(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132480
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】賞品交換システム、及び賞品交換システムにおける賞品交換方法
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A63F7/02 329
A63F7/02 354
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037830
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長治 有香
(72)【発明者】
【氏名】津田 英毅
(72)【発明者】
【氏名】柴田 裕也
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BB21
2C088BB23
2C088BB32
2C088BC80
(57)【要約】
【課題】複数の記憶媒体を受け付ける交換取引における使い勝手の向上を図ることができる賞品交換システム及び賞品交換方法を提供する。
【解決手段】
賞品交換システム1はカード端末3を備えている。カード端末3は、カード端末3が受け付けたカードを交換取引中に保持するカード保持部を備えている。1回の交換取引のためにカード端末3が受け付けた複数のカードCの中に会員カードC1が含まれるものの、カード保持部がこれらの記憶媒体のいずれも保持していない交換取引では、全部交換及び一部交換のどちらも許可される。1回の交換取引のためにカード端末3が受け付けた複数のカードCの中に会員カードC1が含まれず、カード保持部がこれらのカードCのいずれも保持していない交換取引では、一部交換が禁止される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客が所有する遊技媒体と賞品との交換取引を行う賞品交換システムであって、
遊技客が所有する遊技媒体の情報が関連付けられた記憶媒体を受け付ける受付部と、
1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に特定種類の記憶媒体が含まれる交換取引と、1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記特定種類の記憶媒体が含まれない交換取引とで、異なる処理を実行する処理部とを含む、賞品交換システム。
【請求項2】
前記特定種類の記憶媒体は、遊技店に会員登録した遊技客の記憶媒体である会員用記憶媒体である、請求項1に記載の賞品交換システム。
【請求項3】
1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記会員用記憶媒体が含まれる交換取引では、前記処理部は、これらの前記記憶媒体に関連付けられた遊技媒体の全部と賞品とを交換する全部交換、及び、これらの前記記憶媒体に関連付けられた遊技媒体の一部と賞品とを交換する一部交換のどちらも許可する、請求項2に記載の賞品交換システム。
【請求項4】
1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記会員用記憶媒体が含まれない交換取引では、前記処理部は、前記一部交換を禁止する、請求項3に記載の賞品交換システム。
【請求項5】
前記受付部が受け付けた前記記憶媒体を交換取引中に保持する保持部を含み、
1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記会員用記憶媒体が含まれるものの、前記保持部がこれらの前記記憶媒体のいずれも保持していない交換取引では、前記処理部は、前記全部交換及び前記一部交換のどちらも許可し、
1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記会員用記憶媒体が含まれず、前記保持部がこれらの前記記憶媒体のいずれも保持していない交換取引では、前記処理部は、前記一部交換を禁止する、請求項4に記載の賞品交換システム。
【請求項6】
1回の交換取引のために前記受付部が前記記憶媒体を1つだけ受け付けた交換取引では、前記処理部は、前記全部交換及び前記一部交換のどちらも許可する、請求項3~5のいずれか一項に記載の賞品交換システム。
【請求項7】
遊技客が所有する遊技媒体と賞品との交換取引を行う賞品交換システムにおける賞品交換方法であって、
遊技客が所有する遊技媒体の情報が関連付けられた記憶媒体を受け付ける受付ステップと、
1回の交換取引のために前記受付ステップにおいて受け付けた複数の前記記憶媒体の中に特定種類の記憶媒体が含まれる交換取引と、1回の交換取引のために前記受付ステップにおいて受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記特定種類の記憶媒体が含まれない交換取引とで、異なる処理を実行する処理ステップとを含む、賞品交換システムにおける賞品交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賞品交換システム、及び賞品交換システムにおける賞品交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
賞品交換システムの一例として、下記特許文献1には、パチンコホール内の景品交換コーナーに配置された景品管理装置が開示されている。景品管理装置は、カードを読み取ることにより、このカードに関連付けられた取得玉数と景品との交換処理を行う。これにより、景品管理装置に接続された景品投出機が、景品を払い出す。この景品管理装置では、賞品交換の手続きを、遊技客がセルフにて行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願発明者らは、上記の賞品管理システム(景品管理装置)において、1回の交換取引において複数の記憶媒体(カード)を受け付け、これら複数の記憶媒体に関連付けられている遊技媒体を用いて賞品(景品)の交換取引を行うことを検討している。
【0005】
この場合、遊技客の使い勝手に関して、いくつか課題が想定される。そのような課題の一つとして、複数の記憶媒体を受け付けたものの、この記憶媒体のいずれもが賞品管理システムに保持されていない状態が発生することが想定される。この状態であっても、遊技客に不利益を与えることなくこれらの交換取引を完遂しなければならない。すなわち、複数の記憶媒体を受け付ける交換取引における使い勝手の向上を図ることが求められている。
【0006】
