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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131797
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20230914BHJP
   B60N 2/12 20060101ALI20230914BHJP
   B60N 2/14 20060101ALN20230914BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/12
B60N2/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036753
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田邉 仁一
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 拓也
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BA02
3B087BA03
3B087BA06
3B087BD03
3B087DE08
3B087DE09
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】乗物用シートにおいて、シート本体を移動させる際に乗員による物体の確認を不要にする。
【解決手段】乗物用シート2であって、シート本体3と、シート本体を移動させる前後駆動装置6aと、シート本体に設けられ、物体の接近または接触を検出するセンサ7aと、駆動装置がシート本体を移動させているときにセンサにより物体の接近または接触が検出された際に、駆動装置によるシート本体の移動を停止させる制御装置9と、を備えた。これにより、シート本体を移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物用シートであって、
シート本体と、
前記シート本体を移動させる駆動装置と、
前記シート本体に設けられ、物体の接近及び接触を検出するセンサと、
前記駆動装置が前記シート本体を移動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シート本体の移動を停止させる制御装置とを備えた乗物用シート。
【請求項2】
前記制御装置は、前記駆動装置が前記シート本体を移動させているときに前記センサにより物体との距離が予め設定された第1距離であると検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動速度を下げ、その後、前記センサにより前記物体との距離が前記第1距離よりも短い第2距離であると検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動を停止させる請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記制御装置は、前記駆動装置が前記シート本体を移動させているときに前記センサにより物体の接近が検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動速度を下げ、その後、前記センサにより前記物体の接触が検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動を停止させる請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記シート本体は、外部に露出し、一部において検出光用孔を有した表皮を備え、
前記センサは、前記表皮の裏側に設けられ、前記表皮の前記検出光用孔を介して検出光を外部に発し、前記検出光が物体に反射して前記検出光用孔を介して返ってきた際に前記検出光を受けることで、前記物体の接近を検出する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記シート本体は、外部に露出した表皮を備え、
前記センサは、前記表皮の裏側に設けられ、前記表皮を介して検出電波を前記表皮の外部に発し、前記検出電波が物体に反射して前記表皮を介して返ってきた際に前記検出電波を受けることで、前記物体の接近を検出する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記センサは、
一列に並び、物体の接近をそれぞれ検出する複数の接近検出体と、
前記複数の接近検出体のそれぞれと一体に設けられ、物体の接触をそれぞれ検出する複数の接触検出体とを備えた請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【請求項7】
前記センサは、
一列に並び、物体の接近をそれぞれ検出する複数の接近検出体と、
前記複数の接近検出体をまとめて保持し、物体の接触を検出する接触検出体とを備えた請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【請求項8】
前記シート本体は、
シートクッションと、
前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバックと、
前記シートバックの上部に設けられたヘッドレストとを備え、
前記駆動装置は、前記シートクッションを前後方向に移動させ、
前記センサは、前記シートクッションの下部と前記シートクッションの後端部と前記シートバックの背部と前記ヘッドレストの背部とのうちの少なくとも1つに設けられ、
前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートクッションを後方に移動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートバックの後方への移動を停止させる請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【請求項9】
