(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132023
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】電子部品保護構造およびスイッチ装置
(51)【国際特許分類】
H05F 3/04 20060101AFI20230914BHJP
H05K 9/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
H05F3/04 A
H05K9/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037110
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】岸 昇示
(72)【発明者】
【氏名】田島 恒平
(72)【発明者】
【氏名】並川 敏洋
(72)【発明者】
【氏名】伊東 秀章
【テーマコード(参考)】
5E321
5G067
【Fターム(参考)】
5E321AA14
5E321AA17
5E321GG01
5G067AA16
5G067AA45
5G067DA01
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で、ケース部材に帯電した静電気から電子部品を保護することができる電子部品保護構造およびスイッチ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】電子部品保護構造1は、電子部品21が実装された回路基板2と、回路基板2を支持するベース部材3と、回路基板2を覆い、ベース部材3に対して固定されるケース部材4と、回路基板2に接続され、導電性を有するグランド部材6と備える。グランド部材6は、少なくとも一部がケース部材4の内側に露出した露出部621を有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装された回路基板と、
前記回路基板を支持するベース部材と、
前記回路基板を覆い、前記ベース部材に対して固定されるケース部材と、
前記回路基板に接続され、導電性を有するグランド部材と、備え、
前記グランド部材は、少なくとも一部が前記ケース部材の内側に露出した露出部を有する電子部品保護構造。
【請求項2】
前記グランド部材は、線状をなす線状部と、該線状部の長手方向の途中から分岐して、突出した突出部と、を有し、
前記突出部は、その少なくとも先端部が前記露出部となる、請求項1に記載の電子部品保護構造。
【請求項3】
前記突出部は、前記線状部に対して、反対側にも配置されている、請求項2に記載の電子部品保護構造。
【請求項4】
前記露出部は、前記ケース部材に向かって突出している、請求項2に記載の電子部品保護構造。
【請求項5】
前記露出部と前記ケース部材との間の最短距離は、前記回路基板と前記ケース部材との間の最短距離よりも小さい、請求項1に記載の電子部品保護構造。
【請求項6】
前記露出部は、前記ケース部材から離間している、請求項5に記載の電子部品保護構造。
【請求項7】
前記露出部は、前記ケース部材と接している、請求項5に記載の電子部品保護構造。
【請求項8】
前記ベース部材と前記ケース部材との間に設けられ、該間を封止する封止部材を備える、請求項6に記載の電子部品保護構造。
【請求項9】
前記ケース部材は、前記露出部に向かって突出するケース側突出部を有する、請求項1に記載の電子部品保護構造。
【請求項10】
前記ケース部材は、樹脂材料で構成される、請求項1に記載の電子部品保護構造。
【請求項11】
請求項1に記載の電子部品保護構造を備えるスイッチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品保護構造およびスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、IC等の電子部品が実装された回路基板を備える電子機器が知られている。この電子機器には、電子部品を静電気から保護する保護構造を有するものがある。保護構造を有する装置としては、例えば特許文献1に、回路基板(制御基板)が固定された電動機ハウジングと、回路基板を覆う制御部カバーと、を備える装置が開示されている。この特許文献1に記載の装置は、電動機ハウジングにモールドされたインサートナットに固定ボルトが締結することにより、制御部カバーが電動機ハウジングに固定される。また、電動機ハウジングには、接地端子形成体がモールドされており、接地端子形成体のカバー接地端子がインサートナットを介して固定ボルトと電気的に接続されている。