(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132050
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】デバイス、管理システムおよび管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230914BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20230914BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037150
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100130650
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 泰光
(74)【代理人】
【識別番号】100168099
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(74)【代理人】
【識別番号】100200609
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 智和
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
(72)【発明者】
【氏名】平間 美香
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB72
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】 設置工事等の負担を軽減することが可能なデバイス、管理システムおよび管理方法を提供すること。
【解決手段】 デバイスDvは、撮像部56と、撮像部56の撮像により得られた撮像情報を記憶する記憶部53と、制御部52と、タグ受信部57と、無線通信部54と、を備え、制御部52は、ユーザが携帯する無線タグWtからのタグ情報を含むビーコン信号をタグ受信部57が受信したことに応じて、撮像部56および記憶部53を用いた録画制御を開始し、無線通信部54を用いてタグ情報および撮像情報をサーバSvに送信する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と、
前記撮像部の撮像により得られた撮像情報を記憶する記憶部と、
制御部と、
タグ受信部と、
無線通信部と、を備え、
前記制御部は、ユーザが携帯する無線タグからのタグ情報を含むビーコン信号を前記タグ受信部が受信したことに応じて、前記撮像部および前記記憶部を用いた録画制御を開始し、前記無線通信部を用いて前記タグ情報および前記撮像情報をサーバに送信する、デバイス。
【請求項2】
店舗内に配置された請求項1に記載のデバイスと、
店舗内に配置された複数の中継ユニットと、
解析部を有するサーバと、を備え、
前記中継ユニットは、無線通信部と、前記無線タグからのビーコン信号を受信するタグ受信部と、を有し、前記タグ情報および当該タグ情報を取得した時刻情報を前記無線通信部から前記サーバに送信し、
前記サーバの前記解析部は、前記デバイスから送信された前記タグ情報および前記撮像情報に基づいてユーザの属性を解析し、前記中継ユニットから送信された前記タグ情報および前記時刻情報と前記中継ユニットの位置情報とに基づいて店舗内におけるユーザの動線を解析する、管理システム。
【請求項3】
時計ユニットと、
制御ユニットおよび前記複数の中継ユニットによって構成され、第1無線通信を行う第1通信ネットワークと、をさらに備え、
前記サーバ、前記制御ユニットおよび前記デバイスは、第2通信ネットワークによって相互に無線通信可能であり、
前記時計ユニットからの基準時刻情報に基づいて、前記デバイス、前記サーバ、前記制御ユニットおよび前記複数の中継ユニットが、時刻を同期する、請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記デバイスが、店舗内のレジ近傍に配置され、
前記デバイスは、前記撮像部が撮像を継続し且つ前記撮像情報を前記記憶部に記憶しない撮像モードと、前記撮像部が撮像を継続し且つ前記撮像情報を前記記憶部に記憶する記憶モードと、を有し、
前記デバイスは、ユーザが携帯する前記無線タグが接近したと判断した場合に前記撮像モードから前記記憶モードに切り替え、且つユーザが携帯する前記無線タグが離れたと判断した場合に前記記憶モードから前記撮像モードに切り替える、請求項3に記載の管理システム。
【請求項5】
店舗内に配置された請求項1に記載のデバイスを用いた管理方法であって、
店舗内に配置された複数の中継ユニットが、前記無線タグからのビーコン信号を受信し、前記タグ情報および当該タグ情報を取得した時刻情報をサーバに転送する第1工程と、
前記デバイスの前記タグ受信部が、前記無線タグからのビーコン信号を受信する第2工程と、
前記第2工程の後に前記撮像部の撮像情報を前記記憶部に記憶し、前記タグ情報および当該撮像情報を前記サーバに送信する第3工程と、
前記サーバの解析部が、前記デバイスから送信された前記タグ情報および前記撮像情報に基づいてユーザの属性を解析し、前記中継ユニットから送信された前記タグ情報および前記時刻情報と前記中継ユニットの位置情報とに基づいて店舗内におけるユーザの動線を解析する第4工程と、を備える管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デバイス、管理システムおよび管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等において、来店者の動線を解析するための管理システムが、種々に提案されている。特許文献1には、従来の管理システムの一例が開示されている。同文献に開示された管理システムは、複数のICタグ読取装置を備える。複数のICタグ読取装置は、カートに設けられたICタグからの信号をそれぞれが受信する。複数のICタグ読取装置は、店舗のフロアに設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
