(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131855
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】コントローラおよびキャリブレーションシステム
(51)【国際特許分類】
F04B 49/06 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
F04B49/06 321Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036839
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 哲弘
(72)【発明者】
【氏名】梅川 淳
(72)【発明者】
【氏名】小寺 裕康
(72)【発明者】
【氏名】片岡 洋佑
【テーマコード(参考)】
3H145
【Fターム(参考)】
3H145AA12
3H145AA14
3H145AA24
3H145AA44
3H145BA19
3H145BA28
3H145CA13
3H145CA21
3H145DA25
3H145DA48
3H145EA14
3H145EA20
3H145EA33
3H145EA36
(57)【要約】
【課題】実測データに基づくポンプ指令電流の調整方法を具体化したコントローラを提供する。
【解決手段】一実施形態に係るコントローラ3は、ポンプ指令電流が大きくなるほど吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置へ、アクチュエータ操作信号に応じたポンプ指令電流を出力する。コントローラ3は、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データに基づいて作成された、前記ポンプ指令電流を、前記ポンプの吐出容量が前記アクチュエータ操作信号に対して予め設定された性能線上を推移するように補正するためのキャリブレーションデータを記憶する。コントローラ3は、前記アクチュエータ操作信号に基づいてポンプ指令電流を決定し、前記キャリブレーションデータを使用して、決定した前記ポンプ指令電流を補正し、補正した前記ポンプ指令電流を前記ポンプ装置へ出力する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置へ、アクチュエータ操作信号に応じたポンプ指令電流を出力するコントローラであって、
前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データに基づいて作成されたキャリブレーションデータであって、前記ポンプの吐出容量が前記アクチュエータ操作信号に対して予め設定された性能線上を推移するように前記ポンプ指令電流を補正するためのキャリブレーションデータを記憶し、
前記アクチュエータ操作信号に基づいてポンプ指令電流を決定し、
前記キャリブレーションデータを使用して、決定した前記ポンプ指令電流を補正し、補正した前記ポンプ指令電流を前記ポンプ装置へ出力する、コントローラ。
【請求項2】
前記アクチュエータ操作信号に応じてアクチュエータ操作用指令電流を決定し、
前記ポンプ装置を駆動するエンジンの回転数および前記少なくとも1つのポンプの吐出圧が入力され、前記回転数および前記吐出圧に基づいて馬力制御用指令電流を決定し、
前記アクチュエータ操作用指令電流と前記馬力制御用指令電流の小さい方を前記ポンプ指令電流と決定する、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記実測データが入力され、入力された前記実測データを記憶し、記憶した前記実測データに基づいて前記キャリブレーションデータを作成して記憶する、請求項1または2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記キャリブレーションデータが入力され、入力された前記キャリブレーションデータを記憶する、請求項1または2に記載のコントローラ。
【請求項5】
ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置へ、アクチュエータ操作信号に応じたポンプ指令電流を出力するコントローラであって、
前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データが入力され、入力された前記実測データを記憶し、
前記アクチュエータ操作信号に基づいてポンプ指令容量を決定し、
前記実測データを使用して前記ポンプ指令容量に対応するポンプ指令電流を決定し、決定した前記ポンプ指令電流を前記ポンプ装置へ出力する、コントローラ。
【請求項6】
前記アクチュエータ操作信号に応じてアクチュエータ操作用指令容量を決定し、
