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特開2023-132423情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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  • 特開-情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132423
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20230101AFI20230914BHJP
   B66F 9/24 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G06Q10/08
B66F9/24 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037730
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000183222
【氏名又は名称】住友ナコ フォ-クリフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】日南 敦史
【テーマコード(参考)】
3F333
5L049
【Fターム(参考)】
3F333AA02
3F333FA01
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】従来に比べ、簡便に作業計画書を作成する。
【解決手段】情報処理装置40は、無人車両20Aの運用情報を管理する管理サーバ20から、無人車両20Aの運用情報のうち作業計画の作成に必要な情報を取得し、取得した情報を所定の書式に整えた文書データを作成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人で動作する無人車両を含む少なくとも1つの荷役車両の運用情報を管理する車両管理手段から、前記無人車両の運用情報のうち前記荷役車両を使用する作業計画の作成に必要な情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した情報を所定の書式に整えた文書データを作成するデータ作成手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記作業計画の作成に必要であって前記車両管理手段が有していない情報を入力する入力手段を備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報取得手段は、前記作業計画の作成に必要であって前記車両管理手段が有していない他の情報を記憶する情報記憶手段から、前記他の情報を取得する、
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記他の情報は、前記荷役車両のメンテナンスに係る情報である、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの荷役車両は、前記無人車両のみを含む、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの荷役車両は、前記無人車両と、有人運転が可能な有人車両とを含む、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記有人車両は、有人運転と無人運転の切り替えが可能な切替車両を含む、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記データ作成手段は、前記無人車両を使用する作業に係る情報と、前記有人車両を使用する作業に係る情報とを、同様の書式に整える、
請求項6又は請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記データ作成手段は、
前記有人車両を使用する作業に係る情報を所定の書式に整え、
前記無人車両を使用する作業に関しては無人運転であることのみを記載する、
請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記情報取得手段が前記車両管理手段から取得する情報は、前記無人車両の動線の情報を含む、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
無人で動作する無人車両を含む少なくとも1つの荷役車両の運用情報を管理する車両管理手段から、前記無人車両の運用情報のうち前記荷役車両を使用する作業計画の作成に必要な情報を取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程で取得された情報を所定の書式に整えた文書データを作成するデータ作成工程と、
