(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131964
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】機械式駐車設備の取扱教育管理システム及び機械式駐車設備の取扱教育プログラム
(51)【国際特許分類】
E04H 6/00 20060101AFI20230914BHJP
G06Q 50/20 20120101ALI20230914BHJP
G09B 19/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
E04H6/00 A
G06Q50/20
G09B19/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037010
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島津 秀章
(72)【発明者】
【氏名】吉原 和夫
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】 端末装置とアプリケーションソフトを用いて機械式駐車設備の取扱教育を実施することにより取扱教育の実施状況を管理できる取扱教育管理システムを提供する。
【解決手段】 機械式駐車設備を利用する利用者の情報と、利用者による機械式駐車設備の取扱教育の実施完了有無を管理するデータベースと、取扱教育を端末装置で実施するアプリケーションソフトウエアと通信ネットワークを介して通信可能に接続された制御装置と、を備え、制御装置は、アプリケーションソフトウエアとの間で利用者による取扱教育の実施完了有無を示す情報を通信し、取扱教育の実施完了をデータベースの利用者の情報に関連付けて記録するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械式駐車設備を利用する利用者の情報と、前記利用者による前記機械式駐車設備の取扱教育の実施完了有無を管理するデータベースと、
前記取扱教育を端末装置で実施するアプリケーションソフトウエアと通信ネットワークを介して通信可能に接続された制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記アプリケーションソフトウエアとの間で前記利用者による前記取扱教育の前記実施完了有無を示す情報を通信し、前記取扱教育の実施完了を前記データベースの前記利用者の情報に関連付けて記録するように構成されている、機械式駐車設備の取扱教育管理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記利用者による前記機械式駐車設備の利用時に、該利用者の取扱教育が実施完了しているか否かを前記データベースで参照し、実施完了している場合は前記機械式駐車設備の操作を許可し、実施完了していない場合は取扱教育の実施を促すように構成されている、請求項1に記載の機械式駐車設備の取扱教育管理システム。
【請求項3】
前記利用者は、同一の駐車室を利用する主利用者と副利用者とを含み、
前記制御装置は、前記主利用者の前記アプリケーションソフトウエアによる会員登録後に、前記副利用者の前記アプリケーションソフトウエアによる会員登録の開始又は登録要求操作を検知すると、前記主利用者に対して前記副利用者の会員登録の許可を認めるか否かの選択を促す通知をするように構成されている、請求項1又は2に記載の機械式駐車設備の取扱教育管理システム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記主利用者及び前記副利用者のそれぞれに対して異なる会員IDを発行するように構成されている、請求項3に記載の機械式駐車設備の取扱教育管理システム。
【請求項5】
前記アプリケーションソフトウエアは、前記端末装置にインストールして前記取扱教育を実施するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の機械式駐車設備の取扱教育管理システム。
【請求項6】
前記アプリケーションソフトウエアは、前記端末装置から前記通信ネットワークを介して前記取扱教育を実施するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の機械式駐車設備の取扱教育管理システム。
【請求項7】
前記データベースは、前記機械式駐車設備と、前記機械式駐車設備と前記通信ネットワークを介して接続されたサーバと、に備えられ、
前記制御装置は、前記機械式駐車設備の前記データベースに記録された情報と前記サーバの前記データベースに記録された情報とを監視し、いずれかの情報が更新されると他方の情報を新しい情報に同期させるように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の機械式駐車設備の取扱教育管理システム。
【請求項8】
機械式駐車設備を利用する利用者に対して端末装置で該機械式駐車設備の取扱教育を行うプログラムであって、
コンピュータに、
前記機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の前記取扱教育を前記利用者に対して提供すること、
前記利用者による前記取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて該取扱教育の修了を判定し、前記取扱教育の修了を前記利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力すること、を行わせる機械式駐車設備の取扱教育プログラム。
【請求項9】
機械式駐車設備を利用する利用者に対して端末装置で該機械式駐車設備の取扱教育を行うプログラムであって、
コンピュータに、
前記機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の前記取扱教育を前記利用者に対して提供すること、
前記利用者による前記プログラムの利用時に、該利用者に対して予め設定された対象駐車設備の対象駐車室の情報を取得し、前記対象駐車室に対応する会員IDに紐付けられた前記取扱教育の修了の有無情報に基づいて、前記取扱教育を実行するか否かを判定すること、
前記取扱教育を実行すると判定した場合、前記利用者に対して前記取扱教育の内容を提供し、前記利用者による前記取扱教育の内容に対する入力情報に基づき該取扱教育の修了を判定し、前記取扱教育の修了を前記利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力すること、を行わせる機械式駐車設備の取扱教育プログラム。
【請求項10】
機械式駐車設備を利用する利用者に対して端末装置で該機械式駐車設備の取扱教育を行うプログラムであって、
コンピュータに、
前記機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の前記取扱教育を前記利用者に対して提供すること、
前記利用者による前記プログラムの利用時に、該利用者に対して予め設定された対象駐車設備の対象駐車室の情報を取得し、前記対象駐車室に対応する会員IDが発行済みか否かの情報に基づいて、前記会員IDの発行と前記取扱教育を実行するか否かを判定すること、
前記会員IDを発行して前記取扱教育を実行すると判定した場合、前記利用者に対して前記会員IDを発行して前記取扱教育の内容を提供し、前記利用者による前記取扱教育の内容に対する入力情報に基づき該取扱教育の修了を判定し、前記取扱教育の修了を前記利用者の前記会員IDに紐付けてデータベースに出力すること、を行わせる機械式駐車設備の取扱教育プログラム。
【請求項11】
機械式駐車設備を利用する利用者に対して端末装置で該機械式駐車設備の取扱教育を行うプログラムであって、
コンピュータに、
前記機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の前記取扱教育を前記利用者に対して提供すること、
前記利用者による前記プログラムの利用時に、該プログラムのインストール時に自動設定された前記端末装置の識別子又は前記端末装置の固有の識別子を取得し、前記いずれかの識別子に対応する会員IDが発行済みか否かを判定し、未発行の場合は前記会員IDを生成して発行するとともに、前記端末装置の前記識別子又は前記端末装置の固有の前記識別子と関連付けて前記会員IDをデータベースに出力すること、
前記会員IDを発行した前記利用者に対して前記取扱教育の内容を提供し、前記利用者による前記取扱教育の内容に対する入力情報に基づき該取扱教育の修了を判定し、前記取扱教育の修了を前記利用者の前記会員IDに紐付けてデータベースに出力すること、を行わせる機械式駐車設備の取扱教育プログラム。
【請求項12】
前記コンピュータに、
