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特開2023-132156家電機器管理システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132156
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】家電機器管理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20230914BHJP
   G06F 11/30 20060101ALI20230914BHJP
   H04L 12/28 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G06F11/34 152
G06F11/30 155
G06F11/30 140D
H04L12/28 500A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037324
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】徳永 益規
(72)【発明者】
【氏名】出井 隆太
(72)【発明者】
【氏名】吉原 広子
(72)【発明者】
【氏名】道坂 奈緒美
(72)【発明者】
【氏名】山岡 静夫
(72)【発明者】
【氏名】國分 真子
(72)【発明者】
【氏名】船山 敦子
(72)【発明者】
【氏名】草野 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】藤原 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】小高 俊之
(72)【発明者】
【氏名】加藤 功記
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042JJ06
5B042KK17
5B042MA08
5B042MA14
5B042MC35
5B042MC40
(57)【要約】
【課題】
本発明では、家電機器に対して、より適切な保守を実現することを課題とする。
【解決手段】
上記の課題を解決するための本発明の構成は、複数の家電機器である家電機器群30と接続する利用者端末10および保守支援装置20が互いに接続されている家電機器管理システムにおいて、家電機器群30それぞれにおける稼働についてのログデータ243を収集するログデータ収集部22と、収集されたログデータのうち、所定のログデータに対して、予め定められた提案条件を満たす提案内容を示す保守提案情報を出力する出力部14を有する家電機器管理システムである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の家電機器と接続する利用者端末および保守支援装置を有する家電機器管理システムにおいて、
前記複数の家電機器それぞれにおける稼働についてのログデータを収集するログデータ収集部と、
収集されたログデータのうち、所定のログデータに対して、予め定められた提案条件を満たす提案内容を示す保守提案情報を出力する出力部を有する家電機器管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の家電機器管理システムにおいて、
さらに、前記所定のログデータに前記提案条件を満たすログデータが含まれるかを判定し、前記提案条件を満たす場合に、前記保守提案情報を作成する保守提案部を有する家電機器管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の家電機器管理システムにおいて、
前記保守提案部は、前記提案条件を満たさない場合には、前記保守提案情報の作成を抑止する家電機器管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の家電機器管理システムにおいて、
利用者からの前記利用者端末への入力に応じて、前記提案条件および前記保守内容の少なくとも一方を更新可能である家電機器管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の家電機器管理システムにおいて、
前記ログデータには、前記家電機器の稼働を示す稼働データが含まれる家電機器管理システム。
【請求項6】
複数の家電機器および保守支援装置と接続し、コンピュータである利用者端末を、
前記複数の家電機器それぞれにおける稼働についてのログデータを収集するログデータ収集部と、
収集されたログデータのうち、所定のログデータに対して、予め定められた提案条件を満たす提案内容を示す保守提案情報を出力する出力部として機能させるためのプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムにおいて、
