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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132275
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】壁掛け金具
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/64 20060101AFI20230914BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
H04N5/64 571Z
G09F9/00 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037500
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】514188173
【氏名又は名称】株式会社JOLED
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】板倉 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】南木 照男
(72)【発明者】
【氏名】川崎 正樹
【テーマコード(参考)】
5G435
【Fターム(参考)】
5G435AA01
5G435BB05
5G435EE16
5G435EE50
(57)【要約】
【課題】薄型ディスプレイの表示画面の回転を容易かつ安全に行うことができる壁掛け金具を提供することを目的とする。
【解決手段】薄型ディスプレイを壁に設置するための壁掛け金具10であって、中央部にケーブル20を通すための穴111を有し、薄型ディスプレイの背面の所定位置に取り付けられるための平板状の取付け部11と、取付け部11の穴111と重なる位置にケーブル20を通すための穴121を有し、穴121の周囲に薄型ディスプレイを回転するための回転機構をもつ回転部12と、壁に設けられたフックに支持される場合に壁またはフックと当接する接触部を両端部に有し、回転部12と連なりかつ回転部12と段差133を有するように形成されている長尺状の支持部13とを備え、段差133は、支持部13がフックに支持される場合、薄型ディスプレイと壁との間に所定の間隔を確保する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄型ディスプレイを壁に設置するための壁掛け金具であって、
中央部にケーブルを通すための第1穴を有し、前記薄型ディスプレイの背面の所定位置に取り付けられるための平板状の取付け部と、
前記取付け部の前記第1穴と重なる位置に前記ケーブルを通すための第2穴を有し、前記第2穴の周囲に前記薄型ディスプレイを回転するための回転機構をもつ回転部と、
前記壁に設けられたフックに支持される場合に前記壁または前記フックと当接する接触部を両端部に有し、前記回転部と連なりかつ前記回転部と段差を有するように形成されている長尺状の支持部とを備え、
前記段差は、前記支持部が前記フックに支持される場合、前記回転部と前記壁との間に所定の間隔を確保する、
壁掛け金具。
【請求項2】
前記取付け部には、段差が設けられおり、
前記取付け部の前記段差は、前記取付け部が前記所定位置に取り付けられた場合に、前記薄型ディスプレイの背面と前記取付け部の前記薄型ディスプレイ側の面との間に所定の間隔を確保する、
請求項1に記載の壁掛け金具。
【請求項3】
前記回転部は、前記支持部と連なる位置と反対側の位置に、前記ケーブルを固定するためのケーブルカバーが設置される、
請求項1または2に記載の壁掛け金具。
【請求項4】
前記支持部の中央部には、凹みが設けられている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の壁掛け金具。
【請求項5】
前記支持部の前記回転部と連なる位置と反対側の位置の端部には、折り目が設けられている、
請求項1~4のいずれか1項に記載の壁掛け金具。
【請求項6】
前記支持部の両端には、前記支持部が前記フックに支持される場合に前記フックの動きを抑止するロック機構が設けられている、
請求項1~5のいずれか1項に記載の壁掛け金具。
【請求項7】
前記ロック機構は、前記フックの動きを前記支持部と挟みこむことで抑止するストッパを動かすロックレバーを備える、
請求項6に記載の壁掛け金具。
【請求項8】
前記ロックレバーは、プッシュすることで、前記フックの動きを抑止している状態の前記ストッパを動かすことが可能なプッシュ部が設けられている、