少なくとも1つの前記会員IDが発行済みの対象駐車設備の対象駐車室について新たな前記会員IDを生成して発行する場合は、発行済みの前記会員IDの前記利用者に対して新たな前記会員IDの発行を承認するか否かについて通知すること、を行わせる請求項10又は11に記載の機械式駐車設備の取扱教育プログラム。
【請求項13】
前記コンピュータに、
発行済みの前記会員IDの前記利用者が前記通知に基づいて新たな前記会員IDの発行を承認した後で、新たな前記会員IDを発行させること、を行わせる、請求項12に記載の機械式駐車設備の取扱教育プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、機械式駐車設備における取扱教育を管理するシステム及び機械式駐車設備の取扱教育プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機械式駐車設備を利用するにあたり、取扱者は操作方法や取り扱い上の注意事項の教育及び訓練を受けた人しか操作できない。これは、国土交通省の「機械式駐車場の安全対策に関するガイドライン」に記載されている、取扱者(機械式駐車設備の取扱いを行う人)は駐車装置(機械式駐車設備)の教育・訓練を修了し、管理人(駐車設備の運営・管理を行う責任者)より許可を受ける必要がある、という内容に基づいている。このため、従来、機械式駐車設備は、管理会社(管理責任者)側が契約した利用者が、教育及び訓練(この明細書及び特許請求の範囲の書類中においては、総称して「取扱教育」という)を受けたか否かを管理している。
【0003】
この種の先行技術として、例えば、駐車場利用者が運転操作や取扱いに関して、運転操作盤での対話方式で教育を受けるものがある(例えば、特許文献1参照)。この先行技術では、運転操作盤のディスプレイに、運転操作や取扱いに関する事項が表示され、利用者が指等で確認事項を触れることにより、次の事項へと安全確認を順次行っていく方式としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記先行技術では、初めての利用者が運転操作盤で取扱教育を実施している間は、既に取扱教育を受けた他の利用者が運転操作盤を利用できない。このため、上記方法では初めての利用者が取扱教育を行っている間は他の利用者は待つ必要があり、待ち時間が長くなって利便性が悪くなる。
【0006】
また、機械式駐車設備の利用者契約は、1つの駐車室(種々の機械式駐車設備における「駐車スペース」を含む)に対して1つの暗証番号が付与されているため、同じ駐車室を複数人が利用する場合でも同一の暗証番号で管理されている。このため、運転操作盤で取扱教育を行う場合には、複数人の利用者がそれぞれ取扱教育を修了しているか否かを管理人が管理することが難しい。
【0007】
そこで、本出願は、端末装置でアプリケーションソフトウエアを用いて機械式駐車設備の取扱教育を実施することにより取扱教育の実施状況を管理できる機械式駐車設備の取扱教育管理システムと取扱教育プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本出願に係る機械式駐車設備の取扱教育管理システムは、機械式駐車設備を利用する利用者の情報と、前記利用者による機械式駐車設備の取扱教育の実施完了有無を管理するデータベースと、前記取扱教育を端末装置で実施するアプリケーションソフトウエアと通信ネットワークを介して通信可能に接続された制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記アプリケーションソフトウエアとの間で前記利用者による前記取扱教育の前記実施完了有無を示す情報を通信し、前記取扱教育の実施完了を前記データベースの前記利用者の情報に関連付けて記録するように構成されている。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「端末装置」は、「パーソナルコンピュータ」、「タブレット端末」、「携帯端末」、「スマートフォン」などを含む。また、利用者は契約者を含む。
【0009】
この構成により、利用者は端末装置を用いてアプリケーションソフトウエアによって任意のタイミングで機械式駐車設備の取扱教育を実施することができる。また、利用者が取扱教育を実施完了したか否かは、データベースの利用者の情報に関連付けて記録されるので、利用者の取扱教育の実施状況を適切に管理することができる。
【0010】
また、前記制御装置は、前記利用者による前記機械式駐車設備の利用時に、該利用者の取扱教育が実施完了しているか否かを前記データベースで参照し、実施完了している場合は前記機械式駐車設備の操作を許可し、実施完了していない場合は取扱教育の実施を促すように構成されていてもよい。このように構成すれば、利用者が機械式駐車設備を操作する前に、制御装置によって利用者が取扱教育を実施完了しているか否かが参照される。取扱教育が実施完了していれば機械式駐車設備の操作が許可され、取扱教育が実施完了していなければ取扱教育を実施するように促される。
【0011】
また、前記利用者は、同一の駐車室を利用する主利用者と副利用者とを含み、前記制御装置は、前記主利用者の前記アプリケーションソフトウエアによる会員登録後に、前記副利用者の前記アプリケーションソフトウエアによる会員登録の開始又は登録要求操作を検知すると、前記主利用者に対して前記副利用者の会員登録の許可を認めるか否かの選択を促す通知をするように構成されていてもよい。このように構成すれば、同一の駐車室を複数の利用者が利用する場合、副利用者は主利用者の許可がなければ会員登録ができないので、主利用者が許可しない者による会員登録を防止できる。
【0012】
また、前記制御装置は、前記主利用者及び前記副利用者のそれぞれに対して異なる会員IDを発行するように構成されていてもよい。このように構成すれば、同一の駐車室を複数の利用者が利用する場合、個々の利用者について取扱教育の実施状況をそれぞれ管理することができる。
【0013】
また、前記アプリケーションソフトウエアは、前記端末装置にインストールして前記取扱教育を実施するように構成されていてもよい。このように構成すれば、利用者はアプリケーションソフトウエアを端末装置にインストールし、任意のタイミングで端末装置においてアプリケーションソフトウエアで取扱教育を実施することができる。
【0014】
また、前記アプリケーションソフトウエアは、前記端末装置から前記通信ネットワークを介して前記取扱教育を実施するように構成されていてもよい。このように構成すれば、利用者は、任意のタイミングで端末装置から通信ネットワークを介してアプリケーションソフトウエアで取扱教育を実施することができる。
【0015】
また、前記データベースは、前記機械式駐車設備と、前記機械式駐車設備と通信ネットワークを介して接続されたサーバと、に備えられ、前記制御装置は、前記機械式駐車設備の前記データベースに記録された情報と前記サーバの前記データベースに記録された情報とを監視し、いずれかの情報が更新されると他方の情報を新しい情報に同期させるように構成されていてもよい。このように構成すれば、機械式駐車設備に備えられたデータベース又は通信ネットワークを介して接続されたサーバに備えられたデータベースの情報に基づいて、取扱教育が実施完了しているか否かを管理することができる。また、機械式駐車設備に備えられたデータベースの情報とサーバに備えられたデータベースの情報とのいずれかが更新されると他方のデータを同期させて、それぞれのデータベースの情報を常に最新情報にしておくことができる。
【0016】
一方、本出願に係る機械式駐車設備の取扱教育プログラムは、機械式駐車設備を利用する利用者に対して端末装置で該機械式駐車設備の取扱教育を行うプログラムであって、コンピュータに、前記機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の前記取扱教育を前記利用者に対して提供すること、前記利用者による前記取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて該取扱教育の修了を判定し、前記取扱教育の修了を前記利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力すること、を行わせる。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「コンピュータ」は、「サーバ」などのコンピュータの他、「パーソナルコンピュータ」、「タブレット端末」、「携帯端末」、「スマートフォン」などの「端末装置」を含んでもよい。また、プログラムを実行するコンピュータは、複数台のコンピュータであってもよい。
【0017】