前記シート本体は、
シートクッションと、
前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバックと、
前記シートバックの上部に設けられたヘッドレストとを備え、
前記駆動装置は、前記シートクッションを回動させ、
前記センサは、前記シートクッションの角部と前記シートクッションの側部と前記シートバックの側部と前記シートバックの肩口部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートクッションを回動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートクッションの回動を停止させる請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【請求項10】
前記シート本体は、
シートクッションと、
前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバックと、
前記シートバックの上部に設けられたヘッドレストとを備え、
前記駆動装置は、前記シートクッションに対して前記シートバックを回動させ、
前記センサは、前記シートクッションの下部と前記シートクッションの後端部と前記シートバックの背部と前記ヘッドレストの背部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートバックを後方に回動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートバックの後方への回動を停止させる請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【請求項11】
前記シート本体は、
シートクッションと、
前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバックと、
前記シートバックの上部に設けられたヘッドレストとを備え、
前記駆動装置は、前記シートクッションを左右方向に移動させ、
前記センサは、前記シートクッションの下部と前記シートクッションの側端部と前記シートバックの側端部と前記ヘッドレストの側端部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートクッションを左右方向に移動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートクッションの左右方向への移動を停止させる請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、乗物用シートを開示する。当該乗物用シートは、シートバックを後傾するように自動で移動する。このため、乗員をリラックスさせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-131914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、障害物が当該乗物シートの後方に存在する場合、使用者が当該乗物シートの移動の要否を判断する必要がある。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑み、乗物用シートにおいて、シート本体を移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、乗物用シート(2)であって、シート本体(3)と、前記シート本体を移動させる駆動装置(6a)と、前記シート本体に設けられ、物体の接近及び接触を検出するセンサ(7a)と、前記駆動装置が前記シート本体を移動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シート本体の移動を停止させる制御装置(9)と、を備えた。
【0007】
この態様によれば、乗物用シートにおいて、シート本体を移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0008】
上記の態様において、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シート本体を移動させているときに前記センサにより物体との距離が予め設定された第1距離であると検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動速度を下げ、その後、前記センサにより前記物体との距離が前記第1距離よりも短い第2距離であると検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動を停止させてもよい。
【0009】
この態様によれば、物体がシート本体と接触する前に、シート本体を停止させることができる。
【0010】
上記の態様において、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シート本体を移動させているときに前記センサにより物体の接近が検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動速度を下げ、その後、前記センサにより前記物体の接触が検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動を停止させてもよい。
【0011】
この態様によれば、シート本体が物体と接触するまでは、シート本体の移動を継続することができる。
【0012】
上記の態様において、前記シート本体は、外部に露出し、一部において検出光用孔(16a)を有した表皮(16)、を備え、前記センサは、前記表皮の裏側に設けられ、前記表皮の前記検出光用孔を介して検出光を外部に発し、前記検出光が物体に反射して前記検出光用孔を介して返ってきた際に前記検出光を受けることで、前記物体の接近を検出してもよい。
【0013】
この態様によれば、表皮の裏側に接近検出体を設けても、物体の接近を確実に検出することができる。
