(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131802
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】車両用通知システム
(51)【国際特許分類】
B60N 2/24 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
B60N2/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036762
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田邉 仁一
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 拓也
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE10
(57)【要約】
【課題】車両において、乗員がウイルスに感染することを抑制する。
【解決手段】車両用通知システムであって、車両に設けられ、情報を通知する通知装置18、19と、車両に設けられ、ウイルスを検出するセンサ22Aと、センサがウイルスを検出した際に、ウイルスの検出に関する情報を通知装置に通知させる制御装置20と、を備えた。当該構成を備えることにより、車両において、乗員がウイルスに感染することを抑制することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用通知システムであって、
情報を通知する通知装置と、
前記車両に設けられ、ウイルスを検出するセンサと、
前記センサがウイルスを検出した際に、ウイルスの検出に関する情報を前記通知装置に通知させる制御装置と、
を備えた車両用通知システム。
【請求項2】
前記センサは、前記車両のステアリングホイールに設けられた請求項1に記載の車両用通知システム。
【請求項3】
前記センサは、前記車両のインストルメントパネルに設けられた請求項1に記載の車両用通知システム。
【請求項4】
前記センサは、前記車両のドアトリムに設けられた請求項1に記載の車両用通知システム。
【請求項5】
前記センサは、前記車両のシートに設けられた請求項1に記載の車両用通知システム。
【請求項6】
前記シートは、
シートクッションと、
前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバックと、
前記シートバックの上部に設けられたヘッドレストと、
を備え、
前記センサは、前記ヘッドレストに設けられた請求項5に記載の車両用通知システム。
【請求項7】
前記シートは、外部に露出し、一部においてウイルス検出用孔を有した表皮、
を備え、
前記センサは、前記表皮の裏側に設けられ、前記表皮の表側から前記ウイルス検出用孔を介して前記表皮の裏側に向けて移動するウイルスを検出する請求項5または請求項6に記載の車両用通知システム。
【請求項8】
前記車両に設けられ、流入口と流出口とを有したダクトと、
前記ダクトに設けられ、前記流入口から前記流出口に向けた空気の流れを形成するブロアと、
を備え、
前記センサは、前記ダクトの内部において前記流入口と前記流出口との間に設けられ、前記ダクトに流れる空気中のウイルスを検出する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の車両用通知システム。
【請求項9】
前記ダクトの内部において前記センサと前記流出口との間に設けられ、ウイルスを捕獲するフィルタ、
を備えた請求項8に記載の車両用通知システム。
【請求項10】
前記センサは、前記ダクトに対して着脱自在に設けられた請求項8または請求項9に記載の車両用通知システム。
【請求項11】
前記センサに隣接して設けられ、ウイルスを死滅させる光触媒、
を備えた請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の車両用通知システム。
【請求項12】
前記制御装置は、ウイルスの検出に関する情報を前記車両の外部に存在する携帯端末に通知する請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の車両用通知システム。
【請求項13】
前記制御装置は、前記車両の外部に存在するサーバ装置を介してウイルスの検出に関する情報を前記携帯端末に通知する請求項12に記載の車両用通知システム。
【請求項14】
車両用通知システムであって、
車両に設けられ、情報を通知する通知装置と、
前記車両に設けられ、流入口と流出口とを有したダクトと、
前記ダクトに設けられ、前記流入口から前記流出口に向けた空気の流れを形成するブロアと、