前記ポンプ装置を駆動するエンジンの回転数および前記少なくとも1つのポンプの吐出圧が入力され、前記回転数および前記吐出圧に基づいて馬力制御用指令容量を決定し、
前記アクチュエータアクチュエータ操作用指令容量と前記馬力制御用指令容量の小さい方を前記ポンプ指令容量と決定する、請求項5に記載のコントローラ。
【請求項7】
ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置と、
前記ポンプ装置の表面に表示された、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データまたは当該実測データの保存先情報を格納する少なくとも1つのコードと、
請求項3、5または6に記載のコントローラと、
前記少なくとも1つのコードを撮像することで前記実測データを取得し、取得した前記実測データを無線通信を介して前記コントローラへ送信する携帯端末と、
を備える、キャリブレーションシステム。
【請求項8】
ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置と、
前記ポンプ装置の表面に表示された、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データまたは当該実測データの保存先情報を格納する少なくとも1つのコードと、
請求項4に記載のコントローラと、
前記少なくとも1つのコードを撮像することで前記実測データを取得し、取得した前記実測データに基づいて前記キャリブレーションデータを作成し、作成した前記キャリブレーションデータを前記コントローラへ無線通信を介して送信する携帯端末と、
を備える、キャリブレーションシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのポンプは2つのポンプを含み、
前記少なくとも1つのコードは、前記2つのポンプと対応する2つのコードを含み、各コードが、対応するポンプの前記実測データまたは当該実測データの保存先情報を格納する、請求項7または8に記載のキャリブレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポンプ装置用のコントローラと、そのコントローラを含むキャリブレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設機械や産業機械では、油圧アクチュエータへ作動油を供給するポンプ装置として、ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置が採用されることがある(例えば、特許文献1参照)。この場合、ポンプ装置がコントローラにより、油圧アクチュエータの作動速度が速くなるほどポンプの吐出容量が増大するように制御される。
【0003】
具体的に、コントローラには、油圧アクチュエータを作動させるための操作装置の操作量に対応するアクチュエータ操作信号が入力される。操作装置は、当該操作装置の操作量によって油圧アクチュエータの作動速度を決定するためのものである。コントローラからポンプ装置へは、アクチュエータ操作信号に応じたポンプ指令電流が出力される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ポンプ装置のポンプには、ポンプ指令電流と吐出容量との関係であるI-q特性に個体差によるばらつきがある。特許文献1には、ポンプの実際のI-q特性(特許文献1では、「指令電流と吐出流量との関係」と記載されているが、吐出流量を回転数で割れば吐出容量となる)を示す実測データを格納したコードをポンプ装置の表面に表示し、その実測データをコードリーダを使用してポンプ装置用のコントローラへ入力し、コントローラでI-q特性の個体差によるばらつきを電子的にキャリブレーションすることが記載されている。具体的には、コントローラが、操作装置の操作量に対応する設定吐出容量が得られるように、ポンプ装置へ出力するポンプ指令電流を調整する。
【0006】
しかしながら、特許文献1には、コントローラが実測データに基づいてどのようにポンプ指令電流を調整するかについては具体的に記載されていない。
【0007】
そこで、本開示は、実測データに基づくポンプ指令電流の調整方法を具体化したコントローラを提供すること、およびそのコントローラを含むキャリブレーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、1つの側面から、ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置へ、アクチュエータ操作信号に応じたポンプ指令電流を出力するコントローラであって、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データに基づいて作成されたキャリブレーションデータであって、前記ポンプの吐出容量が前記アクチュエータ操作信号に対して予め設定された性能線上を推移するように前記ポンプ指令電流を補正するためのキャリブレーションデータを記憶し、前記アクチュエータ操作信号に基づいてポンプ指令電流を決定し、前記キャリブレーションデータを使用して、決定した前記ポンプ指令電流を補正し、補正した前記ポンプ指令電流を前記ポンプ装置へ出力する、コントローラを提供する。