この構成により、機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の取扱教育を利用者に対して提供することができる。そして、利用者による取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて取扱教育の修了を判定し、取扱教育の修了を利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力することができる。よって、利用者の取扱教育の修了をデータベースで管理できる。
【0018】
また、機械式駐車設備を利用する利用者に対して端末装置で該機械式駐車設備の取扱教育を行うプログラムであって、コンピュータに、前記機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の前記取扱教育を前記利用者に対して提供すること、前記利用者による前記プログラムの利用時に、該利用者に対して予め設定された対象駐車設備の対象駐車室の情報を取得し、前記対象駐車室に対応する会員IDに紐付けられた前記取扱教育の修了の有無情報に基づいて、前記取扱教育を実行するか否かを判定すること、前記取扱教育を実行すると判定した場合、前記利用者に対して前記取扱教育の内容を提供し、前記利用者による前記取扱教育の内容に対する入力情報に基づき該取扱教育の修了を判定し、前記取扱教育の修了を前記利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力すること、を行わせる。
【0019】
この構成により、機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の取扱教育を利用者に対して提供するようにでき、利用者が端末装置でプログラムを利用する時に、利用者に対して予め設定された対象駐車設備の対象駐車室の情報を取得して、対象駐車室に対応する会員IDに紐付けられた取扱教育の修了の有無情報に基づいて、取扱教育を実行するか否かを判定することができる。そして、取扱教育を実行すると判定した場合には、利用者に対して取扱教育の内容を提供し、利用者による取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて取扱教育の修了を判定し、取扱教育の修了を利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力することができる。よって、利用者の取扱教育の修了をデータベースで管理できる。
【0020】
また、機械式駐車設備を利用する利用者に対して端末装置で該機械式駐車設備の取扱教育を行うプログラムであって、コンピュータに、前記機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の前記取扱教育を前記利用者に対して提供すること、前記利用者による前記プログラムの利用時に、該利用者に対して予め設定された対象駐車設備の対象駐車室の情報を取得し、前記対象駐車室に対応する会員IDが発行済みか否かの情報に基づいて、前記会員IDの発行と前記取扱教育を実行するか否かを判定すること、前記取扱教育を実行すると判定した場合、前記利用者に対して前記会員IDを発行して前記取扱教育の内容を提供し、前記利用者による前記取扱教育の内容に対する入力情報に基づき該取扱教育の修了を判定し、前記取扱教育の修了を前記利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力すること、を行わせる。
【0021】
この構成により、機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の前記取扱教育を前記利用者に対して提供するようにし、利用者が端末装置でプログラムを利用する時に、利用者に対して予め設定された対象駐車設備の対象駐車室の情報を取得して、対象駐車室に対応する会員IDが発行済みか否かの情報に基づいて、会員IDの発行と取扱教育を実行するか否かを判定することができる。そして、会員IDを発行して取扱教育を実行すると判定した場合には、利用者に対して会員IDを発行して取扱教育の内容を提供し、利用者による取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて取扱教育の修了を判定し、取扱教育の修了を利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力することができる。よって、利用者の取扱教育の修了をデータベースで管理できる。
【0022】
また、機械式駐車設備を利用する利用者に対して端末装置で該機械式駐車設備の取扱教育を行うプログラムであって、コンピュータに、前記機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の前記取扱教育を前記利用者に対して提供すること、前記利用者による前記プログラムの利用時に、該プログラムのインストール時に自動設定された前記端末装置の識別子又は前記端末装置の固有の識別子を取得し、前記いずれかの識別子に対応する会員IDが発行済みか否かを判定し、未発行の場合は会員IDを生成して発行するとともに、前記端末装置の前記識別子又は前記端末装置の固有の前記識別子と関連付けて前記会員IDをデータベースに出力すること、前記会員IDを発行した前記利用者に対して前記取扱教育の内容を提供し、前記利用者による前記取扱教育の内容に対する入力情報に基づき該取扱教育の修了を判定し、前記取扱教育の修了を前記利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力すること、を行わせる。
【0023】
この構成により、機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の前記取扱教育を前記利用者に対して提供できるようにし、利用者が端末装置でプログラムを利用する時に、プログラムのインストール時に自動設定された端末装置の識別子又は端末装置の固有の識別子を取得し、いずれかの識別子に対応する会員IDが発行済みか否かを判定することができる。そして、未発行の場合は会員IDを生成して発行するとともに、端末装置の識別子又は端末装置の固有の識別子と関連付けて会員IDをデータベースに出力することができ、会員IDを発行した利用者に対して取扱教育の内容を提供し、利用者による取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて取扱教育の修了を判定し、取扱教育の修了を利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力することができる。よって、利用者の取扱教育の修了をデータベースで管理できる。
【0024】
また、前記コンピュータに、少なくとも1つの前記会員IDが発行済みの対象駐車設備の対象駐車室について新たな前記会員IDを生成して発行する場合は、発行済みの前記会員IDの前記利用者に対して新たな前記会員IDの発行を承認するか否かについて通知すること、を行わせてもよい。このように構成すれば、会員IDを発行済みの対象駐車室に対して新たな会員IDを発行する場合は、発行済みの会員IDの利用者に対して新たな会員IDの発行を承諾するか否かが通知されるので、発行済みの会員IDを有する利用者が許可しない者の会員登録を防止できる。
【0025】
また、前記コンピュータに、発行済みの前記会員IDの前記利用者が前記通知に基づいて新たな前記会員IDの発行を承認した後で、新たな前記会員IDを発行させること、を行わせてもよい。このように構成すれば、発行済みの会員IDを有する利用者の承諾によって新たな会員IDが発行されるので、同一の駐車室を利用する利用者を制限することができる。
【発明の効果】
【0026】
本出願によれば、利用者が端末装置でアプリケーションソフトウエアを用いて機械式駐車設備の取扱教育を実施することにより、取扱教育を任意のタイミングで実施できるとともに取扱教育の実施状況を管理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、本出願の取扱教育管理システムを備えたエレベータ式駐車設備の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本出願の一実施形態に係る取扱教育管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、本出願の一実施形態に係る取扱教育管理システムにおける全体的な流れを示すフロー図である。
【
図4】
図4は、
図3に示すフロー図における取扱教育の実施に係る項目例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、
図4に示すフローチャートにおける取扱教育実施中の端末装置の画面例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、
図3に示す取扱教育管理システムの流れにおいて、同一駐車室を複数の利用者が利用する場合の取扱教育管理を示すフロー図である。
