(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132057
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
B25F 5/00 20060101AFI20230914BHJP
B25F 5/02 20060101ALI20230914BHJP
B23D 57/02 20060101ALI20230914BHJP
B27B 17/00 20060101ALI20230914BHJP
B27B 17/02 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B25F5/00 A
B25F5/00 H
B25F5/02
B23D57/02
B27B17/00 L
B27B17/00 H
B27B17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037159
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000137292
【氏名又は名称】株式会社マキタ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】奥見 正義
(72)【発明者】
【氏名】可知 秀規
【テーマコード(参考)】
3C040
3C064
【Fターム(参考)】
3C040AA10
3C040GG26
3C064AA06
3C064AB02
3C064AC02
3C064BA06
3C064BA11
3C064BA18
3C064BB01
3C064BB10
3C064BB43
3C064BB45
3C064BB71
3C064BB79
3C064BB82
3C064CA03
3C064CA06
3C064CA26
3C064CA55
3C064CA60
3C064CA61
3C064CB04
3C064CB17
3C064CB32
3C064CB33
3C064CB36
3C064CB37
3C064CB39
3C064CB63
3C064CB69
3C064CB71
3C064CB77
3C064CB82
3C064CB92
(57)【要約】
【課題】作業機において、モータの冷却性能を向上させることができる技術を提供する。
【解決手段】作業機は、作業部と、モータ収容部を有する本体部と、モータ収容部に収容されるファンと、モータ収容部に収容され、作業部及びファンを駆動させるモータと、を備えている。ファンは、中央部に円形開口を有する円板部と、円板部に取り付けられる複数の羽根部と、カバー部であって、軸方向において、円板部とカバー部によって複数の羽根部を覆うカバー部と、を備えている。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機であって、
作業部と、
モータ収容部を有する本体部と、
前記モータ収容部に収容されるファンと、
前記モータ収容部に収容され、前記作業部及び前記ファンを駆動させるモータと、を備えており、
前記ファンは、
中央部に円形開口を有する円板部と、
前記円板部に取り付けられる複数の羽根部と、
カバー部であって、軸方向において、前記円板部と前記カバー部によって前記複数の羽根部を覆う前記カバー部と、を備える、作業機。
【請求項2】
前記カバー部は、前記複数の羽根部に固定されている、請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記作業機は、さらに、
前記モータを収容するモータカバーを備え、
前記モータカバーの外周面には、外側に突出するフィンが設けられている、請求項1又は2に記載の作業機。
【請求項4】
前記作業機は、さらに、
前記モータ収容部内において前記モータをカバーするモータカバーを備え、
前記モータカバーは、水の浸入を防止する防水構造を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項5】
前記本体部は、
バッテリパックと、
前記バッテリパックが収容されるバッテリ収容部と、
ダクトと、を備え、
前記バッテリ収容部は、前記本体部の内側から前記バッテリ収容部に空気を吸気する第1吸気開口部と、前記バッテリ収容部から前記本体部の内側に空気を排気する第1排気開口部と、を有しており、
前記モータ収容部は、
前記軸方向において、前記モータよりも第1の側に位置し、前記モータ収容部を画定する壁部と、
前記壁部に設けられている第2吸気開口部と、を備えており、
前記ダクトの一端は、前記バッテリ収容部に接続されており、
前記ダクトの他端は、前記第2吸気開口部よりも前記第1の側において、前記第2吸気開口部に対向している、請求項1から4のいずれか一項に記載の作業機。
【請求項6】
前記ダクトの前記他端の面であって、前記第2吸気開口部に対向する前記面に設けられている開口部の開口面積は、前記第2吸気開口部の開口面積の1/3以上である、請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記本体部は、前記本体部の外部から前記本体部の内側に空気を吸い込む第3吸気開口部と、を備えており、
前記軸方向に直交する方向において、前記バッテリ収容部は、前記モータ収容部と前記第3吸気開口部との間に配置されている、請求項5又は6に記載の作業機。
【請求項8】
前記作業機は、チェーンソーである、請求項1から7のいずれか一項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータ収容室を有する本体部と、本体部に取付けられる作業部と、モータ収容室に収容されるファンと、モータ収容室に収容され、作業部及びファンを駆動させるモータと、を備える作業機が開示されている。ファンは、中央部に円形開口を有する円板部と、円板部に取り付けられる複数の羽根部と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/66916号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業機では、ファンによって吸込まれる空気の量が少ないために、モータ収容室に収容されるモータの冷却が不十分になることがある。
【0005】
