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  • 特開-複層外装材、及びその製造方法 図1
  • 特開-複層外装材、及びその製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131925
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】複層外装材、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   E04D 3/35 20060101AFI20230914BHJP
   E04D 3/362 20060101ALI20230914BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20230914BHJP
   E04D 3/36 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
E04D3/35 B
E04D3/362 A
E04D3/362 B
E04F13/08 A
E04F13/08 M
E04F13/08 101B
E04D3/36 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036948
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000253400
【氏名又は名称】舩木商事有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】舩木 元旦
【テーマコード(参考)】
2E108
2E110
【Fターム(参考)】
2E108AA02
2E108AS02
2E108AS03
2E108BB04
2E108BN02
2E108CC02
2E108CC07
2E108CV01
2E108DD03
2E108EE01
2E108EE02
2E110AB02
2E110AB04
2E110AB22
2E110BA02
2E110BA03
2E110DA03
2E110DA09
2E110DB23
2E110DC12
2E110GA24X
2E110GA32W
2E110GA32X
2E110GA33X
2E110GA42W
2E110GA42X
2E110GB01X
2E110GB02X
2E110GB03X
2E110GB05X
2E110GB06X
2E110GB42W
2E110GB46W
(57)【要約】
【課題】少なくとも二種の複層外装材とすることで、求められる意匠と強度等の性能を組み合わせることで高価な材質の使用量を減らし、価格の高騰を最小限とする複層外装材、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の複層外装材1は、面板部21の側縁に相互に係合可能な成形部22,23が設けられると共に、面板部21に複数の開孔部210を設けた芯材2と、芯材2の面板部21と略同断面からなる面状部31が備えられると共に、その側縁が芯材2の成形部22,23に延在し、芯材2,2同士の係合状態において挟持される表面材3と、を一体化させたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
面板部の側縁に相互に係合可能な成形部が設けられると共に、前記面板部に複数の開孔部が設けられた芯材と、
前記芯材の前記面板部と略同断面からなる面状部が備えられると共に、その側縁が前記芯材の前記成形部に延在し、前記芯材同士の係合状態において挟持される表面材と、を一体化させたことを特徴とする複層外装材。
【請求項2】
前記芯材の裏面に、裏面材として非金属製のシート材が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の複層外装材。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の複層外装材の製造方法であって、
前記表面材と前記芯材と前記裏面材とを一体化して複合板とする工程と、
一体化した前記複合板の少なくとも前記芯材側縁に、外装材同士に係合可能な前記成形部を形成する工程と、
からなることを特徴とする複層外装材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも二種の複層外装材とすることで、求められる意匠と強度等の性能を組み合わせることで高価な材質の使用量を減らし、価格の高騰を最小限とする複層外装材、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋根等に用いられる各種の外装材には、様々な材質、板厚が想定されているが、使用環境における性能や意匠性等によって種々に選択され、適宜に用いられているものである。例えば金属板材としては、ステンレス等の鉄鋼系やアルミ等の非鉄金属系など多種の材料が知られ、同様にセラミック板材や樹脂製板材においても、多種の材料が知られている。一般的に高い性能特性を有するものは、それに応じて価格が高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、要望される諸条件と、その価格は必ずしも一致するものではなく、要望通りに採用できないことも多々見受けられる。
