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特開2023-13236情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013236
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20230119BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20230119BHJP
   G06Q 40/08 20120101ALI20230119BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230119BHJP
   G16Y 10/50 20200101ALI20230119BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20230119BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/09 F
G06Q40/08
G16Y10/40
G16Y10/50
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117256
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】加来 文伸
【テーマコード(参考)】
5H181
5L055
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181EE10
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF33
5H181MB01
5H181MB08
5H181MC15
5H181MC19
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】乗員状態または走行状態に基づいて保険を提案するときに、直ちに保険に関する情報を乗員に対して報知する情報処理装置を提供する。
【解決手段】車両を運転する運転者の状態または車両の走行状態に基づいて運転者に報知すべき保険の有無を検出する判定部120と、運転者に報知すべき保険が有る場合に、車両の走行状態に基づいて、保険に関する情報の報知方法を決定する報知制御部140とを備えている。そして、報知制御部140は、車両の走行状態に基づいて、車両が停車可能な状態にあるか否かを判定する停車可能判定部130の判定結果に基づいて、保険に関する情報の報知方法を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を運転する乗員の状態または前記車両の走行状態に基づいて前記乗員に報知すべき保険の有無を判定する判定部と、
前記乗員に報知すべき前記保険が有る場合に、前記車両の走行状態に基づいて、前記保険に関する情報の報知方法を決定する報知制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記車両の走行状態に基づいて、前記車両が停車可能な状態にあるか否かを判定する停車可能判定部を備え、前記判定部において前記乗員に報知すべき保険が有る場合に、前記報知制御部が前記停車可能判定部の判定結果に基づいて、前記保険に関する情報の前記報知方法を決定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記報知制御部は、
前記停車可能判定部により前記車両が停車可能な状態にあると判定された場合には、前記保険に関する情報を前記乗員に対して表示し、
前記停車可能判定部により前記車両が停車可能な状態にないと判定された場合には、前記保険に関する情報を音声案内することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
判定部と、報知制御部と、を備えた情報処理装置における情報処理方法であって、
前記判定部が、車両を運転する乗員の状態または前記車両の走行状態に基づいて前記乗員に報知すべき保険の有無を検出する第1の工程と、
前記報知制御部が、前記第1の工程において前記乗員に報知すべき前記保険が有る場合に、前記車両の走行状態に基づいて、前記保険に関する情報の報知方法を決定する第2の工程と、を備える情報処理方法。
【請求項5】