【
図7】
図7は、
図3に示す取扱教育管理システムの流れにおいて、同一駐車室を複数の利用者が利用する場合であって、取扱教育を完了していない利用者が運転操作盤で取扱教育を実施する場合のフローチャートである。
【
図8】
図8は、
図1に示す取扱教育管理システムにおけるエレベータ式駐車設備のデータベースで取扱教育の実施完了・データ更新などを判断するためのフラグ例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図1に示す取扱教育管理システムにおけるサーバのデータベースで取扱教育の実施完了・データ更新などを判断するためのフラグ例を示す図である。
【
図10】
図10は、本出願の取扱教育プログラムの一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、
図10に示す取扱教育プログラムとは異なる例の取扱教育プログラムのフローチャートである。
【
図12】
図12は、
図11に示す取扱教育プログラムとは異なる例の取扱教育プログラムのフローチャートである。
【
図13】
図13は、
図12に示す取扱教育プログラムとは異なる例の取扱教育プログラムのフローチャートである。
【
図14】
図14は、
図13に示す取扱教育プログラムとは異なる例の取扱教育プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本出願の一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、機械式駐車設備としてエレベータ式駐車設備10を例に説明する。また、以下の実施形態では、端末装置50として携帯端末(例えば、スマートフォン)を例に説明する。端末装置50は、パソコン、タブレットなどでもよい。また、以下の実施形態では、エレベータ式駐車設備10がデータベース23を備えているとともに、無線の通信ネットワーク30を介して接続されたサーバ40もデータベース41を備えた例を説明する。
【0029】
(エレベータ式駐車設備(機械式駐車設備)の構成)
図1は、取扱教育管理システム1を備えたエレベータ式駐車設備10の一例を示す斜視図である。
図2は、一実施形態に係る取扱教育管理システム1の構成を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、この実施形態の取扱教育管理システム1は、エレベータ式駐車設備10と、このエレベータ式駐車設備10と無線で通信31が可能な通信ネットワーク30を介して接続されたサーバ40と端末装置50とを備えている。
【0031】
エレベータ式駐車設備10は、自動車Vを格納する駐車塔11を有している。駐車塔11は、入出庫階に入出庫扉12が設けられており、入出庫扉12の側方には、運転操作盤13が備えられている。駐車塔11は、内部の鉛直方向に複数の駐車室14が設けられている。また、駐車塔11の内部には、制御装置20が備えられている。
【0032】
制御装置20は、プロセッサ、揮発性メモリ及び不揮発性メモリ等を有するコンピュータ22を有する。制御装置20は、利用者に関する情報を記録するデータベース23を有する。制御装置20は、端末装置50と通信ネットワーク30を介して通信する通信部21を有する。コンピュータ22は、不揮発性メモリに保存されたプログラムに基づいてプロセッサが揮発性メモリを用いて演算処理することで実現される。コンピュータ22は、データベース23及び通信部21を含む構成であってもよい。
【0033】
通信ネットワーク30は、無線で接続される通信ネットワーク30の他、有線で接続される通信ネットワーク30も含む。通信ネットワーク30は、例えば、インターネットなどが利用できる。サーバ40は、データベース41が備えられた構成であればよい。サーバ40はコンピュータが利用できる。サーバ40は、制御装置20の機能を備えていてもよい。端末装置50は、近距離無線通信(例えばブルートゥース(登録商標))によりエレベータ式駐車設備10の制御装置20と通信可能とし、エレベータ式駐車設備10を介して通信ネットワーク30に接続してサーバ40と通信31が可能であってもよい。
【0034】
端末装置50は、取扱教育を実施するアプリケーションソフトウエア(コンピュータが実行する「プログラム」をいう。以下、単に「アプリケーションソフト」ともいう)を実行することができる装置である。アプリケーションソフトは、端末装置50にインストールして実行するネイティブアプリであっても、端末装置50から通信ネットワーク30を介して実行するWEBアプリであってもよい。この実施形態のアプリケーションソフトは、端末装置50にダウンロードし、端末装置50にインストールして実行するネイティブアプリを例に説明する。なお、アプリケーションソフトウエア(プログラム)の例については、実施形態の最後において説明する。
【0035】
図2に示すように、制御装置20は、エレベータ式駐車設備10の各構成を制御する機能に加え、通信ネットワーク30を介して端末装置50と通信31する通信部21と、端末装置50との間で情報を送受信するコンピュータ22と、取扱教育の実施完了有無を記録するデータベース23とを有している。制御装置20は、サーバ40との間でも通信部21を介して通信31する。通信部21及びデータベース23は、コンピュータ22に含まれる構成であってもよい。
【0036】
(取扱教育管理システム)
図3は、一実施形態に係る取扱教育管理システム1における全体的な流れを示すフロー図である。この実施形態における利用者(契約者)の利用契約は、特定のエレベータ式駐車設備10における駐車室14について利用契約を行うものとする。利用契約を行うと、対象のエレベータ式駐車設備10における駐車室14に対応する契約者識別手段が契約者に付与される。同一契約者に対して複数の駐車設備利用者がいるときは、個々の利用者を識別するための会員IDが付与される。契約者識別手段としては、例えば入出庫操作の際に入力する暗証番号、ICカードなど公知のものが利用できる。同一暗証番号(契約者)に対して複数の駐車設備利用者がいるとき、利用者分のICカードを発行する場合は、会員IDとカード追番を関連付けることで、個々の管理が可能となる。また、ICカードの取り違えにより教育済の状況を取り違えることを防ぐためにカードの追番ごとに見分けがつくような模様や色違いなどを選択できるようにすることができる。この実施形態では契約者識別手段として暗証番号が発行される。この実施形態で取扱教育を行うアプリケーションソフトは、端末装置50にダウンロードしてインストールするネイティブアプリである。また、利用者の利用契約時における契約書類中には、特定のエレベータ式駐車設備10の設備管理番号と、そのエレベータ式駐車設備10に応じた取扱教育ができるアプリケーションソフトをダウンロードするための二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))又はURLが記載された書類が含まれているものとする。アプリケーションソフトは、このように、利用者が契約した特定のエレベータ式駐車設備10の仕様に合わせた内容にあらかじめ設定された専用アプリケーションソフトでもよいし、複数の仕様に対応できるよう構成され、インストール時や会員登録時等に入力される設備管理番号等に応じて特定のエレベータ式駐車設備10の仕様に合わせた内容に変化させることのできる汎用アプリケーションソフトでもよい。契約者識別手段がICカードの場合、インストールした汎用アプリケーションソフトを起動した後で、端末装置50の読み取り装置でICカードに記録された設備管理番号や契約時に付与された暗証番号等を読み取って、特定のエレベータ式駐車設備10に応じた取扱教育ができるようあらかじめ複数用意された教育内容から選択されるようになっていてもよい。なお、本実施形態では専用アプリケーションソフトの場合について説明する。
【0037】
図示するように、取扱教育管理システム1によれば、以下のような流れで進む。以下の例は一例であり、本出願は以下の例に限定されるものではない。
【0038】
まず、利用者は、契約書類中に含まれる、取扱教育ができる専用のアプリケーションソフトをダウンロードするための二次元コード又はURLが記載された書類を用いて、端末装置50に専用のアプリケーションソフトをダウンロードする(S1)。アプリケーションソフトは、端末装置50で二次元コードを用いるかURLにアクセスし、ダウンロード要求をすることで通信ネットワーク30を介して端末装置50にダウンロードされる。なお、利用者の利用契約が電子的な契約の場合には、専用のアプリケーションソフトをダウンロードするためのURLを契約画面上に表示したり、URLを端末装置50にメール送信するようにしてもよい。また、アプリケーションソフトをダウンロードするための二次元コードは、マンション等の住人が閲覧できる共用の掲示板や駐車設備10の運転操作盤13の付近に掲載し、その二次元コードを用いてアプリケーションソフトをダウンロードするようにしてもよい。
