特開 2023-132204 地山補強管及び地山補強方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023132204

(43)【公開日】2023-09-22

(54)【発明の名称】地山補強管及び地山補強方法

(51)【国際特許分類】

   E21D 9/04 20060101AFI20230914BHJP

【ＦＩ】

E21D9/04 F

【審査請求】未請求

【請求項の数】3

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022037391

(22)【出願日】2022-03-10

(71)【出願人】

【識別番号】591029921

【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】110003340

【氏名又は名称】弁理士法人湧泉特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】扇畑 邦史

【テーマコード（参考）】

2D054

【Ｆターム（参考）】

2D054AB07

2D054AC20

2D054FA07

2D054GA08

2D054GA10

2D054GA36

(57)【要約】

【課題】トンネル周辺の地山を補強する補助工法において、地山補強管の地山への打ち込みを簡易に行うことができる地山補強管及び地山補強方法を提供する。
【解決手段】地山補強管１０は、管軸方向へ一列に連なる複数の管体１１によって構成されている。これら管体１１は、管軸方向の一端側に配置されるものであるほど大径であり、隣接する２つの管体のうち小径側の管体の外周に大径側の管体が管軸方向へスライド可能に嵌められ、地山補強管１０が伸縮可能になっている。地山補強管１０を収縮状態にしてドリルジャンボ４０のガイドセル４１に搭載する。その後、ドリルジャンボ４０によって、管体１１Ｄ～１１Ａを互いに管軸方向へずらすようにして、地山補強管１０を伸長させながら地山２へ打ち込む。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

管軸方向へ一列に連なる複数の管体によって構成され、トンネル周辺の地山に打ち込まれる地山補強管であって、
前記複数の管体が、前記管軸方向の一端側に配置されるものであるほど大径であり、隣接する２つの管体のうち小径側の管体の外周に大径側の管体が前記管軸方向へスライド可能に嵌められていることを特徴とする地山補強管。

【請求項2】

前記小径側の管体の前記一端側の端部には第１係止部が設けられ、前記大径側の管体の前記管軸方向の他端側の端部には、前記第１係止部と係止されて前記２つの管体どうしを抜け止めする第２係止部が設けられていることを特徴とする請求項１に記載の地山補強管。

【請求項3】

請求項１又は２に記載の地山補強管によるトンネル周辺の地山の補強方法であって、
前記地山補強管を構成する前記複数の管体を、互いに管径方向に重ねた収縮状態にしてドリルジャンボのガイドセルに搭載し、
その後、前記ドリルジャンボによって、前記複数の管体を互いに前記管軸方向へずらすようにして、前記地山補強管を伸長させながら地山へ打ち込むことを特徴とする地山補強方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、トンネル周辺の地山に打ち込まれることによって地山を補強する地山補強管、及びそのような地山補強管によって地山を補強する方法に関し、特に、ＮＡＴＭ（New Austrian Tunneling Method）工法によるトンネル施工の補助工法として適用される地山補強管及び地山補強方法に関する。

【背景技術】

【0002】

トンネル施工の補助工法の１つであるＡＧＦ（All Ground Fasten）工法においては、数ｍの長さの鋼管を４本程度、一列に順次継ぎ足しながら、ドリルジャンボによって切羽前方の地山に打ち込み、地山を先受け補強する。
継ぎ足しの際は、次に打設する後続の鋼管をドリルジャンボのガイドセルに据え付け、打ち込み済みの鋼管に対して一直線になるよう、ドリルジャンボを操作したうえで、直前に打ち込んだ鋼管の尾端に後続の鋼管の先端をネジ接合等によって連結する。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０２０－０６６９０８号公報

【特許文献2】特開２０２１－１５６１１７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

この種のトンネル補助工法における鋼管継ぎ足し作業は煩雑で時間がかかり、ある程度の熟練を要する。
本発明は、かかる事情に鑑み、一列をなす複数の鋼管（管体）からなる地山補強管によってトンネル周辺の地山を補強する補助工法において、地山への打ち込み作業を簡易化できる地山補強管及び地山補強方法を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0005】

前記課題を解決するため、本発明は、管軸方向へ一列に連なる複数の管体によって構成され、トンネル周辺の地山に打ち込まれる地山補強管であって、
前記複数の管体が、前記管軸方向の一端側に配置されるものであるほど大径であり、隣接する２つの管体のうち小径側の管体の外周に大径側の管体が前記管軸方向へスライド可能に嵌められていることを特徴とする。