前記ダクトの内部において並んで設けられ、互いに異なるウイルスを検出する複数のセンサと、
前記複数のセンサのいずれかがウイルスを検出した際に、ウイルスの検出に関する情報を前記通知装置に通知させる制御装置と、
を備えた車両用通知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、座席シート構造を開示する。当該座席シート構造によれば、ウイルスの飛沫感染を抑制し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の座先シート構造においては、ウイルスの存否を判定できない。このため、乗員がウイルスに感染することを抑制する対策としては十分でない。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑み、車両において、乗員がウイルスに感染することを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、車両用通知システムであって、情報を通知する通知装置(18、19)と、前記車両に設けられ、ウイルスを検出するセンサ(22A)と、前記センサがウイルスを検出した際に、ウイルスの検出に関する情報を前記通知装置に通知させる制御装置(20)と、を備えた。
【0007】
この態様によれば、車両において、乗員がウイルスに感染することを抑制することができる。
【0008】
上記の態様において、前記センサは、前記車両のステアリングホイール(13)に設けられてもよい。
【0009】
この態様によれば、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0010】
上記の態様において、前記センサは、前記車両のインストルメントパネル(14)に設けられてもよい。
【0011】
この態様によれば、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0012】
上記の態様において、前記センサは、前記車両のドアトリム(27)に設けられてもよい。
【0013】
この態様によれば、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0014】
上記の態様において、前記車両のシート(2)に設けられてもよい。
【0015】
この態様によれば、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0016】
上記の態様において、前記シートは、シートクッション(7)と、前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバック(8)と、前記シートバックの上部に設けられたヘッドレスト(9)と、を備え、前記センサは、前記ヘッドレストに設けられてもよい。
【0017】
この態様によれば、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0018】
上記の態様において、前記シートは、外部に露出し、一部においてウイルス検出用孔(36A)を有した表皮(36)、を備え、前記センサは、前記表皮の裏側に設けられ、前記表皮の表側から前記ウイルス検出用孔を介して前記表皮の裏側に向けて移動するウイルスを検出してもよい。
【0019】
この態様によれば、表皮の裏側にセンサを設けても、ウイルスを確実に検出することができる。
【0020】
上記の態様において、前記車両に設けられ、流入口(39A)と流出口(39B)とを有したダクト(39)と、前記ダクトに設けられ、前記流入口から前記流出口に向けた空気の流れを形成するブロア(41)と、を備え、前記センサは、前記ダクトの内部において前記流入口と前記流出口との間に設けられ、前記ダクトに流れる空気中のウイルスを検出してもよい。
【0021】
この態様によれば、より確実にウイルスを検出することができる。
【0022】
上記の態様において、前記ダクトの内部において前記センサと前記流出口との間に設けられ、ウイルスを捕獲するフィルタ(42)、を備えてもよい。
【0023】
この態様によれば、車室の内部におけるウイルスの浮遊量を減らすことができる。
【0024】
上記の態様において、前記センサは、前記ダクトに対して着脱自在に設けられてもよい。
【0025】
この態様によれば、流行中のウイルスに合わせたセンサを容易に取り付けることができる。
【0026】
上記の態様において、前記センサに隣接して設けられ、ウイルスを死滅させる光触媒(44A)、を備えてもよい。
【0027】
この態様によれば、車室の内部におけるウイルスの浮遊量を減らすことができる。
【0028】
上記の態様において、前記制御装置は、ウイルスの検出に関する情報を前記車両の外部に存在する携帯端末(21)に通知してもよい。
【0029】