前記保守支援装置が、前記所定のログデータに前記提案条件を満たすログデータが含まれるかを判定し、前記提案条件を満たす場合に、前記保守提案情報を作成する保守提案部を有するプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムにおいて、
前記保守提案部では、前記提案条件を満たさない場合には、前記保守提案情報の作成が抑止されるプログラム。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれかに記載のプログラムにおいて、
利用者からの前記利用者端末への入力に応じて、前記提案条件および前記保守内容の少なくとも一方を更新可能であるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記ログデータには、前記家電機器の稼働を示す稼働データが含まれるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種家電機器を管理するための技術に関する。その中でも特に、家電機器に対する保守を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、家庭内などで各種家電機器が利用されている。このような家電機器は、使用や経年に伴い、劣化、故障等の不具合が生じることがある。これら不具合に対応するためには、事前対策も含む保守(メンテナンス)を行うことが有効である。
【0003】
このような家電機器に対する保守については、特許文献1や2が提案されている。特許文献1には、運転データから家電機器の新たなメンテナンスや寿命に至るまでの期間を算出する家電機器管理システムが開示されている。特許文献2には、製氷時間が計測可能であり、計測した製氷時間が一定時間に達した場合に洗浄を促す報知を行う冷蔵庫が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-157018号公報
【特許文献2】特開2007-17049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、家電機器の稼働に関するデータを用いて、清掃やメンテナンス(保守)を提案する家電機器システムが提案されてきた。しかしながら、複数の家電機器に対して、購入日などの情報や運転データを用いて利用者に清掃メンテナンスを提案することができていなかった。また、保守の提案条件等を利用者ユーザ自身が簡単に設定変更することができなかった。また、エラー発生頻度などから将来的な故障等の不具合の可能性を回避するような提案を行うことができていなかった。そこで、本発明では、家電機器に対して、より適切な保守を実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明では、複数の家電機器について、前記家電機器ごとの稼働についてのログデータに基づいて、所定の提案条件を満たす保守提案情報を出力する。
【0007】
より具体的には、複数の家電機器と接続する利用者端末および保守支援装置を有する家電機器管理システムにおいて、前記複数の家電機器それぞれにおける稼働についてのログデータを収集するログデータ収集部と、収集されたログデータのうち、所定のログデータに対して、予め定められた提案条件を満たす提案内容を示す保守提案情報を出力する出力部を有する家電機器管理システムである。
【0008】
また、本発明には、家電機器管理システムを構成する利用者端末や保守支援装置も含まれる。さらに、利用者端末や保守支援装置をコンピュータとして機能させるためのプログラムやプログラムを格納する記憶媒体も本発明に含まれる。さらに、これらを用いた保守支援方法も本発明の一態様である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より適切に、家電機器についての保守の提案を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態における家電機器管理システムのシステム構成図である。
図2】本発明の一実施形態における家電機器の機能ブロック図である。
図3】本発明の一本実施形態における利用者端末のハードウエア構成図である。
図4】本発明の一本実施形態における保守支援装置のハードウエア構成図である。
図5】本発明の一実施形態で用いられる利用者管理情報を示す図である。
図6】本発明の一実施形態で用いられる保守支援情報を示す図である。
図7】本発明の一実施形態で用いられるログデータを示す図である。
図8】本発明の一実施形態で用いられる保守履歴情報を示す図である。
図9】本発明の一実施形態における処理の内容を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態におけるお手入れについての保守提案情報の出力例を示す図である。
図11】本発明の一実施形態における清掃についての保守提案情報の出力例を示す図である。
図12】本発明の一実施形態における利用方法についての保守提案情報の出力例を示す図である。
図13】本発明の一実施形態における利用方法についての保守提案情報の別の出力例を示す図である。
