(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023131991
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】イカ釣り用疑似餌及びこれを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
A01K 85/00 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A01K85/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037054
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】522096857
【氏名又は名称】株式会社面本研磨
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】面本 孝志
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA02
2B307BA04
2B307BA12
2B307BA14
2B307BB01
(57)【要約】
【課題】様々な組み合わせの錘を用いることを可能とするイカ釣り用疑似餌を提供することである。
【解決手段】イカ釣り用疑似餌10は、所定の径及び所定の長さを有する棒状の芯体部12と、芯体部12が挿通可能な貫通孔14aを有し、所定の重量を有する筒状の複数の錘体部14と、芯体部12が挿通可能な貫通孔を有する傘骨状の針部18と、を備え、各錘体部14の中心軸上に沿った両端部のうち少なくとも1つの端部は、先端に向かって先細りとなるテーパ形状を有することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の径及び所定の長さを有する棒状の芯体部と、
前記芯体部が挿通可能な貫通孔を有し、所定の重量を有する筒状の複数の錘体部と、
前記芯体部が挿通可能な貫通孔を有する傘骨状の針部と、
を備え、
前記各錘体部の中心軸上に沿った両端部のうち少なくとも1つの端部は、先端に向かって先細りとなるテーパ形状を有することを特徴とするイカ釣り用疑似餌。
【請求項2】
請求項1に記載のイカ釣り用疑似餌において、
前記芯体部が挿入可能な貫通孔を有し、前記芯体部が挿入された錘体部の動きを規制する規制部を備えることを特徴とするイカ釣り用疑似餌。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のイカ釣り用疑似餌において、
前記各錘体部は、重量が異なることを特徴とするイカ釣り用疑似餌。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のイカ釣り用疑似餌において、
前記各錘体部は、表面の色が異なることを特徴とするイカ釣り用疑似餌。
【請求項5】
所定の径及び所定の長さを有する棒状の芯体部と、
前記芯体部が挿通可能な貫通孔を有し、所定の重量を有する筒状の複数の錘体部と、
前記芯体部が挿通可能な貫通孔を有する傘骨状の針部と、
を備え、
前記各錘体部の中心軸上に沿った両端部のうち少なくとも1つの端部が、先端に向かって先細りとなるテーパ形状を有し、
前記各錘体部の重量が異なるイカ釣り用疑似餌を組み立てる方法であって、
重量が異なる前記錘体部を複数組み合わせることで前記イカ釣り用疑似餌を組み立てることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イカ釣り用疑似餌及びこれを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イカ釣り用疑似餌が開発されている。本発明に関連する商品として、例えば、特許文献1には、棒状の本体の先端にフックを取り付けて使用するイカ釣り用疑似餌であって、本体の一部が多角形の角柱形状を有し、角柱形状を構成する各面が透明な部材の反射面とされ、反射面のうち少なくとも1つの反射面に模様が付されていることを特徴とするイカ釣り用疑似餌が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のイカ釣り用疑似餌は、針と錘とで構成されているが、錘の重さが一定である。錘の重さが一定であると釣り場の水深や流れに応じて異なる疑似餌を準備する必要がある。また、錘の表面の色が一定でありデザインに代わり映えがなければ釣りをするユーザが飽きてしまうことがある。
