(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132034
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】コールドベント装置
(51)【国際特許分類】
E04G 21/18 20060101AFI20230914BHJP
E04B 2/88 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
E04G21/18 Z
E04B2/88
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037125
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】599093524
【氏名又は名称】旭ビルウォール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 結里子
(72)【発明者】
【氏名】友枝 勝登
(72)【発明者】
【氏名】原口 博光
(72)【発明者】
【氏名】和久井 智
(72)【発明者】
【氏名】林 芳成
【テーマコード(参考)】
2E002
2E174
【Fターム(参考)】
2E002NA01
2E002NB02
2E002NC01
2E002WA19
2E002XA18
2E174AA05
2E174BA01
2E174CA03
2E174CA38
2E174DA34
(57)【要約】
【課題】施工現場以外の場所でもコールドベント工法を行うことができるコールドベント装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るコールドベント装置1は、四角形形状のガラス板3及びこのガラス板3の周縁を覆うサッシ4からなるコールドベントガラスユニット2の一方の面側に配されるべき装置本体5と、装置本体5に取り付けられていてコールドベントガラスユニット2の一つの角であるベント角部2aに加力するための加力装置8と、加力装置8からベント角部2aに向けて延びている伝達部材9と、伝達部材9の先端に位置してベント角部2aに当接又は係合する先端部10と、ベント角部2aを除く部分にて装置本体5とコールドベントガラスユニット2との距離を一定に保持するために互いを固定するための固定ユニット6とを備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形形状のガラス板及びこのガラス板の周縁を覆うサッシからなるコールドベントガラスユニットの一方の面側に配されるべき装置本体と、
該装置本体に取り付けられていて前記コールドベントガラスユニットの一つの角であるベント角部に加力するための加力装置と、
該加力装置から前記ベント角部に向けて延びている伝達部材と、
該伝達部材の先端に位置して前記ベント角部に当接又は係合する先端部と、
前記ベント角部を除く部分にて前記装置本体と前記コールドベントガラスユニットとの距離を一定に保持するために互いを固定するための固定ユニットとを備えたことを特徴とするコールドベント装置。
【請求項2】
前記装置本体は、前記コールドベントガラスユニットの外縁に沿った枠体で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコールドベント装置。
【請求項3】
前記伝達部材は、前記コールドベントガラスユニットの側面に沿って延びていることを特徴とする請求項1に記載のコールドベント装置。
【請求項4】
前記装置本体は、スリングと連結されるべきリング状の連結部を備えていることを特徴とする請求項1に記載のコールドベント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスに熱を加えることなく曲げてビル等の外壁に設置するためのコールドベント装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガラス板をサッシ(枠体)ごと、あるいはガラス板のみを少しずつねじり(曲げ)ながら施工現場にて建物躯体に取り付けるコールドベント工法が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなコールドベント工法は、特許文献1に記載されたようにサッシごとガラス板を吊り上げて、建物壁面に沿った状態で頂点を引き込む又は押し出すことで行われる。しかしながら、コールドベント工法を行うための具体的な装置は特許文献1には記載がない。コールドベント工法を行う際には、サッシを引込む又は押し出す作業があり、施工現場では手間がかかる。施工現場以外の場所等、建物壁面に沿って吊り上げられた状態以外でも予めガラス板を曲げておいたりできることも望まれている。
