(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132517
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】リサイクルペーパー回収システム
(51)【国際特許分類】
B65F 1/14 20060101AFI20230914BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20230914BHJP
G16Y 10/35 20200101ALI20230914BHJP
G16Y 20/30 20200101ALI20230914BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20230914BHJP
【FI】
B65F1/14 Z
B65F1/00 A
G16Y10/35
G16Y20/30
G16Y40/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037883
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】591135440
【氏名又は名称】日本通運株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504381021
【氏名又は名称】株式会社JEMS
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】白方 栄人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 宗之
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 飛鳥
(72)【発明者】
【氏名】林 伸一
【テーマコード(参考)】
3E023
【Fターム(参考)】
3E023AA14
3E023AA20
(57)【要約】
【課題】廃棄紙を効率良く回収し、回収した廃棄紙の輸送に関する費用及び環境負荷を削減することができるリサイクルペーパー回収システムを提供すること。
【解決手段】リサイクルペーパー回収システム1は、廃棄紙を収容するリサイクルボックス2内に配置されたセンサ装置3と、センサ装置3と通信可能に構成され、廃棄紙の回収を管理する管理サーバ4と、を備え、センサ装置3は、リサイクルボックス2内に収容された廃棄紙の内容量を管理サーバ4へ送信し、管理サーバ4は、配車情報に基づいて地図画像に、回収対象のリサイクルボックスを回収するための最適経路を追加する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄紙を収容するリサイクルボックス内に配置されたセンサ装置と、
前記センサ装置と通信可能に構成され、前記廃棄紙の回収を管理する管理サーバと、を備えるリサイクルペーパー回収システムであって、
前記センサ装置は、前記リサイクルボックス内に収容された前記廃棄紙の内容量を前記管理サーバへ送信し、
前記管理サーバは、
前記廃棄紙の内容量を受け付けると、前記リサイクルボックスの位置情報及び前記内容量を含む地図情報を二次元的に表す地図画像を生成し、
前記地図画像と共に、前記地図画像に対応する前記リサイクルボックスの位置情報、前記内容量、前記センサ装置の電源の残量を含むリサイクルボックス一覧情報を生成し、
前記リサイクルボックス一覧情報から特定のリサイクルボックスの選択を受け付けると、当該リサイクルボックスのボックス番号、内容量、定期回収日、回収のための判断条件、及び回収対象のリサイクルボックスを選択するためのチェックボックスを含む回収対象一覧情報を生成し、
選択された前記回収対象のリサイクルボックスに関する情報を注文情報として取得し、
前記注文情報に基づいて、前記回収対象の前記リサイクルボックスを回収するための配車情報を生成し、前記配車情報に基づいて前記地図画像に、前記回収対象のリサイクルボックスを回収するための最適経路を追加する、
リサイクルペーパー回収システム。
【請求項2】
前記センサ装置は、
前記リサイクルボックス内に光を放射状に照射する光照射部と、
前記リサイクルボックス内に収容された前記廃棄紙によって反射された光を受光する受光部と、
受光した光から前記リサイクルボックスの上扉から廃棄紙までの距離を測定し、測定した前記距離に基づいて前記リサイクルボックス内に収容された前記廃棄紙の内容量を推定する制御部と、
推定された前記廃棄紙の内容量を含むデータを前記管理サーバへ送信する通信部と、
を備える、請求項1に記載のリサイクルペーパー回収システム。
【請求項3】
前記地図画像は、前記リサイクルボックスが設置された場所、同一の場所に設置された前記リサイクルボックスの数、及び前記内容量に応じた色を示す画像を含む、請求項1又は2に記載のリサイクルペーパー回収システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、
