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特開2023-132138サウンドバー装置、オーディオシステム、およびサウンドバー装置の設定方法
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  • 特開-サウンドバー装置、オーディオシステム、およびサウンドバー装置の設定方法 図1
  • 特開-サウンドバー装置、オーディオシステム、およびサウンドバー装置の設定方法 図2
  • 特開-サウンドバー装置、オーディオシステム、およびサウンドバー装置の設定方法 図3
  • 特開-サウンドバー装置、オーディオシステム、およびサウンドバー装置の設定方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132138
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】サウンドバー装置、オーディオシステム、およびサウンドバー装置の設定方法
(51)【国際特許分類】
   H04S 7/00 20060101AFI20230914BHJP
   H04R 29/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
H04S7/00 310
H04R29/00 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037300
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】309039716
【氏名又は名称】株式会社ディーアンドエムホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 宏樹
【テーマコード(参考)】
5D162
【Fターム(参考)】
5D162AA04
5D162CA12
5D162DA02
5D162EG03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】他のスピーカと併用しても良好な音質を維持しつつ音圧を上げることができるサウンドバー装置及びその設定方法を提供する。
【解決手段】サウンドバー装置1は、複数チャンネルのスピーカが同じ筐体に収容されて構成され、テレビジョン装置3のレフトチャンネルスピーカ30-1及びライトチャンネルスピーカ30-2と併用される双方出力モードを有する。再生対象のオーディオ信号に対して、テレビジョン装置3のレフトチャンネルスピーカ30-1およびライトチャンネルスピーカ30-2の音響特性ではカバーできない周波数帯域を出力するための双方出力モード用音響プロファイル情報を記憶しており、自サウンドバー装置1が双方出力モードに設定されている場合に、自サウンドバー装置1の複数チャンネルのスピーカ10-1~10-4から出力するオーディオ信号を双方出力モード用音響プロファイル情報に従って補正する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数チャンネルのスピーカが同じ筐体に収容されて構成され、外部スピーカと併用される双方出力モードを有するサウンドバー装置であって、
再生対象のオーディオ信号に対して、前記外部スピーカの音響特性ではカバーできない周波数帯域を出力する双方出力モード用音響プロファイル情報を記憶する音響プロファイル情報記憶手段と、
自サウンドバー装置が前記双方出力モードに設定されている場合に、前記複数チャンネルのスピーカから出力するオーディオ信号を、前記音響プロファイル情報記憶手段に記憶されている前記双方出力モード用音響プロファイル情報に従って補正する補正手段と、を備える
ことを特徴とするサウンドバー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のサウンドバー装置であって、
マイクと、
自サウンドバー装置がテストモードに設定されている場合に、入力されたオーディオ信号の音響特性を解析するとともに、前記外部スピーカから出力された当該オーディオ信号を前記マイクで収音してその音響特性を解析し、当該オーディオ信号の音響特性および前記外部スピーカから出力された当該オーディオ信号の音響特性に基づいて、前記双方出力モード用音響プロファイル情報を生成する音響プロファイル生成手段をさらに備える
ことを特徴とするサウンドバー装置。
【請求項3】
請求項1に記載のサウンドバー装置であって、
マイクと、
自サウンドバー装置がテストモードに設定されている場合に、その音響特性が登録されているテスト用のオーディオ信号を前記外部スピーカに送信して前記外部スピーカから出力させるとともに、前記外部スピーカから出力された当該オーディオ信号を前記マイクで収音してその音響特性を解析し、当該オーディオ信号の音響特性および前記外部スピーカから出力された当該オーディオ信号の音響特性に基づいて、前記双方出力モード用音響プロファイル情報を生成する音響プロファイル生成手段をさらに備える
ことを特徴とするサウンドバー装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載のサウンドバー装置であって、
自サウンドバー装置が双方出力モードに設定されている場合に、前記外部スピーカの音量レベルを取得して、前記複数チャンネルのスピーカの音量レベルを、当該取得した音量レベルに合わせる制御手段をさらに備える