店舗のフロアに複数のICタグ読取装置を設けるためには、複数のICタグ読取装置をフロアに埋め込む等の工事が必要である。また、複数のICタグ読取装置が無線通信するためのLAN工事等が必要となる。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、設置工事等の負担を軽減することが可能なデバイス、管理システムおよび管理方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面によって提供されるデバイスは、撮像部と、前記撮像部の撮像により得られた撮像情報を記憶する記憶部と、制御部と、タグ受信部と、無線通信部と、を備え、前記制御部は、ユーザが携帯する無線タグからのタグ情報を含むビーコン信号を前記タグ受信部が受信したことに応じて、前記撮像部および前記記憶部を用いた録画制御を開始し、前記無線通信部を用いて前記タグ情報および前記撮像情報をサーバに送信する。
【0007】
本発明の第2の側面によって提供される管理システムは、店舗内に配置された本発明の第1の側面によって提供されるデバイスと、店舗内に配置された複数の中継ユニットと、解析部を有するサーバと、を備え、前記中継ユニットは、無線通信部と、前記無線タグからのビーコン信号を受信するタグ受信部と、を有し、前記タグ情報および当該タグ情報を取得した時刻情報を前記無線通信部から前記サーバに送信し、前記サーバの前記解析部は、前記デバイスから送信された前記タグ情報および前記撮像情報に基づいてユーザの属性を解析し、前記中継ユニットから送信された前記タグ情報および前記時刻情報と前記中継ユニットの位置情報とに基づいて店舗内におけるユーザの動線を解析する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、時計ユニットと、制御ユニットおよび前記複数の中継ユニットによって構成され、第1通信を行う第1通信ネットワークと、をさらに備え、前記サーバ、前記制御ユニットおよび前記デバイスは、第2通信ネットワークによって相互に無線通信可能であり、前記時計ユニットからの基準時刻情報に基づいて、前記デバイス、前記サーバ、前記制御ユニットおよび前記複数の中継ユニットが、時刻を同期する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記デバイスが、店舗内のレジ近傍に配置され、前記デバイスは、前記撮像部が撮像を継続し且つ前記撮像情報を前記記憶部に記憶しない撮像モードと、前記撮像部が撮像を継続し且つ前記撮像情報を前記記憶部に記憶する記憶モードと、を有し、前記デバイスは、ユーザが携帯する前記無線タグが接近したと判断した場合に前記撮像モードから前記記憶モードに切り替え、且つユーザが携帯する前記無線タグが離れたと判断した場合に前記記憶モードから前記撮像モードに切り替える。
【0010】
本発明の第3の側面によって提供される管理方法は、店舗内に配置された本発明の第1の側面によって提供されるデバイスを用いた管理方法であって、店舗内に配置された複数の中継ユニットが、前記無線タグからのビーコン信号を受信し、前記タグ情報および当該タグ情報を取得した時刻情報をサーバに転送する第1工程と、前記デバイスの前記タグ受信部が、前記無線タグからのビーコン信号を受信する第2工程と、前記第2工程の後に前記撮像部の撮像情報を前記記憶部に記憶し、前記タグ情報および当該撮像情報を前記サーバに送信する第3工程と、前記サーバの解析部が、前記デバイスから送信された前記タグ情報および前記撮像情報に基づいてユーザの属性を解析し、前記中継ユニットから送信された前記タグ情報および前記時刻情報と前記中継ユニットの位置情報とに基づいて店舗内におけるユーザの動線を解析する第4工程と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、設置工事等の負担を軽減することが可能なデバイス、管理システムおよび管理方法を提供することができる。
【0012】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る管理システムを示すシステム構成図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る管理システムの照明装置を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る管理システムの無線タグを示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る管理システムの制御装置を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る管理システムのデバイスを示すブロック図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係る管理システムのシーケンスダイアグラムである。
【
図7】本発明の第1実施形態に係る管理システムにおけるデバイスの撮像情報の記憶を説明するための図である。
【
図8】本開示の第2実施形態に係る管理システムを示すシステム構成図である。
【
図9】本開示の第2実施形態に係る管理システムの携帯端末を示すブロック図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係る管理システムのシーケンスダイアグラムである。
【
図11】本開示の第2実施形態に係る管理システムの携帯端末の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0015】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単に識別のために用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0016】
図1~
図7は、本発明の第1実施形態に係る管理システムを示している。
図1に示すように、本実施形態の管理システムA1は、複数の照明装置L、制御装置Ct、デバイスDv、サーバSvおよび無線タグWtを備える。また、管理システムA1は、これらの構成要素に加えて、POSサーバPsおよび時計ユニットUtを備えている。なお、管理システムA1は、POSサーバPsおよび時計ユニットUtのすべて、またはいずれかを備えていない構成であってもよい。管理システムA1は、無線タグWtを用いて、たとえば店舗の来店者の動線解析を行う。
【0017】
〔照明装置L(中継ユニット)〕
照明装置Lは、本発明における中継ユニットの具体例である。中継ユニットの具体例としては、照明装置Lに限定されない。たとえば、以降に説明する照明装置Lから光源部11を除いた専用の構成の中継ユニットを用いてもよい。
【0018】