判定部と、報知制御部と、を備えた情報処理装置における情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記判定部が、車両を運転する乗員の状態または前記車両の走行状態に基づいて前記乗員に報知すべき保険の有無を検出する第1の工程と、
前記報知制御部が、前記第1の工程において前記乗員に報知すべき前記保険が有る場合に、前記車両の走行状態に基づいて、前記保険に関する情報の報知方法を決定する第2の工程と、を備える情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項6】
判定部と、報知制御部と、を備えた情報処理装置における情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した非一過性の記録媒体であって、
前記判定部が、車両を運転する乗員の状態または前記車両の走行状態に基づいて前記乗員に報知すべき保険の有無を検出する第1の工程と、
前記報知制御部が、前記第1の工程において前記乗員に報知すべき前記保険が有る場合に、前記車両の走行状態に基づいて、前記保険に関する情報の報知方法を決定する第2の工程と、を備える情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した非一過性の記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自家用車をはじめとする車両に、自動ブレーキ装置や急発進防止装置等のADAS機能(Advanced Driver-Assistance Systems)が搭載されたことにより、車両の安全性が大きく改善されたことが知られている。
しかしながら、走行中に発生する運転者の体調変化、周辺車両の運転操作等に起因する事故の危険性を完全になくすことは非常に困難であるために、事故が起きた時に備えた保険が各種提案されている。
ここで、走行中の運転者の状態、車両の状態、走行環境等の情報に基づいて損害保険を提案するシステムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2017-168883号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種のシステムが運転者に対して損害保険を提案するときには、運転者が、損害保険の詳細情報の確認や保険契約に関する情報の入力操作等を行う必要があるため、車両を必ず停車させる必要があった。
そのために、例えば、高速道路を走行中に損害保険の提案が検出された場合には、高速道路上に車両を停車することができないために、損害保険の情報を直ちに報知することができないという課題が一例として挙げられる。
また、運転者の体調変化やナビゲーション装置が案内する走行ルートの気象情報等に基づいて損害保険が提案される場合には、直ちに損害保険に関する情報を運転者に対して報知すべきであるが、車両が停車できない状況では、その情報を報知することができないという課題が一例として挙げられる。
【0005】
本発明は、上述の一例として挙げられた課題に鑑みてなされたものであり、乗員状態または走行状態に基づいて保険を提案するときに、直ちに保険に関する情報を乗員に対して報知する情報処理装置、情報処理方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両を運転する乗員の状態または前記車両の走行状態に基づいて前記乗員に報知すべき保険の有無を検出する判定部と、前記乗員に報知すべき前記保険が有る場合に、前記車両の走行状態に基づいて、前記保険に関する情報の報知方法を決定する報知制御部と、を備えることを特徴とする情報処理装置である。
【0007】
また、請求項4に記載の発明は、判定部と、報知制御部と、を備えた情報処理装置における情報処理方法であって、前記判定部が、車両を運転する乗員の状態または前記車両の走行状態に基づいて前記乗員に報知すべき保険の有無を検出する第1の工程と、前記報知制御部が、前記第1の工程において前記乗員に報知すべき前記保険が有る場合に、前記車両の走行状態に基づいて、前記保険に関する情報の報知方法を決定する第2の工程とを備える情報処理方法である。
【0008】
また、請求項5に記載の発明は、判定部と、報知制御部と、を備えた情報処理装置における情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記判定部が、車両を運転する乗員の状態または前記車両の走行状態に基づいて前記乗員に報知すべき保険の有無を検出する第1の工程と、前記報知制御部が、前記第1の工程において前記乗員に報知すべき前記保険が有る場合に、前記車両の走行状態に基づいて、前記保険に関する情報の報知方法を決定する第2の工程とを備える情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
