200から取得した情報であってもよい。
【0065】
また、テストパターン情報33に基づく画像の印刷は、画像形成装置100において現在設定されている制御情報(設定済み制御情報)を用いて行ってもよいし、画像形成装置100の製造時に予め設定されたデフォルトの制御情報を用いて行ってもよい。
【0066】
抽出部42は、用紙に印刷されたテストパターンの画像から画像情報を抽出する。ここで抽出部42によって抽出される画像情報とは、用紙に印刷されたテストパターンの画像データそのものであってもよいし、用紙に印刷されたテストパターンの画素値であってもよい。
【0067】
制御情報取得部43は、抽出部42によって抽出された画像情報に基づき生成された制御情報32を取得する。具体的には、制御情報取得部43は、抽出部42によって抽出された画像情報を管理サーバ200に送信し、制御情報32の生成を要求する。そして、制御情報取得部43は、管理サーバ200から制御情報32を取得する。
【0068】
用紙情報取得部44は、画像形成装置100においてセットされた用紙の用紙サイズおよび用紙の種類など用紙情報を取得する。用紙情報取得部44は、ユーザが用紙設定部93を操作して設定した情報から用紙情報を取得することができる。また、給紙カセット81に用紙サイズおよび用紙の種類を判定するセンサが設けられている場合、用紙情報取得部44は給紙カセット81から用紙情報を取得する構成であってもよい。
【0069】
用紙情報取得部44によって取得された用紙情報は、制御情報取得部43が制御情報32の生成を管理サーバ200に要求する際、画像情報とともに管理サーバ200に送信される。
【0070】
テストパターン取得部45は、印刷部110がテストパターンの画像を印刷する際に、テストパターン情報33を取得する。テストパターン取得部45は、記憶部30にテストパターン情報33が予め記憶されている場合、記憶部30からテストパターン情報33を読み出して取得することができる。一方、テストパターン取得部45は、記憶部30にテストパターン情報33が記憶されていない場合、管理サーバ200からテストパターン情報33を取得することができる。
【0071】
(管理サーバ)
管理サーバ200は、通信可能に接続された画像形成装置100を管理するサーバである。図1に示すように、サーバ用制御部50、サーバ用通信部52、およびサーバ用記憶部53を備えてなる構成である。
【0072】
サーバ用制御部50は管理サーバ200が備える各部の各種制御を行うものであり、例えば、CPUによって実現できる。サーバ用制御部50は、機能ブロックとして、制御情報生成部51を含む。この機能ブロックは、サーバ用制御部50がCPUの場合、CPUがサーバ用記憶部53に記憶されている不図示のプログラムを読み出し実行することで実現できる。
【0073】
制御情報生成部51は、画像形成装置100からサーバ用通信部52を介して受信した画像情報および用紙情報に基づき制御情報32を生成する。制御情報生成部51は、生成した制御情報32を、サーバ用通信部52を介して画像形成装置100に送信する。
【0074】
サーバ用記憶部53は、読み書き可能な記録媒体であり例えばSSDまたはHDDなどが例示できる。サーバ用制御部50がCPUである場合、サーバ用記憶部53は、CPUによって実行される制御プログラムなどを記憶する。また、サーバ用記憶部53は、画像形成装置100に提供するテストパターン情報33を記憶していてもよい。
【0075】
サーバ用通信部52は、画像形成装置100と通信を確立させ、画像形成装置100との間で情報を送受信する。
【0076】
(制御情報取得処理)
次に図9を参照して本開示の実施形態に係る画像形成装置100における制御情報取得処理について説明する。図9は、本開示の実施形態に係る画像形成装置100による制御情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
【0077】
まず、トナーカートリッジ20が装着部21に装着されると、制御部40はトナーカートリッジ20から識別情報を取得する(ステップS11)。そして、制御部40では判定部41が、取得した識別情報が、所定の識別情報であるか否か判定する(ステップS12)。ここで所定の識別情報とは、記憶部30において、制御情報32と対応づけて予め記憶されている識別情報である。識別情報に有効期限が設定されている場合は、所定の識別情報は有効期限内の情報となる。
【0078】
