(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131873
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】焚火台
(51)【国際特許分類】
F24B 1/18 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
F24B1/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036876
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】593054860
【氏名又は名称】スワロー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 卓治
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】原田 雅史
(72)【発明者】
【氏名】大越 雄喜
(57)【要約】
【課題】より簡単に組み立てることができる焚火台を提供する。
【解決手段】焚火台1Aは、側壁ユニット10を備える。側壁ユニット10は、枠状をなすように立設可能な複数の壁部11~14と、複数の壁部11~14が幅方向Wに並ぶことが可能となるように複数の壁部11~14の端部同士を回転可能に連結する連結部15と、幅方向Wにおける複数の壁部11~14の両端のうち一方に位置する係止部16と、この両端のうち他方に位置し、係止部16が係止可能な被係止部18と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁ユニットを備える焚火台であって、
前記側壁ユニットは、
枠状をなすように立設可能な複数の壁部と、
前記複数の壁部が並列方向に並ぶことが可能となるように前記複数の壁部の端部同士を回転可能に連結する連結部と、
前記並列方向における前記複数の壁部の両端のうち一方に位置する係止部と、
前記両端のうち他方に位置し、前記係止部が係止可能な被係止部と、を備える、
焚火台。
【請求項2】
前記焚火台の前記係止部は、前記焚火台と同一の構成である別の焚火台の側壁ユニットが有する別台側被係止部に係止可能に構成され、
前記焚火台の前記被係止部には、前記別の焚火台の側壁ユニットが有する別台側係止部が係止可能に構成されている、
請求項1に記載の焚火台。
【請求項3】
前記焚火台は、灰を受けるための矩形状の底板部を備え、
前記複数の壁部は、前記底板部の周囲を囲む4つの壁部からなり、
前記各壁部は、
前記焚火台が設置される設置面に前記底板部が沿う状態で前記設置面に接触する設置部と、
前記設置部に対して傾斜しており、前記底板部が前記設置面に対して傾斜した状態で前記設置面に接触する傾斜部と、を備え、
前記焚火台は、前記傾斜部が前記設置面に接触しつつ自立した自立姿勢を保ち、
前記焚火台が前記自立姿勢を保った状態で、前記底板部は、前記係止部が前記被係止部から離れるように前記係止部が設けられた前記壁部が開かれたとき、外部へと繋がる開口方向に向かうにつれて前記設置面に近づくように傾斜する、
請求項1又は2に記載の焚火台。
【請求項4】
前記焚火台の前記係止部は、前記並列方向に直交する高さ方向に沿う第1回転軸を中心に回転することにより、前記被係止部に係止した係止状態と前記被係止部から離れた非係止状態の間で遷移し、
前記焚火台は、頭部及び前記被係止部に取り付けられる軸部を有し、前記高さ方向に沿う第2回転軸を中心に前記被係止部とともに回転可能に設けられるピンを備え、
前記係止部には、前記係止部が前記非係止状態から前記係止状態に遷移する際に、前記ピンの前記軸部が進入する切り込み部が形成され、
前記頭部は、前記係止部に接触した状態で、前記係止部を前記係止状態に保持する、
請求項1から3の何れか1項に記載の焚火台。
【請求項5】
第1側壁ユニット及び第2側壁ユニットを備える焚火台であって、
前記第1側壁ユニット及び前記第2側壁ユニットは、それぞれ、
枠状をなすように立設可能な複数の壁部と、
前記複数の壁部が並列方向に並ぶことが可能となるように前記複数の壁部の端部同士を回転可能に連結する連結部と、
前記並列方向における前記複数の壁部の両端のうち一方に位置する係止部と、
前記両端のうち他方に位置し、前記係止部が係止可能な被係止部と、を備え、
前記焚火台が組み立てられた状態で、前記第1側壁ユニットの前記係止部が前記第2側壁ユニットの前記被係止部に係止し、前記第2側壁ユニットの前記係止部が前記第1側壁ユニットの前記被係止部に係止する、
