(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132315
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】収納装置および収納システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230914BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037549
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】300076563
【氏名又は名称】原 周平
(74)【代理人】
【識別番号】100081455
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100170966
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 正紀
(72)【発明者】
【氏名】原 周平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】 発送用の物品を一時的に預かり入れることが可能な収納装置を複数のユーザが利用するにあたって、一部のユーザまたはサービスに独占されることなく、多くのユーザが利用可能な収納システムを提供する。
【解決手段】 収納システムは、ユーザに関連する物品を施錠状態で保管する収納装置10と、収納装置10の収納状況等の情報を管理する管理サーバ20と、ユーザが操作するユーザ端末30と、収納装置10及び管理サーバ20の管理業務を行う管理者が操作する管理者端末40と、収納装置10で保管される物品の配送業務を行う配送業者が管理する配送業者サーバ50と、配送業者が操作する配送業者端末60と、収納サービスに関する情報を管理するサービス事業者サーバ70とを有して構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者宛てに配送された物品又は利用者が入庫し配送業者により集荷予定の物品を一時的に預かり入れる収納ボックスを備えた収納装置であって、
前記配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を制限する制御部を有することを特徴とする収納装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数をサービスの種類ごとに制限することを特徴とする請求項1記載の収納装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を該収納ボックスに物品を入庫する利用者ごとに制限することを特徴とする請求項1又は2記載の収納装置。
【請求項4】
前記制御部は、現在時期から、前記利用者が入庫した物品を前記配送業者が集荷する時期に至るまでの時間に基づいて、前記配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を決定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の収納装置。
【請求項5】
前記制御部は、現在時期から、前記配送業者が集荷する時期に至るまでの時間が短くなるにつれて、段階的に、集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスとして使用を許可する個数を増加させるよう決定することを特徴とする請求項4記載の収納装置。
【請求項6】
集合住宅に設置されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の収納装置。
【請求項7】
利用者宛てに配送された物品又は利用者が入庫し配送業者により集荷予定の物品を一時的に預かり入れる収納ボックスを備えた収納装置を有する収納システムであって、
前記配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を制限する制御部を有することを特徴とする収納システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数をサービスの種類ごとに制限することを特徴とする請求項7記載の収納システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を該収納ボックスに物品を入庫する利用者ごとに制限することを特徴とする請求項7又は8記載の収納システム。
【請求項10】
前記制御部は、現在時期から、前記利用者が入庫した物品を前記配送業者が集荷する時期に至るまでの時間に基づいて、前記配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を決定することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の収納システム。
【請求項11】
前記制御部は、現在時期から、前記配送業者が集荷する時期に至るまでの時間が短くなるにつれて、段階的に、集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスとして使用を許可する個数を増加させるよう決定することを特徴とする請求項10記載の収納システム。
【請求項12】
前記収納装置は、集合住宅に設置されることを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の収納システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納装置および収納システムに関し、特に、ユーザが発送を希望する物品を一時的に預かる収納装置および収納システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、核家族化、未婚・晩婚者の増加や少子高齢化に伴う単身者の増加、さらには共働きの夫婦の増加等が進行し、そのライフスタイルが大きく変わってきている。
また、近年は、eコマースの隆盛に伴って、購入商品等の物品が各家庭に配送されることが多くなっている一方で、上記のとおり、夫婦の共働き等の割合の増加により家を留守にするケースが増えてきており、上記物品をスムーズに受け取ることのできる環境や設備が望まれている。
【0003】
上記のようなニーズに応えるように、近年、マンション等の集合住宅の共用部、店舗又は公共施設等には、いわゆる宅配ロッカー又は街中ロッカーと称される複数の収納ボックスを備えた収納装置が設置されることが多くなってきている。
この収納装置は、宅配便等により集合住宅の居住者宛等に配送された物品を、一時的に預かり、収納ボックスに施錠可能に収納することにより、当該居住者が不在の場合であっても、再配達を依頼することなく、当該収納装置から自身宛の配送物を取り出すことにより、スムーズに当該配送物を受け取ることができるというものである。
【0004】
さらに、収納装置は、上記のような配送物の受取りの他、配送物の発送にも使用することができる。
例えば、集合住宅の居住者等は、インターネット上のフリーマーケットやオークション等で販売した商品やクリーニングを依頼する衣類を収納装置に入庫し、配送業者がその入庫された商品等を取出し、配送先まで配送することも一般に行われている。
【0005】
上記のような収納装置が発送用の物品を一時的に預かり保管する従来技術の1つとして、特許文献1が開示するところの集合住宅用ロッカーが提案されている。
この特許文献1に開示される集合住宅用ロッカーでは、集合住宅に設置され、居住者は、ロッカーの発送のキーを圧下し、自らの識別番号を入力し、次いで自らのIDカードをロッカーに挿入し、IDカードの真正が確認されると荷物収納部の扉を開け、荷物を投入する。
業者は、集荷のキーを圧下し、予め通知された居住者の識別番号を入力し、次いで自らのIDカードをロッカーに挿入し、IDカードの真正が確認されると荷物収納部の扉を開け、荷物を取り出し、配達を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1の集合住宅用ロッカーでは、近年のインターネット上の商取引の機会の急増に対応することができない。
つまり、集合住宅用ロッカーの荷物収納部の数が限られているため、あるユーザ(居住者)が多数個の荷物を各荷物収納部に入庫し、独占的に使用してしまうと、他のユーザが使用できなくなってしまうという問題があった。
また、集合住宅用ロッカーが様々な種類のサービスに使用される場合、特定のサービスのみに荷物収納部が独占されてしまう問題もあった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、配送業者が集荷予定の物品を一時的に預かり入れることが可能な収納装置を複数のユーザが利用したり、多様なサービスに使用されたりする場合に、一部のユーザまたはサービスに独占されることなく、多くのユーザが利用でき、または多様なサービスに使用可能な収納装置および収納システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため、本発明は、利用者宛てに配送された物品又は利用者が入庫し配送業者により集荷予定の物品を一時的に預かり入れる収納ボックスを備えた収納装置であって、配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を制限する制御部を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明における収納装置によれば、制御部は、配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数をサービスの種類ごとに制限することを特徴とする。
【0011】
また、本発明における収納装置によれば、制御部は、配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を収納ボックスに物品を入庫する利用者ごとに制限することを特徴とする。
【0012】
また、本発明における収納装置によれば、制御部は、現在時期から、利用者が入庫した物品を配送業者が集荷する時期に至るまでの時間に基づいて、配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を決定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明における収納装置によれば、制御部は、現在時期から、配送業者が集荷する時期に至るまでの時間が短くなるにつれて、段階的に、集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスとして使用を許可する個数を増加させるよう決定することを特徴とする。
【0014】
また、本発明における収納装置によれば、集合住宅に設置されることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、利用者宛てに配送された物品又は利用者が入庫し配送業者により集荷予定の物品を一時的に預かり入れる収納ボックスを備えた収納装置を有する収納システムであって、配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を制限する制御部を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明における収納システムによれば、制御部は、配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数をサービスの種類ごとに制限することを特徴とする。
【0017】
また、本発明における収納システムによれば、制御部は、配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を収納ボックスに物品を入庫する利用者ごとに制限することを特徴とする。
【0018】
また、本発明における収納システムによれば、制御部は、現在時期から、利用者が入庫した物品を配送業者が集荷する時期に至るまでの時間に基づいて、配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を決定することを特徴とする。
【0019】
また、本発明における収納システムによれば、制御部は、現在時期から、配送業者が集荷する時期に至るまでの時間が短くなるにつれて、段階的に、集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスとして使用を許可する個数を増加させるよう決定することを特徴とする。
【0020】
また、本発明における収納システムによれば、収納装置は、集合住宅に設置されることを特徴とする。
【0021】
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、配送業者により集荷予定の物品の収納に使用される収納ボックスの個数を制限する制御部を有するので、収納装置を複数のユーザが利用したり、多様なサービスに使用されたりする場合に、一部のユーザまたはサービスに独占されることなく、多くのユーザが利用でき、または多様なサービスに使用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1の実施の形態における収納システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態における収納装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態における収納装置の構成を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態における収納装置の情報格納部12が格納するデータベースを示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態におけるユーザDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態における収納ボックスDBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態における配送業者DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施の形態における利用履歴DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態におけるサービス制限DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態におけるユーザ制限DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの構成を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態における管理サーバの情報格納部が格納する各データベースが示されている。