本発明は、複数の記憶媒体を受け付ける交換取引における使い勝手の向上を図ることができる賞品交換システム及び賞品交換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技客が所有する遊技媒体と賞品との交換取引を行う賞品交換システムであって、遊技客が所有する遊技媒体の情報が関連付けられた記憶媒体を受け付ける受付部と、1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に特定種類の記憶媒体が含まれる交換取引と、1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記特定種類の記憶媒体が含まれない交換取引とで、異なる処理を実行する処理部とを含む、賞品交換システムである。
【0008】
また、本発明は、前記特定種類の記憶媒体が、遊技店に会員登録した遊技客の記憶媒体である会員用記憶媒体であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記会員用記憶媒体が含まれる交換取引では、前記処理部が、これらの前記記憶媒体に関連付けられた遊技媒体の全部と賞品とを交換する全部交換、及び、これらの前記記憶媒体に関連付けられた遊技媒体の一部と賞品とを交換する一部交換のどちらも許可することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記会員用記憶媒体が含まれない交換取引では、前記処理部が、前記一部交換を禁止することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記受付部が受け付けた前記記憶媒体を交換取引中に保持する保持部を含み、1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記会員用記憶媒体が含まれるものの、前記保持部がこれらの前記記憶媒体のいずれも保持していない交換取引では、前記処理部は、前記全部交換及び前記一部交換のどちらも許可し、1回の交換取引のために前記受付部が受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記会員用記憶媒体が含まれず、前記保持部がこれらの前記記憶媒体のいずれも保持していない交換取引では、前記処理部が、前記一部交換を禁止することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、1回の交換取引のために前記受付部が前記記憶媒体を1つだけ受け付けた交換取引では、前記処理部が、前記全部交換及び前記一部交換のどちらも許可することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、遊技客が所有する遊技媒体と賞品との交換取引を行う賞品交換システムにおける賞品交換方法であって、遊技客が所有する遊技媒体の情報が関連付けられた記憶媒体を受け付ける受付ステップと、1回の交換取引のために前記受付ステップにおいて受け付けた複数の前記記憶媒体の中に特定種類の記憶媒体が含まれる交換取引と、1回の交換取引のために前記受付ステップにおいて受け付けた複数の前記記憶媒体の中に前記特定種類の記憶媒体が含まれない交換取引とで、異なる処理を実行する処理ステップとを含む、賞品交換システムにおける賞品交換方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、1回の交換取引のために複数の記憶媒体を受け付ける。そして、受け付けた複数の記憶媒体の中に特定種類の記憶媒体が含まれる場合と含まれない場合とで、異なる処理が実行される。具体的には、受け付けた複数の記憶媒体の中に会員用記憶媒体が含まれる交換取引では、前記処理部は全部交換及び一部交換のどちらも許可される。また、受け付けた複数の記憶媒体の中に会員用記憶媒体が含まれない交換取引では、一部交換が禁止される。
【0015】
より具体的には、1回の交換取引のために受け付けた複数の記憶媒体の中に会員用記憶媒体が含まれるものの、受け付けた記憶媒体のいずれもが交換取引中に保持部に保持されていない交換取引では、全部交換及び一部交換のどちらも許可される。一方、1回の交換取引のために受け付けた複数の記憶媒体の中に会員用記憶媒体が含まれず、受け付けた記憶媒体のいずれもが交換取引中に保持部に保持されていない交換取引では、一部交換が禁止される。
【0016】
1回の交換取引のために受け付けた複数の記憶媒体の中に会員用記憶媒体が含まれず、受け付けた記憶媒体のいずれもが交換取引中に保持部に保持されていない交換取引では、複数の記憶媒体に関連付けられた遊技媒体を戻すことができない。そのため、このような交換取引では、一部交換が禁止され、全部交換のみが許容されている。
【0017】
一方、1回の交換取引のために受け付けた複数の記憶媒体の中に会員用記憶媒体が含まれる交換取引では、受け付けた記憶媒体のいずれもが交換取引中に保持部に保持されていない場合であっても、複数の記憶媒体に関連付けられた遊技媒体を、会員用記憶媒体に戻すことが可能である。そのため、1回の交換取引のために受け付けた複数の記憶媒体の中に会員用記憶媒体が含まれるものの、受け付けた記憶媒体のいずれもが交換取引中に保持部に保持されていない交換取引では、全部交換及び一部交換のどちらも許可されている。
【0018】
これらの交換取引において異なる処理を実行することにより、遊技客に不利益を与えることなくこれらの交換取引を完遂できる。これにより、複数の記憶媒体を受け付ける交換取引における使い勝手の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態に係る賞品交換システムを示す模式図である。
【
図2】前記賞品交換システムに含まれるカード端末の要部の模式的な縦断面図である。
【
図3】前記賞品交換システムの電気的構成を示すブロック図である。
【
図4A】交換取引の一例を示すフローチャートである。
【
図4B】
図4Aに示す取引種類判別処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】前記交換取引における表示操作部の表示内容の一例を示す模式図である。
【
図6】前記交換取引における表示操作部の表示内容の一例を示す模式図である。
【
図7】前記交換取引における表示操作部の表示内容の一例を示す模式図である。
【
図8】本発明の他の実施形態に係るPOSの表示操作部の表示内容の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下には、図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る賞品交換システム1を示す模式図である。賞品交換システム1は、例えばパチンコ店等の遊技店に適用される。遊技店に来店した遊技客は、パチンコ台等の遊技台(図示せず)での遊技によってパチンコ玉やメダル等の遊技媒体を獲得すると、獲得した遊技媒体を、遊技店内の賞品交換カウンタSにおいて賞品と交換する。本実施形態における賞品交換カウンタSは、遊技店の店員が常駐しない無人カウンタである。遊技店では、特殊賞品と呼ばれる例えばカード状の賞品と、菓子等の一般賞品とが取り扱われる。
【0021】