請求項7に記載の壁掛け金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薄型ディスプレイを壁に設置するための壁掛け金具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機ELパネル等を用いた薄型ディスプレイを壁に設置しながらその表示画面を横長画面とする横置きから縦置きに回転できる画面回転機構が提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1では、壁側と薄型ディスプレイ側との金具に分け、かつ中央に軸を設けることで中央を支点に回転させることができる画面回転機構を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-115459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される画面回転機構では、薄型ディスプレイに繋がれるケーブル類についての考慮がされていない。具体的には、特許文献1に開示される画面回転機構では、薄型ディスプレイを例えば横置きから縦置きに回転させるとケーブルが引っ張られてしまう。そして、最悪の結果、ケーブルの破断またはショートを引き起こす可能性がある。また、ケーブルが引っ張られている状態を解消させようとした場合、壁から薄型ディスプレイを一旦外してケーブルの配線をやり直す必要があり、手間がかかる。
【0006】
本開示は、上述の事情を鑑みてなされたもので、薄型ディスプレイの表示画面の回転を容易かつ安全に行うことができる壁掛け金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の一形態に係る壁掛け金具は、薄型ディスプレイを壁に設置するための壁掛け金具であって、中央部にケーブルを通すための第1穴を有し、前記薄型ディスプレイの背面の所定位置に取り付けられるための平板状の取付け部と、前記取付け部の前記第1穴と重なる位置に前記ケーブルを通すための第2穴を有し、前記第2穴の周囲に前記薄型ディスプレイを回転するための回転機構をもつ回転部と、前記壁に設けられたフックに支持される場合に前記壁または前記フックと当接する接触部を両端部に有し、前記回転部と連なりかつ前記回転部と段差を有するように形成されている長尺状の支持部とを備え、前記段差は、前記支持部が前記フックに支持される場合、前記回転部と前記壁との間に所定の間隔を確保する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、薄型ディスプレイの表示画面の回転を容易かつ安全に行うことができる壁掛け金具を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態に係る壁掛け金具の斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る回転部の分解斜視図である。
図3図3は、実施の形態に係る支持部の断面斜視図である。
図4A図4Aは、薄型ディスプレイが横置きされているときの壁掛け金具を示す図である。
図4B図4Bは、薄型ディスプレイが縦置きに回転されたときの壁掛け金具を示す図である。
図5A図5Aは、実施の形態の変形例に係るロック機構としてロックレバーが設置された壁掛け金具を説明するための図である。
図5B図5Bは、実施の形態の変形例に係るロック機構としてロックレバーが設置された壁掛け金具を説明するための図である。
図6A図6Aは、図5Aに示すロックレバーにさらにプッシュ部が設けられた場合を説明するための図である。
図6B図6Bは、図5Bに示すロックレバーにさらにプッシュ部が設けられた場合を説明するための図である。
図7図7は、実施の形態の変形例に係るロック機構の構成の別の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また全ての実施の形態において、各々の内容を組み合わせることもできる。
【0011】
(実施の形態)
以下では、図面を参照しながら、実施の形態に係る壁掛け金具について説明する。
【0012】
[構成]
図1は、実施の形態に係る壁掛け金具10の斜視図である。図2は、実施の形態に係る回転部12の分解斜視図である。図3は、実施の形態に係る支持部13の断面斜視図である。
【0013】
壁掛け金具10は、薄型ディスプレイ50(図4A等参照)を壁に設置するために用いられる。壁掛け金具10は、図1に示すように、取付け部11と、回転部12と、支持部13と、ケーブルカバー14とを備える。なお、ケーブルカバー14は、必須構成でなく、壁掛け金具10がケーブルカバー14を備えなくてもよい。
【0014】
薄型ディスプレイ50は、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの薄型パネルを用いたディスプレイである。薄型ディスプレイ50は、薄型テレビまたは薄型モニタなどの表示装置であってもよい。薄型ディスプレイ50には、電源ケーブルなどのケーブル20が繋がれる。ケーブル20は、電源ケーブルに限られず、薄型ディスプレイ50に繋がれる得るケーブルであればよい。薄型ディスプレイ50に繋がれる得るケーブルとしては、例えば、音声映像を伝達するためのHDMI(登録商標)ケーブルなどの配線ケーブル、アンテナと接続するためのケーブル、HDD(Hard Disk Drive)と接続するためのケーブルなどがある。また、薄型ディスプレイ50の背面の所定位置には、壁掛け金具10が取り付けられる。薄型ディスプレイ50は、壁掛け金具10を介して、壁に設けられたフック60(図5A等参照)に掛けられることにより、壁に設置される。なお、薄型ディスプレイ50の背面の所定位置には、ケーブル20の厚みよりも大きな例えば10mm未満の段差が設けられていてもよい。
