IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スワン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-飲料容器用蓋 図1
  • 特開-飲料容器用蓋 図2
  • 特開-飲料容器用蓋 図3
  • 特開-飲料容器用蓋 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131921
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】飲料容器用蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/06 20060101AFI20230914BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B65D47/06
B65D43/08 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036942
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】395012341
【氏名又は名称】スワン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】上野 貴則
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC01
3E084CC02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DC01
3E084DC02
3E084DC03
3E084FA07
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084HC02
3E084HC03
3E084HD01
3E084JA17
3E084KA01
3E084KB01
3E084LB02
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】
飲料容器に入れたお湯にて、ドリッパーに設置したペーパーフィルターへ入れたコーヒーの粉体に注いで、蒸らし、そして抽出することで、本格的なコーヒーの淹れることができる飲料容器用蓋を提供することを目的とする。
【解決手段】
内側に空間(S)を有する蓋本体(1)と、前記蓋本体(1)の外側に湾曲して突設され前記空間(S)と連通する管状の注ぎ口部(2)と、前記蓋本体(1)の縁部(11)に配設され飲料容器本体(B)と係合する係合部(3)と、前記蓋本体(1)に配設され外部と前記空間(S)を連通する貫通孔(4)を備える飲料容器用蓋などにより解決することができた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に空間を有する蓋本体と、
前記蓋本体の外側に突設され前記空間と連通する管状の注ぎ口部と、
前記蓋本体の縁部に配設され飲料容器本体と係合する係合部と、
前記蓋本体に配設され外部と前記空間を連通する貫通孔と、
を備えることを特徴とする飲料容器用蓋。
【請求項2】
前記係合部が、前記縁部の内側に配設され前記飲料容器本体と螺合する螺旋状の突起又は溝の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の飲料容器用蓋。
【請求項3】
前記縁部とは反対側に位置し、前記蓋本体の上部より突出した摘まみ部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飲料容器用蓋。
【請求項4】
前記注ぎ口部の内径が、3~10mmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の飲料容器用蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水筒、魔法瓶やマグボトルなどの飲料容器の本体に着脱可能であり、飲料容器の本体に取り付けてコーヒーを淹れるためのドリップポットとして使用することができる蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自宅などで用意したコーヒーを外出先に持ち出すときには、水筒やマグボトルなどの飲料容器の本体にコーヒーを入れて、蓋で密栓し、外出先にて飲料容器の蓋にコーヒーを注いで飲んだり、飲料容器の本体の開口部に口をつけて直接コーヒーを飲んだりしていることが多かった。
【0003】
例えば、特許文献1には、容器と、容器の開口部に配設された中栓と、中栓を覆うようにして容器と螺合する蓋体を備える携帯用液体容器が開示されている。当該携帯用液体容器の内部に、例えば、自宅で用意したコーヒーなどの液体飲料を入れて持ち運び、蓋をコップとして用いて液体飲料を飲むことができる。
【0004】
また、特許文献2には、容器本体と、容器本体の口部を覆うようにして容器本体と螺合する蓋を備える水筒や魔法びん等の蓋付き容器が開示されている。特許文献1の携帯用液体容器と同様に、当該蓋付き容器の内部に、例えば、自宅で用意したコーヒーなどの液体飲料を入れて持ち運び、蓋をコップとして用いて、又は、容器本体の口部から直接的に液体飲料を飲むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-46860
【特許文献2】特開2001-19001