焚火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焚火台に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の焚火台は、複数のプレートがトレーに対してそれぞれ直立した状態で隣接する他のプレートと係合することによって、トレーの上面の外形に沿った多角形状の枠を形成可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成では、焚火台の組み立てが簡単ではなかった。
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、より簡単に組み立てることができる焚火台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る焚火台は、側壁ユニットを備える焚火台であって、前記側壁ユニットは、枠状をなすように立設可能な複数の壁部と、前記複数の壁部が並列方向に並ぶことが可能となるように前記複数の壁部の端部同士を回転可能に連結する連結部と、前記並列方向における前記複数の壁部の両端のうち一方に位置する係止部と、前記両端のうち他方に位置し、前記係止部が係止可能な被係止部と、を備える。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る焚火台は、第1側壁ユニット及び第2側壁ユニットを備える焚火台であって、前記第1側壁ユニット及び前記第2側壁ユニットは、それぞれ、枠状をなすように立設可能な複数の壁部と、前記複数の壁部が並列方向に並ぶことが可能となるように前記複数の壁部の端部同士を回転可能に連結する連結部と、前記並列方向における前記複数の壁部の両端のうち一方に位置する係止部と、前記両端のうち他方に位置し、前記係止部が係止可能な被係止部と、を備え、前記焚火台が組み立てられた状態で、前記第1側壁ユニットの前記係止部が前記第2側壁ユニットの前記被係止部に係止し、前記第2側壁ユニットの前記係止部が前記第1側壁ユニットの前記被係止部に係止する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、焚火台において、より簡単に組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)は本発明の第1実施形態に係る組み立てられた焚火台の斜視図であり、(b)は(a)の矢印Bから見た図であり、(c)、(d)は(a)の一部を拡大した図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る収納された焚火台の斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る係止部が非係止状態にあるときの焚火台の一部の斜視図である。
【
図4】(a)は
図3の4a-4a線の断面図であり、(b)は
図1(b)の4b-4b線の断面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る灰を外部に排出する際の焚火台の斜視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る組み立てられた焚火台の斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る組み立てる途中の焚火台の一部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
本発明に係る焚火台の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1(a)に示すように、焚火台1Aは、側壁ユニット10と、底板部30と、グリル40と、を備える。側壁ユニット10は、第1壁部11と、第2壁部12と、第3壁部13と、第4壁部14と、複数の連結部15と、
図1(b)に示すように、係止部16と、ピン17と、被係止部18と、を備える。焚火台1Aは、ステンレス、アルミ、チタン又は鉄等の金属製である。
【0010】
図1(a)に示すように、焚火台1Aが組み立てられた状態で、第1壁部11、第2壁部12、第3壁部13及び第4壁部14は、底板部30の外周を囲み、高さ方向Hに貫通する正方形枠状をなす。第1壁部11及び第3壁部13は、底板部30及びグリル40を介して対面する。第2壁部12及び第4壁部14は、第1壁部11及び第3壁部13に対して直交する向きで、底板部30及びグリル40を介して対面する。