図14】本発明の一実施形態における利用方法についての保守提案情報の別の出力例を示す図である。
図15】本発明の一実施形態における稼働状況の通知についての保守提案情報の出力例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態では、家庭内の複数の家電機器に対して統合的に保守の提案を実現する。なお、本実施形態の保守には、利用方法、点検、清掃、保守(メンテナンス)や修理、交換等の対策、アドバイスのうち、少なくとも一部が含まれる。また、保守には、家電機器の稼働状況や環境などの状況の通知も含まれる。
【0012】
<構成>
まず、本実施形態の構成について説明する。図1は、本実施形態における家電機器管理システムのシステム構成図である。図1において、家電機器管理システムは、利用者端末10および保守支援装置20を有し、これらが管理、保守対象である家電機器群30とルータ40やネットワーク50を介して接続されている。また、利用者端末10と家電機器群30は、近距離無線通信などを利用して直接接続してもよい。さらに、利用者端末10、家電機器群30とルータ40、ネットワーク50間は、有線接続でも無線接続でも構わない。以下、これらの各装置について説明する。
【0013】
まず、本実施形態の管理対象である家電機器群30について説明する。家電機器群30は、1つの領域(例えば、家庭内)で使用されていることを想定している。また、本実施形態の家電機器群30には、電子レンジ31、冷蔵庫32、掃除機33、IH調理機器34、空気清浄機35および洗濯機36が含まれる。但し、これらは例示であり、これらの一部は省略可能であり、また、その他の家電機器を追加してもよい。これら各家電機器は、調理機能、冷凍機能、掃除機能といった各種機能の他、近距離無線通信等、通信機能を有する。
【0014】
ここで、家電機器の構成について説明する。図2は、本実施形態における家電機器の機能ブロック図である。このブロック図は、各家電機器を代表するものである。図2に示すように、家電機器は、制御部301、通信部304、表示操作パネル305、稼働部306およびセンサ307を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。以下、各構成について説明する。
【0015】
まず、制御部301は、制御信号作成部302およびログデータ取得部303を有する。つまり、制御部301は、洗濯等の当該家電機器の機能を実現するための制御信号を作成、出力し、家電機器の稼働を制御し、また、当該家電機器の稼働に関するログデータを取得する。ここで、ログデータ取得部303は、稼働部306やセンサ307もしくは制御信号作成部302からログデータを取得する。なお、センサ307は必須でなく省略できる。なお、制御部301は、MPU(Micro-Processing Unit)で実現可能であり、制御信号作成部302やログデータ取得部303各部は専用ハードウエアやプログラムといったソフトウエアで実現できる。なお、ログデータとは、家電機器の稼働データ(稼働時間、稼働内容)、環境(温度等)、購入時期、エラー等のイベントなどのいずれかを含む情報である。
【0016】
また、通信部304は、ルータ40やネットワーク50を介した通信や近距離無線通信機能を有する。そして、通信部304は、取得されたログデータを出力したり、利用者端末10などから制御指示やログデータの収集指示を受け付けたりする。また、表示操作パネル305は、利用者から家電機器に対する操作を受け付けたり、家電機器の稼働状況を出力したりする。
【0017】
また、稼働部306は、制御部301からの制御に従って、各種機能を実行する。このために、例えば、制御信号作成部302で作成された制御信号が用いられる。実行される機能としては、調理機能、冷凍機能、掃除機能等であり、ヒータ、圧縮器や電動送風機やモータ、アクチュエータなどで実現できる。さらに、センサ307は、温度計、照度計やカメラなどで実現し、冷蔵庫32内の温度や扉の開閉回数といった利用ないし稼働状況を取得する。
【0018】
なお、本実施形態では、保守提案情報の作成や出力を、家電機器管理システムで実行するが、少なくともこれらの一部を、家電機器で実行してもよい。この場合、制御部301が、保守提案情報の作成を実行する。さらに、家電機器管理システムで作成された保守提案情報を、表示操作パネル305が出力してもよい。
【0019】
以上で図2の説明を終わり、図1の説明に戻る。利用者端末10は、複数の家電機器、つまり、家電機器群30の管理に利用されるもので、スマートフォン、携帯電話、タブレット、PCなどのコンピュータで実現できる。このために、利用者端末10は、通信部11、ログデータ収集部12、保守提案部13、出力部14、入力部15および記憶部16を有する。
【0020】
そして、通信部11は、ルータ40やネットワーク50を介した通信や近距離無線通信機能を有する。また、ログデータ収集部12は、家電機器群30から通知されるログデータを収集する。ログデータ収集部12は、周期的に、特に一定期間ごと(定期的)にログデータを収集することが望ましい。なお、ログデータ収集部12を省略し、家電機器群30が能動的にログデータを通知してもよい。