【0005】
本発明の目的は、様々な組み合わせの錘を用いることを可能とするイカ釣り用疑似餌を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るイカ釣り用疑似餌は、所定の径及び所定の長さを有する棒状の芯体部と、 前記芯体部が挿通可能な貫通孔を有し、所定の重量を有する筒状の複数の錘体部と、前記芯体部が挿通可能な貫通孔を有する傘骨状の針部と、を備え、前記各錘体部の中心軸上に沿った両端部のうち少なくとも1つの端部は、先端に向かって先細りとなるテーパ形状を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るイカ釣り用疑似餌において、前記芯体部が挿入可能な貫通孔を有し、前記芯体部が挿入された錘体部の動きを規制する規制部を備えることが好ましい。
【0008】
また、本発明に係るイカ釣り用疑似餌において、前記各錘体部は、重量が異なることが好ましい。
【0009】
また、本発明に係るイカ釣り用疑似餌において、前記各錘体部は、表面の色が異なることが好ましい。
【0010】
本発明に係るイカ釣り用疑似餌を組み立てる方法は、所定の径及び所定の長さを有する棒状の芯体部と、前記芯体部が挿通可能な貫通孔を有し、所定の重量を有する筒状の複数の錘体部と、前記芯体部が挿通可能な貫通孔を有する傘骨状の針部と、を備え、前記各錘体部の中心軸上に沿った両端部のうち少なくとも1つの端部が、先端に向かって先細りとなるテーパ形状を有し、前記各錘体部の重量が異なるイカ釣り用疑似餌を組み立てる方法であって、重量が異なる前記錘体部を複数組み合わせることで前記イカ釣り用疑似餌を組み立てることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、様々な組み合わせの錘を用いたイカ釣り用疑似餌を組み立てることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る実施形態のイカ釣り用疑似餌を示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態のイカ釣り用疑似餌及び変形例であるイカ釣り用疑似餌を示す図である。
【
図3】本発明に係る実施形態のイカ釣り用疑似餌の芯体部及び変形例である芯体部を示す図である。
【
図4】従来技術のイカ釣り用疑似餌を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0014】
図1は、本発明に係る実施形態のイカ釣り用疑似餌10を示す図である。
図1(a)は、イカ釣り用疑似餌10の芯体部12の上面図である。
図1(b)は、イカ釣り用疑似餌10の芯体部12の側面図である。
【0015】
図1(c)は、イカ釣り用疑似餌10の錘体部14の側面図である。
図1(d)は、イカ釣り用疑似餌10の錘体部14の断面図(
図1(e)のA-A線断面図)である。
図1(e)は、イカ釣り用疑似餌10の錘体部14の正面図である。
【0016】
図2は、本発明に係る実施形態のイカ釣り用疑似餌10及びイカ釣り用疑似餌10の変形例であるイカ釣り用疑似餌20,30を示す図である。
図2(a)は、分解されたイカ釣り用疑似餌10を示す図である。
図2(b)は、組み立てられたイカ釣り用疑似餌10を示す図である。
【0017】
図2(c)は、イカ釣り用疑似餌10の第1変形例であるイカ釣り用疑似餌20を示す図である。
図2(d)は、イカ釣り用疑似餌10の第2変形例であるイカ釣り用疑似餌30を示す図である。
【0018】
イカ釣り用疑似餌10は、イカ釣りを楽しむ際に用いる疑似餌である。イカ釣り用疑似餌10は、棒状の芯体部12と、複数の錘体部14と、規制部16と、傘骨状の針部18とを備えている。
【0019】
芯体部12は、所定の径及び所定の長さを有する棒状の芯部材である。芯体部12は、一方端側が略環状を形成するO字部12bを有しており、他方端側には釣り糸を挿通させるための2つの貫通孔12aが形成されている。
【0020】
芯体部12のサイズは、適宜変更可能であるが、以下に例示する。例えば、芯体部12の所定の直径は2.5mmであり、O字部12bは、内径(中心から芯体部12の内側までの半径)が1.25mmであり、外径(中心から芯体部12の外側までの半径)が3.75mmである。また、2つの貫通孔12aの半径は、0.5mmであり、芯体部12の両端部の長さは、107.5mmである。
【0021】
