IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大阪瓦斯株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-料理レシピ提供システム 図1
  • 特開-料理レシピ提供システム 図2
  • 特開-料理レシピ提供システム 図3
  • 特開-料理レシピ提供システム 図4
  • 特開-料理レシピ提供システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132417
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】料理レシピ提供システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20230914BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037723
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(72)【発明者】
【氏名】豊田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】藤井 元
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA21
(57)【要約】
【課題】料理の料理レシピ基本情報が有する複数の調理工程を複数の調理者夫々が担当する担当調理工程として割り当てる分担処理を実行して、当該分担処理により複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程を示す調理工程分担情報を利用者に提示する料理レシピ提示情報として生成する料理レシピ提供システムにおいて、実際にそのとおりに夫々の担当調理工程を実施してもらえるような実現性が高い調理工程分担情報を生成し、当該調理工程分担情報の提示する価値を向上することができる技術を提供する。
【解決手段】複数の調理者夫々の調理能力を示す調理能力情報の登録を利用者端末から受け付け、登録を受け付けた複数の調理者夫々の調理能力情報に基づいて分担処理を実行する。
【選択図】図3


【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末との間で通信ネットワークを介して通信可能に構成され、
複数の料理夫々について複数の調理工程からなる料理レシピ基本情報を格納する情報データベースと、
所定の対象料理の料理レシピ基本情報を前記情報データベースから抽出して当該抽出した料理レシピ基本情報に関する料理レシピ提示情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段で生成した料理レシピ提示情報を前記利用者端末から利用者に提示する情報提示手段と、を備え、
前記情報生成手段が、前記対象料理の料理レシピ基本情報が有する複数の調理工程を前記複数の調理者夫々が担当する担当調理工程として割り当てる分担処理を実行して当該分担処理により複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程を示す調理工程分担情報を前記料理レシピ提示情報として生成する料理レシピ提供システムであって、
複数の調理者夫々の調理能力を示す調理能力情報の登録を前記利用者端末から受け付ける登録手段を備え、
前記情報生成手段が、前記登録手段で登録を受け付けた前記複数の調理者夫々の調理能力情報に基づいて前記分担処理を実行する料理レシピ提供システム。
【請求項2】
前記調理工程が、実施する調理作業内容と取り扱う材料名を含むものであると共に、
前記調理能力情報が、実施可能な調理作業内容である対応可能調理作業内容と取り扱い可能な材料名である対応可能材料名を含む請求項1に記載の料理レシピ提供システム。
【請求項3】
前記調理工程が、危険を伴うものか否かを識別可能であると共に、
前記調理能力情報が、危険を伴う調理工程を回避すべき危険回避必要調理者であるか否かを示す危険回避要否情報を含む請求項1又は2に記載の料理レシピ提供システム。
【請求項4】
前記情報生成手段が、前記分担処理として、前記複数の調理者夫々の作業負担が均等化されるように前記複数の調理工程夫々を前記複数の調理者夫々の担当調理工程として割り当てる均等化分担処理を実行可能に構成されている請求項1~3の何れか1項に記載の料理レシピ提供システム。
【請求項5】
前記情報生成手段が、前記分担処理として、特定の調理者を優先するように前記複数の調理工程夫々を前記複数の調理者夫々の担当調理工程として割り当てる優先分担処理を実行可能に構成されている請求項1~4の何れか1項に記載の料理レシピ提供システム。
【請求項6】
前記利用者端末から利用者に提示された前記調理工程分担情報に対し、前記利用者端末からの入力操作により、前記複数の調理者夫々の担当調理工程を変更可能な担当変更手段を備える請求項1~5の何れか1項に記載の料理レシピ提供システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば利用者が指定した所定の対象料理の料理レシピ情報を利用者に提示するための料理レシピ提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の料理レシピ提供システムは、利用者端末との間で通信ネットワークを介して通信可能に構成され、例えば利用者端末から指定された対象料理の料理レシピ基本情報を情報データベースから抽出し、当該抽出した料理レシピ基本情報に基づいて料理レシピ提示情報を生成し、当該生成した料理レシピ提示情報を利用者端末から利用者に提示するものとして構成されている(例えば、特許文献1を参照。)。