本明細書では、作業機において、モータの冷却性能を向上させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する作業機は、モータ収容室を有する本体部と、前記本体部に取付けられる作業部と、前記モータ収容室に収容されるファンと、前記モータ収容室に収容され、前記作業部及び前記ファンを駆動させるモータと、を備えており、前記ファンは、中央部に円形開口を有する円板部と、前記円板部に取り付けられる複数の羽根部と、カバー部であって、軸方向において、前記円板部と前記カバー部によって前記複数の羽根部を覆う前記カバー部と、を備えてもよい。
【0007】
上記の構成によれば、ファンの複数の羽根部が、軸方向において、円板部とカバー部によって覆われている。この場合、複数の羽根部と円板部とカバー部とによって、径方向の通路が画定される。このような構成によると、複数の羽根部の軸方向における一方の側がカバー部によって覆われていないファンと比較して、ファンによってモータ収容部に吸込まれる空気の量を多くすることができる。従って、モータ収容部に収容されるモータの冷却性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施例のチェーンソー2を後方左方上方から見た斜視図である。
【
図2】第1実施例のチェーンソー2を左方から見た左側面図である。
【
図3】第1実施例のチェーンソー2を後方右方上方から見た斜視図である。
【
図4】第1実施例において、バッテリカバー50及びバッテリパック200が取外されている状態のチェーンソー2を後方左方上方から見た斜視図である。
【
図5】第1実施例において、バッテリカバー50及びバッテリパック200が取外されている状態のチェーンソー2を前方右方上方から見た斜視図である。
【
図6】第1実施例におけるチェーンソー2を左方から見た左断面図である。
【
図7】第1実施例におけるチェーンソー2を前方から見た前断面図である。
【
図8】第1実施例におけるチェーンソー2を前方から見た前断面図である。
【
図9】第1実施例のファン110を前方左方上方から見た斜視図である。
【
図10】第1実施例において、カバー部が取外されている状態のファン110を前方左方上方から見た斜視図である。
【
図11】第1実施例におけるファン110を前方から見た前断面図である。
【
図12】第1実施例における内側ハウジング86、ファン110、ダクト130、及び、取付ユニット66を後方左方上方から見た斜視図である。
【
図13】第1実施例におけるチェーンソー2を前方から見た前断面図である。
【
図14】第1実施例における内側ハウジング86、モータユニット82、ダクト130、及び、取付ユニット66を後方右方上方から見た斜視図である。
【
図15】第1実施例におけるバッテリパック200を前方右方下方から見た斜視図である。
【
図16】第2実施例におけるチェーンソー302を前方から見た前断面図である。
【
図17】第3実施例におけるチェーンソー402を前方から見た前断面図である。
【
図18】第3実施例におけるチェーンソー402を前方から見た上断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明の代表的かつ非限定的な具体例について、図面を参照して詳細に説明する。この詳細な説明は、本発明の好ましい例を実施するための詳細を当業者に示すことを単純に意図しており、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。また、以下に開示される追加的な特徴ならびに発明は、さらに改善された作業機、その製造方法及び使用方法を提供するために、他の特徴や発明とは別に、又は共に用いることができる。
【0010】
また、以下の詳細な説明で開示される特徴や工程の組み合わせは、最も広い意味において本発明を実施する際に必須のものではなく、特に本発明の代表的な具体例を説明するためにのみ記載されるものである。さらに、上記及び下記の代表的な具体例の様々な特徴、ならびに、独立及び従属クレームに記載されるものの様々な特徴は、本発明の追加的かつ有用な実施形態を提供するにあたって、ここに記載される具体例のとおりに、あるいは列挙された順番のとおりに組合せなければならないものではない。
【0011】
本明細書及び/又は特許請求の範囲に記載された全ての特徴は、実施例及び/又はクレームに記載された特徴の構成とは別に、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、個別に、かつ互いに独立して開示されることを意図するものである。さらに、全ての数値範囲及びグループ又は集団に関する記載は、出願当初の開示ならびにクレームされた特定事項に対する限定として、それらの中間の構成を開示する意図を持ってなされている。
【0012】
1つまたはそれ以上の実施形態において、モータ収容室を有する本体部と、前記本体部に取付けられる作業部と、前記モータ収容室に収容されるファンと、前記モータ収容室に収容され、前記作業部及び前記ファンを駆動させるモータと、を備えており、前記ファンは、中央部に円形開口を有する円板部と、前記円板部に取り付けられる複数の羽根部と、カバー部であって、軸方向において、前記円板部と前記カバー部によって前記複数の羽根部を覆う前記カバー部と、を備えてもよい。
【0013】
1つまたはそれ以上の実施形態において、カバー部は、前記複数の羽根部に固定されていてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、複数の羽根部と円板部とカバー部とによって、径方向の通路が確実に画定される。従って、ファンによってモータ収容部に吸込まれる空気の量を多くすることができ、モータ収容部に収容されるモータの冷却性能を向上させることができる。
【0015】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、さらに、前記モータを収容するモータカバーを備え、前記モータカバーの外周面には、外側に突出するフィンが設けられていてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、ファンによってモータ収容部内に吸込まれた空気がフィンに接触する。空気がフィンに接触することによって、モータカバーに収容されるモータが冷却される。従って、モータの冷却性能を向上させることができる。