複数の照明装置Lは、たとえば店舗内の照明に用いられ、天井、壁面、床面等の種々の箇所に設置される。また、照明装置Lは、屋外の照明に用いられる構成であってもよい。照明装置Lの具体的な形態は何ら限定されず、直管形照明や高天井照明、シーリングライト、ダウンライト、ベースライト、スポットライト等の種々の形態を適宜採用可能である。以降の説明においては、照明装置Lの一般的な構成を述べる場合に照明装置Lと称するとともに、複数の照明装置Lを区別する場合に照明装置L1、・・・照明装置Ln等の符号を適宜用いる場合がある。
図1における複数の照明装置L1~Lnは、それぞれの構成が同一であってもよいし、互いの一部が共通していてもよいし、互いに異なる構成、異なる形態であってもよい。以降の説明においては、特段の記載がない限り、複数の照明装置L1~Lnが同一の構成である場合を例に説明する。
【0019】
図2は、照明装置Lのブロック図である。照明装置Lは、光源部11、制御部12、記憶部13、無線通信モジュール14および電源部15を備える。
【0020】
光源部11は、照明装置Lにおいて発光機能を果たす部位である。光源部11の具体的構成は何ら限定されず、たとえば、基板と当該基板に列をなして搭載された複数のLEDとからなる。また、照明装置Lは、光源部11からの光を透過させる透明または半透明のカバー(図示略)を適宜有する。
【0021】
制御部12は、たとえば制御装置Ctからの制御信号等に基づいて、照明装置Lの各部を制御するためのものである。制御部12の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部13は、制御部12の制御に必要な情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリからなる。なお、記憶部13は、照明装置Lの筐体(図示略)に内蔵されるものに限定されず、照明装置Lの筐体の外部に着脱可能に設けられるものであってもよい。
【0022】
無線通信モジュール14は、制御装置Ctおよび通信ネットワークを構成する他の照明装置Lと、無線タグWtと無線通信を行うための通信部であり、無線信号を送信および受信するモジュールである。無線通信モジュール14は、たとえば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信によって制御部12と接続されているが、これに限定されない。本実施形態の無線通信モジュール14は、第1無線通信部141および第2無線通信部142を有する。
【0023】
無線通信モジュール14の機能を例示すると、制御装置Ctからのデータを受信し、受信したデータに含まれる信号(たとえば指定信号)を制御部12に送信する。また、データを受信したことを示すアクノリッジ信号を制御装置Ctに送信する。また、照明装置Lの動作状況を示すステータス情報信号を制御装置Ctに送信してもよい。
【0024】
本実施形態においては、複数の照明装置Lの各々が有する固有の照明装置ID等の識別情報が、無線通信モジュール14に記憶されている。識別情報の具体例は特に限定されず、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスや位置情報である。以下の説明においては、照明装置Lの識別情報として、位置情報が採用されている。一方、後述の管理方法において、サーバSvが照明装置LのMACアドレスと位置情報との対応情報を有している場合、識別情報としてMACアドレスを採用してもよい。なお、照明装置IDは、第1無線通信部141および第2無線通信部142のいずれか、もしくはこれら以外の無線通信モジュール14の構成要素に記憶されていてもよいし、たとえば記憶部13に記憶されていてもよい。無線通信モジュール14は、受信した信号のうち、自装置の照明装置ID(識別情報)に対する信号であると認識した場合に、当該信号を制御部12に伝達する。
【0025】
第1無線通信部141は、第1無線電波を用いて、制御装置Ctおよび他の照明装置Lと無線通信を行う。また、第1無線通信部141は、第1無線電波または第1無線電波とは別の第3無線電波を用いて、無線タグWtと無線通信を行う。以降の説明においては、第1無線通信部141が第3無線電波を用いて無線タグWtと無線通信を行う場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。
【0026】
第1無線電波を用いた無線通信は何ら限定されず、本実施形態においては、第1プロトコルを用いた無線通信として説明する。第1プロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、第1プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、あるいは独自規格のプロトコルなどが例示される。
【0027】
本実施形態においては、第1無線通信部141を有する複数の照明装置Lと制御装置Ctとが、たとえば2.4GHz帯の第1無線電波を用いた独自プロトコルにより、
図1に示すメッシュネットワークである第1通信ネットワークCn1を構築している。第1通信ネットワークCn1では、第1無線通信が行われる。第1プロトコルは、後述のように複数の照明装置L間で各種データの転送に用いられるため、それらのデータ転送に必要となる転送速度や、信頼性を確保した上で、メッシュネットワークを構築できるプロトコルが選択される。
【0028】
なお、本実施形態においては、制御装置Ctは、第1通信ネットワークCn1のルートノード(root node)である。複数の照明装置Lのいずれかは、GM(ゲートモジュール)として機能してもよい。ゲートモジュールは、クラスタのルートノードであり、制御装置Ctに接続する。このとき、ゲートモジュールは、他のゲートモジュールとともにメッシュネットワークを構築し、制御装置Ctに通信接続する。ゲートモジュールは、他のゲートモジュールや制御装置Ctとの通信品質を常に評価しており、通信品質が最も良い相手に自動的に接続する。同様に、照明装置Lも他の照明装置Lまたはゲートモジュールとの通信品質を常に評価しており、通信品質が最も良い相手に自動的に接続する。通常の照明装置Lもゲートモジュールとして機能する照明装置Lも、ハードウェア構成は同じである。照明装置Lが搭載するソフトウエアを異なるようにするか、モード切替によって通常の照明装置Lとして動作するか、ゲートモジュールとして動作するかを切り替えてもよい。
【0029】