【0014】
上記の態様において、前記シート本体は、外部に露出した表皮(16)、を備え、前記センサは、前記表皮の裏側に設けられ、前記表皮を介して検出電波を前記表皮の外部に発し、前記検出電波が物体に反射して前記表皮を介して返ってきた際に前記検出電波を受けることで、前記物体の接近を検出してもよい。
【0015】
この態様によれば、検出電波用孔を設けなくても、物体の接近を検出することができる。
【0016】
上記の態様において、前記センサは、一列に並び、物体の接近をそれぞれ検出する複数の接近検出体(17a)と、前記複数の接近検出体のそれぞれと一体に設けられ、物体の接触をそれぞれ検出する複数の接触検出体(17b)と、を備えてもよい。
【0017】
この態様によれば、物体の接近および接触の検出範囲をより広くすることができる。
【0018】
上記の態様において、前記センサは、一列に並び、物体の接近をそれぞれ検出する複数の接近検出体(17a)と、前記複数の接近検出体(17b)をまとめて保持し、物体の接触を検出する接触検出体と、を備えてもよい。
【0019】
この態様によれば、物体の接近および接触の検出範囲をより広くしつつ、接触検出体の数を減らすことができる。
【0020】
上記の態様において、前記シート本体は、シートクッション(10)と、前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバック(11)と、前記シートバックの上部に設けられたヘッドレスト(12)と、を備え、前記駆動装置(6a)は、前記シートクッションを前後方向に移動させ、前記センサ(7j)は、前記シートクッションの下部と前記シートクッションの後端部と前記シートバックの背部と前記ヘッドレストの背部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートクッションを後方に移動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートバックの後方への移動を停止させてもよい。
【0021】
この態様によれば、乗物用シートにおいて、シート本体を後方に移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0022】
上記の態様において、前記シート本体は、シートクッション(10)と、前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバック(11)と、前記シートバックの上部に設けられたヘッドレスト(12)と、を備え、前記駆動装置(6c)は、前記シートクッションを回動させ、前記センサ(7b)は、前記シートクッションの角部と前記シートクッションの側部と前記シートバックの側部と前記シートバックの肩口部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートクッションを回動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートクッションの回動を停止させてもよい。
【0023】
この態様によれば、乗物用シートにおいて、シート本体を回動に移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0024】
上記の態様において、前記シート本体は、シートクッション(10)と、前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバック(11)と、前記シートバックの上部に設けられたヘッドレスト(12)と、を備え、前記駆動装置(6b)は、前記シートクッションに対して前記シートバックを回動させ、前記センサ(7j)は、前記シートクッションの下部と前記シートクッションの後端部と前記シートバックの背部と前記ヘッドレストの背部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートバックを後方に回動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートバックの後方への回動を停止させてもよい。
【0025】
この態様によれば、乗物用シートにおいて、シートバックを回動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0026】
上記の態様において、前記シート本体は、シートクッション(10)と、前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバック(11)と、前記シートバックの上部に設けられたヘッドレスト(12)と、を備え、前記駆動装置は、前記シートクッションを左右方向に移動させ、前記センサ(7c)は、前記シートクッションの下部と前記シートクッションの側端部と前記シートバックの側端部と前記ヘッドレストの側端部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートクッションを左右方向に移動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートクッションの左右方向への移動を停止させてもよい。
【0027】
この態様によれば、乗物用シートにおいて、シート本体を左右方向に移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、 乗物用シート(2)であって、シート本体(3)と、前記シート本体を移動させる駆動装置(6a)と、前記シート本体に設けられ、物体の接近または接触を検出するセンサ(7a)と、前記駆動装置が前記シート本体を移動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シート本体の移動を停止させる制御装置(9)と、を備えた。
【0029】
この態様によれば、乗物用シートにおいて、シート本体を移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0030】
