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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131863
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】乗員覚醒システム
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20230914BHJP
【FI】
B60N2/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036854
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】田邉 仁一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 生佳
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 拓也
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE10
3B087DE08
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】より精度良く乗員の覚醒度を検出して、より適切に乗員に覚醒を促すことができる乗員覚醒システムを提供する。
【解決手段】乗員覚醒システム1は、乗物(車両V)に搭乗する乗員(運転者)に装着され、乗員の第1覚醒度を検出する第1検出部200Aを有するウェアラブル機器Wと、乗物の内部に設けられ、乗員に覚醒を促す刺激を与える覚醒部300と、第1検出部200Aにより検出された第1覚醒度に基づいて覚醒部300を制御する制御部11と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗物に搭乗する乗員に装着され、前記乗員の第1覚醒度を検出する第1検出部を有するウェアラブル機器と、
前記乗物の内部に設けられ、前記乗員に覚醒を促す刺激を与える覚醒部と、
前記第1検出部により検出された前記第1覚醒度に基づいて前記覚醒部を制御する制御部と、
を備える乗員覚醒システム。
【請求項2】
前記覚醒部は、前記乗員に光を照射する光源部、前記乗員に振動を与える振動源部、音を発する音源部、前記乗員を支持するシートを移動させる動作部のうち、少なくとも一つを含む請求項1に記載の乗員覚醒システム。
【請求項3】
前記第1覚醒度は所定の第1覚醒度閾値以上であるかどうかを判断する判断部を備え、
前記制御部は、前記判断部により前記第1覚醒度が前記第1覚醒度閾値より小さいと判断された場合に、前記覚醒部を駆動させる請求項1または2に記載の乗員覚醒システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記乗物の自動走行と手動走行とを切り替え可能であり、前記判断部により前記第1覚醒度が前記第1覚醒度閾値以上であると判断された場合に、前記自動走行から前記手動走行に切り替える請求項3に記載の乗員覚醒システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記判断部により前記第1覚醒度が前記第1覚醒度閾値より小さいと判断された状態が所定の時間に渡って維持された場合、前記乗物を停止させる請求項3または4に記載の乗員覚醒システム。
【請求項6】
前記判断部は、前記乗物が手動走行をしている場合に、前記第1覚醒度は所定の第2覚醒度閾値以上であるかどうかを判断し、
前記制御部は、前記判断部により前記第1覚醒度が前記第2覚醒度閾値より小さいと判断された場合に、前記覚醒部を駆動させ、
前記第2覚醒度閾値は、前記第1覚醒度閾値より大きい請求項3から5のいずれか一項に記載の乗員覚醒システム。
【請求項7】
前記乗員を支持するシートに設けられ、前記乗員の第2覚醒度を検出する第2検出部を備え、
前記制御部は、前記第1覚醒度、または前記第2検出部により検出された前記第2覚醒度に基づいて前記覚醒部を制御する請求項1から6のいずれか一項に記載の乗員覚醒システム。
【請求項8】
前記第2検出部は、心拍センサ、呼吸センサ、圧力センサ、及び脳波センサのうち、少なくとも一つを含む請求項7に記載の乗員覚醒システム。
【請求項9】
前記乗物の外気温度、及び前記乗物の内部温度のうち少なくとも一方を計測する温度検出部を備え、
前記制御部は、前記第1覚醒度と前記第2覚醒度とが一致しない場合、前記温度検出部により計測された温度と、前記第1覚醒度または前記第2覚醒度とに基づいて前記覚醒部を制御する請求項7または8に記載の乗員覚醒システム。
【請求項10】
前記乗員を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部により撮影された画像情報から求められる前記乗員の動作に基づいて前記乗員の第3覚醒度を検出する第3検出部と、を備え、
前記制御部は、前記第1覚醒度、前記第2覚醒度及び前記第3検出部により検出された前記第3覚醒度のうち、いずれか一つに基づいて前記覚醒部を制御する請求項7から9のいずれか一項に記載の乗員覚醒システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員覚醒システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転モードと手動運転モードとを切り替え可能な乗物において、自動運転モードと手動運転モードとを自動で切り替える運転制御装置がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、乗物に搭載されたシートに設けられる生体センサによって運転者の覚醒度を検出し、当該覚醒度に応じて自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2018/235699号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明のシートに設けられる生体センサは、運転者が着用する衣服を介して覚醒度を検出するため、覚醒度の検出において精度が低い可能性があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、より精度良く乗員の覚醒度を検出して、より適切に乗員に覚醒を促すことができる乗員覚醒システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の乗員覚醒システムは、
乗物に搭乗する乗員に装着され、前記乗員の第1覚醒度を検出する第1検出部を有するウェアラブル機器と、
前記乗物の内部に設けられ、前記乗員に覚醒を促す刺激を与える覚醒部と、
前記第1検出部により検出された前記第1覚醒度に基づいて前記覚醒部を制御する制御部と、
を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の乗員覚醒システムにおいて、
前記覚醒部は、前記乗員に光を照射する光源部、前記乗員に振動を与える振動源部、音を発する音源部、前記乗員を支持するシートを移動させる動作部のうち、少なくとも一つを含む。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の乗員覚醒システムにおいて、
前記第1覚醒度は所定の第1覚醒度閾値以上であるかどうかを判断する判断部を備え、
前記制御部は、前記判断部により前記第1覚醒度が前記第1覚醒度閾値より小さいと判断された場合に、前記覚醒部を駆動させる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の乗員覚醒システムにおいて、