【0015】
フック60は、壁に薄型ディスプレイ50を設置するために用いられる壁に設けられる器具または金具である。フック60は、U字型に曲がった鈎状の器具または金具に限らず、壁に薄型ディスプレイ50を設置するために用いることができれば、くぎのような形状の器具または金具であってもよい。
【0016】
続いて、壁掛け金具10の各構成について説明する。
【0017】
取付け部11は、ケーブル20を通すための穴111(第1穴)を中央部に有し、薄型ディスプレイ50の背面の所定位置に取り付けられる。穴111(第1穴)の内部には、後述の回転機構の回転軸が含まれる。穴111(第1穴)の大きさは、ケーブル20の直径よりも大きい。取付け部11は、例えばSUSなどにより平板状に設けられる。また、取付け部11には、ケーブル20の厚みよりも大きな段差112が設けられている。この段差112は、取付け部11が薄型ディスプレイ50の背面の所定位置に取り付けられた場合に、薄型ディスプレイ50の背面と取付け部11の薄型ディスプレイ50側の面との間に所定の間隔を確保する。本実施の形態では、取付け部11は、図1及び図2に示すように、例えばベサマウント100などの規格に従い矩形に形成されており、かつ、ビス止めするための4隅の領域と、その他の領域であって穴111を含む領域とで、段差112が設けられている。段差112は、ケーブル20の厚みよりも大きな例えば10mm未満となるように設けられている。
【0018】
なお、取付け部11に段差112を設けることは必須でない。例えば、薄型ディスプレイ50の背面の所定位置においてケーブル20の厚みよりも大きな段差が設けられている場合、取付け部11には段差112が設けられていなくてよい。薄型ディスプレイ50の背面の所定位置において設けられた段差により、薄型ディスプレイ50の背面と取付け部11の薄型ディスプレイ50側の面との間に所定の間隔を確保することができるからである。
【0019】
回転部12は平板状のSUSで形成されている。回転部12は、図1に示すように、取付け部11の穴111と重なる位置にケーブル20を通すための穴121(第2穴)を有し、穴121の周囲に薄型ディスプレイ50を回転するための回転機構をもつ。穴121(第2穴)の内部には、この回転機構の回転軸が含まれる。また、穴121(第2穴)の大きさは、ケーブル20の直径よりも大きい。
【0020】
本実施の形態では、回転機構は、例えば図2に示すように、平板状かつ環状の回転部品122a~122eで構成されている。回転部品122a及び回転部品122dは例えば樹脂で形成され、回転部品122b、回転部品122c及び回転部品122eは例えばSUSで形成されている。また、回転部品122aは、取付け部11と回転部12との間に挟まれて配置され、回転部品122bと回転部品122cは、取付け部11と回転部品122dとに挟まれて配置される。回転部品122b及び回転部品122cは、図2に示されるように回転部12とビス止めされる。また、回転部品122eは、図2に示されるように、回転部品122cとの間で回転部品122dを挟み、回転部品122b及び回転部品122cとビス止めされる。
【0021】
このように構成される回転機構は、取付け部11を、回転部12に対して回転可能にさせる。なお、回転機構は、回転部12、回転部品122a、取付け部11及び回転部品122dの摩擦力によって回転力を制御している。図2に示す例では、回転機構は、時計回りまたは半時計回りで90度回転が可能なように構成されている。つまり、回転機構は、薄型ディスプレイ50の姿勢を縦置きから横置き、または横置きから縦置きに90度回転させる一方で、90度を超えた回転をさせないように構成されている。
【0022】
支持部13は、回転部12と連なりかつ回転部12と段差133を有するように長尺状に形成されている。支持部13の長尺方向の長さは、壁に設置する薄型ディスプレイ50の長尺方向の長さに応じて決定されてもよい。支持部13と回転部12とは一体となっており、支持部13と回転部12とが連なっている部分は、プレス加工または曲げ加工などされることで段差133を形成している。段差133は、支持部13がフック60に支持される場合に、回転部12と壁との間に所定の間隔を確保する。ここで、段差133は、ケーブル20の厚みよりも大きな例えば10mm未満となるように設けられている。これにより、支持部13は、回転部12と壁の間に、電源ケーブルなどのケーブル20を配線できる間隔を確保することができるだけでなく、薄型ディスプレイ50の背面と支持部13との間に配線ケーブルなどを配置することができる間隔を確保することができる。
【0023】
また、支持部13の両端部には、図1に示すように、掛止部131と接触部132とが設けられており、支持部13の両端にはロックレバー設置部136が設けられている。
【0024】