また、請求項6に記載の発明は、判定部と、報知制御部と、を備えた情報処理装置における情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した非一過性の記録媒体であって、前記判定部が、車両を運転する乗員の状態または前記車両の走行状態に基づいて前記乗員に報知すべき保険の有無を検出する第1の工程と、前記報知制御部が、前記第1の工程において前記乗員に報知すべき前記保険が有る場合に、前記車両の走行状態に基づいて、前記保険に関する情報の報知方法を決定する第2の工程と、を備える情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを格納した非一過性の記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例に係る情報処理装置の構成を示す図である。
図2】実施例に係る情報処理装置の乗員状態取得部の取得情報を示す図である。
図3】実施例に係る情報処理装置の走行状態取得部の取得情報を示す図である。
図4】実施例に係る情報処理装置の判定部において検出する事故発生リスクの例を示す図である。
図5】実施例に係る情報処理装置の報知制御部の処理フローを示す図である。
図6】その他の実施例に係る情報処理装置の報知制御部が表示する情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の1またはそれ以上の実施形態に係る情報処理装置は、車両を運転する乗員の状態または車両の走行状態に基づいて乗員に報知すべき保険の有無を検出する判定部と、乗員に報知すべき保険が有る場合に、車両の走行状態に基づいて、保険に関する情報の報知方法を決定する報知制御部と、を備えている。
そして、報知制御部は、車両の走行状態に基づいて車両が停車可能な状態にあるか否かを判定する停車可能判定部の判定結果に基づいて、保険に関する情報の報知方法を決定する。
すなわち、報知制御部は、車両が停車可能な状況にあると判定した場合には、保険に関する情報を表示することにより運転者に対して報知する。一方で、車両が停車可能な状況にないと判定した場合には、音声案内により保険に関する情報を運転者に対して報知する。
これにより、車両が停車できない状況であっても、音声案内により保険に関する情報が乗員に報知されるため、乗員は直ちに保険の情報を確認することができる。
また、運転者の体調変化や走行ルートの気象情報等の事故発生リスクに基づいて保険が提案されるときに、車両が停車できない状況であっても、音声案内により事故発生リスクに関する情報等を直ちに運転者に報知できるため、事故の発生を抑制することができる。
【0012】
<実施例>
図1から図5を用いて、本実施例に係る情報処理装置1について説明する。
【0013】
<情報処理装置1の構成>
図1を用いて、本実施例に係る情報処理装置1の構成について説明する。
情報処理装置1は、乗員状態取得部100と、走行状態取得部110と、判定部120と、停車可能判定部130と、報知制御部140と、表示部150と、音声入出力部160と、を含んで構成されている。
【0014】
乗員状態取得部100は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備えたカメラによって撮像された車両を運転する乗員の画像(動画像、静止画像を含む)に基づいて、運転者特定情報と、運転者の生体情報とを取得し、当該情報を後述する判定部120に送信する。
具体的には、乗員状態取得部100は、撮像された画像から運転者を特定するための顔画像(運転者特定情報)を取得する。
また、乗員状態取得部100は、上述した車両を運転する乗員の画像および運転者が装着したウェアラブル端末等から、運転者の生体情報を取得する。
なお、上述した車両には、乗用車や商用車等の4輪車および2輪車(バイク)等が含まれる。
図2に示すように、カメラを用いて撮像した運転者の画像から得られる生体情報としては、視線の向き、姿勢、体動、心拍数、呼吸数、瞬き回数、目の開度等を例示することができる。
また、ウェアラブル端末等から得られる生体情報としては、心拍数、血圧、心電図、血中酸素濃度等を例示することができる。
なお、乗員状態取得部100は、運転者を特定するための情報と、運転者の生体情報とが取得できればよく、取得する方法は上述した方法に限定するものではない。