前記制御部は、前記乗物の自動走行と手動走行とを切り替え可能であり、前記判断部により前記第1覚醒度が前記第1覚醒度閾値以上であると判断された場合に、前記自動走行から前記手動走行に切り替える。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の乗員覚醒システムにおいて、
前記制御部は、前記判断部により前記第1覚醒度が前記第1覚醒度閾値より小さいと判断された状態が所定の時間に渡って維持された場合、前記乗物を停止させる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項3から5のいずれか一項に記載の乗員覚醒システムにおいて、
前記判断部は、前記乗物が手動走行をしている場合に、前記第1覚醒度は所定の第2覚醒度閾値以上であるかどうかを判断し、
前記制御部は、前記判断部により前記第1覚醒度が前記第2覚醒度閾値より小さいと判断された場合に、前記覚醒部を駆動させ、
前記第2覚醒度閾値は、前記第1覚醒度閾値より大きい。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の乗員覚醒システムにおいて、
前記乗員を支持するシートに設けられ、前記乗員の第2覚醒度を検出する第2検出部を備え、
前記制御部は、前記第1覚醒度、または前記第2検出部により検出された前記第2覚醒度に基づいて前記覚醒部を制御する。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の乗員覚醒システムにおいて、
前記第2検出部は、心拍センサ、呼吸センサ、圧力センサ、及び脳波センサのうち、少なくとも一つを含む。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の乗員覚醒システムにおいて、
前記乗物の外気温度、及び前記乗物の内部温度のうち少なくとも一方を計測する温度検出部を備え、
前記制御部は、前記第1覚醒度と前記第2覚醒度とが一致しない場合、前記温度検出部により計測された温度と、前記第1覚醒度または前記第2覚醒度とに基づいて前記覚醒部を制御する。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項7から9のいずれか一項に記載の乗員覚醒システムにおいて、
前記乗員を撮影可能な撮影部と、
前記撮影部により撮影された画像情報から求められる前記乗員の動作に基づいて前記乗員の第3覚醒度を検出する第3検出部と、を備え、
前記制御部は、前記第1覚醒度、前記第2覚醒度及び前記第3検出部により検出された前記第3覚醒度のうち、いずれか一つに基づいて前記覚醒部を制御する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、乗員が着用する衣服を介して検出される覚醒度よりも精度の高いウェアラブル機器により検出された覚醒度に基づいて、覚醒部を制御することができる。そのため、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、光源部、振動源部、音源部、動作部のいずれかによって、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、乗員が手動運転可能でない状態であるときに覚醒部を駆動させることができるので、当該乗員により適切に覚醒を促すことができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、乗員が十分手動運転可能である状態であるときに、自動走行から手動走行に切り替えることができるので、乗物を安全に走行させることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、乗員に所定の時間に渡って覚醒を促し続けても、乗員が十分手動運転可能である状態にならない場合、乗物を停止させることができる。そのため、乗物の安全性を確保することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、自動走行時よりもより覚醒した状態が求められる手動走行時において、第1覚醒度閾値より大きい第2覚醒度閾値に基づいて覚醒部を駆動させることができる。そのため、手動走行時により高い安全性を確保することができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、第1覚醒度及び第2覚醒度のうち、より適切である覚醒度に基づいて覚醒部を制御することができるので、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、心拍センサ、呼吸センサ、圧力センサ、脳波センサのいずれかの検出結果を用いて、適切に乗員の第2覚醒度を検出することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、温度検出部により計測された温度に基づいて、第1覚醒度及び第2覚醒度のうち、より適切である覚醒度に基づいて覚醒部を制御することができるので、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度のうち、より適切である覚醒度に基づいて覚醒部を制御することができるので、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1実施形態の乗員覚醒システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】シート覚醒部が設けられたシートの概要を示す図である。
図3】内装覚醒部が設けられた内装部材の概要を示す図である。
図4】第1実施形態の運転者モニタ処理の流れを示すフローチャートである。
図5】第1実施形態・変形例の運転者モニタ処理の流れを示すフローチャートである。
図6】第2実施形態の乗員覚醒システムの概略構成を示すブロック図である。
図7】生体センサ部が設けられたシートの概要を示す図である。
図8】第2実施形態の運転者モニタ処理の流れを示すフローチャートである。
図9】第3実施形態の乗員覚醒システムの概略構成を示すブロック図である。
図10】第3実施形態の運転者モニタ処理の流れを示すフローチャートである。
図11】第4実施形態の乗員覚醒システムの概略構成を示すブロック図である。
図12】第4実施形態の運転者モニタ処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
【0029】
<第1実施形態>
本実施形態における乗物は、自動車(乗用車:車両V(図3参照))であり、以下におけるシートS(図2参照)は、運転者が着座する乗物用シートである。ただし、これに限られるものではなく、例えば、船舶、飛行機、建設車両、軍用車両、産業車両、鉄道車両、農業用車両などの乗物用シートでもよい。
【0030】
〔乗員覚醒システムについて〕
本実施形態の乗員覚醒システム1は、自動運転モードと手動運転モードとを切り替え可能な車両Vに搭載されている。
図1に示すように、乗員覚醒システム1は、制御装置100と、ウェアラブル機器Wと、スマートフォンSPと、覚醒部300と、報知部400と、運転制御部500等を備える。
【0031】
〔制御装置について〕
制御装置100は、制御部11と、記憶部12と、通信部13を備える。
制御装置100は、本実施形態においてシートSに設けられる。なお、制御装置100は、乗物のシートS以外の部分に設けられてもよい。
【0032】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、制御装置100の各部を制御する。具体的には、制御部11は、記憶部12に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、当該処理プログラムに従って各種処理を実行する。
