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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132322
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】受光素子、および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04N 25/70 20230101AFI20230914BHJP
   G01S 7/4863 20200101ALI20230914BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20230914BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20230914BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
H04N5/369
G01S7/4863
H01L31/10 G
H01L27/144 K
H01L27/146 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037567
(22)【出願日】2022-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(72)【発明者】
【氏名】関口 拓也
(72)【発明者】
【氏名】中井 一輝
(72)【発明者】
【氏名】村上 孝之
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
5F149
5F849
5J084
【Fターム(参考)】
4M118AA08
4M118AB03
4M118AB10
4M118BA04
4M118BA19
4M118CA02
5C024GX02
5C024GX03
5C024HX32
5F149AA07
5F149BA30
5F149BB03
5F149EA04
5F149KA04
5F149LA02
5F149LA09
5F149XB01
5F149XB38
5F849AA07
5F849BA30
5F849BB03
5F849EA04
5F849KA04
5F849LA02
5F849LA09
5F849XB01
5F849XB38
5J084AA05
5J084AC02
5J084AC03
5J084AC04
5J084AC07
5J084AC08
5J084BA03
5J084BA34
5J084BA36
5J084BA40
5J084BB02
5J084CA03
5J084CA32
5J084CA53
5J084CA65
5J084EA02
5J084EA06
(57)【要約】
【課題】カウンタ回路の飽和を抑制可能な受光素子、および電子機器を提供する。
【解決手段】本開示によれば、複数の画素を備えた受光素子であって、画素は、フォトンの入射を検出可能な検知回路と、検知回路が出力するパルスをカウントするカウンタ回路と、を有し、第1モードでは、複数の画素が有する複数のカウンタ回路の中の少なくとも一つの第1カウンタ回路は、複数のカウンタ回路の中の第1カウンタ回路と異なる第2カウンタ回路の出力値に基づきカウントする、受光素子が提供される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を備えた受光素子であって、
前記画素は、
フォトンの入射を検出可能な検知回路と、
前記検知回路が出力するパルスをカウントするカウンタ回路と、を有し、
第1モードでは、前記複数の画素が有する複数のカウンタ回路の中の少なくとも一つの第1カウンタ回路は、前記複数のカウンタ回路の中の第1カウンタ回路と異なる第2カウンタ回路の出力値に基づきカウントする、受光素子。
【請求項2】
第2モードでは、前記第1カウンタ回路は、前記複数の画素が有する複数の検知回路の中の対応する第1検知回路のパルス信号をカウントする、請求項1に記載の受光素子。
【請求項3】
前記第1モードでは、前記第2カウンタ回路は、前記複数の画素が有する複数の検知回路の中の前記第1検知回路と異なる第2検知回路のパルス信号をカウントする、請求項2に記載の受光素子。
【請求項4】
前記複数の画素を制御処理する制御処理回路を更に備える、請求項3に記載の受光素子。
【請求項5】
前記制御処理回路は、前記第2モードで制御している場合に、前記第1カウンタ回路、又は前記第2カウンタ回路のカウンタ値が所定の上限値を越えた場合に応じて、前記第1モードで前記第1カウンタ回路、及び前記第2カウンタ回路に対応する第1複数画素を制御する、請求項4に記載の受光素子。
【請求項6】
前記制御処理回路は、前記第1モードで前記第1複数画素を制御している場合に、前記第1カウンタ回路、及び前記第2カウンタ回路のカウンタ値が所定の上限値を越えない場合に応じて、前記第2モードで前記第1複数画素を制御する、請求項5に記載の受光素子。
【請求項7】
前記制御処理回路は、前記複数のカウンタ回路がそれぞれ出力するカウンタ数を所定の周期でカウントし、時系列に前記カウンタ数が並ぶヒストグラムを生成するヒストグラム生成部を有する、請求項6に記載の受光素子。
【請求項8】
前記ヒストグラム生成部は、前記第1モードでは、前記第1カウンタ回路の出力値と、前記第2カウンタ回路の出力値と、を合算した第1ヒストグラムを生成する、請求項7に記載の受光素子。
【請求項9】
前記ヒストグラム生成部は、前記第1モードでは、前記第1カウンタ回路の出力値に基づくヒストグラムと、前記第2カウンタ回路の出力値に基づく第2ヒストグラムと、を生成する、請求項8に記載の受光素子。
【請求項10】
前記制御処理回路は、前記第1ヒストグラム又は前記第2ヒストグラムを表示部に表示させる表示制御部を更に有する、請求項9に記載の受光素子。
【請求項11】
前記第1カウンタ回路は、
前記第1検知回路と、前記第2カウンタ回路とからそれぞれ信号を入力される第1選択素子と、
前記第1選択素子の出力信号に基づきカウントする第1ビットカウンタと、
を有し、
前記制御処理回路は、前記第1モードでは、前記第2カウンタ回路の出力信号を選択させ、前記第2モードでは、前記第1検知回路の出力信号を選択させる制御を前記第1選択素子に行う、請求項4に記載の受光素子。
【請求項12】
前記第1カウンタ回路は、
前記第1検知回路と、前記第2カウンタ回路とからそれぞれ信号を入力される第1選択素子と、
前記第1選択素子の出力信号に基づきカウントする第1ビットカウンタと、
を有し、
前記制御処理回路は、
前記第2モードでは、前記第1検知回路の出力信号を選択させる制御を前記第1選択素子に第1周期で行い、
前記第1モードでは、前記第1検知回路と、前記第2カウンタ回路の出力信号と、を交互に選択させる制御を第1周期の倍の第2周期で行う、請求項4に記載の受光素子。
【請求項13】
前記第2カウンタ回路は、
前記第2検知回路と、前記第1カウンタ回路とからそれぞれ信号を入力される第2選択素子と、
前記第2選択素子の出力信号に基づきカウントする第2ビットカウンタと、
を有し、
前記制御処理回路は、
前記第1モードでは、前記第1カウンタ回路と、前記第2検知回路の出力信号と、を交互に選択させる制御を前記第2周期で行う、請求項12に記載の受光素子。
【請求項14】
前記第1検知回路は、
アバランシェフォトダイオードと、
電源端子と接地端子との間において前記アバランシェフォトダイオードに直列に接続された抵抗と、
前記アバランシェフォトダイオードの出力信号を前記パルスに成形する波形成形回路と、
を有する、請求項12に記載の受光素子。
【請求項15】
前記制御処理回路は、第1撮像部から取得した画像データに基づき、平均輝度値が高い第1領域を選択し、前記第1領域内に対応する領域から前記第2検知回路を選択する、請求項4に記載の受光素子。
【請求項16】
前記制御処理回路は、前記第1領域外に対応する領域から前記第1検知回路を選択する、請求項15に記載の受光素子。
【請求項17】
前記制御処理回路は、第2撮像部から取得した画像データに基づき、輝度値の変化が高い第3領域を選択し、前記第3領域内に対応する領域から前記第2検知回路を選択する、請求項4に記載の受光素子。