底板部30は、灰を受けるパネルであり、外周縁部に側壁部を有する矩形、本例では、角取りされた正方形板状をなす。底板部30は、側壁ユニット10により周囲が囲まれ、焚火台1Aの設置面Gから離れた位置に側壁ユニット10により支持される。
【0011】
各壁部11~14の外形は、互いに同一のサイズの八角形状をなす。各壁部11~14は、上側フレーム21と、下側フレーム22と、本体部23と、を備える。本体部23は、幅方向Wに長い長方形板状をなす。第2壁部12及び第4壁部14それぞれの本体部23には、複数の通気孔23aが形成されている。複数の通気孔23aは、それぞれ高さ方向Hに長い長孔で、幅方向Wに並ぶように配置される。各通気孔23aは、高さ方向Hにおいて、底板部30とグリル40の間に位置する。
【0012】
グリル40は、薪又は木炭が設置される部材であり、底板部30の上方において各壁部11~14に囲まれて、各壁部11~14の後述するグリル支持部24に支持されている。
図2に示すように、グリル40は、本体部42と、本体部42の外周側に設けられる計4つのフック部41と、を備える。本体部42は、互いに平行に並べられた複数の平行線材42aと、グリル40の外周に沿う角取りされた正方形の外形線材42bと、を備える。フック部41は、平行線材42aと平行に延びるフック用線材42cの両先端が折り曲げられたL字状をなす。
【0013】
図1(a),(c)に示すように、各壁部11~14の本体部23は、グリル40を支持するグリル支持部24を備える。グリル支持部24は、本体部23の内面に幅方向Wに沿って延びる中空の凸状に形成されている。各グリル支持部24には、グリル40の2つのフック部41が嵌まる2つの孔24aが形成されている。孔24aは、グリル支持部24の上面と側面に連続する長孔として形成される。第2壁部12及び第4壁部14のグリル支持部24は、本体部23の高さ方向Hの中央部に位置する。第1壁部11及び第3壁部13のグリル支持部24は、第2壁部12及び第4壁部14のグリル支持部24よりも高さ方向Hに高い位置にあり、本体部23の上端に位置する。
【0014】
図1(a)に示すように、上側フレーム21と下側フレーム22は、互いに別体の線材からなり、高さ方向Hに対称の形状をなす。上側フレーム21は、八角形状の上部外形に沿って延びる。
上側フレーム21は、焚火台1Aの収納時に持ち手として利用される持ち手辺部21aと、持ち手辺部21aの両側に位置する傾斜辺部21b,21cと、高さ方向Hに延びる回転軸部21d,21eと、を備える。持ち手辺部21aの長さは、傾斜辺部21b,21cの長さよりも長く形成されている。傾斜辺部21b,21cは、幅方向Wにおいて、持ち手辺部21aから遠ざかるにつれて、設置面Gに近づくように傾斜する。回転軸部21d,21eは、それぞれ、傾斜辺部21b,21cの持ち手辺部21aと反対側の端部に連結され、設置面Gに向けて高さ方向Hに延びる。回転軸部21d,21eの下部は、本体部23の側方上部に固定されている。
【0015】
下側フレーム22は、八角形状の下部外形に沿って延びる。下側フレーム22は、焚火台1Aの使用時に設置面Gに接触する設置辺部22aと、設置辺部22aの両側に位置する傾斜辺部22b,22cと、高さ方向Hに延びる回転軸部22d,22eと、を備える。ここで、焚火台1Aの使用時とは、グリル40上の薪又は木炭を燃やしているときである。傾斜辺部22b,22cは、幅方向Wにおいて、設置辺部22aから遠ざかるにつれて、設置面Gから遠ざかるように傾斜する。傾斜辺部22b,22cは、傾斜辺部21b,21cと平行をなし、設置辺部22aに対して45°の角度で延びる。回転軸部22d,22eは、それぞれ、傾斜辺部22b,22cの設置辺部22aと反対側の端部に連結され、設置面Gから遠ざかるように高さ方向Hに延びる。回転軸部22d,22eの上部は、本体部23の側方下部に固定されている。
【0016】
図1(a)に示すように、3つの連結部15は、各壁部11~14の幅方向Wの端部を高さ方向Hに沿う回転軸を中心に回転可能に連結する。3つの連結部15は、焚火台1Aが組み立てられた状態で、第1壁部11と第2壁部12の間の角部、第2壁部12と第3壁部13の間の角部、第3壁部13と第4壁部14の間の角部それぞれに1つずつ設けられる。このように、各壁部11~14は、各壁部11~14が1列で並ぶことが可能となるように各連結部15によりヒンジ止めされる。これにより、各壁部11~14を展開することにより幅方向Wに沿う並列方向に並んだ状態となったり、各壁部11~14を蛇腹状に折り畳むことにより、
