(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132132
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】機器情報処理システム、機器情報処理装置、サーバ装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20230914BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037290
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】390040187
【氏名又は名称】株式会社バッファロー
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【弁理士】
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 晃大
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】情報処理機器を含む各種機器の設置や設定を容易にすることのできる機器情報処理システム、機器情報処理装置、サーバ装置、及びプログラムを提供する。
【解決手段】所定の条件を満足する機器識別情報を取得し、当該機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出して、当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得して、当該取得した種別識別符号を、対応する機器の設定内容を決定する処理に供する機器情報処理装置10である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、機器情報処理装置とを含む機器情報処理システムであって、
前記サーバ装置は、
機器に固有な個体識別符号と、機器種類に固有な種別識別符号を特定する種別特定情報とを含む機器識別情報を取得する取得手段を有し、
前記機器情報処理装置は、
所定の条件を満足する前記機器識別情報を取得し、当該機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出して、当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得する種別取得手段を有し、
当該取得した種別識別符号が、対応する機器の設定内容を決定する処理に供される機器情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の機器情報処理システムであって、
前記サーバ装置は、
複数の前記機器が一括導入される場合に一括導入の対象ごとに発行される一括識別符号と、前記取得した機器識別情報とを関連付けて保持する保持手段をさらに有し、
前記機器情報処理装置は
前記一括識別符号を受け入れる受入手段をさらに有し、
前記種別取得手段は、前記受入手段で受け入れられた一括識別符号から関連付けられていることを前記所定の条件として機器識別情報を取得し、当該取得した機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出して、当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得する機器情報処理システム。
【請求項3】
一括導入の対象ごとに発行される一括識別符号に関連付けて、一括導入される複数の機器のそれぞれに固有な個体識別符号、及び、機器種類に固有な種別識別符号を特定する種別特定情報を含む機器識別情報を保持する保持手段にアクセス可能に接続され、
一括識別符号を受け入れる受入手段と、
前記受け入れた一括識別符号に関連付けられた機器識別情報を取得し、当該取得した機器識別情報の少なくとも一部の機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出して、当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得する種別取得手段と、を有し、
当該取得した種別識別符号が、対応する機器の設定内容を決定する処理に供される機器情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の機器情報処理装置であって、さらに、
前記受け入れた一括識別符号に関連付けられた機器識別情報のうち、少なくとも一部の選択を受け入れる選択受入手段と、
種別識別符号に対して、当該種別識別符号で識別される種別の機器の機能に係る機能情報を保持する機能データベースにアクセスし、前記取得した種別識別符号に対応する機器の機能に係る機能情報を取得する機能情報取得手段と、
当該取得した機能情報のうち、前記選択された機器識別情報に含まれる種別識別符号に対応する機能情報に基づいて、前記選択された機器識別情報に対応する機器に関する設定項目を案内する設定画面を提示する設定画面提示手段と、
を含む機器情報処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の機器情報処理装置であって、
前記設定画面提示手段は、前記取得した種別識別符号に対応する機器ごとに取得した機能情報を参照し、前記抽出した種別識別符号に対応する機器の少なくとも一つに係る機能情報に関連する設定項目を案内する設定画面を提示する機器情報処理装置。
【請求項6】
請求項4に記載の機器情報処理装置であって、
前記設定画面提示手段は、前記取得した種別識別符号に対応する機器ごとに取得した機能情報を参照し、前記抽出した種別識別符号に対応する機器に共通して含まれる機能情報に関連する設定項目を案内する設定画面を提示する機器情報処理装置。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか一項に記載の機器情報処理装置であって、