芯体部12のその他のサイズ例としては、芯体部12の所定の直径は3mmであり、O字部12bは、内径が1.5mmであり、外径が4.5mmである。また、2つの貫通孔12aの半径は0.5mmであり、芯体部12の両端部の長さは、109mmである。
【0022】
また、芯体部12の別のサイズ例としては、芯体部12の所定の直径は3.5mmであり、O字部12bは、内径が1.75mmであり、外径が5.25mmである。また、2つの貫通孔12aの半径は0.5mmであり、芯体部12の両端部の長さは110.5mmである。
【0023】
芯体部12は、適度な強度を有する材質で構成されており、ここでは、ステンレスで構成されているものとして説明するが、もちろん、その他の材質を用いることも可能である。
【0024】
錘体部14は、芯体部12が挿通可能な貫通孔14aを有し、所定の重量を有する筒状の錘部材である。錘体部14の中心軸上に沿った両端部のうち少なくとも1つの端部は、先端に向かって先細りとなるテーパ形状を有する。
【0025】
具体的には、
図1に示されるように、錘体部14は、中央部に芯体部12が挿入される貫通孔14aが形成されている。錘体部14は、略円柱形状の第一部14bと、略円錐台形状の第二部14cとを備えている。
【0026】
芯体部12のサイズは、適宜変更可能であるが、以下に例示する。例えば、略円柱形状の第一部14bの直径は16mmであり、高さは10mmであり、貫通孔の直径は3.5mmである。略円錐台形状の底面側の直径は16mmであり、高さは20mmであり、上面側の直径は7.5mmであり、貫通孔の直径は3.5mmである。
【0027】
芯体部12は、適度な強度を有する材質で構成されており、ここでは、タングステン、鉛、樹脂で構成されているものとして説明するが、もちろん、その他の材質を用いることも可能である。
【0028】
なお、タングステンで構成される芯体部12と、鉛で構成される芯体部12と、樹脂で構成される芯体部12とは重量が異なる。このように、芯体部12を構成する材料で重量を異ならせることができるが、芯体部12のサイズ(例えば、高さなど)を変えることで重量を調整してもよい。
【0029】
各錘体部14は、表面の色が異なる。具体的には、略円柱形状の第一部14b及び略円錐台形状の第二部14cの夫々、上面、側面及び底面は、所定の色彩や模様などが施されている。
【0030】
例えば、赤色、青色、緑色、黄色、橙色、紫色、水色、金色、銀色などの単一色が異なる錘体部14に施されている場合には、この中から2つの錘体部14を選ぶことで多数の組み合わせが出来るため、例えば、釣りをするユーザは気分に応じて様々な意匠のイカ釣り用疑似餌10を作ることが出来る。
【0031】
規制部16は、芯体部12が挿入可能な貫通孔を有し、芯体部12が挿入された錘体部14の動きを規制する規制部材である。規制部16は、円筒形状を有しており、貫通孔の直径は4mmに設定されており、外径は15mmに設定されており、高さは10mmに設定されるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。
【0032】
規制部16は、適度な柔軟性を有する材質で構成されており、例えば、バネ部材、シリコン部材、ゴム部材で構成することが出来る。
【0033】
針部18は、芯体部12が挿通可能な貫通孔を有する傘骨状の針部材である。針部18の貫通孔は3mmに設定されており、外径は15mmに設定されており、高さは10mmに設定されるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。
【0034】
針部18は、適度な強度を有する材質で構成されており、ここでは、例えば、ステンレスで構成するものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。
【0035】
続いて、上記構成のイカ釣り用疑似餌10の作用について説明する。
図4に示される従来技術のイカ釣り用疑似餌60,70は、錘に施されたデザインに代わり映えがなく面白味に欠けている。
【0036】
また、従来技術のイカ釣り用疑似餌60,70は、重さが一定であるため、釣り場の水深やや潮の流れにより、重量を変更したい場合には、別の商品に取り換える必要がある。
【0037】
さらに、従来技術のイカ釣り用疑似餌60,70は、針は錘の下方に装着されて位置を変えることができない。このような従来技術のイカ釣り用疑似餌60,70の課題に対し、本発明の実施形態に係るイカ釣り用疑似餌10は顕著な効果を発揮する。
【0038】
