(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132424
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】塗布ユニット
(51)【国際特許分類】
B65H 37/04 20060101AFI20230914BHJP
B65H 23/188 20060101ALI20230914BHJP
B41J 11/42 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B65H37/04 A
B65H23/188
B41J11/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037735
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】富士通コンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】石川 哲寛
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅広
(72)【発明者】
【氏名】高村 陽一
(72)【発明者】
【氏名】矢田 雄二
(72)【発明者】
【氏名】小口 達也
【テーマコード(参考)】
2C058
3F105
3F108
【Fターム(参考)】
2C058AD06
2C058AE04
2C058AF51
2C058GA07
2C058GA09
2C058GB04
2C058GB19
2C058GB30
3F105AA01
3F105AB02
3F105AB09
3F105BA07
3F105CA13
3F105DA07
3F105DB02
3F105DB07
3F105DC13
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA13
(57)【要約】
【課題】複雑な制御を必要とせず、かつ様々なプリンタに後付け可能な塗布ユニットを提供する。
【解決手段】本開示の一態様による塗布ユニットは、プリンタに接続して記録紙に糊を塗布する塗布ユニットであって、前記プリンタから排出される前記記録紙を搬送する搬送ローラと、前記記録紙の撓みを検出するセンサと、前記記録紙に糊を塗布する塗布部と、前記センサの検出値に応じて前記搬送ローラの回転速度を調整する制御装置と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタに接続して記録紙に糊を塗布する塗布ユニットであって、
前記プリンタから排出される前記記録紙を搬送する搬送ローラと、
前記記録紙の撓みを検出するセンサと、
前記記録紙に糊を塗布する塗布部と、
前記センサの検出値に応じて前記搬送ローラの回転速度を調整する制御装置と、
を有する、塗布ユニット。
【請求項2】
前記センサは、前記プリンタと前記搬送ローラとの間に設けられている、
請求項1に記載の塗布ユニット。
【請求項3】
前記プリンタと前記搬送ローラとの間の前記記録紙の搬送経路に設けられ、前記記録紙を撓ませる押付部を更に有する、
請求項1又は2に記載の塗布ユニット。
【請求項4】
前記塗布部は、
前記記録紙の側に糊を露出させて保持する保持部と、
前記保持部を前記記録紙に近づく方向に押圧する押圧部と、
を含む、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の塗布ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、塗布ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
記録紙に印字を行う印字機構と、記録紙に粘着剤を転写する転写機構とを備えるプリンタが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-019582号公報
【特許文献2】特開2014-097851号公報
【特許文献3】特開2011-235595号公報
【特許文献4】特開2001-018478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粘着剤の転写機構を備えていないプリンタでは、記録紙に印字を行った後に粘着剤を転写する場合には、プリンタに転写機構を後付けすることが考えられる。しかしながら、プリンタに転写機構を後付けすることは容易ではなく、複雑な制御が行われている。