【0039】
次に、利用者が端末装置50でアプリケーションソフトを起動すると(S2)、会員登録画面が表示される。利用者は、会員登録画面において、契約時に付与された暗証番号及び契約した駐車室番号(利用者番号)などを入力する。アプリケーションソフトが前述の汎用アプリケーションの場合は、エレベータ式駐車設備10の設備管理番号なども入力する。なお、契約したエレベータ式駐車設備10の設備管理番号は、エレベータ式駐車設備10の物件名などでもよい。会員登録画面に必要事項を入力することで、会員IDが付与されて会員登録が完了する(S3)。会員IDが付与されることで、アプリケーションソフトが利用できるようになる。
【0040】
なお、会員登録による会員IDの付与は、共用の掲示板や駐車設備に掲載された二次元コードを読み込むことで、アプリケーションソフトの実行とは独立して会員IDが付与されるようにしてもよい。この場合、会員IDが付与された後、必要事項を入力することで会員登録が完了して、アプリケーションソフトが利用できるようになる。会員登録された内容は、エレベータ式駐車設備10の制御装置20に内蔵されたデータベース23に登録される。データベース23に登録される事項としては、利用契約時に記録された暗証番号や契約した駐車室番号(利用者番号)の他、設備管理番号、会員ID、取扱教育実施完了の有無、などが含まれる。また、利用契約の際、同一駐車室を利用する人数に応じてあらかじめ会員IDを付与するようにしてもよい。その場合、後述の主利用者とする会員IDを決めておいてもよい。この場合、暗証番号及び契約した駐車室番号(利用者番号)などの入力に代えて、会員IDを入力させるようにすればよい。
【0041】
次に、会員登録が完了すると、又は会員登録を完了後改めてアプリケーションソフトを起動すると、取扱教育画面に遷移する(S4)。取扱教育画面では、取扱教育が修了しない限り、エレベータ式駐車設備10の利用できないことを通知するようにできる。なお、その場で取扱教育を実施せず、後にログインした場合も取扱教育が未完了の場合は、取扱教育画面に遷移する。
【0042】
次に、取扱教育画面で、操作方法や安全について、対話形式での教育や、動画を参照した教育が実施される(S5)。この取扱教育画面の詳細例は、後述する。
【0043】
次に、取扱教育が完了すると(S6)、アプリケーションソフトウエアと制御装置20との間で利用者による取扱教育の実施完了有無を示す情報について通信がなされ、エレベータ式駐車設備10の制御装置20に内蔵されたデータベース23に、取扱教育実施完了として登録される(S7)。取扱教育の実施完了のフラグ(目印)は、データベース23に記録されている利用者の情報に関連付けて記録されるので、利用者の取扱教育完了の有無を適切に管理することができる。
【0044】
そして、データベース23の会員ID、暗証番号、駐車室番号(利用者番号)、設備管理番号などに関連付けて取扱教育実施完了のフラグが登録されることで、契約しているエレベータ式駐車設備10の使用が可能となる(S8)。すなわち、エレベータ式駐車設備10の取扱教育が完了後、入出庫扉12が開き利用者は自動車Vを入庫することが可能となる。また、取扱教育の実施完了がデータベース23に記録されることで、その後は取扱教育をせずに契約しているエレベータ式駐車設備10への自動車Vの入出庫が可能となる。
【0045】
このように、端末装置50に取扱教育を実施するアプリケーションソフトをダウンロードし、アプリケーションソフトで駐車設備契約時に付与された暗証番号と駐車室番号(利用者番号)、契約しているエレベータ式駐車設備10の設備管理番号などを入力することで個々の利用者に対して会員IDが付与される。これにより、個々に会員IDが付与された利用者に対して、取扱教育の完了状況を管理することが可能となる。
【0046】
また、端末装置50のアプリケーションソフトによって取扱教育を実施することで、利用者はエレベータ式駐車設備10の利用前に任意のタイミングでアプリケーションソフトを用いて取扱教育を実施することができる。加えて、アプリケーションソフトを用いることで、運転操作盤13での教育とは異なり、操作方法を忘れた場合にはいつでも見直すことが可能となる。つまり、取扱教育実施完了のフラグが登録されている利用者であっても再度取扱教育を受けることを選択できる機能、特定の教育ステップを呼出す機能、取扱説明書を表示する機能などをアプリケーションソフトに設けることができる。
【0047】
また、端末装置50による取扱教育の実施により、管理人からの教育や運転操作盤13での教育を行わなくても駐車設備10を利用することができ、個々の利用者の操作教育の実施状況を駐車設備側のデータベース23やサーバ40上で管理できる。
【0048】
なお、上記実施形態では、アプリケーションソフトをネイティブアプリで説明したが、取扱教育を実施するアプリケーションソフトはサーバ40上や別途設けたアプリケーションサーバ、制御装置20上等で動作するWEBアプリであってもよい。
【0049】
(取扱教育の一実施例)
図4は、
図3に示すフロー図における取扱教育の実施に係る項目例を示すフローチャートである。
図5は、
図4に示すフローチャートにおける取扱教育実施中の端末装置50の画面例を示す模式図である。エレベータ式駐車設備10(機械式駐車設備)における取扱教育の内容としては、収容車に関する内容、安全の手引きに関する内容、入出庫方法に関する内容などが挙げられる。以下の例は一例であり、本出願は以下の例に限定されない。
【0050】
図4に示す取扱教育の内容例としては、まず、収容車諸元は理解できたか、確認される(S11)。収容車諸元としては、例えば、駐車室14に収容可能な自動車Vの高さ寸法、重量などであり、対象の駐車設備10に対応した諸元が端末装置50の画面に表示され、その諸元について理解できたか確認される。
【0051】
次に、安全に使用するための注意事項は理解できたか、確認される(S12)。この注意事項について、例えば、
図5に示すような注意事項を、端末装置50の画面51に表示することができる。この例では、「荷物を外で降ろすこと」、「入出庫後は出入口扉を閉めること」、「急発進・急停止はしないこと」、「周囲で子供を遊ばせないこと」が画面51に表示され、下部に「理解できた」の選択ボタン52と「理解できない」の選択ボタン53が表示されている。利用者は、画面51に表示された注意事項を確認し、「理解できた」の選択ボタン52か「理解できない」の選択ボタン53を押すことで次に進むことができる。
【0052】
次に、非常ボタン確認について理解できたか、について確認され(S13)、非常扉確認について理解できたか、について確認される(S14)。例えば、非常ボタンの位置、非常扉の位置などについて、理解できたか確認される。ここでも、対象の駐車設備10に対応した非常ボタンの位置、非常扉の位置が端末装置50の画面に表示されるようにすることができ、他の各項目についても同様である。
【0053】
次に、同乗者の確認について理解できたか、について確認され(S15)、荷物の確認について理解できたか、について確認される(S16)。例えば、入出庫階に同乗者や荷物がないことの確認などについて、理解できたか確認される。
【0054】
次に、入出庫扉開後の入出庫方法を理解できたか、について確認され(S17)、入庫後の車内・駐車室内の無人確認を理解できたか、について確認され(S18)、出庫方法の確認を理解できたか、について確認される(S19)。例えば、入出庫時の操作や、入出庫後の無人確認、出庫後の操作などについて、理解できたか確認される。
【0055】
なお、上記S11~S19の取扱教育の内容のいずれにおいても、
図5に示すように、「理解できた」の選択ボタン52か「理解できない」の選択ボタン53のいずれかを押すことになる。理解できない場合は「理解できない」の選択ボタン53を押すことで、取扱説明書の該当ページを端末装置50の画面に表示させたり、管理会社への問い合せ画面を表示させることができる(S20)。例えば、取扱説明書の場合、表示された内容に対応する取扱説明書の該当箇所が画面に表示されるようにできる。管理会社の問い合せ画面の場合、例えば、お客様センターにつながって説明を受けるようにできる。
【0056】
(同一駐車室を複数人が利用する場合の例)
図6は、
図3に示す取扱教育管理システム1の流れにおいて、同一駐車室を複数の利用者が利用する場合の取扱教育管理を示すフロー図である。同一駐車室を複数の利用者が利用する場合、以下のようにして取扱教育を実施し、個々の利用者の取扱教育実施状況を管理することができる。個々の利用者の取扱教育実施状況の管理としては、例えば、エレベータ式駐車設備10の契約者を主利用者とし、同一の暗証番号で同じ駐車室14を利用する利用者を副利用者とした場合、暗証番号は同じでも異なる会員IDを発行して主利用者及び副利用者の両方の取扱教育実施状況を管理することができる。