更に、特許文献1(例えば段落0018-0020等を参照。)記載の料理レシピ提供システムは、子供や親などの複数の調理者に対し、それら複数の調理者夫々の年齢に基づいて、対象料理の料理レシピ基本情報が有する複数の調理工程を複数の調理者夫々が担当する担当調理工程として割り当てる分担処理を実行し、当該分担処理により複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程を示す調理工程分担情報を含む形態で料理レシピ提示情報を生成するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-76847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
夫々の調理者において実施できる調理作業内容や理解できる材料名等に関する調理能力は、例え同じ年齢であっても調理経験等によって様々である。よって、特許文献1記載の料理レシピ提供システムのように、複数の調理者夫々の年齢に基づいて上記分担処理を実行すると、夫々の調理者に対して実際にそのとおりに夫々の担当調理工程を実施してもらえないような実現性が低い調理工程分担情報しか提示できない場合があり、調理工程分担情報を提示する意味や価値が少なくなるという問題がある。
例えば、親とその子供が調理者であることを想定し、調理者である子供の調理能力が同年齢での一般的な調理能力よりも低いと仮定すると、その子供に対して実施困難な調理工程が割り当てられてしまうことから、提示された調理工程分担情報を無視して夫々の調理工程を実施しなければならない場合がある。また、調理者である子供の調理能力が同年齢の一般的な調理能力よりも高いと仮定すると、その子供に対して簡単な調理工程だけが割り当てられてしまうことから、その子供が能力を発揮できず満足を得られない場合がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、料理の料理レシピ基本情報が有する複数の調理工程を複数の調理者夫々が担当する担当調理工程として割り当てる分担処理を実行して、当該分担処理により複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程を示す調理工程分担情報を利用者に提示する料理レシピ提示情報として生成する料理レシピ提供システムにおいて、実際にそのとおりに夫々の担当調理工程を実施してもらえるような実現性が高い調理工程分担情報を生成し、当該調理工程分担情報の提示する価値を向上することができる技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、利用者端末との間で通信ネットワークを介して通信可能に構成され、
複数の料理夫々について複数の調理工程からなる料理レシピ基本情報を格納する情報データベースと、
所定の対象料理の料理レシピ基本情報を前記情報データベースから抽出して当該抽出した料理レシピ基本情報に関する料理レシピ提示情報を生成する情報生成手段と、
前記情報生成手段で生成した料理レシピ提示情報を前記利用者端末から利用者に提示する情報提示手段と、を備え、
前記情報生成手段が、前記対象料理の料理レシピ基本情報が有する複数の調理工程を前記複数の調理者夫々が担当する担当調理工程として割り当てる分担処理を実行して当該分担処理により複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程を示す調理工程分担情報を前記料理レシピ提示情報として生成する料理レシピ提供システムであって、
複数の調理者夫々の調理能力を示す調理能力情報の登録を前記利用者端末から受け付ける登録手段を備え、
前記情報生成手段が、前記登録手段で登録を受け付けた前記複数の調理者夫々の調理能力情報に基づいて前記分担処理を実行する点にある。
【0006】
本構成によれば、上記登録手段により、複数の調理者夫々の調理能力を示す調理能力情報の登録が利用者端末から受け付けられる。そして、上記情報生成手段により、当該複数の調理者夫々の調理能力情報に基づいて上記分担処理が実行されて上記調理工程分担情報が生成される。すると、生成された調理工程分担情報において複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程は、その調理者の調理能力に見合ったものとなる。よって、夫々の調理者に対してそのとおりに夫々の担当調理工程を実施してもらえるような実現性が高い調理工程分担情報を料理レシピ提示情報として生成し、利用者端末から調理者を含む利用者に提示することができる。
従って、本発明により、料理の料理レシピ基本情報が有する複数の調理工程を複数の調理者夫々が担当する担当調理工程として割り当てる分担処理を実行して、当該分担処理により複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程を示す調理工程分担情報を利用者に提示する料理レシピ提示情報として生成する料理レシピ提供システムにおいて、実際にそのとおりに夫々の担当調理工程を実施してもらえるような実現性が高い調理工程分担情報を生成し、当該調理工程分担情報の提示する価値を向上することができる技術を提供することができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記調理工程が、実施する調理作業内容と取り扱う材料名を含むものであると共に、
前記調理能力情報が、実施可能な調理作業内容である対応可能調理作業内容と取り扱い可能な材料名である対応可能材料名を含む点にある。