【
図13】本発明の第1の実施の形態におけるユーザ端末の構成を示す図である。
【
図14】本発明の第1の実施の形態における管理者端末の構成を示す図である。
【
図15】本発明の第1の実施の形態における配送業者サーバの構成を示す図である。
【
図16】本発明の第1の実施の形態における配送業者サーバの情報格納部が格納する各データベースが示されている。
【
図17】本発明の第1の実施の形態における配送管理DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図18】本発明の第1の実施の形態における配送業者DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図19】本発明の第1の実施の形態における収納装置位置DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図20】本発明の第1の実施の形態における配送業者端末の構成を示す図である。
【
図21】本発明の第1の実施の形態におけるサービス事業者サーバの構成を示す図である。
【
図22】本発明の第1の実施の形態におけるサービス事業者サーバの情報格納部が格納する各データベースが示されている。
【
図23】本発明の第1の実施の形態におけるサービス利用者DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図24】本発明の第1の実施の形態におけるサービス利用履歴DBのデータ構成の一例を示す図である。
【
図25】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが収納サービスの申込を行う際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図26】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが収納サービスの利用のために物品を収納装置に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図27】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが収納サービスの利用のために物品を収納装置に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図28】本発明の第1の実施の形態において、ユーザが収納サービスの利用のために物品を収納装置に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図29】本発明の第1の実施の形態における「利用者選択画面」の一例を示す図である。
【
図30】本発明の第1の実施の形態における収納装置に表示される「サービスの利用選択画面」の一例を示す図である。
【
図31】本発明の第1の実施の形態におけるユーザ端末に表示される「申込完了画面情報」の一例を示す図である。
【
図32】本発明の第1の実施の形態における収納ボックスの使用状況を示す画面情報の一例を示す図である。
【
図33】本発明の第1の実施の形態において、配送業者が収納サービスの利用のために収納装置に入庫された物品を集荷する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図34】本発明の第2の実施の形態における収納装置の情報格納部が格納するデータベースを示す図である。
【
図35】本発明の第2の実施の形態における制限解除DB128のデータ構成の一例を示す図である。
【
図36】本発明の第2の実施の形態における管理サーバの情報格納部が格納するデータベースを示す図である。
【
図37】本発明の第2の実施の形態において、ユーザが収納サービスの利用のために物品を収納装置に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図38】本発明の第2の実施の形態において、ユーザが収納サービスの利用のために物品を収納装置に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図39】本発明の第2の実施の形態において、ユーザが収納サービスの利用のために物品を収納装置に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【
図40】本発明の第2の実施の形態において、ユーザが収納サービスの利用のために物品を収納装置に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1の実施の形態>
(第1の実施の形態の概要)
本発明の第1の実施の形態における収納システムは、宅配ロッカー等の収納装置を有するシステムである。
集合住宅の居住者等のユーザは、自身が発送を希望する物品を収納装置に入庫し、その後、配送業者が収納装置からその入庫された物品を取り出して所定の配送先へ配送業務を行う。
本実施の形態における収納システムは、そのユーザによる物品の入庫について制限することにより、一部のユーザによる収納装置の独占的使用を抑制し、多くのユーザが使用できるようにするものである。
【0025】
例えば、ユーザは、本実施の形態における収納システムを使用して、下記のサービスを含む様々な収納サービスを利用することができる。
すなわち、ユーザは、ユーザが送り主の配送物を一時的に収納装置に保管して配送会社に配送を依頼する「集荷」の収納サービス、ユーザが自身が運営するECサイト等で顧客に販売した商品を一時的に収納装置10に保管して当該顧客宛への発送を行うサービス、ユーザがクリーニング依頼する衣類をクリーニング店が取りに来るまで一時的に収納装置10に保管する「クリーニング」の収納サービス、ユーザがフリーマーケットサイト又はオークションサイトに出品した出品物を一時的に収納装置10に保管した後に落札者に届ける「出品」の収納サービス等を利用することができる。
【0026】
「集荷」の収納サービスは、ユーザが指定する宛先に物品の配送を配送業者(宅配会社や郵便局など)に依頼するサービスである。
ユーザは、その物品を収納装置の収納ボックスに入庫する。
配送業者は、その入庫された物品を集荷し、ユーザに指定された宛先に物品を配送する。
このように、ユーザは、配送を希望する物品を収納装置に預け入れることで、宅配業者等の配送業者に対して物品の配送を依頼する「集荷」の収納サービスを利用することができる。
【0027】
「クリーニング」の収納サービスは、ユーザが自身の衣類等のクリーニングを配送業者(クリーニング会社)に依頼するサービスである。
ユーザは、衣類等を収納装置の収納ボックスに入庫する。
配送業者(クリーニング会社)は、その入庫された衣類等を集荷し、クリーニングを行った後、収納ボックスに入庫する。
ユーザは、収納ボックスからクリーニング済みの衣類等を取り出す。
このように、ユーザは、衣類等のクリーニング品を収納装置に預け入れることで、配送業者(クリーニング会社)に対してクリーニングを依頼する「クリーニング」の収納サービスを利用することができる。
【0028】
「出品」の収納サービスは、ユーザがネットオークション又はその他eコマースにおいて出品した出品物の配送を配送業者(配送会社、郵便局、サービス事業者など)に依頼するサービスである。
ユーザは、その出品物を収納装置の収納ボックスに入庫する。
配送業者は、その入庫された出品物を集荷し、ユーザに指定された宛先に物品を配送する。
【0029】
配送業者は、「出品」の収納サービスにおいて、上記配送業務に加えて、出品物の梱包等の発送準備作業を代行するようにしてもよい。
例えば、ユーザは、収納装置の収納ボックスに梱包せずに出品物を入庫し、配送業者は、その出品物を収納ボックスから取出して倉庫等へ配送し、その配送業者又は他の業者がその配送された出品物の梱包や出品物の情報のWebにおける開示等を行い、当該出品物の購入が成約したときに、配送業者がその梱包済みの出品物を購入先に配送を行う。
【0030】
このように、ユーザは、自身がオークションで出品した出品物の購入について成約があったとき、その出品物を収納装置に預け入れることで、宅配会社等の配送業者に対して出品物の配送および発送業務作業の代行を依頼する「出品」の収納サービスを利用することができる。
【0031】
(第1の実施の形態の構成)
〔1〕収納システムの全体構成
図1は、本発明の第1の実施の形態における収納システムの全体構成を示す図である。
図に示すように、収納システムは、ユーザの居住又は利用する専有部を有する建物の敷地内に設置され、ユーザに関連する物品(収納サービスを利用する際にユーザが収納装置10に入庫する物品)を施錠状態で保管する収納装置10と、収納装置10の収納状況等の情報を管理するサーバ装置等の管理サーバ20と、ユーザが操作する情報処理装置であるユーザ端末30と、収納装置10及び管理サーバ20の管理業務を行う管理者が操作する情報処理装置である管理者端末40と、上記収納装置10で保管される物品の配送業務を行う配送業者が管理するサーバ装置である配送業者サーバ50と、当該配送業者が操作する情報処理装置である配送業者端末60と、収納装置10を用いて提供される収納サービスの運営を行うサービス事業者が管理し、当該収納サービスに関する情報を管理するサーバ装置等のサービス事業者サーバ70とを有して構成される。
また、収納システムは、収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30、管理者端末40、配送業者サーバ50、配送業者端末60及びサービス事業者サーバ70を通信可能に接続するインターネット又はLAN等のネットワーク100とを有する。
【0032】
収納装置10が設置される建物は、例えば、集合住宅、ビル、商業施設又は公共施設等である。
専有部は、例えば、集合住宅の各住戸、オフィスビルの各勤務スペース、商業施設の各テナント又は公共施設の各スペース等である。
ユーザは、例えば、集合住宅の居住者、オフィスビルの労働者、商業施設の店員又は公共施設の利用者等である。
【0033】
配送業者は、配送業務を行う事業者であり、実際に配送業務を担当する従業員が所属する。
配送業者は、狭義の配送会社の他、通販会社、ネットスーパー、クリーニング店、オークションサイトの運営会社、オークションの出品代理事業者又は各種店舗・会社の配送担当者、その他収納サービスを運営するサービス事業者等、ユーザの物品の配送を行うものであれば、特に限定されない。
【0034】
収納装置10に収納される物品は、ユーザが収納装置10に入庫し、配送業者が取り出し、ユーザが希望する配送先へ配送する。
例えば、配送業者が配送会社の場合は、物品はユーザが送り主である宅配物又は郵送物等である。
配送業者がクリーニング店の場合は、ユーザがクリーニングを依頼する衣類等である。
配送業者がオークションサイトの運営会社の場合は、ユーザがオークションサイトに出品する出品物等である。
また、通販会社、ネットスーパー、クリーニング店、オークションサイトの運営会社は、物品の配送業務を配送会社に委託することもある。
【0035】
以下、収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30、管理者端末40、配送業者サーバ50、配送業者端末60及びサービス事業者サーバ70の構成について詳細に説明する。
【0036】
〔2〕収納装置10の構成
(1)収納装置10の概要
収納装置10は、ユーザが入庫した物品を配送業者が取出すまでに一時預け入れる収納装置であって、複数の施錠可能な収納ボックスを備える。
また、通常の宅配ロッカーと同様に、ユーザ宛の物品をユーザが取出すまで一時預け入れる用途で使用することが可能であってもよい。
本実施の形態において、収納装置10は、物品の入庫又は取出しに関する情報が入力されると、その入力された情報をネットワーク100を介して管理サーバ20へ送信する機能を有する。
【0037】
収納装置10は、マンション等の集合住宅の他、オフィス、コンビニエンスストア・スーパーマーケット等の店舗や商業施設、又は駅や病院等の公共施設・機関等に設置されるものとしてもよく、設置場所はこれらに限定されるものではない。
例えば、収納装置10が集合住宅に設置される場合には、ユーザは当該集合住宅の居住者であり、配送業者は、物品を配送する宅配便業者、クリーニング業者(物品が衣類等のクリーニング品の場合)、又はその他の店舗業者等であってもよい。
【0038】
収納装置10は、宅配便等の配送物の他、あらゆる物品を預け入れ、保管することができる。
例えば、収納装置10は、「集荷」の収納サービスにおいてユーザが配送を希望した物品、または「出品」の収納サービスにおいてユーザが入庫したオークション等の出品物等の物品を、配送業者が配送のために集荷し、取出すまでの期間、一時的に保管する。
また、収納装置10は、ユーザが受取りを希望している物品(出品物)を、配送業者が配送してからユーザが取出すまでの期間、一時的に保管するよう使用されてもよい。
【0039】
ユーザは、「クリーニング」の収納サービス利用のために、収納装置10を使用することもできる。
ユーザは自身の衣類等の未クリーニングのクリーニング品を収納装置10に預け入れ、クリーニング業者がその預け入れられた衣服を回収してクリーニングを行う。
その後、クリーニング済みのクリーニング品を再度収納装置10に収納し、ユーザがそのクリーニング済みのクリーニング品を収納装置10から取り出すよう使用されてもよい。
【0040】
以上のように、収納装置10は、ユーザに対して様々なサービスを提供可能である。
【0041】
(2)収納装置10の全体構成
図2は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の外観を示す斜視図である。
また、
図3は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の構成を示す図である。