そして、制御部カバーに静電気が帯電した際には、当該静電気を、固定ボルト、インサートナット、接地端子形成体を順に介して、自動車本体に逃がすことができる。また、特許文献2には、メンブレンスイッチとしての操作ユニットと、操作ユニットが接続されるコネクタを有する回路基板と、を備える装置が開示されている。この特許文献2に記載の装置は、回路基板上に、コネクタの端子と電気的に接続された静電気アース用のパターンが形成されている。そして、この静電気アース用のパターンを介して、操作ユニットの静電気を逃すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-175235号公報
【特許文献2】実開昭62-20428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の装置では、保護構造として、固定ボルト、インサートナット、接地端子形成体を有しており、部品点数が比較的多くなっている。また、接地端子形成体の形状も複雑化する傾向にある。特許文献2に記載の装置では、回路基板上に静電気アース用のパターンが形成されている分、回路基板が大型化、複雑化する傾向にある。
【0005】
本発明は、簡単な構成で、ケース部材に帯電した静電気から電子部品を保護することができる電子部品保護構造およびスイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の電子部品保護構造は、電子部品が実装された回路基板と、回路基板を支持するベース部材と、回路基板を覆い、ベース部材に対して固定されるケース部材と、回路基板に接続され、導電性を有するグランド部材と、備え、グランド部材は、少なくとも一部がケース部材の内側に露出した露出部を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単な構成で、ケース部材に帯電した静電気から電子部品を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る第1実施形態の電子部品保護構造を備えるスイッチ装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すスイッチ装置の分解斜視図である。
【
図4】
図2中の回路基板およびグランド部材の斜視図である。
【
図6】
図1に示すスイッチ装置における回路基板とケース部材とグランド部材との位置関係を示す斜視図である。
【
図8】本発明に係る第2実施形態の電子部品保護構造を備えるスイッチ装置を示す分解斜視図である。
【
図9】
図8に示すスイッチ装置におけるケース部材とグランド部材との位置関係を示す概略横断面図である。
【
図10】本発明に係る第3実施形態の電子部品保護構造におけるケース部材とグランド部材との位置関係を示す概略横断面図である。
【
図11】第3実施形態の電子部品保護構造の変形例を示す概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の各実施形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は各実施形態に記載されている構成によって限定されることはない。なお、以下では、各図中、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を想定する(設定する)。X軸方向は、スイッチ装置の幅方向と平行な方向である。Y軸方向は、スイッチ装置の奥行き方向と平行な方向である。Z軸方向は、スイッチ装置の高さ方向と平行な方向である。また、各軸の矢印が向く方向を「正側」、その反対方向を「負側」とする。また、Z軸方向正側を「上(または上方)」、Z軸方向負側を「下(または下方)」と言うことがある。
【0010】
<第1実施形態>
以下、
図1~
図7を参照して、第1実施形態について説明する。
図1に示すスイッチ装置10は、電子部品保護構造1を備え、例えば自動車のブレーキやクラッチ等のペダル(図示せず)の根元付近に設置して用いられる。スイッチ装置10は、ペダルが踏み込まれた際、その踏み込みを検知し、電気的に出力する装置である。なお、スイッチ装置10は、踏み込み量を電気的に出力してもよい。また、スイッチ装置10は、自動車に搭載されるのに限定されない。
【0011】