最初に、
図2(a)に示されるように、分解されたイカ釣り用疑似餌10を準備する。そして、2つの針部18の貫通孔に芯体部12の他方側から芯体部12を挿入し、2つの針部18をO字部12bに係止させる。
【0039】
その後、1つの規制部16の貫通孔に芯体部12を挿通させた後、2つの針部18の上方に位置させる。次に、一組の錘体部15a,15bのうち、最初に錘体部15bの円錐台部の上面側を下方に向けて錘体部15bの貫通孔に芯体部12を挿通させた後、規制部16により規制されるまで移動させる。
【0040】
次いで、一組の錘体部15a,15bのうち、残りの錘体部15aの円錐台部を上方に向けて錘体部15aの貫通孔に芯体部12を挿通させた後、錘体部15bの底面により規制されるまで移動させる。
【0041】
その後、1つの規制部16の貫通孔に芯体部12を挿通させた後、錘体部15aの上面の上方に位置させる。これより、錘体部15aの上方方向への移動を規制する。このようにして、
図2(b)に示されるように、イカ釣り用疑似餌10を完成させる。
【0042】
以上のように、イカ釣り用疑似餌10によれば、例えば、一組の錘体部15a,15bに施された意匠(色彩、模様)を選んで装着することができるため、自分の好みの配色やその日の気分などに応じてデザインを変えることができるという利点がある。
【0043】
また、一組の錘体部15a,15bの材料(例えば、タングステン、鉛、樹脂)の組み合わせを変えることで、重量を変えることができる。これにより、釣り場の水深や潮の流れに応じて適切な重量に設定することができるという顕著な効果を奏する。
【0044】
また、上記の例では、2つの針部18を下方に配置するものとして説明したが、イカ釣り用疑似餌10によれば、針部18の位置を変えることができ、例えば、
図2(c)に示されるように、2つの針部18を一組の錘体部15a,15bの上方と下方の夫々に分けて配置することも出来る。これにより、イカが針に食いつく確率を高めることが出来る。
【0045】
さらに、
図2(d)に示されるように、3つの針部18と、大きさの異なる一組の錘体部15c,15dを用いて、一組の錘体部15c,15dの上下及び錘体部15c,15dの間に針部18を位置させることが出来る。
【0046】
以上のように、イカ釣り用疑似餌10によれば、錘体部14の意匠(色彩、模様)や重量の組み合わせを変えることで、様々なバリエーションのデザインに出来るとともに、釣り場の状況に応じて重量を自在に変えることができるという顕著な効果を奏する。
【0047】
なお、上記の例では、芯体部12、錘体部14、規制部16及び針部18を用いて構成するものとして説明したが、針部18を用いずに錘として機能させてもよい。
【0048】
図3は、本発明に係る実施形態のイカ釣り用疑似餌10の芯体部12及び芯体部12の変形例である芯体部22,32,42,52を示す図である。
図3(a)は、芯体部12を示す図である。
図3(b)は、芯体部12の第1変形例である芯体部22を示す図である。
【0049】
図3(c)は、芯体部12の第2変形例である芯体部32を示す図である。
図3(d)は、芯体部12の第3変形例である芯体部42を示す図である。
図3(e)は、芯体部12の第4変形例である芯体部52を示す図である。
【0050】
図3(a)は、上述した芯体部12のように、下部の形状がO字部12bである。O字部12bには、例えば、サルカンの付いた錘を繋ぐことが出来る。
【0051】
図3(b)に示されるように芯体部22の一方側端部には、貫通孔22bが形成されている。貫通孔22bは、例えば、直径1mmの孔であるものとして説明するが、もちろん、適宜変更可能である。貫通孔22bにリングを装着し、そのリングに針などを装着することも出来る。
【0052】
その他の変形例として、
図3(c)に示されるように、芯体部32の一方側端部はT字形状を有する構成が開示されており、
図3(d)に示されるように、芯体部42の一方側端部はL字形状を有する構成が開示されており、
図3(e)に示されるように、芯体部52の一方側端部は三角形状を有する構成が開示されている。これらの変形例の芯体部を用いてイカ釣り用疑似餌を作ることも出来る。
【符号の説明】
【0053】
10、20,30,40 イカ釣り用疑似餌、12 芯体部、12a 貫通孔、12b O字部、14 錘体部、14a 貫通孔、15a,15b,15c,15d 錘体部、14b 第一部、14c 第二部、16 規制部、18 針部、22,32,42,52 芯体部、22b 貫通孔。