この態様によれば、携帯端末を所持した利用予定者に対してウイルスの検出を通知することができる。
【0030】
上記の態様において、前記制御装置は、前記車両の外部に存在するサーバ装置(S)を介してウイルスの検出に関する情報を前記携帯端末に通知してもよい。
【0031】
この態様によれば、ウイルスが検出された車両を特定することができる。
【0032】
上記課題を解決するために、本発明は、車両用通知システムであって、車両に設けられ、情報を通知する通知装置(18、19)と、前記車両に設けられ、流入口(39A)と流出口(39B)とを有したダクト(39)と、前記ダクトに設けられ、前記流入口から前記流出口に向けた空気の流れを形成するブロア(41)と、前記ダクトの内部において並んで設けられ、互いに異なるウイルスを検出する複数のセンサ(43C~44E)と、前記複数のセンサのいずれかがウイルスを検出した際に、ウイルスの検出に関する情報を前記通知装置に通知させる制御装置(20)と、を備えた。
【0033】
この態様によれば、様々なウイルスを検出することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、車両用通知システムであって、車両に設けられ、情報を通知する通知装置(18、19)と、前記車両に設けられ、ウイルスを検出するセンサ(22A)と、前記センサがウイルスを検出した際に、ウイルスの検出に関する情報を前記通知装置に通知させる制御装置(20)と、を備えた。
【0035】
この態様によれば、車両において、乗員がウイルスに感染することを抑制することができる。
【0036】
上記の態様において、前記センサは、前記車両のステアリングホイール(13)に設けられてもよい。
【0037】
この態様によれば、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0038】
上記の態様において、前記センサは、前記車両のインストルメントパネル(14)に設けられてもよい。
【0039】
この態様によれば、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0040】
上記の態様において、前記センサは、前記車両のドアトリム(27)に設けられてもよい。
【0041】
この態様によれば、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0042】
上記の態様において、前記車両のシート(2)に設けられてもよい。
【0043】
この態様によれば、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0044】
上記の態様において、前記シートは、シートクッション(7)と、前記シートクッションの後部に回動自在に設けられたシートバック(8)と、前記シートバックの上部に設けられたヘッドレスト(9)と、を備え、前記センサは、前記ヘッドレストに設けられてもよい。
【0045】
この態様によれば、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0046】
上記の態様において、前記シートは、外部に露出し、一部においてウイルス検出用孔(36A)を有した表皮(36)、を備え、前記センサは、前記表皮の裏側に設けられ、前記表皮の表側から前記ウイルス検出用孔を介して前記表皮の裏側に向けて移動するウイルスを検出してもよい。
【0047】
この態様によれば、表皮の裏側にセンサを設けても、ウイルスを確実に検出することができる。
【0048】
上記の態様において、前記車両に設けられ、流入口(39A)と流出口(39B)とを有したダクト(39)と、前記ダクトに設けられ、前記流入口から前記流出口に向けた空気の流れを形成するブロア(41)と、を備え、前記センサは、前記ダクトの内部において前記流入口と前記流出口との間に設けられ、前記ダクトに流れる空気中のウイルスを検出してもよい。
【0049】
この態様によれば、より確実にウイルスを検出することができる。
【0050】
上記の態様において、前記ダクトの内部において前記センサと前記流出口との間に設けられ、ウイルスを捕獲するフィルタ(42)、を備えてもよい。
【0051】
この態様によれば、車室の内部におけるウイルスの浮遊量を減らすことができる。
【0052】
上記の態様において、前記センサは、前記ダクトに対して着脱自在に設けられてもよい。
【0053】
この態様によれば、流行中のウイルスに合わせたセンサを容易に取り付けることができる。
【0054】
上記の態様において、前記センサに隣接して設けられ、ウイルスを死滅させる光触媒(44A)、を備えてもよい。
【0055】
この態様によれば、車室の内部におけるウイルスの浮遊量を減らすことができる。
【0056】