上記の態様において、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シート本体を移動させているときに前記センサにより物体との距離が予め設定された第1距離であると検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動速度を下げ、その後、前記センサにより前記物体との距離が前記第1距離よりも短い第2距離であると検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動を停止させてもよい。
【0031】
この態様によれば、物体がシート本体と接触する前に、シート本体を停止させることができる。
【0032】
上記の態様において、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シート本体を移動させているときに前記センサにより物体の接近が検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動速度を下げ、その後、前記センサにより前記物体の接触が検出された際に前記駆動装置による前記シート本体の移動を停止させてもよい。
【0033】
この態様によれば、シート本体が物体と接触するまでは、シート本体の移動を継続することができる。
【0034】
上記の態様において、前記シート本体は、外部に露出し、一部において検出光用孔(16a)を有した表皮(16)、を備え、前記センサは、前記表皮の裏側に設けられ、前記表皮の前記検出光用孔を介して検出光を外部に発し、前記検出光が物体に反射して前記検出光用孔を介して返ってきた際に前記検出光を受けることで、前記物体の接近を検出してもよい。
【0035】
この態様によれば、表皮の裏側に接近検出体を設けても、物体の接近を確実に検出することができる。
【0036】
上記の態様において、前記シート本体は、外部に露出した表皮(16)、を備え、前記センサは、前記表皮の裏側に設けられ、前記表皮を介して検出電波を前記表皮の外部に発し、前記検出電波が物体に反射して前記表皮を介して返ってきた際に前記検出電波を受けることで、前記物体の接近を検出してもよい。
【0037】
この態様によれば、検出電波用孔を設けなくても、物体の接近を検出することができる。
【0038】
上記の態様において、前記センサは、一列に並び、物体の接近をそれぞれ検出する複数の接近検出体(17a)と、前記複数の接近検出体のそれぞれと一体に設けられ、物体の接触をそれぞれ検出する複数の接触検出体(17b)と、を備えてもよい。
【0039】
この態様によれば、物体の接近および接触の検出範囲をより広くすることができる。
【0040】
上記の態様において、前記センサは、一列に並び、物体の接近をそれぞれ検出する複数の接近検出体(17a)と、前記複数の接近検出体(17b)をまとめて保持し、物体の接触を検出する接触検出体と、を備えてもよい。
【0041】
この態様によれば、物体の接近および接触の検出範囲をより広くしつつ、接触検出体の数を減らすことができる。
【0042】
上記の態様において、前記シート本体は、シートクッション(10)と、前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバック(11)と、前記シートバックの上部に設けられたヘッドレスト(12)と、を備え、前記駆動装置(6a)は、前記シートクッションを前後方向に移動させ、前記センサ(7j)は、前記シートクッションの下部と前記シートクッションの後端部と前記シートバックの背部と前記ヘッドレストの背部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートクッションを後方に移動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートバックの後方への移動を停止させてもよい。
【0043】
この態様によれば、乗物用シートにおいて、シート本体を後方に移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0044】
上記の態様において、前記シート本体は、シートクッション(10)と、前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバック(11)と、前記シートバックの上部に設けられたヘッドレスト(12)と、を備え、前記駆動装置(6c)は、前記シートクッションを回動させ、前記センサ(7b)は、前記シートクッションの角部と前記シートクッションの側部と前記シートバックの側部と前記シートバックの肩口部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートクッションを回動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートクッションの回動を停止させてもよい。
【0045】
この態様によれば、乗物用シートにおいて、シート本体を回動に移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0046】
上記の態様において、前記シート本体は、シートクッション(10)と、前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバック(11)と、前記シートバックの上部に設けられたヘッドレスト(12)と、を備え、前記駆動装置(6b)は、前記シートクッションに対して前記シートバックを回動させ、前記センサ(7j)は、前記シートクッションの下部と前記シートクッションの後端部と前記シートバックの背部と前記ヘッドレストの背部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートバックを後方に回動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートバックの後方への回動を停止させてもよい。