第2無線通信部142は、第2無線電波の送信および受信の少なくともいずれかを行うためのものである。第2無線電波は、第1無線電波と異なる無線電波であり、周波数帯やプロトコルが互いに異なる。また、第1無線電波と第2無線電波の周波数帯や送信プロトコルを同じものを採用し、電力が異なるように設定するようにしても良い。異なる電力の第1無線電波と第2無線電波を利用することでも、照明装置L等の中継ユニットは、第1無線電波を用いた第1通信ネットワークCn1を構成し、第1無線電波とは別に第2無線電波を出力することといえる。第2無線電波を用いた第2無線通信は何ら限定されず、本実施形態においては、第2プロトコルを用いた無線通信として説明する。第2プロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、第2プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、あるいは独自規格のプロトコルなどが例示される。第2プロトコルとしては、たとえば近距離に位置する無線タグWtと無線通信を行うことを意図した場合に、たとえば、Bluetooth(登録商標)が選択される。
【0030】
第2無線通信部142は、ビーコン信号の送信および受信の少なくともいずれかを行う。本実施形態においては、第2無線通信部142は、無線タグWtからのビーコン信号を受信し、本発明の中継ユニットが有するタグ受信部の一例である。ビーコン信号は、たとえば所定間隔毎に送信される。ビーコン信号の送信間隔は、たとえば、100~500msである。出力間隔を長くすれば、電力消費を抑えることができる。
【0031】
電源部15は、光源部11、制御部12および無線通信モジュール14等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部15は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0032】
〔無線タグWt〕
無線タグWtは、本実施形態の管理システムA1の管理方法に用いられるデバイスである。
図3は、無線タグWtのブロック図である。本実施形の無線タグWtは、制御部42、記憶部43、無線通信部44および電源部45を備える。なお、無線タグWtの具体的構成は何ら限定されず、チップ状の専用のタグデバイスとして構成されていてもよい。あるいは、粘着層を有する樹脂シート等に支持された構成であってもよい。本実施形態の無線タグWtは、店舗の来店者が携帯したり、来店者が使用するカートやカゴに取り付けられる。
【0033】
制御部42は、無線タグWtの各部を制御するためのものである。制御部42の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部43は、制御部42の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリ等からなる。記憶部43は、本発明における無線タグ側記憶部に相当する。本実施形態においては、記憶部43には、無線タグWt毎にタグID等の固有のタグ情報が記憶されている。
【0034】
無線通信部44は、照明装置Lと上述した第2無線電波(第2プロトコル)を用いた無線通信を行うためのものである。
【0035】
電源部45は、制御部42および無線通信部44等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部45は、たとえば電池などのバッテリ、あるいは自己発電部等によって構成される。電源部45が自己発電部を備える場合、自己発電部は、外部から得たエネルギーを電力に変換する自己発電機能を果たす。自己発電部の自己発電の方式は、何ら限定されない。たとえば、自己発電部は、第2無線電波をアンテナ部によって受信すると、受信によって生じる誘導電流を利用して発電を行う。誘導電流の起電のための無線電波の電力は、5dBm以上が好ましく、更に10dBm以上の無線電波を受信することにより無線タグWtの各部を制御することが十分な誘導電流を起電することができる。電源部45が自己発電した電力は、制御部42および無線通信部44等に供給される。
【0036】
〔制御装置Ct〕
制御装置Ctは、複数の中継ユニット(照明装置L)および無線タグWtを用いた管理方法や、複数の照明装置L1~Lnの点灯制御を行うものである。制御装置Ctは、本実施形態の場合には、複数の中継ユニット(複数の照明装置L1~Ln)が設置されている店舗のフロアと同じフロアに設置されていてもよいし、店舗の別のフロアや別の部屋等に設置されていてもよいし、別の建物に設置されていてもよい。制御装置Ctと複数の中継ユニット(複数の照明装置L1~Ln)とがある程度離れている場合、制御装置Ctと複数の中継ユニット(複数の照明装置L1~Ln)とは、無線通信だけでなく、有線通信と無線通信とを利用して互いに通信する構成であってもよい。なお、管理システムA1は、少なくとも1つの制御装置Ctを備えていればよく、他の構成において複数の制御装置Ctを備えていてもよい。
【0037】
図4は、制御装置Ctのブロック図である。本実施形態においては、制御装置Ctは、表示部21、制御部22、記憶部23、無線通信部24および電源部25を備える。
【0038】
表示部21は、後述する管理システムA1の管理方法においては、必ずしも必要ではないが、制御装置Ctの初期設定やメンテナンス等に用いられる。表示部21は、たとえば液晶ディスプレイ等であり、さらにタッチパネル機能を有してもよい。また、表示部21がタッチパネルとして機能することに代えて、制御装置Ctは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。
【0039】
制御部22は、複数の中継ユニット(照明装置L)および無線タグWtを用いた管理方法や、複数の照明装置L1~Lnの点灯制御を行う主要な構成要素であり、制御装置Ctの各部を制御するためのものである。たとえば、制御部22は、対象とする中継ユニット(照明装置L)へ制御データを送信するように、無線通信部24に制御信号を伝達する。制御部22の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部23は、制御部22の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0040】
無線通信部24は、複数の中継ユニット(複数の照明装置L1~Ln)の無線通信モジュール14の第1無線通信部141と無線通信を行うためのものである。無線通信部24の周波数帯や準拠する無線通信の規格は、上述の第1プロトコルを用いた無線通信である。
