(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132165
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】オーニング
(51)【国際特許分類】
E04H 15/58 20060101AFI20230914BHJP
A45B 19/10 20060101ALI20230914BHJP
A45B 7/00 20060101ALI20230914BHJP
A45B 17/00 20060101ALI20230914BHJP
E04F 10/06 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
E04H15/58 Z
A45B19/10 Z
A45B7/00 A
A45B17/00 A
E04F10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037336
(22)【出願日】2022-03-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 下記の日付および場所にて、タカノ株式会社が、発明したオーニング(製品名:移動式オーニング「カシオペア」)を公開した。 1.令和4年1月25日、https://www.takano-net.co.jp/exterior/information_exhibit/detail/?dbid=1060のアドレスのウェブサイトで公開されているタカノ株式会社のウェブサイトにて公開した。 2.令和4年1月25日、https://www.atpress.ne.jp/news/294997のアドレスのウェブサイトで公開されている、ソーシャルワイヤー株式会社により運営され、タカノ株式会社が契約しているプレスリリース/ニュースリリース配信サービス「アットプレス」(@Press)のウェブサイトにて公開した。 3.令和4年2月15日、「第50回 国際ホテル・レストラン・ショー」にて実物展示及びパンフレット配布によって公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】000108627
【氏名又は名称】タカノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】長橋 辰男
【テーマコード(参考)】
2E105
2E141
3B104
【Fターム(参考)】
2E105CC03
2E105DD25
2E105EE05
2E105FF34
2E105FF45
2E105GG11
2E141AA09
2E141DD12
2E141EE03
2E141EE04
3B104AA05
3B104GA03
3B104GA04
3B104NA01
(57)【要約】
【課題】部品点数を削減して、装置構造の簡素化およびコストダウンを図ることができると共に、整然とした印象を与えることができるオーニングを提供する。
【解決手段】本発明に係るオーニング1は、正面視で左側に展開される第1キャンバス14Aおよび右側に展開される第2キャンバス14Bと、第1キャンバス14Aおよび第2キャンバス14Bを重ねて巻取りおよび巻出しを行う1つの巻回ローラ12と、巻回ローラ13の中心軸に対し、正面視で左側の位置に回転可能に配設されて第1キャンバス14Aが掛け回される第1ローラ16Aおよび右側の位置に回転可能に配設されて第2キャンバス14Bが掛け回される第2ローラ16Bと、を備え、第1ローラ16Aおよび第2ローラ16Bは、それぞれの上面が同一高さとなるように配設されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状のキャンバスが展開されて日よけ・雨よけ作用をなすオーニングであって、
前記キャンバスとして、正面視で左側に展開される第1キャンバスおよび右側に展開される第2キャンバスと、
前記第1キャンバスおよび前記第2キャンバスを重ねて巻取りおよび巻出しを行う1つの巻回ローラと、
前記巻回ローラの中心軸に対し、正面視で左側の位置に回転可能に配設されて前記第1キャンバスが掛け回される第1ローラおよび右側の位置に回転可能に配設されて前記第2キャンバスが掛け回される第2ローラと、を備え、
前記第1ローラおよび前記第2ローラは、それぞれの上面が同一高さとなるように配設されていること
を特徴とするオーニング。
【請求項2】
前記第1キャンバスの先端部が固定される第1フレームと、
前記第1フレームに一端が連結されて前記第1フレームを往復動させることにより前記第1キャンバスの展開・収納を行う第1アームと、
前記第2キャンバスの先端部が固定される第2フレームと、
前記第2フレームに一端が連結されて前記第2フレームを往復動させることにより前記第2キャンバスの展開・収納を行う第2アームと、をさらに備え、