判定部41が所定の識別情報であると判定した場合(ステップS12において「YES」の場合)、判定部41は装着部21に装着されたトナーカートリッジ20に対応する制御情報があると判定する(ステップS13)。そして、判定部41は、記憶部30に記憶されている、所定の識別情報に対応する制御情報32を、印刷部110の制御に適用する情報として登録する(ステップS22)。
【0079】
一方、判定部41が所定の識別情報ではないと判定した場合(ステップS12において「NO」)、判定部41が、装着部21に装着されているトナーカートリッジ20の識別情報を送信して、制御情報32を管理サーバ200に要求する(ステップS14)。
【0080】
ここで、管理サーバ200から識別情報に対応する制御情報32を受信した場合(ステップS15において「YES」)、判定部41は、装着部21に装着されたトナーカートリッジ20に対応する制御情報があると判定する(ステップS16)。そして、判定部41は、管理サーバ200から受信した制御情報32を、印刷部110の制御に適用する情報として登録する(ステップS22)。
【0081】
一方、管理サーバ200から、識別情報に対応する制御情報32を受信しなかった場合(ステップS15において「NO」)、判定部41は、装着部21に装着されたトナーカートリッジ20に対応する制御情報32がないと判定する(ステップS17)。判定部41が、制御情報32がないと判定すると、テストパターン取得部45が記憶部30からテストパターン情報33を取得する。そして、印刷部110は、テストパターン取得部45によって取得されたテストパターン情報33に基づく画像を、装着されたトナーカートリッジ20を用いて用紙に印刷する(ステップS18)。すなわち、印刷部110はテストパターン情報33に含まれるテストパターンの画像を、テストパターン情報33に含まれる印刷条件に関する情報に基づき印刷する。
【0082】
次に、画像形成装置100では、ステップS18で用紙に印刷された画像をスキャンする(ステップS19)。画像のスキャンは、ユーザが、画像が印刷された用紙を原稿載置台92に載置し、画像読取装置90によってスキャンする構成であってもよい。あるいは、用紙搬送路Sにおける搬送ローラ12bと排紙トレイ91との間に不図示のインラインセンサを備え、このインラインセンサによって用紙搬送路Sを搬送される用紙から画像をスキャンする構成であってもよい。インラインセンサによって画像をスキャンする構成の場合は、画像形成装置100において自動的に用紙に印刷されたテストパターンの画像をスキャンすることができる。
【0083】
次に、抽出部42が、スキャンによって得たテストパターンの画像データから画像情報を抽出する。そして、制御情報取得部43が抽出部42によって抽出された画像情報を管理サーバ200に送信し、制御情報32の生成を指示する(ステップS20)。
【0084】
管理サーバ200は、画像形成装置100から画像情報を受信すると、制御情報生成部51が受信した画像情報に基づき制御情報32を生成する。そして、制御情報生成部51は、生成した制御情報32を画像形成装置100に送信する。
【0085】
画像形成装置100において制御情報取得部43が、管理サーバ200から制御情報32を受信すると(ステップS21)、この受信した制御情報32を印刷部110の制御に適用する情報として登録する(ステップS22)。
【0086】
以上のようにして、画像形成装置100は、装着部21に装着されたトナーカートリッジ20に対応する制御情報32を取得することができる。
【0087】
なお、ステップS20では、制御情報取得部43が、画像情報を管理サーバ200に送信して制御情報32の生成を指示していたが、制御情報取得部43は、さらに、用紙情報取得部44によって取得された、画像を印刷した用紙に関する用紙情報も管理サーバ200に送信する構成であってもよい。画像情報と共に用紙情報を管理サーバ200に送信する構成の方が、管理サーバ200では画像が印刷された用紙の種類等による影響も考慮して制御情報32を生成することができる。
【0088】
(第1変形例)
図9に示される画像形成装置100による制御情報取得処理では、ステップS18において、記憶部30に予め記憶されたテストパターン情報33に基づきテストパターンの画像が印刷される構成であった。しかしながら、画像形成装置100は、このテストパターン情報33を、管理サーバ200から取得する構成であってもよい。以下において、テストパターン情報33を管理サーバ200から取得する構成について、第1変形例として図10を参照して説明する。図10は本開示の実施形態の第1変形例に係る画像形成装置100による制御情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