以下、これら図を用いて、収納装置10の構成について説明する。
図に示すように、収納装置10は、CPU等から構成され収納装置10全体を制御する制御部11と、各種情報を格納する情報格納部12と、ネットワーク100を介して管理サーバ20と通信を行う通信部13と、各種情報を表示する表示部14と、各種キーを備え情報入力を行う操作部15と、物品を収納する収納ボックスを複数備えた収納部16とを有して構成される。
各部11~16は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部11の制御のもと、種々の処理が実行される。
【0042】
収納装置10の収納ボックスは、複数のユーザが共用可能である。
例えば、収納装置10が集合住宅に設置されている場合、収納装置10の収納ボックスは、同一の集合住宅に居住する複数の居住者が共用可能である。すなわち、収納装置10の収納ボックスには、同一の集合住宅に居住する複数の居住者が配送を希望する配送物又は居住者宛の配送物をそれぞれ収納することが可能である。
【0043】
収納装置10の収納ボックスに物品が既に入庫され、閉扉及び施錠されている場合には、その受取人(ユーザ又は配送業者)のみが当該収納ボックスを解錠することが可能であり、他の者は解錠することができない。
収納装置10の収納ボックスは、収納中の物品を1度取り出して空の状態になってはじめて、他の物品を収納することが許可される。
【0044】
(3)制御部11の構成
制御部11は、収納装置10全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の電子回路やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路により構成される。
制御部11は、情報格納部12から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部12に情報の書込みを実行する。
制御部11は、施解錠及び開閉扉といった収納ボックスの動作制御、表示部14による画面表示の動作制御、収納装置10の使用の際の認証処理、ならびにユーザ及び配送業者に関する情報及び各収納ボックスの使用状況の管理等を行う。
【0045】
(4)情報格納部12の構成
情報格納部12は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部12は、制御部11で実行するプログラムを記憶する領域や制御部11が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部11は、その情報格納部12に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
情報格納部12は、後述する各データベースを格納する。
【0046】
図4は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10の情報格納部12が格納するデータベースを示す図である。
図に示すように、情報格納部12は、居住者に関する居住者情報等を管理するユーザDB121と、収納部16を構成する複数の収納ボックスの使用状況を管理する収納ボックスDB122と、配送業者の情報を管理する配送業者DB123と、各収納ボックスの利用履歴を管理する利用履歴DB124と、各収納サービスごとに使用可能な収納ボックスの上限および現在の使用状況を管理するサービス制限DB126と、各ユーザごとに使用可能な収納ボックスの上限および現在の使用状況を管理するユーザ制限DB127とを格納する。
以下、各データベース121~127のデータ構成について詳細に説明する。
【0047】
ユーザDB121は、ユーザに関する情報を管理するためのデータベースである。
図5は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザDB121のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、ユーザDB121は、ユーザ個々の識別情報である「ユーザID」に対応付けて、「ユーザ名」と、住所等のユーザの「個人情報(ユーザ端末30のメールアドレス等)」と、ユーザが収納装置10の収納ボックスを解錠するための「ユーザの認証情報」とを管理している。
【0048】
本実施の形態では、上記「ユーザID」とともに、又は「ユーザID」に代えて、ユーザが集合住宅において居住する部屋の部屋番号、ユーザがビルにおいて業務を行っているオフィスの部屋番号・テナント番号等の専有部情報(例えば「202」号室)をユーザの識別情報として、各データベースで使用するようにしてもよい。
【0049】
収納ボックスDB122は、収納装置10の各収納ボックスの特徴(属性)及び現在の使用状況を管理するためのデータベースである。
図6は、本発明の第1の実施の形態における収納ボックスDB122のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、収納ボックスDB122は、各収納ボックスを識別する「ボックス番号」に対応付けて、「各収納ボックスの属性」と、「各収納ボックスの使用状況」と、使用中の(物品が入庫されている)収納ボックスについては、使用目的の収納サービスの「サービスID」と、入庫したユーザの「ユーザID」とを管理している。
【0050】
「収納ボックスの属性」は、例えば、収納ボックスのサイズ、収納装置10における各収納ボックスの位置及び冷凍・冷蔵機能の有無等を示す情報である。
【0051】
「収納ボックスの使用状況」は、各収納ボックスが「未使用」又は「使用中」のいずれのステータスであるかを管理する。
「未使用」は、収納ボックス内に物品が収納されておらず、新たに物品の入庫が許可されている状態を示している。
「使用中」は、収納ボックス内に物品が既に収納されており、物品の入庫が禁止されている状態を示している。
【0052】
本実施の形態では、一例として、収納部16は7つの収納ボックスから構成されており、各収納ボックスには、ボックス番号1~7が付されている。
これらボックス番号1~7は、
図2に示す収納ボックス161~167にそれぞれ対応している。
【0053】
図6の例では、サービスID「SV0001」の収納サービスは、収納装置10の7個の収納ボックスのうち3個(ボックス番号1,2,6)を使用している。
また、ユーザID「0001」のユーザは、7個の収納ボックスのうち3個(ボックス番号1,4,6)を使用している。
【0054】
配送業者DB123は、配送業者に関する情報を管理するためのデータベースである。
図7は、本発明の第1の実施の形態における配送業者DB123のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、配送業者DB123は、各配送担当者を識別する「配送担当者ID」に対応付けて、「配送担当者の氏名/名称」と、配送業者が収納装置10の収納ボックスを解錠するための「配送業者の認証情報」と、配送担当者が所属する配送会社等の配送業者の「配送業者ID」と、その所属する「配送業者の名称」と、その配送業者が物品を集荷する収納サービスの「サービスID」と、その配送担当者が使用する「配送業者端末60のメールアドレス」と、「その他の配送業者(配送担当者)に関する情報」とを管理している。
【0055】
図7の例では、上述のとおり、配送業者DB123は、「配送担当者ID」に対応付けて、各配送担当者が所属する配送業者(配送会社)の「配送業者ID」と、当該「配送業者ID」の配送業者が物品の集荷を行う収納サービスの「サービスID」とを管理している。
従って、収納装置10の制御部11は、配送業者DB123を参照することにより、どの配送業者(配送担当者)が、どの収納サービスについて集荷および配送を担当しているかを認識することができるようになっている。
図7の例では、配送担当者ID「90001」の配送担当者が所属する配送業者ID「9001」の配送業者は、サービスID「SV0001」、「SV0002」の収納サービスを利用する際にユーザが入庫した物品の集荷作業を行う。
【0056】
配送業者の配送担当者は自身の認証情報が配送業者DB123において管理されている場合には、収納ボックスを解錠することができ、配送物の入庫(預入れ)又は取出し(集荷)を行うことができる。
なお、配送担当者は、集荷の際には、自身の属する配送業者が集荷担当の収納サービスに関する物品が入庫されている収納ボックスのみ解錠することができる。
【0057】
図8は、本発明の第1の実施の形態における利用履歴DB124のデータ構成の一例を示す図である。
図8の例では、利用履歴DB124は、収納装置10の各収納ボックスにおける利用履歴情報(入庫・取出し等)を管理するデータベースである。
利用履歴DB124は、収納ボックスの入庫または取出しの各作業それぞれに付された「作業番号」に対応付けて、物品を入庫又は取出した「ボックス番号」と、「入庫または取出し作業の時期」と、「入庫または取出しの種別」と、その作業の使用目的の収納サービスの「サービスID」と、その作業が取出し作業の場合に対応する「入庫作業の作業番号」と、要冷蔵または要冷凍等の「物品の属性情報」と、物品を収納ボックスに入庫したユーザのユーザIDまたは入庫した配送担当者の配送業者IDである「入庫者ID」と、物品を収納ボックスから取出したまたは取出す予定のユーザのユーザID、あるいは取出したまたは取出す(集荷)予定の配送担当者の配送業者IDである「取出し者ID/取出し予定者」とを管理している。
【0058】
サービス制限DB126は、各収納サービスが使用できる収納ボックスの個数の上限及び各収納サービスの現在の使用状況の情報を管理するデータベースである。
図9は、本発明の第1の実施の形態におけるサービス制限DB126のデータ構成の一例を示す図である。
サービス制限DB126は、各収納サービスを識別する「サービスID」に対応付けて、各収納サービスで物品の預け入れに使用可能な収納ボックスの個数の上限である「サービス上限ボックス数」と、各収納サービスで物品の預け入れに現在使用している収納ボックスの個数である「サービス使用ボックス数」を管理する。
「サービス上限ボックス数」は、1以上のユーザによる同一の収納サービスに使用可能な収納ボックスの個数の上限であり、「サービス使用ボックス数」は、1以上のユーザによる同一の収納サービスに現在使用されている収納ボックスの個数である。
図9の例では、サービス制限DB126は、サービスID「SV0001」の収納サービスの「サービス上限ボックス数」は「3個」で、「サービス使用ボックス数」は「1個」である。したがって、当該収納サービスを利用する目的で、残り2個の収納ボックスを使用できる。
一方、サービスID「SV0002」の収納サービスの「サービス上限ボックス数」は「2個」で、「サービス使用ボックス数」は「2個」であり、「上限ボックス数」の分だけ使用している。したがって、当該収納サービスを利用する目的では、さらに収納ボックスを使用することはできない。
【0059】
なお、配送業者が物品を収納ボックスから取り出した結果、「サービス使用ボックス数」が減じた場合には、その減じた数だけ、該当するサービスにおいて物品を預け入れる目的で、収納ボックスを新たに使用することができる。
【0060】
サービス制限DB126は、各サービス事業者の事業体ごとに「サービス上限ボックス数」および「サービス使用ボックス数」をそれぞれ設定および管理してもよいし、複数のサービス事業者の事業体を合わせた「出品」の収納サービス全体で「上限ボックス数」および「サービス使用ボックス数」をそれぞれ設定および管理してもよい。
【0061】
ユーザ制限DB127は、各ユーザが使用できる収納ボックスの個数の上限及び各ユーザの現在の使用状況の情報を管理するデータベースである。
図10は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザ制限DB127のデータ構成の一例を示す図である。
ユーザ制限DB127は、各ユーザを識別する「ユーザID」に対応付けて、各ユーザが物品の預け入れに使用可能な収納ボックスの個数の上限である「ユーザ上限ボックス数」と、各ユーザが物品の預け入れに現在使用している収納ボックスの個数である「ユーザ使用ボックス数」を管理する。
「ユーザ上限ボックス数」は、各ユーザが1以上の収納サービスに使用可能な収納ボックスの個数の上限であり、「ユーザ使用ボックス数」は、各ユーザが1以上の収納サービスのために現在使用している(物品を入庫している)収納ボックスの個数である。
図10に示すユーザ制限DB127の例では、「ユーザID」が「0001」のユーザの「ユーザ上限ボックス数」は「3個」で、「ユーザ使用ボックス数」は「1個」である。したがって、当該ユーザは、物品の預け入れの目的で、収納サービスの種類を問わず、残り2個の収納ボックスを使用できる。
一方、「ユーザID」が「0002」のユーザの「ユーザ上限ボックス数」は「2個」で、「ユーザ使用ボックス数」は「2個」であり、「ユーザ上限ボックス数」の分だけ使用している。したがって、当該ユーザは、物品の預け入れの目的で、さらに収納ボックスを使用することはできない。
【0062】
なお、配送業者が物品を収納ボックスから取り出した結果、「ユーザ使用ボックス数」が減じた場合には、その減じた数だけ、該当するユーザが物品を預け入れる目的で、収納ボックスを新たに使用することができる。
【0063】
図に示す例では、ユーザ制限DB127は、各ユーザごとに「ユーザ上限ボックス数」および「ユーザ使用ボックス数」をそれぞれ設定および管理しているが、同一の専有部情報が割り当てられた複数のユーザ全体で「ユーザ上限ボックス数」および「ユーザ使用ボックス数」をそれぞれ設定および管理してもよい。
例えば、あるマンションの「301号室」に3人のユーザが居住し、共通の専有部情報が割り当てられている場合に、その中のユーザ1人で「ユーザ使用ボックス数」が「ユーザ上限ボックス数」に達しているときには、当該3人のユーザは、いずれも、物品の預け入れの目的で、さらに収納ボックスを使用することはできない。
【0064】
(5)収納部16の構成
収納部16は、複数の収納ボックスから構成される。
収納ボックスは、ユーザに関連する物品を一時保管するための収納庫であり、それぞれ施解錠可能に構成されている。
例えば、ユーザは集荷を依頼する物品を配送担当者が集荷するまでの間、収納ボックスに入庫しておくことができる。