前記回収対象一覧情報の前記チェックボックスに対して、回収予定日に前記回収対象のリサイクルボックスを選択する操作を受け付ける、請求項1から3のいずれか一項に記載のリサイクルペーパー回収システム。
【請求項5】
前記配車情報は、前記リサイクルボックスを回収する車両の車両積載量、注文件数、走行距離、稼働時間、有料道路利用料、積み下ろし時間及び移動時間を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のリサイクルペーパー回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクルペーパー回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機密情報や個人情報等を含む廃棄紙を回収ボックスから回収し、裁断又は溶解して再利用するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のシステムでは、回収ボックス内の廃棄紙を回収ボックス内の廃棄紙の量に関係なく、定期的に回収し、一回の回収毎に顧客へ請求を行っていた。そのため、無駄な回収作業が生じており、輸送費用、輸送車両の排出ガス等のような廃棄紙の輸送に関する費用及び環境負荷を増加させる原因となっていた。
【0005】
そこで、本発明は、廃棄紙を効率良く回収し、回収した廃棄紙の輸送に関する費用及び環境負荷を削減することができるリサイクルペーパー回収システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、廃棄紙を収容するリサイクルボックス内に配置されたセンサ装置と、前記センサ装置と通信可能に構成され、前記廃棄紙の回収を管理する管理サーバと、を備えるリサイクルペーパー回収システムであって、前記センサ装置は、前記リサイクルボックス内に収容された前記廃棄紙の内容量を前記管理サーバへ送信し、前記管理サーバは、前記廃棄紙の内容量を受け付けると、前記リサイクルボックスの位置情報及び前記内容量を含む地図情報を二次元的に表す地図画像を生成し、前記地図画像と共に、前記地図画像に対応する前記リサイクルボックスの位置情報、前記内容量、前記センサ装置の電源の残量を含むリサイクルボックス一覧情報を生成し、前記リサイクルボックス一覧情報から特定のリサイクルボックスの選択を受け付けると、当該リサイクルボックスのボックス番号、内容量、定期回収日、回収のための判断条件、及び回収対象のリサイクルボックスを選択するためのチェックボックスを含む回収対象一覧情報を生成し、選択された前記回収対象のリサイクルボックスに関する情報を注文情報として取得し、前記注文情報に基づいて、前記回収対象の前記リサイクルボックスを回収するための配車情報を生成し、前記配車情報に基づいて前記地図画像に、前記回収対象のリサイクルボックスを回収するための最適経路を追加する。
【0007】
また、前記センサ装置は、前記リサイクルボックス内に光を放射状に照射する光照射部と、前記リサイクルボックス内に収容された前記廃棄紙によって反射された光を受光する受光部と、受光した光から前記リサイクルボックスの上扉から廃棄紙までの距離を測定し、測定した前記距離に基づいて前記リサイクルボックス内に収容された前記廃棄紙の内容量を推定する制御部と、推定された前記廃棄紙の内容量を含むデータを前記管理サーバへ送信する通信部と、を備える。
【0008】
また、前記地図画像は、前記リサイクルボックスが設置された場所、同一の場所に設置された前記リサイクルボックスの数、及び前記内容量に応じた色を示す画像を含む。
【0009】
また、前記管理サーバは、前記回収対象一覧情報の前記チェックボックスに対して、回収予定日に前記回収対象のリサイクルボックスを選択する操作を受け付ける。
【0010】
また、前記配車情報は、前記リサイクルボックスを回収する車両の車両積載量、注文件数、走行距離、稼働時間、有料道路利用料、積み下ろし時間及び移動時間を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、廃棄紙等のようなリサイクルペーパーを効率良く回収し、回収したリサイクルペーパーの輸送に関する費用及び環境負荷を削減することができるリサイクルペーパー回収システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係るリサイクルペーパー回収システムの全体構成を示す模式図である。
【
図2A】リサイクルボックスの外箱の上扉及び側面扉を閉じた状態を示す図である。
【
図2B】外箱の上扉及び側面扉を開けた状態を示す図である。
【
図2C】内箱の側面扉を閉じた状態を示す図である。