【0057】
図示するように、駐車設備の利用者が端末装置50にアプリケーションソフトをダウンロードする(S31)。そして、端末装置50でアプリケーションソフトを起動する(S32)。利用者は、アプリケーションソフトの会員登録画面で契約時に付与された暗証番号を利用して会員登録を実施する(S33)。
【0058】
この会員登録が、同一暗証番号に対して2人目以降の会員登録である場合、副利用者として登録されることと、主利用者の許可が必要であることが通知される(S34)。そして、副利用者のアプリケーションソフトによる会員登録の開始又は登録要求操作を検知すると、アプリケーションソフトからメールなどで主利用者に対して副利用者の登録を許可するか否かの許可申請が通知される。許可申請は主利用者の端末装置50にインストールされたアプリケーションソフトが端末装置上に通知メッセージを表示するようにしてもよい。許可申請を受けた主利用者は、メールに記載されたURLにアクセスして許可入力したり、自身の端末装置50にインストールされたアプリケーションソフトを起動して所定の操作を行う他、公知の方法を利用することができる。この例では、主利用者が許可したものとする(S35)。なお、会員登録の開始又は登録要求操作の検知は、アプリケーションソフトをダウンロードした端末装置50で初めてアプリケーションソフトを起動したこと、アプリケーションソフトが自動的に会員登録に遷移したこと、会員登録の入力を開始又は終了したことなど、そのタイミングは適宜設定することができる。
【0059】
主利用者の許可により、副利用者が会員登録の実施をすることができる(S36)。副利用者の会員登録が完了すると、アプリケーションソフトは取扱教育画面に遷移する(S37)。そして、副利用者は、アプリケーションソフトの取扱教育画面で取扱教育を実施する(S38)。取扱教育の実施は、上記
図4と
図5に示す例と同様であるため、説明は省略する。
【0060】
副利用者の取扱教育が完了すると(S39)、副利用者が取扱教育を実施完了したことがエレベータ式駐車設備10のデータベース23に登録される(S40)。これにより、副利用者によるエレベータ式駐車設備10の使用が可能になる(S41)。
【0061】
このように、この実施形態では、同一の暗証番号に対して2人目(3人目以降も同様)の利用者がアプリケーションソフトをダウンロードし、会員登録しようとすると主利用者に対して許諾申請が届くようにしている。これにより、例えば、契約者の関係者以外が、共用の掲示板や駐車設備10の運転操作盤13の付近に掲載した二次元コードを用いてアプリケーションソフトをダウンロードし、契約者の暗証番号を入力して会員登録しようとした場合などでも、主利用者がその会員登録を拒否することができる。そして、主利用者が副利用者の会員登録を許可することで副利用者に対して会員IDが発行され、副利用者がアプリケーションソフトを利用して取扱教育を実施できる。
【0062】
このように、同一の駐車室14を複数の利用者が利用する場合でも、各利用者が端末装置50に取扱教育を実施するアプリケーションソフトをダウンロードし、各利用者がアプリケーションソフトを用いて任意のタイミングで取扱教育を受けることができる。
【0063】
また、各利用者に対して会員IDが付与されるので、個々に会員IDが付与された利用者に対して、取扱教育の実施状況を管理することが可能となる。
【0064】
なお、主利用者と副利用者の区別の方法としては、まず同一の暗証番号に対して2人目以降の者がアプリケーションソフトをダウンロードして会員登録した場合、1人目の利用者が自動的に主利用者となるようにできる。また、一の暗証番号に対して初めてアプリケーションソフトをダウンロードして会員登録した者を主利用者とするようにできる。2人目以降の者であることの判定は、端末装置50に保存されたアプリケーションソフトの操作履歴とデータベース23に記憶された取扱教育実施完了情報とを照合したり、アプリケーションを介して取得された端末装置50の端末固有番号に基づくなど、公知の手段によることができる。主利用者と副利用者は、他の方法で決めてもよい。なお、主利用者と副利用者で、アプリケーションソフトの機能(例えば登録情報変更など)の実行権限が異なるようにすることができる。
【0065】
(同一駐車室を複数人が利用する場合の他の例)
図7は、
図3に示す取扱教育管理システム1の流れにおいて、同一駐車室を複数人が利用する場合であって、取扱教育を完了していない利用者が運転操作盤13で取扱教育を実施する場合のフローチャートである。この例は、端末装置50を利用できない利用者に対して、運転操作盤13で取扱教育を実施する場合を含む。
【0066】
図示するように、駐車設備10で利用者が入出庫開始(この例では、暗証番号の入力)をすると(S51)、入出庫操作を開始した利用者の情報がデータベース23で確認される(S52)。この確認により、同一の暗証番号に対して複数の会員IDがあるか否かが判定される(S53)。
【0067】
そして、同一の暗証番号に対して複数の会員IDがある場合、入出庫操作を行う利用者の会員IDを入力するよう促され、会員IDが入力される(S54)。ここで、暗証番号入力に代えて個々の利用者が識別可能なICカードなどを利用している場合は、自動的に会員IDを取得するようにしてもよい。これにより、その会員IDと暗証番号に関連付けられた会員が取扱教育を完了しているか否かが判定される(S55)。その会員が取扱教育を完了している場合、入出庫操作が可能となる(S56)。その会員が取扱教育を完了していない場合、運転操作盤13にて取扱教育を行うように促され、運転操作盤13にて取扱教育が実施される(S57)。運転操作盤13による取扱教育としては、端末装置50の画面51に表示させる項目と同様の項目が運転操作盤13の表示部に表示される(
図4,
図5と同様)。そして、運転操作盤13による取扱教育が完了すると、取扱教育実施完了の情報がデータベース23に記録され、入出庫操作が可能となる(S58)。
【0068】
一方、上記同一の暗証番号に対して複数の会員IDがあるか否かの判定(S53)において、同一の暗証番号に対して複数の会員IDがない場合、その会員IDと暗証番号に関連付けられた会員が取扱教育を完了しているか否かが判定される(S59)。その会員が取扱教育を完了している場合、入出庫操作が可能となる(S60)。その会員が取扱教育を完了していない場合、運転操作盤13にて取扱教育を行うように促され、運転操作盤13にて取扱教育が実施される(S61)。運転操作盤13による取扱教育としては、端末装置50の画面51に表示させる項目と同様の項目が運転操作盤13の表示部に表示される(
図4,
図5と同様)。そして、運転操作盤13による取扱教育が完了すると、取扱教育実施完了の情報がデータベース23に記録され、入出庫操作可能となる(S58)。
【0069】
このように、この例では、初めてエレベータ式駐車設備10を利用する利用者が運転操作盤13に暗証番号を入力(ICカード、リモコンなどによる操作を含む)して入出庫を開始しようとした場合、データベース23上の暗証番号と設備管理番号に関連付けられた取扱教育実施完了のフラグが参照される。そして、会員IDを運転操作盤13にて入力することで、取扱教育完了者か未完了者かが判定され、取扱教育の未完了者には取扱教育の実施が促されて取扱教育が実施される。
【0070】
なお、会員IDがない利用者は、アプリケーションソフトによる会員IDの登録がなされていないので、その場で会員IDを発行して取扱教育の実施を促すようにしてもよい。この場合、利用者は、運転操作盤13にて取扱教育を実施することができる。運転操作盤13による取扱教育の実施完了により、自動車Vの入出庫が可能となる。取扱教育の完了後、アプリケーションソフトで取扱教育を完了した利用者と同様にデータベース23に取扱教育実施完了のフラグ等のデータが保存され、以後の入出庫は取扱教育無しで利用可能となる。
【0071】
また、同じ暗証番号に関連付けられた全ての会員IDが取扱教育を実施完了していれば、ステップS53においてその判定を行い、ステップS54、S55を省略して、その暗証番号を用いる全ての利用者はエレベータ式駐車設備10を操作して入出庫が可能(S56)である。
【0072】
(データベースの管理例)
図8は、
図1に示す取扱教育管理システム1におけるエレベータ式駐車設備10のデータベース23で取扱教育の実施完了・データ更新などを判断するためのフラグ例を示す図である。
図9は、