上記の態様において、前記制御装置は、ウイルスの検出に関する情報を前記車両の外部に存在する携帯端末(21)に通知してもよい。
【0057】
この態様によれば、携帯端末を所持した利用予定者に対してウイルスの検出を通知することができる。
【0058】
上記の態様において、前記制御装置は、前記車両の外部に存在するサーバ装置(S)を介してウイルスの検出に関する情報を前記携帯端末に通知してもよい。
【0059】
この態様によれば、ウイルスが検出された車両を特定することができる。
【0060】
上記課題を解決するために、本発明は、車両用通知システムであって、車両に設けられ、情報を通知する通知装置(18、19)と、前記車両に設けられ、流入口(39A)と流出口(39B)とを有したダクト(39)と、前記ダクトに設けられ、前記流入口から前記流出口に向けた空気の流れを形成するブロア(41)と、前記ダクトの内部において並んで設けられ、互いに異なるウイルスを検出する複数のセンサ(43C~44E)と、前記複数のセンサのいずれかがウイルスを検出した際に、ウイルスの検出に関する情報を前記通知装置に通知させる制御装置(20)と、を備えた。
【0061】
この態様によれば、様々なウイルスを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図8】表示装置および音声出力装置の制御を説明するためのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、図面を参照して、本発明に係る車両用通知システムを自動車に適用した実施形態が説明される。
【0064】
(第1実施形態)
図1において、運転席側のドア1は、車両の前部の右側に対して開閉自在に設けられる。運転席のシート2は、車室の前部の右側に設けられる。シート2は、シート本体3と回動装置4とスライド装置5とリクライニング装置6とを備える。
【0065】
シート本体3は、シートクッション7とシートバック8とヘッドレスト9とを備える。シートバック8は、シートクッション7の後部に設けられる。ヘッドレスト9は、シートバック8の上部に設けられる。
【0066】
スライド装置5は、一対のロアレール10と一対のアッパーレール11とを備える。一対のロアレール10は、長手方向を前後方向にして設けられる。一対のアッパーレール11は、長手方向を前後方向にしてシートクッション7の下面に設けられる。一対のアッパーレール11は、一対のロアレール10に前後方向にそれぞれ案内される。
【0067】
回動装置4は、スライド装置5のアッパーレール11とシートクッション7との間に設けられる。回動装置4は、アッパーレール11に対してシートクッション7を鉛直軸回りに回動自在に支持する。
【0068】
リクライニング装置6は、シートクッション7の後部とシートバック8の下部とを連結する。リクライニング装置6は、シートクッション7に対してシートバック8を水平軸回りに回動自在に支持する。リクライニング装置6は、シートクッション7に対してシートバック8を任意の角度に支持する。
【0069】
シート用制御装置12は、シートクッション7の下部に設けられる。シート用制御装置12は、シート本体3の動作を制御する機能を備える。
【0070】
ステアリングホイール13は、車室の前部の右側においてシート2の前方に設けられる。インストルメントパネル14は、車室の前部に設けられる。センターコンソール15は、車室においてシート2の左側に設けられる。シフトレバー16は、センターコンソール15の前部に設けられる。
【0071】
ナビゲーションシステム17は、インストルメントパネル14に収納される。ナビゲーションシステム17は、表示装置18と音声出力装置19とナビゲーション用制御装置20とを備える。
【0072】
表示装置18は、通知装置として情報を表示する機能を備える。音声出力装置19は、通知装置として情報を音声で出力する機能を備える。ナビゲーション用制御装置20は、表示装置18と音声出力装置19とを制御する機能を備える。
【0073】
例えば、ナビゲーション用制御装置20は、人工衛星を利用したGPS(Global Positioning System)信号等の測位信号を受信して、車両の現在位置を検出する。ナビゲーション用制御装置20は、現在位置から目的地までの経路を探索する。ナビゲーション用制御装置20は、現在位置から目的地までの経路に関する情報を表示装置18に表示させたり音声出力装置19に音声で出力させたりする。
【0074】
例えば、ナビゲーション用制御装置20は、ブルートゥース(登録商標)等の短距離無線通信を介して、スマートフォン等の携帯端末21との間で情報を送受信する。
【0075】