図2に示すように、電子部品保護構造1は、回路基板2、ベース部材3、ケース部材4、封止部材5、グランド部材6を備える。また、スイッチ装置10は、電子部品保護構造1の他に、ロッド7、マグネットホルダ8、コイルバネ9、マグネット11を備える。電子部品保護構造1について説明する前に、ロッド7、マグネットホルダ8、コイルバネ9、マグネット11について説明する。
【0012】
ロッド7は、Z軸方向に沿った円柱状の部材であり、Z軸方向に往復動可能に支持されている。ロッド7の上端部(先端部)は、ケース部材4の先端開口部421から突出している(
図1参照)。ロッド7の上端面71は、半球状に丸みを帯びており、ペダルを構成する所定の部材に当接している。そして、このペダルを自動車の運転者が踏み込んで操作することにより、ロッド7は、コイルバネ9の付勢力によって、上側に向かって移動する。また、ロッド7は、運転者からの踏み込み力が解除された際には、コイルバネ9の付勢力に抗して、下側に向かって押圧される。ロッド7の下側には、マグネットホルダ8が配置されている。これにより、マグネットホルダ8は、ロッド7とともにZ軸方向に往復動することができる。マグネットホルダ8は、ブロック状をなし、そのY軸方向正側にマグネット11を保持している。マグネットホルダ8の下側には、コイルバネ9が配置されている。コイルバネ9は、マグネットホルダ8とベース部材3との間で圧縮状態となっている。これにより、ロッド7を上側に向かって付勢することができる。また、コイルバネ9の上端部91は、マグネットホルダ8の凹部81に挿入され、コイルバネ9の下端部92には、ベース部材3の凸部31が挿入されている。これにより、コイルバネ9の位置および姿勢が規制されて、コイルバネ9が安定してZ軸方向に伸縮することができる。なお、ペダルの踏み込みとロッド7の移動との関係は、本実施形態での関係に対して、逆転した関係となっていてもよい。
【0013】
電子部品保護構造1は、回路基板2、ベース部材3、ケース部材4、封止部材5、グランド部材6を備え、回路基板2の電子部品21を保護するものである。
【0014】
図3に示すように、回路基板2は、その厚さ方向がY軸方向と平行となるようにベース部材3に支持されている。回路基板2の少なくとも一方の面には、1つ以上の電子部品21が実装されている。電子部品21としては、例えばIC(集積回路)やホール素子等がある。ホール素子は、ホール効果を利用した磁気センサである。ホール素子は、ペダルの踏み込みに伴ってロッド7が往復動することにより、マグネットホルダ8に保持されたマグネット11との位置関係が変化する。この変化により、ホール素子で発生する電圧がペダルの踏み込み量として検出されて、出力される。
図4に示すように、回路基板2は、複数のターミナル22が接続されている。各ターミナル22は、それぞれ、回路パターン(図示せず)を介して所定の電子部品21と電気的に接続されている。また、各ターミナル22は、それぞれ、全体として下方に向かって延びている。
【0015】
図2、
図3に示すように、ベース部材3は、中空の胴部32と、胴部32から突出した一対の爪部34と、胴部32から突出し、回路基板2を支持する支持部35とを有し、これらが一体的に形成された部材である。ベース部材3は、例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)等の各種樹脂材料で構成されている。これにより、ベース部材3を製造する際に金型を用いることより、ベース部材3を容易に成形することができる。胴部32は、その内側に回路基板2から延びる各ターミナル22が露出しており、当該各ターミナル22を支持、固定するコネクタハウジングとしての機能を有する。この胴部32には、外部からのコネクタ(図示せず)を挿入することができる。これにより、当該コネクタのターミナルと各ターミナル22とが電気的に接続される。胴部32の外周部には、フランジ部33が突出して形成されている。このフランジ部33からは、一対の爪部34が上方に向かって突出して形成されている。これらの爪部34は、X軸方向に離間して配置されており、ケース部材4に外側から係合する。これにより、ケース部材4をベース部材3に固定することができる。なお、爪部34同士の間には、コイルバネ9の下端部92に挿入される凸部31が配置されている。また、フランジ部33からは、支持部35も上方に突出して形成されている。支持部35は、回路基板2をX軸方向に挟持する。これにより、回路基板2がベース部材3に支持される。
【0016】
図1、
