(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131841
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】連包袋の厚さ測定装置
(51)【国際特許分類】
B65B 57/10 20060101AFI20230914BHJP
B65H 7/14 20060101ALI20230914BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B65B57/10 B
B65H7/14
B65B57/10 C
B65B57/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036819
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000148162
【氏名又は名称】株式会社川島製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】山本 博久
【テーマコード(参考)】
3F048
【Fターム(参考)】
3F048AB05
3F048BB02
3F048CA02
3F048CB12
3F048CC03
3F048DA06
3F048DC13
3F048EB24
(57)【要約】
【課題】連包袋の袋体の厚さを精度良く測定する上で有利な連包袋の厚さ測定装置を提供する。
【解決手段】光検出部34によって搬送方向における連包袋10の先端と、ミシン目16とを検出すると共に、この検出結果と袋体12の搬送方向に沿った長さと搬送速度とに基づいて厚さ検出部32による各袋体12の検出動作のタイミングを決定するようにした。連包袋10がシール部14を境にして折れ曲がる現象が生じても厚さ検出部32によって各袋体12の長さ方向の中央における厚さを検出することができるため、連包袋10の袋体12の厚さを精度良く測定する上で有利となる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品が収容された複数の袋体がミシン目を有するシール部を介して接続されて構成された連包袋の厚さ測定装置であって、
予め設定された搬送速度で前記連包袋を前記複数の袋体が接続された方向に搬送する搬送部と、
前記搬送部を搬送される前記連包袋の前記複数の袋体の厚さをそれぞれ検出する厚さ検出部と、
前記連包袋の搬送方向において前記厚さ検出部の上流側に設けられ、前記連包袋に対して検出光を照射すると共に前記連包袋を透過あるいは反射する前記検出光の強度を検出する光検出部と、
前記検出光の強度に基づいて、前記搬送方向における前記連包袋の先端と、前記ミシン目とを検出すると共に、この検出結果と前記袋体の前記搬送方向に沿った長さと前記搬送速度とに基づいて前記厚さ検出部による前記各袋体の検出動作のタイミングを決定する制御部と、
を備えることを特徴とする連包袋の厚さ測定装置。
【請求項2】
前記厚さ検出部は、
前記袋体の厚さ方向に昇降し前記袋体の上面を押圧可能に形成された移動体と、
前記移動体を昇降させる電動モータと、
前記制御部によって決定された前記タイミングに基づいて前記電動モータを制御し前記移動体を前記袋体の上面に押圧した際の前記電動モータのトルク負荷に基づいて前記移動体による前記袋体への押圧力を制御するモータ制御部と、
前記電動モータの回転量に基づいて前記袋体の厚さを算出する厚さ算出部と、
を備えることを特徴とする請求項1記載の連包袋の厚さ測定装置。
【請求項3】
前記光検出部は、前記検出光を照射する発光部と、前記連包袋を透過した前記検出光を検出する受光部とを備える透過型光電センサで構成されている、
ことを特徴とする請求項1または2記載の連包袋の厚さ測定装置。
【請求項4】
前記連包袋は、不透明な包装フィルムで形成されている、
ことを特徴とする請求項3記載の連包袋の厚さ測定装置。
【請求項5】
前記製品はスナック菓子である、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の連包袋の厚さ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連包袋の厚さ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