【0009】
本開示は、別の側面から、ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置へ、アクチュエータ操作信号に応じたポンプ指令電流を出力するコントローラであって、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データが入力され、入力された前記実測データを記憶し、前記アクチュエータ操作信号に基づいてポンプ指令容量を決定し、前記実測データを使用して前記ポンプ指令容量に対応するポンプ指令電流を決定し、決定した前記ポンプ指令電流を前記ポンプ装置へ出力する、コントローラを提供する。
【0010】
また、本開示は、1つの側面から、ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置と、前記ポンプ装置の表面に表示された、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データまたは当該実測データの保存先情報を格納する少なくとも1つのコードと、前記実測データが入力される上記のコントローラと、前記少なくとも1つのコードを撮像することで前記実測データを取得し、取得した前記実測データを無線通信を介して前記コントローラへ送信する携帯端末と、を備える、キャリブレーションシステムを提供する。
【0011】
本開示は、別の側面から、ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置と、前記ポンプ装置の表面に表示された、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データまたは当該実測データの保存先情報を格納する少なくとも1つのコードと、前記キャリブレーションデータが入力される上記のコントローラと、前記少なくとも1つのコードを撮像することで前記実測データを取得し、取得した前記実測データに基づいて前記キャリブレーションデータを作成し、作成した前記キャリブレーションデータを前記コントローラへ無線通信を介して送信する携帯端末と、を備える、キャリブレーションシステムを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、実測データに基づくポンプ指令電流の調整方法を具体化したコントローラと、そのコントローラを含むキャリブレーションシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態に係るコントローラを含むキャビテーションシステムの概略構成図である。
【
図2】ポンプ装置および前記コントローラを含む油圧システムの概略構成図である。
【
図3】前記コントローラの内部構成を示すブロック図である。
【
図4】アクチュエータ操作信号とポンプ吐出容量との関係を示すグラフである。
【
図5】アクチュエータ操作信号とポンプ指令電流との関係を示すグラフである。
【
図6】ポンプ指令電流とポンプ吐出容量との関係を示すグラフである。
【
図8】馬力制御におけるポンプの吐出圧と吐出容量との関係を示すグラフである。
【
図9】第2実施形態に係るコントローラの内部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
図1に、ポンプ装置2と、そのポンプ装置2用の第1実施形態に係るコントローラ3を含むキャリブレーションシステム1を示す。また、
図2に、ポンプ装置2、油圧アクチュエータ8およびコントローラ3を含む油圧システム10を示す。
【0015】
まず、
図2を参照して油圧システム10について説明する。油圧システム10は、例えば、油圧ショベルや油圧クレーンなどの建設機械、またはプレス機械などの産業機械に搭載される。
【0016】
ポンプ装置2は、少なくとも1つの可変容量型のポンプ21と、対応するポンプ21の容量を変更する少なくとも1つのレギュレータ22を含む。本実施形態では、ポンプ装置2が2つのポンプ21と2つのレギュレータ22を含む。ただし、ポンプ装置2はポンプ21を1つだけ含んでもよい。
【0017】
本実施形態では、各ポンプ21が斜板ポンプ(アキシャルピストンポンプ)である。ポンプ装置2は、2つのポンプ21の中心軸が平行に並ぶパラレル型でも、2つのポンプ21の中心軸が同軸上に並ぶタンデム型でもよい。あるいは、ポンプ装置2は、ポンプ21として1つまたは2つの斜軸ポンプを含んでもよい。
