(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013225
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】エレベータ
(51)【国際特許分類】
B66B 1/50 20060101AFI20230119BHJP
B66B 11/02 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B66B1/50 A
B66B11/02 N
B66B1/50 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117238
(22)【出願日】2021-07-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-21
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207826
【弁理士】
【氏名又は名称】尾畑 誠治
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 稔
【テーマコード(参考)】
3F306
3F502
【Fターム(参考)】
3F306CB05
3F306CB36
3F502JA06
3F502JA53
3F502KA02
3F502MA01
3F502MA12
3F502MA16
3F502MA22
3F502MA25
3F502MA42
3F502MA43
(57)【要約】
【課題】非接触式操作入力部を設ける場合において、停止数が多いエレベータであっても、エレベータ用操作盤の大型化を抑制しつつ利用者の利便性も向上させることができるエレベータを提供する。
【解決手段】第1エレベータ用操作盤及び第2エレベータ用操作盤は、非接触で検出することにより行先階登録を受けつけるための非接触式操作入力部を備え、第2エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階は、第1エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階と異なり、非接触式操作入力部は、当該非接触式操作入力部から予め設定された距離だけ離れた検知領域Pを検知するように構成され、第1エレベータ用操作盤及び第2エレベータ用操作盤は、それぞれに備えられた非接触操作入力部の検知領域Pが互いに干渉しないように、第1エレベータ用操作盤は袖壁に配置され、第2エレベータ用操作盤は袖壁に隣接する側壁に配置される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ用昇降路を移動する乗りかごと、
前記乗りかごは、乗降口と乗降口の左右の少なくとも一方に設けられる袖壁と前記袖壁に隣接する側壁と、
行先階登録を行うために用いる第1エレベータ用操作盤及び第2エレベータ用操作盤と
を備え、
前記第1エレベータ用操作盤及び前記第2エレベータ用操作盤は、非接触で検出することにより前記行先階登録を受けつけるための非接触式操作入力部を備え、
前記第2エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階は、前記第1エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階と異なり、
前記非接触式操作入力部は、当該非接触式操作入力部から予め設定された距離だけ離れた検知領域を検知するように構成され、
前記第1エレベータ用操作盤及び前記第2エレベータ用操作盤は、それぞれに備えられた前記非接触操作入力部の前記検知領域が互いに干渉しないように、前記第1エレベータ用操作盤は前記袖壁に配置され、前記第2エレベータ用操作盤は前記袖壁に隣接する側壁に配置される、
エレベータ。
【請求項2】
前記検知領域は、前記非接触操作入力部から第2所定距離離れた領域より前記非接触操作入力部側の領域を含み、
前記第1エレベータ用操作盤に設けられる前記非接触操作入力部の前記第2所定距離は、前記袖壁から前記第2エレベータ用操作盤に設けられる前記非接触操作入力部までの離隔距離より小さく、
且つ、
前記第2エレベータ用操作盤に設けられる前記非接触操作入力部の前記第2所定距離は、前記側壁から前記第1エレベータ用操作盤に設けられる前記非接触操作入力部までの離隔距離より小さい、
請求項1に記載のエレベータ。
【請求項3】
前記第2エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階は、前記第1エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階より、上側階の行先階である、
請求項1又は2に記載のエレベータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータに関し、特に、非接触式かご操作盤を備えたエレベータに関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータのかご内には、エレベータ用操作盤が設置される。エレベータ用操作盤には、行先階の数字などを表示した行先階釦が設けられている。乗客は、例えば、行先階釦を操作することで、昇降路を移動するかごの行先階を登録する。この行先階釦には、押し釦やタッチパネルのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)といった接触式のものが広く採用されている。