【請求項18】
前記制御処理回路は、前記第3領域外に対応する領域から前記第1検知回路を選択する、請求項17に記載の受光素子。
【請求項19】
前記複数の画素は、それぞれが独立して駆動が可能であり、前記検知回路が対応する第1画素群と、第2画素群と、を有し、
前記第1モードでは、
前記第1画素群の中からは、前記第2検知回路を含む第1検知回路群からのパルス信号を取得し、
前記第2画素群の中からは、前記第1検知回路群と対応しない第2検知回路群からのパルス信号を取得する、請求項4に記載の受光素子。
【請求項20】
前記第1検知回路と前記第2検知回路の組合わせを複数有し、
前記制御処理回路は、前記第1モードでは、
優先度に従い、前記組合わせの中から選択する、請求項4に記載の受光素子。
【請求項21】
前記制御処理回路は、前記第1モードでは、
前記第2検知回路に隣接する検知回路に対応するカウンタ回路が所定の上限値を越えている場合には、前記所定の上限値を越えている検知回路を前記第1検知回路として選択する、請求項4に記載の受光素子。
【請求項22】
請求項1に記載の受光素子と、
前記受光素子に戻り光を供給する光学系と備える、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、受光素子、および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
光子の有無を検出するSPAD(Single-Photon Avalanche Diode)を有する検知回路と、光子数を計数するカウンタ回路を画素毎に設けた受光素子が知られている。ところが、背景光量が大きな場合にカウンタ回路が飽和する恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-10093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本開示では、カウンタ回路の飽和を抑制可能な受光素子、および電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本開示によれば、
複数の画素を備えた受光素子であって、
前記画素は、
フォトンの入射を検出可能な検知回路と、
前記検知回路が出力するパルスをカウントするカウンタ回路と、を有し、
第1モードでは、前記複数の画素が有する複数のカウンタ回路の中の少なくとも一つの第1カウンタ回路は、前記複数のカウンタ回路の中の第1カウンタ回路と異なる第2カウンタ回路の出力値に基づきカウントする、受光素子が提供される。
【0006】
第2モードでは、前記第1カウンタ回路は、前記複数の画素が有する複数の検知回路の中の対応する第1検知回路のパルス信号をカウントしてもよい。
【0007】
前記第1モードでは、前記第2カウンタ回路は、前記複数の画素が有する複数の検知回路の中の前記第1検知回路と異なる第2検知回路のパルス信号をカウントしてもよい。
【0008】
前記複数の画素を制御処理する制御処理回路を更に備えてもよい。
【0009】
前記制御処理回路は、前記第2モードで制御している場合に、前記第1カウンタ回路、又は前記第2カウンタ回路のカウンタ値が所定の上限値を越えた場合に応じて、前記第1モードで前記第1カウンタ回路、及び前記第2カウンタ回路に対応する第1複数画素を制御してもよい。
【0010】
前記制御処理回路は、前記第1モードで前記第1複数画素を制御している場合に、前記第1カウンタ回路、及び前記第2カウンタ回路のカウンタ値が所定の上限値を越えない場合に応じて、前記第2モードで前記第1複数画素を制御してもよい。
【0011】
前記制御処理回路は、前記複数のカウンタ回路がそれぞれ出力するカウンタ数を所定の周期でカウントし、時系列に前記カウンタ数が並ぶヒストグラムを生成するヒストグラム生成部を有してもよい。
【0012】
前記ヒストグラム生成部は、前記第1モードでは、前記第1カウンタ回路の出力値と、前記第2カウンタ回路の出力値と、を合算した第1ヒストグラムを生成してもよい。
【0013】
前記ヒストグラム生成部は、前記第1モードでは、前記第1カウンタ回路の出力値に基づくヒストグラムと、前記第2カウンタ回路の出力値に基づく第2ヒストグラムと、を生成する、請求項8してもよい。
【0014】
前記制御処理回路は、前記第1ヒストグラム又は前記第2ヒストグラムを表示部に表示させる表示制御部を更に有してもよい。
【0015】
前記第1カウンタ回路は、
前記第1検知回路と、前記第2カウンタ回路とからそれぞれ信号を入力される第1選択素子と、
前記第1選択素子の出力信号に基づきカウントする第1ビットカウンタと、
を有し、
前記制御処理回路は、前記第1モードでは、前記第2カウンタ回路の出力信号を選択させ、前記第2モードでは、前記第1検知回路の出力信号を選択させる制御を前記第1選択素子に行ってもよい。
【0016】
前記第1カウンタ回路は、
前記第1検知回路と、前記第2カウンタ回路とからそれぞれ信号を入力される第1選択素子と、
前記第1選択素子の出力信号に基づきカウントする第1ビットカウンタと、
を有し、
前記制御処理回路は、
前記第2モードでは、前記第1検知回路の出力信号を選択させる制御を前記第1選択素子に第1周期で行い、
前記第1モードでは、前記第1検知回路と、前記第2カウンタ回路の出力信号と、を交互に選択させる制御を第1周期の倍の第2周期で行ってもよい。
【0017】
前記第2カウンタ回路は、
前記第2検知回路と、前記第1カウンタ回路とからそれぞれ信号を入力される第2選択素子と、
前記第2選択素子の出力信号に基づきカウントする第2ビットカウンタと、
を有し、
前記制御処理回路は、
前記第1モードでは、前記第1カウンタ回路と、前記第2検知回路の出力信号と、を交互に選択させる制御を前記第2周期で行うってもよい。
【0018】
前記第1検知回路は、
アバランシェフォトダイオードと、
電源端子と接地端子との間において前記アバランシェフォトダイオードに直列に接続された抵抗と、
前記アバランシェフォトダイオードの出力信号を前記パルスに成形する波形成形回路と、
を有してもよい。
【0019】
前記制御処理回路は、第1撮像部から取得した画像データに基づき、平均輝度値が高い第1領域を選択し、前記第1領域内に対応する領域から前記第2検知回路を選択してもよい。
【0020】
前記制御処理回路は、前記第1領域外に対応する領域から前記第1検知回路を選択してもよい。
【0021】
前記制御処理回路は、第2撮像部から取得した画像データに基づき、輝度値の変化が高い第3領域を選択し、前記第3領域内に対応する領域から前記第2検知回路を選択してもよい。
【0022】
前記制御処理回路は、前記第3領域外に対応する領域から前記第1検知回路を選択してもよい。
【0023】
前記複数の画素は、それぞれが独立して駆動が可能であり、前記検知回路が対応する第1画素群と、第2画素群と、を有し、
前記第1モードでは、
前記第1画素群の中からは、前記第2検知回路を含む第1検知回路群からのパルス信号を取得し、
前記第2画素群の中からは、前記第1検知回路群と対応しない第2検知回路群からのパルス信号を取得してもよい。
【0024】
前記第1検知回路と前記第2検知回路の組合わせを複数有し、
前記制御処理回路は、前記第1モードでは、
優先度に従い、前記組合わせの中から選択してもよい。
【0025】
前記制御処理回路は、前記第1モードでは、
前記第2検知回路に隣接する検知回路に対応するカウンタ回路が所定の上限値を越えている場合には、前記所定の上限値を越えている検知回路を前記第1検知回路として選択してもよい。
【0026】
上記の課題を解決するために、本開示によれば、
上述の受光素子と、
前記受光素子に戻り光を供給する光学系と備える、電子機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】電子機器の一構成例を示すブロック図。
図2】受光素子の積層構造の一例を示す図。
図3】受光チップの一構成例を示す平面図。
図4】ロジックチップの一構成例を示す平面図。
図5】光学素子の回路構成例を模式的に示すブロック図。
図6】ストグラム生成部が生成したヒストグラムの例を示す図。
図7】光学素子内のより詳細な構成例を示す図。
図8】測距点の組合わせ例を示す図。