連包袋は、製品が収容された複数の袋体がシール部を介して接続されて構成されたものである。
連包袋は、製袋充填包装機によって製品が袋体に収容されて製造されたのち、製袋充填包装機から排出シュートを介して排出コンベヤに搬送され、次いで、第1の搬送コンベヤに搬送されこの第1搬送コンベヤでの搬送中にウエイトチェッカにより重量が計測され、次いで、第1搬送コンベヤから厚さ測定装置が設置された第2の搬送コンベヤに搬送されることで各袋体の厚さが計測される。
この場合、各コンベヤにおいて、連包袋は、複数の袋体が接続された長さ方向に搬送される。
特許文献1には、第2搬送コンベヤ上において、連包袋の搬送方向の先頭を検出し、上記搬送速度と各袋体の長さとに基づいて、袋体の厚さを測定する測定タイミングを決定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、連包袋は、ほぼ鉛直方向に延在する排出シュートからほぼ水平方向に延在する排出コンベヤに向かって自重により排出されることから、排出された連包袋が排出コンベヤ上でシール部を境目にして折れ曲がるといったジャムと呼ばれる現象が発生しやすい。
また、ウエイトチェッカによる計測を精度良く行なうために第1搬送コンベヤの搬送速度は排出コンベヤの搬送速度よりも低速となることが多い。そのため、連包袋が排出コンベヤから第1搬送コンベヤに移動した時点で搬送速度が急に低下することによっても上記と同様に連包袋がシール部を境目にして折れ曲がるといった現象が発生しやすい。
このような折れ曲がりが生じると、折れ曲がりが生じていない場合に比較して、搬送方向における連包袋の先端に対する各袋体の位置関係が一定とならず、ばらついてしまう。
そのため、上記従来技術のように、連包袋の搬送方向の先頭を検出し、上記搬送速度と各袋体の長さとに基づいて、袋体の厚さを測定する測定タイミングを決定したのでは、各袋体に対する測定タイミングが最適とならず、袋体の中央から外れた箇所の厚さを測定してしまい、厚さの測定精度が低下するおそれがある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものである。本発明の目的は、連包袋の袋体の厚さを精度良く測定する上で有利な連包袋の厚さ測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した目的を達成するため、本発明の一実施の形態は、製品が収容された複数の袋体がミシン目を有するシール部を介して接続されて構成された連包袋の厚さ測定装置であって、予め設定された搬送速度で前記連包袋を前記複数の袋体が接続された方向に搬送する搬送部と、前記搬送部を搬送される前記連包袋の前記複数の袋体の厚さをそれぞれ検出する厚さ検出部と、前記連包袋の搬送方向において前記厚さ検出部の上流側に設けられ、前記連包袋に対して検出光を照射すると共に前記連包袋を透過あるいは反射する前記検出光の強度を検出する光検出部と、前記検出光の強度に基づいて、前記搬送方向における前記連包袋の先端と、前記ミシン目とを検出すると共に、この検出結果と前記袋体の前記搬送方向に沿った長さと前記搬送速度とに基づいて前記厚さ検出部による前記各袋体の検出動作のタイミングを決定する制御部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記厚さ検出部は、前記袋体の厚さ方向に昇降し前記袋体の上面を押圧可能に形成された移動体と、前記移動体を昇降させる電動モータと、前記制御部によって決定された前記タイミングに基づいて前記電動モータを制御し前記移動体を前記袋体の上面に押圧した際の前記電動モータのトルク負荷に基づいて前記移動体による前記袋体への押圧力を制御するモータ制御部と、前記電動モータの回転量に基づいて前記袋体の厚さを算出する厚さ算出部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記光検出部は、前記検出光を照射する発光部と、前記連包袋を透過した前記検出光を検出する受光部とを備える透過型光電センサで構成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記連包袋は、不透明な包装フィルムで形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一実施の形態は、前記製品はスナック菓子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、光検出部によって搬送方向における連包袋の先端と、ミシン目とを検出すると共に、この検出結果と袋体の搬送方向に沿った長さと搬送速度とに基づいて厚さ検出部による各袋体の検出動作のタイミングを決定するようにした。