を備える情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
無人で動作する無人車両を含む少なくとも1つの荷役車両の運用情報を管理する車両管理手段から、前記無人車両の運用情報のうち前記荷役車両を使用する作業計画の作成に必要な情報を取得する情報取得手段、
前記情報取得手段が取得した情報を所定の書式に整えた文書データを作成するデータ作成手段、
として機能させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
フォークリフト等の荷役車両を用いる作業では、事前の作業計画書の作成が法令により定められている(例えば、特許文献1参照)。作業計画書には、その作業内容については勿論、使用する荷役車両に関する情報等も記載する必要がある。書類作成者は、必要な全ての情報を集めて所定の書式に整えなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-160896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来に比べ、簡便に作業計画書を作成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る情報処理装置は、
無人で動作する無人車両を含む少なくとも1つの荷役車両の運用情報を管理する車両管理手段から、前記無人車両の運用情報のうち前記荷役車両を使用する作業計画の作成に必要な情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した情報を所定の書式に整えた文書データを作成するデータ作成手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、従来に比べ、簡便に作業計画書を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る荷役システムの概略の制御構成を示すブロック図である。
図2】実施形態に係る書類作成処理の流れを示すフローチャートである。
図3】フォークリフトを使用する作業計画書の書式例を示す図である。
図4】実施形態に係る荷役システムの変形例の概略の制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
[荷役システムの全体構成]
図1は、本実施形態に係る荷役システム1の概略の制御構成を示すブロック図である。
この図に示すように、荷役システム1は、所定の作業エリア(例えば倉庫)において複数の荷役車両20による荷役作業(荷取り、荷積み、荷下ろし等)を行うシステムである。
具体的に、荷役システム1は、複数の荷役車両20と、管理サーバ30と、情報処理装置40と、情報データベース(DB)50とを備えている。
【0010】
[荷役車両の構成]
荷役車両20は、荷の搬送、荷の昇降及び荷の受渡し等が可能な車両であり、例えば軌条等を用いずに路上を走行できるフォークリフト等である。
本実施形態の荷役システム1で運用される複数の荷役車両20は、複数の無人車両20Aと、複数の有人無人切替車両(以下、単に「切替車両」という。)20Bとを含む。
【0011】
無人車両20Aは、自動で動作する荷役車両(例えば無人搬送車(AGV)や無人搬送フォークリフト(AGF)等)であり、駆動部21、通信部23、位置計測装置24、制御部26、記憶部27を備えている。
【0012】
駆動部21は、荷役車両20の各種駆動源である走行モータ、操舵モータ及び荷役モータ(いずれも図示省略)を含む。走行モータは、車輪のうちの駆動輪を駆動する。操舵モータは、車輪のうちの操舵輪を回転(操舵動作)させる。荷役モータは、荷を保持する保持部(例えばフォーク)に昇降や傾倒等の各動作を行わせる駆動源である。
通信部23は、管理サーバ30との間で各種情報を送受信可能な通信デバイスである。
【0013】
位置計測装置24は、荷役車両20自身の位置を計測するものである。位置計測装置24の具体構成は特に限定されず、例えば、GNSS(衛星測位システム)を利用するものでもよい。あるいは、走行方向を計測するセンサ(慣性計測装置等)と走行距離センサとを用い、微少時間に走行した方向と距離とを逐次積算して位置を計測するものでもよいし、作業エリアの各所に配置されたリフレクタ(マーカ)を光学センサで検出して、予め設定されているリフレクタの配置情報と照合することで荷役車両20の位置を計測するもの等でもよい。
【0014】
制御部26は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、荷役車両20各部の動作を制御する。
記憶部27は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等により構成されるメモリであり、各種のプログラム及びデータを記憶するとともに、制御部26の作業領域としても機能する。
【0015】
