(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132385
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】絞り口付きスパウト
(51)【国際特許分類】
B65D 75/58 20060101AFI20230914BHJP
B65D 33/38 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B65D75/58
B65D33/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037655
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000161884
【氏名又は名称】アスカカンパニー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井上 高幸
【テーマコード(参考)】
3E064
3E067
【Fターム(参考)】
3E064AA05
3E064BA22
3E064BC18
3E064EA13
3E064FA05
3E064HS04
3E067AA04
3E067AB01
3E067AB21
3E067BA12A
3E067BB14A
3E067CA24
3E067EA32
3E067EB17
3E067EB27
3E067FA01
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】本発明は、スパウトの口部に口金を付け替える必要がなく、また、従来のスパウト用のキャップがそのまま装着して使用することが可能であり、更に、絞り出すクリームの形跡がキレイに絞り出しができて、絞り出し終了時のクリームがまっすぐに先細りしながら絞りツノを立たせることが可能な絞り口付きスパウトを提供するものである。
【解決手段】本発明は、パウチ容器3の開口へ熱溶着して取り付けるスパウトであって、前記スパウトは筒部本体1aと前記筒部本体1aの下端側にあって前記開口と溶着する溶着部1bとからなり、前記筒部本体1aの内側には、上方向に向かい先細りしながら突出する絞り口1eが成形され、前記絞り口1eの上端は開口した切込開口部1fが形成され、前記絞り口1eの先端の突出の高さは前記筒部本体1aの口部1cの高さよりも低く、前記筒部本体1aの内側に収納された状態で形成している絞り口付きスパウト1である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムを袋状に形成したパウチ容器に熱溶着して取り付けるスパウトであって、
前記スパウトは上端側に口部を有する筒状の筒部本体と、
前記筒部本体の下端側に前記フィルムと熱溶着する溶着部とからなり、
前記筒部本体の内壁には、上方向に先細りしながら突出し、突出した先端が開口した切込開口部を有する絞り口が形成され、
前記絞り口は前記口部から外方向にはみ出しすることなく、前記筒部本体の内側に収納された状態で形成していることを特徴とする絞り口付きスパウト。
【請求項2】
前記絞り口の下端側と前記筒部本体の内壁は連結部で連結しており、前記連結部はドーナツ状の水平面を有していることを特徴とする請求項1に記載の絞り口付きスパウト。
【請求項3】
前記絞り口の突出する傾斜角度は前記連結部の水平面を基準として15度以上75度以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の絞り口付きスパウト。
【請求項4】
前記切込開口部の上端側の内径と前記切込開口部の下端側の内径は同じ内径であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の絞り口付きスパウト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチ容器のスパウトの口部近傍に星形などの絞り口を一体成形した絞り口付きスパウトに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケーキやゼリーなどをデコレーションしたりするものとしてホイップクリームが販売されている。市販されているものの中には、予め起泡されたクリームを漏斗型の包装体に入れ、それを冷凍して出荷する形態のホイップクリーム入り包装体が消費者用として流通している。例えば、特許文献1に記載のホイップクリーム包装体である。特許文献1のホイップクリーム包装体は、内部に起泡クリームを密封したプラスチック製の漏斗型の袋の口部付近の内面に、該袋のテーパー部と同様の傾斜を有する絞り出し用口金が内蔵されているものが開示されている。