図9図7で示する測距点の制御回路による制御例を示すタイムチャ-ト。
図10図7で示す測距点の制御回路による制御例を示すフローチャ-ト。
図11】表示部に表示制御部が表示させるヒストグラム画像の例を示す図。
図12】別の例のヒストグラム画像の例を示す図。
図13】第2実施形態に係る電子機器の外観の概略図。
図14】第2実施形態に係る処理回路の構成を示すブロック図。
図15】第1領域抽出部の処理例を模式的に示す図。
図16】第1領域抽出部の処理例を示すフローチャート。
図17】第3実施形態に係る電子機器の外観の概略図。
図18】第3実施形態に係る処理回路の構成を示すブロック図。
図19】第2領域抽出部の処理例を模式的に示す図。
図20】第2領域抽出部95bの処理例を示すフローチャート。
図21】第4実施形態に係る電子機器の外観の概略図。
図22】第4実施形態に係る受光素子の積層構造の一例を示す図。
図23】第1カウンタ部、及び第2カウンタ部の制御回路からの制御系統例を示す図。
図24】第4実施形態に係る受光素子における測距点のDR拡張時の動作例を示す図。
図25】DR拡張時のバンク(BANK)信号のシーケンスを示す図。
図26】測距点のペアの組合わせ例を示す図。
図27】距点ペアにおける別の組合わせ例を示す図。
図28】記録部に予め記録されるペアの組み合わせの優先度を模式的に示す図。
図29】制御部による連結の制御例を示す図。
図30】飽和している測定点を選択する効果を模式的に示す図。
図31】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図。
図32】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1実施形態)
[電子機器の構成例]
図1は、本実施の形態における電子機器1の一構成例を示すブロック図である。この電子機器1は、例えば距離画像データを生成可能な機器である。すなわち、電子機器1は、照射部105、光学系110、受光素子200、記録部120、撮像制御部130、及び表示部150を備える。電子機器1としては、例えば、スマートフォン、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、車載カメラやIoT(Internet of Things)カメラが想定される。
【0029】
照射部105は、撮像制御部130の制御に従って、パルス状のレーザ光を、予め設定された間隔で繰り返し照射すると共に、その照射タイミングを受光素子200に通知する。なお、本実施形態ではレーザ光を照射する周期を、バンク(BANK)時間と称する。
【0030】
光学系110は、例えば撮像レンズを有し、レーザの戻り光を集光して受光素子200に導くものである。受光素子200は、撮像制御部130の制御に従って、距離画像データを撮像する。この受光素子200は、撮像した距離画像データを記録部120に供給する。記録部120は、距離画像データなどを記録する。
【0031】
撮像制御部130は、受光素子200を制御して距離画像データを撮像させる。この撮像制御部130は、例えば、周期信号FYNCなどの同期信号を照射部105、及び受光素子200に供給する。なお、電子機器1は、インターフェースをさらに備え、そのインターフェースにより画像データを外部に送信してもよいし、表示部150に画像データを表示してもよい。
【0032】
[受光素子の構成例]
図2は、本技術の実施の形態における受光素子200の積層構造の一例を示す図である。この受光素子200は、受光チップ201と、その受光チップ201に積層されたロジックチップ202とを備える。これらのチップ間には、信号を伝送するための信号線が設けられる。この受光素子200は、所謂フォトンカウンティング式の撮像素子である。
【0033】
[受光チップの構成例]
図3は、本技術の実施の形態における受光チップ201の一構成例を示す平面図である。この受光チップ201には、二次元格子状に複数の検知回路211が設けられる。また、検知回路211のそれぞれは、SPAD(Single Photon Avalanche Diode)を有する。SPADでは、降伏電圧よりも大きい電圧を印加した状態で、高電界のPN接合領域へ1個の光子が入ると、アバランシェ増幅が発生する。検知回路211すなわち、受光チップ201では、SPADを用いた検知回路211を行列状に配置した画素アレイが採用される。複数の検知回路211のそれぞれは、検知した光子に応じてパルス信号を出力する。また、複数の検知回路211は、SPADセンサ20を構成する。
【0034】
[ロジックチップの構成例]
図4は、本実施の形態におけるロジックチップ202の一構成例を示す平面図である。このロジックチップ202には、複数のカウンタ回路212と、制御処理回路213とが設けられる。複数のカウンタ回路212は、複数の検知回路211に対応している。これにより、複数のカウンタ回路212のそれぞれは、対応する検知回路211が出力するパルス信号の数をカウントすることが可能である。
【0035】
カウンタ回路212は、例えば8ビットのカウンタである。また、複数のカウンタ回路212は、それぞれ一対のペアとなるカウンタ回路212を連結可能に構成されている。一対のカウンタ回路212を連結した場合には、一方のカウンタ回路212の最上位ビット(MSB)を、他方のカウンタ回路212の最下位ビット(LSB)として入力可能に構成される。これにより、一対のカウンタ回路212を連結した場合には、パルス数を16ビットまでカウントすることが可能である。この場合、例えば連結した一対のカウンタ回路212の内の一方に対応する検知回路211のパルス信号をカウントする。これから分かるように、カウンタ回路212を連結した場合には、ダイナミックレンジ(DR)が倍となる。一方で、連結した場合の解像度は、連結しない場合の1/2となる。なお、複数のカウンタ回路212は、カウンタ部30を構成する。また、本実施形態に係る検知回路211と対応するカウンタ回路212との構成を画素と称する。すなわち、1画素は、検知回路211と対応するカウンタ回路212とを有する。
【0036】
制御処理回路213は、複数の検知回路211、及び複数のカウンタ回路212を制御する。また、制御処理回路213は、複数のカウンタ回路212の出力に基づき、複数の検知回路211に対応する距離値を生成し、複数の検知回路211の位置に対応する二次元座標の距離画像データを生成する。
【0037】
[光学素子200内の回路構成例]
図5は、本実施の形態における光学素子200の回路構成例を模式的に示すブロック図である。光学素子200は、上述のようにSPADセンサ20と、カウンタ部30と、制御処理回路213とを備える。また、制御処理回路213は、例えばCPUを含んで構成され、クロック発生器40と、制御回路50と、処理回路60とを有する。処理回路60は、ヒストグラム生成部70と、距離値生成部80と、表示制御部90とを有する。
【0038】
クロック発生器40は、クロック信号を生成する。制御回路50は、クロック信号に基づき、SPADセンサ20と、カウンタ部30と、処理回路60とを制御する。制御回路50は、例えば、周期信号FYNCなどの同期信号に同期させ所定の時間間隔bin毎に、カウンタ部30の複数のカウンタ回路212のカウンタ値を出力させる。
【0039】
また、制御回路50は、各カウンタ回路212が飽和(オーバフロー)したか否かを判定する。すなわち、この制御回路50は、カウンタ回路212のいずれかが飽和、例えば所定の上限値である256(例えば8ビット)を越えた場合に、一対のカウンタ回路212を連結させる制御を行うことが可能である。
【0040】
ヒストグラム生成部70は、カウンタ回路212毎に対応するヒストグラムを生成する。図6は、ヒストグラム生成部70が生成したヒストグラムの例を示す図である。横軸は時間を示し、縦軸は、カウンタ回路212のカウンタ値である。カウント上限値は、例えば256に対応する。時間間隔bin0~bin91を加算した時間が、上述のバンク(BANK)時間に対応する。すなわち、照射部105が、撮像制御部130の制御に従って、パルス状のレーザ光を照射したタイミングで、bin0が開始する。そして、次のパルス状のレーザ光は、bin91が終了した時点で照射される。