図2に示すように、各壁部11~14をその厚さ方向に重なった収納状態となったりする。
【0017】
詳しくは、
図1(d)に示すように、連結部15は、第1回転支持部15aと、第2回転支持部15bと、を備える。第1回転支持部15a及び第2回転支持部15bは、それぞれ高さ方向Hに沿って延びる円筒状をなし、互いに外周面が連結されている。第1回転支持部15aの上端には、第4壁部14の回転軸部21dの下部が回転可能に挿入され、第1回転支持部15aの下端には、第4壁部14の回転軸部22dの上部が回転可能に挿入されている。第1回転支持部15bの上端には、第3壁部13の回転軸部21dの下部が回転可能に挿入され、第1回転支持部15bの下端には、第3壁部13の回転軸部22dの上部が回転可能に挿入されている。
上記では、第3壁部13と第4壁部14の間の連結部15の構成について説明したが、
第1壁部11と第2壁部12の間の連結部15、及び第2壁部12と第3壁部13の間の連結部15も同様の構成を有する。
【0018】
図3に示すように、係止部16及び被係止部18は、各壁部11~14の各角部のうち連結部15が設けられていない角部に設けられる。係止部16は、幅方向Wにおいて第4壁部14の第1壁部11に近い端部に位置する。被係止部18は、幅方向Wにおいて第1壁部11の第4壁部14に近い端部に位置する。
【0019】
第4壁部14の係止部16は、第1壁部11の被係止部18に係止可能であるとともに、焚火台1Aとは別の焚火台1B(
図6参照)の第1壁部11Bの被係止部18Bに係止可能である。また、被係止部18には、第4壁部14の係止部16が係止可能であるとともに、別の焚火台1B(
図6参照)の第4壁部14Bの係止部16Bが係止可能である。
【0020】
図3に示すように、係止部16は、高さ方向Hに沿う回転軸Ax1を中心に回転する回転部16kと、回転部16kとともに回転軸Ax1を中心に回転し、被係止部18に係止可能であるカバー部16cと、を備える。回転部16kは、高さ方向Hに延びる円筒状をなす。回転部16kの上部には、第4壁部14の回転軸部21dが挿入され、回転部16kの下部には、第4壁部14の回転軸部22dが挿入されている。これにより、回転部16kは、回転軸部21d,22dにより回転軸Ax1を中心に回転可能に支持される。
【0021】
カバー部16cは、回転部16kに固定されていて、回転部16kと一体的に回転軸Ax1を中心に回転する。カバー部16cは、本体板部16c1と、先端部16c2と、を備える。本体板部16c1は、高さ方向Hに沿って延びる板状をなす。先端部16c2は、本体板部16c1の先端側(回転部16kから遠い側の端部)に位置し、本体板部16c1に直交する方向に延びる。
図4(b)に示すように、係止部16が被係止部18に係止した係止状態にあるとき、先端部16c2は、回転部16kとの間で被係止部18を挟み込むように位置する。
図3に示すように、カバー部16cには、カバー部16cが回転軸Ax1を中心に回転する際にピン17の軸部17bが進入する切り込み部16aが形成されている。切り込み部16aは、幅方向Wに沿って延び、先端部16c2の全域と本体板部16c1の一部にわたって形成されている。
【0022】
被係止部18は、高さ方向Hに沿う回転軸Ax2を中心に回転する。被係止部18は、高さ方向Hに延びる円筒状をなす。被係止部18の上部には、第1壁部11の回転軸部21dが挿入され、被係止部18の下部には、第1壁部11の回転軸部22dが挿入されている。これにより、被係止部18は、第1壁部11の回転軸部21d,22dにより回転軸Ax2を中心に回転可能に支持される。
【0023】
図3及び
図4(a),(b)に示すように、ピン17は、被係止部18とともに回転軸Ax2を中心に回転可能に被係止部18に取り付けられ、カバー部16cを被係止部18に係止した係止状態に保持する。
詳しくは、ピン17は、頭部17aと、軸部17bと、を備える。軸部17bは、外周にねじが切られた円柱状をなし、被係止部18に形成されたネジ孔18aに螺合されている。ネジ孔18aは、被係止部18の径方向に沿って、被係止部18を貫通するように形成されている。軸部17bは、ネジ孔18aに螺合された状態で、被係止部18の径方向に沿って延びるように設けられる。頭部17aは、円板状をなし、軸部17bの被係止部18から遠い端部に位置する。頭部17aは、回転操作されることにより、軸部17bがその軸方向に沿って被係止部18に対して進退する。また、ピン17は、被係止部18とともに回転軸Ax2を中心に回転する。