センサ22Aは、ステアリングホイール13においてエアバックの収納部とスイッチ類とを避けた位置に設けられる。例えば、センサ22Aは、ステアリングホイール13の上部に設けられる。センサ22Bは、インストルメントパネル14においてエアバックの収納部と空調吹き出し口とを避けた位置に設けられる。例えば、センサ22Bは、インストルメントパネル14において水平方向の中央部に設けられる。センサ22Cは、表示装置18に設けられる。センサ22Dは、センターコンソール15の上面の中央部に設けられる。センサ22Eは、シフトレバー16のグリップ部に設けられる。センサ22Fは、フロントピラーに設けられる。センサ22Gは、センターピラーに設けられる。センサ22Hは、ルーフに設けられる。これらのセンサ22A~22Gは、ウイルスを検出する機能を備える。
【0076】
センサ22A~22Gは、公知のセンサを適用することができる。センサ22A~22Gは、例えば半導体センサであり、半導体の表面にウイルスが結合することによって生じる電気特性の変化を検出することによってウイルスを検出するとよい。センサ22A~22Gは、特定のウイルスのスパイクタンパク質と結合する物質を半導体の表面に有するとよい。これにより、特定のウイルスを検出することができる。
【0077】
図2において、アウタパネル23は、ドア1の外面となる。アウタパネル23の上部は、開口する。インナパネル24は、アウタパネル23の車室側に設けられる。インナパネル24の上部は、開口する。ウィンドウガラス26は、アウタパネル23とインナパネル24との間に設けられる。ウィンドウガラス26は、アウタパネル23とインナパネル24との開口部に対して開閉自在に設けられる。ドアトリム27は、インナパネル24の車室側に設けられる。ドアトリム27は、車室の側面となる。
【0078】
アームレスト28は、ドアトリム27の上下方向の中間部に設けられる。アームレスト28は、ドアトリム27から車室の側に張り出す。アームレスト28は、前後方向に沿って延在する。ドアハンドル29は、アームレスト28の長手方向における中央部に形成される。タッチパネル30は、アームレスト28の前部の上面に設けられる。タッチパネル30は、ウィンドウガラス26を昇降する際に使用される。
【0079】
ドアポケット31は、ドアトリム27に設けられる。ドアポケット31は、アームレスト28の下方に設けられる。ドアポケット31は、上方に開口する。ドアロックユニット32は、ドアトリム27の前部かつ上部に設けられる。ドアロックユニット32は、車室の側に露出する。
【0080】
複数のセンサ33A~33Hは、ドアトリム27の様々な箇所に設けられる。これらのセンサ33A~33Hは、ウイルスを検出する機能を備える。
【0081】
センサ33Aは、ドアトリム27の上部かつ前部に設けられる。センサ33Bは、ドアトリム27の上部かつ中央部に設けられる。センサ33Cは、ドアトリム27の上部かつ後部に設けられる。センサ33Dは、ドアトリム27の内部に設けられる。センサ33Eは、アームレスト28の上部かつ後部に設けられる。センサ33Fは、ドアポケット31の内部に設けられる。センサ33Gは、ドアハンドル29に設けられる。センサ33Hは、タッチパネル30に設けられる。
【0082】
図3に示されるように、シート本体3は、アームレストRを備える。アームレストRは、シートバック8の左側に設けられる。
【0083】
図3と
図4とに示されるように、複数のセンサ34A~34Yは、シート本体3の様々な箇所に設けられる。これらのセンサ34A~34Yは、ウイルスを検出する機能を備える。
【0084】
センサ34Aは、シートクッション7の前端面の中央部に設けられる。センサ34Bは、シートクッション7の前端面の右側角部に設けられる。センサ34Cは、シートクッション7の前端面の左側角部に設けられる。センサ34Dは、シートクッション7の右側土手部の上面に設けられる。センサ34Eは、シートクッション7の左側土手部の上面に設けられる。センサ34Fは、シートクッション7の左側土手部の外側面に設けられる。
【0085】
センサ34Gは、シートバック8の右側土手部における内側面の下部に設けられる。センサ34Hは、シートバック8の右側土手部における内側面の上部に設けられる。センサ34Jは、シートバック8の左側土手部における外側面の下部に設けられる。センサ34Kは、シートバック8の左側土手部における外側面の上部に設けられる。センサ34Lは、シートバック8の着座部の上部における左側角部に設けられる。センサ34Mは、シートバック8の着座部の上部における右側角部に設けられる。センサ34Nは、シートバック8の左側肩口部に設けられる。
【0086】
センサ34Pは、ヘッドレスト9の前面の中央部に設けられる。センサ34Qは、ヘッドレスト9の左側面の中央部に設けられる。センサ34Rは、ヘッドレスト9の上面の中央部に設けられる。
【0087】
センサ34Sは、アームレストRの前端部の上面に設けられる。センサ34Tは、アームレストRの前端部の下面に設けられる。