【0089】
第1変形例に係る画像形成装置100では、トナーカートリッジ20が装着部21に装着されると、制御部40はトナーカートリッジ20から識別情報を取得する(ステップS31)。これ以降、ステップS32からステップS37までの処理は、図9に示すステップS12からステップS17までの処理と同様であるため説明は省略する。
【0090】
ステップS37において判定部41が、装着部21に装着されたトナーカートリッジ20に対応する制御情報32がないと判定すると、テストパターン取得部45が管理サーバ200からテストパターン情報33を取得する(ステップS38)。すなわち、テストパターン取得部45は、管理サーバ200にテストパターン情報33の送信を要求する。管理サーバ200は、テストパターン取得部45からの要求に応じて、テストパターン情報33を画像形成装置100に送信する。このようにして、画像形成装置100では、テストパターン取得部45がテストパターン情報33を管理サーバ200から取得する。
【0091】
次に、印刷部110が、テストパターン取得部45によって取得されたテストパターン情報33に含まれるテストパターンの画像を、テストパターン情報33に含まれる印刷条件に関する情報に基づき、装着されたトナーカートリッジ20を用いて用紙に印刷する(ステップS39)。これ以降のステップS40からステップS43までの処理は、図9に示すステップS19からステップS22までの処理と同様であるため説明は省略する。
【0092】
(第2変形例)
図9に示される画像形成装置100による制御情報取得処理では、ステップS20において、スキャンした画像の画像情報を管理サーバ200に送信する構成であった。ここで、装着部21に装着されたトナーカートリッジ20に応じた制御情報32を初めから生成する場合、多くの種類のテストパターンの画像を用紙に印刷する必要がある。そこで、本開示の実施形態の第2変形例に係る画像形成装置100では、用紙に印刷する必要があるテストパターンの画像の数を抑制することができるように構成されている。
【0093】
以下、図11を参照して本開示の実施形態の第2変形例に係る画像形成装置100による制御情報取得処理について説明する。図11は、本開示の実施形態の第2変形例に係る画像形成装置100による制御情報取得処理の一例を示すフローチャートである。
【0094】
第2変形例に係る画像形成装置100では、トナーカートリッジ20が装着部21に装着されると、制御部40はトナーカートリッジ20から識別情報を取得する(ステップS51)。これ以降、ステップS52からステップS57までの処理は、図9に示すステップS12からステップS17までの処理と同様であるため説明は省略する。
【0095】
ステップS57において判定部41が、装着部21に装着されたトナーカートリッジ20に対応する制御情報32がないと判定すると、テストパターン取得部45がテストパターン情報33を取得する。そして、印刷部110は、テストパターン取得部45によって取得されたテストパターン情報33に基づく画像を、設定済み制御情報に基づき、装着されたトナーカートリッジ20を用いて用紙に印刷する(ステップS58)。
【0096】
次に、第2変形例に係る画像形成装置100では、ステップS58で用紙に印刷された画像を画像読取装置90がスキャンする(ステップS59)。そして、抽出部42がスキャンされた画像データから画像情報を抽出する。制御情報取得部43が抽出部42によって抽出された画像情報と、設定済み制御情報を管理サーバ200に送信し、装着されたトナーカートリッジ20に応じた制御情報32の生成を指示する(ステップS60)。
【0097】
管理サーバ200は、画像形成装置100から画像情報と設定済み制御情報を受信すると、制御情報生成部51が受信した画像情報および設定済み制御情報に基づき制御情報32を生成する。そして、制御情報生成部51は、生成した制御情報32を画像形成装置100に送信する。
【0098】
制御情報取得部43が、管理サーバ200から制御情報32を受信すると(ステップS61)、この受信した制御情報32を印刷部110の印刷処理において適用する情報として登録する(ステップS62)。
【0099】