前記設定画面提示手段は、案内する設定項目に関連する設定値が予め定められているときには、前記設定画面において当該設定値を併せて提示する機器情報処理装置。
【請求項8】
請求項3から7のいずれか一項に記載の機器情報処理装置であって、
種別識別符号に対して、当該種別識別符号で識別される種別の機器の機能に係る機能情報を保持する機能データベースにアクセスし、前記取得した種別識別符号に対応する機器の機能に係る機能情報を取得する機能情報取得手段と、
前記受け入れた一括識別符号に関連付けられた機器識別情報に含まれる種別識別符号に対応する機器の機能情報を取得して、当該取得した機能情報に関連する設定項目に対する設定値の入力を受け入れる手段と、
当該受け入れた設定項目ごとの設定値を、前記受け入れた一括識別符号に関連付けて記録する手段と、
を含む機器情報処理装置。
【請求項9】
機器に固有な個体識別符号と、機器種類に固有な種別識別符号を特定する種別特定情報とを含む機器識別情報から抽出された前記種別特定情報を受け入れる手段と、
前記受け入れた種別特定情報を用いて、機器種別情報と、機器の機能を表す機能情報との少なくとも一方の情報を提供する手段と、
を含むサーバ装置。
【請求項10】
一括導入の対象ごとに発行される一括識別符号に関連付けて、一括導入される複数の機器のそれぞれに固有な個体識別符号、及び、機器種類に固有な種別識別符号を特定する種別特定情報を含む機器識別情報を保持する保持手段にアクセス可能に接続されるコンピュータを、
一括識別符号を受け入れる受入手段と、
前記受け入れた一括識別符号に関連付けられた機器識別情報を取得し、当該取得した機器識別情報の少なくとも一部の機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出して、当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得する種別取得手段と、
として機能させ、
当該取得した種別識別符号が、対応する機器の設定内容を決定する処理に供されるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器情報処理システム、機器情報処理装置、サーバ装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、情報処理機器が広く利用され、作業の効率化が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら情報処理機器は、その納入時に、設置や設定などの手間がかかっているのが実情である。また一括して複数の情報処理機器を納入するケースもあり、このような場合は設置等の手間がさらに増大している。
【0005】
なお、特許文献1には、ネットワークに接続された機器から機器種別の情報を取得する例が開示されている。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、情報処理機器を含む各種機器の設置や設定を容易にすることのできる機器情報処理システム、機器情報処理装置、サーバ装置、及びプログラムを提供することを、その目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来例の問題点を解決する本発明の一態様は、サーバ装置と、機器情報処理装置とを含む機器情報処理システムであって、前記サーバ装置は、機器に固有な個体識別符号と、機器種類に固有な種別識別符号を特定する種別特定情報とを含む機器識別情報を取得する取得手段を有し、前記機器情報処理装置は、所定の条件を満足する前記機器識別情報を取得し、当該機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出して、当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得する種別取得手段を有し、当該取得した種別識別符号が、対応する機器の設定内容を決定する処理に供されることとしたものである。
【0008】
この態様によると、機器の機器識別情報を利用して種別識別符号を取得可能としており、さらに種別識別符号により設定内容を決定するので、各種機器の設置や設定を容易にすることが可能となる。
【0009】
またここで、前記サーバ装置は、複数の前記機器が一括導入される場合に一括導入の対象ごとに発行される一括識別符号と、前記取得した機器識別情報とを関連付けて保持する保持手段をさらに有し、前記機器情報処理装置は、前記一括識別符号を受け入れる受入手段をさらに有し、前記種別取得手段は、前記受入手段で受け入れられた一括識別符号から関連付けられていることを前記所定の条件として機器識別情報を取得し、当該取得した機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出して、当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得することとしてもよい。
【0010】
このように一括導入される際の一括識別符号を用いて種別識別符号等を取得可能としたので、各種機器の設置や設定を容易にすることが可能となる。
【0011】
また本発明の別の態様は、一括導入の対象ごとに発行される一括識別符号に関連付けて、一括導入される複数の機器のそれぞれに固有な個体識別符号、及び、機器種類に固有な種別識別符号を特定する種別特定情報を含む機器識別情報を保持する保持手段にアクセス可能に接続される機器情報処理装置であって、一括識別符号を受け入れる受入手段と、前記受け入れた一括識別符号に関連付けられた機器識別情報を取得し、当該取得した機器識別情報の少なくとも一部の機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出して、当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得する種別取得手段と、を有し、当該取得した種別識別符号が、対応する機器の設定内容を決定する処理に供されることとしたものである。