図4(b)に示すように、カバー部16cが被係止部18に係止した係止状態にあるとき、頭部17aがカバー部16cの本体板部16c1に面接触し、頭部17aにより本体板部16c1が被係止部18に押し付けられる。
【0024】
次に、焚火台1Aの組み立て方法について説明する。
この組み立て開始前には、
図2に示すように、各壁部11~14が互いに重なるように収納されている。ユーザーは、この収納状態で、各上側フレーム21の持ち手辺部21aを持ち手として把持して運搬可能である。
まず、各壁部11~14を設置面Gに対して立設させる。詳しくは、第1壁部11、第2壁部12及び第3壁部13を、高さ方向Hから見て、コの字状に立設させる。このとき、第4壁部14の係止部16が第1壁部11の被係止部18から離れた状態である。
次に、コの字状に立設された第1壁部11、第2壁部12及び第3壁部13の内部に底板部30が設置される。このとき、底板部30の外周縁部が第1壁部11及び第3壁部13それぞれの本体部23の下端部により支持される。
そして、グリル40の各フック部41が各グリル支持部24の各孔24aに挿入されることにより、グリル40を底板部30の上方に位置させる。
【0025】
次に、第4壁部14の係止部16が第1壁部11の被係止部18に近づくように第4壁部14が、コの字状に立設された第1壁部11、第2壁部12及び第3壁部13に対して閉じられる。これにより、
図3に示すように、係止部16が被係止部18と隣り合うように位置する。そして、
図4(a)の矢印J1に示すように、カバー部16cを回転軸Ax1を中心に被係止部18側に回転させる。このとき、ピン17の頭部17aがカバー部16cに干渉しないように、ピン17を軸回転させることによりピン17の頭部17aを被係止部18から退避させる。また、
図4(a)の矢印J2で示すように、ピン17の頭部17aをカバー部16cから遠ざけるように回転軸Ax2を中心にピン17を傾ける。
図4(a)の矢印J1に示すように、カバー部16cを被係止部18に対して閉じる際、カバー部16cの切り込み部16a内にピン17の軸部17bが進入する。カバー部16cを被係止部18に対して閉じた後、軸部17bがカバー部16cの本体板部16c1に略直交するように、
図4(a)の矢印J3に示すように、回転軸Ax2を中心にピン17を回転させる。そして、ピン17の頭部17aを回転操作することにより、
図4(b)に示すように、ピン17の頭部17aをカバー部16cに近づけてカバー部16cに面接触させる。これによって、ピン17により、カバー部16cが被係止部18に係止した係止状態に保持される。
以上で、焚火台1Aの組み立てが完了する。なお、焚火台1Aを組み立て状態から収納状態に戻すためには、上述した焚火台1Aの組み立て工程と逆の順序で工程を行えばよい。
【0026】
次に、組み立てられた焚火台1Aの底板部30に溜まった灰を除去する方法について説明する。
まず、グリル40が取り外される。そして、ピン17の頭部17aをカバー部16cから離れるように回転させ、カバー部16cを被係止部18に対して開き、非係止状態とする。そして、
図5の矢印J4に示すように、第4壁部14を、第1壁部11、第2壁部12及び第3壁部13に対して開く。これにより、第4壁部14が第3壁部13に重なった状態となり、各壁部11~14は開口方向Kに開いた状態となる。
そして、各壁部11~14の設置辺部22aが設置面Gに接触した状態から、ユーザーにより第2壁部12、第3壁部13及び第4壁部14の各傾斜辺部21bがユーザーにより把持されて持ち上げられ、焚火台1Aが設置面Gに対して傾けられる。このとき、第2壁部12、第3壁部13及び第4壁部14それぞれの傾斜辺部22cが設置面Gに接触した状態となる。焚火台1Aは、傾斜辺部22cが設置面Gに接触した状態で自立姿勢を保つ。また、このとき、底板部30が設置面Gに対して所定角度、例えば45°の角度で、開口方向Kに向かうにつれて設置面Gに近づくように傾斜する。この状態で、底板部30上の灰が外部へ排出される。灰の排出が完了すると、焚火台1Aの向きを各設置辺部22aが設置面Gに接触した状態に戻し、第4壁部14を閉じ、カバー部16cを係止状態とし、ピン17によりカバー部16cの係止状態を保持する。
以上で、灰を除去する方法の説明を終了する。
【0027】
(効果)