【0015】
走行状態取得部110は、例えば、車両ECU(Electronic Control Unit)からの情報、ナビゲーション装置からの情報、車両周辺を撮像したカメラ画像等に基づいて、車両を特定する車両特定情報と、車両の走行状態情報とを取得し、当該情報を後述する判定部120および停車可能判定部130に送信する。
具体的には、走行状態取得部110は、車両ECUから車両を特定するための情報として、例えば、車両識別番号を取得する。
また、走行状態取得部110は、車両ECUからの情報と、ナビゲーション装置からの情報と、車両周辺を撮像したカメラ画像とに基づいて、走行中の車両の走行状態情報を取得する。
具体的には、図3に示すように、車両ECUからの情報により得られる走行状態情報としては、運転者のハンドル操作、アクセル操作、ブレーキ操作等の車両操作情報を例示することができる。
また、車両周辺を撮像したカメラ画像から得られる走行状態情報としては、車両周辺の近接車両情報、車両位置情報(現在の車両位置等)、道路情報(道幅、一方通行等)、気象情報(現在の降雨、降雪等の天候情報)等を例示することができる。
さらに、ナビゲーション装置から得られる走行状態情報として、車両位置情報、目的地情報、走行ルート情報(案内中のルート情報等)、道路情報(走行中の道路の種類(高速道路または一般道路)、一方通行等)、気象情報(天気予報、警報、注意報等)等を例示することができる。
ここで、上述した運転者および車両周辺を撮像するカメラは、専用のカメラを車両に配設してもよいが、例えば、車両にドライブレコーダが備えられている場合には、当該ドライブレコーダにより撮像された画像を用いて、乗員の生体情報と車両の走行状態情報とを取得してもよい。
また、車両に固定されたスマートフォン(携帯電話)のアウトカメラ若しくはインカメラで撮影された画像を利用しても良い。
【0016】
判定部120は、乗員状態取得部100または走行状態取得部110において取得した情報に基づいて、運転者に対して報知すべき保険が有るか否かを判定する。
すなわち、判定部120は、乗員の生体情報または車両の走行状態情報に基づいて、事故発生リスクを判定し、当該判定結果に基づいて、運転者に対して報知すべき保険が有るか否かを判定する。
【0017】
図4に示すように、判定部120は、乗員状態取得部100から受信した運転者の生体情報に基づいて、例えば、「疲労」、「体調変化」に起因する事故の発生リスクが高いか否かを判定し、事故の発生リスクが高いと判定したときに、運転者に対して報知すべき保険が有る旨の判定情報を、後述する報知制御部140に送信する。
具体的には、視線の動き、呼吸数、瞬き回数、目の開度等の生体情報に基づいて、運転者の疲労度合いが高いことを検出したときに、「疲労」に起因する事故発生のリスクが高いと判定し、運転者に対して報知すべき保険が有る旨の判定情報を、報知制御部140に送信する。
また、運転中の生体情報の異常な変化、急激な変化等を検出したときに、「体調変化」に起因する事故発生のリスクが高いと判定し、運転者に対して報知すべき保険が有る旨の判定情報を、報知制御部140に送信する。
【0018】
また、図4に示すように、判定部120は、走行状態取得部110から受信した走行状態情報に基づいて、例えば、「天候悪化」、「周辺車両からの煽り」に起因する事故発生リスクが高いか否かを判定し、事故の発生リスクが高いと判定したときに、運転者に対して報知すべき保険が有る旨の判定情報を、報知制御部140に送信する。
具体的には、判定部120は、走行状態取得部110から受信した、車両位置情報、走行ルート情報、目的地情報、気象情報等に基づいて、「天候悪化」に起因する事故発生のリスク状況を判定する。
より具体的には、目的地までの走行ルートの気象情報等から、大雨、大雪、雹、濃霧等の事故要因となる気象情報を検出したときに、「天候悪化」に起因する事故発生のリスクが高いと判定し、運転者に対して報知すべき保険が有る旨の判定情報を、報知制御部140に送信する。
【0019】
また、判定部120は、走行状態取得部110から受信した、車両周辺の近接車両情報、車両操作情報等に基づいて、「周辺車両からの煽り」に起因する事故発生のリスクを判定する。
具体的には、カメラで撮像した車両周辺の画像およびブレーキ操作、アクセル操作、ハンドル操作等の車両操作情報等に基づいて、周辺車両からの煽り運転を検出したときに、「周辺車両からの煽り」に起因する事故発生のリスクが高いと判定し、運転者に対して提案すべき保険が有る旨の判定情報を、報知制御部140に送信する。
