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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131862
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】植物育成装置
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/02 20180101AFI20230914BHJP
   A01G 24/50 20180101ALI20230914BHJP
【FI】
A01G9/02 103G
A01G24/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036852
(22)【出願日】2022-03-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和3年9月21日に、夏目金網工業株式会社が、豊橋信用金庫本店に対して試作品を譲渡した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (2)令和3年9月21日に、夏目金網工業株式会社が、豊橋信用金庫新城支店に対して試作品を譲渡した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (3)令和3年9月27日に、夏目金網工業株式会社が、株式会社カンダに対して試作品を譲渡した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (4)令和3年9月29日に、夏目金網工業株式会社が、蒲郡信用金庫新城支店に対して試作品を譲渡した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (5)令和3年12月2日に、夏目金網工業株式会社が、豊橋総合動植物公園にて試作品を提示して公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (6)令和4年2月3日に、夏目金網工業株式会社が、株式会社庭萬に試作品を提示して公開した。
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (7)令和3年10月5日~令和4年2月1日の間、夏目金網工業株式会社が、株式会社コーテックス前橋工場(群馬県前橋市:10月5日)、岡三リビック株式会社北関東支店(群馬県高崎市:10月5日)、共和グリーン株式会社(大阪府東大阪市:10月8日)、オンザキャドミライ(三重県松坂市:10月8日)、株式会社メタルワン鉄鋼製品販売(東京都千代田区:10月11日)、蒲郡信用金庫新城支店(愛知県新城市:10月11日)、株式会社アイテック(愛知県豊橋市:10月11日)、中村建設株式会社(静岡県浜松市:10月12日)、株式会社興和工業所半田東工場(愛知県半田市:10月15日)、阪和興業株式会社(愛知県名古屋市:10月15日)、株式会社寺部商店(愛知県西尾市:10月18日)、株式会社東海建商(愛知県尾張旭市:10月20日)、豊橋総合動植物公園(愛知県豊橋市:10月21日)、三鋼板東日本株式会社(東京都港区:10月25日)、阪和興業株式会社(東京都中央区:10月25日)、大嘉産業株式会社(東京都品川区:10月25日)、株式会社日比谷アメニス(愛知県名古屋市:10月28日)、高周波熱錬株式会社(大阪府大阪市:11月4日)、株式会社キャダック(石川県金沢市:11月5日)、株式会社コーテックス(東京都新宿区:11月8日)、株式会社日比谷アメニス(東京都港区:11月8日)、岡三リビック株式会社(東京都港区:11月8日)、旭化成アドバンス株式会社(東京都港区:11月8日)、エムエム建材株式会社(愛知県名古屋市:11月15日)、初穂商事株式会社(愛知県名古屋市:12月9日)、共英製鋼株式会社(大阪府大阪市:12月14日)、岡三リビック株式会社関西支店(大阪府大阪市:12月14日)、前田工繊株式会社(東京都港区:12月22日)、株式会社岐阜造園(東京都千代田区:12月23日)、
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社アイシン(大阪府高槻市:1月7日)、株式会社サカエ(静岡県静岡市:1月17日)、有限会社東和商店(静岡県磐田市:1月17日)、極東興和株式会社(静岡県周智郡森町:1月17日)、株式会社カンダ(静岡県富士市:1月17日)、駿広産業株式会社(静岡県富士市:1月17日)、株式会社エクステリアアサヒ(愛知県春日井市:2月1日)、株式会社NSP(愛知県小牧市:2月1日)に対し、販売の申し出のために作成したパンフレットを配布した。