切替車両20Bは、運転者(作業者)による操作を受けて動作する有人運転と、運転者の操作を受けずに自動で動作する無人運転との、2つの運転状態で動作可能に構成されている。
具体的に、切替車両20Bは、無人車両20Aと同様に構成された駆動部21、通信部23、位置計測装置24、制御部26及び記憶部27を備えるほか、操作部28を備えている。
操作部28は、運転者が各種操作を行う操作手段である。操作部28は、例えばハンドルやペダル、荷役レバー(リフトレバー、チルトレバー、リーチレバーを含む)、有人運転と無人運転を切り替える切替スイッチ、各種ボタン等を含み、これらの操作内容に応じた操作信号を制御部26に出力する。なお、操作部28は、切替車両20Bの車外に設置されて当該切替車両20Bの遠隔操作が可能な遠隔操作部であってもよい。
【0016】
[管理サーバの構成]
管理サーバ30は、荷役システム1を中央制御するものである。本実施形態の管理サーバ30は、例えば、WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)、WES(Warehouse Execution System:倉庫運用管理システム)、WCS(Warehouse Control System:倉庫制御システム)等を含むシステムを構成する。
WMSは、物を管理するシステムであり、在庫管理や入出庫管理を行う。WESは、倉庫内における人や物、設備を総合的に制御するためのシステムであり、無人車両20Aを含むマテハン機器やIoT機器をリアルタイムに制御する。WCSは、無人車両20Aを含むマテハン機器やIoT機器を遠隔制御するシステムである。
ただし、管理サーバ30は、少なくとも荷役システム1における荷役車両20の運用情報を有するものであればよい。
【0017】
具体的に、管理サーバ30は、入力部31、表示部32、通信部33、制御部36、記憶部37を備える。
このうち、入力部31は、操作者が管理サーバ30を動作させるための各種操作を行う操作手段であり、例えばマウスやキーボード等を含む。
表示部32は、例えば液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のディスプレイである。表示部32は、制御部36から入力される表示信号に基づいて各種情報を表示する。
通信部33は、複数の荷役車両20との間で各種情報を送受信可能な通信デバイスである。
【0018】
制御部36は、CPU等により構成され、管理サーバ30各部の動作を制御する。
記憶部37は、RAMやROM等により構成されるメモリであり、各種のプログラム及びデータを記憶するとともに、制御部36の作業領域としても機能する。本実施形態の記憶部37には、車両運用情報37aが予め記憶されている。
車両運用情報37aは、荷役システム1における荷役車両20の運用情報である。具体的に、車両運用情報37aは、無人車両20Aの作業時間、作業期間、従事する台数、移動させる距離、荷物情報、荷役車両の機体情報(最大積載量等)、制限速度、作業現場(作業エリア)図、動線を含む。これらの情報は、無人車両20Aの運用・管理に必要な情報として予め入力・記憶されている。また、車両運用情報37aは、切替車両20Bの位置や、切替車両20Bへの作業指令等の情報を含んでもよい。
【0019】
[情報処理装置の構成]
情報処理装置40は、管理サーバ30や情報DB50の操作端末であり、管理サーバ30や情報DB50との通信により荷役システム1の各種情報を取得可能なものである。
具体的に、情報処理装置40は、入力部41、表示部42、印刷部44、制御部46、記憶部47を備える。
このうち、入力部41は、操作者が情報処理装置40を動作させるための各種操作を行う操作手段であり、例えばマウスやキーボード等を含む。
表示部42は、例えば液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のディスプレイである。表示部42は、制御部46から入力される表示信号に基づいて各種情報を表示する。
印刷部44は、制御部46から入力される印刷信号に基づいて、紙媒体等に各種情報を印刷出力する。
【0020】
制御部46は、CPU等により構成され、情報処理装置40各部の動作を制御する。具体的に、制御部46は、入力部41の操作内容等に基づいて、記憶部47に予め記憶されているプログラムを展開し、展開されたプログラムと協働して各種処理を実行したりする。
記憶部47は、RAMやROM等により構成されるメモリであり、各種のプログラム及びデータを記憶するとともに、制御部46の作業領域としても機能する。
【0021】
[情報データベースの構成]
情報DB50は、管理サーバ30が有していない情報を記憶して情報処理装置40との間で送受信可能なものであり、記憶部51を有している。
記憶部51は、RAMやROM等により構成されるメモリであり、各種のデータを記憶する。本実施形態の記憶部51は、メンテナンス情報51aを記憶している。