【0012】
この態様によると、機器が一括導入される際の一括識別符号を用いて種別識別符号等を取得可能としたので、各種機器の設置や設定を容易にすることが可能となる。
【0013】
ここで、前記受け入れた一括識別符号に関連付けられた機器識別情報のうち、少なくとも一部の選択を受け入れる選択受入手段と、種別識別符号に対して、当該種別識別符号で識別される種別の機器の機能に係る機能情報を保持する機能データベースにアクセスし、前記取得した種別識別符号に対応する機器の機能に係る機能情報を取得する機能情報取得手段と、当該取得した機能情報のうち、前記選択された機器識別情報に含まれる種別識別符号に対応する機能情報に基づいて、前記選択された機器識別情報に対応する機器に関する設定項目を案内する設定画面を提示する設定画面提示手段と、をさらに含むこととしてもよい。
【0014】
このように設定項目が案内されることで、各種機器の設置や設定を容易にすることが可能となる。
【0015】
またここで前記設定画面提示手段は、前記取得した種別識別符号に対応する機器ごとに取得した機能情報を参照し、前記抽出した種別識別符号に対応する機器の少なくとも一つに係る機能情報に関連する設定項目を案内する設定画面を提示することとしてもよい。
【0016】
また別の例では、前記設定画面提示手段は、前記取得した種別識別符号に対応する機器ごとに取得した機能情報を参照し、前記抽出した種別識別符号に対応する機器に共通して含まれる機能情報に関連する設定項目を案内する設定画面を提示することとしてもよい。
【0017】
さらに、前記設定画面提示手段は、案内する設定項目に関連する設定値が予め定められているときには、前記設定画面において当該設定値を併せて提示することとしてもよい。
【0018】
また機器情報処理装置は、種別識別符号に対して、当該種別識別符号で識別される種別の機器の機能に係る機能情報を保持する機能データベースにアクセスし、前記取得した種別識別符号に対応する機器の機能に係る機能情報を取得する機能情報取得手段と、前記受け入れた一括識別符号に関連付けられた機器識別情報に含まれる種別識別符号に対応する機器の機能情報を取得して、当該取得した機能情報に関連する設定項目に対する設定値の入力を受け入れる手段と、当該受け入れた設定項目ごとの設定値を、前記受け入れた一括識別符号に関連付けて記録する手段と、を含んでもよい。
【0019】
これらの例によると、各種機器の設置や設定が容易になる。
【0020】
また本発明のもう一つの態様に係るサーバ装置は、機器に固有な個体識別符号と、機器種類に固有な種別識別符号を特定する種別特定情報とを含む機器識別情報から抽出された前記種別特定情報を受け入れる手段と、前記受け入れた種別特定情報を用いて、機器種別情報と、機器の機能を表す機能情報との少なくとも一方の情報を提供する手段と、を含むこととしたものである。
【0021】
さらに本発明のもう一つの態様は、プログラムであって、一括導入の対象ごとに発行される一括識別符号に関連付けて、一括導入される複数の機器のそれぞれに固有な個体識別符号、及び、機器種類に固有な種別識別符号を特定する種別特定情報を含む機器識別情報を保持する保持手段にアクセス可能に接続されるコンピュータを、一括識別符号を受け入れる受入手段と、前記受け入れた一括識別符号に関連付けられた機器識別情報を取得し、当該取得した機器識別情報の少なくとも一部の機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出して、当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得する種別取得手段と、として機能させ、当該取得した種別識別符号が、対応する機器の設定内容を決定する処理に供されることとしたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、各種機器の設置や設定を容易に行わせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施の形態に係る機器情報処理システムの例を表す構成ブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る機器情報処理システムで利用されるデータベースの内容例を表す説明図である。
【
図3】本発明の実施の形態に係る機器情報処理装置の例を表す機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態に係る機器情報処理装置の動作例を表すフローチャート図である。
【
図5】本発明の実施の形態に係る機器情報処理装置が提示する画面の例を表す説明図である。
【
図6】本発明の実施の形態に係る機器情報処理システムで利用されるもう一つのデータベースの内容例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る機器情報処理システム1は、
図1に例示するように、互いにネットワーク等の通信手段を介して通信可能に接続された、サーバ装置10と、機器情報処理装置20と、データベースサーバ30とを含んで構成される。この例においてサーバ装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13とを含んで構成され、機器情報処理装置20は、制御部21と、記憶部22と、操作部23と、表示部24と、通信部25とを含んで構成される。また、データベースサーバ30は、サーバ装置10と一体に構成されていてもよい。
【0025】
サーバ装置10の制御部11は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部12に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態の一例では、この制御部11は、機器ごとに固有な個体識別符号と、機器種類に固有な種別識別符号を特定する種別特定情報とを含む機器識別情報を取得する処理を実行する。この制御部11の詳しい動作については後に詳しく述べる。