【0005】
このため、複雑な制御を必要とせず、かつ様々なプリンタに後付け可能な塗布ユニットが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様による塗布ユニットは、プリンタに接続して記録紙に糊を塗布する塗布ユニットであって、前記プリンタから排出される前記記録紙を搬送する搬送ローラと、前記記録紙の撓みを検出するセンサと、前記記録紙に糊を塗布する塗布部と、前記センサの検出値に応じて前記搬送ローラの回転速度を調整する制御装置と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複雑な制御を必要とせず、かつ様々なプリンタに後付け可能な塗布ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の塗布ユニットが取り付けられているプリンタの斜視図
【
図2】塗布ユニットが取り付けられているプリンタの側面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
図1から
図3を参照し、本実施形態の塗布ユニットが取り付けられるプリンタの一例について説明する。
【0011】
プリンタ10は、例えばサーマルプリンタであり、ATM(Automated Teller Machine)、チケット発券機、キオスク端末等に搭載される。ただし、プリンタの種類はサーマルプリンタに限定されず、インクジェットプリンタ、レーザプリンタ等であってもよい。
【0012】
プリンタ10は、サーマルヘッド11、プラテンローラ12、モータ13、可動刃14、固定刃15、フレーム16及び制御基板17を有する。プリンタ10は、サーマルヘッド11とプラテンローラ12との間に記録紙Pを挟み、プラテンローラ12の回転による紙送りとサーマルヘッド11への圧着により、記録紙Pへの印字を行う。モータ13は、プラテンローラ12を回転させる。可動刃14と固定刃15とはカッタを構成し、可動刃14を固定刃15に向けて移動することで記録紙Pが切断される。制御基板17は、フレーム16に取り付けられている。制御基板17は、プリンタ10の動作を制御する。
【0013】
図4~
図8を参照し、本実施形態の塗布ユニットの一例について説明する。図において、X方向は用紙の幅方向、Z方向は用紙面に対する上下方向を指す。
【0014】
塗布ユニット20は、筐体21、搬送ローラ22、ギヤ列23、モータ24、押付部25、センサ26、塗布部27及び制御装置28を有する。
【0015】
筐体21は、搬送ローラ22、ギヤ列23、モータ24、押付部25、センサ26、塗布部27及び制御装置28を収容する。筐体21には、ネジ18によりフレーム16がねじ止めされる。これにより、塗布ユニット20がプリンタ10に接続される。筐体21は、給紙口21a及び排紙口21bを含む。給紙口21aは、プリンタ10から排出される記録紙Pを筐体21内に搬入するための開口である。排紙口21bは、記録紙Pを筐体21外に排出するための開口である。
【0016】
搬送ローラ22は、プリンタ10から排出される記録紙Pを搬送する。本実施形態において、搬送ローラ22は上部ローラ22a及び下部ローラ22bを含む。上部ローラ22aは、記録紙Pの幅方向両端部近傍に対をなして設けられている。下部ローラ22bは、上部ローラ22aの下方に上部ローラ22aと接するように対をなして設けられている。下部ローラ22bは、ギヤ列23を介してモータ24に接続され、モータ24を回転させるとギヤ列23が回転し、この回転が伝達されて下部ローラ22bが回転する。その結果、給紙口21aから筐体21内に搬入される記録紙Pは、両端部が上部ローラ22aと下部ローラ22bとの間に挟まれて搬送され、排紙口21bから筐体21外に排出される。なお、上部ローラ22aにギヤ列を介してモータを接続することで上部ローラ22aを回転させるようにしてもよく、上部ローラ22a及び下部ローラ22bのそれぞれにギヤ列を介してモータを接続することで、上部ローラ22a及び下部ローラ22bを回転させるようにしてもよい。
【0017】
ギヤ列23は、複数のギヤを含み、モータ24の動力を下部ローラ22bに伝達する。
【0018】
モータ24は、ギヤ列23を介して下部ローラ22bを回転させる。モータ24は、制御装置28の指令に基づいて回転が制御される。モータ24は、例えばサーボモータである。
【0019】