【0018】
本実施形態では、ポンプ装置2がエンジン7により駆動される。ポンプ装置2は、パラレル型である場合もタンデム型である場合も1つの入力シャフトを含み、この入力シャフトがエンジン7の出力シャフトと連結される。ただし、ポンプ装置2は電動モータにより駆動されてもよい。
【0019】
各レギュレータ22には、コントローラ3からポンプ指令電流Iが入力される。
図6に示すように、各ポンプ21の一回転あたりの吐出量である吐出容量qは、対応するレギュレータ22に入力されるポンプ指令電流Iが大きくなるほど増大する。
【0020】
例えば、レギュレータ22は、ポンプ21の斜板と連結されたサーボピストンに作用する油圧をポンプ指令電流Iに応じて変更するものであってもよい。この場合、サーボピストンは、ポンプ指令電流Iが大きくなるほど斜板の傾転角が大きくなる方向に移動する。あるいは、レギュレータ22は、斜板と連結された電動アクチュエータであってもよい。
【0021】
各ポンプ21は、油圧アクチュエータ8へ作動油を供給する。油圧アクチュエータ8の数は複数であってもよい。本実施形態では、油圧アクチュエータ8が双方向に作動する複動シリンダまたは油圧モータである。このため、ポンプ21が供給ライン81により方向切換弁82と接続され、方向切換弁82が一対の給排ライン83により油圧アクチュエータ8と接続される。
【0022】
供給ライン81からはリリーフラインが分岐し、このリリーフラインにリリーフ弁が設けられる。供給ライン81からはアンロードラインが分岐し、このアンロードラインにアンロード弁が設けられてもよい。油圧アクチュエータ8が複数設けられ、かつ、アンロードラインが採用される場合、いずれの油圧アクチュエータ8も作動させないとき、すなわち全ての方向切換弁82によって供給ライン81がブロックされるときにアンロード弁が開かれて、ポンプ21から吐出される作動油がアンロードラインを通じてタンクへ戻される。
【0023】
また、油圧システム10は、油圧アクチュエータ8を作動させるための操作装置9を含む。操作装置9は、当該操作装置9の操作量に対応するアクチュエータ操作信号Sを出力する。本実施形態では、操作装置9が、アクチュエータ操作信号Sとして電気信号を出力する電気ジョイスティックである。操作装置9から出力されるアクチュエータ操作信号Sは、コントローラ3へ入力される。
【0024】
なお、油圧システム10が搭載される機械が無人機械の場合、操作装置9は省略可能である。この場合、コントローラ3がアクチュエータ操作信号Sを自ら作成してもよい。
【0025】
本実施形態では、上述した方向切換弁82が、油圧アクチュエータ8を第1方向に作動させるための第1パイロットポートと、油圧アクチュエータ8を第2方向に作動させるための第2パイロットポートを有し、これらのパイロットポートに電磁比例弁が接続される。
【0026】
コントローラ3は、操作装置9の操作量が大きくなるほど方向切換弁82の開口面積が大きくなるように、電磁比例弁を介して方向切換弁82を制御する。このため、操作装置9の操作量が大きくなるほど油圧アクチュエータ8の作動速度が速くなる。
【0027】
ただし、操作装置9は、方向切換弁82の第1パイロットポートまたは第2パイロットポートにパイロット圧を出力するパイロット操作弁であってもよい。パイロット操作弁から出力されるパイロット圧は、当該パイロット操作弁である操作装置9の操作量が大きくなるほど高くなる。操作装置9がパイロット操作弁である場合、操作装置9から出力されるパイロット圧が圧力センサにより検出されてアクチュエータ操作信号Sとしてコントローラ3へ入力される。あるいは、方向切換弁82は、コントローラ3により直接的に制御される電磁弁であってもよい。
【0028】
コントローラ3は、アクチュエータ操作信号Sに応じたポンプ指令電流Iを対応するレギュレータ22(操作された操作装置9と対応する油圧アクチュエータ8へ作動油を供給するポンプ21のレギュレータ22)へ出力する。本実施形態では、アクチュエータ操作信号Sが、操作装置9の操作量が大きくなるほど大きくなる。また、
図5に示すように、ポンプ指令電流Iは、アクチュエータ操作信号Sと正の相関を示す。このため、
図4に示すように、ポンプ21の吐出容量qは、操作装置9の操作量(アクチュエータ操作信号S)が大きくなるほど増大する。
【0029】
本実施形態では、コントローラ3が、ポンプ21の負荷がエンジン7の出力を超えないようにポンプ21の吐出容量qを制限する馬力制御を行う。このため、コントローラ3は、エンジン7に設けられた回転数センサ71および供給ライン81に設けられた圧力センサ84とも電気的に接続されている。回転数センサ71により検出されたエンジン7の回転数N、および圧力センサ84で検出されたポンプ21の吐出圧Pdは、コントローラ3へ入力される。馬力制御の詳細については、以下でキャリブレーションと共に説明する。