【
図2D】内箱の側面扉を開けた状態を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るセンサ装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係るセンサ装置によるリサイクルボックス内の廃棄紙の内容量の計測の概要を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る端末装置の構成の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る管理サーバの機能的な構成を示すブロック図である。
【
図8】リサイクルボックス一覧情報及び回収対象一覧情報の具体例を示す図である。
【
図9A】回収対象及び注文の一覧の具体例を示す図である。
【
図10】本実施形態に係るセンサ装置による処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】本実施形態に係る管理サーバによる処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】輸送に関する費用の削減効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照し、本発明のリサイクルペーパー回収システム1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るリサイクルペーパー回収システム1の全体構成を示す模式図である。リサイクルペーパー回収システム1は、センサ装置3を有するリサイクルボックス2と、管理サーバ4と、クラウド10と、端末装置20と、を備える。
【0014】
リサイクルボックス2は、機密情報や個人情報等を含む廃棄紙を収容する。収容された廃棄紙は、後述するように回収され、リサイクルされる。センサ装置3は、リサイクルボックス2内に配置され、廃棄紙の内容量を推定するために用いられる。
【0015】
管理サーバ4は、通信ネットワークを介してリサイクルボックス2内のセンサ装置3と通信可能に構成され、リサイクルボックス2内の廃棄紙の回収を管理する。
管理サーバ4は、例えば、クラウド10上に格納された廃棄紙の内容量を含むデータを、通信ネットワークを介して取得する。
端末装置20は、管理サーバ4と通信可能に構成され、リサイクルボックス2内の廃棄紙の回収を管理するユーザによって操作される。
【0016】
図2A及び
図2Bは、本実施形態に係るリサイクルボックス2の斜視図である。
図2Aは、リサイクルボックス2の外箱21の上扉212及び側面扉213を閉じた状態を示し、
図2Bは、外箱21の上扉212及び側面扉213を開けた状態を示す。
【0017】
図2A及び
図2Bに示すように、リサイクルボックス2は、外箱21と、内箱22と、を備える。外箱21は、略直方体形状有し、外箱21の3つの側面を構成する側壁211と、外箱21の上面を構成する上扉212と、外箱21の残り1つの側面を構成する側面扉213と、外箱21の底面を構成する底壁214と、上扉212に形成される投入口215と、を有する。内箱22は、外箱21内に収容され、外箱21の上扉212及び側面扉213を開けた状態で取り出し可能になる。
【0018】
図2C及び
図2Dは、本実施形態に係るリサイクルボックス2の内箱22の斜視図である。
図2Cは、内箱22の側面扉223を閉じた状態を示し、
図2Dは、内箱22の側面扉223を開けた状態を示す。
【0019】
図2C及び
図2Dに示すように、内箱22は、内箱22の3つの側面を構成する側壁221と、内箱22の上面を構成する上扉222と、内箱22の残り1つの側面を構成する側面扉223と、内箱22の底面を構成する底壁224と、上扉222に形成される開口部225と、底壁224の四隅にそれぞれ設けられるキャスター226と、を有する。
【0020】
廃棄紙は、外箱21の上扉212及び側面扉213を閉じた状態において投入口215へ投入され、内箱22の開口部225を介して内箱22内に収容される。
廃棄紙を収容した内箱22は、外箱21から取り出され、キャスター226によって容易に運搬することができる。
【0021】
図3は、本実施形態に係るセンサ装置3の機能的な構成を示すブロック図である。
図4は、本実施形態に係るセンサ装置3によるリサイクルボックス2内の廃棄紙の内容量の計測の概要を示す図である。
図3に示すように、センサ装置3は、光照射部31と、受光部32と、制御部33と、通信部34と、電源部35と、を備える。
【0022】
光照射部31は、例えば、可視光、赤外光等のような所定の波長の光を照射する発光部で構成され、外箱21の上扉212の内箱22側の面に配置される。光照射部31は、