(71)【出願人】
【識別番号】596148618
【氏名又は名称】夏目金網工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104514
【弁理士】
【氏名又は名称】森 泰比古
(72)【発明者】
【氏名】夏目 廣美
【テーマコード(参考)】
2B022
2B327
【Fターム(参考)】
2B022BB05
2B327NC02
2B327NC18
2B327NC38
2B327ND01
2B327QA05
2B327QB10
2B327QB14
2B327QD01
(57)【要約】
【課題】保管・運搬・設置・撤去が容易で大型化を可能にする。
【解決手段】底面用ケージ部材、背面用ケージ部材、正面用ケージ部材、左側面用ケージ部材及び右側面用ケージ部材をフックで引っ掛けて起立状態にくみ上げ、巾止め部材31,32を掛け渡した金属製ケージ20に、止め具15を介して固定した植物育成装置1に土SOILを入れ植物PLANTを植え付ける。植物育成装置1は、有底袋体10、止め具15、ケージ部材及び巾止め部材を分離したコンパクトな荷姿で設置場所へと搬入することができ、撤去に際しては、植物及び土を取り除き、止め具15を外して有底袋体10を取り出し、巾止め部材を取り外し、各金属製ケージを分離することによってコンパクトな荷姿で搬出することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底袋体に培地を収容して植物を育成する装置であって、以下の構成をも備えていることを特徴とする植物育成装置。
(1A)前記有底袋体の上縁部を、当該有底袋体の周囲を取り囲む様に設置される金属製ケージに固定すること。
(1B)前記金属製ケージは、底面用ケージ部材と、当該底面用ケージ部材の周囲を取り巻く様に起立した状態に設置される壁面用ケージ部材とから構成され、各ケージ部材は、井桁状に組まれた縦部材と横部材とを備えていること。
(1C)前記底面用ケージ部材の前記縦部材及び横部材は、それぞれの両端に、前記壁面用ケージ部材の下部を引っ掛けることのできるフックを有していること。
(1D)前記壁面用ケージ部材は、隣合って設置される少なくとも2以上の部材から構成され、当該壁面用ケージ部材同士は、隣り合うケージ部材の一方の横部材に形成されたフックを他方の縦枠に引っ掛けることによって組み立てられる様に構成されていること。
(1E)前記壁面用ケージ部材において対面するケージ部材同士は、両端にフックを有する巾止め部材によって巾止めされていること。
【請求項2】
さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする請求項1に記載の植物育成装置。
(2)前記底面用ケージ部材は、全体としてほぼ平らな矩形体として構成され、前記壁面用ケージ部材は、それぞれが全体としてほぼ平らな矩形体からなる背面用ケージ部材、正面用ケージ部材、左側面用ケージ部材及び右側面用ケージ部材から構成され、対面する一組の壁面用ケージ部材の横部材が隣接する壁面用ケージ部材の縦枠を引っ掛けることのできるフックを両端に備えていること。
【請求項3】
さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の植物育成装置。
(3)前記背面用ケージ部材、正面用ケージ部材、左側面用ケージ部材及び右側面用ケージ部材は起立時の高さが同じになる様に構成され、前記正面用ケージ部材及び背面用ケージ部材の横部材の両端に前記フックを備えさせたこと。
【請求項4】
さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする請求項3に記載の植物育成装置。
(4)前記左側面用ケージ部材と右側面用ケージ部材の間に配置されるケージ部材は、それぞれ複数のケージ部材を左右方向に連結し、連結後のケージ部材全体としての左右両端に前記左側面用ケージ部材及び右側面用ケージ部材に引っ掛けるフックを備えていること。
【請求項5】
さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする請求項2に記載の植物育成装置。
(5)前記背面用ケージ部材、左側面用ケージ部材及び右側面用ケージ部材は、前記正面用ケージ部材よりも起立時の高さが高く、互いに同じ高さとされ、前記底面用ケージ部材と同様の上面用ケージ部材のフックに引っ掛けて上部を連結されていること。
【請求項6】
さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする請求項1に記載の植物育成装置。