【0005】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであり、施工現場以外の場所でもコールドベント工法を行うことができるコールドベント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明では、四角形形状のガラス板及びこのガラス板の周縁を覆うサッシからなるコールドベントガラスユニットの一方の面側に配されるべき装置本体と、該装置本体に取り付けられていて前記コールドベントガラスユニットの一つの角であるベント角部に加力するための加力装置と、該加力装置から前記ベント角部に向けて延びている伝達部材と、該伝達部材の先端に位置して前記ベント角部に当接又は係合する先端部と、前記ベント角部を除く部分にて前記装置本体と前記コールドベントガラスユニットとの距離を一定に保持するために互いを固定するための固定ユニットとを備えたことを特徴とするコールドベント装置を提供する。
【0007】
好ましくは、前記装置本体は、前記コールドベントガラスユニットの外縁に沿った枠体で形成されている。
【0008】
好ましくは、前記伝達部材は、前記コールドベントガラスユニットの側面に沿って延びている。
【0009】
好ましくは、前記装置本体は、スリングと連結されるべきリング状の連結部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、ベント角部に対して加力する加力装置が備わっていて、さらにベント角部以外の部分では装置本体とコールドベントガラスユニットとはその距離が一定であるため、加力装置を用いることで、ベント角部のみを曲げることができる。この操作は、場所を問わずに行うことができるので、施工現場以外の場所であっても、建物壁面に沿った場所でなくても、どのような場所でも適宜選択して行うことができる。なお、ベント角部の曲げとは、ベント角部を伝達部材の長手方向に移動させることをいう。
【0011】
また、装置本体がコールドベントガラスユニットの外縁に沿った枠体で形成されているので、曲げられた状態のコールドベントガラスユニットを装置本体に保持したまま保管することができる。保管の際、装置本体がコールドベントガラスユニットの外縁に沿っているので、コールドベントガラスユニットを効率よく保護することができる。
【0012】
また、伝達部材がコールドベントガラスユニットの側面に沿って延びているので、建物壁面に複数のコールドベントガラスユニットを配した後でも、隣り合うコールドベントガラスユニットの隙間から伝達部材を入れ込むことができ、コールドベントガラスユニットの曲げの微調整を行うことができる。
【0013】
また、装置本体に連結部を設けることで、建物壁面に沿って吊り上げる際に用いるスリングと連結させることができ、現場での施工性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るコールドベント装置とコールドベントガラスユニットとを示す概略図である。
【
図2】本発明に係るコールドベント装置をコールドベントガラスユニットに固定した状態を示す概略図である。
【
図3】本発明に係るコールドベント装置によりコールドベントガラスユニットに対してコールドベント工法を行っている状態を示す概略図である。
【
図4】本発明に係るコールドベント装置をコールドベントガラスユニットごと吊り上げた状態を示す概略図である。
【
図5】本発明に係る別のコールドベント装置とコールドベントガラスユニットとを示す概略図である。
【
図6】本発明に係る別のコールドベント装置をコールドベントガラスユニットに固定した状態を示す概略図である。
【
図7】本発明に係る別のコールドベント装置によりコールドベントガラスユニットに対してコールドベント工法を行っている状態を示す概略図である。
【
図8】本発明に係るコールドベント装置をコールドベントガラスユニットごと吊り上げた状態を示す概略図である。
【
図12】
図11の先端部の係合操作を説明するための概略図である。
【
図13】先端部のさらに別の例を示す概略図である。
【
図14】
図13の先端部の係合操作を説明するための概略図である。
【