【0006】

好ましくは、前記地山補強管は、前記小径側の管体の前記一端側の端部には第１係止部が設けられ、前記大径側の管体の前記管軸方向の他端側の端部には、前記第１係止部と係止されて前記２つの管体どうしを抜け止めする第２係止部が設けられている。

【0007】

本発明方法は、前記地山補強管によるトンネル周辺の地山の補強方法であって、
前記地山補強管を構成する前記複数の管体を、互いに管径方向に重ねた収縮状態にしてドリルジャンボのガイドセルに搭載し、
その後、前記ドリルジャンボによって、前記複数の管体を互いに前記管軸方向へずらすようにして、前記地山補強管を伸長させながら地山へ打ち込むことを特徴とする。

【発明の効果】

【0008】

本発明によれば、トンネル補助工法において、一列をなす複数の鋼管（管体）からなる地山補強管の地山への打ち込み作業を簡易かつ効率的に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】図１は、本発明の第１実施形態に係る先受け鋼管（地山補強管）をトンネル切羽前方の地山へ打ち込み済みの状態で示す、施工中のトンネルの断面図である。

【図2】図２（ａ）～図２（ｄ）は、前記先受け鋼管の伸長過程を順次示す断面図である。

【図3】図３（ａ）は、前記先受け鋼管の隣接する管体の抜け止め構造の一例を示す、図２の円部ＩＩＩの拡大断面図である。図３（ｂ）は、前記抜け止め構造の変形例を示す拡大断面図である。

【図4】図４（ａ）～図４（ｃ）は、前記先受け鋼管の打ち込み過程を順次示す、施工中のトンネルの断面図である。

【図5】図５（ａ）～図５（ｃ）は、前記先受け鋼管の打ち込み過程を順次示す、施工中のトンネルの断面図である。

【図6】図６（ａ）～図６（ｂ）は、前記先受け鋼管の打ち込み過程を順次示す、施工中のトンネルの断面図である。

【図7】図７（ａ）～図７（ｄ）は、本発明の第２実施形態に係る先受け鋼管（地山補強管）の伸長過程を順次示す断面図である。

【図8】図８は、本発明の第３実施形態を示し、図８（ａ）は、先受け鋼管の隣接する管体どうしが抜け止めされる前の状態の断面図である。図８（ｂ）は、前記隣接する管体どうしが抜け止めされた状態の断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0010】

以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図１は、ＮＡＴＭ工法によって施工中のトンネル１を示したものである。地山２が掘削されてトンネル１が構築されている。トンネル施工においては、補助工法の１つであるＡＧＦ工法によって、トンネル１の切羽１ｅの前方（トンネル周辺）の地山に先受け鋼管１０（地山補強管）が打ち込まれている。

【0011】

図１に示すように、先受け鋼管１０は、４つ（複数）の管体１１によって構成されている。これら管体１１が管軸方向へ一列に連なっている。４つ（複数）の管体１１を互いに区別するときは、管軸方向の先端側（一端側、図１において右側）のものから尾端側（他端側、図１において左側）のものへ、それぞれ符号にＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄを付す。これら管体１１は、互いに管径が異なっており、管軸方向の先端側（一端側）に配置されるものであるほど大径である。つまり、管体１１Ｄ、管体１１Ｃ、管体１１Ｂ、管体１１Ａの順に管径が大きくなっている。

【0012】

図２（ａ）～図２（ｄ）に示すように、隣接する２つの管体１１Ａ，１１Ｂどうしにおける、小径側の管体１１Ｂの外周に大径側の管体１１Ａが管軸方向へスライド可能に嵌められている。管体１１Ｂ，１１Ｃどうし及び管体１１Ｃ，１１Ｄどうしも同様である。これによって、管体１１Ａ～１１Ｄが入れ子構造になっており、先受け鋼管１０が伸縮可能になっている。

【0013】

図１に示すように、地山２に打ち込まれた先受け鋼管１０は、伸長されて長尺になっている。伸長された先受け鋼管１０の管長は、例えば１２メートル程度であるが、本発明がこれに限定されるものではない。

【0014】

図３（ａ）に示すように、隣接する２つの管体１１Ａ，１１Ｂのうち、小径側の管体１１Ｂの先端部（管軸方向の一端側の端部）には、第１係止部２１が設けられている。大径側の管体１１Ａの尾端部（管軸方向の他端側の端部）には、第２係止部２２が設けられている。長尺先受け鋼管１０を伸長させたとき、第１係止部２１と第２係止部２２とが突き当たって係止される。これによって、管体１１Ａ，１１Ｂどうしが抜け止めされる。
図示は省略するが、管体１１Ｂ，１１Ｃどうし及び管体１１Ｃ，１１Ｄどうしの抜け止め構造も同様である。