また、ユーザが不在の場合でも、配送担当者は、その収納ボックスにユーザ宛の物品を入庫し施錠することにより、収納部16は、ユーザが取り出すまで物品等を安全に保管することができる。
【0065】
各収納ボックスは通常施錠されており、物品が収納されていない収納ボックスは、ユーザ又は配送業者の認証成功時に解錠され、認証失敗時には解錠されない。
一方、ユーザは、自身宛の物品が収納中の収納ボックスは、解錠情報の入力により解錠することができ、他人宛の物品が収納中の収納ボックスは解錠することができない。
配送業者は、自身が配送を依頼された物品が収納中の収納ボックスは、認証情報の入力により解錠することができる。
収納ボックスにおける施解錠を実現する構造は、入庫取出口を閉塞するように扉を開閉可能に収納室に固定するものであれば特に限定しない。
【0066】
(6)通信部13の構成
通信部13は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ20またはサービス事業者サーバ70との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部13は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0067】
(7)表示部14及び操作部15の構成
表示部14は、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のディスプレイやLED等の発行素子によるランプ等の表示装置である。
制御部11は、情報格納部12から画像を読み出し、画像出力処理を実行して画面情報を生成する。
制御部11は、上記生成した画像情報を表示部14へ出力する。
表示部14は、上記入力した画像情報をディスプレイ等に画面表示する。
また、制御部11は、制御信号を表示部14へ出力し、表示部14が有するランプを点灯させることもできる。
【0068】
図2に示す例では、表示部14は、収納装置10本体内に設けられているが、有線又は無線を介して通信可能に接続された外部の表示装置であってもよい。
例えば、表示部14は、タブレット端末やディスプレイ装置であって、収納装置10本体の外部に設けられ、上記有線又は無線を介して制御部11から入力される画像情報を表示する。
【0069】
操作部15は、例えば各種キー等から構成される情報入力装置を備え、当該情報入力装置は表示部14と連携してポインティングデバイスを提供する。操作部15は、居住者等による各種操作を受け付けて、その操作内容を示す信号を制御部11等に出力する。
制御部11は、上記操作内容を示す信号を入力すると、当該信号の内容に応じて、その操作内容に応じた画面表示を表示部14に実行させる旨の制御信号を表示部14へ出力する。
表示部14は、その制御信号を入力すると、当該制御信号に応じて画面表示を行う。
なお、上記表示部14と操作部15は一体に構成され、タッチパネルを形成してもよい。
【0070】
また、操作部15は、赤外線通信等の近距離無線通信を行って情報記録媒体から情報を読み取る情報読取装置を備えている。
ユーザ又は配送担当者は、上記収納ボックスの解錠用の認証情報が記録されている情報記録媒体(認証媒体)を操作部15(情報読取装置)にかざす等して所定距離内まで接近させると、操作部15は、上記情報記録媒体から上記認証情報を読み取る。
この操作部15による認証情報の読取技術については特に限定しないが、例えば、Felica(登録商標)、MIFARE(登録商標)、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信方式を用いる。また、情報記録媒体の表面にコード情報が印刷又は設けられている場合には、操作部15はそのコード情報を光学的に読み取る。
上記情報記録媒体は、例えば、ユーザ又は配送業者を識別する認証情報が書き込まれた非接触型のICカードや同様の機能を備えた携帯端末である。
【0071】
〔3〕管理サーバ20の構成
管理サーバ20は、ユーザ情報、配送業者情報、収納装置10の使用状況及び収納サービスの利用状況等を管理するサーバ装置である。
管理サーバ20は、例えば、収納装置10の管理事業者等により管理される。
【0072】
図11は、本発明の第1の実施の形態における管理サーバ20の構成を示す図である。
図に示すように、管理サーバ20は、CPU等により構成され管理サーバ20全体を制御する制御部21と、ユーザ情報等を格納する情報格納部22と、ネットワーク100を介して収納装置10、ユーザ端末30、管理者端末40、配送業者サーバ50又はサービス事業者サーバ70と情報の送受信を無線又は有線を介して行う通信部23とを有して構成される。
各部21~23は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部21の制御のもと、種々の処理が実行される。
【0073】
制御部21は、管理サーバ20全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU等の電子回路やFPGA等の集積回路により構成される。
制御部21は、情報格納部22から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部22に情報の書込みを実行する。
【0074】
情報格納部22は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部22は、制御部21で実行するプログラムを記憶する領域や制御部21が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部21は、その情報格納部22に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0075】
通信部23は、ネットワーク100を介して行う収納装置10、ユーザ端末30、管理者端末40、配送業者サーバ50及びサービス事業者サーバ70との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部23は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0076】
図12には、管理サーバ20の情報格納部22が格納する各データベースが示されている。
図に示すように、情報格納部22は、1以上の各収納装置10におけるユーザ情報等を管理するユーザDB221と、1以上の各収納装置10における収納部16を構成する複数の収納ボックスの使用状況を管理する収納ボックスDB222と、1以上の各収納装置10における配送業者の情報を管理する配送業者DB223と、1以上の各収納装置10における各収納ボックスの利用履歴を管理する利用履歴DB224と、1以上の各収納装置10における各収納サービスごとに使用可能な収納ボックスの上限および現在の使用状況を管理するサービス制限DB226と、1以上の各収納装置10における各ユーザごとに使用可能な収納ボックスの上限および現在の使用状況を管理するユーザ制限DB227とを格納する。
【0077】
本実施の形態では、以下、特記しない限り、管理サーバ20は、これらユーザDB221、収納ボックスDB222、配送業者DB223、利用履歴DB224、サービス制限DB226、ユーザ制限DB227の各データベースにおいて、1以上の各収納装置10のユーザDB121、収納ボックスDB122、配送業者DB123、利用履歴DB124、サービス制限DB126、ユーザ制限DB127の同名称の各データベースのデータを統合し、まとめて管理する。
【0078】
また、収納装置10及び管理サーバ20の一方は、他方のデータベースにおいて管理される情報の一部を管理するよう構成してもよい。
管理サーバ20は、収納装置10と所定時間ごとに通信を行い、自身が格納している各データベースと、収納装置10の同名称の各データベースとの間の同期を取るようにしてもよい。
【0079】
〔4〕ユーザ端末30の構成
ユーザ端末30は、ユーザが使用するスマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、PC又はその他の端末である。
【0080】
ユーザは、ユーザ端末30を用いて、自身宛の配送物の収納装置10への入庫、又は自身が集荷依頼した配送物の収納装置10からの取出しについて、管理サーバ20から通知を受ける。
また、ユーザは、ユーザ端末30を用いて、管理サーバ20と通信を行い、自身宛の配送物及び自身が集荷依頼を行った配送物の情報を受信して表示を行い、その内容を確認することができる。
【0081】
図13は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザ端末30の構成を示す図である。
図に示すように、ユーザ端末30は、CPU等から構成されユーザ端末30全体の動作を制御する制御部31と、入力した情報やネットワーク100を介して受信した情報等を格納する情報格納部32と、ネットワーク100を介して情報の送受信を行う通信部33と、ディスプレイ等から構成され情報を画面表示する表示部34と、キーやマウス等から構成され情報の入力等を行う操作部35とを有して構成される。
また、上記表示部34と操作部35は、一体に構成され、タッチパネルを構成してもよい。
各部31~35は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部31の制御のもと、種々の処理が実行される。
【0082】
制御部31は、ユーザ端末30全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU等の電子回路やFPGA等の集積回路により構成される。
制御部31は、情報格納部32から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部32に情報の書込みを実行する。
【0083】
情報格納部32は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部32は、制御部31で実行するプログラムを記憶する領域や制御部31が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部31は、その情報格納部32に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0084】
通信部33は、ネットワーク100を介して行う管理サーバ20またはサービス事業者サーバ70との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部33は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0085】
表示部34は、ディスプレイやランプ等の表示装置である。
制御部31は、情報格納部32から画像を読み出し、画像出力処理を実行して画面情報を生成する。また、制御部31は、通信部33が管理サーバ20またはサービス事業者サーバ70から受信した画像情報に対して画像出力処理を実行して画面情報を生成する。
制御部31は、上記生成した画像情報を表示部34へ出力する。
表示部34は、上記入力した画像情報をディスプレイ等に画面表示する。
また、制御部31は、制御信号を表示部34へ出力し、表示部34が有するLED等のランプを点灯させることもできる。
本実施の形態では、表示部34は、ユーザが収納サービスを利用しようとするときに、収納ボックスを解錠するために必要な「サービス利用コード」を表示する。
この表示した「サービス利用コード」を収納装置10の操作部15に読み込ませることにより、収納ボックスの解錠処理を収納装置10に実行させることができる。
【0086】
操作部35は、例えば各種キー等から構成される情報入力装置を備え、当該情報入力装置は表示部34と連携してポインティングデバイスを提供する。操作部35は、受注側等による各種操作を受け付けて、その操作内容を示す信号を制御部31等に出力する。
制御部31は、上記操作内容を示す信号を入力すると、当該信号の内容に応じて、表示部34へその操作内容に応じた画面表示を行う旨の制御信号を表示部34へ出力する。
表示部34は、その制御信号を入力すると、当該制御信号に応じて画面表示を行う。
【0087】
ユーザ端末30は、Webサーバとして機能する管理サーバ20またはサービス事業者サーバ70から画面情報、例えばWebページを受信して表示することができる。
ユーザ端末30は、制御部31がユーザ側の要求に応じてHTTP要求を生成して送信する機能と、HTTP応答(応答の一例)を解釈してユーザ側に提示する機能とを有する。
例えば、情報格納部32は、一例としてWebブラウザを格納する。
制御部31は、HTTP応答を解釈して画像データや音声データを生成し、表示部34に表示したり、音声をユーザ端末30が有するスピーカから出力したりすることで、HTTP応答をユーザ側に提示する。
【0088】
〔5〕管理者端末40の構成
管理者端末40は、管理者が使用するスマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、PC又はその他の端末である。
【0089】
管理者は、管理者端末40を用いて、管理サーバ20と通信を行い、収納装置10の使用状況及び収納サービスの利用状況等の情報を受信して表示を行い、その内容を確認することができる。
管理者端末40は、Webサーバとして機能する管理サーバ20から画面情報、例えばWebページを受信して表示することができる。
【0090】
図14は、本発明の第1の実施の形態における管理者端末40の構成を示す図である。
図に示すように、管理者端末40は、制御部41と、情報格納部42と、通信部43と、表示部44と、操作部45とを有して構成される。
上記各部41~45は、それぞれユーザ端末30の同一名称の各部31~35と基本的に同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
【0091】
〔6〕配送業者サーバ50の構成
配送業者サーバ50は、配送業務に関する情報を管理するためのサーバ装置である。
配送業者サーバ50は、例えば、各配送業者(配送会社等の組織)ごとに設置され、その設置された各配送業者に関するデータを管理する。すなわち、各配送業者サーバ50は、自配送業者(自配送会社)に関する配送業者のデータのみを管理し、他の配送業者(他の配送会社)に関する配送業者のデータを管理しないようにしてもよい。
【0092】