【0088】
センサ34Uは、シートクッション7の後端面の中央部に設けられる。センサ34Vは、シートバック8の背面の中央部に設けられる。センサ34Wは、シートバック8の背面の上部に設けられる。センサ34Xは、シートバック8の左側肩口部に設けられる。センサ34Yは、ヘッドレスト9の背面の中央部に設けられる。
【0089】
次に、
図5を用いて、センサ34Aの第1例が説明される。
図5に示されるように、シートクッション7は、パッド35と表皮36とを備える。パッド35は、ポリウレタンフォーム等の弾力性を有するクッション材で形成される。パッド35は、凹部35Aとハーネス用孔35Bとを備える。凹部35Aは、パッド35の表面の一部に形成される。ハーネス用孔35Bは、凹部35Aの奥側に連結するように形成される。表皮36は、合成皮革、布地等から形成される。表皮36は、パッド35の表面を覆う。表皮36は、外部に露出する。表皮36は、ウイルス検出用孔36Aを有する。ウイルス検出用孔36Aは、表皮36の一部を貫通するように形成される。ウイルス検出用孔36Aは、パッド35の凹部35Aに連結するように形成される。
【0090】
センサ34Aは、センサ本体37とハーネス38とを備える。センサ本体37は、検出体37Aを備える。センサ本体37は、検出体37Aが表皮36のウイルス検出用孔36Aと重なるように凹部35Aに収納される。ハーネス38の一端は、センサ本体37の裏面に接続される。ハーネス38は、検出体37Aと電気的に接続される。ハーネス38は、ハーネス用孔35Bに沿ってパッド35の奥側に収納される。ハーネス38の他端は、車両の電源と電気的に接続される。ハーネス38は、検出体37Aに電力を供給する。
【0091】
検出体37Aは、表皮36の表側からウイルス検出用孔36Aを介して表皮36の裏側に向けて移動するウイルスを検出する。
【0092】
なお、複数のセンサ34B~34Yも、センサ34Aと同様の構成である。
【0093】
次に、
図6を用いて、センサ34Aの第2例が説明される。
図5と同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
図6のパッド35において、ハーネス用溝35Cは、パッド35の表面側に形成される。ハーネス用溝35Cは、凹部35Aの一側に連結するように形成される。ハーネス38の一端は、センサ本体37の一側面に接続される。ハーネス38は、ハーネス用孔35Bに沿ってパッド35の表面側に収納される。なお、複数のセンサ34B~34Yも、センサ34Aと同様の構成である。
【0094】
次に、
図7を用いて、センサ34Aの第3例が説明される。
図5と同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
図7において、センサ本体37は、表皮36の表面側に配置される。ウイルス検出用孔36Aは、ハーネス38の一端の収納部として使用される。なお、複数のセンサ34B~34Yも、センサ34Aと同様の構成である。
【0095】
次に、
図8を用いて、表示装置18および音声出力装置19の制御が説明される。複数のセンサ22A~22G、33A~33Hの検出状態は、常に保たれる。
【0096】
例えば、複数のセンサ22A~22G、33A~33Hのうちのいずれかがウイルスを検出した際、ナビゲーション用制御装置20は、ウイルスの検出に関する情報を表示装置18に表示させたり音声出力装置19に音声で出力させたりする。例えば、複数のセンサ34A~34Yのうちのいずれかがウイルスを検出した際、ナビゲーション用制御装置20は、シート用制御装置12を介してウイルスの検出を把握したうえでウイルスの検出に関する情報を表示装置18に表示させたり音声出力装置19に音声で出力させたりする。
【0097】
例えば、複数の22A~22G、33A~33Hのうちのいずれかがウイルスを検出した際、ナビゲーション用制御装置20は、ウイルスの検出に関する情報を車両の外部に存在する携帯端末21に直接的に無線通信で通知する。例えば、複数のセンサ34A~34Yのうちのいずれかがウイルスを検出した際、ナビゲーション用制御装置20は、シート用制御装置12を介してウイルスの検出を把握したうえでウイルスの検出に関する情報を携帯端末21に直接的に無線通信で通知する。
【0098】
例えば、複数の22A~22G、33A~33Hのうちのいずれかがウイルスを検出した際、ナビゲーション用制御装置20は、移動体通信網を使用して車両の外部に存在するサーバ装置Sを介してウイルスの検出に関する情報を携帯端末21に通知する。例えば、複数のセンサ34A~34Yのうちのいずれかがウイルスを検出した際、ナビゲーション用制御装置20は、シート用制御装置12を介してウイルスの検出を把握したうえで移動体通信網を使用してサーバ装置Sを介してウイルスの検出に関する情報を携帯端末21に通知する。