【0021】
また、保守提案部13は、ログデータに基づいて、利用者に対する保守提案情報を作成する。この際、保守提案部13は、ログデータに予め定められた提案条件を満たすログデータが含まれるかを判定し、含まれる場合、当該ログデータについての保守内容を特定する。そして、この保守内容含む保守提案情報が作成される。
【0022】
また、出力部14は、保守提案情報等の各種情報を出力する。また、入力部15は、利用者から各種操作を受け付ける。なお、出力部14および入力部15は一体で構成できる。さらに、記憶部16は、保守提案部13の処理で用いられる各種情報などが記憶される。
【0023】
ここで、利用者端末10の一実現例について説明する。図3は、本実施形態における利用者端末10のハードウエア構成図である。図3において、利用者端末10は、タッチパネル101、処理装置102、通信装置103、記憶装置104を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0024】
まず、タッチパネル101は、図1の出力部14および入力部15を兼ねた構成であり、利用者の操作を受け付けたり、各種情報を表示したりする。なお、タッチパネル101は、入力デバイスと出力デバイスに分けて構成してもよい。また、処理装置102は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで実現でき、後述する記憶装置104に記憶されている家電機器管理プログラム105(統合アプリ)に従って演算を実行する。
【0025】
そして、家電機器管理プログラム105は、その機能ごとに、ログデータ収集モジュール106および保守提案モジュール107で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0026】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図1に示す構成は、以下のとおりである。
ログデータ収集モジュール106:ログデータ収集部12
保守提案モジュール107:保守提案部13
このため、処理装置102は、家電機器管理プログラム105に従って、ログデータ収集部12および保守提案部13の処理を実行することになる。
【0027】
また、記憶装置104は、家電機器管理プログラム105、保守支援情報108、ログデータ109および保守履歴情報110を記憶する。ここで、家電機器管理プログラム105は、家電機器群30を管理するためのプログラムであってもよいし、家電機器ごとの複数のプログラムで構成してもよい。後者については、電子レンジ31、冷蔵庫32、掃除機33、IH調理機器34、空気清浄機35や洗濯機36各々の管理プログラムを用いることになる。
【0028】
なお、保守支援情報108、ログデータ109および保守履歴情報110については、<情報>で後述する。また、記憶装置104は、メモリのような主記憶装置と、いわゆるストレージである副記憶装置(記憶媒体)で実現してもよい。なお、副記憶装置は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどで実現してもよい。さらに、家電機器管理プログラム105、保守支援情報108および保守履歴情報110の少なくとも一部は省略できる。これは、後述の保守支援装置20で保持されていればよい。またさらに、家電機器管理プログラム105の少なくとも一部のモジュール(機能)を、保守支援装置20に設けてもよい。
【0029】
以上で図3の説明を終わり、図1の説明に戻る。保守支援装置20は、家電機器群30の保守を支援するためにされ、サーバ、クラウドといったコンピュータで実現できる。このために、保守支援装置20は、I/F21、ログデータ収集部22、保守提案部23、記憶部24を有する。
【0030】
まず、I/F21は、ルータ40やネットワーク50を介した通信や近距離無線通信機能を有する。また、I/F部21は、保守員端末60や保守員タブレット70と接続する機能も有する、なお、I/F部21は、ネットワーク50等との通信部と保守員端末60等との接続部との別構成でも実現できる。また、ログデータ収集部22は、ログデータ収集部12と同様の機能を実現し、ログデータ収集部22とログデータ収集部12は、少なくとも一方が存在すればよい。また、保守提案部23も同様に保守提案部13と同様の機能を実現し、少なくとも一方が存在すればよい。
【0031】
さらに、記憶部24は、利用者管理情報241、保守支援情報242、ログデータ243および保守履歴情報244を記憶する。なお、保守支援情報242、ログデータ243および保守履歴情報244は、利用者端末10に記憶された保守支援情報108、ログデータ109および保守履歴情報110と内容的に同じものであり、一方を省略してもよい。また、利用者端末10のリソースを考慮し、圧縮ないし簡略化された情報としてもよい。なお、これら各情報については、<情報>で後述する。