【0017】
1つまたはそれ以上の実施形態において、作業機は、さらに、前記モータを収容するモータカバーを備え、前記モータカバーは、水の浸入を防止する防水構造を有していてもよい。
【0018】
モータカバーが防水構造を有している場合、ファンによってモータ収容部内に空気が吸い込まれても、モータカバー内に空気が流れ込まない。この場合、モータカバーに収容されるモータは、モータカバーの外周面に空気が接触することによって冷却される。即ち、モータカバー内に空気が流れ込む構成と比較して、モータカバーの外周面に多くの空気を接触させる必要がある。上記の構成によれば、ファンによって多くの空気がモータ収容部に吸込まれる。従って、モータに水が付着することを防止しながら、モータの冷却性能を向上させることができる。
【0019】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記本体部は、バッテリパックと、前記バッテリパックが収容されるバッテリ収容部と、ダクトと、を備えてもよい。前記バッテリ収容部は、前記本体部の内側から前記バッテリ収容部に空気を吸気する第1吸気開口部と、前記バッテリ収容部から前記本体部の内側に空気を排気する第1排気開口部と、を有していてもよい。前記モータ収容部は、前記軸方向において、前記モータよりも前記第1の側に位置し、前記モータ収容部を画定する壁部と、前記壁部に設けられている第2吸気開口部と、を備えていてもよい。前記ダクトの一端は、前記バッテリ収容部に接続されており、前記ダクトの他端は、前記第2吸気開口部よりも第1の側において、前記第2吸気開口部に対向していてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、ファンが駆動されると、バッテリ収容部内の空気がダクトに吸込まれる。バッテリ収容部内の空気が、ダクトに吸込まれると、バッテリ収容部内は負圧状態となる。この場合、本体部の内側の空気が、バッテリ収容部内に吸込まれるようになる。このため、バッテリ収容部内のバッテリパックが冷却される。従って、ファンによって、モータ及びバッテリパックの両方を冷却することができる。
【0021】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記ダクトの前記他端の前記吸気開口部に対向する面に設けられているファン側開口部の開口面積は、前記第2吸気開口部の開口面積の1/3以上であってもよい。
【0022】
上記の構成によれば、ダクトに吸込まれるバッテリ収容部内の空気の量を多くすることができる。この場合、本体部の内側から、バッテリ収容部内に吸込まれる空気の量も多くなる。従って、バッテリの冷却性能を向上させることができる。
【0023】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記本体部は、前記本体部の外部から前記本体部の内側に空気を吸い込む第3吸気開口部と、を備えていてもよい。前記軸方向に直交する方向において、前記バッテリ収容部は、前記モータ収容部と前記第3吸気開口部との間に配置されていてもよい。
【0024】
上記の構成によると、第3吸気開口部から本体部の内側に吸込まれる空気を利用して、バッテリ収容部内のバッテリパックを冷却することができる。従って、第3吸気開口部が設けられていない構成と比較して、バッテリパックの冷却性能を向上させることができる。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、前記作業機は、チェーンソーであってもよい。
【0026】
チェーンソーは、比較的に出力が高い。このため、モータが発熱しやすい。上記の構成によると、モータ収容部内のモータを適切に冷却することができ、有用である。
【0027】
(第1実施例)
図1に示すように、チェーンソー2は、本体部4と、ガイドバー6と、ソーチェーン8と、を備えている。ガイドバー6は、本体部4から前方に向けて突出するように本体部4に取り付けられた、細長い板状の部材である。ガイドバー6は、例えば鉄等の金属材料からなる。ソーチェーン8は、相互に連結された複数のカッタを備えており、ガイドバー6の周縁に沿って取り付けられている。以下の説明では、
図2に示すように、チェーンソー2を地面等の水平な載置面Sに載置した時に、載置面Sに直交する方向を、チェーンソー2の上下方向といい、載置面Sにガイドバー6の長手方向を投影した方向を、チェーンソー2の前後方向といい、チェーンソー2の上下方向および前後方向に直交する方向を、チェーンソー2の左右方向という。
【0028】
図1に示すように、本体部4は、本体ハウジング10と、前側ハンドガード12と、前側ハンドル14と、スプロケットカバー16(
図3参照)と、バッテリ収容部18と、後側ハンドル20と、後側ハンドガード22と、を備えている。本体ハウジング10は、左側ハウジング24と、右側ハウジング26と、から構成されている。本体ハウジング10は、本体部4の前後方向に長手方向を有する略直方体形状を有する。
【0029】
左側ハウジング24の左面には、左方に突出する前側吸気部30が設けられている。前側吸気部30は、円錐台部32と、平板部34と、を有している。平板部34は、円錐台部32の左端に設けられている。円錐台部32は、左方から右方に向かうにつれて拡径している。円錐台部32には、複数個の外側吸気開口部32aが設けられている。複数個の外側吸気開口部32aは、円錐台部32の円周方向に並んで配置されている。複数個の外側吸気開口部32aのそれぞれは、長孔形状を有しており、円錐台部32の母線が延びる方向に沿う長手方向を有する。
【0030】
前側ハンドル14は、左側ハウジング24(詳細には、前側吸気部30)の前方下部から左方に延びる左側固定部14aと、左側固定部14aの左端から上方に向けて延びる左側把持部14bと、左側把持部14bの上端から右方に向けて延びる上側把持部14cと、上側把持部14cの右端から後方下方に向けて延びる右側把持部14dと、右側把持部14dの下端から下方に向けて延びる右側固定部14e(
図3参照)と、を備えている。左側固定部14aは、左側ハウジング24の前方下部にネジ止め固定されている。