また、複数の板(材料)を積層する場合には、圧着状態(加圧した状態)で養生する必要があるため、製造コストの上昇は避けられなかった。
【0004】
そこで、本発明は、少なくとも二種の複層外装材とすることで、求められる意匠と強度等の性能を組み合わせることで高価な材質の使用量を減らし、価格の高騰を最小限とする複層外装材、及びその製造方法を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、面板部の側縁に相互に係合可能な成形部が設けられると共に、前記面板部に複数の開孔部が設けられた芯材と、前記芯材の前記面板部と略同断面からなる面状部が備えられると共に、その側縁が前記芯材の前記成形部に延在し、前記芯材同士の係合状態において挟持される表面材と、を一体化させたことを特徴とする複層外装材に関する。
【0006】
また、本発明は、前記複層外装材において、前記芯材の裏面に、裏面材として非金属製のシート材が配設されていることを特徴とする複層外装材をも提案するものである。
【0007】
さらに、本発明は、前記複層外装材の製造方法であって、前記表面材と前記芯材と前記裏面材とを一体化して複合板とする工程と、一体化した前記複合板の少なくとも前記芯材側縁に、外装材同士に係合可能な成形部を形成する工程と、からなることを特徴とする複層外装材の製造方法をも提案するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の複層外装材は、複数の開孔部を設けた面板部の側縁に成形部を形成した芯材と表面材とが一体化されたものであるから、例えば開孔部をビスやボルト等の固着具を固定する部位として用い、成形部を隣り合う複層外装材同士の係合状態において挟持されるように用いることができ、各種の壁や屋根などに用いられる外装材として適用することができる。
また、開孔部は、表面材と芯材とを接着等で一体化させる際の空気抜きともなるため、養生なく成形することが可能となる。
【0009】
また、芯材の裏面に、裏面材として非金属製のシート材が配設されている場合には、前述の作用(開孔部が養生に貢献)がこの裏面材と芯材とを接着等で一体化させる際にも適用され、開孔部が空気抜きともなるため、養生なく成形することが可能となる。しかも、シート材によって、接着剤が開孔部から裏面に回っても成形機等への付着を防ぐことができるので、養生なく成形が可能になる。
【0010】
さらに、本発明の複層外装材の製造方法は、前記表面材と前記芯材と前記裏面材とを一体化して複合板とする工程と、一体化した前記複合板の少なくとも前記芯材側縁に、外装材同士に係合可能な成形部を形成する工程と、からなるので、より簡易に様々な複層外装材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)本発明の複層外装材の接続構造の一実施例を示す断面図、(b)その一部を拡大して示す断面図である。
図2】(a)本発明の複層外装材を成形する以前の状態を示す裏面図、(b)各層を分離して示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の複層外装材は、面板部の側縁に相互に係合可能な成形部が設けられると共に、前記面板部に複数の開孔部が設けられた芯材と、前記芯材の前記面板部と略同断面からなる面状部が備えられると共に、その側縁が前記芯材の前記成形部に延在し、前記芯材同士の係合状態において挟持される表面材と、を一体化させたことを特徴とする。
そして、この複層外装材は、各種の壁や屋根などに用いられ、例えば屋根材として採用する場合には、横葺き、縦葺き等、汎用的に用いられるものであればよい。
【0013】
前記芯材としては、外装構造を施工した後には、求められる強度や各種耐性等によって材質、板厚等が選択される板状材であり、例えば表面化粧鋼板、ラミネート鋼板、メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ合金板、チタン合金板、銅板、真鍮板、鉛板等の公知の金属素材等が適宜に用いられる。
また、この芯材の複数の開孔部が備えられる面板部は、後述する図示実施例では有孔板が採用されているが、その開孔部としては、その形状、数、大きさ、配列は問わず、強度等の性能が確保されればよい。そして、この開孔部は、表面材と芯材を接着等で一体化させる際の空気抜きとなるため、養生なく成形することが可能となる。また、この開孔部を、ビスやボルト等の固着具を固定する部位として用いることもできる。
【0014】
そして、この芯材は、複数の開孔部が設けられた面板部の側縁に成形部が形成される構成であって、この成形部は、相互に係合可能であれば特に限定するものではない。
後述する図示実施例には、相互に係合可能である成形部の一例を示しており、一方の成形部には側方が開放する係合溝を形成し、他方の成形部には前記係合溝へ差し込むように挿入される挿入片が形成されているが、特に限定するものではない。
【0015】
前記表面材としては、外装構造を施工した後には、求められる意匠(化粧)や防水性能(非透水性能)等によって色、材質等が選択される板状材であり、前記芯材の面板部と略同断面からなる面状部を有し、その側縁が前記芯材の前記成形部に延在し、前記芯材同士の係合状態において挟持される。