図1に示す例においては、制御装置Ctは、複数の中継ユニット(複数の照明装置L1~Ln)とともに第1通信ネットワークCn1を構成する。無線通信部24は、たとえば、制御部22から複数の中継ユニット(複数の照明装置L1~Ln)への制御データを第1通信ネットワークCn1を介して送信する。なお、制御装置Ctは、無線通信部24に加えて、店舗内LAN等の第2通信ネットワークCn2を介した無線通信または有線通信等を行う通信回路を有している。
【0041】
電源部25は、表示部21、制御部22および無線通信部24等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部25は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0042】
制御装置Ctは、複数の中継ユニット(複数の照明装置L1~Ln)の照明装置ID等の識別情報や複数の無線タグWtのタグ情報を保有しており、これらがたとえば記憶部23に記憶されている。制御装置Ctが保有する識別情報は、たとえば照明装置Lが保有する照明装置IDとしてのMACアドレスや無線タグWtが保有するタグIDまたは識別アドレスであってもよい。
【0043】
〔デバイスDv〕
デバイスDvは、無線タグWtを携帯する来店者等が近接した場合に、無線タグWtからのビーコン信号を受信し、来店者等の撮像を行うものである。
【0044】
図5は、デバイスDvのブロック図である。本実施形態においては、デバイスDvは、制御部52、記憶部53、無線通信部54、電源部55、撮像部56およびタグ受信部57を備える。
【0045】
制御部52は、デバイスDvの各部を制御するためのものである。制御部52の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。
【0046】
撮像部56は、来店者等を撮像するためのものである。撮像部56は、たとえばCCD素子、CMOS素子等の撮像素子と、これらの撮像素子に結像するためのレンズ等を適宜有する。
【0047】
タグ受信部57は、無線タグWtからのビーコン信号を受信するものである。タグ受信部57は、たとえばビーコン信号としての第2無線電波を受信するアンテナを有する。
【0048】
記憶部53は、制御部52の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリ等からなる。また、記憶部53は、タグ受信部57が受信しビーコン信号に含まれるタグ情報を記憶する。また、記憶部53は、撮像部56によって撮像された撮像情報を記憶する。記憶部53が記憶する撮像情報は、動画データであってもよいし、静止画データであってもよい。
【0049】
無線通信部54は、第2通信ネットワークCn2を介した通信を行うための所定のプロトコルを用いた無線通信を行うためのものである。所定のプロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、所定のプロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などが例示される。なお、無線通信部54が複数の中継ユニットおよび制御装置Ctと無線通信する際に用いるプロトコルは、第1通信ネットワークCn1で用いられるプロトコルと同じであってもよいし、異なるプロトコルであってもよい。
【0050】
電源部55は、制御部52および無線通信部54、撮像部56、タグ受信部57等の動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部55は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有するもの、あるいは充電可能なバッテリである。バッテリの充電方式は、接触式の充電器を利用するものでも、非接触式の充電器を利用するものでもよい。
【0051】
デバイスDvにおいて、制御部52は、無線通信部54が受信した無線タグWtからのビーコン信号に含まれるタグ情報をたとえば記憶部53に記憶する。また、無線通信部54が無線タグWtからのビーコン信号を受信したことに応じて、撮像部56および記憶部53を用いた録画制御を開始する。この録画制御は、撮像部56の撮像情報を、動画データまたは静止画データ等として、記憶部53に記憶する処理である。また、制御部52は、記憶部53に記憶された撮像情報と、記憶部53に記憶されたタグ情報とを、無線通信部54から第2通信ネットワークCn2を介してサーバSvに送信する。さらに、制御部52は、撮像制御を行った時刻情報や自己の位置情報を、サーバSvに適宜送信してもよい。
【0052】
なお、デバイスDvの具体的な構造は、何ら限定されない。たとえば、デバイスDvは、三脚等の支持体(図示略)に制御部52、記憶部53、無線通信部54、電源部55、撮像部56およびタグ受信部57が支持された構造であってもよい。支持体として三脚を用いることにより、撮像部56による撮像姿勢を調整しやすいという利点がある。また、制御部52、記憶部53、無線通信部54、電源部55、撮像部56およびタグ受信部57のすべてまたはいずれかは、筐体(図示略)に収容されていてもよい。
【0053】
〔サーバSv〕
サーバSvは、管理システムA1において来店者等の動線解析等を行う。サーバSvは、店舗内に設置されたサーバ機器、店舗外の建物等に設置されたサーバ機器、あるいは、商用クラウドサービス等によって構築された構成であってもよい。本実施形態のサーバSvは、たとえば店舗に設置されており、
図1に示すように、解析部61、記憶部62および通信部63を有する。
【0054】
解析部61は、デバイスDvから送信されたタグ情報および撮像情報に基づいてユーザの属性を解析する。また、解析部61は、複数の照明装置Lが含まれる第1通信ネットワークCn1および第2通信ネットワークCn2を介して送信されたタグ情報および時刻情報と照明装置Lの位置情報とに基づいて、店舗内における来店者(ユーザ)の動線を解析する。解析部61には、たとえばCPU等が用いられる。
【0055】
記憶部62は、管理システムA1における各種情報を保存するものであり、半導体メモリ、ハードディスク等が用いられる。通信部63は、第2通信ネットワークCn2、あるいはインターネット等の公衆通信網を介して、制御装置Ctと通信を行うものであり、有線通信および無線通信のいずれかまたは双方が可能である。本実施形態においては、通信部63は、第2通信ネットワークCn2を介して制御装置Ctとの通信を行う。
【0056】
〔時計ユニットUt〕