配送業者サーバ50は、ユーザが収納サービスを利用するにあたって収納装置10に物品を入庫した旨の通知を管理サーバ20から受信すると、その受信した通知を配送業者端末60へ送信し、配送担当者に対して当該物品の配送(集荷)を依頼する。
【0093】
図15は、本発明の第1の実施の形態における配送業者サーバ50の構成を示す図である。
図に示すように、配送業者サーバ50は、制御部51と、情報格納部52と、通信部53とを有して構成される。
上記各部51~53は、特記しない限り、それぞれ管理サーバ20の同一名称の各部21~23と基本的に同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
ただし、情報格納部52に格納されている情報と、情報格納部32に格納されている情報とは異なっている。
【0094】
図16には、配送業者サーバ50の情報格納部52が格納する各データベースが示されている。
図に示すように、情報格納部52は、配送業者による配送業務の内容を管理する配送管理DB521と、配送業者の情報を管理する配送業者DB523と、各収納装置10の設置位置の情報を管理する収納装置位置DB524とを格納する。
【0095】
配送管理DB521は、収納サービスが利用される際の配送業務に関する情報を管理するためのデータベースである。
配送業者の配送担当者は、配送業務DB521で管理される情報に基づいて配送(集荷)業務を行う。
【0096】
図17は、本発明の第1の実施の形態における配送管理DB521のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、配送管理DB521は、利用者による収納サービスの申込みごとに付された「申込管理番号」に対応付けて、物品(出品物)の「配送先の個人情報(住所、連絡先等)」と、各収納サービスにおいて物品が入庫される予定または入庫された収納装置10の「収納装置ID」と、当該物品の入庫に使用される「サービスコード情報」と、「その他の物品の配送内容に関する情報(物品の種類等)」とを管理している。
【0097】
配送業者DB523は、配送業者に関する情報を管理するためのデータベースである。
配送業者DB523のデータは、収納装置10において管理される配送業者DB123および管理サーバ20が管理する配送業者DB223において管理されるデータのうち、当該配送業者サーバ50を管理する配送業者のデータと共通している。
【0098】
図18は、本発明の第1の実施の形態における配送業者DB523のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、配送業者DB523は、各配送担当者を識別する「配送担当者ID」に対応付けて、「配送担当者の氏名/名称」と、配送業者が収納装置10の収納ボックスを解錠するための「配送業者の認証情報」と、配送業者情報(配送業者端末60のメールアドレス、配送担当者が所属する配送会社等の配送業者等)とを管理している。
また、配送業者DB523は、「配送担当者ID」に対応付けて、各配送担当者が所属する配送業者(配送会社)の「配送業者ID」と、当該「配送業者ID」の配送業者が物品の集荷を行う収納サービスの「サービスID」とを管理している。
【0099】
収納装置位置DB524は、各収納装置10の設置位置に関する情報を管理するためのデータベースである。
図19は、本発明の第1の実施の形態における収納装置位置DB524のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、収納装置位置DB524は、各収納装置10を識別する「収納装置ID」に対応付けて、「各収納装置10の設置位置の情報」を管理している。
収納装置10の設置位置の情報は、例えば、「東京都○○区○○ ××マンション1階共用玄関ロビー」のように、配送担当者が集荷を行えるように収納装置10の設置位置が示されている。
【0100】
〔7〕配送業者端末60の構成
配送業者端末60は、配送業者の配送担当者が使用するスマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、PC又はその他の端末である。
【0101】
配送業者端末60は、配送の依頼に関する情報を配送業者サーバ50から受信し、配送業者の配送担当者は、当該配送依頼の内容に沿って配送業務を行う。
配送業者端末60は、Webサーバとして機能する管理サーバ20及び配送業者サーバ50から画面情報、例えばWebページを受信して表示することができる。
【0102】
図20は、本発明の第1の実施の形態における配送業者端末60の構成を示す図である。
図に示すように、配送業者端末60は、制御部61と、情報格納部62と、通信部63と、表示部64と、操作部65と、情報読取部66と、伝票出力部67とを有して構成される。
上記各部61~65は、それぞれユーザ端末30の同一名称の各部31~35と基本的に同様の構成であるので、その詳細な説明は省略する。
【0103】
情報読取部66は、収納装置10の表示部14に表示されるサービスコード情報を読み取る。
サービスコード情報とは、ユーザが収納サービスを利用する目的で収納装置10に物品を入庫するために必要なコード情報であるとともに、配送担当者が物品の集荷を行うためにも必要なコード情報である。
例えば、サービスコード情報は、バーコード又は2次元バーコードであり、その他の文字列または図形、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。
配送担当者がそのユーザが収納サービスの利用目的で収納装置10に入庫した物品を集荷する際に認証が成功すると、収納装置10はサービスコード情報を表示する。
上記情報読取部66は、収納装置10に表示されたサービスコード情報を読み取る。
【0104】
例えば、配送業者端末60はスマートフォンであり、情報読取部66は、スマートフォンに内蔵されているカメラである。配送担当者は、配送業者端末60に実装されているコード情報のリーダアプリを起動させることにより、コード情報のリーダ機能を作動させ、情報読取部66によりサービスコード情報を読み取る。
【0105】
伝票出力部67は、配送担当者が収納装置10から集荷した物品(配送物)に付す伝票を出力する。
この伝票には、少なくとも配送先の情報が記載されており、配送担当者はこの伝票を集荷対象の物品に付して配送業務を行う。
伝票は、宅配便の配送物などに貼付される一般的な伝票と同様であってもよく、例えば、送り主、配送先および物品の情報(氏名/団体名、住所、電話番号、物品の種類、配送の種類(低温配送など))などが記載される。
例えば、伝票出力部67は、伝票自体となる紙素材、当該紙素材を収納するケース、伝票に上記各情報を印刷する印刷手段、印刷した伝票を配送業者端末60から出力する手段などから構成される。
【0106】
上述のとおり、配送業者端末60の情報読取部66が、収納装置10に表示されたサービスコード情報を読み取ると、制御部61は当該読み取ったサービスコード情報に基づいて伝票出力部67内の伝票に配送先等の情報を印刷し、当該印刷済みの伝票を出力させる。
配送担当者は、その出力された伝票を、収納装置10から集荷した物品に付して配送業務を行う。
【0107】
〔8〕サービス事業者サーバ70の構成
サービス事業者サーバ70は、各サービス事業者が自身が提供する収納サービスに関する情報を管理するためのサーバ装置である。
サービス事業者サーバ70は、例えば、各サービス事業者ごとに設置され、その設置された各サービス事業者が提供する各収納サービスに関するデータを管理する。すなわち、各サービス事業者サーバ70は、自組織(自サービス事業者)に関するデータのみを管理し、他組織(他のサービス事業者)に関するデータを管理しないようにしてもよい。
【0108】
図21は、本発明の第1の実施の形態におけるサービス事業者サーバ70の構成を示す図である。
図に示すように、サービス事業者サーバ70は、CPU等により構成されサービス事業者サーバ70全体を制御する制御部71と、収納サービスの情報等を格納する情報格納部72と、ネットワーク100を介して収納装置10、ユーザ端末30又は配送業者サーバ50と情報の送受信を無線又は有線を介して行う通信部73とを有して構成される。
各部71~73は、内部のバスに接続され、このバスを介して種々の情報等が入出力され、制御部71の制御のもと、種々の処理が実行される。
【0109】
制御部71は、サービス事業者サーバ70全体の制御を司る処理部であり、例えば、CPU等の電子回路やFPGA等の集積回路により構成される。
制御部71は、情報格納部72から情報の読出しを実行するとともに、情報格納部72に情報の書込みを実行する。
【0110】
情報格納部72は、例えば、ハードディスク、メモリ又は半導体素子等の情報を格納する装置である。
情報格納部72は、制御部71で実行するプログラムを記憶する領域や制御部71が処理を実行する際に一時的に使用する作業領域等(RAM等)を有する。
制御部71は、その情報格納部72に格納されているプログラムを読み出し、上記作業領域に展開して各種の処理を実行する。
【0111】
通信部73は、ネットワーク100を介して行う収納装置10、ユーザ端末30又は配送業者サーバ50との通信を制御するインターフェースであり、LANアダプタ等を有する。
通信部73は、無線送受信機を備え、無線通信を介してLANやインターネット等に接続されてもよいし、ケーブル等の有線を介して接続されてもよい。
【0112】
図22には、サービス事業者サーバ70の情報格納部72が格納する各データベースが示されている。
図に示すように、情報格納部72は、サービス事業者が提供する収納サービスを利用するユーザの情報(ユーザ情報)等を管理するサービス利用者DB721と、収納サービスに関する情報を管理するサービス利用履歴DB724とを格納する。
【0113】
ユーザDB121は、ユーザに関する情報を管理するためのデータベースである。
図23は、本発明の第1の実施の形態におけるサービス利用者DB721のデータ構成の一例を示す図である。
図23に示す例では、サービス利用者DB721は、収納サービスの利用者(以下、「サービス利用者」という。)個々の識別情報である「サービス利用者ID」に対応付けて、「サービス利用者の氏名」と、住所やメールアドレス等のサービス利用者の「個人情報」とを管理している。
【0114】
図24は、本発明の第1の実施の形態におけるサービス利用履歴DB724のデータ構成の一例を示す図である。
サービス利用履歴DB724は、サービス利用者による収納サービスの利用履歴情報を管理するデータベースである。
図24の例では、サービス利用履歴DB724は、「出品」の収納サービスに関する利用履歴情報を管理している。
図24に示すように、サービス利用履歴DB724は、利用者による収納サービスの申込みごとに付された「申込管理番号」に対応付けて、フリーマーケットやオークションにおける「出品者(物品の発送側)のサービス利用者ID」と、フリーマーケットやオークションにおける「落札者(物品の受取側)のサービス利用者ID」と、「出品」の収納サービスにおいて物品が入庫される予定または入庫された収納装置10の「収納装置ID」と、当該物品の入庫に使用される「サービスコード情報」と、「その他の収納サービスに関する内容の情報」とを管理している。
【0115】
本実施の形態では、サービス利用者DB721、サービス利用履歴DB724において管理されるサービス利用者(出品者のサービス利用者または落札者のサービス利用者)は、ユーザDB121において管理されるユーザである。
本実施の形態では、ユーザ(出品者のユーザまたは落札者のユーザ)DB121の「ユーザID」と、サービス利用者DB721、サービス利用履歴DB724の「サービス利用者ID」は共通のIDであるが、別のIDであってもよく、その場合は、サービス利用者DB721において、「ユーザID」が「サービス利用者ID」に対応付けられて管理される。
【0116】
(第1の実施の形態の動作)
(1)収納サービス申込み動作
図25は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが収納サービスの申込を行う際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、一例として、出品者のユーザが利用する収納サービスが、フリーマーケットサイトに出品した出品物を一時的に収納装置10に入庫・保管した後に落札者に届ける「出品」の収納サービスを利用する場合において、ユーザが収納サービスを申し込むときの収納システムによる動作を説明する。
【0117】
まず、ユーザは、ユーザ端末30の操作部35を用いて、収納サービスの申込みのための情報(以下、「サービス申込情報」という。)を入力する(ステップS101)。
例えば、ステップS101では、ユーザは、今回収納装置10に入庫する出品物を識別する「出品物ID」、今回入庫する収納装置10を識別する「収納装置ID」、出品物の落札者を識別する「落札者のサービス利用者ID」等を入力する。
このとき、ユーザ端末30の制御部31は、情報格納部32を参照し、当該ユーザを識別する「ユーザID」を自動的に抽出し、サービス申込情報に追加する。
【0118】
なお、ステップS101において、ユーザは、「収納装置ID」に代えて、当該収納装置10の設置場所を示す情報を入力してもよい。
また、ステップS101において、ユーザは、「落札者のサービス利用者ID」に代えて、当該落札者の氏名、住所および連絡先の情報(電話番号、メールアドレスなど)などの発送先の具体的な情報を入力してもよい。
【0119】
次に、ユーザ端末30の通信部33は、上記サービス申込情報をサービス事業者サーバ70へ送信して、収納サービスを利用するために必要なコード情報である「サービスコード情報」の発行を要求する(ステップS102)。
サービスコード情報は、ユーザが、収納サービスを利用する目的で、収納装置10に物品を入庫する際に必要なコード情報であり、例えば、バーコード又は2次元バーコードであり、その他の文字列または図形、あるいがこれらの組み合わせであってもよい。
【0120】
サービス事業者サーバ70は、サービス申込情報をユーザ端末30から受信すると、サービス事業者サーバ70の制御部71は、情報格納部72に格納されているサービス利用者DB721を参照し、サービス申込情報に含まれる落札者のサービス利用者IDに基づいて、当該落札者(配送先)の個人情報(氏名、住所、連絡先の情報)をサービス利用者DB721から抽出する(ステップS103)。
【0121】