【0099】
これらの際、提示される情報は、適宜設定される。例えば、ウイルスの存否の情報が提示される。例えば、「ウイルスがかなり多いのでリスク大」等のウイルスの量に関する情報が提示される。例えば、ウイルスの種類の情報が提示される。
【0100】
以上で説明された第1実施形態によれば、センサ22A等がウイルスを検出した際、車両において、ウイルスの検出に関する情報が通知される。このため、車両において、乗員がウイルスに感染することを抑制できる。
【0101】
また、センサ22Aは、ステアリングホイール13に設けられる。このため、乗員の手が触れやすい箇所においてウイルスを検出することができる。その結果、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0102】
また、センサ22Bは、インストルメントパネル14に設けられる。このため、乗員の手が触れやすい箇所においてウイルスを検出することができる。その結果、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0103】
また、センサ33A等は、ドアトリム27に設けられる。このため、乗員の手が触れやすい箇所においてウイルスを検出することができる。その結果、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0104】
また、センサ34A等は、シート2に設けられる。このため、乗員の付近においてウイルスを検出することができる。その結果、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0105】
また、センサ34P等は、ヘッドレスト9に設けられる。このため、乗員の口の付近においてウイルスを検出することができる。その結果、乗員がウイルスに感染することをより確実に抑制することができる。
【0106】
また、第1例のセンサ34A等は、表皮36の裏側に設けられる。第1例のセンサ34A等は、表皮36の表側からウイルス検出用孔36Aを介して表皮36の裏側に向けて移動するウイルスを検出する。このため、表皮36の裏側にセンサ34A等を設けても、ウイルスを確実に検出することができる。
【0107】
また、第2例のセンサ34A等において、ハーネス38は、ハーネス用孔35Bに沿ってパッド35の表面側に収納される。このため、パッド35の凹部35Aにセンサ34A等を取り付ける際のハーネス38を容易に取り回すことができる。
【0108】
また、第3例のセンサ34A等において、表皮36の表側に設けられる。このため、第1例のセンサ34A等および第2例のセンサ34A等よりも、ウイルスをより確実に検出することができる。
【0109】
また、ウイルスの検出に関する情報は、車両の外部に存在する携帯端末21に通知される。このため、携帯端末21を所持した利用予定者に対してウイルスの検出を通知することができる。その結果、ウイルスへの感染をより確実に抑制することができる。特に、当該車両がカーシェアリングに利用される場合、携帯端末21のアプリケーションソフトを介して様々な利用予定者に対してウイルスの検出を通知することでウイルスの感染拡大を抑制することができる。
【0110】
また、ウイルスの検出に関する情報は、サーバ装置Sを介して携帯端末21に通知される。このため、サーバ装置Sは、ウイルスが検出された車両を特定することができる。この際、サーバ装置Sにおいて当該車両の位置情報を取得することで、ウイルスが検出された地域を特定することができる。
【0111】
なお、センサ22A等の故障に対し、フェールセーフの機能を適用してもよい。具体的には、センサ22A等において断線等の故障が検出された場合、ウイルスの検出に関する情報の通知機能を停止させてもよい。この場合、ウイルスの検出に関する通知機能を停止していることを通知してもよい。
【0112】
また、車両の電源が出力状態担っている場合のみに、センサ22A等の検出状態を保ってよい。
【0113】
また、ウイルスの検出に関する情報の通知方法は、限定されない。例えば、光の点滅等でウイルスの検出に関する情報を通知してもよい。例えば、振動でウイルスの検出に関する情報を通知してもよい。
【0114】
また、パーテーションがシート2の周囲に存在する場合は、パーテーションにセンサを設けてもよい。
【0115】
また、ルーフウインドウが存在する場合は、ルーフウインドウにセンサを設けてもよい。
【0116】
(第2実施形態)
図9と
図10とにおいて、第1実施形態と同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0117】