【0041】
図6に示すように、制御回路50は、時間間隔bin0~bin91毎に、複数のカウンタ回路212のカウンタ値をヒストグラム生成部70に出力させる。そして、複数のカウンタ回路212をリセットし、次のbinのカウントを開始させる。このように、制御回路50は、時間間隔bin0~bin91毎に、複数のカウンタ回路212のカウンタ値の出力とリセットを繰り返させる。
【0042】
距離値生成部80は、ヒストグラム生成部70が生成した各ヒストグラムの最大値を示すbinを時間間隔bin0~bin91の中から選択する。例えば、選択されたbinがパルス状のレーザ光を照射したタイミングから反射した光子が戻ってきたタイミングに対応する。これらから分かる様に、選択されたbinに対応する時間に光速を乗算し、2で割った値が距離値に対応する。すなわち、距離値生成部80は、選択されたbinに対応する距離値をカウンタ回路212毎に生成する。そして、距離値生成部80は、各距離値を二次元座標に対応させた距離画像データを生成する。複数の検知回路211のそれぞれは、2次元座標に対応するので、距離値生成部80は、各距離値を二次元座標に対応させた距離画像データを生成することが可能である。
【0043】
表示制御部90は、表示部150に距離画像データを表示させる。また、表示制御部90は、表示部150に後述するヒストグラム画像を表示させることが可能である。
【0044】
図7は、光学素子200内のより詳細な構成例を示す図である。図7では、簡単のため、一対のペアとなる検知回路211a及びカウンタ回路212aと検知回路211b及びカウンタ回路212bとを図示しているが、他の検知回路211及びカウンタ回路212も同様の構成である。検知回路211a及びカウンタ回路212aは、後述する図8で示す測距点MP0内の検知回路211及びカウンタ回路212の例を示す。同様に、検知回路211b及びカウンタ回路212bは、後述する図8で示す測距点MP1内の検知回路211及びカウンタ回路212の例を示す。
【0045】
図7に示すように、検知回路211a、bは、アバランシェフォトダイオード(APD)111と、クエンチ抵抗112と、波形整形回路113と、を有する。すなわち、検知回路211はSPADを構成する。カウンタ回路212aは、マルチプレクサ114aと、複数ビットカウンタ115aとを有する。同様に、カウンタ回路212bは、マルチプレクサ114bと、複数ビットカウンタ115bとを有する。
【0046】
APD111にはクエンチ抵抗112を介して降伏電圧以上のバイアス電圧VAPDが印加されている。この状態でAPD111に光子が入射すると、アバランシェ増倍によって大きな光電流が流れ、クエンチ抵抗112で電圧降下が発生する。これにより、APD111に印加されるバイアス電圧VAPDが低下し、バイアス電圧VAPDが降伏電圧まで降下するとアバランシェ増倍は停止する。その結果、光電流が流れなくなり、APD101には再びバイアス電圧VAPDが印加される状態に戻る。クエンチ抵抗112はAPD111のアバランシェ増倍を停止するための抵抗素子である。
【0047】
波形整形回路113は、APD111とクエンチ抵抗112との接続点の電圧を増幅したのちにエッジ検出することにより、光子の入射によって生じる電圧変化から電圧パルスをパルス信号として生成する。このように、APD111、クエンチ抵抗112、および波形整形回路103は、単一フォトンの入射を検出可能な検知回路211を形成する。
【0048】
マルチプレクサ114aは、一方の入力端子には、対となる複数ビットカウンタ115bの最上位ビットの一方の端子が接続され、他方の入力端子には、対応する検知回路211aの波形整形回路113が接続される。また、マルチプレクサ114の出力端子は複数ビットカウンタ115aに接続される。なお、本実施形態に係るマルチプレクサ114aが選択素子に対応する。
【0049】
複数ビットカウンタ115aの最上位ビットの端子は、マルチプレクサ114bの一方の入力端子に接続され、キャリービット端子は、制御回路50に接続される。マルチプレクサ114b、及び複数ビットカウンタ115bも同様の接続である。すなわち、複数ビットカウンタ115bの最上位ビットの端子は、マルチプレクサ114aの一方の入力端子に接続され、キャリービット端子は、制御回路50に接続される。
【0050】
(通常測距)
通常測距時には、制御回路50は、マルチプレクサ114a、114bへの入力を対応する波形整形回路113とする。また、複数ビットカウンタ115a、bのそれぞれはキャリービットを制御回路50に出力する。
【0051】
(DR拡張A)
一方で、ダイナミックレンジ(DR)拡張時(連結撮像時)には、制御回路50は、検知回路211aを使用する場合に、マルチプレクサ114aへの入力を対応する波形整形回路113とする。また、マルチプレクサ114bへの入力を複数ビットカウンタ115aの最上位ビットの端子とする。
【0052】
(DR拡張B)
同様に、DR拡張時に検知回路211bを使用する場合には、制御回路50は、マルチプレクサ114bへの入力を対応する波形整形回路113とする。また、マルチプレクサ114aへの入力を複数ビットカウンタ115bの最上位ビットの端子とする。なお、本実施形態に係るDR拡張が第1モードに対応し、通常測距が第2モードに対応する。
【0053】
図8は、本実施形態に係る測距点MP0~MP5の組合わせ例を示す図である。図8に示すように、本実施形態では、縦方向に隣接する3つの検知回路211を組として測距点MPとする。図8では、測距点MP0とMP1とがペアであり、測距点MP2とMP3とがペアであり、測距点MP4とMP5とがペアである。例えばペアである測距点MP0とMP1内の、マルチプレクサ114及び複数ビットカウンタ115は、同様の接続関係を有する。これにより、DR拡張時には、縦方向に隣接する3つの検知回路211毎に撮像、非撮像が制御回路50により制御される。なお、各測距点MPには、レーザの戻り光(撮像光)の受光範囲が対応している。
【0054】
図9は、図7で示する測距点MP0とMP1の制御回路50による制御例を示すタイムチャ-トである。上から状態(STAT)、オーバフローフラグ(OVF Flg)、周期信号(FYNC)、測距点MP0の選択信号(MPOのsel)、測距点MP1の選択信号(MP1のsel)、バンク(BANK)のシーケンス(Seq)を示す。横軸は時間を示す。
【0055】
状態(STAT)の通常測距時には、上述の(通常測距)の駆動動作を行う。一方で、状態(STAT)のDR拡張時には、上述の(DR拡張A)又は(DR拡張B)の駆動制御を行う。
【0056】
オーバフローフラグは、制御回路50の検出結果に基づく信号である。ハイレベル信号は、測距点MP0とMP1内のカウンタ211のいずれかがオーバーフロー、すなわち例えば256の値を超えていることを示す。一方で、ロウレベル信号は、測距点MP0とMP1内のカウンタ211のいずれもオーバーフローしていないことを示す。例えば、制御回路50は、オーバーフローの検知には各カウンタ211のキャリービットを用いることが可能である。
【0057】
周期信号FYNCは、上述のように、撮像制御部130が出力する同期信号であり、電子機器1全体を同期させる信号である。撮像制御部130は、通常測距時には、8バンクとし、DR拡張時には、16バンクとする。すなわち、撮像制御部130は、制御回路50の制御情報に応じて、周期信号FYNCの周期を変更可能である。
【0058】
測距点MP0の選択信号(MPOのsel)は、ハイレベル信号である場合には、MPO内の検知回路211a(図6参照)を使用することを示す。つまり、上述の(DR拡張A)の駆動制御が行われる。
【0059】
一方で、測距点MP1の選択信号(MP1のsel)は、ハイレベル信号である場合には、MP1内の検知回路211b図6参照)を使用することを示す。つまり、上述の(DR拡張B)の駆動制御が行われる。このように、制御回路50は、オーバーフローした測距点MP0、及びMP1内のマルチプレクサ114a、bをMPOのsel信号、及びMP1のsel信号にしたがい制御し、入力信号を選択させる。
【0060】