前記第1アームの他端が回動可能に連結されると共に前記第2アームの他端が回動可能に連結されて前記第1アームおよび前記第2アームを同時に操作する1つの操作部、および、前記操作部を上下動可能にガイドする1つのガイドレール、が前記巻回ローラの軸方向における両端側にそれぞれ配設され、もしくは、いずれか一端側に配設されていること
を特徴とする請求項1記載のオーニング。
【請求項3】
前記操作部は、いずれも前記巻回ローラの中心軸に対して平行方向の中心軸を有して前記ガイドレールの左側面に回転可能に当接する左ガイドローラおよび右側面に回転可能に当接する右ガイドローラと、前記巻回ローラの中心軸に対して直交方向の中心軸を有して前記ガイドレールの前面もしくは後面に回転可能に当接する中央ガイドローラと、を有すること
を特徴とする請求項2記載のオーニング。
【請求項4】
下端部において、正面視で左右両側にスライド移動により伸縮する支持脚をさらに備えること
を特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のオーニング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、日よけ・雨よけ作用をなすオーニングに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、レストラン、ホテル等の商業施設や住宅におけるテラスやガーデン等に設置されて、日よけ・雨よけに用いられるオーニングが知られている(特許文献1:特開2006-043430号公報参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に例示される従来のオーニングは、正面方向から視てキャンバスを左右の両側に展開することができるため、より広い範囲の日よけ・雨よけが可能となる。しかし、左側のキャンバスを巻回するローラと、右側のキャンバスを巻回するローラとの2つのローラが設けられる構成であった。さらに、左側のキャンバスおよび右側のキャンバスの展開・収納動作をそれぞれ行う2つの操作部、および各操作部を上下動可能にガイドする2つのガイドレールが、ローラの軸方向における両端側にそれぞれ設けられる構成であった。このように、部品点数が多く、装置構造が複雑で、コストが増加する課題があった。また、見た目にも整然としない印象を与えてしまう課題があった。
【0005】
上記の課題に対し、本願発明者は、左側のキャンバスと右側のキャンバスとをそれぞれ別のローラではなく、1つのローラで巻回する構成の採用について検討を行った。この構成によれば、部品点数の削減は可能となるものの、1つのローラからそれぞれ逆方向に巻出される左側のキャンバスと右側のキャンバスとの高さ位置(巻出し位置)が異なる状態となってしまい、見た目において従来とはまた別の整然としない印象を与えてしまうことが新たな課題として生じた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、部品点数を削減して、装置構造の簡素化およびコストダウンを図ることができると共に、整然とした印象を与えることができるオーニングを提供することを目的とする。
【0007】
本発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
【0008】
本発明に係るオーニングは、シート状のキャンバスが展開されて日よけ・雨よけ作用をなすオーニングであって、前記キャンバスとして、正面視で左側に展開される第1キャンバスおよび右側に展開される第2キャンバスと、前記第1キャンバスおよび前記第2キャンバスを重ねて巻取りおよび巻出しを行う1つの巻回ローラと、前記巻回ローラの中心軸に対し、正面視で左側の位置に回転可能に配設されて前記第1キャンバスが掛け回される第1ローラおよび右側の位置に回転可能に配設されて前記第2キャンバスが掛け回される第2ローラと、を備え、前記第1ローラおよび前記第2ローラは、それぞれの上面が同一高さとなるように配設されていることを特徴とする。
【0009】
これによれば、1つの巻回ローラで左右両側にキャンバスを展開できるため、装置構造の簡素化を図ることができる。さらに、1つの巻回ローラからそれぞれ逆方向に巻出される左側のキャンバスと右側のキャンバスとの高さ位置を一致させることができるため、整然とした印象を与え、高級感を醸成することができる。
【0010】
また、前記第1キャンバスの先端部が固定される第1フレームと、前記第1フレームに一端が連結されて前記第1フレームを往復動させることにより前記第1キャンバスの展開・収納を行う第1アームと、前記第2キャンバスの先端部が固定される第2フレームと、前記第2フレームに一端が連結されて前記第2フレームを往復動させることにより前記第2キャンバスの展開・収納を行う第2アームと、をさらに備え、前記第1アームの他端が回動可能に連結されると共に前記第2アームの他端が回動可能に連結されて前記第1アームおよび前記第2アームを同時に操作する1つの操作部、および、前記操作部を上下動可能にガイドする1つのガイドレール、が前記巻回ローラの軸方向における両端側にそれぞれ配設され、もしくは、いずれか一端側に配設されていることが好ましい。これによれば、左側のキャンバスおよび右側のキャンバスの展開・収納動作をそれぞれ行う操作部と、当該操作部を上下動可能にガイドするガイドレールとが、巻回ローラの軸方向における一方側につき1つで構成できるため、部品点数を削減して、装置構造の簡素化およびコストダウンを図ることができる。