【0030】
次に、
図1および
図3を参照して、コントローラ3により行われる、ポンプ指令電流Iと吐出容量qとの関係であるI-q特性の個体差によるばらつきのキャリブレーションについて説明する。
【0031】
コントローラ3に関し、本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウエアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウエアである。ハードウエアは、本明細書に開示されているハードウエアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウエアであってもよい。ハードウエアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウエアとソフトウエアの組み合わせであり、ソフトウエアはハードウエアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
【0032】
キャリブレーションシステム1は、ポンプ装置2およびコントローラ3に加えて、コントローラ3と無線通信を介して通信可能な携帯端末5を含む。本実施形態では、コントローラ3に無線LANルータ4が有線で接続されており、携帯端末5が無線LANルータ4と無線通信を行う。ただし、コントローラ3が無線通信モジュールを含み、携帯端末5がコントローラ3と直接的に無線通信を行ってもよい。
【0033】
ポンプ装置2の表面には、2つのポンプ21に対応する2つのコード6が表示されている。ポンプ装置2がポンプ21を1つだけ含む場合、ポンプ装置2の表面に表示されるコード6も1つだけである。あるいは、1つのコード6が2つのポンプ21の後述する実測データを格納してもよい。
【0034】
ポンプ装置2の表面へのコード6の表示に関しては、コード6がプレートに印刷され、そのプレートがポンプ装置2に取り付けられてもよい。あるいは、コード6はポンプ装置2の表面に直接印刷されてもよい。
【0035】
各コード6には、対応するポンプ21の実際のI-q特性を示す実測データが格納されている。例えば、コード6はマトリクス型の二次元コード(QRコード(登録商標))である。
【0036】
携帯端末5は、各コード6を撮像可能なカメラを含む。携帯端末5は、カメラが各コード6を撮像することで当該コード6に格納されているポンプ21の実測データを取得する。携帯端末5は、取得した実測データを無線通信および無線LANルータ4を介してコントローラ3へ送信する。これにより、コントローラ3に2つのポンプ21の実測データが入力される。
【0037】
コントローラ3は、入力された各ポンプ21の実測データを記憶する。そして、コントローラ3は、ポンプ21ごとに、記憶した実測データに基づいて、
図7に示すキャリブレーションデータを作成し、作成したキャリブレーションデータを記憶する。キャリブレーションデータは、ポンプ指令電流Iを、ポンプ21の吐出容量qがアクチュエータ操作信号Sに対して予め設定された性能線L(
図4参照)上を推移するように補正するためのものである。キャリブレーションデータは、
図7に示すようなマップであってもよいし、関数または数式であってもよい。なお、
図4では、性能線Lにおける最小吐出容量から最大吐出容量までの遷移部分が直線であるが、遷移部分は上に凸または下に凸の曲線であってもよい。
【0038】
キャリブレーションに関し、より詳しくは、コントローラ3は、アクチュエータ操作信号Sに基づいてポンプ指令電流Iを決定する。本実施形態では、上述したようにコントローラ3が馬力制御を行うため、
図3に示すように、コントローラ3は、まず、アクチュエータ操作信号Sに応じてアクチュエータ操作用指令電流Iaを決定するとともに、エンジン7の回転数Nおよびポンプ21の吐出圧Pdに基づいて馬力制御用指令電流Ibを決定する。
【0039】
アクチュエータ操作用指令電流Iaの決定に関しては、例えば、
図5中に実線で示すような、アクチュエータ操作信号Sとアクチュエータ操作用指令電流Iaとの対応関係を定めたマップ(関数または数式でもよい)を使用して、アクチュエータ操作用指令電流Iaが決定される。
【0040】
馬力制御用指令電流Ibの決定に関しては、コントローラ3には、エンジン7の回転数ごとに、
図8に示すような、ポンプ21の吐出圧Pdに対してポンプ21の吐出容量qの上限値を定めたマップ(関数または数式でもよい)が予め記憶されている。コントローラ3は、まず、そのマップを使用して、エンジン7の回転数Nおよびポンプ21の吐出圧Pdからポンプ21の吐出容量qの上限値を決定する。その後、コントローラ3は、決定した上限値から、