したがって、連包袋がシール部を境にして折れ曲がる現象が生じても厚さ検出部によって各袋体の長さ方向の中央における厚さを検出することができるため、連包袋の袋体の厚さを精度良く測定する上で有利となる。
また、移動体を袋体の上面に押圧した際の電動モータのトルク負荷に基づいて移動体による袋体への押圧力を制御すると共に、電動モータの回転量に基づいて袋体の厚さを算出するようにすると、移動体から袋体に加わる押圧力を適切に設定することで袋体の厚さの測定条件を一定に維持できるため、連包袋の袋体の厚さを精度良く測定する上で有利となる。
また、光検出部を、検出光を照射する発光部と、連包袋を透過した検出光を検出する受光部とを備える透過型光電センサで構成すると、厚さ検出装置の構成の簡素化を図る上で有利となる。
また、連包袋が不透明な包装フィルムで形成されていると、光検出部による搬送方向における連包袋の先端と、ミシン目との検出をより確実に行なう上で有利となる。
また、製品がスナック菓子であると、スナック菓子を収容した袋体の厚さを検出することで袋体に収容される空気量が適正であるか否かを判定することができるため、輸送中におけるスナック菓子の破損を防止しつつ、連包袋を段ボール箱に確実に収容させる上で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】製袋充填包装機械から排出された連包袋が本実施の形態の厚さ測定装置へ搬送されるまでの過程を示す説明図である。
【
図2】(A)は実施の形態に係る連包袋の厚さ測定装置の構成を示す側面図、(B)は(A)の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、
図2(A)、(B)を参照して連包袋10について説明する。
連包袋10は、製品が収容された複数の袋体12がシール部14を介して接続されて構成されている。
本実施の形態では、連包袋10は不透明な包装フィルムで形成されており、このような包装フィルムとして、スナック菓子などの製品の酸化を防止するため遮光性のあるアルミ蒸着フィルムが用いられている。
連包袋10は、複数の袋体12が連接された方向の長さを有し、袋体12とシール部14は連包袋10の長さ方向に沿った長さを有し、袋体12の長さ方向の両端にシール部14が位置している。
シール部14の長さ方向の中間部に袋体12の破断を可能としたミシン目16が設けられている。
連包袋10の長さ方向において隣り合うミシン目16の寸法、言い換えると、各袋体12の長さは同一である。
本実施の形態では、連包袋10は、4つの袋体12が3つのシール部14を介して接続されて構成され、連包袋10の長さ方向の両端にはシール部14が位置している。
連包袋10の長さ方向の一端のシール部14に、販売店などにおいて連包袋10を吊り下げるための孔18Aが形成されたヘッダ部18が設けられており、このような連包袋10をヘッダ付き連包袋という。
したがって、連包袋10の長さ方向の一端にヘッダ部18が位置し、長さ方向の他端にシール部14が位置している。
なお、本発明は、ヘッダ部18が設けられていない連包袋にも無論適用可能である。
袋体12に収容される製品は、例えば、ポテトチップスなどのスナック菓子であるが、製品の種類は限定されるものではない。また、後述する製袋充填包装機20によって製品と共に空気が袋体12に収容されることによって袋体12をある程度膨らませた状態としている。これは、空気によって袋体12の厚さを確保することで輸送時の衝撃を緩和し、製品の保護を図るためである。
【0009】
図1に示すように、連包袋10は、製袋充填包装機20によって製品が空気と共に各袋体12に収容されて製造されたのち、ほぼ鉛直方向に延在する排出シュート22から、搬送方向の下流に至るほど高さが高くなるゆるやかな傾斜で延在する排出コンベヤ24上に連包袋10の自重により排出される。
なお、図中、符号20Aは製袋充填包装機20の横シール部を示し、横シール部20Aによって連包袋10のシール部14が形成される。