【0011】
また、前記操作部は、いずれも前記巻回ローラの中心軸に対して平行方向の中心軸を有して前記ガイドレールの左側面に回転可能に当接する左ガイドローラおよび右側面に回転可能に当接する右ガイドローラと、前記巻回ローラの中心軸に対して直交方向の中心軸を有して前記ガイドレールの前面もしくは後面に回転可能に当接する中央ガイドローラと、を有することが好ましい。これによれば、操作者が操作部を上下動させる際に、当該操作部に印加される操作者の力によって摺動抵抗が増大するため、これを中央ガイドローラによって低減して、操作部の上下動をスムーズに行うことが可能となる。また、操作者が操作部を上下動させる際に、第1アームの他端から操作部に印加される荷重によって摺動抵抗が増大するため、これを左ガイドローラによって低減して、操作部の上下動をスムーズに行うことが可能となる。同様に、第2アームの他端から操作部に印加される荷重によって摺動抵抗が増大するため、これを右ガイドローラによって低減して、操作部の上下動をスムーズに行うことが可能となる。
【0012】
また、下端部において、正面視で左右両側にスライド移動により伸縮する支持脚をさらに備えることが好ましい。これによれば、移動時に支持脚を縮めることができるため、容易に移動を行うことができる。一方、設置時に支持脚を伸ばすことができるため、キャンバスが風を受けた際の転倒を防止して、安定した設置を実現することができる。さらに、スライド式の伸縮構造により、整然とした印象を与え、高級感を醸成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、部品点数を削減して、装置構造の簡素化およびコストダウンを図ることができると共に、整然とした印象を与え、高級感を醸成することができるオーニングの実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係るオーニングの例を示す斜視図である。
【
図4】
図1のB部における正面図および平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るオーニング1の例を示す斜視図(概略図)であり、
図1(a)はキャンバス14A、14Bを展開(巻出し)した状態であり、
図1(b)はキャンバス14A、14Bを収納(巻取り)した状態である。また、
図2は、当該オーニング1の正面図(概略図)であり、
図2(a)はキャンバス14A、14Bを展開した状態および支持脚40A、40Bを展開した状態であり、
図2(b)はキャンバス14A、14Bを収納した状態および支持脚40A、40Bを収納した状態である。また、
図3は、
図1のA部における断面図(概略図)である。また、
図4(a)は、
図1のB部における正面図(概略図)であり、
図4(b)はその平面図(概略図)である。なお、説明の便宜上、図中において矢印によりオーニング1の前後、左右、および上下方向を示している。また、各実施形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、装置の構造材料としては、特に明示しない限り一般的な構造材料(金属、樹脂、木材等)が用いられる。
【0016】
このオーニング1は、展開・収納可能なシート状(布製、樹脂製等)のキャンバスを備えており、当該キャンバスが展開された状態で日よけ・雨よけ作用をなす装置である。一例として、レストラン、ホテル等の商業施設や住宅におけるテラスやガーデン等において使用される。
【0017】
構成例として、オーニング1は、前後に立設される2本の支柱10A、10Bと、当該2本の支柱10A、10Bの上部(具体的には、当該上部に設けられる支持部11A、11B)に回転可能に架け渡される1つの巻回ローラ12と、を備えて構成されている。なお、
図1に示すように支柱10A、10Bに化粧板13A、13Bを装着する構成としてもよく、
図2に示すように支柱10A、10Bに化粧板を装着しない構成としてもよい。
【0018】
また、上記のキャンバスとして、正面視で左側に展開される第1キャンバス14A、および右側に展開される第2キャンバス14Bが設けられている。
図3に示すように、この第1キャンバス14Aおよび第2キャンバス14Bは、相互の面同士を重ねた状態で1つの巻回ローラ12によって巻取りおよび巻出しが行われる構成となっている。なお、巻回ローラ12には、第1キャンバス14Aおよび第2キャンバス14Bの巻取り方向に常時付勢する(すなわち、回転力を付与する)付勢部材(一例として、ゼンマイバネ)が内装されている(不図示)。
【0019】