本実施形態では、遊技客は、記憶媒体の一例であるカードCを用いて遊技を行う。カードCの種類として、遊技店に会員登録した遊技客(いわゆる会員客)のカードである、会員用記憶媒体(特定種類の記憶媒体)の一例である会員カードC1と、他の遊技客(いわゆる一般客)のカードである一般カードC2とがある。カードC(会員カードC1及び一般カードC2)には、個々のカードCを識別するための識別情報の一例であるカードIDが少なくとも記録されている。なお、記憶媒体の別の例として、遊技客が携帯するスマートフォン等の携帯端末を用いることができる。
【0022】
賞品交換システム1は、POS2と、カード端末3とを備えている。カード端末3は、カードCを受け付けたり新規のカードCを発行したりする。賞品交換システム1は、
図1に示すように、レシートプリンタRと、精算機4と、第1賞品払出機5と、第2賞品払出機6と、管理装置7とをさらに備えている。第1賞品払出機5は、特殊賞品を払い出す賞品払出機である。第2賞品払出機6は、一般賞品を払い出す賞品払出機である。POS2、カード端末3、レシートプリンタR、精算機4、第1賞品払出機5及び第2賞品払出機6は、賞品交換カウンタSの周辺に配置される。管理装置7は、賞品交換システム1における上位装置であり、遊技店内における事務所等に配置される。
【0023】
カードCには、遊技を開始又は継続するために遊技媒体と交換される有価価値の一例であるプリペイド価値の残高が関連付けられる(「紐付けられる」ともいう)。カードCにプリペイド価値の残高等の情報が関連付けられるということは、カードCに当該情報が直接記録されることや、当該情報が、カードC自体には記録されないもののカードCのカードIDに対応付けて管理装置7に記録されることをいう。
【0024】
カードCには、遊技客が遊技によって獲得した遊技媒体の情報も関連付けられる(「紐付けられる」ともいう)。当該情報は、少なくとも遊技媒体の個数情報を含むが、遊技媒体に設定された貸出レート等も含んでもよい。本実施形態では貸出レートが1つしか設定されないが、複数の貸出レートが設定されてもよい。
【0025】
遊技客による当日の遊技によって獲得されて遊技店内の計数装置(図示せず)によって遊技媒体は、持遊技媒体(パチンコ玉の場合には持玉)となる。持遊技媒体は、獲得した当日に限り有効である。会員客が獲得した持遊技媒体は、獲得した当日が経過した後は、貯遊技媒体(パチンコ玉の場合には貯玉)となって遊技店に預け入れられる。複数の貸出レートが設定される場合には、持遊技媒体及び貯遊技媒体は、貸出レート毎に存在してもよい。カードCに関連付けられる個数情報は、持遊技媒体の数(パチンコ玉の場合には持玉数)や、貯遊技媒体の数(パチンコ玉の場合には貯玉数)を含む。以下では、持遊技媒体及び貯遊技媒体のそれぞれの数を「遊技媒体数」と総称する。
【0026】
POS2は、賞品交換カウンタSの上面に配置されている。POS2の一例は、タブレット端末であり、その前面には、液晶のタッチパネル等によって構成された表示操作部20が配置されている。表示操作部20において、表示部と操作部とが分かれて構成されてもよい。当該操作部として、キーボード等の入力装置を用いてもよい。後述する他の表示操作部についても同様である。
【0027】
カード端末3は、賞品交換カウンタSの上面に配置されている。カード端末3は、カードCを受け付ける端末である。カード端末3は、ボックス状の筐体32を備えている。筐体32の前面には、カードCが出入りするカード出入口30が形成されている。
【0028】
図2は、カード端末3の要部の模式的な縦断面図である。カード端末3は、カード保持部31と、カード読出部33と、カード搬送機構35と、回収庫36と、回収搬送機構37とをさらに備えている。カード保持部31、カード読出部33、カード搬送機構35及び回収庫36は、筐体32内に収容されている。カード保持部31はカードCを保持する。カード保持部31は、保持台31Aと、保持台31A上においてカードCを支持する一又は複数のローラ対31Bとを備えている。カード保持部31にカードCが保持されている状態で、カード読出部33はカードCから情報(カードID及びプリペイド価値の残高)を読み出すことができる。
【0029】
カード搬送機構35は、カード出入口30とカード保持部31との間でカードCを搬送する。カード搬送機構35は、搬送部材と、搬送部材を駆動するアクチュエータ36Bとを備えている。搬送部材の一例はローラ対31Bである。すなわち、
図2の例では、ローラ対31Bがカード搬送機構35の搬送部材とカード保持部31との双方を兼ねている。搬送部材がベルト等を備えていてもよい。アクチュエータ36Bは、モータ等を備える構成である。
【0030】
回収庫36は、回収した使用済みのカードCをストックする。回収庫36内には、複数枚のカードCを、所定の最大収納枚数(たとえば10枚)まで収納可能である。回収搬送機構37は、カード保持部31に保持されているカードCを、回収庫36に搬送する。カード搬送機構35が回収搬送機構37を兼ねていてもよい。
【0031】
遊技客等によってカード出入口30に挿入されたカードCは、カード搬送機構35によって筐体32の内部に取り込まれ、カード保持部31に保持される。この状態で、カード読出部33によってカードCから情報が読み出される。カードCを遊技客に返却する場合には、情報が読み出された後のカードCは、カード搬送機構35によってカード保持部31からカード出入口30に搬送され、カード出入口30から返却される。カードCを回収する場合には、情報が読み出された後のカードCは、回収搬送機構37によって回収庫36に搬送され、回収される。そして、回収庫36において、使用済みのカードCとして積層状態で保持される。
【0032】
レシートプリンタRは、その前面にレシートの発行口R1を有している。レシートプリンタRは、プリンタ等によって構成されてレシートを発行口R1から発行する。レシートプリンタRは、ネットワークNにつながっていて、少なくともPOS2及び管理装置7と通信可能である。
【0033】
図1に示すように、精算機4は、ボックス状の筐体40を備えている。筐体40の前面には、遊技客によってカードCが出し入れされるカード出入口41と、カード出入口41に挿入されたカードCに関連付けられている(紐付いている)プリペイド価値の残高に相当する精算金が出金される出金口42とが設けられている。出金口42は、紙幣の精算金が出金される紙幣出金口42Aと、硬貨の精算金が出金される硬貨出金口42Bとに分かれていてもよいし、紙幣出金口42Aと硬貨出金口42Bとが一つの出金口42にまとめられてもよい。精算機4は、ネットワークNにつながっていて、少なくともPOS2及び管理装置7と通信可能である。
【0034】
図1に示すように、第1賞品払出機5は、特殊賞品を収納したボックス状の筐体50と、筐体50の上面に設けられた払出口51と、払出口51を開閉する開閉部52と、筐体50内に設けられて特殊賞品を払出口51に払い出す払出部53とを含む。第1賞品払出機5は、ネットワークNにつながっていて、少なくともPOS2及び管理装置7と通信可能である。