【0008】
本構成によれば、上記登録手段により、複数の調理者夫々の調理能力情報として、当該調理者夫々の上記対応可能調理作業内容と上記対応可能材料名の登録が利用者端末から受け付けられる。そして、上記情報生成手段により、当該複数の調理者夫々の対応可能調理作業内容と対応可能材料名に基づいて上記分担処理が実行されて上記調理工程分担情報が生成される。すると、生成された調理工程分担情報において、複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程は、当該調理者の上記対応可能調理作業内容と上記対応可能材料名を含むものとなって、当該調理者が自分の調理能力の範囲内で実施できるものとなる。よって、より一層実現性が高い調理工程分担情報を料理レシピ提示情報として生成して利用者に提示することができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記調理工程が、危険を伴うものか否かを識別可能であると共に、
前記調理能力情報が、危険を伴う調理工程を回避すべき危険回避必要調理者であるか否かを示す危険回避要否情報を含む点にある。
【0010】
本構成によれば、上記登録手段により、複数の調理者夫々の調理能力情報として、当該調理者夫々の上記危険回避要否情報の登録が利用者端末から受け付けられる。そして、上記情報生成手段により、当該危険回避要否情報に基づいて上記分担処理が実行されて上記調理工程分担情報が生成される。すると、生成された調理工程分担情報において、複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程は、危険回避必要調理者は危険を伴わない調理工程のみを実施し、危険回避必要調理者ではない別の調理者は危険を伴うものを含む調理工程を実施するものとなって、当該調理者が自分の調理能力の範囲内で実施できるものとなる。よって、より一層実現性が高い調理工程分担情報を料理レシピ提示情報として生成して利用者へ提示することができる。
【0011】
本発明の第4特徴構成は、前記情報生成手段が、前記分担処理として、前記複数の調理者夫々の作業負担が均等化されるように前記複数の調理工程夫々を前記複数の調理者夫々の担当調理工程として割り当てる均等化分担処理を実行可能に構成されている点にある。
【0012】
本構成によれば、上記情報生成手段により均等化分担処理を実行することにより、複数の調理者夫々の作業負担が均等化されるように上記分担処理が実行されて上記調理工程分担情報が生成される。すると、生成された調理工程分担情報において、複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程は、複数の調理者が略同等の作業負担で実施できるものとなる。よって、作業負担の均等化を要望する利用者に対してその要望の応じた調理工程分担情報を料理レシピ提示情報として生成して提示することができる
【0013】
本発明の第5特徴構成は、前記情報生成手段が、前記分担処理として、特定の調理者を優先するように前記複数の調理工程夫々を前記複数の調理者夫々の担当調理工程として割り当てる優先分担処理を実行可能に構成されている点にある。
【0014】
本構成によれば、上記情報生成手段が上記優先分担処理を実行することにより、特定の調理者を優先して当該特定の調理者が対応可能な調理工程の全てを当該特定の調理者に担当させると共に、残りの調理工程を特定の調理者とは別の調理者に担当させるように、上記調理工程分担情報が生成される。すると、生成された調理工程分担情報において、複数の調理者夫々に割り当てられた担当調理工程は、特定の調理者が対応できないもののみを別の調理者が実施するものとなる。よって、特定の調理者による主体的な作業負担を要望する利用者に対してその要望の応じた調理工程分担情報を料理レシピ提示情報として生成して提示することができる。
【0015】
本発明の第6特徴構成は、前記利用者端末から利用者に提示された前記調理工程分担情報に対し、前記利用者端末からの入力操作により、前記複数の調理者夫々の担当調理工程を変更可能な担当変更手段を備える点にある。
【0016】
本構成によれば、上記担当変更手段を備えることにより、利用者端末から利用者に提示された調理工程分担情報に対し、利用者は、利用者端末からの入力操作により、複数の調理者夫々の担当調理工程を任意に変更することができる。よって、利用者端末から提示される調理工程分担情報を都合に応じて適宜変更し、当該調理工程分担情報の実現性を一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態の料理レシピ提供システムの概略構成を示す図
図2】料理レシピ基本情報の内容を示す図
図3】実施例1における調理能力情報(a)及び調理工程分担情報(b)を示す図
図4】実施例2における調理能力情報(a)及び調理工程分担情報(b)を示す図
図5】実施例3における調理能力情報(a)及び調理工程分担情報(b)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の料理レシピ提供システム(以下「本システム」と呼ぶ。)10は、インターネット等の所定の通信ネットワーク30を介して利用者端末40にデータ送受信可能に接続された情報提供者用のサーバーシステムであって、所定の対象料理の料理レシピに関する情報を記述した料理レシピ提供情報を利用者に提示するための料理レシピ提供サイトを運営するためのシステムとして構成されている。
【0019】
利用者端末40は、スマートフォン等の携帯情報端末であり、利用者は当該利用者端末40上で起動したアプリを操作して、本システム10に対して、通信ネットワーク30を通じて、各種情報の送受信を行うと共に、本システム10から受信した情報を、画面上に表示したり音声で出力したりなどの形態で利用者に提示することができる。