時計ユニットUtは、たとえばFM電波を受信することにより、時刻情報を取得する機能と、時刻情報をたとえばWi-Fi(登録商標)によって制御装置Ctに送信する機能とを有する。管理システムA1においては、時計ユニットUtからの基準時刻情報に基づいて、デバイスDv、サーバSv、制御装置Ctおよび複数の照明装置Lが、時刻を同期する。
【0057】
〔POSサーバPs〕
POSサーバPsは、店舗における商品の販売情報を収集し、各種の販売解析を行うものである。管理システムA1は、必ずしもPOSサーバPsを備える構成に限定されない。管理システムA1がPOSサーバPsを備えることにより、後述の管理方法の結果得られた動線解析とともに、商品の入荷計画や店舗の売り場レイアウトの検討をより効率よく行うことができる。
【0058】
次に、管理システムA1の管理方法について、説明する。
【0059】
管理システムA1の構成要素は、
図1に示すように、店舗内に配置されている。店舗には、店舗入口Et、複数の売場Ar1、Ar2、・・・、Arn、およびレジCrが設けられている。照明装置L1は、売場Ar1内または売場Ar1近傍の天井等に設けられている。照明装置L2は、売場Ar2内または売場Ar2近傍の天井等に設けられている。照明装置Lnは、売場Arn内または売場Arn近傍の天井等に設けられている。デバイスDvは、レジCrの近傍に配置されている。デバイスDvがレジCrの近傍に配置されているとは、レジCrを訪れた来店者を撮像部56によって適切に撮像可能な位置を意味する。すなわち、デバイスDvは、レジCrに隣接して配置されたり、レジCrが配置されたテーブルに適宜固定されたりして配置される。
【0060】
図6は、管理システムA1による管理方法の一例を示している。この管理方法の実行にあたり、たとえば時計ユニットUtからの基準時刻情報に基づいて、デバイスDv、サーバSv、制御装置Ctおよび複数の照明装置Lが、あらかじめ時刻を同期している。
【0061】
来店者は、店舗入口Etから店舗に入ると無線タグWtを携帯する。無線タグWtの携帯は、たとえば来店者が使用するカートに無線タグWtが取り付けられていることによって実現される。あるいは、来店者に配布されたリストバンドやIDカード等に無線タグWtが内蔵されていてもよい。
【0062】
来店者が携帯する無線タグWtは、常時あるいは定期的にビーコン信号を送信する(ステップS1)。ビーコン信号には、無線タグWtのタグ情報が含まれている。
【0063】
照明装置L1の無線通信モジュール14の第2無線通信部142は、無線タグWtからのビーコン信号を受信する。来店者が店舗内を移動し、売場Ar1に近づく。来店者が売場Ar1に近づくほど、ビーコン信号強度が強くなる。たとえば、予め定められたしきい値を基準として、ビーコン信号強度がしきい値を超えた場合に、照明装置L1は、無線タグWtが近傍に接近したと認識する。そして、照明装置L1の制御部12は、ビーコン信号に含まれたタグ情報をたとえば記憶部13に記憶する。次いで、制御部12は、タグ情報、自機器の位置情報、および時刻情報を含む転送データを生成し、この転送データを第1無線通信部141から第1通信ネットワークCn1を介して制御装置Ctに送信する(ステップS2)。第1通信ネットワークCn1においては、複数の照明装置Lを適宜経由して転送データが制御装置Ctに転送される。なお、時刻情報は、単一の時刻を示すものであってもよいし、複数の時刻を示すものであってもよい。たとえば、ビーコン信号強度が、上述のしきい値を超えた時刻と、しきい値を下回った時刻と、の双方を含む時刻情報としてもよい。この場合、この来店者が売場Ar1に滞在した時間を後述の解析によって取得することができる。
【0064】
これと同様に、来店者の移動に伴って、照明装置L2、・・・、照明装置Lnのいずれかに来店者が接近すると、それぞれの照明装置Lにおいて、制御部12が、タグ情報、自機器の位置情報、および時刻情報を含む転送データを生成し、この転送データを第1無線通信部141から第1通信ネットワークCn1を介して制御装置Ctに送信する。第1通信ネットワークCn1においては、複数の照明装置Lを適宜経由して転送データが制御装置Ctに転送される。これらのステップS1およびステップS2は、本発明の管理方法における第1工程である。
【0065】
制御装置Ctは、第1通信ネットワークCn1を介して転送された上述の転送データを受信する。そして、これらの転送データを第2通信ネットワークCn2を介してサーバSvに送信する(ステップS3)。サーバSvは、転送データを受信する(ステップS4)。たとえば、サーバSvの解析部61は、これらの転送データを記憶部62に記憶する。
【0066】
また、来店者は、たとえば所望の商品をカートに収容し終えると、これらの商品を購入するためにレジCrに近接する(ステップS5)。来店者が携帯する無線タグWtがデバイスDvに近接した場合、デバイスDvは、以下に述べる所定の処理を行う。
【0067】
図7は、デバイスDvの所定の処理を示している。たとえば、時刻t0に店舗入口Etから入店した来店者は、売場Ar1~Arn等を移動した後に、レジCrに接近する。来店者がデバイスDvに接近するほど、デバイスDvのタグ受信部57が受信するビーコン信号強度が強くなる。
【0068】
本実施形態においては、デバイスDvは、撮像モードと記憶モードとを有する。撮像モードは、撮像部56が撮像を継続し且つ撮像情報を記憶部53に記憶しないモードである。記憶モードは、撮像部56が撮像を継続し且つ撮像情報を記憶部53に記憶するモードである。たとえば、デバイスDvの電源がONになると、自動的に撮像モードが実行される。
【0069】
たとえば、デバイスDvの制御部52は、予め定められたしきい値を有する。ビーコン信号強度がこのしきい値以上となった場合に(時刻t1)、制御部52は、撮像モードから記憶モードに切り替え、撮像部56および記憶部53を用いた録画制御を開始する。これは、
図6のステップS6に相当する。具体的には、たとえば撮像部56による撮像情報の記憶部53への記憶が、時刻t1から開始する。また、制御部52は、ビーコン信号に含まれるタグ情報を記憶部53に記憶する。このデバイスDvによるビーコン信号の受信が、本発明の管理方法における第2工程である。
【0070】
次いで、来店者がデバイスDvを離れると、ビーコン信号強度が低下する。ビーコン信号強度がしきい値を下回ったとき(時刻t2)、制御部52は、来店者がデバイスDvから離れたと判断し、記憶モードから撮像モードに切り替え、撮像情報の記憶を停止する。これにより、記憶部53には、来店者を撮像した撮像情報が記憶される。この撮像情報は、動画データであってもよいし、1枚または複数枚の静止画データであってもよい。