図1に示す取扱教育管理システム1におけるサーバ40のデータベース41で取扱教育の実施完了・データ更新などを判断するためのフラグ例を示す図である。この実施形態では、エレベータ式駐車設備10にデータベース23が備えられるとともに、サーバ40にもデータベース41が備えられている。上記実施例では、会員IDが付与されて会員登録された内容や取扱教育を実施完了したことがエレベータ式駐車設備10のデータベース23に登録されることを説明したが、これをサーバ40のデータベース41に登録されることとしてもよい。また、取扱教育の実施や入出庫操作(エレベータ式駐車設備10の使用)の際にアクセスするデータベースは、データベース23としてもデータベース41としてもよい。取扱教育の実施や入出庫操作にはデータベース23にアクセスし、管理者が利用者に関するこれらの情報を利用・編集する場合にはデータベース41にアクセスするなど、用途に応じて使い分けてもよい。以下、データベース23,41における取扱教育実施完了の管理例と、データベース23のデータとデータベース41のデータの同期について説明する。これらの図は、同一の設備管理番号における複数の駐車室14が利用契約されている例である。
【0073】
図8、
図9において、「取扱教育実施完了」の欄は、「1」は完了、「0」は未完了を示すフラグである。「更新」の欄は教育実施完了フラグの更新状態を示しており、「1」は運転操作盤13で取扱教育を実施してエレベータ式駐車設備10のデータベース23では取扱教育実施完了フラグが更新されているがサーバ40のデータベース41はデータ更新されていないフラグ、「2」はアプリケーションソフトウエアで取扱教育を実施してサーバ40のデータベース41では取扱教育実施完了フラグが更新されているがエレベータ式駐車設備10のデータベース23はデータ更新されていないフラグである。「主利用者/副利用者」の欄は、「0」は主利用者、「1」は副利用者である。この実施形態では、同じ暗証番号の同じ会員IDに関する情報はデータベース23及びデータベース41上で一致するようにしている。更新の欄の「1」は、この実施形態では、運転操作盤13による取扱教育実施完了で駐車設備10のデータベース23に取扱教育実施完了の情報を保存するようにしており、その情報をサーバ40のデータベース41と同期させる更新が必要なフラグである。「2」は、この実施形態では端末装置50による取扱教育実施完了でサーバ40のデータベース41に取扱教育実施完了の情報を保存するようにしており、その情報を駐車設備10のデータベース23と同期させる更新が必要なフラグである。なお、データ同期のフラグを記録するデータを、共通のファイルとしてデータベース23とデータベース41のいずれか一方に持たせてもよい。この場合、「更新」の欄には「0」、「1」、「2」の値のいずれかが記録される。また、
図8、
図9とは別に利用者(会員ID)を管理するためのデータをデータベース23、41のいずれか一方又は両方に持たせることができる。また、
図8、
図9や利用者を管理するためのデータには、通し番号などの一意の見出し情報を駐車室と関連付けて(1つの駐車室に複数の見出し情報が関連付けられることがある)付加することができる。このようにすれば、駐車室に対応する暗証番号や会員IDを変更する必要が生じた場合でも、教育実施完了フラグと駐車室との関連付けに混乱が生じることが無い。また、
図8、
図9や利用者を管理するためのデータには、予め全ての駐車室の数に対応する主利用者のためのデータを初期設定しておくことができる。この場合、駐車室に対応する暗証番号や会員IDを初期設定しておいてもよいし、利用者が会員登録する際に、その両方又はいずれかを指定又は選択させるようにしてもよい。また、
図8、
図9には示していないが、データベース23及び41のいずれか一方で主利用者又は副利用者が追加された場合(図の行数が増えた場合)も、「更新」の欄に「1」、「2」の値のいずれかが記録されるようにすることができる。
【0074】
図8に示すデータベース23の例は、暗証番号「1111」と「2222」と「3333」の3つの駐車室14が利用者契約されている例である。暗証番号「1111」に対し、2つの会員IDが登録されており、会員ID「123456」の利用者は、取扱教育が実施完了しており、主利用者として登録されている。同じ暗証番号の会員ID「134686」の利用者は、副利用者として登録され、取扱教育は完了していない。また、暗証番号「2222」の利用者は、取扱教育が実施完了しており、主利用者として登録されている。この暗証番号「2222」の利用者は、運転操作盤13で取扱教育を実施完了しており、「取扱教育実施完了」の欄は「1」であるが、「更新」も「1」であり、サーバ40のデータベース41はデータ更新ができていない。暗証番号「3333」の利用者は、運転操作盤13による取扱教育が実施完了しておらず、主利用者として登録されている。このようにして、各利用者について取扱教育が実施完了しているか否かの実施状況を管理することができる。
【0075】
図9に示すデータベース41の例も、
図8と同じように暗証番号「1111」と「2222」と「3333」の3つの駐車室14が利用者契約されている例である。この例では、会員ID「123456」の利用者は、取扱教育が完了しているため取扱教育実施完了が「1」で、教育実施更新状態は「0」となっておりデータベース23とデータベース41の情報は同期完了している。会員ID「134686」の利用者は、取扱教育が完了していないため、取扱教育実施完了が「0」で教育実施更新状態も「0」となっている。また、暗証番号「2222」の利用者も、端末装置50による取扱教育は実施完了していないため、取扱教育実施完了が「0」で教育実施更新状態も「0」となっている。
【0076】
また、暗証番号「3333」の利用者は、取扱教育が実施完了しているため取扱教育実施完了は「1」であるが教育実施更新状態は「2」となっている。教育実施更新状態の「2」は、端末装置50のアプリケーションソフトでの取扱教育は実施完了しており、サーバ40のデータベース41の情報は取扱教育実施完了となっているが、エレベータ式駐車設備10のデータベース23の情報は取扱教育実施完了となっていないフラグである。この場合、所定のタイミングでデータベース41の情報とデータベース23の情報とが同期され、教育実施更新状態のフラグが「0」になる。所定のタイミングとしては、毎日決まった時刻、取扱教育の完了が決められた数行われた場合、取扱教育の完了又は新たな会員IDが発行された場合(その都度)、管理者により同期操作が行われた場合などとすることができる。なお、取扱教育の完了又は新たな会員IDが発行される都度同期が行われることとした場合に、通信に障害等の問題が生じたりデータベースに正常にアクセスできない不具合などにより同期に失敗したとき、教育実施更新状態を「1」又は「2」としておいて、毎日決まった時刻に教育実施更新状態が「0」でないデータを対象に同期を行うようにしてもよい。
【0077】
このようにエレベータ式駐車設備10のデータベース23とサーバ40のデータベース41とに同じ情報を保存しておくことで、エレベータ式駐車設備10のデータベース23が壊れた場合や、通信ネットワーク30の不具合でデータ通信ができない場合でも、エレベータ式駐車設備10の稼働に影響がないようにできる。
【0078】
(取扱教育プログラム)
図10は、取扱教育プログラムの一例を示すフローチャートである。
図11は、
図10に示す取扱教育プログラムとは異なる例の取扱教育プログラムのフローチャートである。
図12は、
図11に示す取扱教育プログラムとは異なる例の取扱教育プログラムのフローチャートである。
図13は、
図12に示す取扱教育プログラムとは異なる例の取扱教育プログラムのフローチャートである。
図14は、
図13に示す取扱教育プログラムとは異なる例の取扱教育プログラムのフローチャートである。以下、これらの図に基づいて、機械式駐車設備を利用する利用者に対して端末装置50で取扱教育を行ってその結果をデータベース41に出力する取扱教育プログラムの例を説明する。なお、以下の説明には、上記取扱教育管理システム1において説明したプログラムの内容が含まれる場合がある。また、上記取扱教育管理システム1において説明した構成には、同一符号を付し、その説明は省略する。また、「利用者に対して予め設定された情報」、「取扱教育の内容」などは
図10で説明し、他の図では説明を省略する。
【0079】
図10に示す例の取扱教育プログラムは、コンピュータに、機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の取扱教育を利用者に対して提供できるようにさせる(71)。この機械式駐車設備の情報としては、利用者が契約している対象駐車設備に関する情報であり、プログラムをコンピュータにインストールする際に利用したURLに応じて選択されたプログラムに予め組み込まれていたり、インストール乃至プログラム起動の際に利用者が入力する設備名称や設備の識別情報又は利用者識別情報に基づいて取得するようにできる。すなわち、利用者が契約等に基づいて利用する駐車設備の情報である。機械式駐車設備の情報には、駐車設備の種類、駐車室14に駐車可能な自動車V の大きさ等も含まれる。その後、利用者が使用する端末装置50に対して取扱教育の内容が提供させる(S72)。この取扱教育の内容としては、対象駐車設備に収容できる収容車の諸元に関する情報や、安全上の注意事項に関する情報などに基づいて選択又は組み合わせられた内容である。その後、利用者による取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて取扱教育の修了を判定し、取扱教育の修了を利用者の会員IDに紐付けてデータベース41に出力させる(S73)。この取扱教育プログラムによれば、各利用者について、端末装置50を用いて取扱教育を行って修了していることをデータベース41で管理することができる。なお、取扱教育の内容として使用される文字、音声、画像、動画は、予め記憶装置に記憶しておいたり、ネットワークを通じて取得したり、プログラムで自動的に生成させることができる。これについても