【0032】
ここで、保守支援装置20の一実現例について説明する。図4は、本実施形態における保守支援装置20のハードウエア構成図である。図4において、保守支援装置20は、処理装置201、通信装置202、メモリ203および副記憶装置204を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0033】
まず、処理装置201は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する副記憶装置204に記憶されている家電機器管理プログラム205に従って演算を実行する。家電機器管理プログラム205については、後述する。
【0034】
また、通信装置202は、図1のI/F部21に該当し、ネットワーク50と接続し、他の装置との通信を行う。また、通信装置202は、保守員端末60や保守員タブレット70と接続する。なお、通信装置202とは別に、保守員端末60等と接続する接続装置を設けてもよい。
【0035】
また、メモリ203および副記憶装置204が、図1の記憶部24に該当する。そして、メモリ203は、副記憶装置204に記憶されている家電機器管理プログラム205や処理装置201での処理に用いられる情報が展開される。また、副記憶装置204は、いわゆるストレージで実現でき、家電機器管理プログラム205、利用者管理情報241、保守支援情報242、ログデータ243および保守履歴情報244を記憶する。また、副記憶装置204は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどの各種記憶媒体で実現してもよいし、ファイルサーバのように保守支援装置20とは別装置で実現してもよい。
【0036】
ここで、家電機器管理プログラム205は、ログデータ収集モジュール206および保守提案モジュール207で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0037】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図1に示す構成は、以下のとおりである。
ログデータ収集モジュール206:ログデータ収集部22
保守提案モジュール207:保守提案部23
このため、処理装置201は、当該プログラムに従って、ログデータ収集部22および保守提案部23の処理を実行することになる。
【0038】
なお、家電機器管理プログラム205と家電機器管理プログラム105と同様の演算を実行するもので、少なくとも一方が存在すればよい。この際、これらを構成するモジュールについても少なくとも一方に存在すればよい。
【0039】
以上で図4の説明を終わり、図1の説明に戻る。ルータ40は、各装置を接続するための機能を有するもので、家電機器群30と同じ敷地内に設けられることが望ましい。なお、ルータ40は省略もしくは他の通信機器と説き替え可能である。また、ネットワーク50は、インターネットや公衆回線網等の通信網である。
【0040】
また、保守員端末60は、保守支援装置20と接続し、保守提案情報の出力や保守計画の作成の支援を行う。また、保守員タブレット70は、ネットワーク50を介して、保守支援装置20と接続し、保守提案情報や保守計画の出力を行う。以上で、本実施形態の構成についての説明を終わる。
【0041】
<情報>
次に、本実施形態で用いられる各種情報について説明する。図5は、本実施形態で用いられる利用者管理情報241を示す図である。家電機器群30の利用者に関する情報である。図5に示すように、利用者管理情報241は、利用者名、住所、連絡先および保有機器の各項目を有する。ここで、利用者名は、該当の利用者を識別する情報であればよい。また、住所、連絡先は省略可能である。さらに、保有機器は、該当の利用者が保有ないし利用する家電機器、つまり、家電機器群30を特定する情報であるが、この情報は省略してもよい。
【0042】
なお、利用者端末10は、利用者が保有する家電機器(家電機器群30)を管理する保有機器情報を有してもよい。これは、上述の利用者管理情報241と同様の構成とすることが望ましい。
【0043】
図6は、本実施形態で用いられる保守支援情報242を示す図である。保守支援情報242は、家電機器ごとに、保守に関する提案内容がその条件と対応付けられた情報である。図6に示すように、保守支援情報242は、家電機器、提案内容および提案条件の各項目を有する。家電機器は、保守対象である家電機器を識別する。なお、この家電機器は、その個体を識別してもよいし、種類や型式を識別してもよい。さらに、家電機器の項目に、家電機器と記載された場合、家電機器群30に共通していることを示す。
【0044】
また、提案内容は、保守の内容であり、利用者に対して提案する内容を示す。提案条件は、ログデータが提案内容を提案する場合の条件を示す。例えば、1レコード目は、購入から1年ごとに、コンセント周りの清掃を行うことを提案することになる。なお、利用者端末10が記憶する保守支援情報108も同様の構成である。なお、提案内容は、手入れのような狭義の保守の他、利用方法の提案も含まれる。例えば、図示した毛布コースの提案のような、利用モードなどの提案も含まれる。