ことを特徴とするサウンドバー装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載のサウンドバー装置と、
前記サウンドバー装置と併用される外部スピーカと、を備える
ことを特徴とするオーディオシステム。
【請求項6】
複数チャンネルのスピーカが同じ筐体に収容されて構成され、外部スピーカと併用される双方出力モードを有するサウンドバー装置の設定方法あって、
自サウンドバー装置がテストモードに設定されている場合に、
自サウンドバー装置に入力されたオーディオ信号の音響特性を解析するとともに、前記外部スピーカから出力された当該オーディオ信号をマイクで収音してその音響特性を解析し、あるいは、その音響特性が登録されているテスト用のオーディオ信号を前記外部スピーカに送信して前記外部スピーカから出力させるとともに、前記外部スピーカから出力された当該オーディオ信号を前記マイクで収音してその音響特性を解析し、
前記自サウンドバー装置に入力されたオーディオ信号あるいは前記テスト用のオーディオ信号の音響特性と、前記マイクで収音されたオーディオ信号の音響特性とに基づいて、再生対象のオーディオ信号に対して、前記外部スピーカの音響特性ではカバーできない周波数帯域を出力する双方出力モード用音響プロファイル情報を生成し、
自サウンドバー装置が前記双方出力モードに設定されている場合に、
前記複数チャンネルのスピーカから出力するオーディオ信号を、前記双方出力モード用音響プロファイル情報に従って補正する
ことを特徴とするサウンドバー装置の設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウンドバー装置の設定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレビジョン装置と、サウンドバー装置と、を用いたホームシアターシステムが普及している。サウンドバー装置は、複数チャンネルのスピーカが同じ筐体に収容されて構成されたスピーカシステムであり、各チャンネルのスピーカを個別に設置する場合に比べて、設置スペース効率がよく、設置作業が容易である。このため、サウンドバー装置を用いることで、スペースに制約のある一般家庭でも簡単にサラウンドオーディオの再生環境を実現することができる(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-55450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)等、テレビジョン装置が薄型化しており、これに組み合わせて使用するサウンドバー装置も薄型化している。
【0005】
しかしながら、薄型のサウンドバー装置では、筐体の容積が小さいため音圧を上げることが困難である。ここで、テレビジョン装置の内蔵スピーカと併用することにより、サウンドバー装置の音圧を補強することが考えられるが、サウンドバー装置とテレビジョン装置の内蔵スピーカとでは、音響特性が異なるため、両者を併用すると音質を劣化させてしまう可能性がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、他のスピーカと併用しても良好な音質を維持しつつ音圧を上げることができるサウンドバー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明において、サウンドバー装置は、再生対象のオーディオ信号に対して、自サウンドバー装置と併用される外部スピーカの音響特性ではカバーできない周波数帯域を出力するように設定される。ここで、サウンドバー装置は、入力されたオーディオ信号の音響特性を解析するとともに、外部スピーカから出力されたこのオーディオ信号をマイクで収音してその音響特性を解析し、このオーディオ信号の周波数帯域から、外部スピーカの音響特性ではカバーできない周波数帯域を特定するようにしてもよい。
【0008】
例えば、本発明は、
複数チャンネルのスピーカが同じ筐体に収容されて構成され、外部スピーカと併用される双方出力モードを有するサウンドバー装置であって、
再生対象のオーディオ信号に対して、前記外部スピーカの音響特性ではカバーできない周波数帯域を出力する双方出力モード用音響プロファイル情報を記憶する音響プロファイル情報記憶手段と、
自サウンドバー装置が前記双方出力モードに設定されている場合に、前記複数チャンネルのスピーカから出力するオーディオ信号を、前記音響プロファイル情報記憶手段に記憶されている前記双方出力モード用音響プロファイル情報に従って補正する補正手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明において、サウンドバー装置は、外部スピーカと併用される場合、再生対象のオーディオ信号に対して、外部スピーカの音響特性ではカバーできない周波数帯域を出力するように設定されるので、一部の周波数帯域の出力が強調されて音質が劣化するのを防止することができる。したがって、本発明によれば、サウンドバー装置を他のスピーカと併用しても良好な音質を維持しつつ音圧を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係るホームシアターシステムの概略構成図である。
図2図2は、サウンドバー装置1の概略機能構成図である。
図3図3(A)は、再生対象のオーディオ信号の周波数特性例を示す図であり、図3(B)は、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30の周波数特性例を示す図であり、図3(C)は、双方出力モード用音響プロファイル情報の周波数特性例を示す図である。