【0033】
また、制御部11は、後述する第1検出部200Aにより検出された第1覚醒度に基づいて覚醒部300を制御する。
また、制御部11は、第1覚醒度は所定の第1覚醒度閾値より小さいかどうかを判断する。このとき、制御部11は判断部として機能する。
【0034】
記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などにより構成される。
記憶部12には、制御部11で実行される各種処理プログラム、これらのプログラムの実行に必要なデータが記憶されている。
また、記憶部12には、第1覚醒度閾値及び時間閾値が記憶されている。
【0035】
通信部13は、覚醒部300、及び報知部400等に制御信号を送信したり、運転制御部500との間で制御信号を送受信したりすることが可能となっている。
また、通信部13は、近距離通信機131を有する。
近距離通信機131は、ブルートゥース(登録商標)またはWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信を可能にする。制御部11は、当該近距離通信機131を介してスマートフォンSPと通信可能となっている。
【0036】
スマートフォンSP及びウェアラブル機器Wは、図示しないCPU、ROM(Read Only Memory)、RAM、書換可能な不揮発性メモリ等を有し、予め記憶されたプログラムを実行する。
【0037】
〔ウェアラブル機器について〕
ウェアラブル機器Wは、シートSに着座する着座者(運転者)の腕に装着される時計式の機器であり、第1検出部200Aを備える。なお、ウェアラブル機器Wは、運転者が着用する下着型の機器であってもよい。
ウェアラブル機器Wは、第1検出部200Aの検出結果(第1覚醒度)をスマートフォンSPに送信する機能を有している。
【0038】
第1検出部200Aは、加速度センサを有し、当該加速度センサの計測結果に基づいてウェアラブル機器Wを装着した運転者の覚醒状態(第1覚醒度)を検出する。運転者の覚醒状態を検出する方法は、公知の方法を用いることができる(例えば、国際公開第2021/006235号参照)。第1覚醒度は、運転者が熟睡状態にある場合を零とし、覚醒するにつれて上昇する数値として定義されている。
なお、ウェアラブル機器Wが下着型の機器である場合、第1検出部200Aは、運転者の心拍、脈拍、または呼吸等に基づいて第1覚醒度を検出する。
【0039】
〔覚醒部について〕
覚醒部300は、シート覚醒部310と、内装覚醒部320を備える。
シート覚醒部310は、図2に示すように、シートSに設けられる。
シートSは、シートバックS1と、シートクッションS2と、ヘッドレストS3と、アームレストS4と、無線給電部S5等を備える。
【0040】
無線給電部S5は、アームレストS4において、後述する振動源部313の下部に設けられる。
無線給電部S5は、運転者がウェアラブル機器Wを装着している腕をアームレストS4に置いた際に、ウェアラブル機器Wに無線給電を行う送電装置である。
なお、ウェアラブル機器Wが下着型の機器である場合、無線給電部S5は、シートバックS1またはシートクッションS2に設けられる。この場合、無線給電部S5は、運転者がシートSに座った際に、ウェアラブル機器Wに無線給電を行う。
【0041】
シート覚醒部310は、光源部311と、音源部312と、振動源部313と、シート動作部314(動作部)等を備える。なお、シート覚醒部310は、光源部311、音源部312、振動源部313、及びシート動作部314のうち少なくとも一つを備えるとしてもよい。
【0042】
光源部311は、例えば、ヘッドレストS3に設けられる。
光源部311は、運転者の頭部に、運転者を覚醒させることができるような強い光を照射することができる装置(例えば、LED等のライト)である。
【0043】
音源部312は、例えば、シートバックS1の上部、シートクッションS2のうちの運転者の足下付近、あるいはヘッドレストS3に設けられる。
音源部312は、運転者に向けて、運転者を覚醒させることができるような音量の音を発する装置(例えば、スピーカー等)である。運転者に向けて発する音は、例えば、音楽、音声、通知音等である。
【0044】
振動源部313は、シートバックS1、シートクッションS2、あるいはアームレストS4に設けられる。
振動源部313は、運転者に、運転者を覚醒させることができるような強い振動を伝えることができる装置(例えば、振動モーター)である。
【0045】
シート動作部314は、シートS自体を移動させることが可能なシート移動装置である。具体的には、シートSのリクライニング装置やシートSの前後スライド装置である。シートSの移動は、前後、左右、回転、または揺動であってもよい。
【0046】
内装覚醒部320は、図3に示すように、車両Vの内装部材V0に設けられる。内装部材V0は、インストルメントパネルV1と、ルーフライニングV2と、ドアV3と、ナビゲーション装置V4等を備える。
ナビゲーション装置V4は、表示部V41、及び図示しない音声入出力部等を備える。
【0047】
内装覚醒部320は、光源部321と、音源部322等を備える。なお、内装覚醒部320は、光源部321、及び音源部322のうち少なくとも一つを備えるとしてもよい。
【0048】
光源部321は、例えば、インストルメントパネルV1、ルーフライニングV2、ドアV3に設けられる。
光源部321は、光源部311と同様の構成である。
また、ナビゲーション装置V4の表示部V41を光源部321として機能させてもよい。
【0049】
音源部322は、例えば、ドアV3に設けられる。
音源部322は、音源部312と同様の構成である。
また、ナビゲーション装置V4の音声入出力部を音源部322として機能させてもよい。
【0050】
〔報知部について〕
報知部400は、例えば、ナビゲーション装置V4である。
制御部11は、表示部V41に所定のメッセージを表示させることにより、運転者に向けて報知を行う。
また、制御部11は、ナビゲーション装置V4の音声入出力部から所定の音声を出力させることにより、運転者に向けて報知を行う。
【0051】
制御装置100が、車両Vへの運転者の乗車を検出する乗車検出手段を備えている場合であって、当該乗車検出手段によって運転者の乗車が検出された場合、制御部11は、スマートフォンSPを介してウェアラブル機器Wと通信できるかを判断する。ウェアラブル機器Wと通信できない場合、制御部11は、ウェアラブル機器Wと通信できない旨、または運転者がウェアラブル機器Wを装着していない旨を、報知部400を制御して報知する。
また、ウェアラブル機器Wと通信できない場合、制御部11は、後に詳述する運転制御部500を制御して、車両Vが動かないように制御してもよい。
【0052】
〔運転制御部について〕
運転制御部500は、CPU、ROM及びRAM等を含むマイクロコンピュータで構成されている。また、運転制御部500には、制動灯、補助機器(例えば、方向指示灯や、前照灯、ワイパ装置等)、及びアクチュエータ等の各種機器が接続されている。
運転制御部500は、ROMに予め記憶されたプログラムをRAMに展開してCPUで実行して、各種機器等の動作を制御することで自動運転を制御する。なお、運転制御部500は、複数の電子制御ユニットから構成されていてもよい。
【0053】
運転制御部500は、車両Vの自動運転モード(自動走行)と手動運転モード(手動走行)とを切り替える。
手動運転モードは、運転者による操作によって車両Vの制御を行うモードである。
自動運転モードは、運転制御部500が車両Vの周辺状況、及び車両V自体の状況を判断して車両Vの制御を行うモードである。