また、連包袋10は、搬送方向の上流端に、連包袋10の長さ方向の一端のヘッダ部18が位置し、搬送方向の下流端に連包袋10の長さ方向の他端のシール部14が位置するように排出コンベヤ24上に排出される。
搬送方向において排出コンベヤ24の下流側には、ウエイトチェッカ26を構成する第1搬送コンベヤ26Aが配置されており、第1搬送コンベヤ26A上において1つの連包袋10が搬送されている間に1つの連包袋10の重量が測定される。
ウエイトチェッカ26によって測定された連包袋10の重量が所定の合格範囲内にあるか否かが判定され、連包袋10の重量が合格範囲内でなければ不良品となり、後述する不良排除部50によって排除される。
【0010】
図1に示すように、ほぼ鉛直方向に延在する排出シュート22から連包袋10の自重により下方に排出された連包袋10は、排出コンベヤ24上においてシール部14を境目として折れ曲がるジャムと呼ばれる現象が発生しやすい。
また、ウエイトチェッカ26による重量測定の精度を確保するために、排出コンベヤ24の搬送速度に対して第1搬送コンベヤ26Aの搬送速度が低速に設定されているため、連包袋10が排出コンベヤ24から第1搬送コンベヤ26Aに移動した時点で搬送速度が急に低下することによっても上記と同様に連包袋10がシール部14を境目にして折れ曲がるといった現象が発生しやすい。
なお、図中、直線αは、連包袋10に折れ曲がりが生じていない場合におけるシール部14の厚さ方向の位置を示す。
【0011】
図2(A)、(B)に示すように、本実施の形態の連包袋の厚さ測定装置28は、第2搬送コンベヤ30(搬送部)と、厚さ検出部32と、光検出部34と、制御部36とを含んで構成されている。
第2搬送コンベヤ30は、第1搬送コンベヤ26Aから搬送された連包袋10を予め設定された搬送速度で複数の袋体12が接続された方向に搬送するものである。
本実施の形態では、第1搬送コンベヤ26Aの下流端と第2搬送コンベヤ30の上流端との間には隙間Sが形成される。
なお、図中、符号52は第2搬送コンベヤ30の搬送方向下流側に接続された不良排除部50の第3搬送コンベヤを示す。
【0012】
厚さ検出部32は、第2搬送コンベヤ30を搬送される連包袋10の複数の袋体12の厚さをそれぞれ検出するものである。
図3に示すように、厚さ検出部32は、移動体38と、電動モータ40と、モータ制御部42と、厚さ算出部44とを含んで構成されている。
図2(A)に示すように、移動体38は、第2搬送コンベヤ30の搬送方向に沿った長さと、長さと直交する方向の幅を有した押圧面3802を有している。
移動体38は、袋体12の厚さ方向に昇降し、押圧面3802によって袋体12の上面を押圧可能に形成されている。
移動体38は、例えば、押圧面3802に不図示の多数のフリーローラが連包袋10の搬送方向に沿って回転可能に設けられており、搬送中の連包袋10の袋体12の上面を押圧面3802が押圧してもフリーローラが連包袋10に追従して回転することで、連包袋10の搬送を妨げないように図られている。
また、後述するように、移動体38の押圧面3802の長さ方向の中央で、袋体12の上面の搬送方向における長さ方向の中央を押圧した際に、袋体12の厚さが最も精度良く測定されるように図られている。
【0013】
電動モータ40は、不図示の動力伝達機構を介して移動体38を昇降させるものであり、例えば、サーボ制御が可能なサーボモータで構成されている。
モータ制御部42は、後述する制御部36によって決定されたタイミングに基づいて電動モータ40の回転を制御するものである。
また、モータ制御部42は、移動体38を袋体12の上面に押圧した際の電動モータ40のトルク負荷に基づいて移動体38による袋体12への押圧力を制御するものである。
押圧力は予め定められた一定の値となるように制御され、これにより袋体12の厚さの測定条件を一定に維持するように図られている。
【0014】
厚さ算出部44は、電動モータ40の回転量に基づいて袋体12の厚さを算出するものである。
例えば、厚さ算出部44は、モータ制御部42から供給される電動モータ40の回転量に対応する駆動パルスを計数し、駆動パルスの計数結果に基づいて移動体38の第2搬送コンベヤ30の上面からの高さ位置、すなわち、袋体12の厚さを算出する。
なお、算出された袋体12の厚さが所定の合格範囲内あるか否かが判定され、袋体12の厚さが合格範囲内になければ連包袋10は不良品とされ、不良排除部50によって排除される。