【0045】
図7は、本実施形態で用いられるログデータ243を示す図である。ログデータ243とは、家電機器の稼働データ(稼働時間、稼働内容)、環境(温度等)、購入時期、エラー等のイベントなどのいずれかを含む情報である。また、ログデータ243は、ログデータ収集部22で収集され、蓄積されたものである。そして、図7に示すように、ログデータ243は、利用者ごとに、家電機器、日時、事象・特性の各項目を有する。家電機器は、保守支援情報242と同様に、保守対象である家電機器を識別する。また、この家電機器は、その個体を識別してもよいし、種類や型式を識別してもよい。日時は、ログデータが発生、取得ないし収集された日時を示す。なお、本実施形態では、ログデータ243を利用者ごとに作成しているが、複数の利用者のログデータを纏めてログデータ243としてもよい。なお、利用者端末10が記憶するログデータ109も同様の構成である。但し、当該利用者端末の利用者分のログデータで構成される。
【0046】
図8は、本実施形態で用いられる保守履歴情報244を示す図である。保守履歴情報244は、家電機器に対して実行された保守内容の履歴を示す情報である。図8に示すように、保守履歴情報244は、実施日時、家電機器および保守履歴の各項目を有する。実施日時は、保守が実施された日時を示す。家電機器は、保守された家電機器を識別する情報であり、ログデータ243のそれと同じである。保守内容は、該当の家電機器に実施された保守の内容を示す。なお、保守履歴情報244には、保守内容に加え、もしくはこれに代えて、提案された提案内容を設けてもよい。なお、利用者端末10が記憶する保守履歴情報110も同様の構成である。但し、当該利用者端末10の利用者分のログデータで構成される。
以上で、本実施形態で用いられる各種情報の説明を終わる。
【0047】
<処理フロー>
次に、本実施形態の処理フローについて説明する。なお、以下の説明において、利用者端末10や保守支援装置20の処理は、図1に示す構成を用いる。また、以下では、保守対象である家電機器を家電機器群30に含まれる家電機器3nと表現する。つまり、家電機器3nは、電子レンジ31、冷蔵庫32、掃除機33、IH調理機器34、空気清浄機35および洗濯機36を代表する表記である。
【0048】
図9は、本実施形態における処理の内容を示すフローチャートである。まず、ステップS31において、家電機器3nは、制御部301の制御に従って稼働する。また、ステップS32において、家電機器3nのログデータ取得部303が、家電機器3nの稼働に応じてログデータを取得する。そして、ステップS33において、通信部304が、制御部301の制御に従って取得したログデータを、利用者端末10に送信する。なお、この送信は、所定周期で実行してもよいし、リアルタイムで実行してもよい。さらに、ステップS33は、制御部301が能動的に実行してもよいし、利用者端末10のログデータ収集部12の指示に応じて実行してもよい。つまり、いわゆるPUSH送信、PULL送信のいずれで実行してもよい。
【0049】
また、ステップS11において、利用者端末10の通信部11は、ステップS33で送信されたログデータを、保守支援装置20に転送する。なお、この転送において、該当の利用者端末10ないし利用者を識別する情報や家電機器3nを識別する情報を付加してもよい。なお、この転送は、所定周期で実行してもよいし、リアルタイムで実行してもよい。また、ステップS33に同期して実行してもよい。さらに、ステップS11は、ログデータ収集部12が能動的に実行してもよいし、保守支援装置20のログデータ収集部22の指示に応じて実行してもよい。つまり、いわゆるPUSH送信、PULL送信のいずれで実行してもよい。
【0050】
また、ステップS21において、保守支援装置20のI/F部21が、転送されたログデータを受け付ける。そして、ステップS22において、ログデータ収集部12が、受け付けられたログデータを、記憶部24に蓄積する。この結果、記憶部24に、ログデータ243が記憶されることになる。
【0051】
また、ステップS23において、保守提案部23は、予め定められている保守提案情報の作成のタイミングとなったかを判定する。このタイミングは、保守提案のタイミングと同期させてもよい。この結果、保守提案情報の作成タイミングである場合(Y)、ステップS24に遷移する。保守提案情報の作成タイミングになっていない場合(N)、保守提案情報の作成タイミングになるまで処理を待機させる。なお、本実施形態では、保守提案情報の作成タイミングを週、月などの所定期間(定期)で行うものとするが、この期間は一定である必要はなく、また、変更可能である。
【0052】
そして、ステップS24において、保守提案部23が、ログデータ243が保守条件に適合するかを判定する。このために、保守提案部23は、対象となるログデータをログデータ243から抽出し、これに該当する保守支援情報242から提案条件を抽出する。この抽出においては、ログデータに含まれる家電機器も用いられることが望ましい。