バンク(BANK)のシーケンス(Seq)のシーケンスは、各バンク(BANK)時間を示す。上述のように、1バンクは、レーザ光を照射する周期に対応する。つまり、通常測距時には、8バンクの測距が繰り返される。一方で、DR拡張時には、16バンクの測距が、(DR拡張A)及び(DR拡張B)を交互に繰り返される。なお、本実施形態では、測距点MP0とMP1内のカウンタ211がオーバーフローした場合には、測距点MP0とMPのみをDR拡張の駆動とするが、これに限定されない。例えば、測距点MP2とMP3とのペア、及び測距点MP4とMP5とのペアもDR拡張の駆動としてもよい。
【0061】
図10は、図7で示す測距点MP0とMP1の制御回路50による制御例を示すフローチャ-トである。図10に示すように、制御回路50は、通常測距の状態から撮像を開始する(ステップS100)。通常測距であるので、MPOのsel、及びMP1のselをロウレベル(=0)として、マルチプレクサ114a、bをそれぞれの対応する検知回路211側とし、8バンク分の処理を行う。
【0062】
次に、制御回路50は、周期信号FYNCがハイレベルの時にオーバフローフラグがハイレベル(=1)であるか否かを判定する(ステップS102)。オーバフローフラグがロウレベル(=0)である場合(ステップS102のN)、通常測距であるので、MPOのsel、及びMP1のselをロウレベル(=0)として、マルチプレクサ114a、bをそれぞれの対応する検知回路211側とし、8バンク分の処理を行う。
(ステップS104~S110)
【0063】
一方で、オーバフローフラグがハイレベル(=1)である場合(ステップS102のY)、DR拡張であるので、制御回路50は、MPOのselをロウレベル(=0)、及びMP1のselをハイレベル(=1)として1バンク分の(DR拡張A)の制御駆動を行う(ステップS112)。続けて、制御回路50は、MPOのselをハイレベル(=1)、及びMP1のse lをロウレベル(=0)として1バンク分の(DR拡張B)の制御駆動を行う(ステップS114)、そして、(DR拡張A)と、(DR拡張B)との駆動を交互に14バンク分繰り返す(ステップS116~ステップS118)。そして、ステップS102からの処理を、電子機器1の撮像が終了するまで、繰り返す。
【0064】
このように、制御回路50は、測距点MP0、MP1内のカウンタ211のいずれかがオーフローすると、ペアとなる二つのカウンタ211を連結した駆動を行うことにより、ダイナミックレンジを拡張する。これにより、背景光の光量が増加した場合にも、より精度の高い側距を行うことが可能である。また、オーフローした場合には、一対の組となる検知回路211の出力を交互に用いることにより、距離画像データの解像度の低下を抑制できる。換言すると、測距点MP0、MP1の数を落とさずに撮像が可能である。さらにまた、測距点MP0、MP1内のカウンタ211のいずれもがオーフローしていない場合には、一対の組となる検知回路211のそれぞれの出力を用いることにより、解像度をより高めることが可能となる。
【0065】
図11は、DR拡張Aの駆動をしている場合の表示部150に表示制御部90が表示させるヒストグラム画像Z40の例を示す図である。画像Z40内には、ヒストグラム測距点MP0内のカウンタ211aのキャリービットのヒストグラムZ240aと、カウンタ211bのキャリービットのヒストグラムZ240bとが上下に並べて表示される。これにより、オーバーフローしたbinとそのときの値の把握が容易となる。
【0066】
図12は、DR拡張Aの駆動をしている場合の表示部150に表示制御部90が表示させる別の例のヒストグラム画像Z42の例を示す図である。画像Z42内には、カウンタ211aのキャリービットの値と、カウンタ211bのキャリービットの値を合算したヒストグラムが表示される。これにより、オーバーフローしたbinと全体の値を一図で把握可能となる。図10、又は図11の表示例は設定により、選択可能である。
【0067】
以上説明したように、本実施形態によれば、制御回路50は、測距点MP0、MP1内のカウンタ211のいずれかがオーバーフローすると、対となる二つのカウンタ211を連結した駆動を行うこととした。これにより、測定ビット数が倍となり、ダイナミックレンジを拡張することが可能となる。このため、光量が増加した場合にも、より精度の高い側距を行うことが可能である。また、オーバーフローした場合には、一対の組となる検知回路211の出力を交互に用いるので、距離画像データの解像度の低下を抑制できる。
【0068】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る電子機器1は、可視撮像センサ(RGBセンサ)の情報を用いて、予めDR拡張を行う範囲を設定可能である点で第1実施形態に係る電子機器1と相違する。以下では、第1実施形態に係る電子機器1と相違する点を説明する。
【0069】
図13は、第2実施形態に係る電子機器1の外観の概略図である。図13に示すように、第2実施形態に係る電子機器1は、可視撮像センサ(RGBセンサ)300を更に有する。可視撮像センサ(RGBセンサ)の撮像領域の座標と、複数の検知回路211とはそれぞれ対応関係があり、例えば予め記録部120(図1参照)に記録されている。
【0070】
図14は、第2実施形態に係る処理回路60の構成を示すブロック図である。図14に示すように、第2実施形態に係る処理回路60は、第1領域抽出部95aを更に有する。
【0071】
図15は、第1領域抽出部95aの処理例を模式的に示す図である。第1領域抽出部95aは、可視撮像センサ(RGBセンサ)300の撮像画像Ci44と、複数の検知回路211を有するSPADセンサ20(図2参照)におけるMPの領域R46を示す。図16は、第1領域抽出部95aの処理例を示すフローチャートである。
【0072】
図15を参照にしつつ、図16に基づき、第1領域抽出部95aの処理例を説明する。図16に示すように、まず、第1領域抽出部95aは、撮像画像Ci44を可視撮像センサ(RGBセンサ)300から取得し、測距点MP1~Nに対応する領域1~Nの輝度値の平均値を算出する(ステップS200)。
【0073】
次に、第1領域抽出部95aは、領域1~Nの中から輝度値の平均値が閾値Th1を越える範囲A44aを抽出する(ステップS202)。続けて、第1領域抽出部95aは、平均値に対して閾値Th1をパラメータとしてSPADセンサ20側でオーバーフローする測距点MPを推測し、測距点MPの位置情報を制御部50に出力する(ステップS204)。
【0074】
そして、制御部50は、領域A46bの測距点MPの検出回路211を検出に使用し、DR拡張する(ステップS204)。これにより、領域A46bに対応するカウンタ回路212とペアとなる領域A46cのカウンタ回路212がDR拡張に使用される。この場合、常に領域A46bの測距点MPの検出回路211が測距に使用されるので、例えば撮像周期は8バンクが維持される。このように、被写体の輝度値が高い箇所の測距点MP(領域A46b)だけを有効にさせることで、強背景光下でもフレームレートを下げずに測距が可能となる。また、次の、可視撮像センサ(RGBセンサ)300の撮像に応じて、被写体が動作している箇所の測距点MPを自動的に切り替えることも可能となる。
【0075】
以上説明したように、本実施形態によれば、予め撮像した撮像画像Ci44を、可視撮像センサ(RGBセンサ)300から取得し、輝度値の平均値が大きい領域に対応する測距点の領域A46bの検出回路211を測距に使用し、領域A46bのカウンタ211とペアとなる領域A46cのカウンタ211をDR拡張に使用する。これにより、輝度値の平均値が大きい領域のダイナミックレンジを予め拡張できるので、対象物が存在する可能性が高い領域A46bをオーバーフローすることなく測定可能となる。
【0076】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る電子機器1は、イベントベースビジョンセンサ(EVS)の情報を用いて、予めDR拡張を行う範囲を更に設定可能である点で第2実施形態に係る電子機器1と相違する。以下では、第2実施形態に係る電子機器1と相違する点を説明する。
【0077】