【0026】
ここで機器識別情報は、例えば機器ごとに固有に発行されるシリアルナンバー(S/N)であって、機器ごとに固有な個体識別符号と、機器種類に固有な種別識別符号がシリアルナンバー(S/N)の少なくとも一部に含まれる。このとき、シリアルナンバー(S/N)の個体識別符号や種別識別符号の位置及び桁数又は個体識別符号や種別識別符号を示す特定のコードを予め決めておくなどの方法で、制御部11や制御部21において種別識別符号の抽出を可能としておくことも好適である。なお本実施の形態の例では、種別識別符号は例えば下4桁、個体識別符号はシリアルナンバー(S/N)全体とするが、個体識別符号はシリアルナンバー(S/N)の一部のみであってもよい。この機器種別情報は、機器の型番などの情報と対応するものである。
【0027】
なお、機器に固有な機器識別情報に基づいて、当該機器の種別を表す種別識別符号を取得できるのであれば、種別識別符号はGTIN(Global Trade Item Number)とは関わりのない、独自の規格のものであってもよい。また、機器識別情報に種別特定情報が含まれている必要もなく、機器識別情報(この場合機器識別情報は、個体識別符号そのものであってもよい)と種別特定情報とを関連付けるデータベースを別途用意しておき、当該データベースを参照して、機器識別情報に対応した種別特定情報を得ることとしてもよい。
【0028】
記憶部12は、メモリデバイス等であり、制御部11によって実行されるプログラムを保持する。このプログラムは、コンピュータ可読かつ非一時的な記録媒体に格納されて提供され、あるいはネットワークを介して受信されてこの記憶部12に格納されることとしてよい。この記憶部12は制御部11のワークメモリとしても動作する。
【0029】
通信部13は、ネットワークインタフェース等であり、制御部11から入力される指示に従い、ネットワークを介して接続される機器情報処理装置20や、他の情報処理装置に対して情報を送出する。また、この通信部13は、ネットワークを介して接続される機器情報処理装置20や、他の情報処理装置が送出した情報を受信して、制御部11に出力する。
【0030】
機器情報処理装置20の制御部21は、CPU等のプログラム制御デバイスであり、記憶部22に格納されたプログラムに従って動作する。本実施の形態の一例では、この制御部21は、所定の条件を満足する機器識別情報を取得し、当該機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出して、当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得する種別取得手段として機能する。この制御部21の詳しい動作については後に詳しく述べる。
【0031】
記憶部22は、メモリデバイス等であり、制御部21によって実行されるプログラムを保持する。このプログラムは、コンピュータ可読かつ非一時的な記録媒体に格納されて提供され、あるいはネットワークを介して受信されてこの記憶部22に格納されることとしてよい。この記憶部22は制御部21のワークメモリとしても動作する。
【0032】
操作部23は、キーボードやマウス、あるいはタッチパネル等であり、ユーザによる操作を受けて、当該操作の内容を制御部21に対して出力する。表示部24は、ディスプレイ等であり、制御部21から入力される指示に従って情報を表示する。
【0033】
通信部25は、ネットワークインタフェース等であり、制御部21から入力される指示に従い、ネットワークを介して接続されるサーバ装置10や、他の情報処理装置に対して情報を送出する。また、この通信部25は、ネットワークを介して接続されるサーバ装置10や、他の情報処理装置が送出した情報を受信して、制御部21に出力する。
【0034】
データベースサーバ30は、機器型番データベース30aと、機器種別データベース30bと、機能情報データベース30cと、設定項目データベース30dとを少なくとも含む。
【0035】
ここで機器型番データベース30aは、
図2(a)に例示するように、機器識別情報(I)に含まれる種別識別符号(T)(または種別特定情報であってもよい)と、メーカーが機器の種類ごとに発行する機器型番(C)の情報とを関連付けて記録したものである。
【0036】
機器種別データベース30bは、
図2(b)に例示するように、機器型番(C)の情報と、機器の種別を表す機器種別情報(P)とを関連付けて記録したものである。
【0037】
機能情報データベース30cは、
図2(c)に例示するように、機器型番(C)及び機器種別情報(P)に対して、機器の機能を表す機能情報(F)を関連付けて記録したものである。ここで機能情報は、ある機器型番(C)及び機器種別情報(P)で特定される機器が備える機能の一覧を表すものであり、例えばここで特定される機器が無線LANルータであれば、SSID(Service Set Identifier)の登録機能や、認証機能などが挙げられる。
【0038】
設定項目データベース30dは、
図2(d)に例示するように、機能情報(F)に関連付けて、機能情報に対応する設定項目を表す設定項目名のリスト(L)を保持するものである。上述の例のように、機器が無線LANルータであれば、SSID登録機能に対応する「SSID」、また、認証機能に対応する「認証方法」や「パスコード」などが設定項目名の例として挙げられる。
【0039】
本実施の形態のここでの例では、サーバ装置10は、機器を出荷するメーカーや販売店等に配され、機器の出荷の際に、機器の出荷先であるユーザを識別するユーザ識別情報と、当該ユーザに対して出荷した機器を識別する機器識別情報とを関連付けて、例えば記憶部12に保持している。
【0040】