【0003】
また、近年では、公共施設等に設置されるエレベータにおいて、衛生面への配慮から、かごの行先階登録の操作を非接触で行うことが可能な非接触式のかご操作盤も導入されつつある。この種のかご操作盤では、乗客による行先階登録の操作を、距離センサや光電センサによって非接触で検出することとしている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような非接触式のかご操作盤として使用するセンサは、近接して設置すると誤反応しやすくなる。一方、エレベータの停止階数が多くなると、かご操作盤に多くの行先階登録用のセンサを設ける必要がある。
【0006】
しかしながら、1列で配置すると上下方向に収まりきらなくなる(最上階登録用センサの位置が高過ぎる、あるいは、最下階登録用センサの位置が低過ぎる)という問題があった。
【0007】
また、2列あるいはそれ以上に、並列して配置する場合、誤反応しない距離に離してセンサを配置すると、エレベータ用操作盤の幅が広くなり、袖壁に収まらないという問題があった。
【0008】
本発明では、非接触式操作入力部を設ける場合において、停止数が多いエレベータであっても、エレベータ用操作盤の大型化を抑制しつつ利用者の利便性も向上させることができるエレベータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のエレベータは、 エレベータ用昇降路を移動する乗りかごと、乗りかごは、乗降口と乗降口の左右の少なくとも一方に設けられる袖壁と袖壁に隣接する側壁と、行先階登録を行うために用いる第1エレベータ用操作盤及び第2エレベータ用操作盤とを備え、 第1エレベータ用操作盤及び第2エレベータ用操作盤は、非接触で検出することにより行先階登録を受けつけるための非接触式操作入力部を備え、第2エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階は、第1エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階と異なり、非接触式操作入力部は、当該非接触式操作入力部から予め設定された距離だけ離れた検知領域を検知するように構成され、第1エレベータ用操作盤及び第2エレベータ用操作盤は、それぞれに備えられた非接触操作入力部の検知領域が互いに干渉しないように、第1エレベータ用操作盤又は袖壁に配置され、第2エレベータ用操作盤は袖壁に隣接する側壁に配置される。
【0010】
また、本発明のエレベータにおいて、検知領域は、非接触操作入力部から第2所定距離離れた領域より非接触操作入力部側の領域を含み、第1エレベータ用操作盤に設けられる非接触操作入力部の第2所定距離は、袖壁から第2エレベータ用操作盤に設けられる非接触操作入力部までの離隔距離より小さく、且つ、第2エレベータ用操作盤に設けられる非接触操作入力部の第2所定距離は、側壁から第1エレベータ用操作盤に設けられる非接触操作入力部までの離隔距離より小さくても良い。
【0011】
また、本発明のエレベータにおいて、第2エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階は、第1エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階より、上側階の行先階として構成しても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明のエレベータによれば、非接触式操作入力部を設ける場合において、停止数が多いエレベータであっても、エレベータ用操作盤の大型化を抑制しつつ利用者の利便性も向上させることができるエレベータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態であるエレベータの全体構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態であるエレベータの乗りかご内の構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態であるエレベータに適用される第1エレベータ用操作盤の構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態であるエレベータに適用される第2エレベータ用操作盤の構成を示す図である。
【
図5】
図3及び
図4に示すセンサ部と同センサ部の検出領域の位置関係を示す模式図である。
【
図6】本発明の一実施形態であるエレベータの乗りかご内の概略端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態であるエレベータ10について、図面を参照しながら説明する。なお、各図において、図中に示す「X」は駆動シーブ18の軸方向と直交する水平方向Xを示し、「Y」は上下方向Yを示し、「Z」は水平方向X,および上下方向Yに各々直交する水平方向Zを示すものとする。
【0015】
図1に示すように、エレベータ10は、昇降路12の最上部に機械室14を有するトラクション式エレベータであって、例えば、病院や介護施設など公共の建物に設置される。機械室14に設置された巻上機16の駆動シーブ18には、主ロープ20が掛けられており、この主ロープ20の一端部にかご22が連結され、他端部にカウンターウェイト24が連結されている。