図17は、第3実施形態に係る電子機器1の外観の概略図である。図17に示すように、第3実施形態に係る電子機器1は、イベントベースビジョンセンサ302を更に有する。イベントベースビジョンセンサ302の撮像領域の座標と、複数の検知回路211とはそれぞれ対応関係があり、例えば予め記録部120(図1参照)に記録されている。
【0078】
図18は、第3実施形態に係る処理回路60の構成を示すブロック図である。図18に示すように、第3実施形態に係る処理回路60は、第2領域抽出部95bを更に有する。
【0079】
図19は、第2領域抽出部95bの処理例を模式的に示す図である。イベントベースビジョンセンサ302の撮像画像Ci45と、SPADセンサ20(図2参照)における測距点MPの領域R46を示す。図20は、第2領域抽出部95bの処理例を示すフローチャートである。
【0080】
図19を参照にしつつ、図20に基づき、第2領域抽出部95bの処理例を説明する。図20に示すように、まず、第2領域抽出部95bは、撮像画像Ci45をイベントベースビジョンセンサ300から取得し、測距点MP1~Nに対応する領域1~Nの輝度値の変化を算出する(ステップS300)。
【0081】
次に、第2領域抽出部95bは、領域1~Nの中から輝度値の変化が閾値Th2を越える範囲A45aを抽出する(ステップS302)。続けて、第2領域抽出部95bは、範囲A45aに対応する領域A47bの測距点MPを抽出し、制御部50に出力する。そして、制御部50は、領域A47bの測距点MPの検出回路211を検出に使用し、DR拡張する(ステップS304)。これにより、領域A47bに対応するカウンタ回路212とペアとなる領域A47cのカウンタ回路212がDR拡張に使用される。この場合、常に領域A46bの測距点MPの検出回路211が測距に使用されるので、例えば撮像周期は8バンクが維持される。このように、被写体が動作している箇所の測距点MP(領域A47b)だけを有効にさせることで、強背景光下で動いている領域が少ないときにフレームレートを下げずに測距が可能となる。また、次の、イベントベースビジョンセンサ300の撮像に応じて、被写体が動作している箇所の測距点MPを自動的に切り替えることも可能となる。
【0082】
以上説明したように、本実施形態によれば、予め撮像した撮像画像Ci44をベントベースビジョンセンサ300から取得し、輝度値の変化が大きい領域に対応する測距点の領域A46bの検出回路211を測距に使用し、領域A46bのカウンタ211とペアとなる領域A46cのカウンタ211をDR拡張に使用する。これにより、輝度値の変化が大きい領域のダイナミックレンジを予め拡張できるので、対象物が存在する可能性が高い領域A46bをオーバーフローすることなく測定可能となる。
【0083】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る電子機器1は、複数のSPADセンサと、複数のカウンタ部を備える点で第3実施形態に係る電子機器1と相違する。以下では、第3実施形態に係る電子機器1と相違する点を説明する。
【0084】
図21は、第4実施形態に係る電子機器1の外観の概略図である。図21に示すように、第4実施形態に係る電子機器1は、複数の照射部105a、bと、複数の受光光学系110a、bを有する。
【0085】
[受光素子の構成例]
図22は、第4実施形態に係る受光素子200aの積層構造の一例を示す図である。この受光素子200aは、受光チップ201aと、その受光チップ201aに積層されたロジックチップ202aとを備える。また、この受光チップ201aには、二次元格子状に複数の検知回路211が設けられる第1SPADセンサ20aと、二次元格子状に複数の検知回路211が設けられる第2SPADセンサ20bとを有する。
【0086】
第1SPADセンサ20aは、照射部105aの照射したパルス光の反射光を受光光学系110aを介して受光する。同様に、第2SPADセンサ20bは、照射部105bの照射したパルス光の反射光を受光光学系110bを介して受光する。
【0087】
また、第1SPADセンサ20aと、第2SPADセンサ20bとの複数の検知回路211は対応関係を有する。すなわち、第1SPADセンサ20aと、第2SPADセンサ20bとでは、SPADを用いた検知回路211を行列状に配置した画素アレイが採用される。さらにまた、第1SPADセンサ20aと、第2SPADセンサ20bとは、独立に駆動することも、同期して駆動することも可能である。
【0088】
ロジックチップ202aには、第1カウンタ部30aと、第2カウンタ部30bと、制御処理回路213(図5参照)が設けられる。第1カウンタ部30aは、第1SPADセンサ20aの検知回路211に対応する複数のカウンタ回路212を有する。同様に、第2カウンタ部30bは、第2SPADセンサ20bの検知回路211に対応する複数のカウンタ回路212を有する。
【0089】
図23は、第1カウンタ部30a、及び第2カウンタ部30bの制御回路50からの制御系統例を示す図である。図23に示すように、第1カウンタ部30aと、第2カウンタ部30bとは、制御回路50の制御に従い、独立に駆動することも、同期して駆動することも可能である。
【0090】
ここで、図24、及び図25を用いて、DR拡張時の第1SPADセンサ20aと、第2SPADセンサ20bとの同期駆動に関して説明する。
【0091】
図24は、第4実施形態に係る受光素子200aにおける測距点MPのDR拡張時の動作例を示す図である。第1SPADセンサ20aで用いる検知回路211の測距点はMP1、2、5、6、9、10、13であり、第2SPADセンサ20bで用いる検知回路211の測距点は、MP0、1、3、4、7、8、11、12である。また、第1SPADセンサ20a側で連携されるカウンタ回路212の測距点は、MP0、1、3、4、7、8、11、12に対応するカウンタ回路212であり、第2SPADセンサ20b側で連携されるカウンタ回路212の測距点は、MP1、2、5、6、9、10、13である。このように、使用する測距点MPを、第1SPADセンサ20aと、第2SPADセンサ20bとで相補的に用いる。これにより、DR拡張時でも解像度の低下が抑制される。
【0092】
図25は、DR拡張時のバンク(BANK)信号のシーケンスを示す図である。上側が第1カウンタ部30aにおけるDR拡張時のバンク(BANK)信号のシーケンスであり、下側が第2カウンタ部30bにおけるDR拡張時のバンク(BANK)信号のシーケンスである。このように、DR拡張時には、制御回路50は、第1SPADセンサ20a及び第1カウンタ部と、2SPADセンサ20b及び第2カウンタ部30bとを、同期させる。また、解像度も維持されるため、バンク数8で周期的に撮像される。
【0093】
以上説明したように、本実施形態によれば、受光素子200aは、複数の第1SPADセンサ20a及び第1カウンタ部と、2SPADセンサ20b及び第2カウンタ部30bとを有することとし、DR拡張時に使用する測距点MPを、第1SPADセンサ20aと、第2SPADセンサ20bとで相補的に用いることとした。これにより、解像度を維持した状態でダイナミックレンジの拡張が可能となる。
【0094】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る電子機器1は、測距点MP0~MPnのペアの組み方に優先度を設ける点で
第4実施形態に係る電子機器1と相違する。以下では、第4実施形態に係る電子機器1と相違する点を説明する。
【0095】
図26は、測距点MP0~MPnのペアの組合わせ例を示す図である。図26では、nは13である。図26では、ペアを上下に組合わせる例を示している。
【0096】
図27は、測距点MP0~MPnペアにおける別の組合わせ例を示す図である。図27では、nは13である。図27では、ペアを斜めに組合わせる。このように、第2実施形態に係る電子機器1では、ペアの組合わせ方法を横方向意外にも複数有する。
【0097】
図28は、記録部120(図1参照)に予め記録されるペアの組み合わせの優先度を模式的に示す図である。図28に示すように、横連結が優先度1であり、縦連結が優先度2であり、斜め連結が優先度3である。これらの優先度は、隣接する測距点が飽和していない場合の例である。
【0098】