図4に示すように、リサイクルボックス2内に光Lを放射状に照射する。光照射部31は、例えば、一定の間隔(例えば、12時間間隔、24時間間隔等)でリサイクルボックス2内に光Lを放射状に照射する。
【0023】
受光部32は、受光素子で構成され、光Lがリサイクルボックス2内に照射され、リサイクルボックス2内に収容された廃棄紙5や、リサイクルボックス2の内箱22によって反射された光を受光する。
【0024】
制御部33は、マイクロコンピュータ等で構成され、所定の制御を実行する。制御部33は、受光部32が受光した光からリサイクルボックス2の上扉212から廃棄紙5までの距離(
図4参照)を測定し、測定した距離に基づいてリサイクルボックス2内に収容された廃棄紙5の内容量を推定する。
【0025】
通信部34は、ネットワークを介して外部機器と通信するための通信インターフェースである。制御部33は、推定された廃棄紙の内容量を含むデータを、通信部34を介してクラウド10へ送信する。
【0026】
電源部35は、例えば、一次電池、二次電池等で構成され、光照射部31、受光部32、制御部33及び通信部34に電力を供給する。
【0027】
図5は、本実施形態に係る端末装置20の構成の一例を示す図である。
図5に示すように、端末装置20は、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、表示部204と、操作部205と、を備える。
【0028】
制御部201は、例えば、CPU等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部を含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。
【0029】
記憶部202は、例えば、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、ROM等の非一過性の記憶媒体を備える記憶装置、又はRAM等により実現される。
【0030】
通信部203は、ネットワークを介して外部機器と通信するための通信インターフェースである。
表示部204は、画像を表示する装置である。表示部204は、例えば、LCDや有機EL等である。
【0031】
操作部205は、表示部204を操作するためのボタン等で構成される。また、表示部204及び操作部205は、これらの機能が一体に構成されたタッチパネルであってもよい。この場合、操作部205は、表示部204に表示されるGUIスイッチであってもよい。また、操作部205は、機械式のボタンであってもよい。
【0032】
図6は、本実施形態に係る管理サーバ4の機能的な構成を示すブロック図である。
図6に示すように、管理サーバ4は、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、を備える。
【0033】
制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0034】
プログラムは、予め記憶部42(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されると、インストールされてもよい。
【0035】
記憶部42は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)等の非一過性の記憶媒体を備える記憶装置、又はRAM(Random Access Memory)等により実現される。
通信部43は、ネットワークを介してセンサ装置3、クラウド10、端末装置20等の外部機器と通信するための通信インターフェースである。
【0036】
また、制御部41は、地図情報生成部411と、一覧情報生成部412と、注文情報取得部413と、配車情報生成部414と、を備える。
【0037】
地図情報生成部411は、センサ装置3から廃棄紙の内容量を受け付けると、リサイクルボックス2の位置情報及び内容量を含む地図情報を二次元的に表す地図画像を生成する。
【0038】
一覧情報生成部412は、地図画像と共に、地図画像に対応するリサイクルボックス2の位置情報、リサイクルボックス2内の廃棄紙の内容量、センサ装置3の電源部35の電池残量を含むリサイクルボックス一覧情報を生成し、生成したリサイクルボックス一覧情報を記憶部42に記憶する。
【0039】
端末装置20は、管理サーバ4へアクセスし、端末装置20の制御部201は、管理サーバ4に記憶された地図情報及びリサイクルボックス一覧情報を表示部204に表示する。
【0040】
そして、端末装置20の操作部205の操作によってリサイクルボックス一覧情報から特定のリサイクルボックスが選択されると、制御部201は、特定のリサイクルボックスの選択を示すデータを管理サーバ4に送信する。
【0041】