【0035】
図1に示すように、第2賞品払出機6は、一般賞品を収納したボックス状の筐体60を含み、筐体60の前面には、レシートを読み取る読取部61と、表示操作部62と、筐体60内の一般賞品が投出される取出口63とが設けられている。第2賞品払出機6は、
図1に示すようにネットワークNに接続されていてもよいし、ネットワークNに接続されていなくてもよい。
【0036】
図3は、賞品交換システム1の電気的構成を示すブロック図である。POS2は、CPUやタイマ等によって構成された処理部として機能する制御部21と、ネットワークNにつながったI/F部22と、様々な情報を記憶する記憶部23とをさらに備えている。表示操作部20、I/F部22及び記憶部23は、制御部21に対して電気的に接続されている。
【0037】
カード端末3は、CPUやタイマ等によって構成された制御部30Aと、ネットワークNにつながったI/F部38と、様々な情報を記憶する記憶部39とをさらに備えている。また、カード端末3は、カード出入口30にカードCが挿入されたことを検出する挿入センサ30Bを備えている。挿入センサ30Bの検出出力が制御部30Aに与えられるようになっている。制御部30Aには、カード読出部33、カード搬送機構35、回収搬送機構37、I/F部38及び記憶部39のそれぞれが電気的に接続されている。カード読出部33が読み出した情報は、制御部30Aに入力される。カード端末3は、ネットワークNにつながっていて、少なくともPOS2及び管理装置7と通信可能である。
【0038】
管理装置7は、制御部70と、ネットワークNにつながったI/F部71と、様々な情報を記憶した記憶部72とを含む。制御部70は、I/F部71及び記憶部72に対して電気的に接続されている。記憶部72には、発行済のカードCのカードIDと、このカードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高及び遊技媒体数とが、カードID毎に記憶されている。
遊技を終えて賞品交換カウンタSを訪れた遊技客は、まず、プリペイド価値の残高を精算するために、カードCを精算機4のカード出入口41に挿入する。これにより、カードIDが精算機4に受け付けられる。精算の手続きが完了すると、精算機4は、精算の手続きの完了の旨と、精算に用いられたカードCのカードIDとを、管理装置7に通知する。これに応じて、管理装置7の制御部70は、記憶部72において、当該カードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高を零にする。精算の手続きの完了後、カード出入口41からカードCが返却される。精算機4の操作により、遊技客は、カードCに関連付けられたプリペイド価値の残高を精算する手続きを、精算機4によってセルフにて実施できる。
【0039】
カードCの返却後に、精算金を受け取った遊技客、又は受け取るべき精算金が無かった遊技客は、次いで、精算機4の隣に配置されているPOS2の表示操作部20を操作する。POS2の操作により、遊技客は、遊技媒体数と賞品との賞品交換の手続きをセルフにて実施できる。
【0040】
図4Aは、賞品交換システム1で実行される交換取引のフローチャートである。賞品交換システム1で実行される交換取引について、
図1~
図4Aを参照しながら説明する。遊技客は、交換取引を開始するために、カード端末3のカード出入口30にカードCを挿入する。POS2の制御部21は、カード出入口30にカードCが挿入されたか否かを監視する(
図4AのステップS1)。より具体的には、カード端末3の制御部30Aは、挿入センサ30Bの検出出力を参照する。カードCの挿入が挿入センサ30Bによって検出されると、カード端末3の制御部30Aは、POS2にその旨を通知する。
カード出入口30にカードCが挿入されると(
図4AのステップS1でYES)、カード出入口30に挿入されたカードCは、カード搬送機構35によって筐体32の内部に取り込まれ、カード保持部31に保持される。そして、カード保持部31にカードCが保持されている状態で、制御部30Aは、カード読出部33によってカードCからカードIDを読み出す。つまり、制御部30A及びカード読出部33が、受付部として機能することにより、カードCがカード端末3によって受け付けられる(
図4AのステップS2、受付ステップ)。なお、会員客の場合には、カードCの挿入後に、制御部30Aが、POS2の表示操作部20による暗証番号の入力を会員客に求めることによって、会員客の認証を実行してもよい。会員客の認証として、暗証番号を用いる以外に、POS2に内蔵されたカメラ等を用いた顔認証もあり得る。
【0041】
カードCを受け付けた制御部30Aは、このカードCのカードIDを、POS端末2の制御部21に付与する。カードIDを受け取ったPOS端末2の制御部21は、このカードIDを、管理装置7に通知することによって、このカードIDに関連付けられているプリペイド価値及び遊技媒体数を管理装置7に問い合わせる。管理装置7の制御部70は、このカードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高と、このカードIDに関連付けられている遊技媒体数とを記憶部72内において検索する。制御部70は、記憶部72内で発見したプリペイド価値の残高及び遊技媒体数をPOS2に通知する。
【0042】
このカードCのカードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高、及びこのカードIDに関連付けられている遊技媒体数の両方が存在しない場合(
図4AのステップS3でNO)、POS2の制御部21は、カードCを返却する旨の信号をカード端末3に通知する。この信号を受信した制御部30Aは、カード搬送機構35を制御して、カード保持部31に保持されているカードCをカード出入口30から返却し(
図4AのステップS12)、この交換取引は終了する。なお、カードCのカードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高が存在しないとは、当該プリペイド価値の残高が零であることをいう。同様に、カードIDに関連付けられている遊技媒体数が存在しないとは、当該遊技媒体数が零であることをいう。
【0043】
一方、カードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高、及びこのカードIDに関連付けられている遊技媒体数の少なくとも一方が存在する場合、カード端末3にカードCが受け付けられる。カードCのカードIDに関連付けられている遊技媒体数(持遊技媒体の数)が存在する場合、カード端末3にカードCが受け付けられることにより、POS2の制御部21及び管理装置7の制御部70が、その遊技媒体数(持遊技媒体の数)を一旦全て引き落すようにしてもよい。
【0044】
カード端末3にカードCが受け付けられた後、返却操作が行われることがある。この場合(