図2に示すように、ケース部材4は、ベース部材3の上側に配置され、回路基板2を覆う部材である。ケース部材4は、箱状をなす箱状部41と、箱状部41から筒状に突出した筒状部42とを有し、これらが一体的に形成された部材である。ケース部材4は、ベース部材3と同様に、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の各種樹脂材料で構成される。これにより、ケース部材4を製造する際に金型を用いることより、ケース部材4を容易に成形することができる。なお、ケース部材4は、例えばステンレス鋼等の各種金属材料で構成されていてもよい。箱状部41は、天板部411と、天板部411の縁部から下方に向かって突出した側壁部412とを有する。側壁部412には、ベース部材3の各爪部34が係合する係合部43が設けられている。爪部34が係合部43に係合することにより、ケース部材4は、ベース部材3に対して固定される。また、側壁部412の外周部には、フランジ部44が突出して形成されている。
図6、
図7に示すように、フランジ部44には、規制部45が下方に向かって突出している。規制部45は、側壁部412の周方向に沿ってリング状に形成され、ベース部材3のフランジ部33とケース部材4のフランジ部44との間で封止部材5を圧縮された際、その圧縮限界を規制する部分である。箱状部41の天板部411には、先端開口部421を有する筒状部42が上方に向かって突出している。筒状部42の内側には、ロッド7が摺動可能に支持されている。これにより、ロッド7は、筒状部42に案内されて、Z軸方向に安定して往復動することができる。なお、筒状部42の外周部には、スイッチ装置10用のアタッチメント(図示せず)と螺合する雄ねじ46が形成されているが、この雄ねじ46は、省略されていてもよい。
【0017】
図2に示すように、ベース部材3とケース部材4との間には、封止部材5が設けられている。封止部材5は、ケース部材4の規制部45と同様のリング状をなし、前述したようにベース部材3のフランジ部33とケース部材4のフランジ部44との間で圧縮される。これにより、封止部材5は、その全周にわたってフランジ部33とフランジ部44とに密着して、ベース部材3とケース部材4との間を封止することができる。これにより、ベース部材3とケース部材4との間の防水性が保たれて、ケース部材4内への水分等の侵入を防止することができる。そして、この水分侵入の防止により、回路基板2を保護することができる。また、リング状をなす封止部材5の内側には、ケース部材4の規制部45が位置する。封止部材5は、このケース部材4の規制部45によって、圧縮限界が規制される。これにより、封止部材5が過不足なく圧縮されることとなる。なお、封止部材5は、例えば、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の各種ゴム材料で構成されている。
【0018】
図4に示すように、回路基板2には、グランド部材6が接続されている。グランド部材6は、回路基板2に対するグランド(GND)線であり、例えば銅合金等の導線性材料で構成されている。
図5に示すように、グランド部材6は、線状をなし、グランド部材6の本体部を構成する線状部61と、線状部61から突出した突出部62Aおよび突出部62Bとを有する。線状部61は、その長手方向の途中の複数箇所で屈曲している。突出部62Aは、線状部61の長手方向の途中の1箇所から分岐して、X軸方向正側に向かって直線状に延びる。突出部62Bは、線状部61の長手方向の途中の1箇所(本実施形態では突出部62Aと同じ位置)から分岐して、X軸方向負側に向かって直線状に延びる。なお、本実施形態では、突出部62Bの全長は、突出部62Aの全長よりも長い。また、突出部62Bの長手方向の途中からは、Y軸方向負側に突出した突出部63が分岐しているが、この突出部63は、省略されていてもよい。
【0019】
図3に示すように、突出部62Aおよび突出部62Bは、それぞれ、その少なくとも先端部(一部)がケース部材4の内側に露出した露出部621となっている。そして、
図6、
図7に示すように、各露出部621は、ケース部材4の側壁部412に向かって突出している。なお、
図6、
図7では、回路基板2は、ターミナル22が省略されている。本実施形態では、突出部62Aの露出部621は、ケース部材4の側壁部412に向かってX軸方向正側に突出しており、突出部62Bの露出部621は、ケース部材4の側壁部412に向かってX軸方向負側に突出している。このような突出により、各露出部621とケース部材4の側壁部412との間の最短距離L1を、電子部品21を含む回路基板2とケース部材4の側壁部412との間の最短距離L2よりも小さくすることができる(