以上のように、第2変形例に係る画像形成装置100では、記憶部30に予め記憶されている設定済み制御情報を使って用紙にテストパターンを印刷する構成となっている。このため、用紙に印刷する必要があるテストパターンの画像の数を抑制することができる。 より具体的には、テストパターンとして色補正パッチを作成する場合であって、C,M,Y,Kそれぞれを10%刻みで11階調とするとき、全ての色の組み合わせを網羅しようとすると14641色(=11×11×11×11色)の色の組み合わせが必要となる。また、各色の組み合わせについて1cm×1cmのパッチを用意してテストパターンを印刷する場合、少なくともすべてのパッチを並べるのに14641平方センチメートルの面積が必要となる。このため、例えばA4(29.7×21cm)サイズの用紙にすべてのパッチを印刷する場合、用紙における余白を除いた印刷可能領域を27×18cmとすると、少なくとも31枚以上の用紙が必要となる。
【0100】
そこで、変形例2に係る画像形成装置100では、設定済み制御情報を利用することで印刷すべきテストパターンの画像の数を抑制させる。例えば、R,G,Bの三色で表現される画像を、C,M,Yに色変換し、墨生成によりC,M,Y,Kとする墨生成処理において、墨生成の際に用いた変換情報を設定済み制御情報として記憶部30に記憶しておく。そして、新たなトナーカートリッジ20に交換された場合、交換後のトナーカートリッジ20を使ってR,G,Bの三色で表現される画像をC,M,Yに色変換し、設定済み制御情報として記憶された変換情報を用いて墨生成を行いC,M,Y,Kに変換するように構成する。このように、設定済み制御情報を用いて墨生成処理を行うように構成されている場合、新たなトナーカートリッジ20へ交換された際に管理サーバ200が生成すべき制御情報32は、交換後のトナーカートリッジ20を用いてR,G,Bの三色で表現される画像を適切なC,M,Yに色変換するための情報とすることができる。このため、R,G,Bの組み合わせである1331色(11×11×11)のパッチを用意すればよく、印刷すべきテストパターンの画像の数を抑制させることができる。
【0101】
以上のように、画像形成装置100は、ネットワークを介して管理サーバ200と通信可能に接続され、情報を送受信する構成であった。ここで、両者の通信が遮断されてしまい、情報の送受信を行うことができない場合、USBメモリなど持ち運び可能な外部保存メディアを介して両者の間で情報の送受信ができる構成となっていてもよい。あるいは、画像形成装置100は、外部に接続された通信端末を介して管理サーバ200と通信を確立し、情報を送受信する構成であってもよい。
【0102】
また、画像形成装置100では、用紙に印刷したテストパターンの画像のスキャンを画像読取装置90またはインラインセンサによって行う構成であった。しかしながら、画像形成装置100と電気的に接続された外部スキャナまたは書画カメラが設けられている場合、外部スキャナまたは書画カメラによってテストパターンの画像をスキャンする構成であってもよい。
【0103】
また、印刷管理システム300では、制御情報32を管理サーバ200で生成する構成であった。しかしながら、管理サーバ200が備える制御情報生成部51を画像形成装置100の制御部40がさらに含み、画像形成装置100で生成する構成であってもよい。
【0104】
ただし、画像形成装置100よりも管理サーバ200の方がトナーカートリッジ20に関する情報をより多く取得することができる。このため、制御情報32を管理サーバ200で生成する構成の方が、画像形成装置100で生成する構成よりも適切な制御情報32を生成することができる点で好適である。
【0105】
また、画像形成装置100に着脱可能な消耗品としてトナーカートリッジ20を例に挙げて説明したがこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置100がインクジェット方式のプリンタである場合、消耗品はインクカートリッジであってもよい。消耗品は、画像形成装置100における印刷処理の実行に起因して交換を要する部材であればよい。
【符号の説明】
【0106】
20 トナーカートリッジ
21 装着部
30 記憶部
32 制御情報
33 テストパターン情報
40 制御部
41 判定部
42 抽出部
43 制御情報取得部
44 用紙情報取得部
45 テストパターン取得部
50 サーバ用制御部
51 制御情報生成部
52 サーバ用通信部
53 サーバ用記憶部
90 画像読取装置
91 排紙トレイ
92 原稿載置台
93 用紙設定部
94 通信部
100 画像形成装置
110 印刷部
200 管理サーバ
300 印刷管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11