運転制御部500は、車両Vの自動運転モードから手動運転モードへの切り替え処理を開始するときに、制御部11に制御信号である開始信号を送信する。
また、運転制御部500は、制御部11から送信される制御信号である切替許可信号を受信すると、車両Vを自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。
また、運転制御部500は、制御部11から送信される制御信号である車両停止信号を受信すると、車両Vを待避場所(例えば、サービスエリアや駐車場等)に自動走行させ、停車させる。
【0054】
〔第1実施形態の運転者モニタ処理について〕
制御装置100の制御部11は、車両Vが自動運転モードで走行しており、手動運転モードへの切り替え処理が開始されるときに、図4に示す運転者モニタ処理を実行する。
【0055】
運転者モニタ処理において、まず、制御部11は、運転制御部500から開始信号を受信したか否かを判断する(ステップST1)。
開始信号を受信していない場合(ステップST1;NO)、制御部11は、本処理を終了する。このとき、車両Vは自動運転モードが維持される。
開始信号を受信した場合(ステップST1;YES)、制御部11は、ウェアラブル機器WからスマートフォンSPを介して、第1検出部200Aの検出結果(第1覚醒度)を取得する(ステップST2)。
【0056】
次に、制御部11は、ステップST2において取得した第1覚醒度は、第1覚醒度閾値以上であるか否かを判断する(ステップST3)。
第1覚醒度閾値は、運転者が十分手動運転可能であるときの、運転者の覚醒度の値として定めるとよい。
なお、制御部11は、ウェアラブル機器Wとの通信を介して、運転者の個人認証を行い、第1覚醒度閾値として、運転者ごとに定められた値を使用してもよい。また、制御部11は、第1覚醒度閾値として、前回実行した運転者モニタ処理において使用した第1覚醒度閾値を使用してもよい。
【0057】
第1覚醒度が第1覚醒度閾値より小さい場合(ステップST3;NO)、制御部11は、覚醒処理を実施する(ステップST4)。制御部11は、覚醒処理において、覚醒部300を制御して、運転者に刺激を与えて覚醒を促す。このとき、制御部11は、シート覚醒部310と、内装覚醒部320のうちどちらか一方を用いて覚醒処理を実施してもよいし、シート覚醒部310及び内装覚醒部320の両方を用いて覚醒処理を実施してもよい。シート覚醒部310及び内装覚醒部320の両方を用いて覚醒処理を実施する場合、運転者により強い刺激を与えることができる。
【0058】
次に、制御部11は、現在の時刻と覚醒処理を開始した時刻との差である刺激時間(運転者に刺激が与えられている時間)を算出し、刺激時間が所定の時間閾値以上であるか否かを判断する(ステップST5)。時間閾値は、覚醒部300によって睡眠状態の運転者が覚醒するまでに要する時間を目安として設定され、本実施形態では、1分程度に設定されている。刺激時間が時間閾値以上継続されているときには、覚醒部300によって運転者を覚醒させることが難しい。
刺激時間が時間閾値未満である場合(ステップST5;NO)、制御部11は、本処理をステップST2に移行する。
本処理において、2回目以降のステップST4において、前回のステップST4で行った覚醒部300による運転者への刺激よりも強い刺激を与えてもよい。つまり、ステップST4の回数を重ねるごとに覚醒部300による運転者への刺激の強さを強めてもよい。
【0059】
また、刺激時間が時間閾値以上である場合(ステップST5;YES)、制御部11は、運転制御部500に車両停止信号を送信して(ステップST6)、本処理を終了する。運転制御部500は、車両停止信号を受信すると、道路や駐車場に設けられた手動運転区間に車両Vが進入する前に、車両Vを待避場所に移動させ、停車する。つまり、制御部11は、判断部により第1覚醒度が第1覚醒度閾値より小さいと判断された状態が所定の時間(時間閾値)に渡って維持された場合、車両Vを停止させる。
これにより、運転者の覚醒が困難な場合にも、車両Vの安全を確保することができる。
【0060】
また、第1覚醒度が第1覚醒度閾値以上である場合(ステップST3;YES)、制御部11は、このとき覚醒処理を実施している状態であれば、覚醒部300を制御して覚醒処理を停止する。覚醒処理を停止する場合、制御部11は、覚醒部300による運転者への刺激の強さを徐々に弱くしていき、最終的に覚醒処理を停止してもよい。そして、制御部11は、運転制御部500に切替許可信号を送信して(ステップST7)、本処理を終了する。運転制御部500は、切替許可信号を受信すると、車両Vを自動運転モードから手動運転モードへ切り替える。このとき、運転者の覚醒度(第1覚醒度)は第1覚醒度閾値以上であり、運転者が十分覚醒しているため、運転者は安全に車両Vを手動走行させることができる。
【0061】
なお、上記運転者モニタ処理ステップST2において、通信の不具合や機器の故障等の異常が発生し、ウェアラブル機器Wから第1覚醒度を取得できない場合、制御部11は、その旨を、報知部400を制御して報知してもよい。
【0062】
〔第1実施形態の効果について〕
第1実施形態における乗員覚醒システム1は、乗物(車両V)に搭乗する乗員(運転者)に装着され、乗員の第1覚醒度を検出する第1検出部200Aを有するウェアラブル機器Wと、乗物の内部に設けられ、乗員に覚醒を促す刺激を与える覚醒部300と、第1検出部200Aにより検出された第1覚醒度に基づいて覚醒部300を制御する制御部11と、を備える。
したがって、乗員が着用する衣服を介して検出される覚醒度よりも精度の高いウェアラブル機器により検出された覚醒度に基づいて、覚醒部を制御することができる。そのため、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0063】
また、第1実施形態における乗員覚醒システム1において、覚醒部300は、乗員に光を照射する光源部311,321、乗員に振動を与える振動源部313、音を発する音源部312,322、乗員を支持するシートSを移動させる動作部(シート動作部314)のうち、少なくとも一つを含む。
したがって、光源部、振動源部、音源部、動作部のいずれかによって、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0064】
また、第1実施形態における乗員覚醒システム1は、第1覚醒度は所定の第1覚醒度閾値以上であるかどうかを判断する判断部(制御部11)を備え、制御部11は、判断部により第1覚醒度が第1覚醒度閾値より小さいと判断された場合に、覚醒部300を駆動させる。
したがって、乗員が手動運転可能でない状態であるときに覚醒部を駆動させることができるので、当該乗員により適切に覚醒を促すことができる。
【0065】
また、第1実施形態における乗員覚醒システム1において、制御部11は、乗物の自動走行と手動走行とを切り替え可能であり、判断部により第1覚醒度が第1覚醒度閾値以上であると判断された場合に、自動走行から手動走行に切り替える。
したがって、乗員が十分手動運転可能である状態であるときに、自動走行から手動走行に切り替えることができるので、車両を安全に走行させることができる。
【0066】
また、第1実施形態における乗員覚醒システム1において、制御部11は、判断部により第1覚醒度が第1覚醒度閾値より小さいと判断された状態が所定の時間(時間閾値)に渡って維持された場合、乗物を停止させる。
したがって、乗員に所定の時間に渡って覚醒を促し続けても、乗員が十分手動運転可能である状態にならない場合(乗員を覚醒させることが困難な場合)、車両を停止させることができる。そのため、車両の安全性を確保することができる。
【0067】
(変形例)
次に、上記第1実施形態の変形例について説明する。なお、説明の便宜上、上記第1実施形態との共通部分には同一符号を付し、上記の第1実施形態とは異なる構成部分に重点を置いて説明する。