ここで、従来のオーニングは、左側のキャンバスの巻取り・巻出しを行う巻回ローラと、右側のキャンバスの巻取り・巻出しを行う巻回ローラとの2つの巻回ローラが設けられる構成であった。そのため、部品点数が多く、装置構造が複雑となる課題があった。これに対し、本願発明者は、上記のように左側の第1キャンバス14Aと右側の第2キャンバス14Bとをそれぞれ別の巻回ローラではなく、1つの巻回ローラ12で巻取り・巻出しを行う構成によってその解決を図った。その結果、確かに当該構成によって、部品点数の削減や構造の簡素化が可能となった。しかし、1つの巻回ローラ12からそれぞれ逆方向に巻出される左側の第1キャンバス14Aと右側の第2キャンバス14Bとの高さ位置、より具体的には巻出し位置(巻回ローラ12から離れる位置)が異なる状態となってしまい、見た目においてアンバランスで整然としない印象を与えてしまうことが新たな課題として生じることとなった。
【0020】
これに対し、本実施形態においては、巻回ローラ12の中心軸に対して正面視で左側の位置に回転可能に配設されて第1キャンバス14Aが掛け回される第1ローラ16A、および右側の位置に回転可能に配設されて第2キャンバス14Bが掛け回される第2ローラ16Bが設けられている。ここで、第1ローラ16Aと第2ローラ16Bとは、それぞれの上面(すなわち、最上部となる位置)が同一高さとなるように配設されている。
【0021】
この構成によれば、1つの巻回ローラ12で左側の第1キャンバス14Aと右側の第2キャンバス14Bとを展開(巻出し)・収納(巻取り)をすることができる。さらに、1つの巻回ローラ12からそれぞれ逆方向に巻出される左側の第1キャンバス14Aと右側の第2キャンバス14Bとの高さ位置(巻出し位置)を一致させることができる。したがって、装置構造の簡素化を図りつつ、整然とした印象を与えることができ、高級感を醸成することができる。
【0022】
次に、本実施形態に係るオーニング1は、第1キャンバス14Aの先端部14aが固定される第1フレーム20Aと、当該第1フレーム20Aに一端22aが連結されて第1フレーム20Aを往復動(一端22aが巻回ローラ12に離反・接近する移動)させることにより第1キャンバス14Aの展開・収納を行う第1アーム22Aと、を備えて構成されている。なお、第1アーム22Aは、支柱10A、10Bに回動可能に連結される第1吊りアーム24Aによって中間部が回動可能に吊り下げ支持されている。同様に、第2キャンバス14Bの先端部14bが固定される第2フレーム20Bと、当該第2フレーム20Bに一端22cが連結されて第2フレーム20Bを往復動(一端22cが巻回ローラ12に離反・接近する移動)させることにより第2キャンバス14Bの展開・収納を行う第2アーム22Bと、を備えて構成されている。なお、第2アーム22Bは、支柱10A、10Bに回動可能に連結される第2吊りアーム24Bによって中間部が回動可能に吊り下げ支持されている。本実施形態においては、巻回ローラ12の軸方向における両端側に、それぞれ、第1アーム22A、第1吊りアーム24A、第2アーム22B、および、第2吊りアーム24Bが設けられている。
【0023】
さらに、第1アーム22Aの他端22bが回動可能に連結されると共に、第2アーム22Bの他端22dが回動可能に連結されることにより、第1アーム22Aおよび第2アーム22Bを同時に操作する1つの操作部30と、当該操作部30を上下動可能にガイドする1つのガイドレール32とを備えて構成されている。本実施形態においては、巻回ローラ12の軸方向における両端側、具体的には支柱10Aおよび支柱10Bのそれぞれにガイドレール32が固定されると共に、それぞれのガイドレール32に対して上下動(上下方向のスライド移動)可能なように操作部30が取り付けられている。なお、変形例として、巻回ローラ12の軸方向における一端側のみ(すなわち、支柱10Aもしくは支柱10Bの一方のみ)にガイドレール32および操作部30が設けられる構成としてもよい(不図示)。
【0024】
この構成によれば、1つの支柱(10Aもしくは10B)当たり、1つのガイドレール32および1つの操作部30を備える構成によって、第1アーム22Aおよび第2アーム22Bの両方を作動、すなわち、第1キャンバス14Aおよび第2キャンバス14Bの両方を展開・収納することができるため、従来の構成と比較して、部品点数の削減による装置構造の簡素化およびコストダウンを図ることができる。
【0025】
ここで、本実施形態に係る操作部30は、
図4(b)に示すように、いずれも巻回ローラ12の中心軸に対して平行方向の中心軸を有して、ガイドレール32の左側面(具体的には、左側面を構成する部材の外面)に回転可能に当接する左ガイドローラ34、およびガイドレール32の右側面(具体的には、右側面を構成する部材の外面)に回転可能に当接する右ガイドローラ36を備えて構成されている。これと共に、巻回ローラ12の中心軸に対して直交方向(厳密には、直交方向に対して平行となる方向)の中心軸を有してガイドレール32の前面(具体的には、前面を構成する部材の内面)および後面(具体的には、後面を構成する部材の内面)の少なくとも一方に回転可能に当接する中央ガイドローラ38を備えて構成されている。なお、操作部30には、操作者が把持して操作するための把手31、および、所定位置(展開位置、収納位置)で操作部30を固定するためのストッパ33が取り付けられている。