また、図1では、複数の調理者A,Bが対象料理を共同で調理するものとして、それら複数の調理者A,Bの夫々が各自の利用者端末40を使用して、本システム10から提示された情報を参照するものとされている。尚、これら複数の調理者A,Bが、同じ利用者端末40を使用して、本システム10から提示された情報を参照しても構わない。また、本実施形態では、調理者の人数を2名としたが、調理者の人数については適宜変更可能である。
【0020】
本システム10は、複数の料理夫々について複数の調理工程からなる料理レシピ基本情報を格納する情報データベース20を備える。この情報データベース20に格納されている料理レシピ基本情報には、例えば図2に示すように、必要な材料名や分量を記述した材料欄(図2の左上部分)と、作り方の概要を記述した作り方欄に加えて、複数の調理工程を作業順序のフェーズ毎に記述した調理工程欄が含まれている。
本システム10は、所定のコンピュータプログラムを実行することで、以下に説明するように、提示要求受付手段11、情報生成手段13、及び情報提示手段14として機能する。
【0021】
上記提示要求受付手段11は、料理レシピ提供情報の提供を受けることを希望する利用者による利用者端末40への入力操作により、当該利用者端末40から利用者が指定する対象料理を特定可能な情報提供要求の入力を受け付ける手段として構成されている。
尚、本実施形態では、利用者が対象料理を指定するように構成しているが、それに先立って、例えば利用者が使用したい材料や料理のジャンルなどの情報入力し、当該入力された情報に基づいて本システム10側で複数の料理の候補を利用者端末40から利用者に提示し、利用者がそれらの候補から対象料理を指定するように構成することもできる。
【0022】
上記情報生成手段13は、上記対象料理の料理レシピ基本情報を情報データベース20から抽出して当該抽出した料理レシピ基本情報に関する料理レシピ提示情報を生成する手段として構成されている。
更に、この情報生成手段13は、対象料理の料理レシピ基本情報が有する複数の調理工程を複数の調理者A,B夫々が担当する担当調理工程として割り当てる分担処理を実行する。そして、この分担処理により複数の調理者A,B夫々に割り当てられた担当調理工程を示す調理工程分担情報(例えば図3(b)、図4(b)、及び図5(b)を参照。)を料理レシピ提示情報として生成する。
【0023】
上記情報提示手段14は、情報生成手段13で生成した上記調理工程分担情報を含む料理レシピ提示情報を、通信ネットワーク30を通じて利用者端末40に送信し、当該利用者端末40から夫々の調理者A,Bを含む利用者に提示する手段として構成されている。
具体的に、利用者端末40において上記調理工程分担情報は、例えば図3(b)、図4(b)、及び図5(b)に示すように、夫々の調理者A,Bの担当調理工程を作業順序のフェーズ毎に記述した表形式等で画面上に表示される。尚、一の利用者端末40に夫々の調理者A,Bの担当調理工程を表示する場合に、複数画面表示を行って夫々の画面に調理者A,B夫々の担当調理工程を表示しても良い。
【0024】
また、調理者A,Bの夫々の各自の利用者端末40に対して上記調理工程分担情報を提示する場合には、当該各自の利用者端末40に対して、全ての調理者A,Bの担当調理工程を表示することもできるが、その利用者端末40を参照する調理者A,Bの担当調理工程のみを表示させても構わない。また、利用者端末40における上記調理工程分担情報の提示方法については、例えば調理工程毎に担当する調理者A,Bの名前を付記したり、調理者A,Bのうちの子供の調理者の上記調理工程分担情報はひらがなで表記したり、上記調理工程分担情報を調理工程の順に音声で出力するなどのように、夫々の調理者A,Bが担当調理工程を認識することができるものであれば、あらゆる提示方法を採用することができる。
【0025】
以上が本システム10の基本構成であるが、本システム10は、実際にそのとおりに夫々の担当調理工程を実施してもらえるような実現性が高い調理工程分担情報を生成し、当該調理工程分担情報の提示する価値を向上するための構成を採用しており、その詳細について以下に説明を加える。
【0026】
本システム10は、所定のコンピュータプログラムを実行することで、以下に説明するように、登録手段12、及び担当変更手段15として機能するとともに、上記情報生成手段13により独特な分担処理を実行する。
【0027】
上記登録手段12は、複数の調理者A,B夫々の調理能力を示す調理能力情報の登録を利用者端末40から受け付ける手段として構成されている。具体的に、図3(a)、図4(a)、及び図5(a)に示すように、調理能力情報には、実施可能な調理作業内容である対応可能調理作業内容と取り扱い可能な材料名である対応可能材料名が含まれている。更に、調理能力情報には、危険を伴う調理工程を回避すべき危険回避必要調理者であるか否かを示す危険回避要否情報が含まれている。これら調理能力情報は、利用者が夫々の調理者A,Bの調理能力を考慮し、当該利用者による利用者端末40の入力操作により、上記登録手段12により受け付けられる。また、このように受け付けた夫々の調理者A,Bの調理能力は、当該調理者A,Bの識別情報と共に情報データベース20に格納しておくことで、必要に応じて抽出することもできる。また、利用者による夫々の調理者A,Bの調理能力の入力を支援するために、利用者端末40に、対応可能材料名の選択肢、調理作業内容の選択肢、危険回避必要調理者であるか否かの選択肢を表示させて、利用者にそれらの選択肢から選択させるように構成することもできる。