(6A)前記底面用ケージ部材は、全体としてほぼ平らな半円形に構成され、前記壁面用ケージ部材は、前記底面用ケージ部材の円弧部分に対して起立状態に組み立てられる半円筒状の背面用ケージ部材と、前記底面用ケージ部材の直線部分に対して起立状態に組み立てられる矩形状の正面用ケージ部材とから構成され、前記正面用ケージ部材の横部材の両端に前記フックを備えさせ、前記背面用ケージ部材の両端の縦枠を引っ掛けて起立状態に組み立てること。
(6B)前記背面用ケージ部材は、前記正面用ケージ部材よりも起立時の高さが高く、その上部に、前記底面用ケージ部材と同様の上面用ケージ部材が固定されていること。
【請求項7】
さらに、以下の構成をも備えることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の植物育成装置。
(7)前記金属製ケージは、溶融亜鉛-10%アルミニウム合金めっき鉄線によって構成され、前記有底袋体は、ポリエステル黒原着糸を織り上げた耐候性シート材によって構成されていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を育成するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の植木、花卉等の観賞用植物を育てる容器として、陶磁器製あるいはプラスチック製の植木鉢やプランターが使用されている。しかし、持ち運びや保管に問題があることから、折り畳み可能な支持スタンド上に植物育成袋を懸架する構成の植物育成装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、商業施設等においては大型のプランターが要望される場合がある。この様な要望に応えるものとして、繊維材混入コンクリートで形成された外筒部と、断熱性コンクリートで形成され外筒部の内側に設けられる内筒部と、外筒部の上端に形成され内筒部上端を覆う延長部と、を有することを特徴としたプランターが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-48640
【特許文献2】特開平4-316429
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では大型化の要望に応え難く、特許文献2の技術では保管・運搬・設置・撤去に多大な労力を要するという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、保管・運搬・設置・撤去が容易で大型化が可能な植物育成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の植物育成装置は、有底袋体に培地を収容して植物を育成する装置であって、以下の構成をも備えていることを特徴とする。
(1A)前記有底袋体の上縁部を、当該有底袋体の周囲を取り囲む様に設置される金属製ケージに固定すること。
(1B)前記金属製ケージは、底面用ケージ部材と、当該底面用ケージ部材の周囲を取り巻く様に起立した状態に設置される壁面用ケージ部材とから構成され、各ケージ部材は、井桁状に組まれた縦部材と横部材とを備えていること。
(1C)前記底面用ケージ部材の前記縦部材及び横部材は、それぞれの両端に、前記壁面用ケージ部材の下部を引っ掛けることのできるフックを有していること。
(1D)前記壁面用ケージ部材は、隣合って設置される少なくとも2以上の部材から構成され、当該壁面用ケージ部材同士は、隣り合うケージ部材の一方の横部材に形成されたフックを他方の縦枠に引っ掛けることによって組み立てられる様に構成されていること。
(1E)前記壁面用ケージ部材において対面するケージ部材同士は、両端にフックを有する巾止め部材によって巾止めされていること。
【0008】
本発明の植物育成装置は、有底袋体と、底面用ケージ部材と、少なくとも2以上の壁面用ケージ部材とに分離した状態で保管・運搬することができる。本発明の植物育成装置は、設置場所においてフックに引っ掛ける方法によって、壁面用ケージ部材を底面用ケージ部材の周囲を取り巻く様に起立した状態にして巾止め部材で巾止めした金属製ケージを組み立て、その内側に有底袋体を収納する様に取り付け、培地を入れ、植栽を行って植物を栽培することができる。撤去に当たっては、植物及び培地を取り除き、有底袋体を金属製ケージから取り外し、巾止め部材を取り外し、底面用ケージ部材及び壁面用ケージ部材に分離することで小さな荷姿にして運搬することができる。これにより、保管・運搬・設置・撤去を容易に実施することができる。また、金属製ケージ全体の寸法や形態を適宜選択し、これに合う様に有底袋体を製造すれば、大型のもの異形のものなど、設置する場所や目的に応じた植物栽培装置を提供することができる。
【0009】