掛止部131は、壁に設けられたフック60に壁掛け金具10が支持される際に、フック60に掛止される支持部13の部位である。接触部132は、壁に設けられたフック60に壁掛け金具10が支持される場合に、壁またはフック60と当接する部位である。接触部132は、壁またはフック60とのずれを抑制したり、壁掛け金具10が、壁に対して略平行となる姿勢を維持したりするために設けられている。ロックレバー設置部136は、掛止部131を掛止しているフック60の動きを抑制するロック機構を機能させるロックレバーが設置可能な部位である。
【0025】
本実施の形態では、図1及び図3に示すように、支持部13の中央部には、支持部13の強度を向上させるための凹み134がさらに設けられている。凹み134は、例えば、段差133の厚みを減らす方向に凹むように加工されている。また、支持部13の回転部12と連なる位置と反対側の位置の端部には、支持部13の強度を向上させるための折り目135が設けられている。折り目135は、凹み134と同様に、段差133の厚みを減らす方向に縁端が折り曲げられている。これら構成により、支持部13の厚みを薄くしても薄型ディスプレイ50を支持できる強度を確保できるだけでなく、支持部13の強度が向上することで、地震などにより壁と交差する方向における薄型ディスプレイ50の揺れがあっても、共振することを抑制できる。なお、凹み134及び折り目135は必須の構成でなく、支持部13は、これらを設けなくてもよい。
【0026】
ケーブルカバー14は、電源ケーブルなどのケーブル20を固定する。ケーブルカバー14は、回転部12が支持部13と連なる位置と反対側の位置の回転部12に設置される。これにより、ケーブルカバー14は、薄型ディスプレイ50に繋げられているケーブル20を回転部12に固定することができる。また、ケーブルカバー14は、回転部12から壁側に突出した状態でかつ回転部12からみて支持部13の高さとなるように設置される。これにより、ケーブルカバー14は、壁掛け金具10が壁と平行となる姿勢を維持できる。また、ケーブルカバー14は、壁の爪との接続部としても用いることができる。
【0027】
以下、薄型ディスプレイ50が回転すなわち回転部12及び支持部13に対して取付け部11が回転されても、ケーブル20の長さは変わらないことについて図4A及び図4Bを用いて説明する。
【0028】
図4Aは、薄型ディスプレイ50が横置きされているときの壁掛け金具10を示す図である。図4Bは、薄型ディスプレイ50が縦置きに回転されたときの壁掛け金具10を示す図である。図1等と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。なお、図4A及び図4Bでは、薄型ディスプレイ50の背面に壁掛け金具10が取り付けられている場合が示されており、ケーブル20は、コンセント30に繋ぐ電源ケーブルであるとして示されている。
【0029】
図4A及び図4Bに示すように、薄型ディスプレイ50が横置きから縦置きに90度回転される場合、壁に設けられたフック60により固定されている回転部12及び支持部13に対して取付け部11が回転される。そして、取付け部11が、これらの回転部12及び支持部13に対して回転されても、ケーブルカバー14からみたケーブル20の長さは変わっていない。つまり、ケーブルカバー14は、コンセント30からケーブルカバー14までのケーブル20を回転部12で固定し、ケーブルカバー14から薄型ディスプレイ50に繋がれる箇所までのケーブル20は、回転部12の穴121及び取付け部11の穴111を通っている。穴111(第1穴)、および穴121(第2穴)の内部には、この回転機構の回転軸が含まれるため、ケーブルカバー14から薄型ディスプレイ50に繋がれる箇所までのケーブル20の長さは、薄型ディスプレイ50が回転されても一定に維持され、ケーブルカバー14からみたケーブル20の長さは共に変化していない。したがって、薄型ディスプレイ50が回転されてもケーブル20が引っ張られることがないのがわかる。これにより、薄型ディスプレイ50を回転させても、ケーブル20に歪みは発生せず、ケーブル20が破断してしまうこともなくなる。なお、回転部12及び支持部13に対して取付け部11が回転されても、ケーブルカバー14からみたケーブル20の長さが変わらないことは、ケーブルカバー14が回転部12に設けられなくても同じである。よって、薄型ディスプレイ50が回転されてもケーブル20が引っ張られることがないという効果は、ケーブルカバー14が回転部12に設けられる場合には確実に奏されるが、ケーブルカバー14が回転部12に設けられなくても奏することができる。
【0030】
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態によれば、薄型かつ、ユーザが片手で容易に回転可能な、デザイン性の高い壁掛け金具10を実現できる。さらに、本実施の形態に係る壁掛け金具10が取り付けられた状態で薄型ディスプレイ50が回転されてもケーブル20が引っ張られないので、薄型ディスプレイ50の表示画面の回転を安全に行うことができる。
【0031】