【0003】
また、特許文献2として、包装に用いるフィルムシートを溶着させる台座と、台座に立設した中空の円筒と、円筒頂部に設けられた蓋と、円筒と蓋の間に設けた溝の有するスパウト内に開口部を、底部に抜け止めの基台部を有する口金を内挿した絞り口金付非開放型スパウトが開示されている。前記絞り口金付非開放型スパウトは、デコレーションケーキ等を作成する絞り出し袋の口金部分から生クリーム等が漏れ出すことのないようにキャップを被せて保護したものである。
【0004】
更に、特許文献3に記載しているパウチ容器の使用例として、星形のスリットを形成するなどした口金を口部材の口部に取り付けることで、絞り袋として使用することができるパウチ容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭59-43366号公報
【特許文献2】特開平11-147549号公報
【特許文献3】特開2017-154753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のホイップクリーム包装体は使用する際、口部付近を切断線に沿ってハサミ等を利用して切断する必要があり、ハサミ等の切断道具を別途準備する必要があった。また、包装体の口部をハサミなどで切断してしまうため、使用後に残ったホイップクリームを再封をして保存することができないパッケージであり、使い切るか、残った分を廃棄するか、または、別の包装容器に入れて保存する必要があった。
【0007】
そこで口金付非開放型スパウトとして、特許文献2の絞り口金付非開放型スパウトが発案されている。使用方法の手順として、円筒と一体成形された蓋に力を加えて溝の箇所を破断させて開口部を露出させ、次いで口金の基台部を押し上げてスパウトの台座の中に突出部を嵌合させて基台部と当接させ、口金の開口部をスパウトの開口部より突出させて使用するものである。また、デコレーション作業を途中で中断する場合は、口金の先端をスパウト内に押し込んで引込ませ、再度デコレーション作業を再開する場合は、蓋を外し、口金の基台部を再び押し上げなければいけず、口金の出し入れの手間が必要となる。更に口金を押し込みすぎると、内容物が入った包装体の内に口金が抜け落ちる不具合が発生する場合がある。また、口金の外面に内容物が付着したり、円筒と口金の間の隙間にホイップクリームなどの内容物が入り込むことで、その隙間からはみ出した不要な内容物が絞り出され、本来のデコレーション用として絞り出されたクリームの形跡の周りに、はみ出して絞り出されたクリームが一緒に付着することがあり、絞り出されたクリームの形跡がキレイではない状態となる。
【0008】
更に特許文献3のパウチ容器では、口金を口部材の口部に取り付けることで絞り袋として使用することができるものであるため、使用時は、口部に装着可能な別パーツからなる口金を準備しておく必要がある上、口金を口部に装着する手間や、使用後にクリームなどの内容物が残っていた場合は、口金を取り外してからでないとキャップの装着ができなかったり、また、使用後の口金は洗浄して別の場所に保管が必要であったりと、手間や保管による紛失等、課題が多くある。
【0009】
本発明の目的は、上記課題を解決し、スパウトの口部を口金に付け替える必要がなく、また、専用のキャップを新規で製造する必要もなく従来のスパウト用のキャップがそのまま装着して使用することが可能であり、更に、絞り出すクリームの形跡もキレイで、絞り出し終了時のクリームがまっすぐに先細りしながら絞りツノを立たせることも可能な絞り口付きスパウトを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、プラスチックフィルムを袋状に形成したパウチ容器に熱溶着して取り付けるスパウトであって、前記スパウトは上端側に口部を有する筒状の筒部本体と、前記筒部本体の下端側に前記フィルムと熱溶着する溶着部とからなり、前記筒部本体の内壁には、上方向に先細りしながら突出し、突出した先端が開口した切込開口部を有する絞り口が形成され、前記絞り口は前記口部から外方向にはみ出しすることなく、前記筒部本体の内側に収納された状態で形成している絞り口付きスパウトである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、前記絞り口の下端側と前記筒部本体の内壁は連結部で連結しており、前記連結部はドーナツ状の水平面を有している絞り口付きスパウトである。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記絞り口の突出する傾斜角度は前記連結部の水平面を基準として15度以上75度以下である絞り口付きスパウトである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記切込開口部の上端側の内径と前記切込開口部の下端側の内径は同じ内径である絞り口付きスパウトである。