次に、サービス事業者サーバ70の通信部73は、上記サービス申込情報(落札者のサービス利用者IDを除いてもよい)および落札者の個人情報を配送業者サーバ50へ送信する(ステップS104)。
ここで、サービス事業者サーバ70から配送業者サーバ50へ送信される「サービス申込情報」には、「配送先の個人情報(住所、連絡先等)」と、「収納装置ID」とが含まれる。
【0122】
配送業者サーバ50は、上記サービス申込情報(落札者のサービス利用者IDを除く)および落札者の個人情報をサービス事業者サーバ70から受信すると、配送業者サーバ50の制御部51は、サービス申込情報ごとに固有の申込管理番号を生成し、当該生成した申込管理番号に対応付けて、サービス申込情報を配送管理DB521に登録する。
さらに、制御部51は、生成した申込管理番号に基づいて、「サービスコード情報」を発行する(ステップS105)。
「サービスコード情報」には、「申込管理番号」および/または「サービス申込情報」が含まれる。制御部51は、当該発行したサービスコード情報も、該当する申込管理番号に対応付けて配送管理DB521に登録する。
【0123】
次に、配送業者サーバ50の通信部53は、発行されたサービスコード情報をサービス事業者サーバ70へ送信する(ステップS106)。
【0124】
サービス事業者サーバ70の通信部73は、サービスコード情報を配送業者サーバ50から受信すると、制御部71は、そのサービスコード情報を含む申込完了画面の情報(以下、「申込完了画面情報」という。)を生成し、通信部73は、その生成された申込完了画面情報をユーザ端末30へ送信する(ステップS107)。
このとき、サービス事業者サーバ70の制御部71は、サービスコード情報を情報格納部72に格納されるサービス利用履歴DB724に登録するようにしてもよい。
【0125】
ユーザ端末30の通信部33は、申込完了画面情報をサービス事業者サーバ70から受信すると、ユーザ端末30の制御部31は、その受信された申込完了画面情報を情報格納部32に格納する(ステップS108)。
ユーザは、ユーザ端末30の操作部35を操作することにより、その情報格納部32に格納された申込完了画面情報を表示部34に表示させることができる。
ユーザは、出品物を収納装置10に入庫する際には、上記ユーザ端末30の情報格納部32に格納された申込完了画面情報を読み出して表示部34に表示させ、その申込完了画面情報に含まれるサービスコード情報を用いて、収納装置10に物品(出品物)を入庫する。
以上で、サービス申込動作は完了する。
【0126】
(2)物品の入庫動作
上述のとおり、ユーザは、サービスコード情報の発行後、配送を依頼する物品(出品物)を持って、収納装置10の設置場所を訪れる。
【0127】
図26~28は、本発明の第1の実施の形態において、ユーザが収納サービスの利用のために物品を収納装置10に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、一例として、出品者のユーザが利用する収納サービスが、フリーマーケットサイトに出品した出品物を一時的に収納装置10に入庫・保管した後に落札者(のユーザ)に届ける「出品」の収納サービスを利用する場合において、ユーザが物品(出品物)を収納ボックスに入庫するときの収納システムによる動作を説明する。
【0128】
まず、ユーザは、入庫予定の出品物(物品)を持って、サービス申込情報として入力した収納装置IDに対応する収納装置10の設置場所(例えば、自身の居住する集合住宅の共用部等)を訪れる。
【0129】
収納装置10の表示部14には、「利用者選択画面」が表示されている。
利用者選択画面は、収納サービスを利用するにあたって、自身のプロフィール(ユーザか配送業者か)を選択するための画面情報である。
【0130】
図29は、本発明の第1の実施の形態における「利用者選択画面」の一例を示す図である。
図29の例では、利用者選択画面には、「ユーザ」及び「配送業者」のアイコンが表示されている。
収納装置10の利用者(ユーザ又は配送業者)は、収納装置10の操作部15を操作して、自身のプロフィールに応じて、上記「ユーザ」又は「配送業者」のいずれかのアイコンを選択する。
本例では、ユーザが出品物を収納ボックスに入庫するので、「ユーザ」のアイコンが選択される。
【0131】
ユーザが、上記利用者選択画面において、「ユーザ」のアイコンを選択すると、表示部14は、制御部11による制御のもと、ユーザの認証情報の入力を促す「認証入力画面」を表示する(ステップS201)。
例えば、ユーザの認証情報は、ユーザIDと、パスワードとの組み合わせであってもよい。
【0132】
上記認証入力画面には、例えば、「ICカードをリーダにかざして下さい。」等のメッセージが表示され、ユーザに対してユーザの認証情報の入力を促す。
例えば、ユーザの認証情報の入力方法は、ユーザIDおよびパスワードが記録されたICカードを収納装置10の操作部15に備えられたリーダに近距離無線を介して読み込ませるようにしてもよい。
また、上記認証入力画面にユーザIDおよびパスワードの入力欄が設けられている場合には、ユーザは、操作部15に備えられた各種キーを用いて、上記入力欄にユーザIDおよびパスワードを入力するようにしてもよい。
【0133】
ユーザは、この「認証入力画面」の表示内容に応じて、ユーザの認証情報を収納装置10に入力する(ステップS202)。
【0134】
制御部11は、ユーザDB121を参照し、上記入力されたユーザの認証情報に含まれるユーザIDおよびパスワードに基づいてユーザの認証を行う(ステップS203)。
例えば、制御部11は、ユーザDB121において、上記ユーザIDとパスワードとが互いに対応付けられて登録されている場合に「認証成功」と判断し、互いに対応付けられて登録されていない場合に「認証失敗」と判断する。
【0135】
ここで、制御部11は、認証失敗と判断すると(ステップS203/No)、ユーザに対して収納装置10の利用を許可せずに、動作を終了する。
【0136】
一方、制御部11は、認証成功と判断すると(ステップS203/Yes)、表示部14は、制御部11による制御のもと、「サービスの利用選択画面」を表示する(ステップS204)。
サービスの利用選択画面は、ユーザが利用する収納サービスを選択するための画面情報である。
【0137】
図30は、本発明の第1の実施の形態における収納装置10に表示される「サービスの利用選択画面」の一例を示す図である。
図の例では、「サービスの利用選択画面」には、「集荷」、「クリーニング」、「出品」のボタンが表示されている。
ユーザは、収納装置10の操作部15を操作して、上記サービスの利用選択画面上で「集荷」、「クリーニング」、「出品」のうち、どの収納サービスを利用するかを選択する(ステップS205)。
本例では、ユーザは、フリーマーケットサイトの出品物を収納装置10に入庫するので、「出品」のボタンを押下する。
【0138】
制御部11は、サービスの利用選択画面において、収納サービスを利用するために「出品」が選択されたと判断すると、収納ボックスDB122の各収納ボックスの使用状況を参照し、現在、未使用の収納ボックスがあるか否かを判断する(ステップS206)。
【0139】
ここで、制御部11は、現在、使用可能な収納ボックスがないと判断すると(ステップS206/No)、ユーザは物品を収納ボックスに入庫することができないので、動作を終了する。
【0140】
一方、制御部11は、現在、使用可能な収納ボックスがあると判断すると(ステップS206/Yes)、サービス制限DB126を参照し、「サービスの利用選択画面」において選択された収納サービスのサービスIDに基づいて、当該収納サービスの「サービス使用ボックス数」が「サービス上限ボックス数」に達しているか否かを判断する(ステップS207)。
【0141】
ここで、制御部11は、サービス制限DB126を参照し、当該収納サービスの「サービス使用ボックス数」が「サービス上限ボックス数」に達していると判断した場合(ステップS207/Yes)、ユーザが選択した収納サービスを目的として収納装置10に物品を入庫することは許可できないので、表示部14に「物品の入庫を許可できないこと」を表示させ、動作を終了する。
【0142】
一方、制御部11は、サービス制限DB126を参照し、当該収納サービスの「サービス使用ボックス数」が「サービス上限ボックス数」に達していないと判断した場合(ステップS207/No)、上記入力されたユーザの認証情報に基づいて当該ユーザを識別し、ユーザ制限DB127を参照し、当該ユーザについて、「ユーザ使用ボックス数」が「ユーザ上限ボックス数」に達しているか否かを判断する(ステップS208)。
【0143】
ここで、制御部11は、ユーザ制限DB127を参照し、当該ユーザの「ユーザ使用ボックス数」が「ユーザ上限ボックス数」に達していると判断した場合(ステップS208/Yes)、当該ユーザが収納装置10に物品を入庫することは許可できないので、表示部14に「物品の入庫を許可できないこと」を表示させ、動作を終了する。
【0144】
一方、制御部11は、ユーザ制限DB127を参照し、当該収納サービスの「ユーザ使用ボックス数」が「ユーザ上限ボックス数」に達していないと判断した場合(ステップS208/No)、ユーザに対し収納サービスを利用するために必要なサービスコード情報の入力を促すメッセージ等を表示部14に表示させる(ステップS209)。
【0145】
ユーザは、上記サービスコード情報の入力を促すメッセージを確認し、ユーザ端末30の操作部35を操作し、ユーザ端末30の制御部31は、上記サービス事業者サーバ70からユーザ端末30が取得したサービスコード情報を表示部34に表示させる(ステップS210)。
【0146】
図31は、本発明の第1の実施の形態におけるユーザ端末30に表示される「申込完了画面情報」の一例を示す図である。
図31に示すように、当該申込完了画面情報には、ユーザが申し込んだ収納サービスの内容や入庫する収納装置10の設置位置に加えて、サービスコード情報115が表示されている。
サービスコード情報として、例えば、本図のように2次元バーコードがユーザ端末30の表示部34に表示される。
なお、本実施の形態では、ユーザ端末30は、申込画面情報を表示するが、単にサービスコード情報のみを表示するようにしてもよい。
【0147】
次に、ユーザは、上記ユーザ端末30に表示されたサービスコード情報を収納装置10の操作部15に設けられている読取手段(バーコードリーダ)に近付けると、操作部15の読取手段は、当該サービスコード情報を読み取る(ステップS211)。
【0148】
次に、通信部13は、上記読み取られたサービスコード情報をサービス事業者サーバ70へ送信する(ステップS212)。
【0149】
サービス事業者サーバ70の通信部72は、上記サービスコード情報を収納装置10から受信すると、サービス事業者サーバ70の制御部71は、当該受信したサービスコード情報を解析して、当該サービスコード情報が有効か否かを判断する(ステップS213)。
ステップS213におけるサービスコード情報の有効性の判断内容については、特に限定しないが、例えば、制御部71は、サービスコード情報が発行されてから所定期間(例えば1週間)が経過していなければ有効と判断し、既に経過した場合には無効と判断するようにしてもよい。
【0150】
次に、サービス事業者サーバ70の通信部73は、上記サービスコード情報の有効性の判断結果の情報を収納装置10へ送信する(ステップS214)。
【0151】
収納装置10の通信部13は、上記サービスコード情報の有効性の判断結果の情報をサービス事業者サーバ70から受信すると、収納装置10の制御部11は、当該受信したサービスコード情報の有効性の判断結果の情報が「有効である」との判断結果であるか否かを判断する(ステップS215)。
ここで、制御部11は、「無効である」との判断結果であると判断した場合には(ステップS215/No)、ステップS211において読み取ったサービスコード情報が無効であると判断し、このまま動作を終了する。
【0152】
一方、制御部11は、「有効である」との判断結果であると判断した場合には(ステップS215/Yes)、収納ボックスDB122を参照して収納ボックスの使用状況の情報を抽出して収納ボックスの使用状況を示す画面情報を生成し、当該生成した収納ボックスの使用状況を示す画面情報を表示部14に表示させる(ステップS216)。
【0153】
図32は、本発明の第1の実施の形態における収納ボックスの使用状況を示す画面情報の一例を示す図である。
図に示す例では、収納装置10の収納ボックスのうち、現時点で入庫可能な収納ボックスと、現時点で入庫中であって入庫不可能な収納ボックスとを異なる色で示し、ユーザがどの収納ボックスに物品を入庫可能かがわかるようになっている。
【0154】
ユーザは、表示部14に表示された収納ボックスの使用状況を示す画面情報の内容を確認し、操作部15を操作して、入庫可能な収納ボックスのうち任意の収納ボックスを選択する(ステップS217)。
【0155】
制御部11は、ユーザにより選択された収納ボックスを解錠する(ステップS218)。
ユーザは、物品を解錠された収納ボックスに入庫し、閉扉すると、制御部11は、当該物品が入庫された収納ボックスを施錠する(ステップS219)。
【0156】
次に、収納装置10の制御部11は、配送業者DB123を参照し、ステップS205において選択された収納サービスのサービスIDに対応付けられている配送業者IDを抽出する。
つまり、制御部11は、ユーザが選択した収納サービスの配送(集荷)担当の配送業者を特定する。
そして、制御部11は、上記抽出した「配送業者ID」と、ステップS211で読み取られた「サービスコード情報」とを含み、当該収納装置10の収納ボックスに物品が入庫されたことを示す「入庫情報」を生成する(ステップS220)。
【0157】
次に、収納装置10の通信部13は、上記生成された入庫情報を管理サーバ20へ送信する(ステップS221)。
【0158】
管理サーバ20は、入庫情報を収納装置10から受信すると、当該入庫情報に含まれる「配送業者ID」に基づいて、当該「配送業者ID」に対応した配送業者の配送業者サーバ50に対して入庫情報を送信する(ステップS222)。
なお、ステップS222において、管理サーバ20が配送業者サーバ50へ送信するタイミングは、特に限定されない。
例えば、管理サーバ20は、収納装置10から入庫情報を1つ受信するごとに該当する配送業者サーバ50へ送信してもよいし、収納装置10から受信した入庫情報を一旦情報格納部22に蓄積し、所定時間経過後に、蓄積した1以上の入庫情報を該当する1以上の配送業者サーバ50に対し、それぞれまとめて送信するようにしてもよい。