以上、説明した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)焚火台1Aは、側壁ユニット10を備える。側壁ユニット10は、枠状をなすように立設可能な複数の壁部11~14と、複数の壁部11~14が並列方向の一例である幅方向Wに並ぶことが可能となるように複数の壁部11~14の端部同士を回転可能に連結する連結部15と、幅方向Wにおける複数の壁部11~14の両端のうち一方(第4壁部14の第3壁部13とは反対側の端部)に位置する係止部16と、この両端のうち他方(第1壁部11の第2壁部12とは反対側の端部)に位置し、係止部16が係止可能な被係止部18と、を備える。
この構成によれば、焚火台1Aの側壁ユニット10を組み立てる際には、複数の壁部11~14を連結部15を介して枠状に立設させ、係止部16を被係止部18に係止する。このように、側壁ユニット10をより簡単に組み立てることができる。
【0028】
(2)係止部16は、焚火台1Aと同一の構成である別の焚火台1Bの側壁ユニット10Bが有する別台側被係止部の一例である被係止部18Bに係止可能に構成されている。被係止部18には、別の焚火台1Bの側壁ユニット10Bが有する別台側係止部の一例である係止部16Bが係止可能に構成されている。
この構成によれば、側壁ユニット10を単体で組み立ててもよいし、側壁ユニット10を別の側壁ユニット10Bに組み合わせてもよいため、焚火台を多様な形態に組み立て可能である。
【0029】
(3)焚火台1Aは、灰を受けるための矩形状の底板部30を備える。複数の壁部11~14は、底板部30の周囲を囲む4つの壁部11~14からなる。各壁部11~14は、焚火台1Aの使用時に焚火台1Aが設置される設置面Gに対して底板部30が平行となる状態で設置面Gに接触する設置部の一例である設置辺部22aと、設置辺部22aに対して傾斜しており、底板部30が設置面Gに対して傾斜した状態で設置面Gに接触する傾斜辺部22cと、を備える。焚火台1Aは、傾斜辺部22cが設置面Gに接触した状態で自立した自立姿勢を保つ。焚火台1Aがこの自立姿勢を保った状態で、係止部16が被係止部18から離れるように係止部16が設けられた第4壁部14が開かれたとき、底板部30は、外部へと開かれた開口方向Kに向かうにつれて設置面Gに近づくように傾斜する。
この構成によれば、焚火台1Aを傾斜辺部22cが設置面Gに接触した状態で自立させることにより、ユーザーの両手が自由となるため、簡単に底板部30上の灰を外部へ排出することができる。
【0030】
(4)係止部16は、幅方向Wに直交する高さ方向Hに沿う第1回転軸の一例である回転軸Ax1を中心に回転することにより、被係止部18に係止した係止状態と被係止部18から離れた非係止状態の間で遷移する。焚火台1Aは、頭部17a及び被係止部18に取り付けられる軸部17bを有し、高さ方向Hに沿う第2回転軸の一例である回転軸Ax2を中心に被係止部18とともに回転可能に構成されるピン17を備える。係止部16には、係止部16が非係止状態から係止状態に遷移する際に、ピン17の軸部17bが進入する切り込み部16aが形成されている。頭部17aは、係止部16に面接触した状態で、係止部16を係止状態に保持する。
この構成によれば、ピン17により、係止部16を被係止部18に強固に固定することができる。
【0031】
(第2実施形態)
本発明に係る焚火台の第2実施形態について、図面を参照して説明する。
図6に示すように、本実施形態の焚火台1Cは、上記実施形態の焚火台1Aの部品と焚火台1Aと同一の構成の焚火台1Bの部品に加えて、2つのグリル支持部材50,50Bと、追加グリル40tと、追加底板部30tと、を備える。
焚火台1Bは、上記実施形態の焚火台1Aと同様に、側壁ユニット10Bと、グリル40Bと、底板部30Bと、を備え、側壁ユニット10Bは、第1壁部11Bと、第2壁部12Bと、第3壁部13Bと、第4壁部14Bと、複数の連結部15Bと、係止部16Bと、ピン17Bと、被係止部18Bと、を備える。
【0032】
組み立て後の焚火台1Cは、焚火台1Aの各壁部11~14と焚火台1Bの各壁部11B~14Bが組み合わされることにより、高さ方向Hから見て長方形枠状をなす。詳しくは、第1壁部11、第2壁部12及び第3壁部13は、高さ方向Hから見てコの字状をなし、第4壁部14は、第3壁部13と同一平面上に隣接するように設けられ、第1壁部11は、第4壁部14Bと同一平面上に隣接するように設けられる。また、第1壁部11B、第2壁部12B及び第3壁部13Bは、高さ方向Hから見てコの字状をなし、第4壁部14Bは、第3壁部13Bと同一平面上に隣接するように設けられ、第1壁部11Bは、第4壁部14と同一平面上に隣接するように設けられる。第4壁部14の係止部16は、第1壁部11Bの被係止部18Bに係止した係止状態となっており、ピン17Bにより、この係止状態が保持される。また、第4壁部14Bの係止部16Bは、第1壁部11の被係止部18に係止した係止状態となっており、ピン17により、この係止状態が保持される。