図7参照)。これにより、ケース部材4が帯電した際、ケース部材4から露出部621への放電が、ケース部材4から回路基板2への放電よりも優先して行われることとなり、電子部品21を静電気から保護することができる。なお、静電気が生じる原因としては、例えば、自動車の運転者の足が車内のフロアマット上を擦ることによるもの、スイッチ装置10の取り付け、交換時等に作業者自身の帯電によるもの等が挙げられる。
【0020】
以上のようにスイッチ装置10(電子部品保護構造1)では、グランド部材6の少なくとも一部をケース部材4の内側に露出させるという簡単な構成で、ケース部材4に帯電した静電気から電子部品21を保護することができる。また、グランド部材6の他に、さらにケース部材4に対する放電用の部材を設けるのを省略することができる。これにより、スイッチ装置10を構成する部品点数の増加や、スイッチ装置10の大型化を抑制することができる。また、突出部62Bは、線状部61に対して、突出部62Aの反対側に配置されている。これにより、グランド部材6は、線状部61の両側に2つの露出部621を有することとなり、ケース部材4からグランド部材6への放電箇所を増加させることができる。また、各露出部621は、ケース部材4の側壁部412から離間している。これにより、各露出部621が封止部材5の圧縮を妨げるのが防止され、よって、封止部材5は防水機能を十分に発揮することができる。
【0021】
<第2実施形態>
以下、
図8、
図9を参照して、第2実施形態について説明する。
図8に示すように、本実施形態のスイッチ装置10(電子部品保護構造1)は、前記第1実施形態のスイッチ装置10(電子部品保護構造1)と異なり、封止部材5が省略されている。このようなスイッチ装置10は、防水性を要しない場合に使用可能である。また、防水性を要しない場合、
図9に示すように、グランド部材6は、突出部62Aの露出部621がケース部材4の側壁部412と接していてもよい(突出部62Bの露出部621についても同様)。これは、各露出部621が封止部材5の圧縮を妨げることがないからである。そして、各露出部621が側壁部412と接することにより、ケース部材4が帯電した際、ケース部材4から露出部621への放電が、ケース部材4から回路基板2への放電よりもさらに優先して行われることとなる。これにより、電子部品21を静電気からより十分に保護することができる。なお、各露出部621は、側壁部412に接しつつ、当該側壁部412を貫通して、外側に突出していてもよい。また、各露出部621は、側壁部412に接しているのに限定されず、前記第1実施形態と同様に側壁部412から離間していてもよい。
【0022】
<第3実施形態>
以下、
図10を参照して、第3実施形態について説明する。
図10に示すように、本実施形態では、ケース部材4は、側壁部412に、突出部62Aの露出部621に向かって突出するケース側突出部47を有する(突出部62B側でも同様)。各ケース側突出部47は、露出部621から離間している。また、本実施形態の構成は、第1実施形態および第2実施形態のスイッチ装置10(電子部品保護構造1)に適用することができる。これにより、露出部621との距離を、第1実施形態および第2実施形態での距離よりも近づけることができ、ケース部材4から露出部621への優先的な放電に寄与する。
【0023】
<変形例>
以下、
図11を参照して、第3実施形態の変形例について説明する。
図11に示すように、本実施形態では、ケース側突出部47は、露出部621に接している。本変形例の構成は、第1実施形態および第2実施形態のスイッチ装置10(電子部品保護構造1)に適用することができる。これにより、露出部621との距離をさらに近づけることができ、ケース部材4から露出部621へのより優先的な放電に寄与する。また、本変形例の構成を第1実施形態のスイッチ装置10に適用した場合でも、ケース部材4がケース側突出部47を介して露出部621と接することにより、露出部621が封止部材5の圧縮を妨げるのを防止することができる。
【0024】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した各実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。なお、電子部品保護構造1は、本実施形態ではスイッチ装置10に適用した場合を一例としているが、適用態様については、スイッチ装置10に限定されず、各種の電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 電子部品保護構造
2 回路基板
21 電子部品
3 ベース部材
4 ケース部材
5 封止部材
6 グランド部材
621 露出部
10 スイッチ装置