図4AのステップS4でYES)、POS2の制御部21は、カードCを返却する旨の指示をカード端末3に通知し、受け付けられているカードCをカード出入口30から返却させる(
図4AのステップS12)。そして、このカードCに関連付けられている遊技媒体数(持遊技媒体の数)が既に引き落とされている場合は、POS2の制御部21は、この遊技媒体数(持遊技媒体の数)を元に戻す。これにより、この交換取引は終了する。
【0045】
本実施形態の賞品交換システム1は、1回の交換取引に際して、複数枚のカードCをカード端末3によって受付可能である。つまり、賞品交換システム1において実行される交換取引は、1枚のカードCを用いた交換取引である1枚交換取引と、複数枚のカードCを用いた交換取引である複数交換取引とを含む。
【0046】
カードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高、及びこのカードIDに関連付けられている遊技媒体数の少なくとも一方が存在し(
図4AのステップS3でYES)、かつ返却操作がない場合(
図4AのステップS4でNO)、1枚のカードCの受け付けが終了する。
【0047】
次いで、POS2の制御部21は、後続のカードCの受け付けがあるか否かを調べる(
図4AのステップS5)。POS2の制御部21は、表示操作部20に、「さらに、追加で挿入するカードがありますか?」等の案内メッセージと共に「はい」、「いいえ」等のボタンを表示する。カード端末3は、カード保持部31を1つのみしか備えていない。そのため、後続のカードCの挿入がある場合、カード保持部31に保持されている先行のカードCを他に移動させなければならない。
【0048】
「はい」のボタンが遊技客によって操作されると(
図4AのステップS5でYES)、カード保持部31に保持されている先行のカードCが他に移動させられる(
図4AのステップS6)。カード保持部31に保持されている先行のカードCが会員カードC1である場合、POS2の制御部21は、先行の会員カードC1をカード搬送機構35によってカード出入口30から返却させる。一方、カード保持部31に保持されている先行のカードCが一般カードC2である場合、POS2の制御部21は、先行の一般カードC2を回収搬送機構37によって回収庫36に回収させる。
【0049】
そして、後続のカードCがカード出入口30に挿入される(
図4AのステップS1)。挿入された後続のカードCは、空になった状態のカード保持部31に保持される。これにより、後続のカードCがカード端末3に受け付けられる(
図4AのステップS2)。そして、後続のカードCのカードIDに関連付けられているプリペイド価値及び遊技媒体数が管理装置7に問い合わされ、このプリペイド価値の残高及び遊技媒体数がPOS2に通知される。後続のカードCがカード端末3に受け付けられると、カードCに関連付けられている遊技媒体数(持遊技媒体の数)が一旦全て引き落されてもよい。後続のカードCが複数存在することもある。
図4AのステップS1~S4の処理は、カード出入口30への後続のカードCの挿入がなくなるまで繰り返される。
【0050】
本実施形態では、複数交換取引の場合であっても、その交換取引において用いられる会員カードC1は最大1枚としている。つまり、複数枚交換取引において2枚以上の会員カードC1を受け付けられない。そのため、1枚の会員カードC1がカード端末3に既に受け付けられている状態で、後続の会員カードC1をカード出入口30に挿入しても、後続の会員カードC1は受け付けられることなく、カード出入口30から返却される。
【0051】
全てのカードCの挿入が完了すると、表示操作部20において、「いいえ」のボタンが遊技客によって操作される(
図4AのステップS5でNO)。「いいえ」のボタンが遊技客によって操作されたとき、カード保持部31に保持されている先行のカードCの移動はない。その後、POS2の制御部21は、カードCの受け付けを終了する(
図4AのステップS7)。これ以降にカード端末3によってカードCを受け付けることはできない。
【0052】
そして、POS2の制御部21は、今回の交換取引の種別を確認する取引種類判別処理(
図4AのステップS8)を実行する。取引種類判別処理は、カード端末3によって受け付けられたカードCの枚数及び種類に基づいて、今回の交換取引が、通常取引、第1制約取引及び第2制約取引のいずれであるのかを判別する処理である。
【0053】
その後、表示操作部20に、管理装置7からPOS2に通知された遊技媒体数が表示される。複数のカードCが受け付けられている場合には、それら複数のカードCに対応する遊技媒体数が表示される。遊技客は、表示操作部20を操作することによって、賞品の種類及び個数を選択する(
図4AのステップS9)。遊技客が賞品の種類及び個数を選択すると、POS2の制御部21は、遊技客の遊技媒体を選択された賞品とセルフにて交換するための処理を実行する。具体的には、POS2の制御部21は、その選択された賞品の種類及び個数に対応する払出情報を作成し、生成後の払出情報に基づいた払出要求を、第1賞品払出機5に向けて送信する(
図4AのステップS10)。これにより、該当する特殊賞品が第1賞品払出機5の払出口51(
図1参照)から払い出される。遊技客が払い出された特殊賞品を受け取ると、特殊賞品に関するセルフによる賞品交換の手続きが完了する。特殊賞品の払い出しの完了に応じて、POS2又は第1賞品払出機5から管理装置7に完了通知が送信される。管理装置7の制御部70は、完了通知の受信に応じて、記憶部72において該当する遊技媒体数を、払い出した特殊賞品の価値に応じて更新する。具体的には、管理装置7の制御部70は、記憶部72において該当する貯遊技媒体の数を、払い出した特殊賞品の価値に応じて更新する。また、管理装置7の制御部70は、完了通知の受信に応じて、払い出した特殊賞品の価値に応じて、残りの遊技媒体数(持遊技媒体の数)を戻して更新する。
【0054】
賞品交換の手続きの完了に際し、カード保持部31に保持されているカードCが返却または回収される(
図4AのステップS11)。遊技媒体数の更新後に、関連付けられている遊技媒体数が零になった一般カードC2は、回収搬送機構37によって回収庫36に回収される。一方、会員カードC1及び関連付けられている遊技媒体数が残っている一般カードC2は、カード搬送機構35によってカード出入口30から遊技客に返却される。
【0055】
特殊賞品と交換できない端数の遊技媒体(いわゆる余り玉)が発生する場合がある。遊技客が会員客である場合には、POS2の制御部21が、端数の遊技媒体を貯遊技媒体として管理する旨の命令を、このカードCのカードIDと共に管理装置7に通知する。これにより、当該端数は、このカードIDに関連付いて管理装置7の記憶部72に記憶されている貯遊技媒体数に加算される。
【0056】