【0033】
グリル40B及び底板部30Bは、高さ方向Hから見てコの字状をなす第1壁部11B、第2壁部12B及び第3壁部13Bにより囲まれつつ支持される。グリル40及び底板部30は、高さ方向Hから見てコの字状をなす第1壁部11、第2壁部12及び第3壁部13により囲まれつつ支持される。追加グリル40t及び追加底板部30tは、第4壁部14と第4壁部14Bの間に挟まれた位置で2つのグリル40,40Bの間に支持される。追加グリル40tは、第4壁部14のグリル支持部24と第4壁部14Bのグリル支持部24Bにより支持される。グリル支持部24,24Bの両端部には、それぞれ、グリル支持部24,24Bに直交する方向に延びるグリル支持部材50,50Bが設けられる。グリル支持部材50は、グリル支持部24,24Bの一端側(第2壁部12B側)に位置し、第2壁部12Bのグリル支持部24Bとともにグリル40Bを支持する。グリル支持部材50Bは、グリル支持部24,24Bの他端側(第2壁部12側)に位置し、第2壁部12のグリル支持部24とともにグリル40を支持する。
【0034】
図7に示すように、グリル支持部材50は、本体部51と、2つの挿入部52,53と、を備える。本体部51は、グリル支持部24と同様の構造である。本体部51には、孔24aと同様の各グリル40,40B,40tのフック部41(
図2参照)が嵌まる2つの孔51aが形成されている。2つの挿入部52,53は、本体部51の両端それぞれに位置し、本体部51に直交する同一方向に延びる板状をなす。挿入部52,53には、上方向に向けて開口したU字状の凹部52a,53aが形成されている。挿入部52はグリル支持部24B内に挿入され、挿入部53はグリル支持部24内に挿入される。各挿入部52,53がグリル支持部24,24Bに挿入された状態で、各挿入部52,53の凹部52a,53aはグリル支持部24,24Bの孔24aに重なる。このため、挿入部52,53によってグリル支持部24,24Bがグリル40を支持する機能が阻害されることがない。また、フック部41が、互いに重なる凹部52a,53aと孔24aに嵌まることにより、グリル支持部材50がグリル支持部24,24Bから抜け止め状態となる。グリル支持部材50Bは、グリル支持部材50と同様の構成からなる。
【0035】
次に、焚火台1Cの組み立て方法について説明する。
まず、
図6に示すように、各壁部11~14,11B~14Bを高さ方向Hから見て長方形枠状となるように立設させる。そして、係止部16を被係止部18Bに係止し、ピン17Bにより係止部16を被係止部18Bに固定する。また、係止部16Bを被係止部18に係止し、ピン17により係止部16Bを被係止部18に固定する。そして、底板部30,30B,30tを各壁部11~14,11B~14B内に設置する。なお、底板部30,30Bは、予め設置されていてもよい。次に、各グリル支持部材50,50Bをグリル支持部24,24Bの両端に装着し、最後に、各グリル40,40B,40tをグリル支持部材50,50B及びグリル支持部24,24Bに設置する。
以上で、焚火台1Cの組み立てが完了する。焚火台1Cを組み立て状態から収納状態に戻すためには、上述した焚火台1Cの組み立て工程と逆の順序で工程を行えばよい。
【0036】
(効果)
以上、説明した第2実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)焚火台1Cは、第1側壁ユニットの一例である側壁ユニット10と、第2側壁ユニットの一例である側壁ユニット10Bと、を備える。側壁ユニット10,10Bは、それぞれ、枠状をなすように立設可能な複数の壁部11~14,11B~14Bと、複数の壁部11~14,11B~14Bが幅方向Wに並ぶことが可能となるように複数の壁部11~14,11B~14Bの端部同士を回転可能に連結する連結部15,15Bと、幅方向Wにおける複数の壁部11~14,11B~14Bの両端のうち一方に位置する係止部16,16Bと、壁部11~14,11B~14Bの両端のうち他方に位置し、係止部16,16Bが係止可能な被係止部18,18Bと、を備える。焚火台1Cが組み立てられた状態で、側壁ユニット10の係止部16が側壁ユニット10Bの被係止部18Bに係止し、側壁ユニット10Bの係止部16Bが側壁ユニット10の被係止部18に係止する。