なお、上述した、運転者に対して報知すべき保険が有る旨の判定情報には、少なくとも運転者特定情報と、車両特定情報と、判定理由情報(検出された事故発生リスク、事故発生リスクを検出した際に参照した情報等)と、が含まれている。
【0020】
ここで、判定部120において検出する事故発生リスクは、乗員状態取得部100において取得した生体情報と、走行状態取得部110において取得した走行状態情報とを組み合わせて検出してもよい。
例えば、上述した「疲労」に起因する事故発生リスクを検出するときに、運転者の生体情報と、アクセル操作、ブレーキ操作、ハンドル操作等の車両操作情報とに基づいて検出するようにしてもよい。
【0021】
停車可能判定部130は、走行状態取得部110において取得した走行状態情報に基づいて、車両が直ちに停車可能であるか否かを判定し、当該判定結果を報知制御部140に送信する。
具体的には、車両周辺を撮像した画像やナビゲーション装置から取得した道路情報に基づいて、車両が停車可能であるか否かを判定する。
より具体的には、例えば、道路情報から、現在走行中の道路が高速道路であると判定した場合や、車両周辺を撮像した画像情報から、現在周辺車両からの煽り運転が検出された場合には、車両は直ちに停車することができないと判定する。
一方で、例えば、道路情報から走行中の道路が停車禁止区間ではない一般道路であると判定した場合には、車両は停車可能であると判定する。
【0022】
報知制御部140は、判定部120において、運転者に報知すべき保険が有ると判定されたときに、停車可能判定部130の判定結果に基づいて、提案する保険に関する情報の報知方法とを決定する。
具体的には、判定部120において運転者に報知すべき保険が有ると判定され、停車可能判定部130において、車両が直ちに停車可能であると判定された場合には、報知制御部140は、保険に関する情報を後述する表示部150に表示する。
なお、報知制御部140は、車両が停車したことを確認したときに、表示部150に保険に関する情報を表示する。
一方で、判定部120において運転者に報知すべき保険が有ると判定され、停車可能判定部130において、車両が直ちに停車可能できないと判定された場合には、報知制御部140は音声案内を用いて、保険に関する情報を運転者に対して報知する。
なお、報知制御部140の処理の詳細については、後述する。
【0023】
表示部150は、例えば、LCD(液晶表示装置)や有機EL(Electroluminescence)等により構成され、報知制御部140により生成された、保険に関する情報等を表示する。
ここで、表示部150は、保険に関する情報を表示する専用の表示器であってもよいが、ナビゲーション装置等の車両の表示部に保険に関する情報を表示するようにしてもよい。
【0024】
音声入出力部160は、スピーカとマイクとを含んで構成されている。
音声入出力部160は、運転者に対して保険に関する情報をスピーカから出力する。
また、音声入出力部160は、例えば、運転者が発話した音声をマイクにより取得し、当該発話情報を報知制御部140に送信する。
【0025】
<報知制御部140の処理>
図5を用いて、報知制御部140の処理について説明する。
報知制御部140は、車両のACC電源(アクセサリ電源)がオンになっているか否かを判定する(ステップS100)。
ACC電源がオンになっていないと判定した場合(ステップS100の「NO」)には、処理をステップS100に戻し、待機モードに移行する。
一方で、ACC電源がオンになっていると判定した場合(ステップS100の「YES」)には、処理をステップS110に移行させる。
【0026】
ACC電源がオンになっていると判定した場合(ステップS100の「YES」)には、運転者に対して報知すべき保険が有る旨の判定情報を受信しているか否かを判定する(ステップS110)。
運転者に対して報知すべき保険が有る旨の判定情報を受信していない場合(ステップS110の「NO」)には、処理をステップS110に戻し、待機モードに移行する。
一方で、運転者に対して報知すべき保険が有る旨の判定情報を受信している場合(ステップS110の「YES」)には、処理をステップS120に移行させる。
【0027】
運転者に対して報知すべき保険が有る旨の判定情報を受信している場合(ステップS110の「YES」)には、停車可能判定部130から送信された判定結果を確認し、車両が直ちに停車可能な状況にあるか否かを判定する(ステップS120)。
車両が直ちに停車可能な状況にないと判断した場合(ステップS120の「NO」)には、処理をステップS170に移行させる。