図3に示すように、右側固定部14eは、スプロケットカバー16よりも後側の右側ハウジング26にネジ止め固定されている。前側ハンドガード12は、本体ハウジング10の前方上部に回動可能に支持されている。前側ハンドガード12は、前側ハンドル14よりも前方に設けられている。前側ハンドガード12は、前側ハンドル14の上側把持部14cを把持したユーザの手を保護する。
【0031】
後側ハンドル20は、本体ハウジング10の後面上部から後方下方に向けて延びており、下方に向けて屈曲している。後側ハンドガード22は、本体ハウジング10の後面下部から後方に向けて延びており、後側ハンドル20の下端に接続している。後側ハンドガード22は、後側ハンドル20の直下に配置された第1ガード部22aと、第1ガード部22aから右方に延びる第2ガード部22bと、を備えている。後側ハンドガード22は、後側ハンドル20を把持したユーザの手を保護する。
【0032】
後側ハンドル20の前端近傍の上面には、ユーザがチェーンソー2の電源のオン/オフを切替操作する電源ボタン40が配置されている。後側ハンドル20の前端近傍の下面には、ユーザがソーチェーン8の回転駆動を操作するためのトリガレバー42が配置されている。後側ハンドル20の上面には、ユーザによるトリガレバー42の操作を許可する状態と禁止する状態の間で切り替わるロックレバー44が配置されている。ユーザは、チェーンソー2を使用するときに、右手で後側ハンドル20を把持し、左手で前側ハンドル14を把持して、チェーンソー2を保持する。この状態から、ユーザが後側ハンドル20のロックレバー44を右手の掌で押し下げると、ユーザによるトリガレバー42の操作が許可された状態となる。この状態でユーザがトリガレバー42を右手の人差し指で引き上げることにより、ソーチェーン8が回転駆動する。
【0033】
バッテリ収容部18は、前側ハンドル14と後側ハンドル20との間に設けられている。バッテリ収容部18は、開閉式のバッテリカバー50と、バッテリインターフェース(以下では、「IF」と記載することがある)部52(
図4参照)と、を備えている。
図4に示すように、バッテリIF部52は、IF前面54と、IF右面56と、IF後面58(
図5参照)と、IF左面60(
図5参照)と、IF底面62と、を備えている。IF前面54は、左右方向および上下方向に沿っており、後方を向いて配置されている。IF右面56は、前後方向および上下方向に沿っており、左方を向いて配置されている。IF底面62は、前後方向および左右方向に沿っており、上方を向いて配置されている。
図5に示すように、IF後面58は、左右方向および上下方向に沿っており、前方を向いて配置されている。IF左面60は、前後方向および上下方向に沿っており、右方を向いて配置されている。
【0034】
図4に示すように、IF前面54には、IF側吸気開口部54aが設けられている。
図6に示すように、IF側吸気開口部54aには、吸気管64が接続されている。吸気管64は、例えばゴム材によって形成されている。なお、変形例では、吸気管64は、樹脂などによって形成されていてもよい。吸気管64は、IF側吸気開口部54aから前方に延びる第1空気路64aと、第1流路の前端から屈曲して下方に延びる第2空気路64bと、を備えている。第2空気路64bの端部64cの開口は、鉛直下方に向いている。本実施例では、吸気管64は、チェーンソー2が
図2の状態において、端部64cの開口が鉛直下方に向くように、IF前面54に取付けられている。変形例では、吸気管64は、チェーンソー2の状態に関わらず、端部64cの開口が鉛直下方に向くように、IF側吸気開口部54aに回動可能に取付けられていてもよい。
【0035】
図7に示すように、IF右面56には、右側開口部56aが形成されている。右側開口部56aには、取付ユニット66が設けられている。
図4に示すように、取付ユニット66の前端部には、上下方向に延びる第1前側レール66aが設けられており、後端部には、上下方向に延びる第1後側レール66bが設けられている。取付ユニット66には、5個の機器側端子68が保持されている。5個の機器側端子68は、第1前側レール66aと第1後側レール66bとの間に設けられており、前後方向に並んで配置されている。取付ユニット66の下部には、内側排気孔66cが設けられている。
図7に示すように、取付ユニット66の後面下部には、外側排気孔66dが形成されている。バッテリカバー50とバッテリIF部52とによって、バッテリ収容空間BSが画定される。
図6に示すように、バッテリカバー50が閉じられている状態において、バッテリカバー50とバッテリIF部52とが当接する箇所には、シール部材53が配置されている。このため、バッテリカバー50が閉じられている状態において、バッテリ収容部18内は密閉されている。
【0036】
図6に示すように、本体ハウジング10の後面下部には、後側吸気開口部70が設けられている。後側吸気開口部70は、長孔形状を有しており、左右方向に沿う長手方向を有する。後側吸気開口部70には、スポンジ72が取付けられている。スポンジ72は、本体ハウジング10の内部に空気が入ることを許容しつつ、本体ハウジング10の内部に水、埃が入ることを抑制する。
【0037】
本体ハウジング10の内部の前方には、制御ユニット80と、モータユニット82と、オイルタンク84と、内側ハウジング86と、が配置されている。制御ユニット80、モータユニット82、オイルタンク84は、バッテリ収容部18よりも前方に配置されている。制御ユニット80は、モータユニット82の上方に配置されている。オイルタンク84には、ソーチェーン8を潤滑するための潤滑油が貯留される。本体ハウジング10の内部の前方には、モータユニット82を収容するモータ収容部88が設けられている。モータ収容部88は、左側ハウジング24(
図8参照)、右側ハウジング26、制御ユニット80、オイルタンク84、及び、内側ハウジング86によって画定されている。モータ収容部88の前面には、前側排気開口部88aが形成されている。モータユニット82は、左側ハウジング24にネジ止め固定されている。
【0038】
モータユニット82は、モータカバー90と、モータ92と、を備えている。モータカバー90は、防水構造を有している。