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方で、コーヒーの愛好家やコーヒーの専門店などでは、コーヒー豆から挽いたコーヒーの粉体を、ドリッパーに設置したペーパーフィルターへ入れて、ドリップポットからお湯をそのコーヒーの粉体に注いで、蒸らし、そして抽出するという、本格的なコーヒーの淹れる方法が用いられているところ、そのような淹れたてのコーヒーを、外出先においても飲みたいとの要望も高まっている。しかし、特許文献1や特許文献2に開示された飲料容器では、インスタントではなく、上述したような本格的な方法に淹れたコーヒーであったとしても、外出先で飲むときには時間が経過しており雑味が出たりして淹れたてのコーヒーに比べると劣ることとなる。
【0007】
そして、特許文献1や特許文献2に開示された飲料容器にお湯を入れて、外出先で上述したような本格的な方法によってコーヒーを淹れることが考えられるが、特許文献1や特許文献2に開示された飲料容器では、注ぎ口が大きいことでコーヒーの粉体を蒸らすためにお湯を少量そっと注ぎ入れ、そして、蒸らしたコーヒーの粉体に複数回に分けて穏やかにお湯を注いで抽出するという操作において湯量の調整が難しいという課題があった。
【0008】
そのため、本発明においては、飲料容器に入れたお湯にて、ドリッパーに設置したペーパーフィルターへ入れたコーヒーの粉体に注いで、蒸らし、そして抽出することで、本格的なコーヒーの淹れることができる飲料容器用蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
〔1〕すなわち、内側に空間(S)を有する蓋本体(1)と、前記蓋本体(1)の外側に突設され前記空間(S)と連通する管状の注ぎ口部(2)と、前記蓋本体(1)の縁部(11)に配設され飲料容器本体(B)と係合する係合部(3)と、前記蓋本体(1)に配設され外部と前記空間(S)を連通する貫通孔(4)と、を備えることを特徴とする飲料容器用蓋である。
【0010】
〔2〕そして、前記係合部(3)が、前記縁部(11)の内側に配設され前記飲料容器本体(B)と螺合する螺旋状の突起(31)又は溝の少なくとも一方であることを特徴とする前記〔1〕に記載の飲料容器用蓋である。
【0011】
〔3〕そして、前記蓋本体(1)において、前記縁部(11)とは反対側に位置し、前記蓋本体(1)の上部より突出した摘まみ部(5)を備えることを特徴とする前記〔1〕又は前記〔2〕に記載の飲料容器用蓋である。
【0012】
〔4〕そして、前記注ぎ口部(2)の内径が、3~10mmであることを特徴とする前記〔1〕から前記〔3〕のいずれか一項に記載の飲料容器用蓋である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の飲料容器用蓋によれば、飲料容器に入れたお湯にて、ドリッパーに設置したペーパーフィルターへ入れたコーヒーの粉体に注いで、蒸らし、そして抽出することで、本格的なコーヒーの淹れることができる。さらには、上述した本格的な方法によってコーヒーを淹れるために、市販のドリップポットを外出先に持ち運ぶことに比べると携帯性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本件発明の飲料容器用蓋の斜視図である。
図2図1における中央断面図である。
図3】本件発明の飲料容器用蓋を飲料容器本体と分離しているときの分解斜視図である。
図4】本件発明の飲料容器用蓋を飲料容器本体に取り付けたとき及び他の蓋本体の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る飲料容器用蓋に関する実施の形態について、添付の図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この形態に限定されるものではない。また、「~」の記号を用いて表す数値範囲において、上限及び下限の数値はその範囲に含まれるものである。
【0016】
本発明の実施例に係る飲料容器用蓋は、図1から図4に示すように、蓋本体1、注ぎ口部2、係合部3、貫通孔4、摘まみ部5などから構成されており、飲料容器本体Bと係合される。そして、飲料容器本体Bと係合された飲料容器用蓋において、注ぎ口部2から、飲料容器本体Bに入れられているお湯などをドリッパーに注ぐことができる。
【0017】
蓋本体1は、本発明に係る飲料容器用蓋を構成する基本的な部材であり、飲料容器本体Bと係合したときに飲料容器本体Bの開口を覆う部材である。そして、蓋本体1は、内側に空間Sを有しており、飲料容器本体Bに入れられているお湯などを、空間Sを介して注ぎ口部2へ送液することができる。
【0018】
蓋本体1の外部形状及び内部形状は、本実施形態において、略円錐台の形状を有しているが、他の実施形態において、円錐台、円柱状、略円柱状、半球状、略半球状、角柱状、略角柱状、角錐台状、略角錐台状など、飲料容器本体Bと係合して飲料容器本体Bの開口を覆い注ぎ口部2へ送液することができる限りにおいて、種々の形状を有していてもよい。
【0019】
図1図2に示すように、飲料容器本体Bと係合する側である蓋本体1の下部が縁部11となっており、その縁部11の内側に係合部3を有している。本実施形態において、縁部11の内側に係合部3が設けられているが、他の実施形態において、縁部11の外側に係合部3が設けられ、飲料容器本体Bの開口の内側と係合するようにしてもよい。
【0020】