より具体的には、本実施の形態に係る壁掛け金具10は、薄型ディスプレイ50を壁に設置するための壁掛け金具であって、中央部にケーブル20を通すための第1穴を有し、薄型ディスプレイ50の背面の所定位置に取り付けられるための平板状の取付け部11と、取付け部11の第1穴(穴111)と重なる位置にケーブル20を通すための第2穴(穴121)を有し、第2穴(穴121)の周囲に薄型ディスプレイ50を回転するための回転機構をもつ回転部12と、当該壁に設けられたフック60に支持される場合に当該壁またはフック60と当接する接触部を両端部に有し、回転部12と連なりかつ回転部12と段差133を有するように形成されている長尺状の支持部13とを備え、段差133は、支持部13がフック60に支持される場合、回転部12と当該壁との間に所定の間隔を確保する。
【0032】
この構成によれば、所定位置に薄型ディスプレイ50の背面にケーブル20の厚みよりも高い段差が設けられている場合、薄型ディスプレイ50に繋がれる電源ケーブルなどのケーブル20を、当該所定位置に取り付けられた取付け部11の穴111を介して、壁掛け金具10と壁との間に逃がすことができる。また、支持部13が有する段差133による空間に、薄型ディスプレイ50の背面に繋がれた配線ケーブルなどのケーブル20を収納することができ、かつ、取付け部11の穴を介して、壁掛け金具10と壁との間に逃がすことができる。
【0033】
よって、薄型ディスプレイ50が回転されてもケーブル20が引っ張られないので、薄型ディスプレイ50の表示画面の回転を容易かつ安全に行うことができる。
【0034】
また、例えば、取付け部11には、段差112が設けられおり、取付け部11の段差112は、取付け部11が所定位置に取り付けられた場合に、薄型ディスプレイ50の背面と取付け部11の薄型ディスプレイ50側の面との間に所定の間隔を確保するとしてもよい。
【0035】
この構成によれば、所定位置に薄型ディスプレイ50の背面に段差が設けられていない場合でも、薄型ディスプレイ50に繋がれる電源ケーブルなどのケーブル20を、当該所定位置に取り付けられた取付け部11の穴111を介して、壁掛け金具10と壁との間に逃がすことができる。よって、薄型ディスプレイ50が回転されてもケーブル20が引っ張られないので、薄型ディスプレイ50の表示画面の回転を容易かつ安全に行うことができる。
【0036】
ここで、例えば、回転部12は、支持部13と連なる位置と反対側の位置に、ケーブル20を固定するためのケーブルカバー14が設置されてもよい。
【0037】
この構成によれば、ケーブル20を回転部12に固定し、薄型ディスプレイ50が回転されてもケーブル20の長さを確実に維持することができる。よって、薄型ディスプレイ50が回転されてもケーブル20が引っ張られることがより確実になくなるので、薄型ディスプレイ50の表示画面の回転時の安全をより向上できる。
【0038】
また、例えば、支持部13の中央部には、凹み134が設けられていてもよい。
【0039】
この構成により、支持部13の強度が向上するため、地震などにより壁と交差する方向における薄型ディスプレイ50の揺れがあっても、共振することを抑制できる。
【0040】
また、例えば、支持部13の回転部12と連なる位置と反対側の位置の端部には、折り目135が設けられていてもよい。
【0041】
この構成により、支持部13の強度が向上するため、地震などにより壁と交差する方向における薄型ディスプレイ50の揺れがあっても、共振することを抑制できる。
【0042】
(変形例)
なお、上記の実施の形態では、支持部13にロック機構が設けられていない場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。以下、支持部13にロック機構が設けられる場合について説明する。
【0043】
図5A及び図5Bは、実施の形態の変形例に係るロック機構としてロックレバー15が設置された壁掛け金具10を説明するための図である。なお、図1等と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。図5Aでは、フック60が固定されている場合が示されており、図5Bでは、フック60が固定されていない場合が示されている。
【0044】
支持部13の両端には、さらに、支持部13がフック60に支持される場合にフック60の動きを抑止するロック機構が設けられていてよい。図5A及び図5Bに示される例では、支持部13は、ロックレバー15で構成されるロック機構が設けられている。
【0045】
ロックレバー15は、ロックレバー設置部136に設置されるレバーハンドルである。ロックレバー15には、自身(ロックレバー15)と略90度をなす角度となるようにストッパ16が連結されており、ロックレバー15が動くことでストッパ16を動かすことができる。ストッパ16は、フック60の動きを支持部13(の掛止部131)と挟みこむことで抑止する。
【0046】
また、ロックレバー15は、図5A及び図5Bに示すように、90度回転が可能なように設置され、ユーザにより把持されて動かされることで、ストッパ16を動かす。例えば図5Aで示すように、ロックレバー15は、支持部13の延伸方向と略90度で交差する方向となるように動かされると、ストッパ16にフック60の動きを抑止させることができる。一方、例えば図5Bで示すように、ロックレバー15は、支持部13の延伸方向となるように動かされると、ストッパ16にフック60の動きを抑止させない(解放させる)ことができる。