【0047】
この態様によれば、乗物用シートにおいて、シートバックを回動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0048】
上記の態様において、前記シート本体は、シートクッション(10)と、前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバック(11)と、前記シートバックの上部に設けられたヘッドレスト(12)と、を備え、前記駆動装置は、前記シートクッションを左右方向に移動させ、前記センサ(7c)は、前記シートクッションの下部と前記シートクッションの側端部と前記シートバックの側端部と前記ヘッドレストの側端部とのうちの少なくとも1つに設けられ、前記制御装置は、前記駆動装置が前記シートクッションを左右方向に移動させているときに前記センサにより物体の接近または接触が検出された際に、前記駆動装置による前記シートクッションの左右方向への移動を停止させてもよい。
【0049】
この態様によれば、乗物用シートにおいて、シート本体を左右方向に移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】乗物用シートの前部の斜視図
図2】乗物用シートの後部の斜視図
図3】乗物用シートの縦断面図
図4】センサの具体例の横断面図
図5】制御装置の制御対象を説明するためのブロック図
図6】センサの第1変形例の横断面図
図7】センサの第2変形例の横断面図
図8】センサの第3変形例の横断面図
図9】センサの第4変形例の横断面図
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下、図面を参照して、本発明に係る乗物用シートを自動車のシートに適用した実施形態が説明される。
【0052】
図1から図3において、フロア1は、車両の床面を形成する。シート2は、フロア1に設けられる。シート2は、シート本体3と回動装置4とスライド装置5と複数の駆動装置6a~6cと複数のセンサ7a~7nと操作入力装置8と制御装置9とを備える。
【0053】
シート本体3は、シートクッション10とシートバック11とヘッドレスト12とを備える。シートクッション10は、座面を備える。シートバック11は、シートクッション10の後端部に設けられる。ヘッドレスト12は、シートバック11の上端部に設けられる。
【0054】
スライド装置5は、一対のロアレール13と一対のアッパレール14とを備える。一対のロアレール13は、長手方向をフロア1の前後方向にしてフロア1に設けられる。一対のアッパレール14は、長手方向をフロア1の前後方向にしてシートクッション10の下面に設けられる。一対のアッパレール14は、一対のロアレール13に前後方向にそれぞれ案内される。
【0055】
回動装置4は、スライド装置5のアッパレール14とシートクッション10との間に設けられる。回動装置4は、シートクッション10を左右のアッパレール14に対して鉛直軸回りに回動自在に支持する。
【0056】
シートバック11はリクライニング装置22を介してシートクッション10に回動可能に支持されている。リクライニング装置22は、シートバック11をシートクッション10に対して任意の角度に支持する。
【0057】
例えば、前後駆動装置6aは、シートクッション10の下部に設けられる。前後駆動装置6aは、スライド装置5を駆動してシートクッション10を前後方向に駆動させる。前後駆動装置6aは、ロアレール13とアッパレール14との間に設けられ、ロアレール13に対してアッパレール14を移動させる。前後駆動装置6aは、例えば電動モータによって駆動されるボールねじ機構であってよい。例えば、リクライニング駆動装置6bは、電動モータを有し、シートバック11に設けられる。リクライニング駆動装置6bは、リクライニング装置22を駆動してシートクッション10に対してシートバック11を回動させる。例えば、回動駆動装置6cは、電動モータを有し、シートクッション10の下部に設けられる。回動駆動装置6cは、回動装置4を駆動してシートクッション10を一対のアッパレール14に対して回動させる。
【0058】
図1に示されるように、センサ7aは、シートクッション10の前端面の中央部に設けられる。センサ7bは、シートクッション10の前端面の右角部に設けられる。センサ7cは、シートクッション10の前端面の左角部に設けられる。例えば、センサ7dは、シートクッション10の左側面の下部に設けられる。センサ7eは、シートバック11の左側面の下部に設けられる。センサ7fは、シートバック11の左側面の中央部に設けられる。センサ7gは、シートバック11の左肩口部に設けられる。センサ7hは、ヘッドレスト12の左側面の中央部に設けられる。センサ7iは、ヘッドレスト12の上面の中央部に設けられる。
【0059】
図2に示されるように、センサ7jは、シートクッション10の後端面の中央部に設けられる。センサ7kは、シートバック11の背面の中央部に設けられる。センサ7lは、シートバック11の背面の上部に設けられる。センサ7mは、ヘッドレスト12の背面の中央部に設けられる。
【0060】
図3に示されるように、センサ7nは、シートクッション10の下面の前部に設けられる。センサ7oは、シートクッション10の下面の後部寄りに設けられる。センサ7pは、シートクッション10の下面の後部に設けられる。
【0061】
図1から図3に示されるように、操作入力装置8は、シートクッション10の左側面に設けられる。
【0062】
制御装置9は、シートクッション10の下部に設けられる。制御装置9は、複数の駆動装置6a~6cと複数のセンサ7a~7nと操作入力装置8と電気的に接続される。センサ7a~7nは物体の接近及び接触を検出する。
【0063】
例えば、乗員は、操作入力装置8を操作することで複数の駆動装置6a~6cのいずれかを動作させる。その結果、シート本体3は、複数の駆動装置6a~6cのいずれかの動作に対応した移動を開始する。この際、複数のセンサ7a~7pは、検出動作を開始する。複数の駆動装置6a~6cのいずれかがシート本体3を移動させているときに複数のセンサ7a~7pのいずれかにより障害物、他の乗員等の物体の接近または接触が検出された際、制御装置9は、複数の駆動装置6a~6cのいずれかによるシート本体3の移動を停止させる。