【発明の効果】
【0014】
スパウトの口部に別パーツになっている口金を装着する必要がなく、また、専用のキャップを新規で製造する必要もなく、従来のスパウト用のキャップがそのまま装着して使用することが可能であり、更に、絞り出すクリームの形跡もキレイで、絞り出し終了時のクリームがまっすぐに先細りしながら絞りツノを立たせることが可能な絞り口付きスパウトを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の絞り口付きスパウトを斜め上からみた斜視図である。
【
図2】
図1を真上からみた状態を示す平面図である。
【
図3】
図2をA-Aにカットした状態を示す断面図である。
【
図4】
図2をB-Bにカットした状態を示す断面図である。
【
図5】本発明の絞り口付きスパウトとキャップを示す斜視図である。
【
図6】本発明の絞り口付きスパウトにキャップを装着した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図7をC-Cにカットした状態を示す断面図である。
【
図9】本発明の絞り口付きスパウトをパウチ容器に溶着したイメージ
図1である。
【
図10】本発明の絞り口付きスパウトをパウチ容器に溶着したイメージ
図2である。
【
図11】充填ノズルに装着可能なノズル補助治具を示した斜視図である。
【
図13】
図12をD-Dにカットした状態を示す断面図である。
【
図14】
図11に示すノズル補助治具を充填機のノズルへ装着した状態の断面図である。
【
図16】
図15の状態から充填機ノズルを下降させた動作2を示す断面図である。
【
図17】
図16の状態から充填機ノズルを更に下降させた動作3を示す断面図である。
【
図18】連結部を設けずに筒部本体の内壁面から絞り口を形成してみた金型レイアウト図である。
【
図19】本発明の絞り口付きスパウトの金型レイアウト図である。
【
図20】設備装置の一部を示したイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の絞り口付きスパウト1は、
図9、
図10に示すように、プラスチックフィルムシートを袋状に形成したパウチ容器3、31の開口へ熱溶着して取り付けることができる絞り口付きスパウト1である。
図1に示すように、前記絞り口付きスパウト1は、筒状を形成した筒部本体1aと、前記筒部本体1aの下端側に前記パウチ容器3、31のフィルムシートを熱溶着する溶着部1bが一体形成されている。また、前記筒部本体1aの上端は開口した口部1cとなっており、前記口部1cをキャップで封止できるように、前記筒部本体1aの外周面の一部を周方向に螺旋状に突出させたネジ部1gを形成している。なお、前記ネジ部1gの一部の突出をなくして、縦方向に通路となる水抜きスリット1hを前記ネジ部1g内に設けても良い。また、前記ネジ部1gは設けず、前記筒部本体1aと前記溶着部1bの間に外方に突出する突部1iを設けて、前記突部1iとキャップの内側壁に形成した突出したリブ(図示せず)とを、キャップの打栓で嵌め込みできる構造にして封止できるようにしても良い。
【0017】
図2は
図1の絞り口付きスパウト1を上からみた図であり、
図3は
図2に示すA-A方向にカットした断面図である。また、
図4は
図2に示すB-B方向にカットした断面図である。
図1及び
図3、
図4に示すように、前記口部1cよりも下方の前記筒部本体1aの内壁面近傍には、前記筒部本体1aの中心軸に向かい、上斜め方向に先絞りしながら筒状に突出する絞り口1eが形成されている。前記筒部本体1aの内壁面と前記絞り口1eの下端との間には、前記筒部本体1aの内壁面を円周に沿いながら水平面を形成したドーナツ状の連結部1dが形成されている。前記筒部本体1aの内壁面と前記絞り口1eの下端は前記連結部1dで連結されてつながっている。