メンテナンス情報51aは、荷役車両20のメンテナンスに係る各種情報であり、荷役車両20の点検記録(車検や修理、部品交換等の記録)等を含む。
なお、フォークリフト(有人車両)の保守点検については、労働安全衛生規則(以下、「安衛則」という。)第151条の25(点検)、第151条の22(定期自主検査:月次)、第151条の21(定期自主検査:年次)、第151条の24(特定自主検査)等で規定されている。また、無人車両20Aの保守点検については、法令での規定はないが、JIS D 6802「無人搬送車システム-安全通則」にその内容等が定められており、定期的な実施とその記録の保管が規定されている。
また、情報DB50に記憶される情報は特に限定されず、作業計画(書)の作成に必要であって管理サーバ30が有していない情報であればよい。例えば、荷役車両20(有人車両)の運転資格に関する情報でもよい。荷役車両20の運転資格に関しては、労働安全衛生法施行令第20条第11号、安衛則第36条第5号等に規定されている。
また、情報DB50は、管理サーバ30との間で各種情報を送受信可能であってもよい。
【0022】
[作業計画書の作成]
続いて、荷役システム1における荷役作業の作業計画書を作成する場合の荷役システム1の動作について説明する。
図2は、この作業計画書を作成する書類作成処理の流れを示すフローチャートであり、図3は、フォークリフトを使用する作業計画書の書式例(有人車両用のもの)を示す図である。
この書類作成処理は、情報処理装置40でのユーザ操作により作業計画書の作成が入力された場合に、制御部46が記憶部47から該当するプログラムを読み出して展開することで実行される。
ここでは、無人車両20Aと切替車両20Bの両方を使用する作業について作業計画を作成するものとする。切替車両20Bは有人車両として作業計画を作成する必要がある。
【0023】
作業計画書とは、安衛則第151条の3(作業計画)にその作成が規定された作業計画をまとめたものである。安衛則第151条の3では、「事業者は、車両系荷役運搬機械等を用いて作業を行うときは、あらかじめ、『当該作業に係る場所の広さ及び地形、当該車両系荷役運搬機械等の種類及び能力、荷の種類及び形状等に適応する作業計画』を定め」ること、「作業計画は、当該車両系荷役運搬機械等の運行経路及び当該車両系荷役運搬機械等による作業の方法が示されているもの」であること等が規定されている。図3に作業計画書の書式例を示す。
【0024】
図2に示すように、書類作成処理が実行されると、まず情報処理装置40の制御部46は、無人車両20Aの運用に係る情報を管理サーバ30から抽出する(ステップS1)。
このステップでは、無人車両20Aの運用に係る情報のうち作業計画の作成に必要な情報が、記憶部37の車両運用情報37aから抽出される。具体的には、例えば以下の情報等が抽出される。
・作業時間
・作業期間
・従事する無人車両20Aの台数
・移動させる距離
・荷物情報
・荷役車両の機体情報(最大積載量等)
・制限速度
・作業現場図
・作業中の動線
制御部46は、抽出した上記情報を所定の書式(例えば図3参照)に整え、記憶部47に記憶させるとともに表示部42に表示させる。
【0025】
次に、制御部46は、作業に使用する荷役車両20のメンテナンスに係る情報を情報DB50から抽出する(ステップS2)。
このステップでは、荷役車両20のメンテナンスに係る情報のうち作業計画の作成に必要な情報が、情報DB50のメンテナンス情報51aから抽出される。具体的には、例えば以下の情報等が抽出される。
・車両点検記録
制御部46は、抽出した上記情報を所定の書式(例えば図3参照)に整え、記憶部47に記憶させるとともに表示部42に表示させる。
【0026】
次に、制御部46は、作業計画に必要な情報のうち、上述のステップS1、S2での抽出だけでは不足している情報を、ユーザ操作に基づいて入力する(ステップS3)。このステップでは、作業計画書(の作成)を通じたリスクアセスメントを実行するうえで必要な検討項目等が入力される。
具体的には、例えば以下の情報等がユーザにより入力される。
・事業主名や管理者名
・作業指揮者や資格条件情報
・作業の具体的内容
・実施期間情報
・荷物情報
・運転者名、資格条件(無人車両20Aでは不要)
・荷役車両の機体情報(管理サーバ30に不足している情報)
・車両法令点検記録(情報DBに不足している情報)
・パレット情報(種類、強度、状態等)
・作業場所状況(制限速度掲示の有無等)
・誘導者情報(無人車両20Aでは不要)
・作業開始前点検結果
・関係労働者への周知記録
制御部46は、入力された上記情報を所定の書式(例えば図3参照)に整え、記憶部47に記憶させるとともに表示部42に表示させる。
【0027】
次に、制御部46は、必要な情報が入力されて所定の書式に整えられた作業計画書の文書データを印刷部44から印刷出力させる(ステップS4)。こうして、所望の書式に整えられた作業計画書が作成される。