尚、本実施形態では、対応可能材料名や対応可能調理作業内容や危険回避要否情報を調理能力情報としたが、調理能力情報は調理者A,B夫々の調理能力を示すものであれば良い。
【0028】
そして、上記情報生成手段13は、上記登録手段12で登録を受け付けた複数の調理者A,B夫々の調理能力情報に基づいて分担処理を実行する。このことで、生成された調理工程分担情報において複数の調理者A,B夫々に割り当てられた担当調理工程は、その調理者A,Bの調理能力に見合ったものとなる。よって、上記情報生成手段13により、夫々の調理者に対してそのとおりに夫々の担当調理工程を実施してもらえるような実現性が高い調理工程分担情報を料理レシピ提示情報として生成し、上記情報提示手段14により、利用者端末40から調理者A,Bを含む利用者に提示することができる。
尚、上記登録手段12が受け付ける複数の調理者A,B夫々の対応可能調理作業内容は、全ての調理工程を対象にできるが、本実施形態では、それら調理工程を準備フェーズと調理フェーズとに区別して、準備フェーズに含まれる調理工程のみを対象にするものとしている。
【0029】
上記登録手段12により、複数の調理者A,B夫々の調理能力情報として、当該調理者A,B夫々の上記対応可能調理作業内容と上記対応可能材料名の登録が利用者端末40から受け付けられるので、上記情報生成手段13により、当該複数の調理者A,B夫々の対応可能調理作業内容と対応可能材料名に基づいて上記分担処理が実行されて上記調理工程分担情報が生成される。このように生成された調理工程分担情報において、複数の調理者A,B夫々に割り当てられた担当調理工程は、当該調理者A,Bの上記対応可能調理作業内容と上記対応可能材料名を含むものとなって、上記対応可能調理作業内容と上記対応可能材料名を含まないものは別の調理者へ割り当てられることから、当該調理者A,Bが自分の調理能力の範囲内で実施できるものとなる。
【0030】
更に、上記登録手段12により、複数の調理者A,B夫々の調理能力情報として、当該調理者A,B夫々の上記危険回避要否情報の登録が利用者端末40から受け付けられるので、上記情報生成手段13により、当該危険回避要否情報に基づいて上記分担処理が実行されて上記調理工程分担情報が生成される。このように生成された調理工程分担情報において、複数の調理者A,B夫々に割り当てられた担当調理工程は、危険回避必要調理者は危険を伴わない調理工程のみを実施し、危険回避必要調理者ではない別の調理者は危険を伴うものを含む調理工程を実施するものとなって、当該調理者A,Bが自分の調理能力の範囲内で実施できるものとなる。
【0031】
上記担当変更手段15は、上述のように利用者端末40から利用者に提示された調理工程分担情報に対し、利用者端末40からの入力操作により、複数の調理者A,B夫々の担当調理工程を変更可能な手段として構成されている。例えば、利用者端末40において、ある調理者の担当として割り当てられた調理工程を別の調理者へ移動させる形態でドラッグアンドドロップ操作を行うことで、当該調理工程を担当する調理者を変更することができる。このような構成により、利用者端末40から利用者に提示された調理工程分担情報に対し、利用者は、利用者端末40からの入力操作により、複数の調理者夫々の担当調理工程を任意に変更することができる。よって、利用者端末40から提示される調理工程分担情報を都合に応じて適宜変更し、当該調理工程分担情報の実現性を一層向上することができる。
【0032】
上記情報生成手段13は、上述した分担処理として、以下に説明する均等化分担処理や優先分担処理を実行可能に構成されている。
即ち、利用者から利用者端末40を通じて作業負担の均等化の要望を受信すると、その要望に応じて調理工程分担情報を料理レシピ提示情報として生成して提示するために、均等化分担処理が実行される。そして、この均等化分担処理では、上述したように複数の調理者A,B夫々の調理能力を参照しながら、複数の調理者A,B夫々の作業負担が均等化されるように複数の調理工程夫々が複数の調理者A,B夫々の担当調理工程として割り当てられる。
【0033】
一方、利用者から利用者端末40を通じて特定の調理者による主体的な作業負担の要望を受信すると、その要望に応じて調理工程分担情報を料理レシピ提示情報として生成して提示するために、上記優先分担処理が実行される。そして、この優先分担処理では、上述したように複数の調理者A,B夫々の調理能力を参照しながら、特定の調理者を優先するように複数の調理工程夫々が複数の調理者A,B夫々の担当調理工程として割り当てられる。尚、優先分担処理を実行するにあたり、特定の調理者の指定は利用者端末40から受け付けることができる。
【0034】
以下、均等化分担処理を実行して生成された料理レシピ提供情報に関する実施例1(図3参照)と、優先分担処理を実行して生成された料理レシピ提供情報に関する実施例2(図4参照)及び実施例3(図5参照)とを説明する。
尚、これら実施例では、図2の料理レシピ基本情報に示すように対象料理を「焼きそば」とし、その「焼きそば」を、親である調理者Aとその子供である調理者Bとが共同で調理することを想定している。尚、図2を参照して、「焼きそば」を調理するための調理工程としては、準備フェーズ1として工程1-1~5を有し、準備フェーズ2として工程2-1~5を有し、調理フェーズとして工程3-1~16がある。
また、これら実施例で参照する図3図4、及び図5において、(a)は上記登録手段12で登録を受け付けた調理能力情報を示しており、(b)は上記情報生成手段13による分担処理により生成されて利用者端末40から料理レシピ提示情報として利用者側に提示された調理工程分担情報を示している。また、上記登録手段12で登録を受け付けた調理能力情報のうち対応可能料理作業内容は、準備フェーズ1,2に含まれる調理工程のみを対象としている。