図6中に実線で示すような、吐出容量qとポンプ指令電流Iとの対応関係を定めたマップ(関数または数式でもよい)を使用して、馬力制御用指令電流Ibを決定する。
【0041】
そして、コントローラ3は、決定したアクチュエータ操作用指令電流Iaと、決定した馬力制御用指令電流Ibの小さい方を、ポンプ指令電流Iと決定する。その後、コントローラ3は、決定したポンプ指令電流Iを、
図7に示すキャリブレーションデータを使用して補正し、補正したポンプ指令電流Iを対応するレギュレータ22へ出力する。
【0042】
例えば、ポンプ21の実際のI-q特性(すなわち、実測データ)が
図6中に破線で示すように、
図6中に実線で示す設計特性とずれている場合、
図5中に実線で示すようにポンプ指令電流Iをアクチュエータ操作信号Sに比例するように決定すると、
図4中に破線で示すように、アクチュエータ操作信号Sに対するポンプ21の吐出容量qは、予め設定された性能線Lからずれた線上を推移することになる。
【0043】
これに対し、
図7に示すキャリブレーションデータを使用してポンプ指令電流Iを補正すれば、アクチュエータ操作信号Sに対するポンプ21の吐出容量qを、予め設定された性能線L上を推移させることができる。つまり、ポンプ指令電流Iは、アクチュエータ操作信号Sに対し、
図5中に二点鎖線で示すように補正される。
【0044】
以上説明したように、本実施形態のコントローラ3では、アクチュエータ操作信号Sに基づいて決定されたポンプ指令電流Iが、実測データに基づいて作成されたキャリブレーションデータを使用して補正されるので、I-q特性の個体差によるばらつきを電子的にキャリブレーションすることができる。すなわち、このキャリブレーションでは、実測データに基づくポンプ指令電流Iの調整方法が具体化される。
【0045】
また、本実施形態では、アクチュエータ操作用指令電流Iaと馬力制御用指令電流Ibの小さい方がポンプ指令電流Iと決定されるので、馬力制御によってポンプ21の吐出容量qが制限される場合でも、I-q特性の個体差によるばらつきを電子的にキャリブレーションすることができる。
【0046】
さらに、本実施形態では、実測データが携帯端末5から無線通信を介してコントローラ3へ送信されるので、市販の携帯端末に特別なプログラムをインストールすれば、その携帯端末を利用して実装データをコントローラ3へ送信することができる。このため、コントローラ3に有線で接続されるコードリーダなどを用いる必要がない。
【0047】
<変形例>
前記実施形態では、コントローラ3がキャリブレーションデータを作成する。これに代えて、携帯端末5が実測データに基づいてキャリブレーションデータを作成し、コントローラ3へ無線通信および無線LANルータ4を介して送信してもよい。すなわち、コントローラ3にキャリブレーションデータが入力され、コントローラ3が入力されたキャリブレーションデータを記憶してもよい。
【0048】
このような構成では、市販の携帯端末に特別なプログラムをインストールすれば、その携帯端末を利用してキャリブレーションデータをコントローラ3へ送信することができる。
【0049】
(第2実施形態)
次に、
図9を参照して、第2実施形態に係るコントローラ3Aを説明する。以下では、ポンプ装置2(
図1参照)が1つのポンプ21を含むという前提で説明するが、ポンプ装置2はポンプ21を2つ含んでもよい。
【0050】
本実施形態でも、第1実施形態と同様に、携帯端末5(
図1参照)からコントローラ3Aへ各ポンプ21の実際のI-q特性を示す実測データが送信される。これにより、コントローラ3Aにポンプ21の実測データが入力される。コントローラ3は、入力されたポンプ21の実測データをI-qマップ(関数または数式でもよい)として記憶する。
【0051】
また、第1実施形態と同様に、コントローラ3Aには、アクチュエータ操作信号S、エンジン7の回転数N、ポンプ21の吐出圧Pdが入力される。
【0052】
コントローラ3Aは、アクチュエータ操作信号Sに基づいてポンプ指令容量qiを決定する。本実施形態では、コントローラ3Aが馬力制御を行うため、コントローラ3Aは、まず、アクチュエータ操作信号Sに応じてアクチュエータ操作用指令容量qaを決定するとともに、エンジン7の回転数Nおよびポンプ21の吐出圧Pdに基づいて馬力制御用指令容量qbを決定する。
【0053】
アクチュエータ操作用指令容量qaの決定に関しては、アクチュエータ操作信号Sとアクチュエータ操作用指令容量qaとの対応関係を定めたマップ(関数または数式でもよい)を使用して、アクチュエータ操作用指令容量qaが決定される。
【0054】
馬力制御用指令容量qbの決定に関しては、コントローラ3Aには、エンジン7の回転数ごとに、