【0015】

図３（ａ）に示すように、例えば、第１係止部２１は、小径側の管体１１Ｂの先端部の外周面から径方向外側へ突出する段差状の環状凸部２１ａによって構成されている。第２係止部２２は、大径側の管体１１Ａの尾端部の内周面から径方向内側へ突出する段差状の環状凸部２２ａによって構成されている。

【0016】

図３（ｂ）に示すように、第１係止部２１が、小径側の管体１１Ｂの先端部の外周に設けられた外周テーパ部２１ｂによって構成されていてもよい。第２係止部２２が、大径側の管体１１Ａの尾端部の内周に設けられた内周テーパ部２２ｂによって構成されていてもよい。外周テーパ部２１ｂは、管体１１Ｂの先端面１２へ向かって拡径するテーパになっている。内周テーパ部２２ｂは、管体１１Ａの尾端面１３へ向かって縮径するテーパになっている。

【0017】

管体１１の材質は、普通鋼でもよく、高張力鋼でもよい。管体１１を高張力鋼によって構成すれば、管体１１の厚みが小さくても所要強度を確保でき、軽量化することができる。
各管体１１の端部には、隣接する管体との連結用のネジを形成する必要が無いから、厚みを一層小さくでき、一層軽量にできる。

【0018】

先受け鋼管１０は、次のようにして打設される。
図２（ａ）及び図４（ａ）に示すように、４つ（複数）の管体１１を互いに管径方向に重ねることによって、先受け鋼管１０を収縮状態にする。収縮状態の先受け鋼管１０をドリルジャンボ４０のガイドセル４１に搭載する。先受け鋼管１０の内部に削孔ロッド５１を挿通する。先頭管体１１Ａの先端にはビットアダプタ５２を介して削孔ビット５０を設ける。削孔ロッド５１の先端をビットアダプタ５２に連結する。削孔ロッド５１の尾端はドリフタ４２に連結する。

【0019】

図２（ａ）に示すように、最後尾の管体１１Ｄの尾端には、接合手段によって係止板１５を接合する。接合手段としては、ネジ結合、嵌合、溶接等が挙げられる。

【0020】

その後、図４～図６に示すように、ドリルジャンボ４０によって、管体１１Ｄ～１１Ａを互いに管軸方向へずらすようにして先受け鋼管１０を伸長させながら地山２へ打ち込む。
詳しくは、図４（ａ）～図４（ｂ）に示すように、ドリフタ４２をガイドセル４１に沿って前進させることによって、削孔ビット５０によって切羽１ｅの前方の地山２を掘削しながら、先受け鋼管１０を地山２に打ち込む。

【0021】

このとき、先頭管体１１Ａが削孔ビット５０と共に前進される。残りの管体１１Ｂ，１１Ｃ，１１Ｄは、先頭管体１１Ａとの直接又は間接的な摩擦や引っ掛かり等の係合によって、先頭管体１１Ａと共に前進される。管体１１Ｂ～１１Ｄが、係止板１５に押されて前進されてもよい。したがって、図４（ｂ）に示すように、収縮状態の先受け鋼管１０の４つ（複数）の管体１１が一体になって削孔ビット５０と共に前進される。これによって、先受け鋼管１０が、収縮状態のままで地山２に打ち込まれる。

【0022】

続いて、図４（ｃ）に示すように、ドリフタ４２を削孔ロッド５１から切り離してガイドセル４１に沿って後退させる。
次に、図４（ｃ）おいて二点鎖線にて示すように、削孔ロッド５１をロッドチェンジャー（図示せず）によって継ぎ足す。このとき、管体の継ぎ足し作業は不要である。

【0023】

次に、図４（ｃ）～図５（ａ）に示すように、ドリフタ４２を再びガイドセル４１に沿って前進させることによって、削孔ビット５０によって切羽１ｅの前方の地山２を掘削しながら、先受け鋼管１０の打ち込みを進める。このとき、図２（ａ）～図２（ｂ）に示すように、先頭管体１１Ａは、削孔ビット５０と共に前進される。中間管体１１Ｂ，１１Ｃは、先頭管体１１Ａとの係合によって、先頭管体１１Ａと共に前進される。最後尾の管体１１Ｄは、係止板１５を介してセントラライザ４３に突き当たって前進を阻止される。これによって、管体１１Ｄに対して、管体１１Ａ～１１Ｃが管軸方向の先端側へずれ、先受け鋼管１０が、管体１１の１本分の長さだけ伸長される。