【0035】
(実施例1)
上述した情報生成手段13により実行される分担処理として、複数の調理者A,B夫々の作業負担が均等化されるように複数の調理工程夫々を複数の調理者A,B夫々の担当調理工程として割り当てる均等化分担処理を実行する場合の実施例1について図3に基づいて説明する。
図3(a)に示すように、親である調理者Aの調理能力情報については、対応可能料理作業内容及び対応可能材料名は何れも対応できないものは存在しないことを示す「全て」に設定されている。一方、子供である調理者Bの調理能力情報については、対応可能料理作業内容は「皮むき」「炒める」「煮込む」「切る(柔らかい食材のみ)」が設定されている。また、調理者Aは危険を伴う調理工程を回避すべき危険回避必要調理者には設定されておらず、調理者Bは危険を伴う調理工程を回避すべき危険回避必要調理者に設定されている。本実施例の「焼きそば」を調理するための複数の調理工程において、工程3-1(フライパンにサラダ油を入れる)が、危険を伴う調理工程とされている。
【0036】
この実施例1において、上記情報生成手段13により実行される上記均等化分担処理では、上述したように複数の調理者A,B夫々の調理能力を参照しながら、調理者Aと調理者Bの夫々の作業負担が均等化されるように複数の調理工程夫々が調理者Aと調理者Bの夫々の担当調理工程として割り当てられる。そして、図3(b)に示すような調理工程分担情報が生成され、その調理工程分担情報が利用者端末40から夫々の調理者A及び調理者Bに提示される。
詳しくは、この均等化分担処理では、準備フェーズ1,2及び調理フェーズの夫々に含まれる複数の調理工程を、調理者Aと調理者Bの夫々の担当調理工程として交互に割り当てる。その際、準備フェーズ1,2では、割り当て対象となる調理工程に含まれる調理作業内容と材料名とを参照しながら、それらが担当調理工程として割り当て先の調理者の調理能力情報における対応可能料理作業内容及び対応可能材料名に含まれるものであるかを逐次確認する。そして、調理工程に含まれる調理作業内容と材料名とが、割り当て対象の調理者の調理能力情報における対応可能料理作業内容及び対応可能材料名に含まれない場合には、当該調理者はその調理工程を対応できないものと判断し、その調理者への割り当てをスキップして、他方の調理者の担当調理工程として割り当てる。
【0037】
具体的に、準備フェーズ1では、当該準備フェーズ1に含まれる複数の調理工程を調理者Aと調理者Bの夫々の担当調理工程として調理能力情報を参照しながら交互に割り当てるにあたり、図3(b)に示すように、工程1-1(キャベツを1枚に千切る)、工程1-3(玉ねぎの皮をむく)、及び工程1-5(中華麺を電子レンジで1分半ほど温める)が調理者Aに割り当てられ、工程1-2(人参の皮をむく)、及び工程1-4(もやしの根をとり除く)が割り当てられる。この際、割り当て対象となる調理工程に含まれる調理作業内容と材料名が、割り当て先の候補となる調理者の調理能力情報における対応可能料理作業内容及び対応可能材料名に含まれるものであるため、当該調理能力情報に基づく担当調理工程の変更は生じていない。
更に、このように割り当てられて準備フェーズ1における各調理者A,Bの担当調理工程を示す調理分担情報に対する利用者による利用者端末40からの入力操作により、一旦調理者Aに割り当てられた工程1-3(玉ねぎの皮をむく)が調理者Bの担当調理工程に変更されている。
【0038】
また、準備フェーズ2では、当該準備フェーズ2に含まれる複数の調理工程を調理者Aと調理者Bの夫々の担当調理工程として調理能力情報を参照しながら交互に割り当てるにあたり、図3(b)に示すように、先ずは、工程2-1(豚肉をひと口大に切る)が調理者Aに割り当てられる。次に、工程2-2(キャベツを細切りにする)については、一旦割り当て先となる調理者Bの対応可能材料名に含まれないキャベツを使用するものであることから、調理者Bへの割り当てがスキップされて、調理者Aの担当調理工程として割り当てられる。この工程以降については、工程2-3(人参を短冊切りにする)が調理者Bに割り当てられ、工程2-4(玉ねぎを薄切りにする)が調理者Aに割り当てられ、工程2-5(蒸し麺をほぐす)が調理者Bに割り当てられる。
更に、このように割り当てられて準備フェーズ2における各調理者A,Bの担当調理工程を示す調理分担情報に対する利用者による利用者端末40からの入力操作により、一旦調理者Aに割り当てられた工程2-4(玉ねぎを薄切りにする)が調理者Bの担当調理工程に変更され、一旦調理者Bに割り当てられた工程2-5(蒸し麺をほぐす)が調理者Aの担当調理工程に変更されている。
【0039】
また、調理フェーズについては、図3(b)に示すように、当該調理フェーズに含まれる複数の調理工程を調理者Aと調理者Bの夫々の担当調理工程として交互に割り当てる。この際、調理者Bは危険回避必要調理者に設定されているので、危険を伴う調理工程とされた工程3-1(フライパンにサラダ油を入れる)については、危険回避必要調理者である調理者Bに割り当てられることが禁止され、危険回避必要調理者ではない別の調理者Aに割り当てられる。
【0040】
更に、夫々のフェーズの各調理工程を調理者A及び調理者Bに割り当てた結果、調理者Aと調理者Bの夫々の作業負荷を示す担当調理工程数の合計に2以上の差が生じた場合には、自動的に、作業負荷が大きい調理者が担当する調理工程の一部を作業負荷が小さい調理者の担当調理工程に変更するように構成することができる。