押付部25は、給紙口21aと搬送ローラ22との間の記録紙Pの搬送経路に設けられている。押付部25は、搬送ローラ22で搬送される記録紙Pをセンサ26から離間する方向に付勢して、記録紙Pを+Z方向に押し付けて撓ませる。押付部25には、センサ26が投光する光を通過させる開口25aが設けられている。開口25aの形状は例えば矩形状である。押付部25は、例えば板バネである。
【0020】
センサ26は一例として光電センサであり、開口25aと対応する位置に設けられる。センサ26は、開口25aに向けて投光し、記録紙Pより反射される光を検出し、検出光量の変化を電圧信号に変換して制御装置28に送信する。
図7はセンサの出力波形の一例を示す図であり、横軸にセンサ26から記録紙Pまでの距離を示し、縦軸にセンサ26が出力する電圧(センサ電圧)を示す。
図7に示すように、センサ26は、センサ26から記録紙Pまでの距離がセンサ26から+Z側の搬送経路の壁までの距離d(
図5参照)と等しい場合に最大値を示す特性を有する。搬送ローラ22で搬送される記録紙Pが最も撓んでいる場合、センサ26から記録紙Pまでの距離が距離dと等しくなるため、センサ電圧が最大値を示す。これに対し、搬送される記録紙Pの撓みが小さい場合、センサ26から記録紙Pまでの距離が距離dよりも短くなるため、センサ電圧は最大値よりも小さくなる。搬送経路は、記録紙Pより反射する光の量が小さい素材、例えば黒い樹脂で構成されており、センサ26の検出位置に記録紙Pがない場合、センサ26から記録紙Pまでの距離がdである場合のセンサ電圧よりも小さくなる。なお、センサ26の特性は上記のものには限定されず、例えばセンサ26から記録紙Pまでの距離が遠くなるほどセンサ電圧が小さく、又は大きくなる特性であってもよい。
【0021】
塗布部27は、一対の下部ローラ22bの間に設けられる。塗布部27は、搬送ローラ22で搬送される記録紙Pの下面に糊を塗布する。本実施形態において、塗布部27は、保持部27a、糊部27b及び押圧部27cを含む。保持部27aは、上側(記録紙Pの側)に糊部27bを露出させた状態で保持する。糊部27bは、固形糊である。ただし、糊部27bは液状糊であってもよい。押圧部27cは、保持部27aを上方に押圧することで記録紙Pの下面に糊部27bを押し付けて糊を塗布する。押圧部27cは、例えばコイルバネである。
【0022】
制御装置28は、センサ26の検出値に応じて下部ローラ22bの回転速度を調整する。制御装置28は、判定部28a、格納部28b及び制御部28cを含む。
【0023】
判定部28aは、センサ26の検出値が在席判定値以上である場合、塗布ユニット20に記録紙Pがあると判定する。一方、判定部28aは、センサ26の検出値が在席判定値未満である場合、塗布ユニット20に記録紙Pがないと判定する。在席判定値は、予め設定される値である。
【0024】
また、判定部28aは、センサ26の検出値が撓み判定値以上である場合、記録紙Pが撓んでいると判定する。一方、判定部28aは、センサ26の検出値が撓み判定値未満である場合、記録紙Pが撓んでいない又は撓みが小さいと判定する。撓み判定値は、予め設定される値であり、在席判定値よりも大きく、かつ、距離dとなる位置に記録紙Pがあるときのセンサ電圧よりも小さい値に設定される。
【0025】
格納部28bは、各種の情報を格納する。各種の情報は、在席判定値及び撓み判定値を含む。
【0026】
制御部28cは、判定部28aの判定結果に基づいて、下部ローラ22bの回転速度を調整する。制御部28cは、塗布ユニット20に記録紙Pがないと判定された場合、モータ24を停止することにより下部ローラ22bを停止させる。
【0027】
また、制御部28cは、記録紙Pが撓んでいると判定した場合、センサ電圧と撓み判定値との差分に応じてモータ24の回転数を上げて下部ローラ22bを高速で回転させる。これにより、塗布ユニット20における記録紙Pの搬送速度がプリンタ10における搬送速度に近づき、記録紙Pの撓みが小さくなる。一方、制御部28cは、搬送ローラ22で搬送される記録紙Pが撓んでいない又は撓みが小さいと判定した場合、センサ電圧と撓み判定値との差分に応じてモータ24の回転数を下げて下部ローラ22bを低速で回転させる。これにより、塗布ユニット20における搬送速度がプリンタ10における搬送速度に近づく。
【0028】
図9~
図14を参照し、プリンタ10により記録紙Pの上面に印字を行い、記録紙Pの下面に塗布ユニット20により糊を塗布する場合の塗布ユニット20の動作例を説明する。