図4図4は、サウンドバー装置1の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係るホームシアターシステムの概略構成図である。
【0013】
図示するように、本実施の形態に係るホームシアターシステムは、レフトチャンネルスピーカ(LchSPK)30-1およびライトチャンネルスピーカ(RchSPK)30-2(以下、単に内蔵スピーカ30とも呼ぶ)を内蔵したテレビジョン装置3と、HDMI(登録商標:High Definition Multimedia Interface)によってテレビジョン装置3に接続されたサウンドバー装置1と、サウンドバー装置1を遠隔操作するためのコントローラ2と、を備えて構成される。
【0014】
サウンドバー装置1およびコントローラ2は、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワーク5に接続されたアクセスポイント4を介して相互接続されている。
【0015】
ここで、サウンドバー装置1は、センターチャンネルスピーカ(CchSPK)10-3、レフトチャンネルスピーカ(LchSPK)10-1、およびライトチャンネルスピーカ(RchSPK)10-2に加えて、サブウーファチャンネルスピーカ(SWchSPK)10-4を内蔵したいわゆるワンボディ型のサウンドバー装置であり、これ1台でサラウンドオーディオの再生環境を実現することができる。しかしながら、サウンドバー装置1は、サブウーファチャンネルスピーカ10-4が省略されたいわゆる2ユニット型のサウンドバー装置であってもよい。この場合も、サウンドバー装置1にサブウーファチャンネルスピーカ10-4を外付けで接続することにより、サラウンドオーディオの再生環境を実現することができる。
【0016】
また、サウンドバー装置1は、動作モードとして、サウンドバー装置1単独でオーディオ出力する通常モードと、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30と併用される双方出力モードと、双方出力モードの際に使用する双方出力モード用音響プロファイル情報を生成するテストモードと、を有する。双方出力モードの場合、テストモードにより生成された双方出力モード用音響プロファイル情報に従い、再生対象のオーディオ信号に対して、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30の音響特性ではカバーできない周波数帯域を出力する。
【0017】
図2は、サウンドバー装置1の概略機能構成図である。
【0018】
図示するように、サウンドバー装置1は、テレビジョン装置インターフェース部10と、無線インターフェース部11と、スピーカ部12と、マイク13と、音響プロファイル情報記憶部14と、音響プロファイル情報生成部15と、補正部16と、主制御部17と、を備えている。
【0019】
テレビジョン装置インターフェース部10は、HDMI(登録商標)によってテレビジョン装置3に接続するためのインターフェース部である。
【0020】
無線インターフェース部11は、アクセスポイント4に無線接続するための通信インターフェースである。
【0021】
スピーカ部12は、レフトチャンネルスピーカ10-1、ライトチャンネルスピーカ10-2、センターチャンネルスピーカ10-3、およびサブウーファチャンネルスピーカ10-4を含んで構成される。
【0022】
マイク13は、テストモードにおいて、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30から出力されるオーディオ信号を収音するために用いられる。
【0023】
音響プロファイル情報記憶部14には、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30とサウンドバー装置1とが併用される双方出力モードの際に使用する双方出力モード用音響プロファイル情報が記憶される。上述したように、双方出力モード用音響プロファイル情報は、再生対象のオーディオ信号に対して、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30の音響特性ではカバーできない周波数帯域をスピーカ部12から出力するように設定される。
【0024】
音響プロファイル情報生成部15は、サウンドバー装置1がテストモードに設定されている場合に、テレビジョン装置インターフェース部10を介してテレビジョン装置3から入力されたオーディオ信号の音響特性を解析するとともに、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30から出力されたこのオーディオ信号の再生音をマイク13で収音してその音響特性を解析する。そして、このオーディオ信号の音響特性およびマイク13の収音信号の音響特性に基づいて双方出力モード用音響プロファイル情報を生成する。
【0025】