また、この実施例1では、上述したように、利用者による利用者端末40からの入力操作により、調理者Aに割り当てられた工程1-3及び工程2-3が調理者Bの担当調理工程に変更されており、調理者Bに割り当てられた工程2-4が調理者Aの担当調理工程に変更されている。この結果、調理者Aと調理者Bの夫々の作業負荷である担当調理工程数の合計が全く同じ13となっている。
【0041】
(実施例2)
上述した情報生成手段13により実行される分担処理として、子供である調理者Bを優先するように複数の調理工程夫々を複数の調理者A,B夫々の担当調理工程として割り当てる調理者B優先分担処理を実行する場合の実施例2について図4に基づいて説明する。
図4(a)に示すように、親である調理者Aの調理能力情報については、対応可能料理作業内容及び対応可能材料名は何れも対応できないものは存在しないことを示す「全て」に設定されている。一方、子供である調理者Bの調理能力情報については、対応可能料理作業内容は「皮むき」「炒める」「煮込む」「切る(柔らかい食材のみ)」が設定されている。また、調理者Aは危険を伴う調理工程を回避すべき危険回避必要調理者には設定されておらず、調理者Bは危険を伴う調理工程を回避すべき危険回避必要調理者に設定されている。本実施例の「焼きそば」を調理するための複数の調理工程において、工程3-1(フライパンにサラダ油を入れる)が、危険を伴う調理工程とされている。
【0042】
この実施例2において、上記情報生成手段13により実行される上記調理者B優先分担処理では、上述したように複数の調理者A,B夫々の調理能力を参照しながら、子供である調理者Bを優先するように複数の調理工程夫々が複数の調理者A,B夫々の担当調理工程として割り当てられる。そして、図4(b)に示すような調理工程分担情報が生成され、その調理工程分担情報が利用者端末40から夫々の調理者A及び調理者Bに提示される。
詳しくは、この調理者B優先分担処理では、準備フェーズ1,2及び調理フェーズの夫々に含まれる複数の調理工程を、優先して調理者Bの担当調理工程として割り当てる。その際、準備フェーズ1,2では、割り当て対象となる調理工程に含まれる調理作業内容と材料名とを参照しながら、それらが担当調理工程として割り当て先の特定の調理者Bの調理能力情報における対応可能料理作業内容及び対応可能材料名に含まれるものであるかを逐次確認する。そして、調理工程に含まれる調理作業内容と材料名とが、割り当て対象の特定の調理者Bの調理能力情報における対応可能料理作業内容及び対応可能材料名に含まれない場合には、当該調理者Bはその調理工程を対応できないものと判断し、その特定の調理者Bへの割り当てをスキップして、他方の調理者Aの担当調理工程として割り当てる。
【0043】
具体的に、準備フェーズ1では、夫々の調理者A,Bの調理能力情報を参照しながら当該準備フェーズ1に含まれる複数の調理工程を特定の調理者Bに優先して担当調理工程として割り当てるにあたり、図4(b)に示すように、工程1-2(人参の皮をむく)と工程1-3(玉ねぎの皮をむく)については、優先すべき特定の調理者Bの対応可能料理作業内容及び対応可能材料名を含むものであることから当該調理者Bの担当調理工程として割り当てられるが、工程1-1(キャベツを1枚に千切る)、工程1-4(もやしの根をとり除く)、及び工程1-5(中華麺を電子レンジで1分半ほど温める)については、調理者Bの能料理作業内容や対応可能材料名に含まれない作業内容や材料名を含むものであることから、調理者Bへの割り当てがスキップされて、別の調理者Aの担当調理工程として割り当てられる。
【0044】
また、準備フェーズ2では、夫々の調理者A,Bの調理能力情報を参照しながら当該準備フェーズ2に含まれる複数の調理工程を特定の調理者Bに優先して担当調理工程として割り当てるにあたり、図4(b)に示すように、工程2-3(人参を短冊切りにする)と工程2-4(玉ねぎを薄切りにする)については、優先すべき特定の調理者Bの対応可能料理作業内容及び対応可能材料名を含むものであることから当該調理者Bの担当調理工程として割り当てられるが、工程2-1(豚肉をひと口大に切る)、工程2-2(キャベツを細切りにする)、及び工程2-5(蒸し麺をほぐす)については、調理者Bの能料理作業内容や対応可能材料名に含まれない作業内容や材料名を含むものであることから、調理者Bへの割り当てがスキップされて、別の調理者Aの担当調理工程として割り当てられる。
【0045】
また、調理フェーズについては、夫々の調理者A,Bの調理能力情報を参照しながら当該調理フェーズに含まれる複数の調理工程を特定の調理者Bに優先して担当調理工程として割り当てるにあたり、図4(b)に示すように、調理者Bは危険回避必要調理者に設定されているので、危険を伴う調理工程とされた工程3-1(フライパンにサラダ油を入れる)のみが、危険回避必要調理者である調理者Bに割り当てられることが禁止され、危険回避必要調理者ではない別の調理者Aに割り当てられる。
更に、このように割り当てられて調理フェーズにおける各調理者A,Bの担当調理工程を示す調理分担情報に対する利用者による利用者端末40からの入力操作により、一旦調理者Bに割り当てられた工程3-14(Aをまわし入れる)、工程3-15(フライパンから皿にうつす)、及び程3-16(紅しょうが、青のりを盛り付ける)が調理者Aの担当調理工程に変更されている。
【0046】
(実施例3)
上述した情報生成手段13により実行される分担処理として、親である調理者Aを優先するように複数の調理工程夫々を複数の調理者A,B夫々の担当調理工程として割り当てる調理者A優先分担処理を実行する場合の実施例3について図5に基づいて説明する。