【0024】

続いて、図５（ｂ）に示すように、ドリフタ４２を後退させて、削孔ロッド５１の継ぎ足しを行なう。このときも、管体の継ぎ足し作業は不要である。

【0025】

次に、図５（ｂ）～図５（ｃ）に示すように、ドリフタ４２を再び前進させることによって、先受け鋼管１０の打ち込みを進める。このとき、図２（ｂ）～図２（ｃ）に示すように、先頭管体１１Ａは、削孔ビット５０と共に前進される。先頭から二番目の管体１１Ｂは、先頭管体１１Ａとの係合によって、先頭管体１１Ａと共に前進される。先頭から三番目の管体１１Ｃは、その第２係止部２２が尾端管体１１Ｄの第１係止部２１と突き当たることによって前進を阻止され（図３参照）、三番目の管体１１Ｃと先頭管体１１Ａとの前記係合が解除される。これによって、管体１１Ｃに対して、管体１１Ａ，１１Ｂが管軸方向の先端側へずれ、先受け鋼管１０が更に伸長される。

【0026】

続いて、図６（ａ）に示すように、再度ドリフタ４２を後退させて、削孔ロッド５１の継ぎ足しを行なう。このときも、管体の継ぎ足し作業は不要である。

【0027】

次に、図６（ａ）～図６（ｂ）に示すように、ドリフタ４２を再び前進させることによって、先受け鋼管１０の打ち込みを進める。図２（ｃ）～図２（ｄ）に示すように、先頭管体１１Ａは、削孔ビット５０と共に前進される。先頭から二番目の管体１１Ｂは、その第２係止部２２が先頭から三番目の管体１１Ｃの第１係止部２１と突き当たることによって前進を阻止され（図３参照）、二番目の管体１１Ｂと先頭管体１１Ａとの前記係合が解除される。これによって、管体１１Ｂに対して管体１１Ａが管軸方向の先端側へずれ、先受け鋼管１０が更に伸長される。

【0028】

やがて、図３に示すように、先頭管体１１Ａの第２係止部２２が先頭から二番目の管体１１Ｂの第１係止部２１と突き当たる。これによって、図２（ｄ）及び図６（ｂ）に示すように、先受け鋼管１０が最大伸長状態となり、先受け鋼管１０の打ち込みが終了する。

【0029】

その後、図１に示すように、先受け鋼管１０内から削孔ロッド５１を引き抜き、ドリルジャンボ４０を先受け鋼管１０から分離する。
このように、伸縮式の先受け鋼管１０によれば、打ち込み施工の際の管体継ぎ足し作業を省略できる。したがって、打ち込み施工を簡易かつ効率的に行なうことができる。

【0030】

次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する構成に関しては、図面に同一符号を付して説明を省略する。
＜第２実施形態（図７）＞
図７に示すように、先受け鋼管１０の打ち込みの際、管体１１が先端側のものから順次前進されることで、先受け鋼管１０が伸長されるようになっていてもよい。
詳しくは、図７（ａ）～図７（ｂ）に示すように、打ち込み当初は、削孔ビット５０と共に先頭管体１１Ａだけが前進され、他の管体１１Ｂ～１１Ｄは元の位置にとどまっている。

【0031】

やがて、図７（ｂ）に示すように、先頭管体１１Ａの第２係止部２２が先頭から二番目の管体１１Ｂの第１係止部２１に突き当たる（図３参照）。以後、図７（ｂ）～図７（ｃ）に示すように、二番目の管体１１Ｂが先頭管体１１Ａと共に前進される。

【0032】

次いて、図７（ｃ）に示すように、管体１１Ｂの第２係止部２２が先頭から三番目の管体１１Ｃの第１係止部２１に突き当たる（図３参照）。以後、図７（ｃ）～図７（ｄ）に示すように、三番目の管体１１Ｃが先頭管体１１Ａ及び二番目の管体１１Ｂと共に前進される。これによって、図７（ｄ）に示すように、先受け鋼管１０が伸長状態となる。