この表面材の面状部は外装面となるため、化粧性を備える各種の金属板材や非透水性シート材等が適宜に用いられ、接着や融着、溶着等を含む各種の接着手段、或いは周知の機械固定等により、隣り合う表面材と一体的に重合接続できるものが望ましい。金属板材を用いる場合には、前記芯材もこの表面材も共に金属板材となるが、前記芯材としては、汎用的で安価な強度が高い0.5mm以上の板材が用いられ、この表面材としては、特殊な表面処理が施されたり、高価な、例えばチタン等の0.35~0.5mm程度の薄肉の板材が用いられる。非透水性シート材としては、塩ビ系、オレフィン系のプラスチックシート材やその他公知の防水シート材を用いることもできるし、塩ビ等の樹脂層にポリクロス、フェルト層、ガラス繊維基布等の芯体又は補強体が積層された構成の複合防水シートを用いてもよく、特に耐火(防火)性能に優れた複合防水シートが望ましい。
【0016】
そして、この表面材の面状部の側縁(側縁部、挟持部分)は、前記芯材の成形部に延在し、芯材同士の係合状態において挟持される部位である。即ち挟持させることで、接着等の一体化手段に経年による劣化、不良が生じても、表面材の剥離を最小限とすることができる。
後述する図示実施例には、前述のように相互に係合可能である成形部の一例を示し、挟持部分はそれらの成形部に延在し、係合状態において係合溝内において挟持される状態となっているので、表面材の剥離が最小限に抑えられる。なお、挟持状となる形状であればよく、端部が芯材に係合(折り返し等による)してもよい。
【0017】
前記芯材と前記表面材とは、接着や融着、溶着等で一体化させるが、接着剤等を用いた接着は全面を接着するものでも、部分的に接着するものでもよい。なお、この芯材には、複数の開孔部が形成されているが、その表面側に一体化する表面材として薄肉の金属板材や非透水性シート材等を用いることにより、開孔部を塞いて室内側へ雨水が浸入することを防止する。
【0018】
前記芯材と前記表面材は、接着や融着、溶着等を含む各種の接着手段が略全面的に展開されている状態(但し、少なくとも一辺は非接着状態であることが好ましい)、即ち略全面的に接着している状態でもよいし、例えばドット状、縞状などのように部分的に接着していてもよい。尤も、一体化の状態を維持するためには、特に接着面積の少ない部分的な接着では、剥がれずに強力に接着している必要があるが、具体的な接着手段について限定するものではない。また、熱接着、熱融着等により接着されていてもよいが、自然界にて発生するような熱量以上で接着又は融着されてることが望ましい。
【0019】
なお、後述する図示実施例は、隣り合う外装材同士が相互に係合可能な成形部を備え、下地への固定部をも備えているが、その固定部についてもその成形部についても特に限定するものではない。
【0020】
前記下地は、新設、既設を問わず、さらに新設の場合も、RC、木造、鉄骨等を限定するものではなく、既設屋根の場合も防水屋根、金属、瓦等、様々な既設屋根に対応することができる。また、下地表面上に発泡断熱材(ポリスチレン等)を配したものであってもよい。
【0021】
また、芯材の裏面に、裏面材として不織布シート、断熱性能を有する発砲系シート、ガラス繊維シート等の非金属製のシート材が配設されている場合には、前述の作用(開孔部が養生に貢献)がこの裏面材と芯材とを接着等で一体化させる際にも適用され、開孔部が空気抜きともなるため、養生なく成形することが可能となる。しかも、シート材によって、接着剤が開孔部から裏面に回っても成形機等への付着を防ぐことができるので、養生なく成形が可能になる。この裏面材(非金属性のシート材)としては、不織布シート、断熱性能を有する発砲系シート、ガラス繊維シート等が用いられる。
【0022】
さらに、本発明の複層外装材の製造方法は、前記表面材と前記芯材と前記裏面材とを一体化して複合板とする工程と、一体化した前記複合板の少なくとも前記芯材側縁に、外装材同士に係合可能な成形部を形成する工程と、からなるので、より簡易に様々な複層外装材を製造することができる。
【実施例0023】
本発明の実施例1の複層外装材1は、図1に示すように、面板部21の側縁に相互に係合可能な成形部22,23が設けられると共に、面板部21に複数の開孔部210が設けられた芯材2と、該芯材2の面板部21と略同断面からなる面状部31が備えられると共に、その側縁(側縁部32,33)が芯材2の成形部22,23に延在し、芯材2,2同士の係合状態において挟持される表面材3と、を一体化させた構成である。
【0024】
前記芯材2は、外装構造を施工した後には、求められる強度や各種耐性等によって材質、板厚等が選択される板状材であり、一部に開孔部210が形成された各種の金属板材からなる有孔板である。
この芯材2は、その成形前には、図2に示すように表面材(3)と重合状に接着剤(図示せず)にて接合されている。
なお、図2では、芯材(2)に表面材(3)ばかりでなく裏面材(4)を重合させた状態を示しているが、この裏面材(4)を除いた状態が前記図1に用いた成形前の複層外装材1である。
【0025】
この芯材2の複数の開孔部210を設けた面板部21の側縁には、相互に係合可能である成形部22,23が形成されている。
この実施例1における面板部21は、側縁部分と中央部分との境に軽微な段差211,211を設けることにより、中央部分が側縁部分よりも僅かに裏面側に凹んでいるが略平坦状に形成されている。
【0026】
面板部21の一方(図1では右方)に形成された成形部22は、係合溝222及び凹状部224を備える構成であり、他方(図1では左方)に形成された成形部23は、係合溝222に差し込み状に係合される挿入片である。