図15】本発明に係るさらに別のコールドベント装置をコールドベントガラスユニットに固定した状態を示す概略図である。
【
図18】
図16からジャッキアップした状態を示す概略図である。
【
図19】
図17からジャッキアップした状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、本発明に係るコールドベント装置1は、コールドベントガラスユニット2に対してコールドベント工法を行うためのものである。コールドベントガラスユニット2は、四角形形状のガラス板3及びこのガラス板3の周縁を覆うサッシ4で形成されている。コールドベント工法を行う際は、コールドベントガラスユニット2の一つの角であるベント角部2aを一方向に加力し、ベント角部2aをその加力方向に移動させる。このようなベント角部2aの移動は、コールドベントガラスユニット2が曲げられたと称してもよい。具体的には、ガラス板3が加力により曲げられ、これに追従してサッシ4も曲げられる(又は、隣り合うサッシの接合部(角部)が回転してこれに追従する)。なお、ガラス板3としてはコールドベント工法が適用されるガラス板3であればどのようなものでもよく、単板ガラスや合わせガラス、複層ガラスも適用可能である。サッシ4は金属製(例えばアルミニウム)である。実際には、ガラス板3とサッシ4との間にはゴムやスポンジやシール材等の中間材(不図示)が配されていて、水密性が確保されている。
【0016】
コールドベント装置1は装置本体5を備え、この装置本体5はコールドベントガラスユニット2の一方の面側に配される。装置本体5は、この装置本体5をコールドベントガラスユニット2に固定するための固定ユニット6を有している。具体的には、例えば固定ユニット6は、装置本体5からコールドベントガラスユニット2に向けて延びている貫通孔6aを有する板体である。この貫通孔6aに対応する位置のコールドベントガラスユニット2にも貫通孔7が形成されている。
図2に示すように、ボルト6bをこれらの貫通孔6a、7に挿通することで、装置本体5は固定ユニット6を介してコールドベントガラスユニット2に固定される。これにより、装置本体5とコールドベントガラスユニット2との距離は一定に保持される。固定ユニット6はベント角部2aを除く部分に形成されている。ここでベント角部2aとは、上述したようにコールドベントガラスユニット2の一つの角であるが、この角を含む辺であって加力により曲げられる当該辺の部分も含まれるものとする。したがって、図の例のように、固定ユニット6はベント角部2aを含む辺に沿った位置であっても、加力により曲げられる影響のない位置(ベント角部2aから離れてその隣の角近傍の位置)に形成されていてもよい。すなわち、ベント角部2aとは、コールドベントガラスユニット2の角となる部分のみならず、コールドベント工法により曲げられる影響を受けるコールドベントガラスユニット2の表裏面及び側面を含む。
【0017】
装置本体5には、加力装置8が取り付けられている。加力装置8は装置本体5に対して着脱可能でもよいし、固定されていてもよい。この加力装置8は、ベント角部2aを少なくとも一方向に加力するためのものである。加力装置8からは、ベント角部3aに向けて伝達部材9が延びている。そして伝達部材9の先端には、ベント角部2aに当接又は係合する先端部10が配されている。
図1~
図4の例では、先端部10は円板形状のパッドであり、ベント角部2aに当接するタイプのものを示している。
図2のように、装置本体5をコールドベントガラスユニット2に固定すると、先端部10がベント角部2a(詳細にはベント角部2aであってサッシ4の装置本体5側の面)に当接する。加力装置8はアクチュエータであり、この加力装置8を作動させると、伝達部材9はコールドベントガラスユニット2方向に移動され、先端部10がベント角部2aを加力方向に向けて加力する。これにより、
図3に示すように、コールドベントガラスユニット2は加力方向に向けて曲げられる。
【0018】
このように、装置本体5には、ベント角部2aに対して加力する加力装置8が備わっていて、さらにベント角部2a以外の部分では装置本体5とコールドベントガラスユニット2とはその距離が一定であるため、加力装置8を用いることで、ベント角部2aのみを曲げることができる。この操作は、場所を問わずに行うことができるので、施工現場以外の場所であっても、建物壁面に沿った場所でなくても、どのような場所でも適宜選択して行うことができる。例えば、コールドベントガラスユニット2を水平の状態で曲げてもよいし、建物壁面に沿って吊り上げられた状態でコールドベントガラスユニット2が鉛直方向に沿っている状態でアクチュエータの遠隔操作により曲げてもよい。なお、