【0068】
本変形例において、車両Vは、運転者の操作による手動走行のみが可能である。
本変形例の制御装置100の記憶部12には、第2覚醒度閾値が記憶されている。第2覚醒度閾値は、運転者が十分手動運転可能であるときの、運転者の覚醒度の値として定められるが、上記第1実施形態における第1覚醒度閾値よりも大きい値であることが好ましい。
制御部11は、第2覚醒度閾値に基づいて覚醒部300を駆動させる。これにより、手動走行時に、より高い安全性を確保することができる。
【0069】
〔第1実施形態・変形例の運転者モニタ処理について〕
制御装置100の制御部11は、車両Vが運転者の操作による手動走行をしているときに、図5に示す運転者モニタ処理を実行する。
【0070】
本変形例の運転者モニタ処理において、まず、制御部11は、上記第1実施形態の運転者モニタ処理ステップST2と同様のステップST11を実施する。つまり、制御部11は、第1覚醒度を取得する。
次に、制御部11は、ステップST11において取得した第1覚醒度は、第2覚醒度閾値以上であるか否かを判断する(ステップST12)。
第1覚醒度が第2覚醒度閾値より小さい場合(ステップST12;NO)、制御部11は、上記第1実施形態の運転者モニタ処理ステップST4と同様のステップST13を実施する。つまり、制御部11は、覚醒処理を実施する。その後、制御部11は、本処理をステップST11に移行する。
【0071】
また、第1覚醒度が第2覚醒度閾値以上である場合(ステップST12;YES)、制御部11は、ステップST11を複数回実施したか否か、つまり、制御部11が第1覚醒度を複数回取得したか否かを判断する(ステップST14)。
制御部11が第1覚醒度を一回のみ取得した場合(ステップST14;NO)、制御部11は、本処理をステップST11に移行する。
【0072】
制御部11が第1覚醒度を複数回取得した場合(ステップST14;YES)、制御部11は、第1覚醒度を複数回取得した結果に基づいて、今後第1覚醒度が第2覚醒度閾値より小さくなることが予測されるか否かを判断する(ステップST15)。今後第1覚醒度が第2覚醒度閾値より小さくなることが予測されるとは、例えば、複数回取得した第1覚醒度が、取得するごとに小さくなっている場合等である。当該予測は、人工知能により実施されるものであってもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
今後第1覚醒度が第2覚醒度閾値より小さくなることが予測される場合(ステップST15;YES)、制御部11は、本処理をステップST13に移行する。
今後第1覚醒度が第2覚醒度閾値より小さくなることが予測されない場合(ステップST15;NO)、制御部11は、このとき覚醒処理を実施している状態であれば、覚醒部300を制御して覚醒処理を停止し(ステップST16)、本処理を終了する。
【0073】
なお、上記第1実施形態の変形例の運転者モニタ処理において、第1覚醒度が第2覚醒度閾値以上である場合(ステップST12;YES)、制御部11は、ステップST14,ST15を省いてもよいが、より高い安全性を確保するために、ステップST14,ST15を実施することが好ましい。
【0074】
〔第1実施形態・変形例の効果について〕
第1実施形態の変形例における乗員覚醒システム1において、判断部は、乗物(車両V)が手動走行をしている場合に、第1覚醒度は所定の第2覚醒度閾値以上であるかどうかを判断し、制御部11は、判断部により第1覚醒度が第2覚醒度閾値より小さいと判断された場合に、覚醒部300を駆動させ、第2覚醒度閾値は、第1覚醒度閾値より大きい。
したがって、自動走行時よりもより覚醒した状態が求められる手動走行時において、第1覚醒度閾値より大きい第2覚醒度閾値に基づいて覚醒部を駆動させることができる。そのため、手動走行時により高い安全性を確保することができる。
【0075】
<第2実施形態>
次に、図面を参照して第2実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上記の第1実施形態との共通部分には同一符号を付し、上記の第1実施形態とは異なる構成部分に重点を置いて説明する。
【0076】
本実施形態における乗員覚醒システム1は、図6に示すように、生体センサ部210Bを更に備える。
制御装置100の制御部11は、通信部13を介して、生体センサ部210Bの検出結果を受信し、当該生体センサ部210Bの検出結果に基づいて、第2覚醒度を算出する。第2覚醒度は、運転者が熟睡状態にある場合を零とし、覚醒するにつれて上昇する数値として定義されている。
制御部11及び生体センサ部210Bは、第2検出部200Bとして機能する。
【0077】
〔生体センサ部について〕
生体センサ部210Bは、図7に示すように、心拍センサ211B、呼吸センサ212B、圧力センサ213B、及び脳波センサ214Bを備える。なお、生体センサ部210Bは、心拍センサ211B、呼吸センサ212B、圧力センサ213B、及び脳波センサ214Bのうち、少なくとも一つを備えるとしてもよい。
【0078】
心拍センサ211Bは、シートバックS1の前面に設けられ、好ましくは、運転者の心臓に対応する位置に配置される。心拍センサ211Bは、運転者の心臓が一定時間内に拍動する数(心拍数)をカウントするセンサであって、タッチ式、光学式、心電式のいかなる方式に基づくものであってもよい。
呼吸センサ212Bは、運転者の呼吸数や呼吸の深さを検出するセンサである。呼吸センサ212Bは、例えば、シートバックS1の前面の運転者の肺に対応する位置において、運転者から加わる圧力を検出し、運転者の呼吸運動によって生じた圧力変化を読み取る。また、呼吸センサ212Bは、シートバックS1の前面に沿って2枚のシート状の電極を設け、その電極間の静電容量の人の胸部の動きによる変動を検出する方式に基づくものであってもよい。呼吸センサ212Bは、いかなる方式に基づくものであってもよい。
圧力センサ213Bは、シートSに加わる圧力によって運転者の姿勢を検出するために用いられるセンサである。圧力センサ213Bは、シートクッションS2及びシートバックS1の運転者に対向する面に面状をなして設けられ、運転者からそれらに加わる圧力の面内分布(圧力分布)を計測し、運転者の姿勢を検出する。
脳波センサ214Bは、ヘッドレストS3の運転者の頭部に対向する位置に設けられた磁気センサを含み、運転者の脳細胞の活動に伴う磁気信号を検出して、運転者の脳波を算出する。
これらのセンサのいずれかを含む生体センサ部210Bを用いることにより、運転者の第2覚醒度を適切に検出することができる。
【0079】
〔第2実施形態の運転者モニタ処理について〕
制御装置100の制御部11は、車両Vが自動運転モードで走行しており、手動運転モードへの切り替え処理が開始されるときに、図8に示す本実施形態の運転者モニタ処理を実行する。
【0080】
本実施形態の運転者モニタ処理において、まず、制御部11は、上記第1実施形態の運転者モニタ処理ステップST1と同様のステップST21を実施する。
開始信号を受信していない場合(ステップST21;NO)、制御部11は、本処理を終了する。このとき、車両Vは自動運転モードが維持される。
開始信号を受信した場合(ステップST21;YES)、制御部11は、ウェアラブル機器WからスマートフォンSPを介して、第1検出部200Aの検出結果(第1覚醒度)を取得する。そして、制御部11は、生体センサ部210Bの検出結果に基づいて、第2覚醒度を算出することにより、第2覚醒度を取得する(ステップST22)。
【0081】
具体的には、生体センサ部210Bが心拍センサ211Bを備える場合には、制御部11は、運転開始時の運転者の心拍数と、そのときの運転者の心拍数を比較し、心拍数の減少度合いに応じて、第2覚醒度を低下させるとよい。