【0159】
配送業者サーバ50の通信部53は、当該配送業者サーバ50を管理する配送業者が担当する配送業務に関する入庫情報を、管理サーバ20から受信すると、制御部51は、配送業務DB521において当該入庫情報に含まれるサービスコード情報を復号化し、当該復号化したサービスコード情報に含まれる収納装置IDに基づいて、収納装置DB522を参照し、当該収納装置IDに対応付けられている収納装置10の設置位置の情報を抽出する(ステップS223)。
【0160】
次に、配送業者サーバ50の制御部51は、配送業務DB521を参照し、上記復号化されたサービスコード情報に含まれる申込管理番号に対応付けられている発送先(落札者)の個人情報を抽出し、配送業者の配送担当者に対して配送業務を命じる「配送業務情報」を通信部53に配送業者端末60に対して送信させる(ステップS224)。
この「配送業務情報」には、当該抽出した発送先(落札者)の個人情報と、上記抽出した収納装置10の設置位置の情報と、申込管理番号とが含まれる。
【0161】
配送業者端末60は、配送業務情報を配送業者サーバ50から受信すると、当該受信した配送業務情報を情報格納部62に格納する(ステップS225)。
配送業者の配送担当者は、配送業者端末60の操作部65を操作して、上記情報格納部62に格納された配送業務情報を表示部64に表示させ、当該配送業務情報に含まれる、物品の集荷に向かう収納装置10の設置位置と、集荷した物品の配送先(落札者の居住地)とを確認し、その後、物品の集荷作業を行う。
【0162】
以上説明したように、ユーザは収納サービスを利用する際に、配送を希望する物品を収納装置10に入庫しようとすると、収納装置10は、当該収納サービスにおける物品の入庫数の上限、および当該ユーザによる物品の入庫数の上限を超えているか否かを判断し、上限を超えている場合には新たな物品の入庫を禁止し、上限以下の場合は入庫を許可する。
従って、特定の収納サービスや特定のユーザが収納装置10の収納ボックスを独占しないようにし、様々な収納サービスが収納装置10を利用することができ、多くのユーザが収納装置10を利用することが可能となり、ユーザが収納サービスを利用する際の不平等感を失くすことが可能となる。
【0163】
(3)物品の集荷動作
図33は、本発明の第1の実施の形態において、配送業者が収納サービスの利用のために収納装置10に入庫された物品を集荷する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、一例として、出品者のユーザが利用する収納サービスが、フリーマーケットサイトに出品した出品物を一時的に収納装置10に入庫・保管した後に落札者(のユーザ)に届ける「出品」の収納サービスを利用する場合において、配送業者の配送担当者が物品(出品物)を収納ボックスから取出し、集荷するときの収納システムによる動作を説明する。
【0164】
上述のとおり、配送担当者は、配送業者端末60を用いて、配送業務情報の内容を確認して、物品を集荷するために、配送業務情報に示される収納装置10の設置位置へ移動する。
【0165】
収納装置10の表示部14には、「利用者選択画面」(
図29)が表示されている。
配送担当者が、上記利用者選択画面において、「配送業者」のアイコンを選択すると、表示部14は、制御部11による制御のもと、配送業者の認証情報の入力を促す「認証入力画面」を表示する(ステップS301)。
例えば、配送業者の認証情報は、配送業者IDと、パスワードとの組み合わせであってもよい。
例えば、配送業者の認証情報の入力方法は、配送業者IDおよびパスワードが記録されたICカードを収納装置10の操作部15に備えられたリーダに近距離無線を介して読み込ませるようにしてもよい。
また、配送担当者は、操作部15に備えられた各種キーを用いて、配送業者IDおよびパスワードを入力するようにしてもよい。
【0166】
配送担当者は、この「認証入力画面」の表示内容に応じて、配送業者の認証情報を収納装置10に入力する(ステップS302)。
【0167】
制御部11は、配送業者DB123を参照し、上記入力された配送業者の認証情報に含まれる配送業者IDおよびパスワードに基づいて配送業者の認証を行う(ステップS303)。
例えば、制御部11は、配送業者DB123において、上記配送業者IDとパスワードとが互いに対応付けられて登録されている場合に「認証成功」と判断し、互いに対応付けられて登録されていない場合に「認証失敗」と判断する。
【0168】
ここで、制御部11は、認証失敗と判断すると(ステップS303/No)、配送業者に対して収納装置10の使用(集荷作業)を許可せずに、動作を終了する。
【0169】
一方、制御部11は、認証成功と判断すると(ステップS303/Yes)、収納ボックスDB122を参照し、当該認証が成功した配送業者IDが配送担当となっている物品が入庫されている収納ボックスを解錠する(ステップS304)。
配送担当者は、その解錠された収納ボックスから集荷対象の物品を取り出す。
配送担当者が物品取り出し後に収納ボックスの扉を閉扉することにより、自動的に収納ボックスは施錠されるようにしてもよい。
【0170】
そして、制御部11は、解錠した収納ボックスに物品を入庫した際にユーザがユーザ端末30を用いて提示したサービスコード情報を表示部14に表示させる(ステップS305)。
なお、ステップS305において表示部14に表示されるサービスコード情報は、上記のとおりユーザが提示したサービスコード情報と同一であってもよいし、含まれている情報の内容が同一であればコード自体は異なるものであってもよい。
【0171】
配送担当者は、配送業者端末60の操作部65を操作して、情報読取部66により、収納装置10の表示部14に表示されたサービスコード情報を読み取って入力する(ステップS306)。
【0172】
配送業者端末60の制御部11は、上記読み取ったサービスコード情報から配送先(落札者)の個人情報などを抽出し、伝票出力部67に対し、当該抽出した情報が記載された伝票を出力させる(ステップS307)。
配送担当者は、伝票出力部67から出力された伝票を収納ボックスから取り出した集荷対象の物品に貼付する等して付す。
配送担当者の集荷対象の物品が収納されている収納ボックスが複数ある場合には、表示部14は、その収納ボックスごとにサービスコード情報を表示し、配送担当者は配送業者端末60を用いてそのサービスコード情報を読み取って伝票を出力し、集荷対象の物品に付する。
配送担当者は、その伝票を付した物品の配送業務を行う。
【0173】
以上のとおり、収納装置10は、配送業者の認証が成功すると、該当する配送業者の集荷対象の物品が収納されている収納ボックスを解錠し、当該物品に対応するコード情報を表示し、配送業者端末60がそのコード情報を読み取ると、物品の伝票を出力するので、ユーザは、配送を依頼する物品に付する伝票を自ら用意する手間を省くことが可能となる。
【0174】
なお、配送業者IDの配送業者が配送担当の物品が入庫されている収納ボックスが複数ある場合には、各収納ボックスについて、1つずつ、ステップS304~S307を行うようにしてもよい(配送担当の収納ボックスを1つ施錠する度に、他の配送担当の収納ボックスを解錠する。)。
また、配送(集荷)担当の複数の収納ボックスをまとめて解錠し(ステップS304)、複数のサービスコード情報をどの収納ボックスに対応しているかを配送担当者が理解できるように表示するようにしてもよい(ステップS305)。
【0175】
(第1の実施の形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、ユーザは収納サービスを利用する際に、配送を希望する物品を収納装置10に入庫しようとすると、収納装置10は、当該収納サービスにおける物品の入庫数の上限、および当該ユーザによる物品の入庫数の上限を超えているか否かを判断し、上限を超えている場合には新たな物品の入庫を禁止し、上限以下の場合は入庫を許可する。
従って、本発明の第1の実施の形態においては、特定の収納サービスや特定のユーザが収納装置10の収納ボックスを独占しないようにし、様々な収納サービスが収納装置10を利用することができ、多くのユーザが収納装置10を利用することが可能となり、ユーザが収納サービスを利用する際の不平等感を失くすことが可能となる。
【0176】
(第1の実施の形態の変形例)
本発明の第1の実施の形態において、収納装置10による動作の一部は、収納装置10の外部装置、例えば、以下のとおり、管理サーバ20が収納装置10に代えて実行することができる。
【0177】
ステップS202においてユーザの認証情報が入力されると、収納装置10は、ユーザの認証情報を管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されているユーザDB221のユーザの情報を参照して認証を行い、その認証結果を収納装置10へ送信してもよい。
【0178】
ステップS302において配送業者の認証情報が入力されると、収納装置10は、配送業者の認証情報を管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されている配送業者DB223の配送業者の情報を参照して認証を行い、その認証結果を収納装置10へ送信してもよい。
【0179】
ステップS206において使用可能な収納ボックスがあると判断されると、収納装置10は、ユーザにより選択された収納サービスのサービスIDを管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されているサービス制限DB226のサービス使用ボックス数とサービス上限ボックス数とを参照し、当該サービスIDについて該当する収納装置10において収納ボックスが使用可能か否かを判断し、その判断結果を収納装置10へ送信してもよい。
また、管理サーバ20の制御部21は、当該サービスIDについて該当する収納装置10において収納ボックスが使用可能であると判断した場合には、続いて、情報格納部22に格納されているユーザ制限DB227のユーザ使用ボックス数とユーザ上限ボックス数とを参照し、当該ユーザIDについて該当する収納装置10において収納ボックスが使用可能か否かを判断し、その判断結果を収納装置10へ送信してもよい。
【0180】
ステップS207においてサービス使用ボックス数がサービス上限ボックス数に達していないと判断されると、収納装置10は、収納サービスの際に物品を入庫しようとしているユーザのユーザIDを管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されているユーザ制限DB227のユーザ使用ボックス数とユーザ上限ボックス数とを参照し、当該ユーザIDについて該当する収納装置10において収納ボックスが使用可能か否かを判断し、その判断結果を収納装置10へ送信してもよい。
【0181】
また、収納システムの各動作の順序は入れ替わってもよい。
例えば、上述の説明では、サービス上限ボックス数に達しているか否かの判断の後、ユーザ上限ボックス数に達しているか否かを判断していたが、これらの判断の動作の順序が入れ替わってもよい。
【0182】
<第2の実施の形態>
(第2の実施の形態の概要)
本発明の第1の実施の形態では、サービス使用ボックス数がサービス上限ボックス数に達している場合、またはユーザ使用ボックス数がユーザ上限ボックス数に達している場合に、ユーザが収納サービスを利用する際の物品の入庫を禁止することにより、様々な収納サービス、多くのユーザが公平に収納装置10を使用することを可能にしていた。
本発明の第2の実施の形態では、上記サービス上限ボックス数およびユーザ上限ボックス数に基づく物品の入庫の許否判断に加えて、配送業者による集荷時期までにどれくらいの時間があるかを基準として、収納サービスを利用する際にユーザが物品を入庫することを許可するか否かを判断する。
つまり、配送担当者が収納装置10から物品を集荷すると、収納ボックスが空になり使用可能となるので、本発明の第2の実施の形態では、配送業者による集荷時期が近付いたときには、収納ボックスの使用数の制限を解除してユーザに物品の入庫を許可するようにする。
以下、特記しない限り、本発明の第2の実施の形態の構成および動作は、本発明の第1の実施の形態と同様であるものとする。
【0183】
(第2の実施の形態の構成)
(1)収納装置10の構成
図34は、本発明の第2の実施の形態における収納装置10の情報格納部12が格納するデータベースを示す図である。
図に示すように、収納装置10の情報格納部12は、第1の実施の形態と同様に、ユーザDB121と、収納ボックスDB122と、配送業者DB123と、利用履歴DB124と、サービス制限DB126と、ユーザ制限DB127とを格納する。
本実施の形態では、情報格納部12は、上記各データベース121~127に加え、サービス上限ボックス数およびユーザ上限ボックス数に基づく収納ボックスの使用個数制限を解除する基準を管理するデータベースである制限解除DB128をさらに格納する。
【0184】
図35は、本発明の第2の実施の形態における制限解除DB128のデータ構成の一例を示す図である。
図に示す例では、制限解除DB128は、各配送業者を識別する「配送業者ID」に対応付けて、当該「配送業者の名称」と、当該配送業者が収納装置10の収納ボックスに入庫されている物品の「集荷時期を示す情報」と、サービス制限DB126およびユーザ制限DB127で設定されている「制限を解除する時期(制限解除時期)を示す情報」と、サービス制限DB126で設定されている「制限解除する収納サービスのサービスID」と、ユーザ制限DB127で設定されている「制限解除するユーザのユーザID」とを管理している。
【0185】
配送業者の配送担当者は、おおよそ各日同じ時期に収納装置10に物品の集荷に訪れる。
物品が集荷されると、その集荷された収納ボックスは空になり使用可能となるので、集荷時期の所定時間前に(例えば、集荷時期の1時間前)、収納サービスごとおよび/またはユーザごとの収納ボックスの使用個数の制限を解除することにより、より効率的に収納ボックスを使用することが可能となる。
【0186】
図35に示す例では、各配送業者で集荷時期が異なる場合を想定して、制限解除DB128において配送業者ごとに制限解除時期を個別に設定されているが、各配送業者による集荷の時期の違いにかかわらず、均一の時期に制限を解除してもよい。
【0187】