図9~
図14は、プリンタ10による記録紙Pへの印字、塗布ユニット20による記録紙Pへの糊の塗布、塗布ユニット20からの記録紙Pの排出までの塗布ユニット20の状態を説明する図である。
図9~
図14の各々において、(a)は塗布ユニット20の内部構造を示す概略図であり、(b)はセンサ26の検出値を示す図である。
【0029】
図9は、プリンタ10の動作開始時点における塗布ユニット20の状態を説明する図である。
図9(a)に示されるように、プリンタ10の動作開始時点では、塗布ユニット20の搬送ローラ22には記録紙Pが搬送されていない。このとき、
図9(b)に示されるように、センサ26は在席判定値V
th1よりも小さい電圧値V
1を出力する。制御装置28は、センサ26の出力に基づいて、塗布ユニット20に記録紙Pがないと判定する。
【0030】
図10は、プリンタ10から塗布ユニット20に記録紙Pが受け渡された時点における塗布ユニット20の状態を説明する図である。
図10(a)に示されるように、プリンタ10から塗布ユニット20に記録紙Pが受け渡された時点では、押付部25により記録紙Pがセンサ26から離間する方向に押圧され、センサ26から記録紙Pまでの距離がdとなり、記録紙Pは搬送ローラ22の方向に搬送される。このとき、
図10(b)に示されるように、センサ26は在席判定値V
th1及び撓み判定値V
th2よりも大きい電圧値V
2を出力する。制御装置28は、センサ26の出力に基づいて、塗布ユニット20に記録紙Pがあり、かつ、記録紙Pが撓んでいると判定する。また、制御装置28は、この判定結果を受けて、モータ24の回転数を上げて下部ローラ22bを高速で回転させ、記録紙Pの撓みを低減させる。
【0031】
図11は、塗布ユニット20における記録紙Pの搬送速度がプリンタ10における搬送速度よりも速い場合の塗布ユニット20の状態を説明する図である。
図11(a)に示されるように、塗布ユニット20における搬送速度がプリンタ10における搬送速度よりも速い場合、記録紙Pが搬送ローラ22により引っ張られて押付部25が-Z方向に押し下げられ、記録紙Pがセンサ26に近づく。このとき、
図11(b)に示されるように、センサ26は、在席判定値V
th1よりも大きく、かつ撓み判定値V
th2よりも小さい電圧値V
3を出力する。制御装置28は、センサ26の出力に基づいて、塗布ユニット20に記録紙Pがあり、かつ、記録紙Pが撓んでいない又は撓みが小さいと判定する。また、制御装置28は、この判定結果を受けて、モータ24の回転数を下げて下部ローラ22bを低速で回転させる。これにより、塗布ユニット20における搬送速度がプリンタ10における搬送速度に近づき、記録紙Pの撓みが小さくなる。記録紙Pは、塗布部27により糊Aが塗布されて排紙口21bに向けて搬送される。
【0032】
図12は、塗布ユニット20における記録紙Pの搬送速度がプリンタ10における記録紙Pの搬送速度よりも遅い場合の塗布ユニット20の状態を説明する図である。
図12(a)に示されるように、塗布ユニット20における搬送速度がプリンタ10における搬送速度よりも遅い場合、プリンタ10と搬送ローラ22との間の記録紙Pの張力が弱まり記録紙Pが押付部25によりセンサ26から離間する方向に押圧される。そのため、記録紙Pがセンサ26から遠ざかる。このとき、
図12(b)に示されるように、センサ26は、在席判定値V
th1及び撓み判定値V
th2よりも大きい電圧値V
4を出力する。制御装置28は、センサ26の出力に基づいて、塗布ユニット20に記録紙Pがあり、かつ、記録紙Pが撓んでいると判定する。また、制御装置28は、この判定結果を受けて、モータ24の回転数を上げて下部ローラ22bを高速で回転させる。これにより、塗布ユニット20における搬送速度がプリンタ10における搬送速度に近づく。
【0033】
制御装置28は、搬送ローラ22で記録紙Pが搬送されている間、
図11及び
図12で示されるモータ24の回転数の制御を繰り返し行う。これにより、プリンタ10における搬送速度がどのような速度であっても、塗布ユニット20における搬送速度をプリンタ10における搬送速度に追従させることができる。そのため、様々なプリンタに塗布ユニット20を接続した場合であっても、記録紙Pに均一に糊を塗布できる。すなわち、複雑な制御を必要とせず、かつ様々なプリンタに後付け可能な汎用性が高い塗布ユニット20を提供できる。
【0034】
図13は、プリンタ10において記録紙Pが切断されたときの塗布ユニット20の状態を説明する図である。