一方で、車両が直ちに停車可能な状況にあると判定した場合(ステップS120の「YES」)には、報知すべき保険の内容説明するために、運転者に対して、車両の停車を促す指示を行い(ステップS130)、処理をステップS140に移行させる。
具体的には、報知制御部140は、音声入出力部160を介して、「お客様に提案すべき保険があります。車両を安全な位置に停車してください。」等の音声案内を行い、運転者に対して車両の停車を促す。
【0028】
報知制御部140は車両が停車したか否かを判定する(ステップS140)。
具体的には、報知制御部140は、例えば、車速パルスや走行状態取得部110において取得した走行状態情報等に基づいて、車両が停車したか否かを判定する。
車両が停車していないと判定した場合(ステップS140の「NO」)には、処理をステップS140に戻し、待機モードに移行する。
一方で、車両が停車したと判定した場合(ステップS140の「YES」)には、処理をステップS150に移行させる。
【0029】
車両が停車したと判定した場合(ステップS140の「YES」)には、報知制御部140は、報知すべき保険情報を表示部150に表示する。
ここで、運転者に対して報知すべき保険情報としては、保険を提案する理由、提案する保険の種類、補償内容、契約期間、保険料金等を例示することができる。
具体的には、判定部120から転送された、判定理由情報(検出された事故発生リスク、事故発生リスクを検出した際に参照した情報等)を表示部150に表示する。
また、報知制御部140は、運転者特定情報、車両特定情報、契約中の保険情報、各種保険に関連する情報等が格納された図示しないサーバから、運転者が現在契約中の保険に関する情報を取得し、当該情報に基づいて、提案する保険の種類、補償内容、契約期間、保険料金等を決定し、表示部150に表示する。
すなわち、報知制御部140は、上述したサーバから取得した、運転者が現在契約中の保険に関する情報と検出された事故発生リスクとに基づいて、現在契約中の保険の契約範囲では十分な補償が得られない範囲の保険の提案を行う。
例えば、運転者が車両保険を契約していない旨の情報をサーバから取得したときに、判定部120において、大雪や雹等による車両の損傷の発生リスクが検出されると、報知制御部140は、運転者に対して、車両保険の契約を提案する。
【0030】
そして、報知制御部140は、運転者から保険を契約する旨の指示が入力されたか否かを判定する(ステップS160)。
具体的には、表示部150に表示された保険契約用の画面の指示にしたがって、タッチ操作等が行われ、保険を契約する意思を示す操作が行われたか否かを検出する。
保険を契約する意思を示す操作が入力された場合(ステップS160の「YES」)には、処理をステップS190に移行させる。
一方で、保険を契約しない意思を示す操作が入力された場合(ステップS160の「NO」)には、処理を終了させる。
【0031】
車両が直ちに停車可能な状況にないと判定した場合(ステップS120の「NO」)には、車両が走行中であっても、音声案内により保険情報を運転者に対して報知し(ステップS170)、処理をステップS180に移行させる。
ここで、音声案内により、運転者に対して報知する保険情報としては、保険を提案する理由、提案する保険の種類、補償内容、契約期間、保険料金等を例示することができる。
また、報知制御部140は、頻出する提案保険に関する質問と、当該質問に対する回答とを音声案内により報知する。
さらに、報知制御部140は、運転者が発話した保険に関する質問を、音声入出力部160のマイクを介して取得し、音声案内を用いて当該質問に回答する。
ここで、報知制御部140は、頻出する提案保険に関する質問および回答に関する情報、運転者からの保険に関する質問に対する回答情報等を、上述したサーバから取得し、音声案内により当該情報を報知する。
【0032】
報知制御部140は、保険を契約する旨の指示が入力されたか否かを判定する(ステップS180)。
具体的には、運転者に対して保険契約の意思があるかを音声案内により確認し、運転者の発話内容に基づいて、保険契約の意思があるか否かを判定する。
運転者から保険を契約する旨の発話がされたと判定した場合(ステップS180の「YES」)には、処理をステップS190に移行させる。
一方で、運転者から保険を契約しない旨の発話がされたと判定した場合(ステップS180の「NO」)には、処理を終了させる。
【0033】
運転者から保険を契約する旨の指示が入力されたと判定した場合(ステップS160の「YES」)および、運転者から保険を契約する旨の発話がされたと判定した場合(ステップS180の「YES」)には、報知制御部140は、保険の契約手続き処理を実行する。