【0071】
また、制御部52は、記憶部53に記憶された撮像情報およびタグ情報を第2通信ネットワークCn2を介してサーバSvに送信する(
図6のステップS7)。また、制御部52は、撮像された時刻情報や自機器の位置情報をサーバSvに送信してもよい。なお、たとえばサーバSvが撮像情報を受信した時刻を後述の解析に用いる場合、デバイスDvは、撮像情報のみを送信してもよい。
【0072】
撮像情報の送信は、たとえば、
図7における時刻t1から開始してもよいし、時刻t2において撮像情報の記憶が停止したとき、あるいは撮像情報の記憶が停止した所定時間の後であってもよい。
図7においては、理解の便宜上、撮像情報の送信を示す実線を、時刻t1から時刻t2にかけて示している。このデバイスDvによる撮像情報およびタグ情報の送信が、本発明の管理方法における第3工程である。
【0073】
デバイスDvは、無線タグWtを携帯する来店者が近接するごとに、撮像モードと記憶モードとの切り替えを行い、録画制御と撮像情報の送信とを行う。
図7に示す例においては、時刻t3に録画制御が再び開始され、時刻t4に停止している。また、この録画制御に対応して、撮像情報および時刻情報が、サーバSvに送信される。
【0074】
なお、同一店舗内に、複数のデバイスDvが設置されている場合、個々のデバイスDvを識別する識別情報を、撮像情報および時刻情報とともにサーバSvに送信してもよい。
【0075】
次いで、
図6に示すように、サーバSvにおいて、デバイスDvからの撮像情報および時刻情報を受信する(ステップS8)。サーバSvでは、デバイスDvから送信されたタグ情報および撮像情報に基づいて来店者(ユーザ)の属性を解析する。来店者(ユーザ)の属性としては、年齢、性別、家族連れ、単身者等が挙げられる。撮像情報として、動画データや静止画データが得られている。この撮像情報についてたとえば従来公知の画像処理等を施すことにより、上述の属性を解析することができる。
【0076】
また、解析部61は、転送データに含まれるタグ情報および時刻情報と照明装置Lの位置情報とに基づいて、店舗内における来店者(ユーザ)の動線を解析する。具体的には、無線タグWtのタグ情報から、当該無線タグWtを携帯した来店者(ユーザ)が、それぞれの照明装置Lが配置されたそれぞれの売場Arに、どの時刻に訪れたかが特定される。この特定をすべての照明装置L(売場Ar)について行うことにより、店舗内において来店者(ユーザ)の各時刻における位置が一連のデータとなって取得される。これにより、来店者(ユーザ)の動線を解析することができる。これらの属性の解析および動線の解析が、本発明の管理方法における第4工程である。
【0077】
次に、デバイスDvおよび管理システムA1の作用について説明する。
【0078】
本実施形態によれば、無線タグWtからのビーコン信号を受信するための専用の読取装置等を、店舗の床等に埋設する工事を行う必要がない。また、デバイスDvは、無線通信部54を備えており、追加の通信敷設工事等を行うことなく撮像情報等を送信可能である。したがって、デバイスDvをはじめとする管理システムA1を設置する際に、必要とされる設置工事の負担を軽減することができる。
【0079】
デバイスDvは、撮像部56を備えており、タグ受信部57によって無線タグWtからのビーコン信号を受信すると、録画制御を開始する。これにより、撮像情報を用いてサーバSvにおいてあるタグ情報に紐付けられたユーザ属性の解析を行うと同時に、当該タグ情報に紐付けられた動線解析を行うことが可能である。これにより、どのような属性のユーザがどのような動線を辿ったかを、適切に取得することが可能である。たとえば、ある日に店舗に来店した来店者数を定量的に把握することができる。また、各売場Ar(照明装置L)の滞在時間を取得可能であることにより、来店者の各売場Arへの立ち寄り率(滞在時間率)を定量的に把握することができる。また、デバイスDvで実際に撮像された来店者の人数と店舗を訪れた来店者数とを比較することにより、来店者のうち実際に購買した人数の割合(購買率)を把握することができる。また、動線解析を用いることにより、来店者が移動しやすい売場Arのレイアウトや、商品を効果的に来店者にアピール可能な売場Arのレイアウト等を検討することができる。これらの解析や検討においては、POSサーバPsに蓄積される販売情報と組み合わせることにより、より有機的な解析および検討が可能となる。
【0080】
管理システムA1が時計ユニットUtを備えることにより、複数の照明装置L、制御装置CtおよびデバイスDv等の時刻情報を容易かつ正確に同期させることができる。これにより、動線解析等の精度を確実に向上させることができる。
【0081】
図7に示したように、デバイスDvは、撮像モードと記憶モードとを無線タグWtの接近および離隔に応じて切り替える。すなわち、デバイスDvの動作中においては、撮像部56による撮像処理を常時行い、無線タグWtの接近に応じて録画制御を行っている。これにより、たとえば急激な速度で無線タグWtを携帯する来店者がデバイスDvに接近した場合であっても、撮像部56による撮像漏れが生じることを回避することが可能である。一方で、無線タグWtが近接したときにのみ録画制御を行うことにより、たとえば記憶部53に膨大な動画データが録画され、記憶容量が不足することを防止することができる。
【0082】
図9~
図11は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。また、各変形例および各実施形態における各部の構成は、技術的な矛盾を生じない範囲において相互に適宜組み合わせ可能である。
【0083】
図8~
図11は、本発明のデバイスの他の使用例としての管理システムおよび管理方法を示している。本実施形態の管理システムA2は、
図8に示すように、携帯端末Mdを備える。携帯端末Mdは、後述の構成および動作制御により、管理システムA2において、本発明の無線タグとして機能する。
【0084】
また、本実施形態のサーバSvは、たとえば商用クラウドサービスによって構築されている。サーバSvは、たとえば公衆通信網(インターネット)を介して、第2通信ネットワークCn2に接続されている。
【0085】
また、本実施形態においては、複数の照明装置Lが、第2無線通信部142からビーコン信号を送信する。このビーコン信号には、各照明装置Lの識別情報として、または識別情報に加えて、照明装置Lの位置情報が含まれる。また、このビーコン信号には、時刻情報が含まれていてもよい。