図1~
図4の例ではベント角部2aが一つの角のみであるが、これと対角に位置する角もベント角部2aとして両方の角を同時に曲げることも可能である。
【0019】
ここで、装置本体5は、コールドベントガラスユニット2の外縁に沿っている枠体で形成されている。すなわち、装置本体5もサッシ4と同様に四角形形状で形成されている。枠体とすることで、装置本体5を下にして載置することが可能となる。これにより、曲げられた状態のコールドベントガラスユニット2を装置本体5に保持したまま保管することができる。保管の際、装置本体5がコールドベントガラスユニット2の外縁に沿っているので、装置本体5が保護材としての役割を果たし、コールドベントガラスユニット2を効率よく保護することができる。
【0020】
このようにして曲げられたコールドベントガラスユニット2は、
図4のように、連結部11を介してスリング12により吊り上げられ、建物壁面として位置するように運ばれる。したがって、装置本体5には、このスリング12と連結されるべきリング状の連結部11が備えられている。このように、装置本体5に連結部11を設けることで、建物壁面に沿って吊り上げる際に用いるスリング12と連結させることができ、現場での施工性が向上する。なお、スリング12の先端にクランプを取り付ければ、この連結部11は不要であるが、
図4のように、スリング12の先端にフック13やシャックルを取り付けて引っ掛ける際には、予め装置本体5に連結部があれば便利である。
【0021】
別の例のコールドベント装置1として、
図5~
図8を示す。この例では、固定ユニット6が上述した例と異なっている。固定ユニット6は装置本体5をコールドベントガラスユニット2に対して固定し、さらに装置本体5とコールドベントガラスユニット2との距離を一定に保持するためのものである。そのために、固定ユニット6の一部として、スペーサ6cをさらに設けてもよい。スペーサ6cは、サッシ4の枠形状に沿った形状であり、ベント角部2aを除くような形状で形成されている。図の例では、スペーサ6cは、ベント角部2aを含む辺を除いたL字形状で形成されている。装置本体5とコールドベントガラスユニット2との間にこのようなスペーサ6cを配することで、固定ユニット6により装置本体5はコールドベントガラスユニット2との距離が一定に保持されて固定される。具体的には、装置本体5には取付片6dを有し、この取付片6dがスペーサ6cに固定される。スペーサ6cにも取付片6eがあり、この取付片6eがコールドベントガラスユニット2に固定される。このようなL字形状のスペーサ6cを用いることで、
図6に示すように、ベント角部2aと装置本体5との間にはスペーサ6cが介装されている分だけ隙間が形成されている。
【0022】
また、この例では、伝達部材9は、コールドベントガラスユニット2の側面に沿って延びている。そして、先端部10は、コールドベントガラスユニット2を挟持するような形状で形成されている(
図9参照)。具体的には、先端部10は伝達部材9から突出している押え片10aと断面略L字形状の押え部材10bとで形成されている。
図10に示すように、押え片10aをコールドベントガラスユニット2の一方の面(装置本体5側の面)に当接させ、押え部材10bを伝達部材9の先端側に配して、ボルト10cにて押え部材10bを伝達部材9に固定する。これにより、先端部10はベント角部2aに係合される。
【0023】
このとき、
図6のように、伝達部材9はサッシ4の側面に沿って延びていて、この状態で先端部10がベント角部2aに係合している。そして、加力装置8を引く方向(ベント角部2aを装置本体5側に移動させる方向)に加力することで、伝達部材9は装置本体5方向に移動され、先端部10がベント角部2aを加力方向(装置本体5の方向)に向けて加力する。これにより、
図7に示すように、コールドベントガラスユニット2は加力方向に向けて曲げられる。なお、図のような先端部10の構成とすれば加力装置8を押す方向(ベント角部2aを装置本体5とは反対側に移動させる方向)に加力して用いることも可能である。
【0024】