注ぎ口部2は、蓋本体1の外側に位置し、直線状に又は湾曲して突設され前記空間(S)と連通する管状の部材である。注ぎ口部2の先端において吐出口21が開口しており、吐出口21からお湯などが吐出される。注ぎ口部2は、図1図2などに示すように、略S字状、略サインカーブ状(1周期)などのように全体として湾曲した形状であることが好ましい。さらに、上述したように、注ぎ口部2は管状の部材であるところ、その内径が3~10mmであることが好ましく、5~8mmであることがさらに好ましい。そして、注ぎ口部2の全長が3~15cmであることが好ましく、5~10cmであることがさらに好ましい。注ぎ口部2がこれらのような形状であると、飲料容器本体Bに入れたお湯にて、ドリッパーに設置したペーパーフィルターへ入れたコーヒーの粉体に注ぐときに、注ぎ場所及び湯量を調整しやすい。すなわち、コーヒーの粉体を蒸らす工程、その後のコーヒーの粉体を抽出する工程のときに、注ぎたい箇所に過不足なく注ぎ口部2の先端から適量のお湯を注ぐことができる。
【0021】
さらに、注ぎ口部2の先端において、図1図2に示すように、注ぎ口部2の延伸方向に対して斜めに切断されたように、吐出口21が斜め上部方向に開口しており、外形おいて略楕円状又は長孔状に形成されていることが好ましい。吐出口21がこのような形状であると、コーヒーの粉体を蒸らす工程、その後のコーヒーの粉体を抽出する工程のときに、より注ぎたい箇所に過不足なく注ぎ口部2の先端から適量のお湯を注ぐことができる。
【0022】
蓋本体1と注ぎ口部2の材質は、ステンレス、チタン、アルミニウム合金、銅、真鍮などの金属又は耐熱性のガラスであることが好ましい。蓋本体1と注ぎ口部2の材質が前記の金属であると、飲料容器本体Bに入れたお湯が100℃に近い熱湯であるときに、熱による変形が生じず、さらに、適度に放熱して、コーヒーの粉体の蒸らし工程、抽出工程に適した温度に下げやすい。なお、蓋本体1と注ぎ口部2の外側の材質を前記の金属として、保温性を高めるなどのために、内側にポリプロピレンなどの樹脂を有する2層構造や金属の2層の間に真空層を介在させた断熱構造とすることもできる。
【0023】
係合部3は、上述したように、蓋本体1の縁部11に設けられ、飲料容器本体Bと係合する部材である。図2に示すように、本実施形態において、係合部3は、蓋本体1の縁部11の内側である内周面に配設され、飲料容器本体Bの開口の外側に配設された螺旋状に突設された部材と螺合する螺旋状の突起31である。係合部3がこのように形成されることにより、飲料容器用蓋を飲料容器本体Bに対して回動することで飲料容器本体Bと係合し、飲料容器用蓋と飲料容器本体Bを一つの容器のように一体として取り扱うことができる。
【0024】
そして、他の実施形態において、係合部3は、飲料容器本体Bの開口側に配設された螺旋状に突設された部材と螺合することができる限りにおいて、螺旋状の溝とすることができ、さらには、螺旋状の突起31と溝を両方設けて、飲料容器本体Bの開口側とよりしっかり係合するように形成されてもよい。さらに他の実施形態において、係合部3は、突起31や溝ではなく、飲料容器本体Bの開口側と係合する限りにおいて、フック、面ファスナー、磁石を設けたり、弾性部材を縁部11に設け係脱可能な突起や溝を設けたりしてもよい。
【0025】
貫通孔4は、蓋本体1に配設され、外部と空間Sを連通する孔である。貫通孔4を通じて外部より空間Sに空気が流入することで、飲料容器本体Bに入れたお湯を、注ぎ口部2から滑らかに注ぐことができる。図1図2などに示すように、本実施形態において、貫通孔4は、蓋本体1の縁部11とは反対側である蓋本体1の上部に穿設されている。より具体的には、貫通孔4は、蓋本体1の上面において、摘まみ部5を介して、注ぎ口部2とは反対側に穿設されている。貫通孔4がこのような箇所に設けられていることにより、飲料容器本体Bに入れたお湯を注ぎ口部2から注ぐときに、貫通孔4からお湯が漏れ出ることを防ぐことができる。
【0026】
摘まみ部5は、蓋本体1において、縁部11とは反対側である上部に位置し、蓋本体1の上部より突出して設けられている。摘まみ部5により、飲料容器本体Bから蓋本体1を持ち上げたり、コーヒードリップポットとしての雰囲気を演出したりしている。本実施形態において、摘まみ部5は、蓋本体1の上部に位置する上面の略中央部に突設されている。そして、本実施形態において、摘まみ部5は、上面側が面積の小さい逆円錐台形状であるが、他の実施形態において、円錐台状、円柱状、略円柱状、球状、略球状、半球状、略半球状、円盤状、略円盤状半円盤状、半円盤状、略半円盤状、半円環状、略半円環状、角柱状、略角柱状、角錐台状、略角錐台状、逆角錐台状など、使用者らが摘まむことができる限りにおいて、種々の形状を有していてもよい。
【0027】
摘まみ部5は、使用者が指で摘まんだりする部材であるので、火傷などを起こさないように、コルク、ポリプロピレンなどの樹脂などの熱伝導性の低い材質であることが好ましい。
【0028】
また、本発明に係る飲料容器用蓋を用いることで、外出先にて、ドリッパーに設置したペーパーフィルターへ入れたコーヒーの粉体に注いで、蒸らし、そして抽出することで、本格的なコーヒーの淹れることができるが、外出先の移動中などは飲料容器本体Bに入れたお湯などがこぼれないように、図4に示すように、孔が穿設されておらず飲料容器本体Bに入れたお湯などを密閉することができる他の蓋体Cを飲料容器本体Bに係合しておくことができる。また、飲料容器本体Bの開口において中栓を設けて持ち運べるようにして、中栓を外して、本発明に係る飲料容器用蓋を飲料容器本体Bと係合するようにしてもよい。なお、飲料容器本体Bにはお湯ではなく水を入れて置き、キャンプ場などで水からお湯を沸かして使用することもできる。
【符号の説明】
【0029】
1・・・蓋本体
11・・・縁部
2・・・注ぎ口部
21・・・吐出口
3・・・係合部
31・・・突起
4・・・貫通孔
5・・・摘まみ部
S・・・空間
B・・・飲料容器本体
C・・・他の蓋体
図1
図2
図3
図4