次に、サーバ装置10の制御部11の動作について説明する。本実施の形態の一例では、サーバ装置10の制御部11は、機器情報処理装置20からのアクセスを受けて、当該機器情報処理装置20のユーザを認証して、ユーザのユーザ識別情報を取得する。この認証は、ユーザ名とパスワードとを用いるなどの広く知られた方法を採用できる。制御部11は、認証したユーザの機器情報処理装置20から機器識別情報の問い合わせを受け入れると、当該ユーザを識別するユーザ識別情報に関連付けて保持している機器識別情報を取得する。既に述べたように、ここでの機器識別情報には、出荷した機器に固有な個体識別符号と、当該出荷した機器に係る機器の種類に固有な種別識別符号を特定する種別特定情報とを含むものとする。そして制御部11は、当該取得した機器識別情報を、問い合わせ元となった機器情報処理装置20へ送信する。
【0041】
機器情報処理装置20の制御部21は、
図3に例示するように、受入部211と、種別取得部212と、機能情報取得部213と、選択受入部214と、設定画面提示部215とを機能的に含んで構成される。
【0042】
受入部211は、ユーザから設定開始の指示を受け入れて、種別取得部212に対して機器種別情報の取得を指示する。種別取得部212は、所定の条件として、機器情報処理装置20のユーザのユーザ識別情報に関連付けられている機器識別情報を、サーバ装置10に対して要求する。そして種別取得部212は、当該要求に応答してサーバ装置10が送出する機器識別情報を取得する。
【0043】
機能情報取得部213は、種別取得部212が取得した機器識別情報のそれぞれについて、機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出し、さらに当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得する。
【0044】
具体的に、種別特定情報がGTINである場合には、この機能情報取得部213は、種別識別符号として、機器の種別を表すアイテムコードを、GTINから抽出して取得することとする。
【0045】
さらに機能情報取得部213は、ここで取得した種別識別符号を、対応する機器の設定内容を決定する処理に供する。具体的に機能情報取得部213は、種別識別符号であるアイテムコードに対応する機器の機能に関する情報を取得する。
【0046】
例えばこの機能情報取得部213は、データベースサーバ30の機器型番データベース30aにアクセスして、抽出した種別識別符号に関連付けられた機器型番を取得する。機能情報取得部213は、さらに当該取得した機器型番に対応する機器種別情報を、データベースサーバ30の機器種別データベース30bにアクセスして取得し、上記機器型番及び機器種別情報に関連付けられた機能情報をデータベースサーバ30の機能情報データベース30cから取得する。
【0047】
さらに機能情報取得部213は、データベースサーバ30の設定項目データベース30dにアクセスして、取得した機能情報に対応する設定項目名のリストを取得する。
【0048】
このようにして機能情報取得部213は、種別取得部212が取得した機器識別情報のそれぞれについての機器型番、機器種別情報、機能情報並びに、当該機能情報に対応する設定項目名のリストを取得する。
【0049】
選択受入部214は、種別取得部212がサーバ装置10から取得した機器識別情報と、対応する機器型番、機器種別情報等の一覧をユーザに提示し、当該提示した一覧から設定の対象となる機器に対応する機器識別情報等をユーザに選択させる。なお、サーバ装置10から受け入れた機器識別情報が一つだけである場合や、所定の規則に従ってユーザの人為的操作なしに機器識別情報を選択する場合、この選択受入部214は、必ずしも必要でない。
【0050】
設定画面提示部215は、ユーザが選択した(あるいはユーザの操作によらずに選択された)機器識別情報等に対応する設定項目名のリストに含まれる設定項目名を、ユーザに提示して設定を案内する。ユーザはここで提示された各設定項目の設定を、出荷された機器に対して行うこととなる。
【0051】
[一括識別符号を用いる例]
また本実施の形態の機器情報処理システム1は、メーカー等の組織から多数の機器を一括して納入するようなケースにも対応する。この例では、機器を出荷するメーカーなどの組織では、一括納入を行うごとに、当該一括納入の作業を識別する一括識別符号の例としての一括登録番号を発行する。そしてこの組織は、一括登録番号に関連付けて、当該一括納入の作業で一括して納入する機器の機器識別情報のリストを、サーバ装置10の記憶部12に、一括登録番号データベースとして記録する。
【0052】
またこの組織では、データベースサーバ30の機器型番データベース30aと、機器種別データベース30bと、機能情報データベース30cと、設定項目データベース30dとに、それぞれ納入する機器に関する種別識別符号や、機器型番、機器種別情報、機能情報等の情報を登録しておくものとする。
【0053】
この例では、サーバ装置10の制御部11は、機器情報処理装置20からのアクセスを受けて、当該機器情報処理装置20のユーザを認証する。そして制御部11は、認証したユーザの機器情報処理装置20から一括登録番号とともに機器識別情報の問い合わせを受け入れると、当該一括登録番号に関連付けて一括登録番号データベースに保持している機器識別情報を取得する。そして制御部11は、当該取得した機器識別情報を、問い合わせ元となった機器情報処理装置20へ送信する。
【0054】
一方、機器情報処理装置20のユーザは、一括登録番号を、一括納入した組織から受領しておく。そして機器情報処理装置20の制御部21によって実現される受入部211は、ユーザから当該一括登録番号とともに設定開始の指示を受け入れて、種別取得部212に対して機器種別情報の取得を指示する。
【0055】
種別取得部212は、所定の条件として、受入部211が受け入れた一括登録番号に関連付けられている機器識別情報を、サーバ装置10に対して要求する。そして種別取得部212は、当該要求に応答してサーバ装置10が送出する機器識別情報を取得する。
【0056】
なお、この例においても、選択受入部214と、機能情報取得部213と、設定画面提示部215との処理は既に述べた例と同様であるので、ここでの繰り返しての説明を省略する。