ここで、本発明の植物育成装置は、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(2)前記底面用ケージ部材は、全体としてほぼ平らな矩形体として構成され、前記壁面用ケージ部材は、それぞれが全体としてほぼ平らな矩形体からなる背面用ケージ部材、正面用ケージ部材、左側面用ケージ部材及び右側面用ケージ部材から構成され、対面する一組の壁面用ケージ部材の横部材が隣接する壁面用ケージ部材の縦枠を引っ掛けることのできるフックを両端に備えていること。
【0010】
この植物育成装置によれば、金属製ケージを構成するケージ部材が、いずれも全体としてほぼ平らな矩形体で構成されるから、保管・運搬に際しての荷姿をよりコンパクトにすることができる。
【0011】
これら本発明の植物育成装置は、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(3)前記背面用ケージ部材、正面用ケージ部材、左側面用ケージ部材及び右側面用ケージ部材は起立時の高さが同じになる様に構成され、前記正面用ケージ部材及び背面用ケージ部材の横部材の両端に前記フックを備えさせたこと。
【0012】
この植物育成装置によれば、左側面用ケージ部材と右側面用ケージ部材、正面用ケージ部材と背面用ケージ部材を、それぞれ共通の構造にすることができ、部品の種類を少なくすることができる。
【0013】
この植物育成装置は、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(4)前記左側面用ケージ部材と右側面用ケージ部材の間に配置されるケージ部材は、それぞれ複数のケージ部材を左右方向に連結し、連結後のケージ部材全体としての左右両端に前記左側面用ケージ部材及び右側面用ケージ部材に引っ掛けるフックを備えていること。
【0014】
この植物育成装置によれば、左側面用ケージ部材と右側面用ケージ部材の間に配置されるケージ部材を複数のケージ部材を左右方向に連結したものとすることで、左右方向に大きな金属製ケージを備える植物育成装置において、保管・運搬等に当たっての荷姿を小さくすることができ、保管・運搬・設置・撤去が容易でより大型の植物育成装置を提供するのに適する。例えば、左右方向に連結して背面等を構成するケージ部材を構成する2つ以上のケージ部材は、左側のものは左端にフックを備え、右側のものは右端にフックを備える、互いの連結部分は一方だけフックを備えるものとして、左右方向の連結についてもフックを引っ掛ける構成とすれば、「組立・分解における作業の一貫性」という観点で望ましいものとなる。なお、左右方向の連結は、フックを引っ掛ける構成に限らず、連結リングで連結して折り畳んだ状態で保管・運搬等を実施可能に構成することもできる。
【0015】
また、本発明の植物育成装置は、(3)に代えて、以下の構成を備えたものとすることができる。
(5)前記背面用ケージ部材、左側面用ケージ部材及び右側面用ケージ部材は、前記正面用ケージ部材よりも起立時の高さが高く、互いに同じ高さとされ、前記底面用ケージ部材と同様の上面用ケージ部材のフックに引っ掛けて上部を連結されていること。
【0016】
この植物育成装置によれば、左右側面及び背面が背の高い金属性金属製ケージに組み立てることができ、つる性の植物の栽培に際して支柱をなくすことができる。この様な機能を発揮する上で、上部を上面用ケージ部材で連結することにより、金属製ケージ全体として強度を有するものとすることができる。
【0017】
また、本発明の植物育成装置は、(2)~(5)に代えて、以下の構成を備えたものとすることができる。
(6A)前記底面用ケージ部材は、全体としてほぼ平らな半円形に構成され、前記壁面用ケージ部材は、前記底面用ケージ部材の円弧部分に対して起立状態に組み立てられる半円筒状の背面用ケージ部材と、前記底面用ケージ部材の直線部分に対して起立状態に組み立てられる矩形状の正面用ケージ部材とから構成され、前記正面用ケージ部材の横部材の両端に前記フックを備えさせ、前記背面用ケージ部材の両端の縦枠を引っ掛けて起立状態に組み立てること。
(6B)前記背面用ケージ部材は、前記正面用ケージ部材よりも起立時の高さが高く、その上部に、前記底面用ケージ部材と同様の上面用ケージ部材が固定されていること。
【0018】
この植物育成装置によれば、つる性の植物の栽培に適し、全体として強度を有する半円筒を立設した態様の植物栽培装置を提供することができ、植物栽培装置自体にも意匠性を発揮させることができる。
【0019】
これら本発明の植物育成装置は、さらに、以下の構成をも備えたものとすることができる。
(7)前記金属製ケージは、溶融亜鉛-10%アルミニウム合金めっき鉄線によって構成され、前記有底袋体は、ポリエステル黒原着糸を織り上げた耐候性シート材によって構成されていること。
【0020】