生体センサ部210Bが呼吸センサ212Bを備える場合には、制御部11は、運転開始時の運転者の呼吸数と、そのときの運転者の呼吸数を比較し、呼吸数の減少度合いに応じて、第2覚醒度を低下させるとよい。
生体センサ部210Bが圧力センサ213Bを備える場合には、制御部11は、圧力分布に基づいて、運転者の姿勢を検出し、その姿勢に応じて、運転者の第2覚醒度を算出するとよい。
生体センサ部210Bが脳波センサ214Bを備える場合には、制御部11は、運転者の脳波の波形に基づいて、運転者の第2覚醒度を算出するとよい。
また、制御部11は、心拍数、呼吸数、圧力分布、及び、脳波のうち、複数を用いて、運転者の第2覚醒度を算出してもよい。
【0082】
次に、制御部11は、ステップST22において取得した第1覚醒度、及び第2覚醒度は異常値であるか否かを判断する(ステップST23)。当該異常値とは、予め設定された所定範囲外の値であり、例えば実際には有り得ない値等である。
第1覚醒度及び第2覚醒度が異常値でない場合(ステップST23;NO)、制御部11は、第1覚醒度と第2覚醒度は一致するか否かを判断する(ステップST24)。第1覚醒度及び第2覚醒度が一致するとは、第1覚醒度と第2覚醒度との差が所定値内である場合も含む。
第1覚醒度と第2覚醒度が一致する場合(ステップST24;YES)、制御部11は、当該一致した値を検出覚醒度とする(ステップST25)。
また、第1覚醒度と第2覚醒度が一致しない場合(ステップST24;NO)、制御部11は、第1覚醒度と第2覚醒度のうち検出精度の高い方を検出覚醒度とする(ステップST26)。当該検出精度は、予め設定されていても良いし、第1覚醒度と第2覚醒度とを比較した結果に基づいて決定されてもよい。また、運転者の衣服を介して取得された生体センサ部210Bの検出結果に基づく第2覚醒度と比較して、ウェアラブル機器Wから取得された第1覚醒度の方が精度が高い可能性が高い。そのため、第1覚醒度は、第2覚醒度より検出精度が高いとしてもよい。
【0083】
次に、制御部11は、ステップST25、ST26において検出覚醒度とした値は、第1覚醒度閾値以上であるか否かを判断する(ステップST27)。
以下、制御部11は、上記第1実施形態の運転者モニタ処理ステップST4~ST7と同様のステップST28~ST31を実施する。
【0084】
また、第1覚醒度及び第2覚醒度のうちの少なくとも一方が異常値である場合(ステップST23;YES)、制御部11は、第1覚醒度及び第2覚醒度の両方が異常値であるか否かを判断する(ステップST32)。
第1覚醒度及び第2覚醒度のうちのどちらか一方のみが異常値である場合(ステップST32;NO)、制御部11は、本処理をステップST26に移行する。
ステップST26において、制御部11は、異常値でない方の覚醒度(第1覚醒度または第2覚醒度)を検出覚醒度とし、以下の処理を実施する。
【0085】
また、第1覚醒度及び第2覚醒度の両方が異常値である場合(ステップST32;YES)、制御部11は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを禁止とする(ステップST33)。つまり、制御部11は、今後自動運転モードから手動運転モードへの切り替え処理を実行しない。
その後、制御部11は、本処理を終了する。
【0086】
なお、上記第2実施形態の運転者モニタ処理において、第1覚醒度及び第2覚醒度のうちの少なくとも一方が異常値である場合(ステップST23;YES)、制御部11は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを禁止としてもよい。
【0087】
また、上記第2実施形態の運転者モニタ処理ステップST22において、通信の不具合や機器の故障等の異常が発生し、第1覚醒度または第2覚醒度が取得できない場合、制御部11は、取得できた第1覚醒度または第2覚醒度に基づいて、以下の処理を実施してもよい。
【0088】
また、上記第2実施形態の運転者モニタ処理において、第1覚醒度及び第2覚醒度のうちのどちらか一方のみが異常値である場合(ステップST32;NO)、制御部11は、異常である方の覚醒度(第1覚醒度または第2覚醒度)を、前回ステップST22を実施した際に取得した覚醒度に置き換えて、以下の処理を実施してもよい。つまり、第1覚醒度が異常値であった場合、今回の第1覚醒度として、前回取得した第1覚醒度を用いる。また、第2覚醒度が異常値であった場合、今回の第2覚醒度として、前回取得した第2覚醒度を用いる。
【0089】
また、上記第2実施形態の運転者モニタ処理において、第1覚醒度及び第2覚醒度の両方が異常値である場合(ステップST32;YES)、制御部11は、今回の第1覚醒度として、前回ステップST22を実施した際に取得した第1覚醒度を用いて、今回の第2覚醒度として、前回ステップST22を実施した際に取得した第2覚醒度を用いてもよい。その後、制御部11は、ステップST24以降の処理を行ってもよい。
【0090】
また、上記第2実施形態の運転者モニタ処理において、第1覚醒度及び第2覚醒度のうちの少なくとも一方が異常値である場合(ステップST23;YES)、制御部11は、本処理をステップST22に移行し、再度第1覚醒度及び第2覚醒度を取得してもよい。このとき、第1覚醒度及び第2覚醒度のうちの少なくとも一方が異常値である状態が所定取得回数以上継続した場合、制御部11は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを禁止としてもよい。
【0091】
〔第2実施形態の効果について〕
第2実施形態における乗員覚醒システム1は、乗員を支持するシートSに設けられ、乗員の第2覚醒度を検出する第2検出部(生体センサ部210B及び制御部11)を備え、制御部11は、第1覚醒度、または第2検出部により検出された第2覚醒度に基づいて覚醒部300を制御する。
したがって、第1覚醒度及び第2覚醒度のうち、より適切である覚醒度に基づいて覚醒部を制御することができるので、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0092】
第2実施形態における乗員覚醒システム1において、第2検出部は、心拍センサ211B、呼吸センサ212B、圧力センサ213B、及び脳波センサ214Bのうち、少なくとも一つを含む。
したがって、心拍センサ、呼吸センサ、圧力センサ、脳波センサのいずれかの検出結果を用いて、適切に乗員の第2覚醒度を検出することができる。
【0093】
<第3実施形態>
次に、図面を参照して第3実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上記の第2実施形態との共通部分には同一符号を付し、上記の第2実施形態とは異なる構成部分に重点を置いて説明する。
【0094】
本実施形態における乗員覚醒システム1は、図9に示すように、温度検出部200Cを更に備える。
制御装置100の制御部11は、通信部13を介して、温度検出部200Cの検出結果(計測温度)を受信する。
【0095】
〔温度検出部について〕
温度検出部200Cは、車両Vの外気温度、及び車両Vの車内温度のうち少なくとも一方を計測する。
温度検出部200Cが車両Vの外気温度を検出する場合、温度検出部200Cは車両Vの外側に設けられる。
温度検出部200Cが車両Vの車内温度を検出する場合、温度検出部200Cは内装部材V0に設けられる。
【0096】
〔第3実施形態の運転者モニタ処理について〕
制御装置100の制御部11は、車両Vが自動運転モードで走行しており、手動運転モードへの切り替え処理が開始されるときに、図10に示す本実施形態の運転者モニタ処理を実行する。