【0086】
〔携帯端末Md〕
図9は、携帯端末Mdを示すブロック図である。携帯端末Mdは、管理システムA2においてたとえば来店者の所有物であり、一般的なスマートフォンやタブレット端末等である。本実施形態においては、携帯端末Mdは、表示部71、制御部72、記憶部73、無線通信部74、電源部75および近距離無線通信部76を備える。
【0087】
表示部71は、携帯端末Mdの操作等に必要な情報や画像を表示するためのものである。表示部71は、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、本実施形態においてはタッチパネル機能を有している。なお、表示部71がタッチパネルとして機能することに代えて、携帯端末Mdは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。
【0088】
制御部72は、携帯端末Mdの各部を制御するためのものである。制御部72の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部73は、制御部72の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0089】
無線通信部74は、携帯電話通信網を介した無線通信を行う。無線通信部74の周波数帯や準拠する無線通信の規格は、種々の携帯電話通信規格に準拠しており、たとえばLTE(Long Term Evolution)等が選択される。なお、無線通信部74は、携帯端末Mdとしてのタブレット等に内蔵された無線通信モジュールであってもよいし、USB端子等に接続された外付けの無線通信モジュールであってもよい。
【0090】
電源部75は、表示部71、制御部72、無線通信部74および近距離無線通信部76等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部75は、たとえば充電可能なバッテリである。
【0091】
近距離無線通信部76は、照明装置Lからのビーコン信号を受信するためのものである。また、近距離無線通信部76は、デバイスDvに向けてビーコン信号を送信する。近距離無線通信部76が送信するビーコン信号は、無線タグとしての携帯端末Mdのタグ情報が含まれる。
【0092】
図10は、管理システムA2を用いた管理方法の一例を示している。来店者(ユーザ)が各売場Arを訪れると、照明装置Lから送信されたビーコン信号を携帯端末Mdが受信する処理が開始される(ステップS21)。
図11は、ビーコン信号の受信における携帯端末Mdの処理を示している。
図10のステップS21でビーコン信号を受信する(ステップS11:Yes)。この受信は、たとえば受信したビーコン信号のビーコン信号強度と所定のしきい値を比較し、ビーコン信号強度がしきい値以上である場合に、ビーコン信号を受信したと判断してもよい。
【0093】
携帯端末Mdの制御部72は、ビーコン信号に含まれる識別情報に基づき、特定プログラムの起動を判断する(ステップS12)。たとえば、識別情報が、記憶部73に予め記憶された識別情報に該当する場合、制御部72は、特定プログラムを起動すべき場所(店舗の所定箇所、売場等)に到達したと判断する(ステップS12:Yes)。そして、制御部72は、記憶部73に記憶された特定プログラムを起動する(ステップS13)。この起動(ステップS13)が、
図10のステップS22に相当する。
【0094】
次いで、携帯端末Mdの制御部72は、照明装置Lからのビーコン信号に含まれた位置情報(照明装置Lの識別情報)と、自己のタグ情報と、時刻情報を、無線通信部74からサーバSvに送信する(ステップS23)。無線通信部74から送信されたこれらの情報は、携帯電話通信網およびインターネットを介して、サーバSvに送信される。ステップS21~S23は、携帯端末Mdが複数の照明装置Lのそれぞれに近接するたびに、実行される。
【0095】
また、ステップS24で携帯端末MdがデバイスDvに近接すると、
図6を参照して
説明した無線タグWtがデバイスDvに近接した場合(ステップS5)のステップS6,S7と同様に、ステップS25およびステップS26が実行され、撮像情報等がサーバSvに送信される。
【0096】
サーバSvでは、複数の照明装置Lに近接する毎にステップS21~S24によって送信された携帯端末Mdからの上記情報と、ステップS26によって送信された撮像情報等に基づいて、
図6のステップS8と同様に、ステップS27を実行する。これにより、携帯端末Mdを携帯する来店者(ユーザ)の属性解析と動線解析とが実行される。
【0097】
本実施形態によっても、設置工事等の負担を軽減することができる。また、本実施形態から理解されるように、本発明のデバイスDvは、専用の無線タグWtが用いられる構成に限定されず、無線タグWtに代えて、携帯端末Mdが用いられる構成であってもよい。また、サーバSvの具体的構成は何ら限定されず、本実施形態のように、商用クラウドサービスによって構築されていてもよい。携帯端末Mdが無線タグとして機能する場合、商用クラウドサービスによって構築されたサーバSvに、携帯端末Mdからタグ情報等を直接送信できるという利点がある。
【0098】
本発明に係るデバイス、管理システムおよび管理方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るデバイス、管理システムおよび管理方法の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0099】
A1,A2:管理システム
11 :光源部
12 :制御部
13 :記憶部
14 :無線通信モジュール
15 :電源部
21 :表示部
22 :制御部
23 :記憶部
24 :無線通信部
25 :電源部
42 :制御部
43 :記憶部
44 :無線通信部
45 :電源部
52 :制御部
53 :記憶部
54 :無線通信部
55 :電源部
56 :撮像部
57 :タグ受信部
61 :解析部
62 :記憶部
63 :通信部
71 :表示部
72 :制御部
73 :記憶部
74 :無線通信部
75 :電源部
76 :近距離無線通信部
141 :第1無線通信部
142 :第2無線通信部
Ar,Ar1,Ar2,Arn:売場
Cn1 :第1通信ネットワーク
Cn2 :第2通信ネットワーク
Cr :レジ
Ct :制御装置
Dv :デバイス
Et :店舗入口
L,L1,L2,Ln:照明装置
Md :携帯端末
Ps :POSサーバ
Sv :サーバ
Ut :時計ユニット
Wt :無線タグ