【0026】
この構成によれば、操作部30の上下動を軽い力で、且つ、スムーズに行うことが可能となる。単に操作部30とガイドレール32とが摺動(摺接)する構造にしてしまうと、操作部30の上下動の際、第1アーム22Aの他端22bから操作部30に印加される荷重(右方向成分)によって摺動抵抗が増大してしまうが、左ガイドローラ34を備える構成によって当該摺動抵抗を低減できる。これと同様に、操作部30の上下動の際、第2アーム22Bの他端22dから操作部30に印加される荷重(左方向成分)によって摺動抵抗が増大してしまうが、右ガイドローラ36を備える構成によって当該摺動抵抗を低減できる。さらに、操作部30の上下動の際、当該操作部30に印加される操作者の力(前後方向成分)によって摺動抵抗が増大してしまうが、中央ガイドローラ38を備える構成によって当該摺動抵抗を低減できる。
【0027】
ここで、操作者が操作部30を操作して、第1キャンバス14Aおよび第2キャンバス14Bを展開・収納する動作は以下のようになる。具体的に、第1キャンバス14Aおよび第2キャンバス14Bが収納された状態(
図1(b)、
図2(b)参照)から、展開された状態(
図1(a)、
図2(a)参照)とする場合、操作者が操作部30の把手31を把持して、下方から上方へ移動する動作を行う。これにより、操作部30に連結された第1アーム22Aの他端22bおよび第2アーム22Bの他端22dが上昇する。このとき、第1吊りアーム24Aを含むリンク機構の作用によって、第1アーム22Aの一端22aに連結された第1フレーム20Aが巻回ローラ12から離反する方向に移動して、第1キャンバス14Aが展開される。同時に、第2吊りアーム24Bを含むリンク機構の作用によって、第2アーム22Bの一端22cに連結された第2フレーム20Bが巻回ローラ12から離反する方向に移動して、第2キャンバス14Bが展開される。
【0028】
一方、第1キャンバス14Aおよび第2キャンバス14Bが展開された状態(
図1(a)、
図2(a)参照)から、収納された状態(
図1(b)、
図2(b)参照)とする場合、操作者が操作部30の把手31を把持して、上方から下方へ移動する動作を行う。これにより、操作部30に連結された第1アーム22Aの他端22bおよび第2アーム22Bの他端22dが下降する。このとき、第1吊りアーム24Aを含むリンク機構の作用によって、第1アーム22Aの一端22aに連結された第1フレーム20Aが巻回ローラ12へ接近する方向に移動して、第1キャンバス14Aが収納される。同時に、第2吊りアーム24Bを含むリンク機構の作用によって、第2アーム22Bの一端22cに連結された第2フレーム20Bが巻回ローラ12へ接近する方向に移動して、第2キャンバス14Bが収納される。なお、前述の通り、巻回ローラ12には、第1キャンバス14Aおよび第2キャンバス14Bの巻取り方向に常時付勢する付勢部材が設けられているため、第1キャンバス14Aおよび第2キャンバス14Bを撓まないように収納することができると共に、操作部30を操作する力を軽減することができる。
【0029】
次に、本実施形態に係るオーニング1は、下端部(具体的には、支柱10A、10Bの下端部)において、正面視で左右両側にスライド移動により伸縮する支持脚40A、40Bを備えて構成されている。
【0030】
この構成によれば、移動時に支持脚40A、40Bを縮めることができるため、容易に移動を行うことができる。一方、設置時に支持脚40A、40Bを伸ばすことができるため、第1キャンバス14A、第2キャンバス14Bが風を受けた際の転倒を防止して、安定した設置を実現することができる。さらに、スライド式の伸縮構造により、整然とした印象を与えることができ、高級感を醸成することができる。なお、変形例として、支持脚40A、40Bを備える移動式の構成に代えて、支柱10A、10Bの下端部を直接、地中に埋設する非移動式(固定式)の構成としてもよい(不図示)。
【0031】
以上、説明した通り、本発明によれば、部品点数を削減して、装置構造の簡素化およびコストダウンを図ることができると共に、整然とした印象を与え、高級感を醸成することができるオーニングの実現が可能となる。
【0032】
なお、本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、本発明を逸脱しない範囲において種々変更が可能である。
【符号の説明】
【0033】
1 オーニング
12 巻回ローラ
14A 第1キャンバス
14B 第2キャンバス
16A 第1ローラ
16B 第2ローラ
20A 第1フレーム
20B 第2フレーム
22A 第1アーム
22B 第2アーム
30 操作部
32 ガイドレール
34 左ガイドローラ
36 右ガイドローラ
38 中央ガイドローラ