図8に示すように、モータカバー90は、カバー本体部94と、蓋部96と、を備えている。カバー本体部94は、本体側円板部94aと、円筒形状を有する第1円筒部94bと、円筒形状を有する第2円筒部94cと、を有している。本体側円板部94aの中央部には、本体側開口部94eが設けられている。第1円筒部94bは、本体側円板部94aの径方向外側端部から左方向に延びている。第2円筒部94cは、本体側円板部94aの本体側開口部94eの外周端部から右方向に延びている。第1円筒部94bには、径方向外側に延びる複数のフィン94dが設けられている。蓋部96は、蓋側円板部96aを有している。蓋側円板部96aの中央部には、蓋側円開口部96bが設けられている。蓋側円板部96aは、第1円筒部94bの左端部の開口を覆っている。
【0039】
モータ92は、モータカバー90によって防水されている。モータ92は、インナロータ型のDCブラシレスモータである。モータ92は、ステータ100と、ステータ100の内側に配置されているロータ102と、ステータ100およびロータ102の中央を貫通するように配置されており、ロータ102に篏合された出力シャフト104と、を備えている。出力シャフト104は、軸方向Aに沿って延びている。軸方向Aは、左右方向と平行である。出力シャフト104の左端は、モータカバー90の左端よりも左方に位置しており、出力シャフト104の右端は、モータカバー90の右端よりも右方に位置している。即ち、出力シャフト104は、モータカバー90を左右方向に貫通している。モータカバー90において、出力シャフト104が貫通する箇所には、複数個の防水部材90aが設けられている。
【0040】
出力シャフト104の右端には、ウォームギア105及びスプロケット106が固定されている。スプロケット106の左端はウォームギア105に嵌合しており、右端にはブレーキドラム107が設けられている。スプロケット106には、ガイドバー6からソーチェーン8(
図1参照)が架け渡される。モータ92が駆動されると、出力シャフト104とともにスプロケット106が回転し、これによってソーチェーン8がスプロケット106とガイドバー6の周りを回転する。モータ92が駆動されている状態において、ユーザが前側ハンドガード12(
図1参照)を前方に押し倒すと、ブレーキドラム107を介して、出力シャフト104の回動が制動される。
【0041】
出力シャフト104の左端には、ブッシュ108を介して、ファン110が取付けられている。
図9に示すように、ファン110は、いわゆるクローズドファンである。ファン110は、ファン円板部112と、複数枚の羽根部114と、カバー部116と、を備えている。ファン円板部112の中央部には中央開口部112aが設けられている。ファン円板部112は、中央開口部112aの外周端から前方に延びる円筒状のリブ部112bを有している。
図10に示すように、ファン円板部112及び複数枚の羽根部114は、一体的に成形されている。複数の羽根部114は、ファン円板部112から左方に延びている。複数枚の羽根部114は、ファン110を左方から見た場合に、径方向内側の端部が、径方向外側の端部よりも、時計回り方向側に位置する形状を有している。
図9に示すように、カバー部116は、羽根部114の左端に溶着されている。カバー部116の中央部には、カバー側吸気開口部116aが設けられている。カバー側吸気開口部116aの直径は、中央開口部112aの直径よりも大きい。
図11に示すように、ファン円板部112の左面、カバー部116の右面、及び、円周方向において隣り合う2枚の羽根部114によって、複数個の通風路110aが画定される。
図9に示すように、ファン110の円周方向の外周面には、複数個のファン排気開口部110bが画定されている。
【0042】
図12の内側ハウジング86は、右側ハウジング26(
図1参照)にネジ止め固定されている。
図8に示すように、内側ハウジング86の左壁部86aには、内側吸気開口部120と、防水部122と、が設けられている。防水部122は、縮径部122aと、ベルマウス部122bと、を有している。縮径部122aは、右方から左方に向かうにつれて、外径及び内径が縮径している。ベルマウス部122bは、縮径部122aの左端部に設けられている。ベルマウス部122bは、左壁部86aの外周面に沿って右側から左側に流れ、内側吸気開口部120を介して、モータ収容部88に吸込まれる空気の流れを阻害しない形状を有している。ベルマウス部122bによって、内側吸気開口部120が画定されている。ベルマウス部122bには、左壁部86aの外周面から窪んでいる防水溝部124が形成されている。詳細には、防水溝部124は、左壁部86aの外周面から、径方向内側に窪んでいる。防水溝部124の深さD1は、全周にわたって一定である。
【0043】
図13に示すように、内側吸気開口部120は、外側吸気開口部32aよりも、距離L1だけ左方に設けられている。内側吸気開口部120は、円形状を有している。また、内側吸気開口部120は、外側吸気開口部32aよりも内側に設けられている。ここで、「内側吸気開口部120は、外側吸気開口部32aよりも内側に設けられている」は、チェーンソー2の外部から内部に流入する空気が、外側吸気開口部32a、内側吸気開口部120の順に通過することを意味している。
図8に示すように、左右方向において、内側吸気開口部120は、外側吸気開口部32aよりもモータ92から遠い位置に設けられている。
図13に示すように、最上部の外側吸気開口部32aの下端と防水溝部124の上端との間の上下方向の距離L2は、10cm以内である。
【0044】
図6に示すように、本体ハウジング10の内部には、ダクト130が収容されている。
図12に示すように、ダクト130は、ファン側端部132と、取付ユニット側端部134(
図14参照)と、ファン側端部132と取付ユニット側端部134とを接続する流路部136と、を備えている。
図8に示すように、ファン側端部132は、左側ハウジング24の左面と内側ハウジング86の左壁部86aとの間に設けられている。ダクト130のファン側端部132には、ファン側開口部132aが形成されている。ファン側開口部132aは、内側ハウジング86の内側吸気開口部120に対向している。ファン側開口部132aの開口面積は、内側吸気開口部120の開口面積の1/3倍~1/2の範囲の大きさである。
図14に示すように、ダクト130の取付ユニット側端部134は、取付ユニット66の右面の下部に取り付けられている。
図7に示すように、取付ユニット側端部134には、取付ユニット側開口134aが形成されている。