報知制御部140は、運転者が契約した新たな保険の契約情報、運転者特定情報、車両特定情報等をサーバに送信し、運転者が契約中の保険情報を更新する。
なお、運転者が契約中の保険情報を更新したときに、サーバから運転者に対して契約中の保険情報等を記載した電子メールを送信するようにしてもよい。
【0034】
本実施例に係る情報処理装置1は、車両を運転する運転者の状態または車両の走行状態に基づいて運転者に報知すべき保険の有無を検出する判定部120と、運転者に報知すべき保険が有る場合に、車両の走行状態に基づいて、保険に関する情報の報知方法を決定する報知制御部140とを備えている。そして、報知制御部140は、車両の走行状態に基づいて、車両が停車可能な状態にあるか否かを判定する停車可能判定部130の判定結果に基づいて、保険に関する情報の報知方法を決定する。
すなわち、判定部120において、運転者に報知すべき保険が検出されたとき、報知制御部140は、車両の走行状態に基づいて、保険に関する情報の報知方法を決定する。
これにより、車両の走行状態に合わせて最適な報知方法が決定されるため、運転者に対して報知すべき保険に関する情報を直ちに提供することができる。
【0035】
また、本実施例に係る情報処理装置1は、報知制御部140は、停車可能判定部130により車両が停車可能な状態にあると判定された場合には、保険に関する情報を乗員に対して表示し、停車可能判定部130により車両が停車可能な状態にないと判定された場合には、保険に関する情報を音声案内する。
すなわち、車両が停車可能な状況にあると判定された場合には、報知制御部140は、保険に関する情報を表示部150に表示し、保険に関する情報を運転者に報知する。一方で、停車可能判定部130において、車両が停車可能な状況にないと判定された場合には、音声入出力部160を介して音声案内を用いて保険に関する情報を運転者に対して報知する。
これにより、車両が停車できない状況であっても、音声案内により保険の情報が乗員に報知されるため、乗員は直ちに保険の情報を確認することができる。
【0036】
また、保険に関する情報を表示または音声案内するときに、保険を提案する理由が運転者に伝えられるため、運転者が認識していない気象情報や生体情報の変化等を運転者に認識させることができる。
これにより、運転者は事前に事故発生リスクを認識できるため、事故の発生を未然に防止することができる。
【0037】
また、停車可能判定部130において車両が停車可能な状況にあると判定したとき、車両が停車することを確認してから、保険に関する情報を表示部150に表示する。
これにより、報知制御部140は、車両が確実に停車したときに、保険に関する情報を表示部150に表示するため、わき見運転等による事故発生を防止することができる。
【0038】
<その他の実施例>
上述した情報処理装置1において、音声案内を用いて保険に関する情報を報知するとき、運転者が音声案内を聞きやすくなるように、報知制御部140が、音声入出力部160からの音量を大きくする等の制御を行うようにしてもよい。
これにより、走行中の風切り音やロードノイズ等の雑音が発生していても、運転者は保険に関する情報を認識することができる。
【0039】
また、車両にHUD(Head up Display)が備えられている場合には、図6に示すような保険情報を示すアイコン等を、音声案内と併せてHUDに表示するようにしてもよい。
これにより、車両が直ちに停車できないときには、音声案内と同時に、保険情報を示すアイコンがHUDに表示されるため、運転中であっても、運転者は提案された保険に関する情報を、より理解することができる。
【0040】
また、上述した情報処理装置1では、運転者に報知すべき保険が有り、車両が停車可能であると判定した場合には、車両が停車したことを確認した後に、報知すべき保険情報を表示のみで報知したが、同時に音声案内を行い、報知するようにしてもよい。
これにより、報知すべき保険情報が、表示と音声とにより報知されるため、運転者は、保険情報をより理解することができる。
【0041】
以上、この発明の実施例につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1;情報処理装置
100;乗員状態取得部
110;走行状態取得部
120;判定部
130;停車可能判定部
140;報知制御部
150;表示部
160;音声入出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6