【0057】
[共通した設定]
なお、設定画面提示部215は、機能情報取得部213が取得した機能情報のうち、設定の対象としてユーザが選択した(あるいはユーザの操作によらずに選択された)機器識別情報(以下、設定対象機器識別情報と呼ぶ)に含まれる種別識別符号に対応する機能情報に基づいて、上記設定対象機器識別情報で識別される機器に関する設定項目を案内してもよい。
【0058】
例えば、設定対象機器識別情報のそれぞれに含まれる種別識別符号が複数種類ある場合(例えば種別識別符号a,種別識別符号b…といったように複数の互いに異なる種別識別符号を含む機器識別情報が設定対象として選択された場合)に、設定対象機器識別情報に含まれる、ある種別識別符号aに対応して取得された機能情報に対応する設定項目が、設定項目名p,qであり、別の種別識別符号bに対応して取得された機能情報に対応する設定項目が、設定項目名p,rであるとする。
【0059】
この場合、設定画面提示部215は、設定対象機器識別情報に含まれる種別識別符号に対応する機器の少なくとも一つに係る機能情報に関連する設定項目を案内することとしてもよい。このときには、設定画面提示部215は、設定対象機器識別情報に含まれる種別識別符号に対応して取得された機能情報に対応する設定項目名のリストの論理和を求め、当該論理和に係る設定項目名に関する設定を行うよう案内する。具体的に上述の例であれば、設定画面提示部215は、上記の設定項目名p,q,rに関する設定を行うための設定案内画面を表示する。
【0060】
また、別の例では、設定画面提示部215は、設定対象機器識別情報に含まれる種別識別符号に対応する機器に共通して対応する機能情報に関連する設定項目を案内することとしてもよい。このときには、設定画面提示部215は、設定対象機器識別情報に含まれる種別識別符号に対応して取得された機能情報に対応する設定項目名のリストの論理積を求め、当該論理積に係る設定項目名に関する設定を行うよう案内する。具体的に上述の例であれば、設定画面提示部215は、上記の設定項目名pに関する設定を行うための設定案内画面を表示する。
【0061】
いずれの例においても、機器情報処理装置10は、設定案内画面においてユーザ等が設定を行ったときには、設定対象機器識別情報に含まれる機器識別情報を順次選択しつつ、選択した機器識別情報によって識別される機器(そのMACアドレスを用いて通信が行われる)に対し、当該機器識別情報に含まれる種別識別符号に係る機能情報に対応する設定項目の各々について、当該設定項目の設定項目名に対応して設定案内画面で入力された設定値があれば、当該設定値を設定するよう指示する。この例では、複数の機器に対して共通した設定を行う際の負担が軽減される。
【0062】
[動作]
次に、本実施の形態の機器情報処理システム1の動作の例について説明する。本実施の形態の以下の例では、ユーザがメーカー等の組織から多数のネットワーク機器(無線LANルータや、ネットワークスイッチ等)の納入を一括して受ける場合を例として説明する。
【0063】
これらの機器を出荷するメーカーは、ユーザに対するネットワーク機器の一括納入時に、当該一括納入の作業を識別する一括登録番号を発行する。そしてメーカーは、一括登録番号に関連付けて、当該一括納入するネットワーク機器の機器識別情報のリストを、サーバ装置10の記憶部12に、一括登録番号データベースとして記録する。ここでは機器識別情報は、機器のシリアルナンバーと種別特定情報としての機器のGTINとを含むものとする。さらに、このようにネットワーク機器の例では、機器ごとに、機器識別情報に関連付けて当該機器に固有なMAC(Media Access Control)アドレスが関連付けられて一括登録番号データベースに記録されてもよい。
【0064】
またこのメーカーでは、データベースサーバ30の機器型番データベース30aと、機器種別データベース30bと、機能情報データベース30cと、設定項目データベース30dとに、それぞれ、各ネットワーク機器に関する種別識別符号や、機器型番、機器種別情報、機能情報等の情報を予め登録しておく。
【0065】
ネットワーク機器の納入を受けたユーザは、一括登録番号を、一括納入した組織から受領しておく。またユーザは、これらネットワーク機器の設置(ネットワークへの接続、及び電源の投入)作業の後、設置されたネットワーク機器の設定を行うため、機器情報処理装置20を操作して、一括登録番号とともに設定開始の指示を行う。なお、設置作業は業者(設置業者)が行ってもよいし、ユーザが自ら行ってもよい。
【0066】
この指示を受けた機器情報処理装置20は、
図4に例示するように、ユーザから受け入れた一括登録番号に関連付けられている機器識別情報(及びここでの例では対応するMACアドレス)を、サーバ装置10に対して要求する(S11)。
【0067】
すると、サーバ装置10が、機器情報処理装置20のユーザを認証するとともに、認証したユーザの機器情報処理装置20から一括登録番号とともに受け入れた問い合わせに応答する。すなわちサーバ装置10は、受け入れた一括登録番号に関連付けて一括登録番号データベースに保持している機器識別情報及びMACアドレスを取得し(S12)、当該取得した機器識別情報及びMACアドレスを、問い合わせ元となった機器情報処理装置20へ送信する(S13)。
【0068】
ここでは機器識別情報とMACアドレスとは、一括納入された複数の機器に対応して複数取得される。
【0069】
機器情報処理装置20は、サーバ装置10が送出する、複数の機器にそれぞれ対応する機器識別情報等を取得すると、当該取得した機器識別情報(及びMACアドレス)の一覧を順次選択しつつ(S14)、以下の処理を繰り返して実行する。
【0070】
機器情報処理装置20は、ステップS14で選択した機器識別情報に含まれる種別特定情報を抽出し、さらに当該抽出した種別特定情報で特定される種別識別符号を取得する(S15)。ここでは抽出される種別特定情報がGTINであるものとしているので、機器情報処理装置20は、種別識別符号として、機器の種別を表すアイテムコードを、種別特定情報であるGTINから抽出して取得する。