図5(a)に示すように、親である調理者Aの調理能力情報については、対応可能料理作業内容及び対応可能材料名は何れも対応できないものは存在しないことを示す「全て」に設定されている。一方、子供である調理者Bの調理能力情報については、対応可能料理作業内容は「皮むき」「炒める」「煮込む」「切る(柔らかい食材のみ)」が設定されている。また、調理者Aは危険を伴う調理工程を回避すべき危険回避必要調理者には設定されておらず、調理者Bは危険を伴う調理工程を回避すべき危険回避必要調理者に設定されている。本実施例の「焼きそば」を調理するための複数の調理工程において、工程3-1(フライパンにサラダ油を入れる)が、危険を伴う調理工程とされている。
【0047】
この実施例3において、上記情報生成手段13により実行される上記調理者A優先分担処理では、上述したように複数の調理者A,B夫々の調理能力を参照しながら、親である調理者Aを優先するように複数の調理工程夫々が複数の調理者A,B夫々の担当調理工程として割り当てられる。そして、図5(b)に示すような調理工程分担情報が生成され、その調理工程分担情報が利用者端末40から夫々の調理者A及び調理者Bに提示される。
詳しくは、この調理者A優先分担処理では、準備フェーズ1,2及び調理フェーズの夫々に含まれる複数の調理工程を、優先して調理者Aの担当調理工程として割り当てる。その際、準備フェーズ1,2では、割り当て対象となる調理工程に含まれる調理作業内容と材料名とを参照しながら、それらが担当調理工程として割り当て先の特定の調理者Aの調理能力情報における対応可能料理作業内容及び対応可能材料名に含まれるものであるかを逐次確認する。そして、調理工程に含まれる調理作業内容と材料名とが、割り当て対象の特定の調理者Aの調理能力情報における対応可能料理作業内容及び対応可能材料名に含まれない場合には、当該調理者Aはその調理工程を対応できないものと判断し、その特定の調理者Aへの割り当てをスキップして、他方の調理者Bの担当調理工程として割り当てる。
【0048】
具体的に、準備フェーズ1では、夫々の調理者A,Bの調理能力情報を参照しながら当該準備フェーズ1に含まれる複数の調理工程を特定の調理者Aに優先して担当調理工程として割り当てるにあたり、親である調理者Aの調理能力情報については、対応可能料理作業内容及び対応可能材料名は何れも対応できないものは存在しないことを示す「全て」に設定されるので、図5(b)に示すように、全ての工程1-1~1-5が、優先すべき特定の調理者Aに割り当てられる。
更に、このように割り当てられて準備フェーズ1における各調理者A,Bの担当調理工程を示す調理分担情報に対する利用者による利用者端末40からの入力操作により、一旦調理者Aに割り当てられた工程1-1(キャベツを1枚に千切る)、及び工程1-3(玉ねぎの皮をむく)が調理者Bの担当調理工程に変更されている。
【0049】
また、準備フェーズ2では、夫々の調理者A,Bの調理能力情報を参照しながら当該準備フェーズ2に含まれる複数の調理工程を特定の調理者Aに優先して担当調理工程として割り当てるにあたり、親である調理者Aの調理能力情報については、対応可能料理作業内容及び対応可能材料名は何れも対応できないものは存在しないことを示す「全て」に設定されるので、図5(b)に示すように、全ての工程2-1~2-5が、優先すべき特定の調理者Aに割り当てられる。
更に、このように割り当てられて準備フェーズ2における各調理者A,Bの担当調理工程を示す調理分担情報に対する利用者による利用者端末40からの入力操作により、一旦調理者Aに割り当てられた工程2-5(蒸し麺をほぐす)が調理者Bの担当調理工程に変更されている。
【0050】
また、調理フェーズでは、夫々の調理者A,Bの調理能力情報を参照しながら当該調理フェーズに含まれる複数の調理工程を特定の調理者Aに優先して担当調理工程として割り当てるにあたり、親である調理者Aの調理能力情報については、対応可能料理作業内容及び対応可能材料名は何れも対応できないものは存在しないことを示す「全て」に設定されるので、図5(b)に示すように、全ての工程3-1~3-16が、優先すべき特定の調理者Aに割り当てられる。
更に、このように割り当てられて調理フェーズにおける各調理者A,Bの担当調理工程を示す調理分担情報に対する利用者による利用者端末40からの入力操作により、一旦調理者Aに割り当てられた工程3-4(フライパンに人参を入れる)、工程3-6(フライパンに玉ねぎを入れる)、工程3-8(フライパンにもやしを入れる)、工程3-10(フライパンにキャベツを入れる)、及び工程3-12(フライパンに蒸し麺を入れる)が調理者Bの担当調理工程に変更されている。
【0051】
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0052】
(1)上記実施形態では、上記情報生成手段13において均等化分担処理や優先分担処理を分担処理として利用者の要望に応じて実行可能に構成したが、分担処理については、登録手段12で登録を受け付けた複数の調理者A,B夫々の調理能力情報に基づいて実行されるものであればよく、均等化分担処理や優先分担処理とは異なる方法で対象料理の料理レシピ基本情報が有する複数の調理工程を複数の調理者A,B夫々が担当する担当調理工程として割り当てても構わない。
【0053】
(2)上記実施形態では、利用者端末40から利用者に提示された前記調理工程分担情報に対し利用者端末40からの入力操作により複数の調理者A,B夫々の担当調理工程を変更可能な担当変更手段15を備えたが、このような担当変更手段15については適宜省略することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 料理レシピ提供システム
12 登録手段
13 情報生成手段
14 情報提示手段
15 担当変更手段
20 情報データベース
30 通信ネットワーク
40 利用者端末
A,B 調理者


図1
図2
図3
図4
図5