【0064】
例えば、複数の駆動装置6a~6cのいずれかがシート本体3を移動させているときに複数の駆動装置6a~6cのいずれかにより物体との距離が予め設定された第1距離であると検出された際、制御装置9は、複数の駆動装置6a~6cによるシート本体3の移動速度を下げる。その後、複数のセンサ7a~7pのいずれかにより物体との距離が第1距離よりも短い第2距離であると検出された際、制御装置9は、複数の駆動装置6a~6cのいずれかによるシート本体3の移動を停止させる。この際の第1距離および第2距離は、適宜される。例えば、第1距離は、100mmに設定される。例えば、第2距離は、50mmに設定される。
【0065】
例えば、複数の駆動装置6a~6cのいずれかがシート本体3を移動させているときに複数のセンサ7a~7pのいずれかにより物体の接近が検出された際、制御装置9は、複数の駆動装置6a~6cのいずれかによるシート本体3の移動速度を下げる。その後、複数のセンサ7a~7pのいずれかにより物体の接触が検出された際、制御装置9は、駆動装置によるシート本体3の移動を停止させる。
【0066】
第1具体例においては、前後駆動装置6aがシートクッション10を後方に移動させているときに複数のセンサ7j~7pのうちの少なくとも一つにより物体の接近または接触が検出された際、制御装置9は、前後駆動装置6aによるシートバック11の後方への移動を停止させる。第2具体例においては、回動駆動装置6cがシートクッション10を回動させているときに複数のセンサ7b~7hのうちの少なくとも一つにより物体の接近または接触された際、制御装置9は、回動駆動装置6cによるシートクッション10の回動を停止させる。第3具体例においては、リクライニング駆動装置6bがシートバック11を後方に回動させているときに複数のセンサ7j~7pのうちの少なくとも一つにより物体の接近または接触が検出された際、制御装置9は、リクライニング駆動装置6bによるシートバック11の後方への回動を停止させる。
【0067】
次に、図4を用いて、センサ7aの具体例が説明される。図4に示されるように、シートクッション10は、パッド15と表皮16とを備える。パッド15は、ポリウレタンフォーム等の弾力性を有するクッション材で形成される。パッド15は、凹部15aとハーネス用孔15bとを備える。凹部15aは、パッド15の表面の一部に形成される。ハーネス用孔15bは、凹部15aの奥側に連結するように形成される。表皮16は、合成皮革、布地等から形成される。表皮16は、パッド15の表面を覆う。表皮16は、外部に露出する。表皮16は、検出光用孔16aを有する。検出光用孔16aは、表皮16の一部を貫通するように形成される。検出光用孔16aは、パッド15の凹部15aに連結するように形成される。
【0068】
センサ7aは、センサ本体17とハーネス18とを備える。センサ本体17は、接近検出体17aと接触検出体17bとを備える。例えば、接近検出体17aは、ToF(Time of Flight)センサである。接近検出体17aは、センサ本体17の表面の中央部に設けられる。例えば、接触検出体17bは、静電容量センサである。接触検出体17bは、電極を備える。電極は、センサ本体17の表面において接近検出体17aを囲む。
【0069】
センサ本体17は、接近検出体17aの検出光の軸が表皮16の検出光用孔16aと重なるようにパッド15の凹部15aに収納される。ハーネス18の一端は、センサ本体17の裏面に接続される。ハーネス18は、接近検出体17aと接触検出体17bとに電気的に接続される。ハーネス18は、ハーネス用孔15bに沿ってパッド15の奥側に収納される。ハーネス18の他端は、車両の電源と電気的に接続される。ハーネス18は、接近検出体17aと接触検出体17bとに電力を供給する。
【0070】
接近検出体17aは、表皮16の検出光用孔16aを介して赤外光等の検出光を外部に発する。この際、接近検出体17aは、断続的に複数の検出光を発する。接近検出体17aは、検出光が物体に反射して孔を介して返ってきた検出光を受ける。接近検出体17aは、検出光が返ってくるまでの時間に基づいて物体までの距離を測定することで当該物体の接近を検出する。接触検出体17bは、自らの静電容量の変化に基づいて物体の接触を検出する。
【0071】
接近検出体17aの検出範囲は、前方方向に対して300mm程度である。ただし、物体までの距離が数十mmである場合、接近検出体17aの検出感度は低い。この領域に対し、接触検出体17bは、物体の接触を検出する。このように、センサ本体17は、異なる原理で物体を検出する。その結果、物体の検出の信頼性が向上する。
【0072】
なお、複数のセンサ7b~7pも、センサ7aと同様の構成である。
【0073】
次に、図5を用いて、制御装置9の制御対象が説明される。図5において、音声出力装置19は、車室に向けて音声を出力する装置である。例えば、音声出力装置19は、カーナビゲーションシステムにおいて音声案内等を行う装置である。表示装置20は、車室に向けて画像等を表示する装置である。例えば、表示装置20は、カーナビゲーションシステムにおいて地図等を表示する装置である。音声出力装置19と表示装置20とは、直接的または間接的に制御装置9と電気的に接続される。
【0074】
複数の駆動装置6a~6cのいずれかがシート本体3を移動させているときに複数のセンサ7a~7pのいずれかが物体の接近または接触を検出した際、制御装置9は、シート本体3と物体との接近または接触を知らせる内容を音声出力装置19または表示装置20に報知させる。
【0075】
例えば、複数の駆動装置6a~6cのいずれかがシート本体3を移動させているときに複数の駆動装置6a~6cのいずれかにより物体との距離が予め設定された第1距離であると検出された際、制御装置9は、シート本体3と物体との接近を知らせる内容を音声出力装置19または表示装置20に報知させる。その後、複数のセンサ7a~7pのいずれかにより物体との距離が第1距離よりも短い第2距離であると検出された際、制御装置9は、シート本体3の移動が停止されたことを音声出力装置19または表示装置20に報知させる。