遊技客が一般客である場合には、制御部21は、端数の遊技媒体と交換される一般賞品の種類及び個数の情報や交換選択された特殊賞品の種類及び個数等の情報が記載されたレシート(図示せず)が、レシートプリンタRによって発行口R1から発行される。発行されたレシートを受け取った遊技客が当該レシートを第2賞品払出機6の読取部61に読み取らせると、該当する一般賞品が取出口63に払い出される。遊技客が取出口63から一般賞品を受け取ると、全ての賞品交換に関する今回の交換取引が完了する。
【0057】
1枚交換取引において、カードCが受け付けられている状態で返却操作が行われると(
図4AのステップS4でYES)、カード端末3のカード保持部31に保持されていたカードCがカード出入口30から返却され、かつ交換取引が終了する。そのため、1枚交換取引では、カードCが受け付けられている状態で、カード保持部31にカードCが保持されていない状態は発生しない。
【0058】
これに対し、複数枚交換取引では、カードCが受け付けられている状態で返却操作が行われると(
図4AのステップS4でYES)、カード端末3のカード保持部31に保持されていたカードC(最後に挿入されたカードC)がカード出入口30から返却される。このとき、当該カードC(最後に挿入されたカードC)および先行のカードCについてはカード端末3に既に受け付けられているが、当該カードC(最後に挿入されたカードC)は既に返却されており、先行のカードCについても、カードCが会員カードC1であれば既に返却されており、カードCが一般カードC2であれば既に回収されている。そのため、複数枚交換取引では、受け付けられているカードCのいずれもが、交換取引中にカード保持部31に保持されない、という状態が発生する。
【0059】
図4Bは、取引種類判別処理(
図4AのステップS7)の一例を示すフローチャートである。今回の交換取引が1枚交換取引である場合には(
図4BのステップS21でYES)、制御部21は、通常取引(
図4BのステップS24)を実行する(処理ステップ)。また、今回の交換取引が、複数枚交換取引である場合であっても(
図4BのステップS21でNO)、その時点でカード保持部31にカードCが保持されている場合には(
図4BのステップS22でYES)、通常取引が実行される。通常取引は、全部交換及び一部交換のどちらも許可される交換取引である。全部交換は、カードCに関連付けられた遊技媒体の全部と賞品とを交換する取引態様である。一部交換は、カードCに関連付けられた遊技媒体の一部と賞品とを交換する取引態様である。通常取引は、また、一部交換による交換取引の終了後の残りの持遊技媒体の数が、管理装置7の記憶部72において、持遊技媒体の数としてカードIDに対応付けて記憶される交換取引である。
【0060】
一方、今回の交換取引が複数枚交換取引であり(
図4BのステップS21でNO)、その時点でカード保持部31にカードCが保持されていない場合には(
図4BのステップS22でNO)、制御部21は、制約取引(
図4BのステップS25,S26)を実行する(処理ステップ)。制約取引は、第1制約取引と、第2制約取引とを含む。第1制約取引は、全部交換及び一部交換のどちらも許可されるものの、一部交換による交換取引の終了後の残りの持遊技媒体の数は、管理装置7の記憶部72において、貯遊技媒体の数としてカードIDに対応付けて記憶される交換取引である。第2制約取引は、一部交換が禁止され、全部交換のみが許可される交換取引である。
【0061】
カード保持部31にカードCが保持されておらず(
図4BのステップS22でNO)、かつ1回の交換取引のために受け付けた複数のカードCの中に会員カードC1が含まれる場合(
図4BのステップS23でYES)、第1制約取引が実行される(
図4BのステップS25)。一方、カード保持部31にカードCが保持されておらず(
図4BのステップS22でNO)、かつ1回の交換取引のために受け付けた複数のカードCが全て一般カードである場合、すなわち、受け付けた複数のカードCの中に会員カードC1が含まれない場合(
図4BのステップS23でNO)、第2制約取引が実行される(
図4BのステップS26)。
【0062】
図5~
図7は、前記交換取引における表示操作部20の表示内容の一例を示す模式図である。
図1~
図4Bを参照して、複数枚交換取引について説明する。
図5~
図7は、適宜参照する。
【0063】
以下、カード端末3が現在受け付けている複数のカードCに会員カードC1が含まれる場合の複数枚交換取引について説明する。カード端末3によるカードCの受け付けが完了した時点において(
図4AのステップS7)、カード保持部31にカードCが保持されている場合には(
図4BのステップS22でYES)、複数枚交換取引において通常取引が実行され(
図4BのステップS24)、複数枚交換取引において全部交換及び一枚交換のどちらも許可される。具体的には、賞品選択(
図4AのステップS9)において、
図5に示すように、交換モード選択画面80が表示操作部20に表示される。交換モード選択画面80では、一部交換ボタン81及び全部交換ボタン82が表示される。遊技客によって一部交換ボタン81が操作されると、その後、表示操作部20に、選択画面(図示しない)が表示される。選択画面において、カードCに関連付けられている遊技媒体数の範囲内で賞品の種類及び個数が選択されると、
図6に示すように、表示操作部20に内容確認画面90が表示される。内容確認画面90には、選択された賞品の種別及び個数が表示される。また、内容確認画面90には、賞品交換に使用した遊技媒体数である使用遊技媒体数表示91、残りの持遊技媒体の数である残存持遊技媒体数表示92、及び交換ボタン93が表示される。そして、交換ボタン93が操作されることにより、内容確認画面90に表示された賞品の種別及び個数に対応する払出要求が、第1賞品払出機5に向けて送信される(
図4AのステップS10)。
【0064】
交換取引の終了に際し、残っている持遊技媒体の数があれば、カード保持部31に保持されているカードCのカードIDに関連付けて戻される。具体的には、カード保持部31に保持されているカードCが会員カードC1である場合には、この会員カードC1のカードIDに関連付けて持遊技媒体の数が戻され、カード保持部31に保持されているカードCが一般カードC2である場合には、この一般カードC2のカードIDに関連付けて持遊技媒体の数が戻される。
【0065】
一方、カード端末3によるカードCの受け付けが完了した時点において(
図4AのステップS7)、カード保持部31にカードCが保持されていない場合には(
図4BのステップS22でNO、
図4BのステップS23でYES)、この複数枚交換取引において、第1制約取引が実行され(
図4BのステップS25)、複数枚交換取引において全部交換及び一枚交換のどちらも許可される。この点に関し、第1制約取引は、通常取引と同じである。そして、交換取引の終了に際し、残っている持遊技媒体の数があれば、カード端末3が現在受け付けている複数のカードCのうち会員カードC1のカードIDに関連付けて、貯遊技媒体として戻される。
【0066】