図29は、制御部50による連結の制御例を示す図である。例えば、測距点MP2の飽和が検知されている場合である。この場合、隣接する測距点が飽和していない場合には、図29で示す優先度で連結する。ところが、隣接する測距点M5も飽和しているので、この場合には測距点M5のカウンタ回路212と連結させる。これにより、測距点M5も飽和しているので、測距点M5のカウンタを使用しても、撮像情報量の低下が抑制される。
【0099】
一方で、飽和が検知された測距点MP13では、隣接する測距点の飽和が検知されていない場合である。この場合、優先度にしたがい連結される。すなわち、横連結が優先度1であり、横連結が選択される。
【0100】
図30は、隣接する測距点が飽和している場合に、飽和している測定点を選択する効果を模式的に示す図である。図30では、測定点MP1とMP5が飽和している。この場合、優先度1に従いMP0と、MP4と連結させると、飽和していないMP0と、MP4の検知回路211が使用できなくなり、解像度が低下してしまう。これに対して、優先度は2番目であるが測定点MP1とMP5を連結させると、もともと使用できないMP5の検知回路211に対応するカウンタ211が使用でき、解像度の低下を抑制できる。
【0101】
以上説明したように本実施形態によれば、飽和している測定点MPがある場合に、隣接する測定点MPが飽和していない場合には、優先度にしたがいカウンタ211を連結させることにした。これにより、飽和している測定点MPが複数ある場合にも規則的にカウンタ211を連結させることができ、解像度に不規則な低下が生じることを抑制できる。また、飽和している測定点MPがある場合に、隣接する測定点MPが飽和している場合には、飽和している定点MP同士のカウンタ回路212を連結させることとした。これにより、もともと使用できない測定点MPの検知回路211に対応するカウンタ211が使用でき、解像度の低下を抑制できる。
【0102】
<<1.応用例>>
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0103】
図31は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図31に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
【0104】
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図31では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
【0105】
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
【0106】
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
【0107】
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0108】
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
【0109】
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
【0110】
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
【0111】
ここで、図32は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910、7912、7914、7916、7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912、7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0112】
なお、図32には、それぞれの撮像部7910、7912、7914、7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b、cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912、7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910、7912、7914、7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0113】
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920、7922、7924、7926、7928、7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920、7926、7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920~7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
【0114】
図31に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
【0115】
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
【0116】
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
【0117】
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0118】
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
【0119】
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX(登録商標)、LTE(登録商標)(Long Term Evolution)若しくはLTE-A(LTE-Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi-Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
【0120】
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
【0121】
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
【0122】
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
【0123】
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インターフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
【0124】
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインターフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
【0125】
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
【0126】
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
【0127】
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図12の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
【0128】
なお、図22に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
【0129】
なお、図1を用いて説明した本実施形態に係る電子機器1の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを、いずれかの制御ユニット等に実装することができる。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することもできる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0130】