図9に示されるように、ダクト39は、ヘッドレスト9に収納される。ダクト39は、長手方向を水平方向とする。流入口39Aは、ダクト39の右端部に連結される。流入口39Aは、外部に向けて開口する。流出口39Bは、ダクト39の左端部に連結される。流出口39Bは、外部に向けて開口する。
【0118】
第1カートリッジ40Aは、ダクト39の長手方向における流入口39Aの側に対してヘッドレスト9の背面の側から着脱自在に設けられる。第2カートリッジ40Bは、ダクト39の長手方向における中央に対してヘッドレスト9の背面の側から着脱自在に設けられる。第3カートリッジ40Cは、ダクト39の長手方向における流出口39Bの側に対してヘッドレスト9の背面の側から着脱自在に設けられる。
【0119】
図10に示されるように、ブロア41は、ダクト39と流入口39Aとの連結部に設けられる。ブロア41は、流入口39Aから流出口39Bに向けた空気の流れを形成する機能を備える。フィルタ42は、ダクト39と流出口39Bとの連結部に設けられる。フィルタ42は、様々なウイルスを捕獲する機能を備える。
【0120】
センサ43Aは、流入口39Aの内部に設けられる。センサ43Bは、流出口39Bの内部に設けられる。センサ43Cは、第1カートリッジ40Aの内部に設けられる。センサ43Dは、第2カートリッジ40Bの内部に設けられる。センサ43Eは、第3カートリッジ40Cの内部に設けられる。
【0121】
センサ43C~43Eは、ダクト39の内部においてダクト39の長手方向に並んで設けられる。センサ43C~43Eにおいて、図示されない各検出体は、互いに異なるウイルスを検出する機能を備える。例えば、センサ43Cの検出体は、第1ウイルスを検出する機能を備える。センサ43Dの検出体は、第2ウイルスを検出する機能を備える。センサ43Eの検出体は、第3ウイルスを検出する機能を備える。
【0122】
第1光触媒44Aは、第1カートリッジ40Aにおいてセンサ43Cの下流側に隣接して設けられる。第1光触媒44Aは、第1ウイルスを死滅させる機能を備える。第2光触媒44Bは、第2カートリッジ40Bにおいてセンサ43Dの下流側に隣接して設けられる。第2光触媒44Bは、第2ウイルスを死滅させる機能を備える。第3光触媒44Cは、第3カートリッジ40Cにおいてセンサ43Eの下流側に隣接して設けられる。第3光触媒44Cは、第3ウイルスを死滅させる機能を備える。
【0123】
以上で説明された第2実施形態によれば、ダクト39の内部には、空気が流れる。センサ43C~43Eは、ダクト39の内部において流入口39Aと流出口39Bとの間に設けられる。センサ43C~43Eは、ダクト39に流れる空気中のウイルスを検出する。このため、より確実にウイルスを検出することができる。
【0124】
また、センサ43C~43Eは、ダクト39の内部において並んで設けられる。センサは、互いに異なるウイルスを検出する。このため、様々なウイルスを検出することができる。
【0125】
また、フィルタ42は、ダクト39の内部においてセンサ34Eと流出口39Bとの間に設けられる。フィルタ42は、ウイルスを捕獲する。このため、車室の内部におけるウイルスの浮遊量を減らすことができる。
【0126】
また、センサ43C~43Eは、ダクト39に対して着脱自在に設けられる。このため、センサ43C~43Eを容易に交換することができる。その結果、流行中のウイルスに合わせたセンサ43C~43Eを容易に取り付けることができる。
【0127】
また、第1光触媒44Aは、センサ43Cに隣接して設けられる。第2光触媒44Bは、センサ43Dに隣接して設けられる。第3光触媒44Cは、センサ43Eに隣接して設けられる。このため、車室の内部におけるウイルスの浮遊量を減らすことができる。
【0128】
なお、第1カートリッジ40Aと第2カートリッジ40Bと第3カートリッジ40Cのうちの少なくとも1つに香水、消臭剤を充填してもよい。
【0129】
以上で具体的実施形態および具体的変形例の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、実施形態1の特徴と実施形態2の特徴とを備えたシート本体3によりウイルスを検出してもよい。
【符号の説明】
【0130】
2 :シート
7 :シートクッション
8 :シートバック
9 :ヘッドレスト
13 :ステアリングホイール
14 :インストルメントパネル
18 :表示装置
19 :音声出力装置
20 :ナビゲーション用制御装置
21 :携帯端末
22A~22G :センサ
27 :ドアトリム
33A~33H :センサ
34A~34Y :センサ
36 :表皮
36A :ウイルス検出用孔
39 :ダクト
39A :流入口
39B :流出口
41 :ブロア
42 :フィルタ
43A~43E :センサ
44A :第1光触媒
44B :第2光触媒
44C :第3光触媒
S :サーバ装置