【0097】
本実施形態の運転者モニタ処理において、まず、制御部11は、上記第2実施形態の運転者モニタ処理ステップST21~ST25と同様のステップST41~ST45を実施する。
また、第1覚醒度と第2覚醒度が一致しない場合(ステップST44;NO)、制御部11は、温度検出部200Cより車両Vの外気温度、及び車両Vの車内温度のうち少なくとも一方(計測温度)を取得する(ステップST46)。
次に、制御部11は、ステップST46において取得した外気温度または車内温度は、第1温度以下か否かを判断する(ステップST47)。当該第1温度は、例えば5度であるがこれに限らず、運転者が寒いと感じる温度であればよい。
外気温度または車内温度が第1温度以下である場合(ステップST47;YES)、制御部11は、第1覚醒度を検出覚醒度とする(ステップST48)。外気温度または車内温度が第1温度(例えば5度)以下である場合、運転者は厚着をしている可能性が高い。この場合、運転者の衣服を介して取得された生体センサ部210Bの検出結果に基づく第2覚醒度は、第1覚醒度より精度が低い可能性がある。そのため、より精度が高い第1覚醒度に基づいて以下の処理を実施することで、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0098】
また、外気温度または車内温度が第1温度より高い場合(ステップST47;NO)、制御部11は、外気温度または車内温度は、第2温度以上か否かを判断する(ステップST49)。当該第2温度は、例えば30度であるがこれに限らず、運転者が暑いと感じる温度であればよい。
外気温度または車内温度が第2温度以上である場合(ステップST49;YES)、制御部11は、第2覚醒度を検出覚醒度とする(ステップST50)。外気温度または車内温度が第2温度(例えば30度)以上である場合、運転者は汗をかいている可能性が高い。この場合、運転者の汗によって第1覚醒度の精度が低下する可能性がある。そのため、より精度が高い第2覚醒度に基づいて以下の処理を実施することで、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0099】
外気温度及び車内温度が第1温度より高く、第2温度より低い場合(ステップST49;NO)、制御部11は、上記第2実施形態の運転者モニタ処理ステップST26~ST33と同様のステップST51~ST58を実施し、本処理を終了する。
【0100】
なお、上記第3実施形態の運転者モニタ処理において、制御部11はステップST46~ST48の代わりに以下の処理を実施してもよい。
制御部11は、内装部材V0が備える暖房装置やシートヒーター等と接続されており、当該暖房装置やシートヒーター等の作動状態を取得する。そして、制御部11は、暖房装置やシートヒーター等が作動しているか否かを判断し、暖房装置やシートヒーター等が作動している場合、第1覚醒度を検出覚醒度とする。
【0101】
また、上記第3実施形態の運転者モニタ処理において、制御部11はステップST46、47、ST49、ST50の代わりに以下の処理を実施してもよい。
制御部11は、内装部材V0が備える冷房装置と接続されており、当該冷房装置の作動状態を取得する。そして、制御部11は、冷房装置が作動しているか否かを判断し、冷房装置が作動している場合、第2覚醒度を検出覚醒度とする。
【0102】
〔第3実施形態の効果について〕
第3実施形態における乗員覚醒システム1は、乗物(車両V)の外気温度、及び乗物の内部温度(車内温度)のうち少なくとも一方を計測する温度検出部200Cを備え、制御部11は、第1覚醒度と第2覚醒度とが一致しない場合、温度検出部200Cにより計測された温度と、第1覚醒度または第2覚醒度とに基づいて覚醒部300を制御する。
したがって、温度検出部により計測された温度に基づいて、第1覚醒度及び第2覚醒度のうち、より適切である覚醒度に基づいて覚醒部を制御することができるので、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0103】
<第4実施形態>
次に、図面を参照して第4実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、上記の第2実施形態との共通部分には同一符号を付し、上記の第2実施形態とは異なる構成部分に重点を置いて説明する。
【0104】
本実施形態における乗員覚醒システム1は、図11に示すように、撮影部210Dを更に備える。
制御装置100の制御部11は、通信部13を介して、撮影部210Dが撮影した撮影画像を受信し、当該撮影画像に基づいて、第3覚醒度を算出する。第3覚醒度は、運転者が熟睡状態にある場合を零とし、覚醒するにつれて上昇する数値として定義されている。
つまり、制御部11は、撮影部210Dにより撮影された画像情報から求められる乗員(運転者)の動作に基づいて乗員の第3覚醒度を検出する。このとき、制御部11は、第3検出部として機能する。
【0105】
〔撮影部について〕
撮影部210Dは、シートSに着座する着座者(運転者)を撮影可能としており、カメラが採用されている。その他にも、カメラ機能を有するスマートフォンやタブレット端末を代用してもよい。なお、本実施形態の撮影部210Dであるカメラは、例えば、ルーフライニングV2に設けられている。
撮影部210Dであるカメラは、複数設けられてもよい。
撮影部210Dは、シートSに着座する着座者のまぶたの動きや体の動き等を撮影し、撮影した画像を、画像情報として制御部11に送信する。撮影画像は、静止画でもよいし、動画でもよい。
【0106】
〔第4実施形態の運転者モニタ処理について〕
制御装置100の制御部11は、車両Vが自動運転モードで走行しており、手動運転モードへの切り替え処理が開始されるときに、図12に示す本実施形態の運転者モニタ処理を実行する。
【0107】
本実施形態の運転者モニタ処理において、まず、制御部11は、上記第2実施形態の運転者モニタ処理ステップST21と同様のステップST61を実施する。
開始信号を受信していない場合(ステップST61;NO)、制御部11は、本処理を終了する。このとき、車両Vは自動運転モードが維持される。
開始信号を受信した場合(ステップST61;YES)、制御部11は、ウェアラブル機器WからスマートフォンSPを介して、第1検出部200Aの検出結果(第1覚醒度)を取得する。そして、制御部11は、生体センサ部210Bの検出結果に基づいて、第2覚醒度を算出することにより、第2覚醒度を取得する。そして、制御部11は、撮影部210Dにより撮影された撮影画像に基づいて、第3覚醒度を算出することにより、第3覚醒度を取得する(ステップST62)。
【0108】
具体的には、制御部11は、着座者の撮影画像に基づいて当該着座者の開眼度(目の開き度合)を算出する。そして、制御部11は、算出した開眼度に基づいて第3覚醒度を算出する。例えば、制御部11は、開眼度が零である場合を熟睡状態とし、開眼度が上昇するにつれて第3覚醒度は上昇するとする。
また、制御部11は、着座者の撮影画像に基づいて当該着座者の動作の活発度合を算出する。そして、制御部11は、算出した動作の活発度合に基づいて第3覚醒度を算出する。例えば、制御部11は、動作の活発度合が零である場合を熟睡状態とし、動作の活発度合が上昇するにつれて第3覚醒度は上昇するとする。
【0109】
次に、制御部11は、ステップST62において取得した第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度は異常値であるか否かを判断する(ステップST63)。