この植物育成装置によれば、十分な耐久性を備え、風雨に晒される屋外に設置しても十分な耐久性を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、保管・運搬・設置・撤去が容易で大型化が可能な植物育成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施例1を示し、(A)は植物育成装置の斜視図、(B)は植物育成装置の使用状態を例示する斜視図である。
図2】実施例1の植物育成装置の組み立て手順を示す斜視図である。
図3】実施例1の植物育成装置の組み立て手順を示す斜視図である。
図4】実施例1の植物育成装置の組み立て手順を示す斜視図である。
図5】実施例1の植物育成装置の組み立て手順を示す斜視図である。
図6】実施例2の植物育成装置及びその組み立て手順を示す斜視図である。
図7】実施例3の植物育成装置及びその組み立て手順を示す斜視図である。
図8】実施例4の植物育成装置及びその組み立て手順を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明する。
【実施例0024】
実施例1の植物育成装置1は、図1(A)に示す様に、土を収納する有底袋体10と、この有底袋体10を取り囲む金属製ケージ20とから構成される。有底袋体10は、止め具15を介して金属製ケージ20に固定する。こうして設置ができた植物育成装置1の有底袋体10に土SOILを入れ植物PLANTを植え付ける。
【0025】
金属製ケージ20は、図2(A)に示す様に、底面用ケージ部材21、背面用ケージ部材22、正面用ケージ部材23、左側面用ケージ部材24及び右側面用ケージ部材25を組み立てることによって構成される。各ケージ部材21~25は、線径6mm以下の溶融亜鉛-10%アルミニウム合金めっき鉄線を井桁状に組み、交点で溶接して製造され、全体としてほぼ平らな矩形体からなり、背面用、正面用、左側面用及び右側面用のケージ部材22~25は起立時の高さが同一となっている。
【0026】
底面用ケージ部材21は、縦横の鉄線の先端部分を屈曲させたフック21aを備えている。背面用ケージ部材22は、起立させたときに水平方向に配置される鉄線の内、上下の2本を除いたものの先端部分を屈曲させたフック22aを備えている。同様に、正面用ケージ部材23は、起立させたときに水平方向に配置される鉄線の内、上下の2本を除いたものの先端部分を屈曲させたフック23aを備えている。左側面用ケージ部材24及び右側面用ケージ部材25は、矩形の外枠の内部に鉄線を井桁に組んだものとなっている。部品としては、これら以外に、左右の側面用ケージ部材24,25の間に掛け渡す幅方向の巾止め部材31,31,…と、正面及び背面のケージ部材22,23の間に掛け渡す前後方向の巾止め部材32,32とを用いる。各巾止め部材31,32は、上方から引っ掛けるためのフック31a,32aを両端に備えている。なお、各巾止め部材31,32も、線径6mm以下の溶融亜鉛-10%アルミニウム合金めっき鉄線を屈曲加工して製造されている。
【0027】
組み立てに当たっては、図2(B)に示す様に、底面用ケージ部材21を設置し、その背面側のフック21aに背面用ケージ部材22の下端の水平バーを引っ掛けて起立させる。次に、図3(A)に示す様に、底面用ケージ部材21の正面側のフック21aに正面用ケージ部材23の下端の水平バーを引っ掛けて起立させる。次に、図3(B)に示す様に、底面用ケージ部材21の左側のフック21aに左側面用ケージ部材24の下端の枠を引っ掛けて起立させつつ、背面用ケージ部材22及び正面用ケージ部材23の左側のフック22a,23aに対して左側面用ケージ部材24の垂直枠を引っ掛けた状態とする。そして、図3(C)に示す様に、底面用ケージ部材21の右側のフック21aに右側面用ケージ部材25の下端の枠を引っ掛けて起立させつつ、背面用ケージ部材22及び正面用ケージ部材23の右側のフック22a,23aに対して右側面用ケージ部材25の垂直枠を引っ掛けた状態とする。これにより、金属製ケージ20が組み上がる。
【0028】
こうして組み上がった金属製ケージ20の適宜箇所に、図4に示す様に、巾止め部材31,32を取り付ける。次に、図5に示す様に、組み上がって金属製ケージ20の内側に有底袋体10を収納し、上縁を止め具15で固定する。有底袋体10は、ポリエステル黒原着糸を織り上げた耐候性シート材を縫製したものである。このシート材は、災害復旧事業等における「耐候性大型土のう」設置ガイドラインに基づいて開発された大型土のう用の生地をシート状にしたもので、耐候性に優れ、遮光シート、日除けシート、土木シート、漏洩防止シートなどにも用いられる。こうして本実施例の植物育成装置1が完成する。
【0029】