【0018】
図3に示すように、前記絞り口1eの突出する傾斜角度aは前記連結部1dの水平面を基準として15度以上75度以下を形成している。更に、前記絞り口1eの先端付近は、
図2に示すように開口した切込開口部1fになっており、前記切込開口部1fの開口した周壁面は、柱体で切り抜かれたような柱面になっている。すなわち、前記切込開口部1fの上端1fa側の内径と、前記切込開口部1fの下端1fb側の内径は同形になるように形成している。これにより、前記パウチ容器の中に入ったホイップクリームなどの内容物を絞り出して外へ吐出させる時には、前記切込開口部1fの形状のままで柱体形状に吐出することが可能となり、絞り出すクリームの形跡をキレイな状態で絞り出すことができる。
【0019】
また、絞り出し終了時は前記口部1cを真下向きにして振り上げることで、クリームがまっすぐに先細りしながら絞りツノを立たせることができるようになる。なお、前記傾斜角度aについては、前記連結部1dの水平面を基準として15度以上75度以下と説明したが、より安定的にキレイな絞りツノを立たせることができる傾斜角度aは、35度以上55度以下にするとむより良い。
【0020】
更に、前記切込開口部1fの形状については、
図2に示しているような星形や、図示はしていないが丸型や花形などの形状であっても、同様の絞り効果やツノ立たせ効果を発揮することができる。これにより、前記切込開口部1fの形状が異なる本発明の絞り口付きスパウト1付きのパウチ容器3、31を複数個準備して利用すれば、ホイップクリームなどの内容物の絞り出し模様のバリエーションを増やすことができ、様々なデコレーション飾りを実施していくことができる。
【0021】
図5は本発明の絞り口付きスパウト1にキャップ2を装着する前の状態を示しており、
図6乃至
図8では、本発明の絞り口付きスパウト1にキャップ2を装着した状態を示している。
図7は
図6の状態を上からみた図であり、
図8は
図7のC-C方向にカットした断面図となる。
図5または
図8に示すように、本発明の絞り口付きスパウト1は、前記絞り口1eの先端が前記口部1cから外方向に、はみ出さないように形成されている。すなわち、本発明の絞り口付きスパウト1をキャップ2で封止した時に、前記キャップ2の天板2aの裏面に前記絞り口1eの先端が接触しないように、前記絞り口1eは、前記筒部本体1aの内側に収納された状態で形成している。これにより、絞り口付きスパウト1に被せるための専用のキャップの金型起工をする必要がなく、従来のスパウト用のキャップを、そのまま転用して使用することができ、金型製作コストを削減することができる。
【0022】
ではこれより、本発明の絞り口付きスパウト1が取り付けられたパウチ容器3、31を使用して、内容物のホイップクリームなどを充填する方法を説明する。まず
図9に示すような、絞り口付きスパウト1が斜めパウチ容器3に熱溶着して取り付けられている場合は、前記斜めパウチ容器3の上端側の一部のフィルムシートが未溶着となっており開口している。そのため、前記開口部分が充填口3aとなり、前記充填口3aに充填機の充填ノズルを差し込むことで内容物の充填を実施することができる。
【0023】
図10のパウチ容器31は、
図9で示した斜めパウチ容器3とは異なる形状のものである。
図10に示すパウチ容器31は、充填口をパウチ容器31側には設けておらず、前記充填口をスパウトの口部1cから行うタイプのものである。本発明の絞り口付きスパウト1は、スパウトの口部からでも充填できるように、
図1及び
図2に示すように、前記切込開口部1fから充填機の充填ノズルなどの細い筒状のノズルを差し込んで充填できるぐらいに開口した開口径を有している。
【0024】
しかしながら、前記切込開口部1fの形状や充填ノズルの挿入方法によって、前記充填ノズルの挿入位置が微妙にズレたりした場合に、前記絞り口1eの先端の一部と充填ノズルの一部とが衝突し、前記絞り口1eの先端の一部がつぶれてしまうことも想定される。そこで、弊社では本発明の絞り口スパウト1用として、前記切込開口部1fから充填するためのノズル補助治具を提供できるようにしている。
図11乃至
図13に示す前記ノズル補助治具4は、
図14に示すように、充填機の充填ノズルの先端に装着できるものである。
【0025】
これより、前記ノズル補助治具4について説明する。
図11乃至
図13に示すように、前記ノズル補助治具4は、略半球体状の側壁面を有する治具本体4aと、前記治具本体4aの中心軸に、前記充填ノズル5aの先端を差し込みセットできるようにした、筒状に貫通したノズル差込口4bを形成している。