以上説明した車両制御システム7000において、図1を用いて説明した本実施形態に係る電子機器1は、図31に示した応用例の撮像部7410に適用することができる。
【0131】
また、図1を用いて説明した電子機器1の少なくとも一部の構成要素は、図31に示した統合制御ユニット7600のためのモジュール(例えば、一つのダイで構成される集積回路モジュール)において実現されてもよい。あるいは、図1を用いて説明した電子機器1が、図31に示した車両制御システム7000の複数の制御ユニットによって実現されてもよい。
【0132】
なお、本技術は以下のような構成を取ることができる。
【0133】
(1)
複数の画素を備えた受光素子であって、
前記画素は、
フォトンの入射を検出可能な検知回路と、
前記検知回路が出力するパルスをカウントするカウンタ回路と、を有し、
第1モードでは、前記複数の画素が有する複数のカウンタ回路の中の少なくとも一つの第1カウンタ回路は、前記複数のカウンタ回路の中の第1カウンタ回路と異なる第2カウンタ回路の出力値に基づきカウントする、受光素子。
【0134】
(2)
第2モードでは、前記第1カウンタ回路は、前記複数の画素が有する複数の検知回路の中の対応する第1検知回路のパルス信号をカウントする、(1)に記載の受光素子。
【0135】
(3)
前記第1モードでは、前記第2カウンタ回路は、前記複数の画素が有する複数の検知回路の中の前記第1検知回路と異なる第2検知回路のパルス信号をカウントする、(2)に記載の受光素子。
【0136】
(4)
前記複数の画素を制御処理する制御処理回路を更に備える、(3)に記載の受光素子。
【0137】
(5)
前記制御処理回路は、前記第2モードで制御している場合に、前記第1カウンタ回路、又は前記第2カウンタ回路のカウンタ値が所定の上限値を越えた場合に応じて、前記第1モードで前記第1カウンタ回路、及び前記第2カウンタ回路に対応する第1複数画素を制御する、(4)に記載の受光素子。
【0138】
(6)
前記制御処理回路は、前記第1モードで前記第1複数画素を制御している場合に、前記第1カウンタ回路、及び前記第2カウンタ回路のカウンタ値が所定の上限値を越えない場合に応じて、前記第2モードで前記第1複数画素を制御する、(5)に記載の受光素子。
【0139】
(7)
前記制御処理回路は、前記複数のカウンタ回路がそれぞれ出力するカウンタ数を所定の周期でカウントし、時系列に前記カウンタ数が並ぶヒストグラムを生成するヒストグラム生成部を有する、(6)に記載の受光素子。
【0140】
(8)
前記ヒストグラム生成部は、前記第1モードでは、前記第1カウンタ回路の出力値と、前記第2カウンタ回路の出力値と、を合算した第1ヒストグラムを生成する、(7)に記載の受光素子。
【0141】
(9)
前記ヒストグラム生成部は、前記第1モードでは、前記第1カウンタ回路の出力値に基づくヒストグラムと、前記第2カウンタ回路の出力値に基づく第2ヒストグラムと、を生成する、(8)に記載の受光素子。
【0142】
(10)
前記制御処理回路は、前記第1ヒストグラム又は前記第2ヒストグラムを表示部に表示させる表示制御部を更に有する、(9)に記載の受光素子。
【0143】
(11)
前記第1カウンタ回路は、
前記第1検知回路と、前記第2カウンタ回路とからそれぞれ信号を入力される第1選択素子と、
前記第1選択素子の出力信号に基づきカウントする第1ビットカウンタと、
を有し、
前記制御処理回路は、前記第1モードでは、前記第2カウンタ回路の出力信号を選択させ、前記第2モードでは、前記第1検知回路の出力信号を選択させる制御を前記第1選択素子に行う、(4)に記載の受光素子。
【0144】
(12)
前記第1カウンタ回路は、
前記第1検知回路と、前記第2カウンタ回路とからそれぞれ信号を入力される第1選択素子と、
前記第1選択素子の出力信号に基づきカウントする第1ビットカウンタと、
を有し、
前記制御処理回路は、
前記第2モードでは、前記第1検知回路の出力信号を選択させる制御を前記第1選択素子に第1周期で行い、
前記第1モードでは、前記第1検知回路と、前記第2カウンタ回路の出力信号と、を交互に選択させる制御を第1周期の倍の第2周期で行う、(4)に記載の受光素子。
【0145】
(13)
前記第2カウンタ回路は、
前記第2検知回路と、前記第1カウンタ回路とからそれぞれ信号を入力される第2選択素子と、
前記第2選択素子の出力信号に基づきカウントする第2ビットカウンタと、
を有し、
前記制御処理回路は、
前記第1モードでは、前記第1カウンタ回路と、前記第2検知回路の出力信号と、を交互に選択させる制御を前記第2周期で行う、(12)に記載の受光素子。
【0146】
(14)
前記第1検知回路は、
アバランシェフォトダイオードと、
電源端子と接地端子との間において前記アバランシェフォトダイオードに直列に接続された抵抗と、
前記アバランシェフォトダイオードの出力信号を前記パルスに成形する波形成形回路と、
を有する、(12)に記載の受光素子。
【0147】
(15)
前記制御処理回路は、第1撮像部から取得した画像データに基づき、平均輝度値が高い第1領域を選択し、前記第1領域内に対応する領域から前記第2検知回路を選択する、(4)に記載の受光素子。
【0148】
(16)
前記制御処理回路は、前記第1領域外に対応する領域から前記第1検知回路を選択する、(15)に記載の受光素子。
【0149】
(17)
前記制御処理回路は、第2撮像部から取得した画像データに基づき、輝度値の変化が高い第3領域を選択し、前記第3領域内に対応する領域から前記第2検知回路を選択する、(4)に記載の受光素子。
【0150】
(18)
前記制御処理回路は、前記第3領域外に対応する領域から前記第1検知回路を選択する、(17)に記載の受光素子。
【0151】
(19)
前記複数の画素は、それぞれが独立して駆動が可能であり、前記検知回路が対応する第1画素群と、第2画素群と、を有し、
前記第1モードでは、
前記第1画素群の中からは、前記第2検知回路を含む第1検知回路群からのパルス信号を取得し、
前記第2画素群の中からは、前記第1検知回路群と対応しない第2検知回路群からのパルス信号を取得する、(4)に記載の受光素子。
【0152】
(20)
前記第1検知回路と前記第2検知回路の組合わせを複数有し、
前記制御処理回路は、前記第1モードでは、
優先度に従い、前記組合わせの中から選択する、(4)に記載の受光素子。
【0153】
(21)
前記制御処理回路は、前記第1モードでは、
前記第2検知回路に隣接する検知回路に対応するカウンタ回路が所定の上限値を越えている場合には、前記所定の上限値を越えている検知回路を前記第1検知回路として選択する、(4)に記載の受光素子。
【0154】
(22)
(1)に記載の受光素子と、
前記受光素子に戻り光を供給する光学系と備える、電子機器。
【0155】
本開示の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本開示の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本開示の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0156】
1:電子機器、
20a:第1SPADセンサ(第1検知回路群)、
20b:第2SPADセンサ(第2検知回路群)、
70:ヒストグラム生成部、
90:表示制御部、
110:光学系、
111:アバランシェフォトダイオード、
112:クエンチ抵抗
113:波形整形回路、
114:マルチプレクサ(選択素子)、
115:複数ビットカウンタ、
200:光学素子、
211:検知回路、
212:カウンタ回路、
213:制御処理回路、
300:可視撮像センサ(RGBセンサ)、
302:イベントベースビジョンセンサ(EVS)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図21
図22
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図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32