本実施例の植物育成装置1は、有底袋体10、止め具15、ケージ部材21~25、及び巾止め部材31,32を分離したコンパクトな荷姿で設置場所へと搬入することができる。撤去に際しては、植物及び土を取り除き、止め具15を外して有底袋体10を取り出し、巾止め部材31,32を取り外し、各金属製ケージを分離することによってコンパクトな荷姿で搬出することができる。
【実施例0030】
実施例2の植物育成装置2は、図6(C)に示す様に、土を収納する有底袋体110と、この有底袋体110を取り囲む金属製ケージ120とから構成される。有底袋体110は、止め具115を介して金属製ケージ120に固定する。図示の様に、植物育成装置2の金属製ケージ120は、背面及び側面が有底袋体110よりも上方に伸びているから、つる性の植物の植え付けに適する。
【0031】
金属製ケージ120は、図6(A),(B)に示す様に、底面用ケージ部材121、背面用ケージ部材122、正面用ケージ部材123、左側面用ケージ部材124、右側面用ケージ部材125及び上面用ケージ部材126を組み立てることによって構成される。各ケージ部材121~126は、実施例1と同じく、線径6mm以下の溶融亜鉛-10%アルミニウム合金めっき鉄線を井桁状に組み、交点で溶接して製造され、全体としてほぼ平らな矩形体からなり、背面用、左側面用及び右側面用のケージ部材122,124,125は起立時の高さが同一で、正面用ケージ部材122よりも高いものとなっており、上面用ケージ部材126には、底面用ケージ部材121と同じものを上下逆にして組み付ける。
【0032】
底面用ケージ部材121は、縦横の鉄線の先端部分を屈曲させたフック121aを備えている。背面用ケージ部材122は、水平方向に配置される鉄線の先端部分を屈曲させたフック122aを備えている。同様に、正面用ケージ部材123は、水平方向に配置される鉄線の先端部分を屈曲させたフック123aを備えている。左側面用ケージ部材124及び右側面用ケージ部材125は、矩形の外枠の内部に鉄線を井桁に組んだものとなっている。上面用ケージ部材126は、縦横の鉄線の先端部分を屈曲させたフック126aを備えている。
【0033】
組み立て方法は実施例1と同様で、最後に上面用ケージ部材126を組み付ける。こうして組み上がった金属製ケージ120の適宜箇所に、巾止め部材131,132をフック131a,132aを引っ掛ける様にして取り付け、有底袋体110を収納し、上縁を止め具115を介して固定する。有底袋体110は、実施例1と同じく、ポリエステル黒原着糸を織り上げた耐候性シート材を縫製したものである。なお、止め具115は、有底袋体110の上縁に取り付けておき、巾止めプラや縫い紐などを用いて金属製ケージに固定するとよい。
【0034】
本実施例の植物育成装置2は、有底袋体110、止め具115、ケージ部材121~126、及び巾止め部材131,132を分離したコンパクトな荷姿で設置場所へと搬入することができる。撤去に際しては、植物及び土を取り除き、有底袋体110を取り出し、巾止め部材131,132を取り外し、各金属製ケージを分離することによってコンパクトな荷姿で搬出することができる。
【実施例0035】
実施例3の植物育成装置3は、図7(C)に示す様に、土を収納する有底袋体210と、この有底袋体210を取り囲む金属製ケージ220とから構成される。有底袋体210は、止め具215を介して金属製ケージ220に固定する。図示の様に、植物育成装置3の金属製ケージ120は、背面及び側面が有底袋体110よりも上方に伸びているから、つる性の植物の植え付けに適する。
【0036】
金属製ケージ220は、図7(A),(B)に示す様に、底面用ケージ部材221、背面用ケージ部材222、正面用ケージ部材223及び上面用ケージ部材226を組み立てることによって構成される。各ケージ部材221~223,226は、実施例1,2と同じく、線径6mm以下の溶融亜鉛-10%アルミニウム合金めっき鉄線を井桁状に組み、交点で溶接して製造されている。底面用ケージ部材221は、全体としてほぼ平らな半円形に構成され、背面用ケージ部材222は、底面用ケージ部材221の円弧部分に対して起立状態に組み立てられる半円筒状となっている。正面用ケージ部材223は、底面用ケージ部材221の直線部分に対して起立状態に組み立てられる矩形状で、高さは背面用ケージ部材223よりも低く構成されている。
【0037】
底面用ケージ部材221は、縦横の鉄線の先端部分を屈曲させたフック221aを備えている。正面用ケージ部材223は、水平方向に配置される鉄線の先端部分を屈曲させたフック223aを備えている。上面用ケージ部材226は、縦横の鉄線の先端部分を屈曲させたフック226aを備えている。
【0038】