一覧情報生成部412は、リサイクルボックス一覧情報から特定のリサイクルボックスの選択を受け付けると、当該リサイクルボックスのボックス番号、内容量、定期回収日、回収のための判断条件、及び回収対象のリサイクルボックスを選択するためのチェックボックスを含む回収対象一覧情報を生成し、生成した回収対象一覧情報を記憶部42に記憶する。端末装置20は、管理サーバ4へアクセスし、端末装置20の制御部201は、管理サーバ4に記憶された地図情報及びリサイクルボックス一覧情報を表示部204に表示する。
【0042】
管理サーバ4は、端末装置20の表示部204に表示された回収対象一覧情報のチェックボックスに対して、回収予定日に回収対象のリサイクルボックスを選択する操作を受け付ける。
【0043】
管理サーバ4が、回収対象のリサイクルボックスを選択する操作を受け付けると、注文情報取得部413は、選択された回収対象のリサイクルボックスに関する情報を注文情報として取得する。
【0044】
配車情報生成部414は、注文情報に基づいて、回収対象の前記リサイクルボックスを回収するための配車情報を生成する。更に、配車情報生成部414は、配車情報に基づいて地図画像に、回収対象のリサイクルボックスを回収するための最適経路を追加する。
【0045】
図7は、地図画像61の具体例を示す図である。地図画像61は、リサイクルボックス2が設置された場所、同一の場所に設置されたリサイクルボックスの数、廃棄紙の内容量に応じた色を示す画像62を含む。
【0046】
具体的には、
図6に示すように、画像62は、地図画像61のリサイクルボックス2が設置された場所に表示される。画像62は、リサイクルボックス2が設置された場所にピンが刺さったような形状を有する。また、画像62の中心部には、同一の場所に設置されたリサイクルボックスの数が示される。
【0047】
また、画像62は、廃棄紙の内容量に応じて表示される色が変化する。例えば、画像62は、内容量が10%以下である場合、灰色で表示され、内容量が30%以上である場合、緑色で表示され、内容量が50%以上である場合、黄色で表示され、内容量が80%以上である場合、赤色で表示される。
【0048】
リサイクルボックス一覧情報63は、地図画像61と共に表示され、地図画像に対応するリサイクルボックス2の位置情報、リサイクルボックス2内の廃棄紙の内容量、センサ装置3の電源部35の電池残量を含む。
【0049】
具体的には、
図7に示すように、リサイクルボックス一覧情報63は、リサイクルボックス2が設置されているビルのフロア等の位置情報を示す項目631、設置されているリサイクルボックスの数をアイコン及び数値によって示す項目632、及び廃棄紙の内容量及び電源部35の電池残量を示す項目633によって構成される。
【0050】
そして、上述したように一覧情報生成部412は、リサイクルボックス一覧情報63から特定のリサイクルボックスの選択を受け付けると、回収対象一覧情報64を生成する。
【0051】
図8は、リサイクルボックス一覧情報63及び回収対象一覧情報64の具体例を示す図である。
回収対象一覧情報64は、リサイクルボックス2のボックス番号、廃棄紙の内容量、定期回収日、回収のための判断条件、及び回収対象のリサイクルボックスを選択するためのチェックボックスを含む。
図8において、廃棄紙の内容量は、横棒グラフ、グラフの色及び内容量のパーセンテージ(%)によって示される。回収対象のリサイクルボックスを選択するためのチェックボックスは、例えば、端末装置20の操作部205の操作によって選択を受け付ける。
【0052】
図9Aは、回収対象一覧情報64及び注文情報の一覧65を示す図である。上述したように、注文情報の一覧65は、回収対象一覧情報64のうち、チェックボックスによって選択された回収対象のリサイクルボックス2に関する情報を含む。具体的には、
図9Aに示すように、注文情報の一覧65は、注文情報の件数等を示し、例えば、注文日、車両数、未配注文数、総距離等のような情報を含む。
【0053】
図9Bは、1件の注文情報66の具体例を示す図である。上述したように、注文情報66は、注文情報取得部413によって取得される。ここで、注文情報66は、
図9Bに示すように、例えば、積み・卸し種別、デポ(物流拠点の位置)、宵積みの可否、荷積/卸時間帯、荷量種別、荷量(重量及びボックス数)及びデポ側追加時間等のような回収対象となるリサイクルボックス2の1件の回収の注文に関する情報を含む。これにより、管理サーバ4は、廃棄紙の内容量からおおよその重量を算出し、配車情報における積載率として活用することができる。
【0054】
図9Cは、配車情報67の具体例を示す図である。上述したように、配車情報67は、配車情報生成部414によって、注文情報に基づいて生成される。
配車情報67は、
図9Cに示すように、例えば、リサイクルボックスを回収する車両、車両のドライバー、車両積載量、注文件数、走行距離、稼働時間、有料道路利用料、積み下ろし時間及び移動時間を含む。