【0071】
以下、機器情報処理装置20は、データベースサーバ30の機器型番データベース30aにアクセスして、抽出した種別識別符号に関連付けられた機器型番を取得し(S16)、さらに当該取得した機器型番に対応する機器種別情報を、データベースサーバ30の機器種別データベース30bにアクセスして取得し(S17)、上記機器型番及び機器種別情報に関連付けられた機能情報をデータベースサーバ30の機能情報データベース30cから取得する(S18)。
【0072】
そして機器情報処理装置20は、データベースサーバ30の設定項目データベース30dにアクセスして、ステップS18で取得した機能情報に対応する設定項目名のリストを取得する(S19)。
【0073】
機器情報処理装置20は、これらのステップS14からS19までの処理を、ステップS14において未選択の機器識別情報がなくなるまで(つまりすべての機器識別情報を選択するまで)繰り返す。
【0074】
次に、機器情報処理装置20は、ステップS13で取得した機器識別情報の一覧を、各機器識別情報に関連してステップS15乃至S19で取得した情報の少なくとも一部とともに提示し(S20)、設定の対象となる機器をユーザに選択させる。
【0075】
そして機器情報処理装置20は、ユーザが設定の対象として選択した機器識別情報のそれぞれに基づいてステップS15からS19の処理で取得した設定項目名のリストの論理和を求め、当該論理和に係る設定項目名に関する設定を行うよう案内する設定案内画面を提示する。
【0076】
一例として、ここでユーザが、一括納入された機器のうち、無線LANルータの機器識別情報と、ネットワークスイッチの機器識別情報とを選択した場合について説明する。ここで無線LANルータについては、対応する設定項目名のリストに「SSID」、「認証機能」、「IPアドレス」が含まれ、ネットワークスイッチについては、対応する設定項目名のリストに「IPアドレス」、「デフォルトゲートウェイ」が含まるものとすると、機器情報処理装置20は、これらの設定項目名の論理和として、「SSID」、「認証機能」、「IPアドレス」、「デフォルトゲートウェイ」の設定項目名をユーザに提示し(
図5)、これらの設定項目名に対応する設定の入力を受け入れる(S21)。
図5は、ステップS21でユーザに提示される、設定案内画面の一例を表す説明図である。
【0077】
ここでユーザが設定値の入力を行うと、機器情報処理装置20は、ステップS20でユーザが選択した機器識別情報を順次選択しつつ、選択した機器識別情報に関連付けられているMACアドレスを参照し、当該MACアドレスで識別されるネットワーク上の機器に対して、ステップS21で受け入れた設定を送出し、対応する機器に対して設定を行う(S22)。
【0078】
このとき、選択した機器識別情報に関連して取得した設定項目名のリストに、入力された設定値に対応する設定項目名が含まれない場合は、当該選択した機器識別情報により識別される機器に対しては、当該設定値を送出する必要はない。
【0079】
また、ユーザは、この処理の後、さらに他の機器の設定を行う場合は、ステップS20から作業を繰り返す(A)。
【0080】
本実施の形態によると、ユーザは、一括納入された機器について、その機種を調べることなく、一覧された機器識別情報に基づいて提示される設定項目名のリストに従って設定を行えばよく、各種機器の設置や設定を、ユーザに、容易に行わせることが可能となる。
【0081】
[一覧画面の別の例]
上記の例において、機器情報処理装置20は、
図4のステップS20の処理で機器識別情報の一覧を提示する際に、さらに、対応する機器の設定状態や、動作の状態を表す情報等を提示してもよい。この例では、機器情報処理装置20は、例えば、一覧の対象となる機器識別情報に関連付けられたMACアドレスを参照し、当該MACアドレスで識別されるネットワーク上の機器との間で通信を行ってその設定状態や動作状態などの情報を収集する。
【0082】
なおこの場合、機器側がMACアドレスを用いて受信される設定状態や動作状態等の問い合わせに応答して、設定に誤りがある(例えばIPアドレスが未設定であるか誤りがあり、他の機器と通信ができないなど)か否かや、動作状態として、他の機器との通信が行われている状態にあるか否かなどの情報を提供するものとする。
【0083】
またこの例では、サーバ装置10が、機器種別情報ごとに、機器の設置を行う業者、またはユーザにより入力される情報の登録を受け入れて一括登録番号データベースの対応する機器種別情報に対し登録可能となっていてもよい。ここで入力され、登録される情報の例としては、機器が属するネットワーク上のグループを識別する情報(グループ名)や、メモ等がある。
【0084】
機器情報処理装置20は、
図4のステップS20の処理で機器識別情報の一覧を提示する際に、サーバ装置10にアクセスして、入力された一括登録番号に対応する機器識別情報に対して登録されているグループ名やメモ等の情報を取得し、一覧に含めて提示する。
【0085】
さらにこの一覧を提示するときには、機器情報処理装置20は、設定の対象となる機器を、機器型番及び機器種別情報等の少なくとも一部を条件として検索可能としてもよい。この例では、機器情報処理装置20は、一覧を提示したときに、ユーザ等から検索条件の入力を受け入れると、当該検索条件に合致する情報を、提示している機器識別情報と、それらに関連してデータベースサーバ30から取得した種別特定情報、種別識別符号、機器型番、機器種別情報などのうちから検索する。
【0086】
機器情報処理装置20は、ここで検索により見出した情報に関連する機器識別情報を設定の対象として選択する。
【0087】
[設定案内画面における設定値の案内例]
また、設定の作業をさらに簡易に行わせるために、データベースサーバ30は、一括登録番号に関連付けて、当該一括登録番号に関連付けられた機器識別情報で識別される各機器に係る設定項目の設定値の候補を保持するプロファイルデータベース30eをさらに備えてもよい(