【0076】
例えば、複数の駆動装置6a~6cのいずれかがシート本体3を移動させているときに複数のセンサ7a~7pのいずれかにより物体の接近が検出された際、制御装置9は、シート本体3と物体との接近を知らせる内容を音声出力装置19または表示装置20に報知させる。複数のセンサ7a~7pのいずれかにより物体の接触が検出された際、制御装置9は、シート本体3の移動が停止されたことを音声出力装置19または表示装置20に報知させる。
【0077】
第1具体例において、前後駆動装置6aがシートクッション10を後方に移動させているときに複数のセンサ7j~7pのうちの少なくとも一つにより物体の接近または接触が検出された際、制御装置9は、物体との接近または接触を知らせる内容を音声出力装置19または表示装置20に報知させる。第2具体例において、回動駆動装置6cがシートクッション10を回動させているときに複数のセンサ7b~7hのうちの少なくとも一つにより物体の接近または接触された際、制御装置9は、物体との接近または接触を知らせる内容を音声出力装置19または表示装置20に報知させる。第3具体例において、リクライニング駆動装置6bがシートバック11を後方に回動させているときに複数のセンサ7j~7pのうちの少なくとも一つにより物体の接近または接触が検出された際、制御装置9は、シートバック11と物体との接近を知らせる内容を音声出力装置19または表示装置20に報知させる。
【0078】
以上で説明された乗物用シートによれば、複数の駆動装置6a~6cのいずれかがシート本体3を移動させているときに複数のセンサ7a~7pのいずれかにより物体の接近または接触が検出された際、制御装置9は、複数の駆動装置6a~6cのいずれかによるシート本体3の移動を停止させる。このため、乗物用シートにおいて、シート本体3を移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0079】
例えば、複数の駆動装置6a~6cのいずれかがシート本体3を移動させているときに複数の駆動装置6a~6cのいずれかにより物体との距離が予め設定された第1距離であると検出された際、制御装置9は、複数の駆動装置6a~6cによるシート本体3の移動速度を下げる。その後、複数のセンサ7a~7pのいずれかにより物体との距離が第1距離よりも短い第2距離であると検出された際、制御装置9は、複数の駆動装置6a~6cのいずれかによるシート本体3の移動を停止させる。このため、物体がシート本体3と接触する前に、シート本体3を停止させることができる。
【0080】
例えば、複数の駆動装置6a~6cのいずれかがシート本体3を移動させているときに複数のセンサ7a~7pのいずれかにより物体の接近が検出された際、制御装置9は、複数の駆動装置6a~6cのいずれかによるシート本体3の移動速度を下げる。その後、複数のセンサ7a~7pのいずれかにより物体の接触が検出された際、制御装置9は、駆動装置によるシート本体3の移動を停止させる。このため、シート本体3が物体と接触するまでは、シート本体3の移動を継続することができる。
【0081】
また、接近検出体17aは、表皮16の検出光用孔16aを介して検出光を外部に発する。接近検出体17aは、物体に反射して検出光用孔16aを介して返ってきた検出光を受ける。このため、表皮16の裏側に接近検出体17aを設けても、物体の接近を確実に検出することができる。
【0082】
なお、接近検出体17aにおいて、超音波を用いてもよい。この場合、表皮16の検出光用孔16aを介して超音波を外部に発すればよい。接近検出体17aは、物体に反射して検出光用孔16aを介して返ってきた超音波を受ければよい。この場合も、表皮16の裏側に接近検出体17aを設けても、物体の接近を確実に検出することができる。
【0083】
第1具体例においては、前後駆動装置6aがシートクッション10を後方に移動させているときに複数のセンサ7j~7pのうちの少なくとも一つにより物体の接近または接触が検出された際、制御装置9は、前後駆動装置6aによるシートバック11の後方への移動を停止させる。このため、乗物用シートにおいて、シート本体3を後方に移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0084】
第2具体例においては、回動駆動装置6cがシートクッション10を回動させているときに複数のセンサ7b~7hのうちの少なくとも一つにより物体の接近または接触された際、制御装置9は、回動駆動装置6cによるシートクッション10の回動を停止させる。このため、乗物用シートにおいて、シート本体3を回動に移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0085】
第3具体例においては、リクライニング駆動装置6bがシートバック11を後方に回動させているときに複数のセンサ7j~7pのうちの少なくとも一つにより物体の接近または接触が検出された際、制御装置9は、リクライニング駆動装置6bによるシートバック11の後方への回動を停止させる。このため、乗物用シートにおいて、シートバック11を回動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0086】
なお、その他の具体例として、駆動装置がシートクッション10を左右方向に移動させているときに複数のセンサ7c~7gの少なくとも一つにより物体の接近または接触が検出された際、制御装置9により、駆動装置によるシートクッション10の左右方向への移動を停止させてもよい。なお、シートクッション10の左右向の移動は、スライド装置5と同様の装置で案内すればよい。この場合、乗物用シートにおいて、シート本体3を左右方向に移動させる際に乗員による物体の確認を不要にすることができる。
【0087】