【0015】
図2(A)に示すように、光検出部34は、連包袋10の搬送方向において厚さ検出部32の上流側に設けられ、連包袋10に対して検出光Lを照射すると共に連包袋10を透過あるいは反射する検出光Lの強度を検出するものである。
本実施の形態では、光検出部34は、第1搬送コンベヤ26Aと第2搬送コンベヤ30の隙間Sを上下方向から挟むように配置された発光部46と受光部48とを含む透過型光電センサで構成されている。
発光部46は、連包袋10に向かって検出光Lを照射するものであり、受光部48は、連包袋10を透過した検出光Lを検出するものである。
なお、発光部46から照射される検出光Lの形状や数は限定されるものではないが、ミシン目16を確実に検出できるように、例えば、ミシン目16の長さ方向に沿って複数の検出光(光ビーム)Lが照射されることが好ましい。
したがって、光検出部34として複数の光軸を持つエリアセンサなどの従来公知の様々な透過型光電センサを用いることができる。
連包袋10のうちミシン目16の箇所は検出光Lが透過する一方、連包袋10のうちミシン目16以外の部分は、不透明な包装フィルムで形成されているため検出光Lは透過しない。
したがって、光検出部34によって検出される検出光Lの強度は、連包袋10が存在しない場合に最大値となり、連包袋10のミシン目16以外の部分で最小値となり、ミシン目16の部分で中間値となる。
そのため、検出光Lの強度は、連包袋10の搬送方向の先端部分で最大値から最小値に変化し、また、ミシン目16の前後において最小値から中間値に、中間値から最小値に変化することから、検出光Lの強度に基づいて、連包袋10の搬送方向の先端とミシン目16とを検出することが可能となる。
なお、連包袋10が透明な包装フィルムで形成されていても、検出光Lの透過量は、包装フィルムが存在しない場合に比較して、包装フィルムの部分で低下するため、上記と同様の原理でミシン目16を検出することができる。
【0016】
制御部36は、検出光Lの強度に基づいて、搬送方向における連包袋10の先端と、ミシン目16とを検出すると共に、この検出結果と、袋体12の長さAと、第2搬送コンベヤ30の搬送速度Vとに基づいて厚さ検出部32による各袋体12の検出動作のタイミングを決定する。
より詳細には、検出結果と、袋体12の長さA(cm)と、第2搬送コンベヤ30の搬送速度V(cm/秒)と、第2搬送コンベヤ30の搬送方向に沿った検出光Lと移動体38の押圧面3802の長さ方向の中央との距離B(cm)とに基づいて厚さ検出部32による各袋体12の検出動作のタイミングを決定する。
すなわち、連包袋10の先端またはミシン目16が検出された時刻を基準として検出動作を実行するタイミングをT秒とすると、以下の式(1)でタイミングTが算出される。
T=((A/2)+B)/V (秒)……(1)
すなわち、制御部36は、厚さ検出部32のモータ制御部42に対して、袋体12の検出動作のタイミングを指示する。
これによりモータ制御部42は、移動体38の押圧面3802が連包袋10から上方に離間した上方待機位置と、移動体38の押圧面3802が袋体12を所定の押圧力で押圧する下方押圧位置との間で昇降させ、袋体12毎に厚さ算出部44によって袋体12の厚さが算出される。
この各袋体12の検出動作のタイミングを、第2搬送コンベヤ30による搬送方向における各袋体12の長さの中央を、移動体38の押圧面3802の中央が押圧するタイミングに設定することで、袋体12の厚さが最も精度良く測定されるように図られている。
【0017】
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態によれば、光検出部34によって搬送方向における連包袋10の先端と、ミシン目16とを検出すると共に、この検出結果と袋体12の搬送方向に沿った長さと搬送速度とに基づいて厚さ検出部32による各袋体12の検出動作のタイミングを決定するようにした。
したがって、連包袋10がシール部14を境にして折れ曲がる現象が生じても厚さ検出部32によって各袋体12の長さ方向の中央における厚さを検出することができるため、連包袋10の袋体12の厚さを精度良く測定する上で有利となる。
【0018】
また、本実施の形態では、厚さ検出部32は、移動体38を袋体12の上面に押圧した際の電動モータ40のトルク負荷に基づいて移動体38による袋体12への押圧力を制御すると共に、電動モータ40の回転量に基づいて袋体12の厚さを算出するようにした。