図13(a)に示されるように、記録紙Pが切断された時点では、記録紙Pは押付部25の付勢によりセンサ26から離間する方向に押圧されるため、センサ26から記録紙Pまでの距離がdとなっている。このとき、
図13(b)に示されるように、センサ26は在席判定値V
th1及び撓み判定値V
th2よりも大きい電圧値V
5を出力する。制御装置28は、センサ26出力に基づいて、塗布ユニット20に記録紙Pがあり、かつ、記録紙Pが撓んでいると判定する。また、制御装置28は、この判定結果を受けて、記録紙Pが切断される直前よりもモータ24の回転数を上げて下部ローラ22bを高速で回転させる。これにより、糊Aが塗布された記録紙Pが排紙口21bから排出される。
【0035】
図14は、塗布ユニット20から記録紙Pが排出されたときの塗布ユニット20の状態を説明する図である。
図14(a)に示されるように、塗布ユニット20から記録紙Pが排出された時点では、センサ26の検出位置には記録紙Pが存在しない。そのため、
図14(b)に示されるように、センサ26は在席判定値V
th1よりも小さい電圧値V
6を出力する。制御装置28は、センサ26出力に基づいて塗布ユニット20に記録紙Pがないと判定する。また、制御装置28は、この判定結果を受けて、センサ26から搬送ローラ22までの距離よりも長い量だけ記録紙Pを搬送したのち、下部ローラ22bの回転を停止させる。尚、記録紙Pを搬送ローラ22でグリップする位置で停止させ、ユーザーが記録紙Pを引き抜くようにしてもよい。
【0036】
以上により、上面に印字が行われ、下面に糊Aが塗布されたラベル紙が作成される。
【0037】
以上に説明したように、本実施形態の塗布ユニット20によれば、センサ26が検出するプリンタ10から排出される記録紙Pの撓みに応じて、制御装置28が搬送ローラ22の回転速度を調整する。これにより、記録紙Pの搬送速度がどのような速度であっても、塗布ユニット20における搬送速度をプリンタ10における搬送速度に追従させることができる。そのため、プリンタに塗布ユニット20を接続した場合であっても、記録紙Pに糊を塗布できる。すなわち、プリンタと塗布ユニットを同期させる等の複雑な制御を必要とせず、様々なプリンタに後付け可能な汎用性が高い塗布ユニット20を提供できる。
【0038】
また、本実施形態の塗布ユニット20は、プリンタ10で記録紙Pを切断した後に、記録紙Pに糊を塗布する。そのため、記録紙Pを切断する際には記録紙Pに糊が転写されていないので、プリンタ10の可動刃14及び固定刃15に糊が付着することがない。その結果、可動刃14及び固定刃15の清掃や交換を行う頻度を低くできる。
【0039】
また、本実施形態の塗布ユニット20によれば、制御装置28は、1つのセンサ26の検出値に基づいて、記録紙Pの有無の判定及び下部ローラ22bの搬送速度の調整を行うので、部品点数が増加しない。
【0040】
また、本実施形態の塗布ユニット20によれば、搬送ローラ22で搬送される記録紙Pに糊部27bを押し付けて塗布することで記録紙Pに糊を転写する。そのため、テープ状糊のような特殊な糊を用いることなく、市販の固形糊や液状糊を利用できる。
【0041】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【0042】
なお、上記の実施形態では、搬送ローラで搬送される記録紙の撓みを光電センサにより検出する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、機械式センサ等の別のセンサにより記録紙の撓みを検出してもよい。
【0043】
また、上記の実施形態では、塗布部が記録紙の下面に糊を塗布する場合を説明したが、これに限定されない。例えば、一対の上部ローラの間に塗布部を設けることにより、搬送ローラで搬送される記録紙の上面に糊を塗布するようにしてもよい。また、一対の上部ローラの間及び一対の下部ローラの間に塗布部を設けることにより、搬送ローラで搬送される記録紙の両面に糊を塗布するようにしてもよい。
【0044】
また、上記の実施形態では、塗布部が搬送ローラと別体で設けられる場合を説明したが、これに限定されない。例えば、上部ローラ自身及び/又は下部ローラ自身を糊部として構成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 プリンタ、20 塗布ユニット、22 搬送ローラ、26 センサ、27 塗布部、28 制御装置