また、複数のセンサ7a~7pに対し、電力を無線で供給してもよい。この場合、ハーネス18を不要にすることができる。
【0088】
また、複数のセンサ7a~7pの検出状態を常に保ってよい。この場合、シート本体3の移動を開始する前から、物体の接近および接触を検出することができる。シート本体3の移動を開始する前に物体の接近または接触が検出された場合は、シート本体3の移動の開始を禁止してもよい。
【0089】
また、複数のセンサ7a~7pの物体の接近の検出範囲外から、物体が急に飛び出してきた場合は、接触検出体17bによる物体の接触を検出して、シート本体3の移動を緊急停止すればよい。
【0090】
また、制御装置9により、シート本体3の移動速度と複数のセンサ7a~7pによる物体までの距離の時間的変化に基づいて当該物体が移動しているか否かを判定してもよい。当該物体が移動している場合、制御装置9により、シート本体3の移動を停止させてもよい。この場合、他の乗員等とシート本体3との接触をより確実に抑制することができる。
【0091】
また、シート本体3の移動に対し、フェールセーフの機能を適用してもよい。具体的には、複数の駆動装置6a~6cのいずれかまたは複数のセンサ7a~7pのいずれかにおいて断線等の故障が検出された場合、複数のセンサ7a~7pのいずれかの検出結果によるシート本体3の移動の制御を停止させてもよい。この場合、シート本体3の移動を停止させてもよい。
【0092】
また、複数のセンサ7a~7pは、表皮16の表面に設けてもよい。この場合、複数のセンサ7a~7pの光学面等を容易に清掃することができる。
【0093】
次に、図6を用いて、センサ7aの第1変形例が説明される。図4と同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。図6のパッド15において、ハーネス用溝15cは、パッド15の表面側に形成される。ハーネス用溝15cは、凹部15aの一側に連結するように形成される。ハーネス18の一端は、センサ本体17の一側面に接続される。ハーネス18は、ハーネス用孔15bに沿ってパッド15の表面側に収納される。なお、複数のセンサ7b~7pも、センサ7aと同様の構成である。
【0094】
以上で説明された第1変形例によれば、ハーネス18は、ハーネス用孔15bに沿ってパッド15の表面側に収納される。このため、パッド15の凹部15aにセンサ7a等を取り付ける際のハーネス18を容易に取り回すことができる。
【0095】
次に、図7を用いて、センサ7aの第2変形例が説明される。図4と同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。第4変形例において、センサ7aは、表皮16を介して検出電波を表被の外部に発する。センサ7aは、物体に反射して表皮16を介して返ってきた検出電波を受けることで、物体の接近を検出する。なお、複数のセンサ7b~7pも、センサ7aと同様の構成である。
【0096】
以上で説明された第2変形例によれば、センサ7a等は、表皮16を介して検出電波を表被の外部に発する。センサ7a等は、物体に反射して表皮16を介して返ってきた検出電波を受ける。このため、検出電波用孔を設けなくても、物体の接近を検出することができる。
【0097】
次に、図8を用いて、センサ7aの第3変形例が説明される。図4と同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。第3変形例において、複数の検出光用孔16aは、一列に並ぶ。センサ本体17は、複数の接近検出体17aと複数の接触検出体17bとを備える。複数の接近検出体17aは、一列に並ぶ。複数の接近検出体17aは、複数の検出光用孔16aにそれぞれ対応して設けられる。複数の接近検出体17aは、物体の接近をそれぞれ検出する。複数の接触検出体17bは、複数の接近検出体17aのそれぞれと一体に設けられる。複数の接触検出体17bは、物体の接触をそれぞれ検出する。なお、複数のセンサ7b~7pも、センサ7aと同様の構成である。
【0098】
以上で説明された第3変形例によれば、複数の接近検出体17aは、一列に並ぶ。複数の接触検出体17bは、複数の接近検出体17aのそれぞれと一体に設けられる。このため、物体の接近および接触の検出範囲をより広くすることができる。
【0099】
次に、図9を用いて、センサ7aの第4変形例が説明される。図8と同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。第4変形例において、センサ本体17は、複数の接近検出体17aと1つの接触検出体17bとを備える。複数の接近検出体17aは、一列に並ぶ。複数の接近検出体17aは、物体の接近をそれぞれ検出する。接触検出体17bは、複数の接近検出体17aをまとめて保持する。接触検出体17bは、物体の接触を検出する。なお、複数のセンサ7b~7pも、センサ7aと同様の構成である。
【0100】
以上で説明された第4変形例によれば、接触検出体17bは、複数の接近検出体17aをまとめて保持する。このため、物体の接近および接触の検出範囲をより広くしつつ、第3変形例に対し、接触検出体17bの数を減らすことができる。
【0101】
以上で具体的実施形態および具体的変形例の説明を終えるが、本発明は上記実施形態および第1変形例から第4変形例に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、第3変形例および第4変形例において、複数の接近検出体17aにおいて、検出電波により物体を検出してもよい。この場合、複数の検出電波用孔を設けなくても、物体の接近をより確実に検出することができる。
【符号の説明】
【0102】
2 :シート
3 :シート本体
6a~6c :駆動装置
7a~7p :センサ
9 :制御装置
10 :シートクッション
11 :シートバック
12 :ヘッドレスト
16 :表皮
16a :検出光用孔
17a :接近検出体
17b :接触検出体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9