図12は
図11の前記ノズル補助治具4を上からみた図であり、
図13は
図12の前記ノズル補助治具4をDからD方向にカットした断面図である。また、
図14は前記充填ノズル5aに前記ノズル補助治具4を取り付けたイメージ断面図である。
【0026】
前記ノズル補助治具4が取り付けられた状態の前記充填ノズル5aは、
図15の状態から前記充填ノズル5aが降下し前記口部1cに入り込んだ時に、
図16に示すように、前記ノズル補助治具4の最も外方向に突出した側壁面の一部と前記口部1cの内壁面の一部が接触することで、挿入場所の位置決め調整がなされるようになっている。
【0027】
更に
図17に示すように、前記充填ノズル5aを降下させると、前記ノズル補助治具4の下端に形成している治具脚部4cの底面が前記連結部1dに載置されることで、前記充填ノズル5aが前記口部1cの中心位置で保持されるようになる。それにより、前記充填ノズル5aの先端が前記絞り口1eの先端と干渉してしまうことがなくなり、前記切込開口部1fから内容物を充填することができる。前記ノズル補助治具4の材質は、ゴム材やエラストマーなどの弾性をもつ柔らかな樹脂素材のものを使用して作るのが良い。なお、今回紹介した前記ノズル補助治具4の形状は一例を紹介したに過ぎず、別の形態のノズル補助治具を使用しても良い。
【0028】
このように、前記切込開口部1fの形状や大きさによって、ユーザーが自由に選択できるように本発明の絞り口付きスパウト1を溶着させた様々なバリエーションのパウチ容器3、31を提供することができる。また、本発明の絞り口付きスパウト1がついたパウチ容器3、31であれば、内容物を使い切る必要はなく、内容物が残った場合はキャップ2で封止し、冷蔵庫で保管すれば、繰り返し使用することが可能となる。
【0029】
次に金型構造について説明する。
図19の金型構造61は、前記連結部1dを設けず、筒部本体1aの内壁面から絞り口を形成した金型イメージ図である。
図19で示したように、金型の端部61aに薄く加工した箇所があると、射出成形を繰り返すうちに、前記端部61aの箇所が型締力に耐えられなくなり、破損しやすくなる。しかし、本発明の絞り口スパウト1の形状の金型構造6を
図18に示すが、
図18で示したように、本発明の絞り口スパウトの形状にすれば、金型の一部を尖らせたり、金型の一部を薄くする必要がない金型の端部6aにすることができる。これにより、耐久性が良い金型構造6にすることができ、結果的に製品コストを低減することができる製品を提供することができる。
【0030】
なお、本発明の絞り口付きスパウト1には、
図1に示すようなつば部1jや挟み板1kを設けていても良い。前記つば部1jは前記突部1iより更に下方には前記筒部本体1aの外周側壁面から外方向に突出した板状のつばのことをである。また、前記挟み板1kは、前記つば部1jの裏面近傍の形成されるもので、前記筒部本体1aの側面を左右に平行な位置で一対に挟み込むようにしたものである。
【0031】
前記とつば部1jと前記挟み板1kの役目としては、
図20に示すような設備装置5を使用して内容物を充填する場合に、前記筒部本体1aの左右に平行な位置で挟まれた前記挟み板1kを、Uの字を形成したホルダー5bに沿わすように差し込むことで、前記つば部1jがUの字のホルダー5b内で引っかかり、パウチ容器31がぶら下がった状態になる。この状態から、前記充填ノズル5aを前記切込開口部1fへ挿入することで、内容物の充填ができるようになる。
【0032】
本発明の絞り口付きスパウト1を取り付けたパウチ容器3、31に充填する内容物はホイップクリームやチョコレートクリームなどであり、ケーキやゼリーなどにホイップクリームやチョコレートクリームなどを絞り出しながらデコレーションする時に利用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 絞り口付きスパウト
1a 筒部本体
1b 溶着部
1c 口部
1d 連結部
1e 絞り口
1f 切込開口部
1fa 切込開口部の上端
1fb 切込開口部の下端
1g ネジ部
1h 水抜きスリット
1i 突部
1j つば部
1k 挟み板
2 キャップ
3 パウチ容器
31 パウチ容器
3a 充填口
4 ノズル補助治具
4a 治具本体
4b ノズル差込口
4c 治具脚部
5 設備装置
5a 充填ノズル
5b ホルダー
6 金型構造
6a 端部
61 金型構造
61a 端部