【0047】
図6A及び図6Bは、図5A及び図5Bに示すロックレバー15にさらにプッシュ部17Bが設けられた場合を説明するための図である。なお、図5A及び図5Bと同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。図6Aでは、フック60が固定されている場合が示されており、図6Bでは、フック60が固定されていない場合が示されている。
【0048】
ロックレバー15は、図6A及び図6Bに示すように、ロックレバー15を把持するユーザがプッシュすることで、フック60の動きを抑止している状態のストッパ16を動かすことが可能なプッシュ部17Bが設けられていてもよい。
【0049】
例えば図6Aには、ロックレバー15が、ストッパ16にフック60の動きを抑止させている状態が示されている。この状態では、プッシュ部17Bがプッシュされないとロックレバー15を動かせないようになっている。換言すると、プッシュ部17Bをプッシュすることで、ロックレバー15を動かせるようになる。そして、図6Bには、プッシュ部17Bがプッシュされ、ロックレバー15を支持部13の延伸方向となるように動かすことで、ストッパ16にフック60の動きを抑止させないようにした状態が示されている。
【0050】
なお、ロック機構は、ロックレバー15で構成されるとして説明したが、これに限らない。以下、ロック機構の構成の別の例について説明する。
【0051】
図7は、実施の形態の変形例に係るロック機構の構成の別の例を説明するための図である。
【0052】
図7に示すように、ロック機構は、支持部13の掛止部131と2つのストッパ16Bとで構成されてもよい。ここで、ストッパ16Bは、ストッパ部材161と、バネ162とで構成される。バネ162は、ストッパ部材161と支持部13の掛止部131とを連結する。このため、バネ162に繋がれたストッパ部材161を押しのけてフック60を挿入することができる。そして、バネ162に繋がれたストッパ部材161を押しのけてフック60を挿入させれば、2組のストッパ部材161によりフック60が動くのを抑制することができるので、ストッパ16Bは、フック60の動きを支持部13の掛止部131と挟みこむことで抑止することができる。
【0053】
このように、本変形例によれば、ロックレバー15で構成されるロック機構を支持部13に設けることで、ロック機構にフック60の動きを抑制させることができる。
【0054】
より具体的には、例えば、支持部13の両端には、支持部13がフック60に支持される場合にフック60の動きを抑止するロック機構が設けられてもよい。
【0055】
この構成により、ロック機構がフック60の動きを抑制することで、地震などにより壁と略平行な方向における薄型ディスプレイ50の揺れがあった場合でも、壁掛け金具10がフック60から外れ、薄型ディスプレイ50が落下してしまうことを抑制できる。
【0056】
ここで例えば、ロック機構は、フック60の動きを支持部13と挟みこむことで抑止するストッパ16を動かすロックレバー15を備えてもよい。
【0057】
この構成により、ストッパ16でフック60の動きを抑制することができるので、地震などにより壁と略平行な方向における薄型ディスプレイ50の揺れがあった場合でも、壁掛け金具10がフック60から外れ、薄型ディスプレイ50が落下してしまうことを抑制できる。
【0058】
また、例えば、ロックレバー15は、プッシュすることで、フック60の動きを抑止している状態のストッパ16を動かすことが可能なプッシュ部が設けられてもよい。
【0059】
この構成により、プッシュ部17Bをプッシュしない場合にはロックレバー15を動かせないので、意図せずロックレバー15が動き、ストッパ16が外れることを抑制できるので、安全をより向上できる。
【0060】
なお、本開示は、上記実施の形態等に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて、また、構成要素のいくつかを除外して実現される別の実施の形態を本開示の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態等に対して本開示の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本開示は、デジタルサイネージ、美術画、絵などを映す薄型ディスプレイを、家に限らず商業施設などの建物における壁に設置するための壁掛け金具に利用できる。
【符号の説明】
【0062】
10 壁掛け金具
11 取付け部
12 回転部
13 支持部
14 ケーブルカバー
15 ロックレバー
16、16B ストッパ
17B プッシュ部
20 ケーブル
50 薄型ディスプレイ
60 フック
111、121 穴
112、133 段差
122a、122b、122c、122d、122e 回転部品
131 掛止部
132 接触部
134 凹み
135 折り目
136 ロックレバー設置部
161 ストッパ部材
162 バネ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7