次に、カード端末3が現在受け付けている複数のカードCに会員カードC1が含まれない場合の複数枚交換取引について説明する。カード端末3によるカードCの受け付けが完了した時点において(
図4AのステップS7)、カード保持部31にカードCが保持されている場合には(
図4BのステップS22でYES)、この複数枚交換取引において通常取引が実行され(
図4BのステップS24)、複数枚交換取引において全部交換及び一枚交換のどちらも許可される。そして、交換取引の終了に際し、残っている持遊技媒体の数があれば、カード保持部31に保持されているカードCのカードIDに関連付けて戻される。具体的には、カード保持部31に保持されている一般カードC2のカードIDに関連付けて持遊技媒体の数が戻される。
【0067】
一方、カード端末3によるカードCの受け付けが完了した時点において(
図4AのステップS7)、カード保持部31にカードCが保持されていない場合(
図4BのステップS22でNO、
図4BのステップS23でNO)を検討する。この場合には、受け付けられている複数のカードCに関連付けられた遊技媒体の数を引き落とすと、その後に、その遊技媒体の数を戻すことができない。そのため、このような複数枚交換取引では、第2制約取引が実行され(
図4BのステップS26)、一部交換が禁止される。すなわち、この交換取引では、全部交換のみ許可される。具体的には、賞品選択(
図4AのステップS9)において、
図7に示すように、内容確認画面90Aが表示操作部20に表示される。内容確認画面90Aには、複数枚のカードCの関連付けられていた遊技媒体数に相当する価値の賞品の種別及び個数が表示される。また、内容確認画面90Aには、賞品交換に使用した遊技媒体数である使用遊技媒体数表示91、及び交換ボタン93が表示される。しかし、
図7に示す内容確認画面90Aは、
図6に示す内容確認画面90と異なり、残存持遊技媒体数表示92が存在しない。そして、内容確認画面90Aにおいて交換ボタン93が操作されることにより、内容確認画面90Aに表示された賞品の種別及び個数に対応する払出要求が、第1賞品払出機5に向けて送信される(
図4AのステップS10)。なお、交換取引の終了に際し、残っている遊技媒体数(持遊技媒体の数)はない。
【0068】
以上により本実施形態によれば、受け付けた複数枚のカードCの中に会員カードC1が含まれず、受け付けられているカードCのいずれもが交換取引中にカード保持部31に保持されなくなった交換取引では、受け付けられている複数のカードCに関連付けられた遊技媒体の数を引き落とすと、その後に、その遊技媒体の数を戻すことができない。そのため、このような交換取引では、一部交換が禁止され、全部交換のみが許容されている(第2制約取引)。
【0069】
一方、1回の交換取引のために受け付けた複数のカードCの中に会員カードC1が含まれる交換取引では、受け付けたカードCのいずれもが交換取引中にカード保持部31に保持されていない場合であっても、複数のカードCに関連付けられた遊技媒体を、貯遊技媒体として会員カードC1に戻すことが可能である。そのため、このような交換取引では、全部交換及び一部交換のどちらも許可されている(第1制約取引)。
【0070】
これらの交換取引において異なる処理を実行することにより、遊技客に不利益を与えることなく、これらの交換取引を完遂できる。そのため、店員対応が必要になることもない。これにより、複数のカードCを受け付ける交換取引における使い勝手の向上を図ることができる。
【0071】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はさらに他の形態で実施することもできる。
【0072】
複数枚交換取引を行う場合であっても、カード出入口11に最初に投入したカードのカードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高及び遊技媒体数の両方が存在しない場合(
図4AのステップS3でNO)、そのカードCは受け付けられずに、その後返却される(
図4AのステップS12)。一方、先行のカードCに関連付けられているプリペイド価値の残高及び遊技媒体数の一方が存在する場合、後続のカードCに関連付けられているプリペイド価値の残高及び遊技媒体数の両方が存在しない場合であっても、当該後続のカードC(会員カードC1及び一般カードC2)を返却せずにカード端末3によって受け付けるようにしてもよい。この場合、交換取引後において、当該後続のカードCが一般カードC2である場合には、当該後続のカードCはカード端末3に回収される。プリペイド価値の残高及び遊技媒体数の両方が存在しないカードCをキャンセルすることなく受け付けても特段の支障がなく、カードCの挿入を都度キャンセルする手間を省くことができる。これにより、遊技客の操作を簡略化でき、ゆえに、遊技客の使い勝手の向上を図ることができる。
【0073】
そして、この場合に返却操作があると(
図4AのステップS4でYES)、先行のカードC(カードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高及び遊技媒体数の一方が存在する)が一般カードC2である場合には、当該一般カードC2から既に引き落とした遊技媒体数を、後続のカードC(カードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高及び遊技媒体数の両方が存在しない)に関連付けて戻し、後続のカードCがカード出入口30から返却される。先行のカードC(カードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高及び遊技媒体数の一方が存在する)が会員カードC1である場合には、当該会員カードC1から既に引き落とした遊技媒体数を会員カードC1に戻す。この場合の会員カードC1は既に返却済みである。後続のカードCは、カード端末3に回収される。
【0074】
回収庫36に収納されている使用済みのカードCの数が最大収納枚数(たとえば10枚)に近い所定数(たとえば8枚)に達したことが満タンセンサ(図示せず)等によって検出されると、それ以降は、複数枚交換取引においてカード端末3に受け付けたカードCを、回収せずに都度返却するようにしてもよい。すなわち、使用済みカードを積極的に回収する回収モードから、使用済みカードを積極的に返却する返却モードに切り換わる。
【0075】
具体的には、複数枚交換取引において、カード端末3に受け付けられたカードC(一般カードC2)はその後直ちにカード出入口30から返却される。そして、先行のカードCが取り除かれた後のカード出入口30に、後続のカードCが挿入される。これにより、回収庫36が満タンになることを回避でき、ゆえに、遊技店の店員の作業負担の軽減を図ることができる。なお、このような回収モードから返却モードへの切り換えが、遊技店のホールコンピュータに通知されるようになっていてもよい。この通知に基づいて遊技店の店員が、回収庫36に貯まった使用済みのカードCを取り除くようにしてもよい。
【0076】