例えば、再生対象のオーディオ信号の周波数特性が、図3(A)に示すように、可聴域20Hz~20kHz全域に亘ってフラットな音圧レベル[dB]を有し、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30の周波数特性が、図3(B)に示すように、可聴域の中央帯域付近をピークとする逆U字型である場合、双方出力モード用音響プロファイル情報は、図3(C)に示すように、再生対象のオーディオ信号の周波数特性とテレビジョン装置3の内蔵スピーカ30の周波数特性との差分として生成される。したがって、双方出力モード用音響プロファイル情報とテレビジョン装置3の内蔵スピーカ30の周波数特性とを合成した場合に再生対象のオーディオ信号の周波数特性と同じパターンになるように、双方出力モード用音響プロファイル情報が示すプロファイルには、可聴域に、フラットな音圧レベル[dB]を有する2つのフラットトップ域(第1の山140、第2の山141)が現れる。第1の山140は、可聴域の低周波域においてフラットなピーク音圧レベル[dB]を有しており、可聴域の中央帯域に近づくにつれて減少する。第2の山141は、可聴域の高周波域においてフラットなピーク音圧レベルを有しており、可聴域の中央帯域に近づくにつれて減少する。
【0026】
補正部16は、サウンドバー装置1が双方出力モードに設定されている場合に、テレビジョン装置インターフェース部10を介してテレビジョン装置3から入力されたオーディオ信号を、音響プロファイル情報記憶部14に記憶されている双方出力モード用音響プロファイル情報に従って補正してスピーカ部12から出力する。
【0027】
そして、主制御部17は、サウンドバー装置1の各部10~16を統括的に制御する。
【0028】
なお、図2に示すサウンドバー装置1の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPUと、メモリと、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置と、HDMI(登録商標)アダプタと、無線LANアダプタと、複数のスピーカと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されるものでもよい。
【0029】
図4は、サウンドバー装置1の動作を説明するためのフロー図である。
【0030】
テレビジョン装置3のオーディオ出力先としてテレビジョン装置3の内蔵スピーカ30およびサウンドバー装置1がともに有効に設定されている状態において、コントローラ2は、テレビジョン装置3がユーザ所望の音楽番組等のコンテンツを受信再生中に、ユーザからテストモード操作を受け付けると、アクセスポイント4を介してサウンドバー装置1にテストモード切替指示を送信する。主制御部17は、無線インターフェース部11を介してコントローラ2からテストモード切替指示を受信すると(S100でYES)、テレビジョン装置インターフェース部10に入力されるオーディオ信号の出力先を音響プロファイル情報生成部15に設定して、スピーカ部12からのオーディオ出力を停止するとともに(S101)、音響プロファイル情報生成部15に音響プロファイル情報の生成を指示する。
【0031】
これを受けて、音響プロファイル情報生成部15は、テレビジョン装置インターフェース部10を介してテレビジョン装置3から入力されたオーディオ信号の音響特性を解析するとともに、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30から出力されたオーディオ信号をマイク13で収音して、その収音信号の音響特性を解析する(S102)。
【0032】
それから、音響プロファイル情報生成部15は、テレビジョン装置3から入力されたオーディオ信号の音響特性と、マイク13の収音信号の音響特性とに基づいて、双方出力モード用音響プロファイル情報を生成する。そして、生成した双方出力モード用音響プロファイル情報を音響プロファイル情報記憶部14に記憶する(S103)。
【0033】
また、テレビジョン装置3のオーディオ出力としてテレビジョン装置3の内蔵スピーカ30およびサウンドバー装置1がともに有効に設定されている状態において、コントローラ2は、ユーザから双方出力モード操作を受け付けると、アクセスポイント4を介してサウンドバー装置1に双方出力モード切替指示を送信する。主制御部17は、無線インターフェース部11を介してコントローラ2から双方出力モード切替指示を受信すると(S104でYES)、テレビジョン装置インターフェース部10に入力されるオーディオ信号の出力先を補正部16に設定するとともに、オーディオ信号の補正を補正部16に指示する。これを受けて、補正部16は、音響プロファイル情報記憶部14に記憶されている双方出力モード用音響プロファイル情報に従って、テレビジョン装置インターフェース部10に入力されたオーディオ信号を補正し、補正後のオーディオ信号をスピーカ部12から出力する(S105)。
【0034】
また、コントローラ2は、ユーザから通常モード操作を受け付けると、アクセスポイント4を介してサウンドバー装置1に通常モード切替指示を送信する。主制御部17は、無線インターフェース部11を介してコントローラ2から通常モード切替指示を受信すると(S106でYES)、テレビジョン装置インターフェース部10に入力されるオーディオ信号の出力先を補正部16に設定するとともに、補正部16にオーディオ信号のパススルーを指示する。これを受けて、補正部16は、テレビジョン装置インターフェース部10に入力されたオーディオ信号をパススルーしてスピーカ部12から出力する(S107)。
【0035】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0036】