図8に示すような、ポンプ21の吐出圧Pdに対してポンプ21の吐出容量qの上限値を定めたマップ(関数または数式でもよい)が予め記憶されている。コントローラ3Aは、そのマップを使用して、エンジン7の回転数Nおよびポンプ21の吐出圧Pdからポンプ21の吐出容量qの上限値を決定し、その上限値を馬力制御用指令容量qbと決定する。
【0055】
そして、コントローラ3Aは、決定したアクチュエータ操作用指令容量qaと、決定した馬力制御用指令容量qbの小さい方を、ポンプ指令容量qiと決定する。その後、コントローラ3Aは、記憶したI-qマップ(すなわち、実測データ)を使用して、ポンプ指令容量qiに対応するポンプ指令電流Iを決定し、決定したポンプ指令電流Iをレギュレータ22へ出力する。
【0056】
本実施形態では、アクチュエータ操作信号Sに基づいて決定されたポンプ指令容量qiに対応するポンプ指令電流Iが、実測データを使用して決定されるので、I-q特性の個体差によるばらつきを電子的にキャリブレーションすることができる。すなわち、このキャリブレーションでは、実測データに基づくポンプ指令電流Iの調整方法が具体化される。
【0057】
また、本実施形態では、アクチュエータ操作用指令容量qaと馬力制御用指令容量qbの小さい方がポンプ指令容量qiと決定されるので、馬力制御によってポンプ21の吐出容量qが制限される場合でも、I-q特性の個体差によるばらつきを電子的にキャリブレーションすることができる。
【0058】
(その他の実施形態)
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【0059】
例えば、第1実施形態と第2実施形態のどちらでも、コード6は、ポンプ21の実測データを格納する代わりに、その実測データの保存先情報を格納してもよい。保存先情報は、例えば、保存先であるサーバのIP(Internet Protocol)アドレス、またはそのサーバの特定の階層のURL(Uniform Resource Locator)である。この場合、携帯端末5が、カメラがコード6を撮像したときにインターネットを介して保存先情報で指定されるサーバから当該サーバに保存されている実測データを取得する。また、コード6が実測データの保存先情報を格納する場合、コード6は文字列であってもよい。
【0060】
ポンプ21の最小吐出容量がゼロであって油圧アクチュエータ8が単動シリンダの場合、方向切換弁82が省略されてもよい。この場合、ポンプ21の吐出容量のみによって油圧アクチュエータ8の作動速度が変化する。
【0061】
また、第1実施形態と第2実施形態のどちらでも馬力制御は省略可能である。この場合、第1実施形態では、コントローラ3がアクチュエータ操作信号Sに応じてポンプ指令電流Iを直接的に決定してもよいし、第2実施形態では、コントローラ3Aがアクチュエータ操作信号Sに応じてポンプ指令容量qiを直接的に決定してもよい。
【0062】
(まとめ)
本開示は、1つの側面から、ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置へ、アクチュエータ操作信号に応じたポンプ指令電流を出力するコントローラであって、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データに基づいて作成されたキャリブレーションデータであって、前記ポンプの吐出容量が前記アクチュエータ操作信号に対して予め設定された性能線上を推移するように前記ポンプ指令電流を補正するためのキャリブレーションデータを記憶し、前記アクチュエータ操作信号に基づいてポンプ指令電流を決定し、前記キャリブレーションデータを使用して、決定した前記ポンプ指令電流を補正し、補正した前記ポンプ指令電流を前記ポンプ装置へ出力する、コントローラを提供する。
【0063】
上記の構成によれば、アクチュエータ操作信号に基づいて決定されたポンプ指令電流が、実測データに基づいて作成されたキャリブレーションデータを使用して補正されるので、I-q特性(ポンプ指令電流と吐出容量との関係)の個体差によるばらつきを電子的にキャリブレーションすることができる。すなわち、このキャリブレーションでは、実測データに基づくポンプ指令電流の調整方法が具体化される。
【0064】
上記のコントローラは、前記アクチュエータ操作信号に応じてアクチュエータ操作用指令電流を決定し、前記ポンプ装置を駆動するエンジンの回転数および前記少なくとも1つのポンプの吐出圧が入力され、前記回転数および前記吐出圧に基づいて馬力制御用指令電流を決定し、前記アクチュエータ操作用指令電流と前記馬力制御用指令電流の小さい方を前記ポンプ指令電流と決定してもよい。この構成によれば、馬力制御によってポンプの吐出容量が制限される場合でも、I-q特性の個体差によるばらつきを電子的にキャリブレーションすることができる。
【0065】