この一方の成形部22は、面板部21の側縁に折返し加工が連続して行われ、重合状の突出部221、側方に延在する延在部223、及びその間に係合溝222が形成され、さらに延在部223の先端には裏面側へ窪む凹状部224が形成されている。
なお、前記凹状部224の略中央には図2に示す開孔部210が位置するように成形されている。言い換えると、成形部22の成形に際し、その中央に開孔部210が位置するように凹状部224が形成される。
【0027】
前記表面材3は、外装構造を施工した後には、求められる意匠(化粧)や防水性能(非透水性能)等によって色、材質等が選択される板状材であり、各種の薄肉の金属板材や非透水性シート材が用いられ、図2に示すように芯材2より巾狭に形成され、厚み方向に弾性を備える素材が用いられている。
この表面材3は、芯材2の面板部21と略同断面からなる面状部31を有し、その側縁(側縁部32,33)が芯材2の成形部22,23に延在し、芯材2,2同士の係合状態において挟持される。
【0028】
これらの芯材2と表面材3とは、図示しない接着剤にてほぼ全面を接着して重合、一体化させるため、成形に際し、形状維持性を備える芯材2に追従して表面材3は、芯材2の面板部21に面状部31が追従(添接)し、成形部22,23に側縁部32,33が追従(添接)するが、前述のように芯材2より表面材3を巾狭に形成しているので、成形部22の先端までには側縁部32は至っていない。なお、図中の符号32aは、裏面側へ折り返した部位(挟持部分)を指している。
したがって、図1(a)の右端には、接続以前の成形部22と側縁部32とが示されているが、成形部22の突出部221まで側縁部32が添接しているが、その先の延在部223や凹状部224には側縁部32は添接(存在)していない。
【0029】
そして、裏面側に断熱材5を介在させた状態で、左側に位置する複層外装材1の成形部22と右側に位置する複層外装材1の成形部23とを相互に係合するように接続するが、この実施例1では、まず左側に位置する複層外装材1の凹状部224に、上方から固着具6Aを臨ませ、その頭部が凹状部224に隠れるように且つ止水材6Bを介在させた状態で固着する。
なお、前記断熱材5は、端縁に向かって段階的に肉薄になる側端部51と他方の側端部52とが突き合わせ状に断熱層を形成しており、側端部51の表面側には凹状の取付凹部511が形成されているため、凹状部224の配設に際して容易に位置を固定することができる。
【0030】
その後、右側に位置する複層外装材1を、前記断熱材5上を右側から左側へ滑るように臨ませ、固定している成形部22の係合溝222に、挿入片である成形部23を差し込むように係合させる。
前述のように係合溝222には、表面材3の側縁部32(挟持部分32a)が上片側に介在している。そこへ、成形部23が差し込まれると、固着具6Aの表面を隣り合う複層外装材1が覆うように取り付けられ、係合溝222内では側縁部33と挟持部分32aとが圧接状に当接されるので、安定な取付状態を維持することができる。
【0031】
このように本発明の複層外装材1は、複数の開孔部210を設けた面板部21の側縁に成形部22,23を形成した芯材2と表面材3とが一体化されたものであるから、開孔部210をビスやボルト等の固着具6Aを固定する部位として用い、成形部22を隣り合う複層外装材1,1同士の係合状態において挟持されるように用いることができ、各種の壁や屋根などに用いられる外装材として適用することができる。
また、開孔部210は、表面材3と芯材2とを接着剤で一体化させる際の空気抜きともなるため、養生なく成形することが可能である。
【0032】
また、このように相互に係合可能である成形部22,23に側縁部32,33が追従(添接)しているので、係合溝222に挿入片である成形部23を係合させた状態では、係合状態において係合溝222内において挟持される状態となっているので、表面材3の剥離が最小限に抑えられる。
特にこの実施例1では用いた表面材3は、厚み方向に弾性を備えているので、側縁部32(挟持部分32a)と側縁部33とは圧接状に取り付けられ、より安定に保持されている。
【0033】
さらに、この実施例1における複層外装材1,1の接続構造は、凹状部224に固着具6Aを止水材6Bを介在させて固着し、該凹状部224を覆うように隣り合う複層外装材1を取り付けているので、表面側からの雨水の浸入にも高い防水性能を発揮する。
そして、この表面材3の面状部31の側縁部32,33(挟持部分32a)は、前記芯材2の成形部22,23に延在し、芯材2,2同士の係合状態において挟持される部位である。
【0034】
図2(a),(b)は、成形前の表面材(3)、芯材(2)、裏面材(4)を示しているが、この時点で既に芯材(2)には前述の複数の開孔部210が形成されている。
これらのうち、芯材(2)には成形部(22),(23)を形成する分だけ表面材(3)より広く形成され、表面材(3)には側縁部(32,33)を形成する分だけ裏面材(4)より広く形成されている。
【符号の説明】
【0035】
1 複層外装材
2 芯材
21 面板部
210 開孔部
211 段差
22 成形部
221 突出部
222 係合溝
223 延在部
224 凹状部
23 成形部
(2) 成形前の芯材
(22)成形前の成形部
(23)成形前の成形部
3 表面材
31 面状部
32 側縁部
32a 挟持部分
33 側縁部
(3) 成形前の表面材
(32) 成形前の側縁部
(4) 成形前の裏面材
5 断熱材
6A 固着具
6B 止水材
図1
図2