【0053】
本ステップでの判定の結果、適合する場合、つまり、提案条件が抽出された場合、ステップS25に遷移する。また、不適合の場合、つまり、該当する提案条件が抽出されない場合、保守提案処理を終了する。つまり、保守提案部23は、保守提案情報の作成を抑止する。また、ステップS27に遷移することが望ましい。なお、保守提案部23は、前回の提案タイミング以降に蓄積されたログデータを対象に判定することが望ましい。
【0054】
また、ステップS25において、保守提案部23は、ステップS25で抽出された提案条件に基づいて、保守提案情報を作成する。このために、保守提案部23が抽出された提案条件に対応する提案内容を、保守支援情報242から特定する。そして、保守提案部23は、特定された提案内容を含む保守提案情報を作成する。この作成においては、保守提案部23が、特定された提案内容をマージすることで実現できる。また、このマージにおいては、保守提案部23は、提案内容の重要度などの指標に応じてレイアウトなどの出力形式を定めてもよい。また、特定された提案内容の数やその指標に応じて、該当の提案内容を保守提案情報から除いてもよい。
【0055】
そして、ステップS26において、保守提案部23は、I/F部21を用いて、作成された保守提案情報を、利用者端末10に提示する。このために、保守提案情報がファイル形式で、利用者端末10に送信されてもよいし、利用者端末10のブラウザ上で保守提案情報が出力されるようにしてもよい。なお、この提示は、家電機器3nに対して実行してもよい。
【0056】
そして、ステップS12において、利用者端末10の出力部14において、ステップS26で提示された保守提案情報が出力される。ここで、保守提案情報の出力例を説明する。まず、図10は、本実施形態におけるお手入れについての保守提案情報の出力例を示す図である。図10では、利用者端末10のタッチパネル101に、洗濯機36の糸くずフィルタのお手入れに関する保守提案情報の出力されている様子を示す。そして、この出力は、提案内容を示される上部1011および関連情報が示される下部1012で構成されている。
【0057】
上部1011においては、画像と共に推奨される保守を示す提案内容(お手入れ)が示される。また、上部1011には、提案内容の詳細(例:取扱説明書)へのリンク情報1013が記載され、利用者の指定によりその詳細を出力できる。さらに、図10では、下部1012の関連情報として、上部1011の提案内容に関連する保守についてのダイジェスト情報(サムネイル)が示される。こちらについても、利用者の指定によりその詳細を出力するように構成してもよい。
【0058】
また、図11は、本実施形態における清掃についての保守提案情報の出力例を示す図である。図11では、利用者端末10のタッチパネル101に、洗濯機36のコンセント周りの清掃に関する保守提案情報の出力されている様子を示す。そして、この保守提案情報も、提案内容が示される上部1011および関連情報が示される下部1012で構成されている。図11においても、出力は、提案内容を示される上部1011および関連情報が示される下部1012で構成されている。また、図10と同様に、詳細(例:取扱説明書)へのリンク情報1013も示される。図10が糸くずフィルタのお手入れに関する出力であるのに対し、本図ではコンセント周りに清掃に関する出力がなされている。
【0059】
また、図12は、本実施形態における利用方法についての保守提案情報の出力例を示す図である。図11では、利用者端末10のタッチパネル101に、洗濯機36の利用方法に関する保守提案情報の出力されている様子を示す。本図では、利用方法として、毛布コースを提案している。そして、この保守提案情報も、提案内容が示される上部1011および関連情報が示される下部1012で構成されている。特に、上部1011では、提案されている毛布コースの利用の仕方についての図解も併せて出力されている。また、図10図11と同様に、詳細(例:取扱説明書)へのリンク情報1013も示される。
【0060】
また、図13は、本実施形態における利用方法についての保守提案情報の別の出力例を示す図である。図13では、利用者端末10のタッチパネル101に、冷蔵庫32の利用方法に関する保守提案情報の出力されている様子を示す。本図では、利用方法として、引出の使い方を利用者の好みに応じて組合せできることを提案している。この使い方には、野菜、冷凍、冷蔵の各モードが含まれるも示される。そして、この保守提案情報も、提案内容が示される上部1011および関連情報が示される下部1012で構成されている。特に、上部1011では、提案されている利用方法のメリットが図示されている。また、毛布コースの利用の仕方についての図解も併せて出力されている。また、図10図12と同様に、詳細(例:取扱説明書)へのリンク情報1013も示される。
【0061】