このように、本実施形態の書類作成処理では、管理サーバ30や情報DB50に記憶された情報を流用して作業計画書を作成することができる。
すなわち、作業計画書の作成には、例えば作業エリアの情報や、荷役車両20がどのような動線で荷役作業を行うか等の情報が必要となるところ、この作業エリアにおける無人車両20Aの運用情報を管理する管理サーバ30には、これらの情報が予め入力・保管されている。また、情報DB50には、作業計画書に必要な荷役車両20のメンテナンス情報が予め入力・保管されている。したがって、作業計画に必要となる無人車両20Aの運用情報や荷役車両20のメンテナンス情報を管理サーバ30や情報DB50から取得することにより、簡便に作業計画書を作成することができる。また、こうして得られる作業計画書を元にリスクアセスメントを実行することが容易となる。
【0028】
なお、作成される作業計画書(文書データ)の書式は特に限定されない。
例えば、無人車両20Aを使用する作業の情報と、有人の荷役車両20(切替車両20Bを含む)を使用する作業の情報とを、同様にまとめた書式としてもよい(同様の書式で別々にまとめる、又は、一纏めに記載する)。
ただし、現行の法令では無人の荷役車両に関する作業計画の作成は特に定められていない。そこで、作業計画書では、有人の荷役車両20については所定の書式に整え、無人車両20Aについては例えば「無人運転である」と一言添えるだけの記載としてもよい。
【0029】
[本実施形態の技術的効果]
以上のように、本実施形態によれば、無人車両20Aの運用情報のうち作業計画の作成に必要な情報が、無人車両20Aの運用情報を管理する管理サーバ30から取得され、この情報を所定の書式に整えた文書データ(作業計画書)が作成される。
したがって、ユーザが作業計画の作成に必要な全ての情報を集めて所定の書式に整える必要があった従来に比べ、簡便に作業計画書を作成することができる。
【0030】
また本実施形態によれば、作業計画の作成に必要であって管理サーバ30が有していない他の情報(本実施形態では荷役車両20のメンテナンス情報)が情報DB50に記憶され、作業計画の作成時には当該他の情報が情報DB50から取得される。
したがって、管理サーバ30で管理されていない情報であっても、情報DB50等に別途保管しておくことにより、適時引き出して利用することができる。
【0031】
また本実施形態によれば、無人車両20Aを使用する作業に係る情報と、有人車両(本実施形態では切替車両20B)を使用する作業に係る情報とが、同様の書式に整えられる。
したがって、現行の法令では規定されていない無人車両20Aに関する作業計画の作成が仮に規定された場合であっても、これに対応した作業計画を好適に作成することができる。
【0032】
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態(変形例含む)に限られない。
例えば、上記実施形態では、荷役システム1で運用される荷役車両20(すなわち、管理サーバ30で運用情報が管理される荷役車両20)が、無人車両20Aと切替車両20Bであることとした。しかし、管理サーバ30で運用情報が管理される荷役車両20は、無人車両20Aを含む少なくとも1つの荷役車両20であればよく、例えば、図4に示すように無人車両20Aのみであってもよいし、図示は省略するが、切替車両20Bに代えて(又は切替車両20Bと併せて)有人車両を含むものであってもよい。本実施形態によれば、無人車両と、有人車両(有人無人切替車両を含む)と、これらが混在したものとの、いずれによる作業にも対応した作業計画を好適に作成可能である。
【0033】
また、上記実施形態の荷役システム1では、管理サーバ30、情報処理装置40、情報DB50が別体に構成されることとしたが、これらは一部又は全部を一体的に構成させてもよい。例えば、情報DB50は管理サーバ30の記憶部37の一部であってもよいし、情報処理装置40と情報DB50を一体的に構成する等してもよい。
【0034】
また、上記実施形態では、荷役車両を使用する作業計画の作成を行うこととしたが、予め記憶された運転資格や点検記録の確認(表示や印刷)を行うこととしてもよい。さらに、運転資格や点検の期限管理や、作業計画自体の生成等を行えるように構成してもよい。
【0035】
また、本発明に係る荷役車両は、フォークリフトに限定されず、作業計画の作成が法令で規定されていないものであってもよい。
その他、上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 荷役システム
20 荷役車両
20A 無人車両
20B 有人無人切替車両(切替車両)
30 管理サーバ(車両管理手段)
37 記憶部
37a 車両運用情報
40 情報処理装置
41 入力部(入力手段)
42 表示部
44 印刷部
46 制御部(情報取得手段、データ作成手段)
50 情報データベース(情報記憶手段)
51 記憶部
51a メンテナンス情報
図1
図2
図3
図4