【0045】
図15に示すように、バッテリパック200は、バッテリハウジング202を備えている。バッテリハウジング202には、複数の電池セルC(
図7参照)が収容されている。バッテリハウジング202は、フック204と、バッテリハウジング202の前端部に設けられている第2前側レール206と、バッテリハウジング202の後端部に設けられている第2後側レール208と、を備えている。第2前側レール206、第2後側レール208は、それぞれ、チェーンソー2の第1前側レール66a、第1後側レール66b(
図4参照)に対応する形状を有している。フック204は、係合部204aと、フック操作部204bと、を備えている。フック204は、ばね(図示省略)によってバッテリハウジング202の外側に向けて付勢されている。バッテリパック200がチェーンソー2のバッテリIF部52(
図4参照)に取付けられる際には、フック204の係合部204aがチェーンソー2の取付ユニット66の被係合部66e(
図7参照)に入り込むことで、バッテリパック200がバッテリIF部52に固定される。この状態から、フック操作部204bが押し込まれると、係合部204aが被係合部66eから抜け出す。この状態では、バッテリパック200をバッテリIF部52に対してスライドさせることができ、バッテリパック200をバッテリIF部52(即ちチェーンソー2)から取外すことができる。
【0046】
バッテリハウジング202の右面の下部には、第1バッテリ通気孔202aが形成されている。
図7に示すように、バッテリパック200がチェーンソー2に取り付けられている状態において、第1バッテリ通気孔202aは、取付ユニット66の内側排気孔66cに対向している。
図15に示すように、バッテリハウジング202の前面の左部には、第2バッテリ通気孔202bが形成されている。バッテリパック200がチェーンソー2に取り付けられている状態において、第2バッテリ通気孔202bは、バッテリIF部52のIF前面54のIF側吸気開口部54a(
図4参照)に対向している。
【0047】
続いて、チェーンソー2のモータ92が駆動している場合の空気の流れについて説明する。
図8のモータ92が駆動されると、スプロケット106及びファン110が回転する。本実施例では、ファン110のファン円板部112、羽根部114、及び、カバー部116が一体的に回転する。ファン110が駆動されることによって、本体ハウジング10の外部の空気が、左側ハウジング24の外側吸気開口部32a、及び、内側ハウジング86の内側吸気開口部120を通過して、モータ収容部88に吸込まれる。
図6に示すように、モータ収容部88に流入した空気は、モータカバー90の周りを通過する。これにより、モータカバー90内のモータ92が冷却される。また、モータ収容部88を流れる空気によって、モータ収容部88を画定する制御ユニット80も冷却される。そして、モータ収容部88内の空気は、モータ収容部88の前面の前側排気開口部88aから外部に排気される。
【0048】
また、ファン110が駆動されることによって、ダクト130を介して、バッテリ収容部18内の空気がモータ収容部88内に吸い込まれる。具体的には、
図7に示すように、バッテリ収容部18内の空気は、バッテリパック200の第2バッテリ通気孔202b(
図15参照)、バッテリパック200の第1バッテリ通気孔202a、取付ユニット66の内側排気孔66c、及び、取付ユニット66の外側排気孔66d、及び、ダクト130の取付ユニット側開口134aを通過して、ダクト130に吸込まれる。バッテリパック200内を空気が流れることによって、バッテリパック200内の複数の電池セルCが冷却される。
図8に示すように、ダクト130に流入した空気は、ファン側開口部132a、及び、内側ハウジング86の内側吸気開口部120を通過して、モータ収容部88に吸込まれる。その後の空気の流れは、左側ハウジング24の外側吸気開口部32aから流入した空気の流れと同じである。
【0049】
上述のように、バッテリカバー50が閉じられている状態において、バッテリ収容部18内は密閉されている。このため、モータ92の駆動が継続されると、バッテリ収容部18内は負圧状態となる。この場合、
図6に示すように、本体ハウジング10の内側の空気が、バッテリ収容部18内に吸込まれるようになる。具体的には、本体ハウジング10の内側の空気が、吸気管64及びIF前面54のIF側吸気開口部54aを通過して、バッテリ収容部18内に吸込まれる。
【0050】
また、モータ92の駆動がさらに継続されると、本体ハウジング10内も負圧状態になる。この場合、本体ハウジング10の外部の空気が、本体ハウジング10の後面下部に設けられている後側吸気開口部70から本体ハウジング10に吸込まれるようになる。後側吸気開口部70を通過して、本体ハウジング10内に流入した空気は、前側に流れ、吸気管64及びIF前面54のIF側吸気開口部54aを通過して、バッテリ収容部18内に流入する。このように、モータ92が駆動されている間において、モータ92、制御ユニット80、及び、バッテリパック200内の複数の電池セルCが冷却される。
【0051】
1つまたはそれ以上の実施形態において、
図1、
図8Aに示すように、チェーンソー2(「作業機」の一例)は、ソーチェーン8(「作業部」の一例)と、モータ収容部88を有する本体部4と、モータ収容部88に収容されるファン110と、モータ収容部88に収容され、ソーチェーン8及びファン110を駆動させるモータ92と、を備えている。ファン110は、中央部に中央開口部112aを有するファン円板部112(「円板部」の一例)と、ファン円板部112に取り付けられる複数の羽根部114と、カバー部116であって、軸方向Aにおいて、ファン円板部112とカバー部116によって複数の羽根部114を覆うカバー部116と、を備える。上記の構成によれば、ファン110の複数の羽根部114が、軸方向Aにおいて、ファン円板部112とカバー部116によって覆われている。この場合、複数の羽根部114とファン円板部112とカバー部116とによって、径方向の通風路110aが画定される。このような構成によると、複数の羽根部114の軸方向における一方の側がカバー部116によって覆われていないファンと比較して、ファン110によってモータ収容部88に吸込まれる空気の量を多くすることができる。従って、モータ収容部88に収容されるモータ92の冷却性能を向上させることができる。また、チェーンソー2は、比較的に出力が高い。このため、モータ92が発熱しやすい。上記の構成によると、モータ収容部88内のモータ92を適切に冷却することができ、有用である。