このように、伝達部材9がサッシ4の側面に沿って延びていることで、以下のような効果がある。コールドベント工法が施されて曲げられたコールドベントガラスユニット2は、建物壁面に取り付けられて複数枚が並べて配置される。このとき、伝達部材9がコールドベントガラスユニット2の側面に沿って延びていれば、コールドベントガラスユニット2を並べて配した後でも伝達部材9を引き抜いて装置本体5をコールドベントガラスユニット2から取り外すことができる。具体的には、建物躯体側にあるボルト10Cを建物側から作業者が取り外し、押え部材10bをさらに取り外せば、装置本体5は加力装置8ごと引き抜くことができる。また、建物壁面に複数のコールドベントガラスユニット2を配した後でも、隣り合うコールドベントガラスユニットの隙間から伝達部材9を入れ込むことで、装置本体5を再び取り付けてコールドベントガラスユニット2を再び曲げることができ、曲げの微調整を行うことができる。なお、伝達部材9がコールドベントガラスユニット2の側面に沿って延びているとは、伝達部材9とコールドベントガラスユニット2の側面とが接していてもよいし、多少の隙間を介していてもこれらが平行となっていてもよい。
【0025】
なお、同様の効果を得るものとしては、
図11に示すように、先端部10を、伝達部材9に設けた切欠き10dと、コールドベントガラスユニット2の側面から突出している突起10eとで形成してもよい。この場合は、
図12に示すように、伝達部材9をコールドベントガラスユニット2に沿って動かして、切欠き10d内に突起10eを収めればよい。これにより、先端部10はベント角部2aに係合される。この係合操作も伝達部材9はコールドベントガラスユニット2の側面に沿わせればよいので、やはり建物壁面に複数のコールドベントガラスユニット2を配した後でも、隣り合うコールドベントガラスユニット2の隙間から出し入れをスムーズに行うことができる。また、この
図11の例の先端部10は、
図9の例のように、加力装置8による押す方向及び引く方向の加力に対して対応可能である。
【0026】
さらに、同様の効果を得るものとしては、
図13及び
図14に示すように、伝達部材9の先端に貫通孔10fを設け、角が直角からなる断面略C字形状の押え部材10gをボルト10hを介して伝達部材9の先端に取り付けてもよい。これにより、先端部10はベント角部2aに係合される。このとき、押え部材10gはコールドベントガラスユニット2の装置本体5とは反対側の面に配されている。このような構造であっても、ボルト10hを建物躯体側から取り外せば、伝達部材9はコールドベントガラスユニット2の側面に沿ってスライド可能である。したがって、やはり建物壁面に複数のコールドベントガラスユニット2を配した後でも、隣り合うコールドベントガラスユニット2の隙間から伝達部材9の出し入れをスムーズに行うことができる。また、この
図13の例の先端部10は、加力装置8による押す方向及び引く方向の加力に対して対応可能である。
【0027】
図13及び
図14のような先端部10を有するものの例としての本発明に係るコールドベント装置1を
図15に示す。なお、
図16は
図15の長手方向部分を正面から視たときの図であり、
図17は短手方向部分を正面から視たときの図である。この例では、加力装置8としてジャッキを用いている。なお、ジャッキであればその種類は問わないが、図の例ではねじ式のパンタグラフジャッキを示している。また、この例では、コールドベントガラスユニット2を建物躯体に取り付けるためのファスナー14も示している。ファスナー14はサッシ4に固定されていて、ボルト等を介して建物躯体側のファスナー(不図示)に対して固定される。また、押え部材10gも、角が直角からなる断面略C字形状とすることで、ファスナーの役割も兼用できる。その他の構成、作用、効果は
図5~
図8の例と同様である。そして、
図15のような状態でジャッキアップすると、
図18及び
図19に示すように、ベント角部2aには引く方向の加力が与えられる。すなわち、ベント角部2aは措置本体5の方向に移動される(曲げられる)。このようなコールドベント装置1であっても、コールドベントガラスユニット2を曲げることができる。
【符号の説明】
【0028】
1:コールドベント装置、2:コールドベントガラスユニット、2a:ベント角部、3:ガラス板、4:サッシ、4:中間材、5:装置本体、6:固定ユニット、6a:貫通孔、6b:ボルト、6c:スペーサ、6d:取付片、6e:取付片、7:貫通孔、8:加力装置、9:伝達部材、10:先端部、10a:押え片、10b:押え部材、10c:ボルト、10d:切欠き、10e:突起、10f:貫通孔、10g:押え部材、10h:ボルト、11:連結部、12:スリング、13:フック、14:ファスナー