本実施の形態において、サウンドバー装置1は、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30と併用される双方出力モードの場合、再生対象のオーディオ信号に対して、内蔵スピーカ30の音響特性ではカバーできない周波数帯域を出力するように設定されるので(図3参照)、一部の周波数帯域の出力が強調されて音質が劣化するのを防止することができる。したがって、本実施の形態によれば、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30とサウンドバー装置1とが併用されても良好な音質を維持しつつ音圧を上げることができる。
【0037】
また、本実施の形態において、サウンドバー装置1は、テストモードの場合、テレビジョン装置3から入力されたオーディオ信号の音響特性を解析するとともに、スピーカ部12からのオーディオ出力を停止し、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30からのオーディオ出力をマイク13で収音してその音響特性を解析する。そして、オーディオ信号の音響特性およびマイクの収音信号の音響特性に基づいて、双方出力モード用音響プロファイル情報を生成する。したがって、本実施の形態によれば、ユーザ所望の音楽番組等のコンテンツをテレビジョン装置3で受信・再生しているときにテストモードを実行することにより、ユーザの好みのコンテンツに適した音響特性において音圧を上げるように双方出力モード用音響プロファイル情報を生成することができる。
【0038】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0039】
例えば、上記の実施の形態において、サウンドバー装置1は、テストモードの場合、テレビジョン装置3から入力されたオーディオ信号の音響特性を解析するとともに、スピーカ部12からのオーディオ出力を停止して、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30からのオーディオ出力をマイク13で収音してその音響特性を解析する。そして、オーディオ信号の音響特性およびマイクの収音信号の音響特性に基づいて、双方出力モード用音響プロファイル情報を生成する。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0040】
テストモード用オーディオ信号をその音響特性とともにあらかじめサウンドバー装置1に登録しておき、サウンドバー装置1は、テストモードの場合、CEC(Consumer Electronics Control)コマンドを用いてテレビジョン装置3にサウンドバー装置1からのオーディオ入力を指示するとともに、テストモード用オーディオ信号をテレビジョン装置3に送信し、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30からテストモード用オーディオ信号をオーディオ出力させてもよい。この場合、スピーカ部12からのオーディオ出力を停止して、テレビジョン装置3の内蔵スピーカ30からのオーディオ出力をマイク13で収音してその音響特性を解析し、この音響特性と、予め登録されているテストモード用オーディオ信号の音響特性とに基づいて、双方出力モード用音響プロファイル情報を生成することができる。
【0041】
また、本実施の形態において、サウンドバー装置1は、双方出力モードの場合、サウンドバー装置1の音量レベルをテレビジョン装置3の内蔵スピーカ30の音量レベルに連動させてもよい。すなわち、主制御部17は、CECコマンドを用いてテレビジョン装置3から定期的に内蔵スピーカ30の音量レベルを取得し、スピーカ部12からオーディオ出力されるオーディオ信号の音量レベルを、テレビジョン装置3から取得した内蔵スピーカ30の最新の音量レベルに合わせる。このようにすることで、双方出力モードにおいて、テレビジョン装置3およびサウンドバー装置1の音量レベルをそれぞれ別個に調整する必要がなくなり、利便性が向上する。
【0042】
また、上記の実施の形態では、サウンドバー装置1とコントローラ2との間の通信をアクセスポイント4経由で行っているが、本発明はこれに限定されない。Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信によりサウンドバー装置1とコントローラ2との間の通信を行うようにしてもよい。
【0043】
また、上記の実施の形態において、サウンドバー装置1に音声認識機能を搭載し、マイク13に入力されたユーザの音声コマンドにより、テストモード、双方出力モード、および通常モードの切替指示を含む各種指示を受け付けるようにしてもよい。
【0044】
また、上記の実施の形態では、サウンドバー装置1を、内蔵スピーカ30を備えたテレビジョン装置3に組み合わせる場合を例にとり説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。本発明は、サウンドバー装置1を、スピーカを備えたオーディオシステムに組み合わせて使用する場合に広く適用できる。
【符号の説明】
【0045】
1:サウンドバー装置 2:コントローラ 3:テレビジョン装置
4:アクセスポイント 5:ネットワーク
10:テレビジョン装置インターフェース部 11:無線インターフェース部
12:スピーカ部 13:マイク 14:音響プロファイル情報記憶部
15:音響プロファイル情報生成部 16:補正部 17:主制御部
30:スピーカ

図1
図2
図3
図4