また、図14は、本実施形態における利用方法についての保守提案情報の別の出力例を示す図である。図14では、利用者端末10のタッチパネル101に、洗濯機36の利用方法に関する保守提案情報の出力されている様子を示す。本図では、利用方法として、温風ほぐし脱水コースを提案している。そして、この保守提案情報も、提案内容が示される上部1011および関連情報が示される下部1012で構成されている。特に、上部1011では、提案されている温風ほぐし脱水コースの特徴(洗濯物が所定量以下の場合に稼働することなど)が記載れている。また、図10図13と同様に、詳細(例:取扱説明書)へのリンク情報1013も示される。
【0062】
また、図15は、本実施形態における稼働状況の通知についての保守提案情報の出力例を示す図である。図15では、利用者端末10のタッチパネル101に、冷蔵庫32の利用方法に関する保守提案情報の出力されている様子を示す。本図では、稼働状況として、製氷室に氷が溜まっていることを通知している。そして、この保守提案情報も、提案内容が示される上部1011および関連情報が示される下部1012で構成されている。特に、上部1011では、提案内容として、氷が溜まってることや点検、確認方法が記載れている。また、図10図14と同様に、詳細(例:取扱説明書)へのリンク情報1013も示される。以上で、ステップS12における出力内容の説明を終わり、図1に戻り処理フローの説明を続ける。
【0063】
以上のステップS12まで実行して、本処理フローを終了してもよいが、選択的に以下のステップを実行してもよい。ステップS13において、利用者端末10の保守提案部13が、保守提案情報の提案内容が、保守員の対応が必要かを判定する。このために、予め保守支援情報242に、保守員の対応が必要かを示すフラグを記録しておくことが望ましい。この判定の結果、保守員が必要な場合(要)、ステップS14に遷移する。また、保守員が不要である場合(不要)、ステップS15に遷移する。
【0064】
そして、ステップS14において、保守提案部13により、保守員への通知を実行する。このために、保守提案部13は、通信部11を介して保守支援装置20へ、提案内容を含む保守員の手配要求を通知する。そして、保守支援装置20の保守提案部23がI/F部21を介して、保守員端末60および/または保守員タブレット70の保守員の態様が必要な旨を含む、手配要求を通知する。この結果、保守員が利用者の元へ派遣できるようになる。また、保守員端末60は単独でもしくは保守支援装置20と連携して、他の利用者の家電機器も含む保守計画を作成してもよい。
【0065】
また、ステップS15において、入力部15が利用者から提案内容、つまり、対策の実施を示す入力を受け付ける。そして、ステップS16において、保守提案部13は通信部を用いて、対策が実施されたことを、保守支援装置20に通知する。
【0066】
そして、ステップS27において、保守支援装置20の保守提案部23は、ステップS16で通知された内容で、保守履歴情報を更新する。なお、本ステップでの更新は、ステップS14に基づき保守員により実行された対策を、保守員端末60や保守員タブレット70から受け付けて実行してもよい。また、利用者端末10の入力部15に対する利用者の操作に応じて、保守提案部23が保守支援情報242、特に、保守条件および保守内容の少なくとも一方を更新することができる。
【0067】
以上で、本実施形態の説明を終わるが、本発明の処理は本実施形態に限定されない。特に、各処理ステップの主体は上述の例に限定されない。例えば、家電機器3n、利用者端末10や保守支援装置20単独で行ってもよいし、家電機器3nと利用者端末10もしくは家電機器3nと保守支援装置20で行ってもよい。さらに、家電機器3n、利用者端末10や保守支援装置20で行う場合も、一部のステップの処理主体を変更してもよい。例えば、ステップS21~S27の少なくとも一部を利用者端末10で実行してもよいし、ログデータの送信(ステップS33)を、ダイレクトに保守支援装置20に行ってもよい。またさらに、ステップS26の保守提案情報の提示先を、利用者端末10とは別装置としてもよい。この際、利用者端末10と別装置のそれぞれに保守提案情報を提示してもよい。
【符号の説明】
【0068】
10…利用者端末、11…通信部、12…ログデータ収集部、13…保守提案部、14…出力部、15…入力部、16…記憶部、105…家電機器管理プログラム、106…ログデータ収集モジュール、107…保守提案モジュール、108…保守支援情報、109…ログデータ、110…保守履歴情報、20…保守支援装置、21…I/F部、22…ログデータ収集部、23…保守提案部、24…記憶部、241…利用者管理情報、242…保守支援情報、243…ログデータ、244…保守履歴情報、30…家電機器群、31…電子レンジ、32…冷蔵庫、33…掃除機、34…IH調理機器、35…空気清浄機、36…洗濯機36、40…ルータ、50…ネットワーク、60…保守員端末、70…保守員タブレット
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