第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度が異常値でない場合(ステップST63;NO)、制御部11は、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度は一致するか否かを判断する(ステップST64)。第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度が一致するとは、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度間の差が所定値内である場合も含む。
第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度が一致する場合(ステップST64;YES)、制御部11は、当該一致した値を検出覚醒度とする(ステップST65)。
また、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度が一致しない場合(ステップST64;NO)、制御部11は、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度のうち検出精度の高い覚醒度を検出覚醒度とする(ステップST66)。当該検出精度は、予め設定されていても良いし、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度を比較した結果に基づいて決定されてもよい。
次に、制御部11は、上記第2実施形態の運転者モニタ処理ステップST27~ST31と同様のステップST67~ST71を実施する。
【0110】
また、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度のうちの少なくとも一つが異常値である場合(ステップST63;YES)、制御部11は、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度の全てが異常値であるか否かを判断する(ステップST72)。
第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度のうち、少なくとも一つは異常値でない場合(ステップST72;NO)、制御部11は、本処理をステップST66に移行する。
ステップST66において、制御部11は、異常値でなく、より精度の高い覚醒度(第1覚醒度、第2覚醒度または第3覚醒度)を検出覚醒度とし、以下の処理を実施する。
【0111】
また、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度の全てが異常値である場合(ステップST72;YES)、制御部11は、自動運転モードから手動運転モードへの切り替えを禁止とし(ステップST73)、本処理を終了する。
【0112】
なお、上記第4実施形態の運転者モニタ処理ステップST63において、通信の不具合や機器の故障等の異常が発生し、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度のうち、いずれか一つが取得できない場合、制御部11は、取得できた第1覚醒度、第2覚醒度または第3覚醒度に基づいて、以下の処理を実行してもよい。
【0113】
また、上記第4実施形態の運転者モニタ処理において、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度のうち、少なくとも一つは異常値でない場合(ステップST72;NO)、制御部11は、異常である覚醒度(第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度のうち少なくとも一つ)を、前回ステップST62を実施した際に取得した覚醒度に置き換えて、以下の処理を実施してもよい。つまり、第1覚醒度が異常値であった場合、今回の第1覚醒度として、前回取得した第1覚醒度を用いる。また、第2覚醒度が異常値であった場合、今回の第2覚醒度として、前回取得した第2覚醒度を用いる。また、第3覚醒度が異常値であった場合、今回の第3覚醒度として、前回取得した第3覚醒度を用いる。
【0114】
なお、制御装置100は、スイッチ等である操作部を備えてもよい。
この場合、上記第4実施形態の運転者モニタ処理ステップST66の代わりに、制御部11は、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度のうち、操作部を介して着座者により選択された覚醒度を検出覚醒度としてもよい。
【0115】
また、上記第4実施形態の運転者モニタ処理ステップST66の代わりに、制御部11は、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度のうち、人工知能により選択された覚醒度を検出覚醒度としてもよい。この人工知能はいかなる周知の人工知能技術に基づくものであってもよい。
【0116】
〔第4実施形態の効果について〕
第4実施形態における乗員覚醒システム1は、乗員を撮影可能な撮影部210Dと、撮影部210Dにより撮影された画像情報から求められる乗員の動作に基づいて乗員の第3覚醒度を検出する第3検出部(制御部11)と、を備え、制御部11は、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3検出部により検出された第3覚醒度のうち、いずれか一つに基づいて覚醒部300を制御する。
したがって、第1覚醒度、第2覚醒度及び第3覚醒度のうち、より適切である覚醒度に基づいて覚醒部を制御することができるので、より適切に乗員に覚醒を促すことができる。
【0117】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0118】
例えば、ウェアラブル機器Wは、腕に装着される時計式の機器や下着型の機器に限らず、例えば、運転者の頭に装着される機器や、腰に装着される機器、あるいは指輪型の機器等、人の様々な部位に装着可能なウェアラブル機器であればよい。
【0119】
また、上記実施形態において、覚醒部300は、シート覚醒部310と、内装覚醒部320を備えるとしたがこれに限らない。シート覚醒部310と、内装覚醒部320のうちどちらか一方を備えるとしてもよい。
【0120】
また、覚醒部300は、運転者の身体の一部を、加熱又は冷却する装置である熱源部を備えてもよい。当該熱源部は、例えば、ヘッドレストS3に設けられ、運転者の頭部を加熱又は冷却するヒータ及びペルチェ素子である。
また、覚醒部300は、電気刺激発生源部を備えてもよい。当該電気刺激発生源は、シートバックS1又はシートクッションS2の運転者に対向する面に設けられた2つの電極を有し、その2つの電極間に所定の電圧を加えることによって、運転者に電気的な刺激を与えることができる。
【符号の説明】
【0121】
S シート
S1 シートバック
S2 シートクッション
S3 ヘッドレスト
S4 アームレスト
S5 無線給電部
SP スマートフォン
V 車両
V0 内装部材
V1 インストルメントパネル
V2 ルーフライニング
V3 ドア
V4 ナビゲーション装置
V41 表示部
W ウェアラブル機器
100 制御装置
11 制御部(判断部、第2検出部、第3検出部)
12 記憶部
13 通信部
131 近距離通信機
200A 第1検出部
200B 第2検出部
210B 生体センサ部(第2検出部)
211B 心拍センサ
212B 呼吸センサ
213B 圧力センサ
214B 脳波センサ
200C 温度検出部
210D 撮影部
300 覚醒部
310 シート覚醒部
311 光源部
312 音源部
313 振動源部
314 シート動作部(動作部)
320 内装覚醒部
321 光源部
322 音源部
400 報知部
500 運転制御部
図1
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