この構成によれば、焚火台1Cを、より簡単に組み立てることができるとともに、多様な形態に組み立て可能である。
【0037】
なお、本発明は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
【0038】
(変形例)
上記各実施形態において、焚火台1Aは、4つの壁部11~14を有していたが、壁部の数は4つに限らず、3つ以下又は5つ以上であってもよい。焚火台1Bも同様に、3つ以下又は5つ以上の壁部を有していてもよい。
上記第2実施形態においては、2つの焚火台1A,1Bの部品が組み合わされることにより1つの焚火台1Cが組み立てられていたが、3つ以上の焚火台の部品が組み合わされることにより1つの焚火台が組み立てられてもよい。
上記各実施形態において、各壁部11~14,11B~14Bの外形は八角形をなしていたが、八角形以外の多角形、例えば、三角形、四角形等であってもよい。
上記第1実施形態においては、焚火台1Aは、4つの壁部11~14により正方形枠状をなしていたが、正方形枠状に限らず、長方形枠状、三角形枠状、五角形枠状等のその他、多角形枠状であってもよいし、円筒状であってもよい。また、各壁部11~14は、平板状に限らず、湾曲板状であってもよい。
【0039】
上記各実施形態においては、各壁部11~14,11B~14Bは、上側フレーム21及び下側フレーム22を備えていたが、これに限らず、各壁部11~14,11B~14Bの全域にわたって平板状をなしていてもよい。
上記各実施形態におけるピン17,17Bは省略されてもよい。この場合、ピン17,17Bがなくても、係止部16,16Bが弾性力により被係止部18に強固に係止する構造であってもよい。
【0040】
上記第1実施形態において、各上側フレーム21に焚火台1Aの上方を覆うカバーが取り付けられていてもよい。例えば、第1壁部11の上側フレーム21と第3壁部13の上側フレーム21の間に延びるカバーにより焚火台1Aの上方を覆い、グリル40を第1壁部11及び第3壁部13それぞれのグリル支持部24に設置して、ピザ等の加熱対象物を第1壁部11及び第3壁部13それぞれの上側フレーム21内を通過させるように、グリル40上に差し入れ可能な構造であってもよい。
【0041】
上記実施形態には、例えば、以下の付記1に記載の技術的思想が開示されている。なお、この付記1は、本発明を何ら限定的に解釈するものではない。
(付記1)
側壁ユニットを備える焚火台であって、
前記側壁ユニットは、
枠状をなすように立設可能な複数の壁部と、
前記複数の壁部の端部同士を回転可能に連結する連結部と、を備え、
前記焚火台は、灰を受けるための底板部を備え、
前記複数の壁部は、前記底板部の周囲を囲み、
前記各壁部は、
前記焚火台が設置される設置面に対して前記底板部が平行となる状態で前記設置面に接触する設置部と、
前記設置部に対して傾斜しており、前記底板部が前記設置面に対して傾斜した状態で前記設置面に接触する傾斜部と、を備え、
前記焚火台は、前記傾斜部が前記設置面に接触しつつ自立した自立姿勢を保ち、
前記焚火台が前記自立姿勢を保った状態で、前記底板部は、前記複数の壁部の何れか一つが開かれたとき、外部へと繋がる開口方向に向かうにつれて前記設置面に近づくように傾斜する、
焚火台。
従来の焚火台では、焚火台から灰を排出する作業は面倒であった。上記構成によれば、焚火台を傾斜辺部が設置面に接触した状態で自立させることにより、簡単に底板部上の灰を外部へ排出することができる。
【符号の説明】
【0042】
1A,1B,1C…焚火台、10,10B…側壁ユニット、11,11B…第1壁部、12,12B…第2壁部、13,13B…第3壁部、14,14B…第4壁部、15,15B…連結部、16,16B…係止部、16a…切り込み部、16c…カバー部、16c1…本体板部、16c2…先端部、16k…回転部、17,17B…ピン、17a…頭部、17b…軸部、18,18B…被係止部、18a…ネジ孔、21…上側フレーム、21a…持ち手辺部、22a…設置辺部、21b,21c,22b,22c…傾斜辺部、21d,21e,22d,22e…回転軸部、22…下側フレーム、23,42,51…本体部、23a…通気孔、24,24B…グリル支持部、24a,51a…孔、30,30B,30t…底板部、30t…追加底板部、40,40B…グリル、40t…追加グリル、41…フック部、42a…平行線材、42b…外形線材、42c…フック用線材、50,50B…グリル支持部材、52,53…挿入部、52a,53a…凹部、G…設置面、H…方向、K…開口方向、W…幅方向、Ax1,Ax2…回転軸