【0016】
巻上機16のモータ(不図示)からの回転動力が、動力伝達機構(不図示)を介して駆動シーブ18に伝達され、駆動シーブ18が回転駆動されるとこれに伴って主ロープ20が走行し、主ロープ20に吊り下げられたかご22が、ガイドレール(不図示)に案内されて昇降路を上下方向Yに移動する。
【0017】
エレベータ10が設置された建物には、異なる階毎に乗場26A,26B,26C(以下、特に区別する必要が無い場合は適宜「乗場26」と表記)が設けられており、エレベータ10の運転中、かご22は、現在、着床している階の乗場(
図1では、乗場26C)から、次の行先階の乗場(例えば、乗場26A)までの昇降移動を繰り返す。
【0018】
図2は、かご22内のかご扉22A周辺の構成を示す斜視図である。かご22は、乗降口2の左右に袖壁22-1及び22-2を有する。
図2に2点鎖線で示す位置、すなわち、かご22の乗場26側に設けられた乗降口27側の袖壁22-1に第1エレベータ用操作盤28が設けられている。エレベータ10を利用する乗客が、このかご操作盤28を操作することにより、かご22の行先階が決定される。
【0019】
また、第1エレベータ用操作盤28に加え、袖壁22-1と隣接する側壁22-3に第2エレベータ用操作盤228が設けられる。前記第2エレベータ用操作盤228に設けられる非接触式操作入力部の行先階は、第1エレベータ用操作盤28に設けられる非接触式操作入力部の行先階より、上側階の行先階である。エレベータ10を利用する乗客が、この第2エレベータ用操作盤228を操作することにより、第1エレベータ用操作盤28で登録できる行先階より上側階の行先階が決定される。
【0020】
図3は、第1エレベータ用操作盤28の構成を示す正面図である。
図3に示すように、第1エレベータ用操作盤28は、かご22の行先階を決定する入力操作を行う機能を有する行先階操作部30が中央部に設けられている。行先階操作部30は、非接触式のセンサ部(非接触式操作入力部)32A,32B,32C,…(以下、特に区別する必要が無い場合はセンサ「32」と表記)が上下方向Yに沿って配置される。センサ部32は乗場26を行先階として(呼び)登録するための入力操作を行う機能を有する。
【0021】
また、第1エレベータ用操作盤28には、行先階登録を受けつけたことを利用者に報知する登録報知部33を有する。より具体的には、
図3に示すように、登録報知部33A,33B,33C,…は、行先階を示す数字の形をした透光部とL字状の透光部が設けられており、内部に設けられた不図示のランプが点灯することによって発光可能に構成される。センサ部32が手をかざす動作などを検出することにより行先階の(呼び)登録が行われると登録報知部33が点灯するように構成される。センサ部32を介して入力操作を行った際に、行先階の登録がなされているか否かを利用者が目視確認することができる。
【0022】
図4は、第2エレベータ用操作盤228の構成を示す正面図である。
図4に示すように、第2エレベータ用操作盤228は、かご22の行先階を決定する入力操作を行う機能を有する行先階操作部130が中央部に設けられている。行先階操作部130は、非接触式のセンサ部(非接触式操作入力部)132A,132B,132C,…(以下、特に区別する必要が無い場合はセンサ「132」と表記)が上下方向Yに沿って配置される。センサ部132は乗場26を行先階として(呼び)登録するための入力操作を行う機能を有する。
【0023】
また、第2エレベータ用操作盤228には、行先階登録を受けつけたことを利用者に報知する登録報知部133を有する。より具体的には、
図4に示すように、登録報知部133A,133B,133C,…は、行先階を示す数字の形をした透光部とL字状の透光部が設けられており、内部に設けられた不図示のランプが点灯することによって発光可能に構成される。センサ部132が手をかざす動作などを検出することにより行先階の(呼び)登録が行われると登録報知部133が点灯するように構成される。センサ部132を介して入力操作を行った際に、行先階の登録がなされているか否かを利用者が目視確認することができる。
【0024】
なお、第2エレベータ用操作盤228に設けられるセンサ部132の行先階は、第1エレベータ用操作盤28に設けられるセンサ部32の行先階より上側階の行先階である。
【0025】
各センサ部32、132には矩形状の孔が設けられ、各孔の奥側に上記反射型光電センサがそれぞれ格納される。また、各矩形孔は、透光性を有する保護プレート36A,36B,36C,…によって各々覆われている。また、各センサ部32、132は、投光器と受光器が一体になった反射型光電センサを含み、投光器から光を照射し、受光器が受光する物体からの反射光の受光量の変化に基づいて物体の有無を検出する。
【0026】
本実施形態では、受光器側の受光量(センサの感度)を調整し、予め設定されている検出領域Pの物体を検出可能に構成されている。ここで、
図5は、センサ部32、132と検出領域Pの位置関係を示す模式図である。
図5では、センサ部32、132および検出領域P以外の構成については適宜省略して示している。また、
図5では、ハッチングを付して検出領域Pを図示している。
【0027】