図6)。このプロファイルデータベース30eには、一括登録番号(N)に関連付けて、一括登録番号データベースにおいて当該一括登録番号に関連付けられている機器識別情報で識別される機器に係る設定項目名と、それに対応する設定値の候補(V)とが登録されて、格納される。なお、同一の設定項目に係るプロファイルデータベース30eに登録される設定項目名と設定項目データベース30dにおいて登録される設定項目名とは、互いに一致させておく。
【0088】
このプロファイルデータベース30eにおける設定値の候補(一つの設定項目あたり複数の候補があってよい)は、例えば設置業者により入力されるものとする。
【0089】
本実施の形態の一例では、機器情報処理装置20が、この設定値の候補の入力を受け入れて、プロファイルデータベース30eに登録する処理を行ってもよい。この例に係る機器情報処理装置20は、設定値の候補の入力を行う設置業者等(候補入力者)から、設定値の候補の入力の対象となる機器に関する一括登録番号の入力を受け入れる。
【0090】
機器情報処理装置20は、
図4に例示した処理のステップS11乃至S19の処理を実行して、一括登録番号に関連した機器識別情報を取得し、取得した機器識別情報から種別識別符号を取得し、当該種別識別符号に基づいてデータベースサーバ30にアクセスして、納入された機器に関する機能情報を取得する。そして機器情報処理装置20は、ここで取得した機能情報に係る設定項目名のリストをさらに取得する。
【0091】
機器情報処理装置20は、納入された機器に設定され得る設定項目名のリストを候補入力者に提示し、当該リストに含まれる設定項目名ごとに、設定値の候補(複数の設定値の候補が一つの設定項目名に対して入力されてもよい)を受け入れる。
【0092】
機器情報処理装置20は、候補入力者が設定値の候補の入力を完了した旨の操作を行うと、候補入力者が入力した一括登録番号に関連付けて、設定項目名と設定値の候補とをプロファイルデータベース30eに登録して記録する。
【0093】
このようなプロファイルデータベース30eを利用する機器情報処理装置20は、ユーザ等から設定開始の指示を受けて、
図4の処理を実行したとき、そのステップS21の処理において設定案内画面を提示する際に、データベースサーバ30のプロファイルデータベース30eにアクセスし、入力された一括登録番号に関連付けて登録された設定項目名と設定値の候補との組を取得し、各設定値の候補を、対応する設定項目名に関連付けて提示する。
【0094】
例えば、設置業者が一括納入された機器に含まれる複数の無線LANルータを、ユーザの組織に設置する場合、設置業者は各フロアに設置予定の無線LANルータに対して設定され得るSSID値の候補を、一括登録番号と設定項目名「SSID」とに関連付けて登録しておく。そして設置業者は、複数の無線LANルータをそれぞれユーザの組織の建物の各フロアに設置するとともに、設置時に無線LANルータのシリアルナンバーとその設置場所とを関連付けた記録を控えておく。
【0095】
その後、ユーザや設置業者は、機器情報処理装置20を操作して、
図4に例示した処理を実行させる。この処理において、機器情報処理装置20は、設定案内画面の表示の際に、入力された一括登録番号に関連付けられている設定項目名とその設定値の候補とを、プロファイルデータベース30eから取得して、設定案内画面に含めて提示する。
【0096】
この例では、機器情報処理装置20を操作するユーザや設置業者(操作者)は、設置業者が設置時に記録した無線LANルータのシリアルナンバーとその設置場所とを関連付けた情報を参照し、
図4のステップS20で提示された一覧から、当該シリアルナンバーを含む機器識別情報を選択する。
【0097】
機器情報処理装置20は、ステップS21の処理にて、選択された機器識別情報に対応する設定項目名の一覧を表示するとともに、対応する設定項目名に係る設定値の候補がプロファイルデータベース30eから取得されていれば、当該設定値の候補を、対応する設定項目名に関連付けて表示する。
【0098】
このように機器情報処理装置20は、設定案内画面において案内する設定項目に関連する設定値が予め定められているときには、当該設定値を併せて提示するようにしたので、機器の設定を容易に行うことが可能となる。
【0099】
上記実施例では、一括登録番号に関連付けて登録可能としましたが、一括登録番号は機器の登録のみを実施し、設定値は個々の機器に直接紐づける形であっても良い。具体的には一括登録番号Aで登録した機器A-1~・・・(複数の型番を含む)と一括登録番号Bで登録した機器B-1~・・・(複数の型番を含む)が登録された場合に、複数の一括登録番号で各々登録されたA-1~・・・とB-1~・・・のリストから、登録時に紐づけた型番の情報を用いて、同じ型番や機能の機器をを抽出し、抽出した製品の設定をまとめて行っても良い。また前もって操作者が直接入力した機器識別情報と一括登録番号を組み合わせたリストから、まとめて抽出・設定を行っても良い。
【0100】
上記実施例では、個体識別符号と種別識別符号とが同一の機器識別情報に含まれる構成であったが、固有な個体識別符号は、例えば機器ごとに固有に発行されるシリアルナンバー(S/N)、機器の種別を特定する種別特定情報は、機器のメーカーなどが機器の種類ごとに固有に発行する、機器の種別を表す情報であり、例えばいわゆるGTIN(Global Trade Item Number)、すなわち日本国内においてはJANコードとも呼ばれる情報)として異なる複数の情報を含むQRコード(登録商標)等を識別情報として取得してもよい。
【符号の説明】
【0101】
1 機器情報処理システム、10 サーバ装置、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、20 機器情報処理装置、21 制御部、22 記憶部、23 操作部、24 表示部、25 通信部、30 データベースサーバ、211 受入部、212 種別取得部、213 機能情報取得部、214 選択受入部、215 設定画面提示部。