【0033】

＜第３実施形態（図８）＞
図８に示すように、本発明の第３実施形態は、隣接する管体どうしの抜け止め構造の変形例に係る。
図８（ａ）に示すように、隣接する管体１１Ａ，１１Ｂのうち、大径側の管体１１Ａの尾端部には、第２係止部２２が形成されている。第２係止部２２は、環状係止凹部２３と、テーパ状案内部２４とを含む。

【0034】

詳しくは、大径側の管体１１Ａの尾端部は、全周にわたって径方向内側へ隆起されている。該隆起部２２ｅの内周面に、環状係止凹部２３が形成されている。環状係止凹部２３よりも尾端面１３側の隆起部２２ｅが、小径側の管体１１Ｂの外周面とほぼ接している。環状係止凹部２３よりも尾端面１３とは反対側（図８（ａ）において右側）の隆起部２２ｅは、環状係止凹部２３から管軸方向へ遠ざかるにしたがって隆起高さが漸減されることによって、テーパ状案内部２４を構成している。テーパ状案内部２４の内周面は、管体１１Ａの管軸方向の中央側へ向かって拡径するテーパ面２４ａとなっている。テーパ面２４ａが、管体１１Ａのストレートな円筒面状の内周面１４と鈍角をなすように連なっている。

【0035】

隣接する管体１１Ａ，１１Ｂのうち、小径側の管体１１Ｂの先端部には、環状凸部２１ａを有する第１係止部２１が形成されている。環状凸部２１ａが、管体１１Ａの内周面１４とほぼ接している。

【0036】

図８（ａ）に示すように、先受け鋼管１０（地山補強管）の打ち込み前～打ち込み途中の段階では、管体１１Ａ，１１Ｂどうしが管軸方向へ相対スライド可能になっている。相対スライドに伴って、小径側の管体１１Ｂの環状凸部２１ａが、大径側の管体１１Ａの内周面１４上を摺動される。かつ、大径側の管体１１Ａの尾端面１３側の隆起部２２ｅが、小径側の管体１１Ｂの外周面上を摺動される。

【0037】

打ち込みによって、大径側の管体１１Ａが、小径側の管体１１Ｂに対して、管軸方向の先端側（図８（ａ）の白抜き矢印方向）へスライドされると、やがて、環状凸部２１ａがテーパ状案内部２４のテーパ面２４ａに乗り上げる。これによって、管体１１Ａの尾端部及び管体１１Ｂの先端部が管径方向へ弾性変形される。

【0038】

更に打ち込みが進むことによって、図８（ｂ）に示すように、環状凸部２１ａが、テーパ状案内部２４を乗り越えて、環状係止凹部２３に嵌る。これと同時に、管体１１Ａの尾端部及び管体１１Ｂの先端部が弾性復帰される。これによって、第１係止部２１と第２係止部２２とが、係止解除不能に係止される。したがって、隣接する管体１１Ａ，１１Ｂどうしが抜け止めされるだけでなく、相対スライドをも規制される。

【0039】

図示は省略するが、第３実施形態における管体１１Ｂ，１１Ｃどうし及び管体１１Ｃ，１１Ｄどうしについても、図８と同様の連結構造になっている。これによって、第３実施形態によれば、先受け鋼管１０を最大長さになるまで打ち込んだ後は、先受け鋼管１０の収縮を阻止することができる。

【0040】

本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、本発明は、ＡＧＦ工法に限らず、鏡ボルト工法にも適用可能である。地山補強管は、ＡＧＦ工法の先受け鋼管に限らず、鏡ボルトであってもよい。

【産業上の利用可能性】

【0041】

本発明は、例えばトンネル施工の際にトンネル周辺の地山を補強するＡＧＦ工法、鏡ボルト工法などの補助工法に適用可能である。
に適用できる。

【符号の説明】

【0042】

１ トンネル
２ 地山
１ｅ 切羽
１０ 先受け鋼管（地山補強管）
１１，１１Ａ～１１Ｄ 管体
１２ 先端面
１３ 尾端面
１４ 内周面
１５ 係止板
２１ 第１係止部
２１ａ 環状凸部
２１ｂ 外周テーパ部
２２ 第２係止部
２２ａ 環状凸部
２２ｂ 内周テーパ部
２２ｅ 隆起部
２３ 環状係止凹部
２４ テーパ状案内部
２４ａ テーパ面
４０ ドリルジャンボ
４１ ガイドセル
４２ ドリフタ
４３ セントラライザ
５０ 削孔ビット
５１ 削孔ロッド
５２ ビットアダプタ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】