例えば、上記のコントローラは、前記実測データが入力され、入力された前記実測データを記憶し、記憶した前記実測データに基づいて前記キャリブレーションデータを作成して記憶してもよい。
【0066】
上記のコントローラは、前記キャリブレーションデータが入力され、入力された前記キャリブレーションデータを記憶してもよい。この構成によれば、コントローラがキャリブレーションデータを作成する必要がない。
【0067】
本開示は、別の側面から、ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置へ、アクチュエータ操作信号に応じたポンプ指令電流を出力するコントローラであって、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データが入力され、入力された前記実測データを記憶し、前記アクチュエータ操作信号に基づいてポンプ指令容量を決定し、前記実測データを使用して前記ポンプ指令容量に対応するポンプ指令電流を決定し、決定した前記ポンプ指令電流を前記ポンプ装置へ出力する、コントローラを提供する。
【0068】
上記の構成によれば、アクチュエータ操作信号に基づいて決定されたポンプ指令容量に対応するポンプ指令電流が、実測データを使用して決定されるので、I-q特性の個体差によるばらつきを電子的にキャリブレーションすることができる。すなわち、このキャリブレーションでは、実測データに基づくポンプ指令電流の調整方法が具体化される。
【0069】
上記のコントローラは、前記アクチュエータ操作信号に応じてアクチュエータ操作用指令容量を決定し、前記ポンプ装置を駆動するエンジンの回転数および前記少なくとも1つのポンプの吐出圧が入力され、前記回転数および前記吐出圧に基づいて馬力制御用指令容量を決定し、前記アクチュエータアクチュエータ操作用指令容量と前記馬力制御用指令容量の小さい方を前記ポンプ指令容量と決定してもよい。この構成によれば、馬力制御によってポンプの吐出容量が制限される場合でも、I-q特性の個体差によるばらつきを電子的にキャリブレーションすることができる。
【0070】
また、本開示は、1つの側面から、ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置と、前記ポンプ装置の表面に表示された、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データまたは当該実測データの保存先情報を格納する少なくとも1つのコードと、前記実測データが入力される上記のコントローラと、前記少なくとも1つのコードを撮像することで前記実測データを取得し、取得した前記実測データを無線通信を介して前記コントローラへ送信する携帯端末と、を備える、キャリブレーションシステムを提供する。
【0071】
上記の構成によれば、実測データが携帯端末から無線通信を介してコントローラへ送信されるので、市販の携帯端末に特別なプログラムをインストールすれば、その携帯端末を利用して実装データをコントローラへ送信することができる。このため、コントローラに有線で接続されるコードリーダなどを用いる必要がない。
【0072】
本開示は、別の側面から、ポンプ指令電流が大きくなるほど一回転あたりの吐出量である吐出容量が増大する少なくとも1つのポンプを含むポンプ装置と、前記ポンプ装置の表面に表示された、前記少なくとも1つのポンプの、前記ポンプ指令電流と前記吐出容量との実際の関係を示す実測データまたは当該実測データの保存先情報を格納する少なくとも1つのコードと、前記キャリブレーションデータが入力される上記のコントローラと、前記少なくとも1つのコードを撮像することで前記実測データを取得し、取得した前記実測データに基づいて前記キャリブレーションデータを作成し、作成した前記キャリブレーションデータを前記コントローラへ無線通信を介して送信する携帯端末と、を備える、キャリブレーションシステムを提供する。
【0073】
上記の構成によれば、キャリブレーションデータが携帯端末で作成され、そのキャリブレーションデータが携帯端末から無線通信を介してコントローラへ送信されるので、市販の携帯端末に特別なプログラムをインストールすれば、その携帯端末を利用してキャリブレーションデータをコントローラへ送信することができる。
【0074】
例えば、前記少なくとも1つのポンプは2つのポンプを含み、前記少なくとも1つのコードは、前記2つのポンプと対応する2つのコードを含み、各コードが、対応するポンプの前記実測データまたは当該実測データの保存先情報を格納してもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 キャリブレーションシステム
2 ポンプ装置
21 ポンプ
22 レギュレータ
3,3A コントローラ
5 携帯端末
6 コード
7 エンジン
8 油圧アクチュエータ
84 圧力センサ