【0052】
1つまたはそれ以上の実施形態において、
図9に示すように、カバー部116は、複数の羽根部114に固定(溶着)されている。上記の構成によれば、複数の羽根部114とファン円板部112とカバー部116とによって、径方向の通風路110aが確実に画定される。従って、ファン110によってモータ収容部88に吸込まれる空気の量を多くすることができ、モータ収容部88に収容されるモータ92の冷却性能を向上させることができる。
【0053】
1つまたはそれ以上の実施形態において、
図8Aに示すように、チェーンソー2は、さらに、モータ92を収容するモータカバー90を備えている。モータカバー90の外周面には、外側に突出するフィン94d設けられている。上記の構成によれば、ファン110によってモータ収容部88内に吸込まれた空気がフィン94dに接触する。空気がフィン94dに接触することによって、モータカバー90に収容されるモータ92が冷却される。従って、モータ92の冷却性能を向上させることができる。
【0054】
1つまたはそれ以上の実施形態において、
図8Aに示すように、チェーンソー2は、さらに、モータ92を収容するモータカバー90を備え、モータカバー90は、水の浸入を防止する防水構造を有している。モータカバー90が防水構造を有している場合、ファン110によってモータ収容部88内に空気が吸い込まれても、モータカバー90内に空気が流れ込まない。この場合、モータカバー90に収容されるモータ92は、モータカバー90の外周面に空気が接触することによって冷却される。即ち、モータカバー90内に空気が流れ込む構成と比較して、モータカバー90の外周面に多くの空気を接触させる必要がある。上記の構成によれば、ファン110によって多くの空気がモータ収容部88に吸込まれる。従って、モータ92に水が付着することを防止しながら、モータ92の冷却性能を向上させることができる。
【0055】
1つまたはそれ以上の実施形態において、
図6、
図7、
図11、
図12に示すように、本体部4は、バッテリパック200と、バッテリパック200が収容されるバッテリ収容部18と、ダクト130と、を備えている。バッテリ収容部18は、本体部4の内側からバッテリ収容部18に空気を吸気するIF側吸気開口部54a(「第1吸気開口部」の一例)と、バッテリ収容部18から本体部4の内側に空気を排気する内側排気孔66c(「第1排気開口部」の一例)と、を有している。モータ収容部88は、モータ92の軸方向Aにおいて、モータ92よりも左側(「第1の側」の一例)に位置し、モータ収容部88を画定する左壁部86a(「壁部」の一例)と、左壁部86aに設けられている内側吸気開口部120(「第2吸気開口部」の一例)と、を備えている。ダクト130の取付ユニット側端部134(「一端」の一例)は、バッテリ収容部18に接続されており、ダクトのファン側端部132(「他端」の一例)は、内側吸気開口部120よりも平井側において、内側吸気開口部120に対向している。上記の構成によれば、ファン110が駆動されると、バッテリ収容部18内の空気がダクト130に吸込まれる。バッテリ収容部18内の空気が、ダクト130に吸込まれると、バッテリ収容部18内は負圧状態となる。この場合、本体部4の内側の空気が、バッテリ収容部18内に吸込まれるようになる。このため、バッテリ収容部18内のバッテリパック200が冷却される。従って、ファン110によって、モータ92及びバッテリパック200の両方を冷却することができる。
【0056】
1つまたはそれ以上の実施形態において、ダクト130のファン側端部132に設けられているファン側開口部132aの開口面積は、内側吸気開口部120の開口面積の1/3以上である。上記の構成によれば、ダクト130に吸込まれるバッテリ収容部18内の空気の量を多くすることができる。この場合、本体部4の内側から、バッテリ収容部18内に吸込まれる空気の量も多くなる。従って、バッテリパック200の冷却性能を向上させることができる。
【0057】
1つまたはそれ以上の実施形態において、
図7に示すように、本体部4は、本体部4の外部から本体部4の内側に空気を吸い込む後側吸気開口部70(「第3吸気開口部」の一例)と、を備えていてもよい。前後方向(「軸方向Aに直交する方向」の一例)において、バッテリ収容部18は、モータ収容部88と後側吸気開口部70との間に配置されている。上記の構成によると、後側吸気開口部70から本体部4の内側に吸込まれる空気を利用して、バッテリ収容部18内のバッテリパック200を冷却することができる。従って、後側吸気開口部70が設けられていない構成と比較して、バッテリパック200の冷却性能を向上させることができる。
【0058】
(第2実施例)
図16を参照して、第2実施例のチェーンソー302について説明する。第2実施例のチェーンソー2は、左側ハウジング324の構造が、第1実施例の左側ハウジング24(
図8参照)の構造と異なる。以下では、実施例間で共通する構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0059】
左側ハウジング324は、複数の外側吸気開口部332aと、外側吸気開口部332aよりも右方に設けられている複数の左側吸気開口部332bと、外側吸気開口部332aと左側吸気開口部332bとを接続する空気通路を画定する右方延伸部334と、を有している。本実施例では、複数の外側吸気開口部332a、及び、複数の左側吸気開口部332bは、前後方向に並んで設けられている。複数の外側吸気開口部332a及び複数の左側吸気開口部332bは、内側吸気開口部120よりも上方に位置している。
【0060】
(第3実施例)
図17、
図18を参照して、第3実施例のチェーンソー402について説明する。第3実施例のチェーンソー402は、内側ハウジング486の左壁部486aの構造が、第1実施例の内側ハウジング86の左壁部86a(
図8、
図13参照)の構造と異なる。
【0061】