これにより、管理サーバ4は、走行距離、稼働時間、有料道路利用料の総計等を管理することができる。
【0055】
図9Dは、最適経路68の具体例を示す図である。上述したように、最適経路68は、配車情報生成部414によって、配車情報に基づいて地図画像61に追加される。具体的には、
図9Dに示すように、最適経路68は、地図画像61上において、回収対象となるリサイクルボックス2の回収を担当する車両の最適な走行経路を示す。走行経路は、地図画像61上において、他の道路よりも目立つように強調されて表示される。これにより、リサイクルボックス2の回収を担当する車両のドライバーは、最適経路を用いて走行することによって回収したリサイクルペーパーの輸送を効率良く行うことができる。
【0056】
図10は、本実施形態に係るセンサ装置3による処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1において、光照射部31は、リサイクルボックス2内に光Lを放射状に照射する。
【0057】
ステップS2において、受光部32は、ステップS1において光Lがリサイクルボックス2内に照射され、リサイクルボックス2内に収容された廃棄紙5や、リサイクルボックス2の内箱22によって反射された光を受光する。そして、制御部33は、受光部32が受光した光からリサイクルボックス2の上扉212から廃棄紙5までの距離を測定する。
【0058】
ステップS3において、制御部33は、ステップS2において測定した距離に基づいてリサイクルボックス2内に収容された廃棄紙5の内容量を推定する。
ステップS4において、制御部33は、ステップS4において推定された廃棄紙の内容量を含むデータを、通信部34を介してクラウド10へ送信する。
【0059】
図11は、本実施形態に係る管理サーバ4による処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS11において、地図情報生成部411は、ネットワークを介してクラウド10にアクセスし、センサ装置3からの廃棄紙の内容量を含むデータを取得する。
【0060】
ステップS12において、地図情報生成部411は、廃棄紙の内容量を含むデータを取得すると、リサイクルボックス2の位置情報及び内容量を含む地図情報を二次元的に表す地図画像61を生成する。ここで、地図画像61は、リサイクルボックス2が設置された場所、同一の場所に設置されたリサイクルボックスの数、廃棄紙の内容量に応じた色を示す画像62を含む。
【0061】
ステップS13において、一覧情報生成部412は、地図画像61と共に、地図画像61に対応するリサイクルボックス2の位置情報、リサイクルボックス2内の廃棄紙の内容量、センサ装置3の電源部35の電池残量を含むリサイクルボックス一覧情報63を生成し、生成したリサイクルボックス一覧情報63を記憶部42に記憶する。
【0062】
ステップS14において、一覧情報生成部412は、リサイクルボックス一覧情報から特定のリサイクルボックスの選択を受け付けると、当該リサイクルボックス2のボックス番号、内容量、定期回収日、回収のための判断条件、及び回収対象のリサイクルボックス2を選択するためのチェックボックスを含む回収対象一覧情報64を生成する。
【0063】
ステップS15において、管理サーバ4は、端末装置20の表示部204に表示された回収対象一覧情報のチェックボックスに対して、回収予定日に回収対象のリサイクルボックスを選択する操作を受け付ける。注文情報取得部413は、選択された回収対象のリサイクルボックス2に関する情報を注文情報66として取得する。
【0064】
ステップS16において、配車情報生成部414は、注文情報66に基づいて、回収対象のリサイクルボックス2を回収するための配車情報67を生成する。
ステップS17において、配車情報生成部414は、配車情報67に基づいて地図画像61に、回収対象のリサイクルボックス2を回収するための最適経路68を追加する。
【0065】
図12は、輸送に関する費用の削減効果を示す図である。
図12の上側の表は、50基のリサイクルボックス2を1カ月間に回収した場合のシミュレーションを示し、下側の表は、100基のリサイクルボックス2を1カ月間に回収した場合のシミュレーションを示す。なお、
図12に示すシミュレーション結果は、関東地区に設置された617基のデータに基づいて算出されたものである。
【0066】