図11以降同様である。
【0080】
図11に示す例の取扱教育プログラムは、コンピュータに、機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の取扱教育を利用者に対して提供できるようにさせる(S81)。そして、利用者によるプログラムの利用時に、対象駐車室に対応する会員IDに紐付けられた取扱教育の修了の有無情報に基づいて、取扱教育を実行するか否かを判定させる(S82)。そして、取扱教育を実行すると判定した場合、利用者が使用する端末装置50に対して取扱教育の内容を提供させる(S83)。その後、利用者による取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて取扱教育の修了を判定し、取扱教育の修了を利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力させる(S84)。この取扱教育プログラムによっても、各利用者について、端末装置50を用いて取扱教育を行って修了していることをデータベース41で管理することができる。
【0081】
図12に示す例の取扱教育プログラムは、コンピュータに、機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の取扱教育を利用者に対して提供できるようにさせる(S91)。そして、利用者によるプログラムの利用時に、対象駐車室に対応する会員IDが発行済みか否かの情報に基づいて、会員IDの発行と取扱教育を実行するか否かを判定させる(S92)。会員IDを発行すると判定した場合は会員IDを発行する(S93)。そして、取扱教育を実行すると判定した場合、利用者が使用する端末装置50に対して取扱教育の内容を提供させる(S94)。その後、利用者による取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて取扱教育の修了を判定し、取扱教育の修了を利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力させる(S95)。この取扱教育プログラムによっても、各利用者について、端末装置50を用いて取扱教育を行って修了していることをデータベース41で管理することができる。
【0082】
図13に示す例の取扱教育プログラムは、コンピュータに、機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の取扱教育を利用者に対して提供できるようにさせる(S101)。そして、利用者によるプログラムの利用時に、プログラムのインストール時に自動設定された端末装置50の識別子又は端末装置50の固有の識別子を取得し、いずれかの識別子に対応する会員IDが発行済みか否かを判定させる(S102)。その後、未発行の場合は会員IDを生成して発行するとともに、端末装置50の識別子又は端末装置50の固有の識別子と関連付けてデータベース41に出力させる(S103)。これに加えて、他の実施形態で示した方法により取得した駐車室の情報等も生成した会員IDと関連付けて出力するようにしてもよい。そして、会員IDを発行した利用者が使用する端末装置50に対して取扱教育の内容を提供させる(S104)。その後、利用者による取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて取扱教育の修了を判定し、取扱教育の修了を利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力させる(S105)。この取扱教育プログラムによっても、各利用者について、端末装置50を用いて取扱教育を行って修了していることをデータベース41で管理することができる。
【0083】
図14に示す例の取扱教育プログラムは、コンピュータに、機械式駐車設備の情報に基づいて、文字、音声、画像、動画のいずれか又はこれらの組み合わせを用いた内容の取扱教育を利用者に対して提供できるようにさせる(S111)。そして、利用者によるプログラムの利用時に、プログラムのインストール時に自動設定された端末装置50の識別子又は端末装置50の固有の識別子を取得し、いずれかの識別子に対応する会員IDが発行済みか否かを判定させる(S112)。
【0084】
そして、少なくとも1つの会員IDが発行済みの対象駐車設備の対象駐車室について新たな会員IDを生成して発行する場合は、発行済みの会員IDの利用者に対して新たな会員IDの発行を承認するか否かについて通知させる(S113)。その後、発行済みの会員IDの利用者が通知に基づいて新たな会員IDの発行を承認した後で、新たな会員IDを発行させる(S114)。なお、新たな会員IDの発行を承認するか否かについて通知させることや、発行済みの会員IDの利用者が通知に基づいて新たな会員IDの発行を承認した後で新たな会員IDを発行することは、
図12で説明した会員ID発行の処理においても適用することができる。
【0085】
そして、新たな会員IDが発行された利用者に対し、この利用者が使用する端末装置50に対して取扱教育の内容を提供させる(S115)。その後、利用者による取扱教育の内容に対する入力情報に基づいて取扱教育の修了を判定し、取扱教育の修了を利用者の会員IDに紐付けてデータベースに出力させる(S116)。この取扱教育プログラムによっても、各利用者について、端末装置50を用いて取扱教育を行って修了していることをデータベース41で管理することができる。
【0086】
(総括)
以上のように、上記取扱教育管理システム1によれば、各利用者は端末装置50でアプリケーションソフトを用いてエレベータ式駐車設備(機械式駐車設備)10の取扱教育を任意のタイミングで実施可能となる。よって、各利用者はエレベータ式駐車設備10の稼働(他の利用者の運転操作盤13による取扱教育実施中の待ち時間)に影響することなく取扱教育を実施することが可能となり、エレベータ式駐車設備10の利便性が向上する。
【0087】
また、各利用者に会員IDを発行し、各利用者が取扱教育管理を完了したことを会員IDに関連付けて記録することができるため、各利用者の取扱教育実施完了の有無を管理することが可能となる。しかも、各利用者が端末装置50でアプリケーションソフトを用いて取扱教育を実施することで、エレベータ式駐車設備10を利用する利用者それぞれ個人に対する取扱教育の実施及び管理が可能となる。
【0088】
また、管理人においては、利用者(契約者)に対して教育を実施する必要がなくなるので業務の軽減と管理コスト低減が期待できる。また、管理人も専用のアプリケーションソフトを利用すれば、利用者(契約者及び利用者を含む)の教育実施状況を把握することができ、利用者の教育状況を視認、管理することが可能となる。
【0089】
一方、上記取扱教育プログラムによれば、各利用者は端末装置50でアプリケーションソフトを用いてエレベータ式駐車設備(機械式駐車設備)10の取扱教育を任意のタイミングで実施可能となる。また、各利用者に会員IDを発行し、各利用者が取扱教育を修了したことを会員IDに関連付けて記録することができるため、各利用者それぞれ個人に対する取扱教育修了の有無を管理することが可能となる。
【0090】
(その他の変形例)
機械式駐車設備は、上記した実施形態における構成に限定されない。機械式駐車設備は、エレベータ式の他、箱型循環式、水平循環式、平面往復式、縦横移動パズル式、垂直循環式、多段式、及び平面駐車移動式等、種々の形式の駐車設備を含む。
【0091】
また、取扱教育の項目は一例であり、機械式駐車設備の種類などに応じて適切な項目で取扱教育実施すればよく、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0092】
1 取扱教育管理システム
10 エレベータ式駐車設備(機械式駐車設備)
13 運転操作盤
14 駐車室
20 制御装置
22 コンピュータ
21 通信部
23 データベース
30 通信ネットワーク
40 サーバ
41 データベース
50 端末装置
51 画面
52 選択ボタン
53 選択ボタン