図17に示すように、内側ハウジング486の左壁部486aには、内側吸気開口部420と、防水部422と、が設けられている。防水部422は、縮径部422aと、縮径部422aの左端から径方向外側に延びるベルマウス部422bと、を有している。縮径部422aは、右方から左方に向かうにつれて、外径及び内径が縮径している。ベルマウス部422bは、縮径部422aの左端部に設けられている。ベルマウス部422bによって、内側吸気開口部420が画定されている。ベルマウス部422bには、左壁部486aの外周面から窪んでいる防水溝部424が形成されている。詳細には、防水溝部424は、左壁部486aの外周面から、径方向内側に窪んでいる。防水溝部424の深さは、防水溝部424の上部及び下部において最大の深さD2である。また、
図18に示すように、防水溝部424の深さは、防水溝部424の左部及び右部において最小の深さD3である。深さD3は深さD2よりも小さい。本実施例では、防水溝部424の深さは、円周方向に沿って変化している。即ち、防水溝部424の深さは、全周にわたって一定ではない。
【0062】
(第1変形例)「作業機」は、チェーンソー2に限定されず、ポールソー、草刈機、ヘッジトリマ、高圧洗浄機、噴霧器、芝刈機、スカリファイヤ、耕運機等であってもよい。
【0063】
(第2変形例)ファン110が、カバー部116に代えて、内側ハウジング86の左壁部86aによって構成されるカバー部を有していてもよい。本変形例では、複数の羽根部114と左壁部86aとの間の距離は略ゼロである。本変形例では、モータ92が駆動されると、ファン円板部112及び羽根部114は回転するが、内側ハウジング86の左壁部86aによって構成されるカバー部は回転しない。このような構成によっても、ファン円板部112と羽根部114とカバー部とによって、径方向の通風路が画定される。このため、ファンによってモータ収容部88に吸込まれる空気の量を多くすることができる。
また、別の変形例では、ファン110は、カバー部116に代えて、本体ハウジング10によって構成されるカバー部を有していてもよい。
【0064】
(第3変形例)ファン110は、モータ92の左側(即ち下流側)に配置されていてもよい。
【0065】
(第4変形例)モータ92は、モータカバー90に収容されていなくてもよい。
【0066】
(第5変形例)モータカバー90は、防水構造を有していなくてもよい。本変形例では、モータ92がモータカバー90によってカバーされていない構成と比較して、防水性能を向上させることができる。
【0067】
(第6変形例)バッテリ収容部18が、IF側吸気開口部54aを有していなくてもよい。本変形例では、ファン110によって、モータ92及びバッテリパック200の両方を冷却する構成と比較して、モータ92の冷却性能を向上させることができる。
【0068】
(第7変形例)ファン側開口部132aの開口面積は、内側吸気開口部120の開口面積の1/3倍未満であってもよい。また、ファン側開口部132aは、内側ハウジング86の内側吸気開口部120に対向していなくてもよい。
【0069】
(第8変形例)本体部4は、後側吸気開口部70を有していなくてもよい。
【0070】
(第9変形例)モータ92は、ブラシ付きDCモータであってもよいし、ACモータ等の他の種類のモータであってもよい。
【符号の説明】
【0071】
2 :チェーンソー
4 :本体部
6 :ガイドバー
8 :ソーチェーン
10 :本体ハウジング
12 :前側ハンドガード
14 :前側ハンドル
14a :左側固定部
14b :左側把持部
14c :上側把持部
14d :右側把持部
14e :右側固定部
16 :スプロケットカバー
18 :バッテリ収容部
20 :後側ハンドル
22 :後側ハンドガード
22a :第1ガード部
22b :第2ガード部
24 :左側ハウジング
26 :右側ハウジング
30 :前側吸気部
32 :円錐台部
32a :外側吸気開口部
34 :平板部
40 :電源ボタン
42 :トリガレバー
44 :ロックレバー
50 :バッテリカバー
52 :バッテリIF部
53 :シール部材
54 :IF前面
54a :IF側吸気開口部
56 :IF右面
56a :右側開口部
58 :IF後面
60 :IF左面
62 :IF底面
64 :吸気管
64a :第1空気路
64b :第2空気路
64c :端部
66 :取付ユニット
66a :第1前側レール
66b :第1後側レール
66c :内側排気孔
66d :外側排気孔
66e :被係合部
68 :機器側端子
70 :後側吸気開口部
72 :スポンジ
80 :制御ユニット
82 :モータユニット
84 :オイルタンク
86 :内側ハウジング
86a :左壁部
88 :モータ収容部
88a :前側排気開口部
90 :モータカバー
90a :防水部材
92 :モータ
94 :カバー本体部
94a :本体側円板部
94b :第1円筒部
94c :第2円筒部
94d :フィン
94e :本体側開口部
96 :蓋部
96a :蓋側円板部
96b :蓋側円開口部
100 :ステータ
102 :ロータ
104 :出力シャフト
105 :ウォームギア
106 :スプロケット
107 :ブレーキドラム
108 :ブッシュ
110 :ファン
110a :通風路
110b :ファン排気開口部
112 :ファン円板部
112a :中央開口部
112b :リブ部
114 :羽根部
116 :カバー部
116a :カバー側吸気開口部
120 :内側吸気開口部
122 :防水部
122a :縮径部
122b :ベルマウス部
124 :防水溝部
130 :ダクト
132 :ファン側端部
132a :ファン側開口部
134 :取付ユニット側端部
134a :取付ユニット側開口
136 :流路部
200 :バッテリパック
202 :バッテリハウジング
202a :第1バッテリ通気孔
202b :第2バッテリ通気孔
204 :フック
204a :係合部
204b :フック操作部
206 :第2前側レール
208 :第2後側レール
302 :チェーンソー
324 :左側ハウジング
332a :外側吸気開口部
332b :左側吸気開口部
334 :右方延伸部
402 :チェーンソー
420 :内側吸気開口部
422 :防水部
422a :縮径部
422b :ベルマウス部
424 :防水溝部
486 :内側ハウジング
486a :左壁部
A :軸方向
BS :バッテリ収容空間
C :電池セル
S :載置面