前述のように、複数枚交換取引では、現在受け付けられているカードCが、交換取引中にカード保持部31に保持されていない状態が発生する。この状態は、最後に挿入されたカードC(カード端末3のカード保持部31に保持されていたカードC)が返却操作によって返却されることに起因して発生する。この場合において、POS2の制御部21が、最後に挿入されたカードC(会員カードC1、一般カードC2)をカード端末3のカード出入口30に再度挿入する旨の案内表示を表示操作部20に表示してもよい。
【0077】
また、貯遊技媒体の更新がある場合には、管理装置7を構成するサーバーのうち会員情報を管理する会員サーバーがオンライン状態か否かを確認してもよい。そして、オフライン状態である場合には、その交換取引をキャンセルするようにしてもよい。
【0078】
前述の実施形態では、精算機4と共に賞品交換カウンタSの周辺に配置されるPOS2について説明した。しかし、POSが精算機能を備えていてもよい。
【0079】
図8は、本発明の他の実施形態に係るPOS202の表示操作部20の表示内容の一例を示す模式図である。POS202は、精算機能付きのPOSである。すなわち、POS202は、交換取引と精算処理との双方を同時に実行可能である。遊技客は、カードCに紐付けられたプリペイド価値の残高を精算する手続き、及び遊技媒体と賞品との賞品交換の手続きの両方を、POS202によってセルフにて実施できる。POS202は、精算機能を備える点において、POS2(
図1参照)と相違している。POS202は、その点を除いて、POS2と同等の構成である。カード端末3によってカードCが受け付けられると、POS202の制御部21は、カード端末3によって受け付けたカードCのカードIDを管理装置7(
図1参照)に通知する。管理装置7の制御部70は、このカードIDに関連付けられているプリペイド価値の残高と、このカードIDに関連付けられている遊技媒体数とをPOS202に通知する。
【0080】
このPOS202において実行される精算処理は、1枚のカードCを用いた精算処理と、複数枚のカードCを用いた複数枚精算処理とを含む。複数枚精算処理では、前述の複数枚交換取引と同様の手順で、複数枚のカードCがカード端末3に受け付けられる。POS202の制御部21は、カードCの受け付けの終了後(
図4AのステップS7に相当)、まず、POS202の表示操作部20に精算実行選択画面100を表示する。精算実行選択画面100では、精算ボタン101及び非精算ボタン102が表示される。
【0081】
遊技客によって精算ボタン101が操作されると、POS202の制御部21は、カードCに関連付けられたプリペイド価値の残高をセルフにて精算するための処理を実行する。複数枚精算処理である場合、複数枚のカードCに関連付けられているプリペイド価値の残高が合算される。そして、第1賞品払出機5に対する払出要求信号の送信タイミングで、合算された残高に相当する精算金の出金を精算機4に対し要求する。この要求を受けた精算機4は、出金口42から精算金を遊技客に払い出す。遊技客が出金口42から精算金を取り出すことによって、セルフによる精算の手続きが完了する。このように、遊技客は、カードCに関連付けられているプリペイド価値の残高を精算する手続きを精算機4によってセルフにて実施できる。
【0082】
一方、遊技客によって非精算ボタン102が操作されると、POS202において精算処理は実行されない。そして、合算後のプリペイド価値の残高が入金上限額以内である場合には、POS202の制御部21は、後続のカードC(すなわち、カード保持部31に保持されているカードC)に合算後の残額を書き込む。一方、合算後のプリペイド価値の残高が入金上限額を超える場合には、POS202の制御部21は、後続のカードC(すなわち、カード保持部31に保持されているカードC)から遊技媒体数を引き落とした後、当該カードCを返却する。返却後の当該カードCには、プリペイド価値の残高のみが関連付けられており、遊技媒体数は関連付けられていない(関連付けられている遊技媒体数が零である)。
【0083】
これにより、精算機能付きのPOS202において、複数枚のカードCを挿入した遊技客が、精算しないと選択することが可能である。ゆえに、遊技客の要望に柔軟に対応できる。また、POS202において精算を実行しない場合、複数枚のカードCに関連付けられている残高をまとめることができるので、返却するカードCの枚数を最小枚数に抑えることができる。また、POS202において精算しない場合に、精算残額を合算させないようにしてもよいし、カード端末3がカードCを受け付ける毎に、そのカードCをプリペイド価値の残高のみを関連付けて(遊技媒体数を引き落した状態で)返却するようにしてもよい。
【0084】
また、POS2,202に内蔵されたカメラを用いて顔認証を行う際、顔認証によって「20歳以上の会員」であると認証された場合に、第2賞品払出機6において20歳以上限定賞品の交換が許容されるようになっていてもよい。20歳以上限定賞品とは、たとえば、タバコや酒である。
【0085】
具体的には、顔認証により「20歳以上の会員」と認証された場合、第2賞品払出機6の表示操作部62(
図1参照)に20歳以上限定賞品が表示される。表示操作部62において20歳以上限定賞品が遊技客により選択操作されると、取出口63から、選択された20歳以上限定賞品が払い出される。これにより、セルフ型の賞品交換システム1を用いて、20歳以上限定賞品との賞品の交換取引を行うことができる。20歳以上限定賞品との交換を、会員カードC1を用いたカード認証でなく顔認証により行うので、19歳未満の者への20歳以上限定賞品の払い出しを確実に防止できる。
【0086】
そして、会員カードC1を用いて「20歳以上の会員」と認証されても、顔認証により「20歳以上の会員」と認証されなければ、20歳以上限定賞品との交換を許容しない。これにより、会員カードC1の不正利用があっても、20歳以上限定賞品を19歳未満の者に払い出すことを防止できる。なお、顔認証により「19歳未満の会員」と認証された場合であっても、貯玉引き落とし交換や交換後の端数貯玉等の会員共通のサービスは利用可能である。
【0087】
本発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。また、以上に説明した様々な特徴は、適宜組み合わせることができる。
【0088】
前述の実施形態では、カード端末3がPOS2,202とは別に設けられているが、カード端末3がPOS2,202と一体に設けられていてもよい。
【0089】
また、1回の交換取引のために受け付ける複数枚のカードCの中に含まれる会員カードC1の枚数を2枚以上としてもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 :賞品交換システム
21 :制御部(処理部)
30A :制御部(受付部)
31 :カード保持部(保持部)
33 :カード読出部(受付部)
C :カード(記憶媒体)
C1 :会員カード(会員用記憶媒体)