組み立て方法は実施例1,2と同様で、最後に上面用ケージ部材226を組み付ける。こうして組み上がった金属製ケージ220の適宜箇所に、巾止め部材231,232をフック231a,232aを引っ掛ける様にして取り付け、有底袋体210を収納し、上縁を止め具215を介して固定する。有底袋体210は、実施例1,2と同じく、ポリエステル黒原着糸を織り上げた耐候性シート材を縫製したものである。なお、止め具215は、有底袋体210の上縁に取り付けておき、巾止めプラや縫い紐などを用いて金属製ケージに固定するとよい。
【0039】
本実施例の植物育成装置3は、有底袋体210、止め具215、ケージ部材221~223,226、及び巾止め部材231,232を分離したコンパクトな荷姿で設置場所へと搬入することができる。撤去に際しては、植物及び土を取り除き、有底袋体210を取り出し、巾止め部材131,132を取り外し、各金属製ケージを分離することによってコンパクトな荷姿で搬出することができる。
【実施例0040】
実施例4の植物育成装置4は、図8(C)に示す様に、実施例1の植物育成装置1と同様の上空き直方体状のものであるが、左右幅が2倍となっていて、金属製ケージ320は、実施例1~3と同じく、線径6mm以下の溶融亜鉛-10%アルミニウム合金めっき鉄線を井桁状に組み、交点で溶接して製造したケージ部材を組み立てたものであり、有底袋体310は、ポリエステル黒原着糸を織り上げた耐候性シート材を縫製したものである。
【0041】
このため、金属製ケージ320は、図8(A)に示す様に、底面、背面及び正面については、左右連結可能な底面用ケージ部材321L,321R、背面用ケージ部材322L,322R、正面用ケージ部材323L,323Rを用いる。本実施例においては、二点鎖線で囲んだ部分にはフックは備える必要はない。
【0042】
組み立てに当たっては、まず、左側の底面用ケージ部材321Lの右側のフックに右側の底面用ケージ部材321Rの左端を引っ掛けて連結する。次に、右側の背面用ケージ部材322R、正面用ケージ部材323R及び右側面用ケージ部材325の下部を右側の底面用ケージ部材321Rのフックに引っ掛けて立ち上げ、右側面用ケージ部材325の前後の縦枠に右側の背面用ケージ部材322R及び正面用ケージ部材323Rの右側のフックを引っ掛ける。こうして右半分のケージを組み上げる。
【0043】
次に、左側の背面用ケージ部材322L及び正面用ケージ部材323Lの下部を左側の底面用ケージ部材321Lのフックに引っ掛けて立ち上げ、それぞれの右側のフックを右側の背面用ケージ部材322R及び正面用ケージ部材323Rの縦枠に引っ掛ける。そして、左側面用ケージ部材324の下部を左側の底面用ケージ部材321Lの左側のフックに引っ掛けて立ち上げると共に、左側面用ケージ部材の前後の縦枠に左側の背面用ケージ部材322L及び正面用ケージ部材323Lの左側のフックを引っ掛ける。こうして左半分のケージも組み上げる。
【0044】
その後、巾止め部材331,332を実施例1と同様に引っ掛けて左右に長いケージ320を完成したら、左右に長い袋体310を収納し、止め具315で固定する。
【0045】
本実施例も、左右連結した状態の底面、背面及び正面のケージ部材は、左右両端にフックを備えるものとなっている。なお、左右のフックを備えないケージ部材を中央に位置させ、その左右に左右にフックを有するケージ部材を連結する構成により、連結後の底面、背面及び正面のケージ部材が左右両端にフックを備えるものとして、さらに左右に長いケージを構成することもできる。
【0046】
本実施例も、コンパクトな荷姿での保管・運搬・設置・撤去が容易で大型化が可能な植物育成装置を提供するのに有効なものである。
【0047】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々に実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、植物を育成する装置として用いることができる。
【符号の説明】
【0049】
1,2,3,4・・・植物育成装置、10,110,210,310・・・有底袋体、15,115,215,315・・・止め具、20,120,220,320・・・金属製ケージ、21,121,221,321L,321R・・・底面用ケージ部材、22,122,222,322L,322R・・・背面用ケージ部材、23,123,223,323L,323R・・・正面用ケージ部材、24,124,324・・・左側面用ケージ部材、25,125,325・・・右側面用ケージ部材、21a,22a,23a,31a,32a,121a,122a,123a,126a,131a,132a,221a,223a,226a,231a,232a・・・フック、31,32、131,132,231,232,331,332・・・巾止め部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8