図5に示すように、検出領域Pは、センサ部32、132から水平方向Xに第1所定距離L1min,L2minだけ離れた位置から水平方向Xに第2所定距離L1max,L2maxだけ離れた位置までを含む空間領域に設定される。
【0028】
第1所定距離L1min,L2minとしては、2cm≦L1min≦3cm及び2cm≦L2min≦3cmとなるように設定するのが好ましい。これにより、視覚障害のある利用者が押釦の位置を手探りで探すような場合や利用者が不意にセンサ部32、132に触れてしまったような場合において、利用者の指などにセンサが反応して行先階が誤って過誤登録されるのを抑制できる。
【0029】
また、第2所定距離L1max,L2maとしては、4cm≦L1max≦10cm及び4cm≦L2max≦10cmとなるように設定するのが好ましい。これにより、かご22内が混雑しているときなどに乗客の身体の一部や持ち物などをセンサ部32、132が誤検知し難くできる。この結果、かご22内が混雑しているときなどに乗客の身体の一部や持ち物などがセンサ部32,132に近接し行先階が誤って登録されるのを抑制できる。
【0030】
また、
図6に示すように、第1エレベータ用操作盤28及び第2エレベータ用操作盤228は、それぞれに備えられた非接触操作入力部32,132の検知領域Pが互いに干渉しないように、第1エレベータ用操作盤28が袖壁22-1に配置され、第2エレベータ用操作盤228が袖壁22-1に隣接する側壁22-3に配置される。
【0031】
具体的には、非接触操作入力部32の側壁22-3からの離隔距離をLs1とし、非接触操作入力部132の袖壁22-1からの離隔距離をLs2とすると、Ls1>L2max且つLs2>L1maxとなるように、非接触操作入力部32及び132、すなわち第1エレベータ用操作盤28及び第2エレベータ用操作盤228を配置する。
【0032】
図3、
図4に破線で示すように、上記検出領域Pに利用者が手Uをかざすなどの所定動作を行うことでセンサ部32、132が予め設定された時間だけ遮光を検知すると、後述する制御装置(
図1参照)に検出信号が送信され、行先階の登録がなされる。そして、行先階の登録がなされると、登録報知部33、133が点灯する。これにより、利用者に行先階の登録がなされたことを報知できる。なお、
図3、
図4では、登録報知部33、133にハッチングを付して点灯状態を模式的に示している。
【0033】
行先階操作部30の下部には、かご扉22Aの開閉操作を行う開釦41と閉釦42が並設されている。また、行先階操作部30の上部には、外部との連絡を行うための連絡釦43が設けられている。なお、これらの各釦41~43は、何れも、従来公知の押釦であるが、同様に非接触式操作入力部を採用することとしても構わない。
【0034】
第1エレベータ用操作盤28は、さらに、表示部44を有する。表示部44は、例えば、液晶ディスプレイからなり、例えば、かご22の移動方向やかご22の通過階、その他乗客に報知する情報を表示する。表示部44は、乗客から見やすいように、行先階操作部30よりもさらに上方の位置に設けられている。かご操作盤28には、また、音声を出力するスピーカー(不図示)が内蔵されている。
【0035】
上記構成からなる非接触式の第1エレベータ用操作盤28及び第2エレベータ用操作盤228は、機械室14(
図1参照)に設置された制御装置46と電気的に接続されている。制御装置46は、エレベータ10の運転制御全般を統括して行うコンピュータであり、CPUや、メモリ、HDDなどの記憶デバイスを備える。記憶デバイスには、例えば、巻上機16の駆動制御、かごドア(不図示)の開閉制御などを行うための各種制御プログラムが格納されている。CPUが、これらのプログラムを読み出して実行することにより、制御装置46によるエレベータ10の円滑な運転が実現される。
【0036】
上記構成を有するエレベータ10では、かご22の行先階登録に関する制御も制御装置46によって行われる。制御装置46のメモリには、かご22の行先階登録に関する制御プログラムが格納されており、CPUが当該制御プログラムをメモリから読み出し、かご22の行先階登録を制御する。
【0037】
以上により、本実施形態に係るエレベータ10は、エレベータ用昇降路12を移動する乗りかご22と、 乗りかご22は、乗降口27と乗降口27の左右の少なくとも一方に設けられる袖壁22-1と袖壁22-1に隣接する側壁22-3と、
行先階登録を行うために用いる第1エレベータ用操作盤28及び第2エレベータ用操作盤228とを備え、第1エレベータ用操作盤28及び前記第2エレベータ用操作盤228は、非接触で検出することにより前記行先階登録を受けつけるための非接触式操作入力部32,132を備え、第2エレベータ用操作盤228に設けられる非接触式操作入力部132の行先階は、第1エレベータ用操作盤28に設けられる非接触式操作入力部32の行先階と異なり、非接触式操作入力部32,132は、当該非接触式操作入力部32,132から予め設定された距離だけ離れた検知領域Pを検知するように構成され、第1エレベータ用操作盤28及び前記第2エレベータ用操作盤228は、それぞれに備えられた非接触操作入力部32,132の検知領域Pが互いに干渉しないように、第1エレベータ用操作盤28は袖壁22-1に配置され、第2エレベータ用操作盤228は袖壁22-1に隣接する側壁22-3に配置される。
【0038】