制限解除DB128において、各収納サービスによって制限解除する時期を異なるよう設定してもよい。
また、収納装置10の制御部11は、利用履歴DB124を参照し、各収納サービスによる収納ボックスの使用頻度を抽出し、その使用頻度に応じて、各収納サービスについての制限解除する時期を設定するようにしてもよい。
例えば、収納サービスAの収納ボックスの1日の平均使用回数が「2回」、収納サービスBの収納ボックスの1日の平均使用回数が「5回」である場合、使用頻度の低い収納サービスAの収納ボックスの使用個数の制限を早い時期に解除しても収納ボックスを独占する可能性は低いと想定できる。
この場合は、使用頻度の低い収納サービスAの収納ボックスの使用個数の制限解除を収納サービスBよりも早い時期に設定するようにしてもよい。
このように設定することによって、過度に使用制限することを防ぎ、収納ボックスを効率的に使用することが可能となる。
【0188】
制限解除DB128において、各ユーザによって制限解除する時期を異なるよう設定してもよい。
また、収納装置10の制御部11は、利用履歴DB124を参照し、各ユーザによる収納ボックスの使用頻度を抽出し、その使用頻度に応じて、各ユーザについての制限解除する時期を設定するようにしてもよい。
例えば、ユーザAの収納ボックスの1日の平均使用回数(物品の入庫回数)が「3回」、ユーザBの収納ボックスの1日の平均使用回数が「0.5回」である場合、使用頻度の低いユーザAの収納ボックスの使用個数の制限を早い時期に解除しても収納ボックスを独占する可能性は低いと想定できる。
この場合は、使用頻度の低いユーザAの収納ボックスの使用個数の制限解除をユーザBよりも早い時期に設定するようにしてもよい。
このように設定することによって、過度に使用制限することを防ぎ、収納ボックスを効率的に使用することが可能となる。
【0189】
図35の例では、制限解除DB128において、収納サービスまたはユーザについての収納ボックスの使用個数の制限を解除する時期を迎えると、制限を解除するように設定されている。
これに代えて、制限解除DB128において、部分的に段階を踏んで制限を徐々に解除するように設定されていてもよい。
例えば、収納サービスAについての集荷時期が「15時00分」である場合、「12時00分」にサービス上限ボックス数を1つ増加させ、「13時00分」にサービス上限ボックス数をさらに1つ増加させ、「14時00分」に制限を完全に解除するといったように、収納ボックスの使用個数制限を部分的、段階的に解除するよう制限解除DB128に設定するようにしてもよい。
【0190】
図35の例では、制限解除DB128では、現在の収納装置10全体の収納ボックスの使用状況がどのような状況であるかにかかわらず、解除設定時期が固定的に設定されている。
これに代えて、制限解除DB128では、現在の収納装置10全体の収納ボックスの使用状況に基づいて、制限解除時期を変更するようにしてもよい。
例えば、制御部11は、制限解除時期の所定時間前に収納ボックスDB122を参照し、現在の収納ボックスの使用個数が所定値以下の場合には、制限解除DB128の制限解除時期を制限解除DB128に予め設定されている時期よりも早い時期に変更するようにしてもよい。
このように、現在の収納ボックスの使用されている割合が低い場合、収納サービスおよびユーザについての収納ボックスの使用個数の制限の解除時期を前倒しすることにより、収納ボックスを有効活用することが可能となる。
【0191】
図35の例では、制限解除時期は、各配送業者の集荷時期に基づいて設定されており、その集荷時期は、配送業者ごとに想定される所定の時期が制限解除DB128に予め固定的に設定されている。
これに代えて、制御部11は、利用履歴DB124を参照して各配送業者の実際の集荷時期の情報を抽出し、その抽出した実際の集荷時期の情報に基づいて制限解除DB128における各配送業者の集荷時期の情報をそれぞれ変更してもよい。
この場合、制御部11は、その変更した集荷時期に基づいて制限解除時期を変更してもよい。
例えば、制限解除DB128において配送業者Aの集荷時期が「15時00分」に設定されており、配送業者Aの配送担当者による直近の5日間の平均集荷時刻が「14時30分」であった場合には、制御部11は、制限解除DB128の集荷時期を「15時00分」から「14時30分」に変更してもよい。
また、配送業者Aの集荷時期が「15時00分」であった場合に、制限解除時期がその1時間前の「14時00分」であった場合に、制御部11は、上記の集荷時期の変更に伴って、変更後の集荷時期の「14時30分」から1時間前の「13時30分」に制限解除時期を変更してもよい。
【0192】
(2)管理サーバ20の構成
図36は、本発明の第2の実施の形態における管理サーバ20の情報格納部22が格納するデータベースを示す図である。
図に示すように、管理サーバ20の情報格納部22は、第1の実施の形態と同様に、ユーザDB221と、収納ボックスDB222と、配送業者DB223と、利用履歴DB224と、サービス制限DB226と、ユーザ制限DB227とを格納する。
本実施の形態では、情報格納部22は、上記各データベース221~227に加え、サービス上限ボックス数およびユーザ上限ボックス数に基づく収納ボックスの使用個数制限を解除する基準を管理する制限解除DB228をさらに格納するようにしてもよい。
【0193】
本実施の形態では、以下、特記しない限り、制限解除DB228は、制限解除DB128と同様の項目のデータを管理している。
【0194】
また、収納装置10及び管理サーバ20の一方は、他方のデータベースにおいて管理される情報の一部を管理するよう構成してもよい。
例えば、収納システムが複数の収納装置10を有している場合、各収納装置10はそれぞれ自装置に関する情報を管理し、管理サーバ20は複数の収納装置10の情報を総合的に管理するようにしてもよい。
【0195】
(第2の実施の形態の動作)
(1)第1の実施の形態との共通の動作
本発明の第2の実施の形態の「(1)収納サービス申込み動作」および「(3)物品の集荷動作」については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
【0196】
(2)物品の入庫動作
図37~40は、本発明の第2の実施の形態において、ユーザが収納サービスの利用のために物品を収納装置10に入庫する際の収納システムによる動作の流れを示すシーケンスチャートである。
以下、本図に沿って、一例として、ユーザが利用する収納サービスが、フリーマーケットサイトに出品した出品物を一時的に収納装置10に入庫・保管した後に落札者に届ける「出品」の収納サービスを利用する場合において、ユーザが物品(出品物)を収納ボックスに入庫するときの収納システムによる動作を説明する。
【0197】
ステップS1201~S1205までの動作は、第1の実施の形態のステップS201~S205の動作と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0198】
制御部11は、サービスの利用選択画面において、収納サービスを利用するために「出品」が選択されたと判断すると、収納ボックスDB122の各収納ボックスの使用状況を参照し、現在、未使用の収納ボックスがあるか否かを判断する(ステップS1206)。
【0199】
ここで、制御部11は、現在、使用可能な収納ボックスがないと判断すると(ステップS1206/No)、ユーザは物品を収納ボックスに入庫することができないので、動作を終了する。
【0200】
一方、制御部11は、現在、使用可能な収納ボックスがあると判断すると(ステップS1206/Yes)、配送業者DB123を参照し、ステップS1205において選択された収納サービスのサービスIDに対応付けられている配送業者IDを抽出する。
つまり、制御部11は、ユーザが選択した収納サービスの配送(集荷)担当の配送業者を特定する。
そして、制御部11は、制限解除DB128を参照し、当該特定した配送業者に基づいて制限解除時期を特定し、現時点で制限解除時期に至っているか否かを判断する(ステップS1207)。
【0201】
制御部11は、現時点でまだ制限解除時期に至っていないと判断した場合には(ステップS1207/No)、当該収納サービスの「サービス使用ボックス数」が「サービス上限ボックス数」に達しているか否かを判断し(ステップS1208)、ユーザについて「ユーザ使用ボックス数」が「ユーザ上限ボックス数」に達しているか否かを判断する(ステップS1209)。
制御部11は、「サービス上限ボックス数」および「ユーザ上限ボックス数」に達していないと判断した場合には(ステップS1208/No、ステップS1209/No)、ユーザに対し収納サービスを利用するために必要なサービスコード情報の入力を促すメッセージ等を表示部14に表示させる(ステップS1210)。
これらステップS1208~S1210の各動作の内容については、第1の実施の形態のステップS207~S209と同様であるので、説明を省略する。
【0202】
ステップS1207に戻って、制御部11は、現時点で既に制限解除時期に至っていると判断した場合には(ステップS1207/Yes)、収納サービスの「サービス使用ボックス数」が「サービス上限ボックス数」に達しているか否かの判断(ステップS1208)と、ユーザについて「ユーザ使用ボックス数」が「ユーザ上限ボックス数」に達しているか否かの判断(ステップS1209)とを行わずに、ステップS1210へ進む。
つまり、制御部11は、現時点で既に制限解除時期に至っていると判断した場合には、収納サービスおよびユーザについての収納ボックスの使用個数の制限を解除する。
【0203】
ステップS1211以降の動作は、第1の実施の形態におけるステップS210以降の動作と同様であるので、その説明については省略する。
【0204】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、制限解除時期(例えば配送業者の配送担当者による収納装置10の物品の集荷時期の所定時間前)には、収納サービスおよびユーザについての収納ボックスの使用個数の制限を解除し、ユーザによる物品の入庫を許可するので、収納ボックスが使用されない状態で使用制限を加えることを抑制し、収納ボックスを効率的に使用することが可能となる。
【0205】
(第2の実施の形態の変形例)
本発明の第2の実施の形態において、収納装置10による動作の一部は、収納装置10の外部装置、例えば、以下のとおり、管理サーバ20が収納装置10に代えて実行することができる。
【0206】
ステップS1206において使用可能な収納ボックスがあると判断されると、収納装置10は、配送業者DB123を参照し、ユーザにより選択された収納サービスのサービスIDに対応付けられている配送業者IDを抽出し、当該抽出した配送業者IDなどを管理サーバ20へ送信し、管理サーバ20の制御部21が情報格納部22に格納されている制限解除DB228の当該受信した配送業者IDなどに対応付けられている制限解除時期を参照し、制限解除時期に至っているか否かを判断し、その判断結果を収納装置10へ送信してもよい。
また、管理サーバ20の制御部21は、制限解除時期に至っていないと判断した場合には、続いて、情報格納部22に格納されているサービス制限DB226およびユーザ制限DB227を参照し、収納サービスおよびユーザの上限に関する判断を行い、その判断結果を収納装置10へ送信してもよい。
【0207】
本発明の第2の実施の形態における収納装置10に代わる管理サーバ20によるその他の動作については、本発明の第1の実施の形態において説明した内容と同様であるので、その説明については省略する。
【0208】
<実施の形態のまとめ>
以上説明したように、本発明の第1,第2の実施の形態によれば、収納システムは、ユーザが収納サービスを利用する際に、収納装置10に物品を入庫可能な収納ボックスの個数を制限するので、特定の収納サービスや特定のユーザが収納装置10の収納ボックスを独占しないようにし、様々な収納サービスが収納装置10を利用することができ、多くのユーザが収納装置10を利用することが可能となり、ユーザが収納サービスを利用する際の不平等感を失くすことが可能となる。
【0209】
上記の収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30、管理者端末40、配送業者サーバ50、配送業者端末60、およびサービス事業者サーバ70は、主にCPUとメモリにロードされたプログラムによって実現される。ただし、それ以外の任意のハードウェアおよびソフトウェアの組合せによってこの装置またはサーバを構成することも可能であり、その設計自由度の高さは当業者には容易に理解されるところである。
【0210】
また、上記の収納装置10、管理サーバ20、ユーザ端末30、管理者端末40、配送業者サーバ50、配送業者端末60、またはサービス事業者サーバ70をソフトウェアモジュール群として構成する場合、このプログラムは、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、または半導体等の記録媒体に記録され、上記の記録媒体からロードされるようにしてもよいし、所定のネットワークを介して接続されている外部機器からロードされるようにしてもよい。
【0211】
なお、上記の実施の形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施の形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能となる。
【符号の説明】
【0212】
10 収納装置
11,21,31,41,51,61,71 制御部
12,22,32,42,52,62,72 情報格納部
13,23,33,43,53,63,73 通信部
14,34,44,64,84 表示部
15,35,45,65,85 操作部
16 収納部
161~167 収納ボックス
20 管理サーバ
30 ユーザ端末
40 管理者端末
50 配送業者サーバ
60 配送業者端末
66 情報読取部
67 伝票出力部
70 サービス事業者サーバ
100 ネットワーク
115 サービス利用コード
121,221 ユーザDB
122,222 収納ボックスDB
123,223,523 配送業者DB
124,224 利用履歴DB
126,226 サービス制限DB
127,227 ユーザ制限DB
128,228 制限解除DB
521 配送管理DB
524 収納装置位置DB
721 サービス利用者DB
724 サービス利用履歴DB