図12に示すように、現行の回収方法で1カ月間定期回収を行った場合の数値(A)と、本実施形態に係るリサイクルペーパー回収システム1を適用して1カ月間回収を行った場合(B)の数値を比較すると、大幅な削減効果が得られることが分かった。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係るリサイクルペーパー回収システム1は、廃棄紙を収容するリサイクルボックス2内に配置されたセンサ装置3と、センサ装置3と通信可能に構成され、廃棄紙の回収を管理する管理サーバ4と、を備え、センサ装置3は、リサイクルボックス2内に収容された廃棄紙の内容量を管理サーバ4へ送信し、管理サーバ4は、廃棄紙の内容量を受け付けると、リサイクルボックスの位置情報及び内容量を含む地図情報を二次元的に表す地図画像を生成し、地図画像と共に、地図画像に対応するリサイクルボックス2の位置情報、内容量、センサ装置3の電源の残量を含むリサイクルボックス一覧情報を生成し、リサイクルボックス一覧情報から特定のリサイクルボックス2の選択を受け付けると、当該リサイクルボックス2のボックス番号、内容量、定期回収日、回収のための判断条件、及び回収対象のリサイクルボックス2を選択するためのチェックボックスを含む回収対象一覧情報を生成し、選択された回収対象のリサイクルボックス2に関する情報を注文情報として取得し、注文情報に基づいて、回収対象のリサイクルボックス2を回収するための配車情報を生成し、配車情報に基づいて地図画像に、回収対象のリサイクルボックスを回収するための最適経路を追加する。
【0068】
このような構成によって、リサイクルペーパー回収システム1は、廃棄紙を収容するリサイクルボックス2を効率良く回収し、回収した廃棄紙の輸送に関する費用及び環境負荷を削減することができる。また、リサイクルペーパー回収システム1は、リサイクルボックス2内にセンサ装置3を配置することによって、廃棄紙の内容量を計測することができる。
【0069】
更に、リサイクルペーパー回収システム1は、従来のような定期回収ではなく、配車情報を生成し、生成された配車情報に基づいて回収対象のリサイクルボックス2を回収する。よって、リサイクルペーパー回収システム1は、今まで以上に効率の良い回収が可能となり、また熟練の操配者でなくとも回収ルートを策定することが可能となる。更に、リサイクルペーパー回収システム1は、廃棄紙の内容量を可視化することによって、リサイクルボックス2を導入している顧客側において、廃棄紙の内容量、すなわち、環境への貢献度を可視化することができる。また、リサイクルペーパー回収システム1は、例えば、回収時の廃棄紙の内容量に応じて回収の料金を変動させることができるため、リサイクルボックス2を導入している顧客にとっては料金が低価格になると共に、紙の再資源化に寄与することができる。
【0070】
また、センサ装置3は、リサイクルボックス2内に光を放射状に照射する光照射部31と、リサイクルボックス2内に収容された廃棄紙によって反射された光を受光する受光部32と、受光した光からリサイクルボックス2の上扉から廃棄紙までの距離を測定し、測定した距離に基づいてリサイクルボックス2内に収容された廃棄紙の内容量を推定する制御部33と、推定された廃棄紙の内容量を含むデータを管理サーバ4へ送信する通信部34と、を備える。このような構成によって、リサイクルペーパー回収システム1は、リサイクルボックス2内に収容された廃棄紙の内容量を高い精度で推定することができる。
【0071】
また、地図画像は、リサイクルボックスが設置された場所、同一の場所に設置されたリサイクルボックスの数、及び内容量に応じた色を示す画像を含む。このような構成によって、端末装置20等によって地図画像にアクセスしたユーザは、各リサイクルボックスに関する情報を容易に把握することができる。
【0072】
また、管理サーバ4は、回収対象一覧情報のチェックボックスに対して、回収予定日に回収対象のリサイクルボックス2を選択する操作を受け付ける。このような構成によって、端末装置20等によって回収対象一覧情報にアクセスしたユーザは、回収対象となるリサイクルボックス2を任意に選択することができる。
【0073】
また、配車情報は、リサイクルボックス2を回収する車両の車両積載量、注文件数、走行距離、稼働時間、有料道路利用料、積み下ろし時間及び移動時間を含む。このような構成によって、配車情報によって廃車された車両の操配者は、効率良くリサイクルボックス2を回収することが可能となり、また熟練の操配者でなくとも回収ルートを容易に策定することが可能となる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0075】
1 リサイクルペーパー回収システム
2 リサイクルボックス
3 センサ装置
4 管理サーバ
5 廃棄紙
6 地図情報
10 クラウド
20 端末装置
31 光照射部
32 受光部
33 制御部
34 通信部
35 電源部
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
61 地図画像
62 画像
63 リサイクルボックス一覧情報
64 回収対象一覧情報
65 注文情報の一覧
66 注文情報
67 配車情報
68 最適経路
411 地図情報生成部
412 一覧情報生成部
413 注文情報生成部
414 配車情報生成部