したがって、移動体38から袋体12に加わる押圧力を適切に設定することで袋体12の厚さの測定条件を一定に維持できるため、連包袋10の袋体12の厚さを精度良く測定する上で有利となる。
【0019】
また、本実施の形態では、光検出部34は、検出光Lを照射する発光部46と、連包袋10を透過した検出光Lを検出する受光部48とを備える透過型光電センサで構成されているので、厚さ検出装置の構成の簡素化を図る上で有利となる。
なお、光検出部34として、検出光Lを照射する発光部46と、連包袋10を反射した検出光Lを検出する受光部48とを備える反射型光電センサで構成してもよい。
この場合は、連包袋10のうちミシン目16以外の部分は、一定の割合で検出光Lが反射される一方、ミシン目16の箇所は検出光Lの一部がミシン目16を透過するため、反射される検出光Lの強度が低下する。
したがって、光検出部34によって検出される検出光Lの強度は、連包袋10が存在しない場合に最小値となり、連包袋10のミシン目16以外の部分で最大値となり、ミシン目16の部分で中間値となる。
そのため、検出光Lの強度は、連包袋10の搬送方向の先端部分で最小値から最大値に変化し、また、ミシン目16の前後において最大値から中間値に、中間値から最大値に変化することから、検出光Lの強度に基づいて、連包袋10の搬送方向の先端、ミシン目16を検出することが可能となる。
しかしながら、光検出部34として反射型光電センサを用いた場合、連包袋10で反射される検出光Lの強度は連包袋10の表面の状態によって影響を受けやすいことから、連包袋10で反射される検出光Lの強度とミシン目16で反射される検出光Lの強度とを判別する処理が多少複雑となることが考えられる。
そのため、本実施の形態のように光検出部34として透過型光電センサを用いると、光検出部34による搬送方向における連包袋10の先端と、ミシン目16との検出を簡素な構成で実現する上でより有利となる。
【0020】
また、本実施の形態では、連包袋10が不透明な包装フィルムで形成されているので、連包袋10が透明な包装フィルムで形成されている場合に比較して、光検出部34として光透過型センサを用いた場合に、検出光Lがミシン目16を透過する一方、ミシン目16以外の連包袋10の部分によって検出光Lが透過されないため、光検出部34による搬送方向における連包袋10の先端と、ミシン目16との検出をより確実に行なう上で有利となる。
【0021】
また、本実施の形態では、製品がスナック菓子であるため、各袋体12には適正量の空気と共にスナック菓子が収容される。
これは、袋体12に収容される空気量が過小だと、輸送時の振動や衝撃によってスナック菓子がこわれやすくなる不利があり、また、袋体12に収容される空気量が過剰だと、連包袋10を段ボール箱に収納する際に、連包袋10が段ボールに収まりきれなくなる不利があるため、適切な量の空気を袋体12に収容する必要があるためである。
本実施の形態では、このようなスナック菓子を収容した袋体12の厚さを検出することで袋体12に収容される空気量が適正であるか否かを判定することができるため、輸送中におけるスナック菓子の破損を防止しつつ、連包袋10を段ボール箱に確実に収容させる上で有利となる。
【0022】
なお、本実施の形態では、厚さ検出部32が移動体38の移動量に基づいて袋体12の厚さを測定するものである場合について説明したが、袋体12を押圧する移動体38とは別に、袋体12の厚さを測定する例えば非接触式(光電式)の厚さセンサを用いてもよい。その場合には、電動モータ40の回転量に基づいて袋体12の厚さを算出する機能は不要となる。
このような構成によっても本実施の形態と同様に、連包袋10の袋体12の厚さを精度良く測定する上で有利となる。
【符号の説明】
【0023】
10 連包袋
12 袋体
14 シール部
16 ミシン目
18 ヘッダ部
18A 孔
20 製袋充填包装機
20A 横シール部
22 排出シュート
24 排出コンベヤ
26 ウエイトチェッカ
26A 第1搬送コンベヤ
28 連包袋の厚さ測定装置
30 第2搬送コンベヤ(搬送部)
32 厚さ検出部
34 光検出部
36 制御部
38 移動体
3802 押圧面
40 電動モータ
42 モータ制御部
44 厚さ算出部
46 発光部
48 受光部
50 第3搬送コンベヤ
L 検出光
S 隙間