斯かる構成によれば、エレベータに非接触式操作入力部を設ける場合において、停止数が多いエレベータであっても、非接触式操作入力部を複数のエレベータ用操作盤に分けて設けるため、エレベータ用操作盤の大型化を抑制しつつ利用者の利便性も向上させることができる。また、一方のエレベータ用操作盤を操作する際に、他方のエレベータ用操作盤が誤登録されるのを抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態に係るエレベータ10は、検知領域Pは、非接触操作入力部32,132から第2所定距離L1max,L2max離れた領域より非接触操作入力部32,132側の領域を含み、第1エレベータ用操作盤28に設けられる非接触操作入力部32の第2所定距離L1maxは、袖壁22-1から第2エレベータ用操作盤228に設けられる非接触操作入力部132までの離隔距離Ls2より小さく、且つ、第2エレベータ用操作盤228に設けられる非接触操作入力部132の第2所定距離L2maxは、側壁22-3から第1エレベータ用操作盤28に設けられる非接触操作入力部32までの離隔距離Ls1より小さい。
【0040】
斯かる構成によれば、袖壁と当該袖壁と隣接する側壁のそれぞれに、非接触式操作入力部を有するエレベータ用操作盤を設ける場合において、2つのエレベータ用操作盤を使い勝手が良いように近接させて配置しつつ、一方のエレベータ用操作盤を操作する際に、他方のエレベータ用操作盤が誤登録されるのを抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態に係るエレベータ10は、第2エレベータ用操作盤228に設けられる非接触式操作入力部132の行先階が、前記第1エレベータ用操作盤28に設けられる非接触式操作入力部32の行先階より、上側階の行先階である。
【0042】
斯かる構成によれば、エレベータに非接触式操作入力部を設ける場合において、停止数が多いエレベータであっても、低層階登録用非接触式操作入力部と高層階登録用非接触式操作入力部を複数のエレベータ用操作盤に分けて設けるため、エレベータ用操作盤の大型化を抑制しつつ利用者の利便性も向上させることができる。
【0043】
なお、本発明に係るエレベータ10は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、エレベータ10は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0044】
例えば、上記は両開きタイプのドアを有するかごについて説明したが、片開きタイプのドアを有するかごの場合であっても、同様の作用、効果を得ることができるのは勿論である。
【0045】
また、第1所定距離L1min,L2minは、L1min=0及びL2min=0の場合であっても、同様の作用、効果を得ることができるのは勿論である。
【符号の説明】
【0046】
10 エレベータ
26,26A,26B,26C 乗場
28 第1エレベータ用操作盤
30,130 行先階操作部
32,32A,32B,32C,132,132A,
132B、132C センサ部(非接触式操作入力部)
33,133 登録報知部
41 開釦
42 閉釦
43 連絡釦
46 制御装置
L1min,L2min 第1所定距離
L1max,L2max 第2所定距離
Ls1,Ls2 離隔距離
P 検出領域
U 手
【手続補正書】
【提出日】2021-11-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータ用昇降路を移動する乗りかごと、
前記乗りかごは、乗降口と乗降口の左右の少なくとも一方に設けられる袖壁と前記袖壁
に隣接する側壁と、
行先階登録を行うために用いる第1エレベータ用操作盤及び第2エレベータ用操作盤と
を備え、
前記第1エレベータ用操作盤及び前記第2エレベータ用操作盤は、非接触で検出するこ
とにより前記行先階登録を受けつけるための非接触式操作入力部を備え、
前記第2エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階は、前記第1エ
レベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階と異なり、
前記非接触式操作入力部は、当該非接触式操作入力部から予め設定された距離だけ離れ
た検知領域を検知するように構成され、
前記検知領域は、前記非接触操作入力部から第2所定距離離れた領域より前記非接触操
作入力部側の領域を含み、
前記第1エレベータ用操作盤及び前記第2エレベータ用操作盤は、それぞれに備えられ
た前記非接触操作入力部の前記検知領域が互いに干渉しないように、前記第1エレベータ
用操作盤は前記袖壁に配置され、前記第2エレベータ用操作盤は前記袖壁に隣接する側壁
に配置され、
前記第1エレベータ用操作盤に設けられる前記非接触操作入力部の前記第2所定距離は、前記袖壁から前記第2エレベータ用操作盤に設けられる前記非接触操作入力部までの離隔距離より小さく、
且つ、
前記第2エレベータ用操作盤に設けられる前記非接触操作入力部の前記第2所定距離は、前記側壁から前記第1エレベータ用操作盤に設けられる前記非接触操作入力部までの離隔距離より小さい、
エレベータ。
【請求項2】
前記第2エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階は、前記第1エレベータ用操作盤に設けられる非接触式操作入力部の行先階より、上側階の行先階である、請求項1に記載のエレベータ。