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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132542
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20230914BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20230914BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20230914BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B5/02
G06Q50/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037918
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】518135412
【氏名又は名称】株式会社リクルート
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】卯西 寛明
(72)【発明者】
【氏名】光岡 昇平
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 智洋
【テーマコード(参考)】
2C028
5L049
【Fターム(参考)】
2C028BB01
2C028BC01
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】オンライン学習サービスにおいて、講師の状況に応じた方法でコンテンツを配信できるようにする。
【解決手段】情報処理装置は、学習用コンテンツの自動配信の有無及び自動配信対象の受講者の抽出条件の設定を受け付ける配信設定受付部と、各受講者に学習内容の理解度を確認するための確認用コンテンツを配信する確認用コンテンツ配信部と、自動配信有りに設定されている場合、確認用コンテンツについての各受講者の解答結果に基づいて抽出条件を満たす受講者を抽出する抽出部と、自動配信無しに設定されている場合、確認用コンテンツについての各受講者の正答率を含む情報を画面に表示する結果画面表示処理部と、画面に表示された受講者の中から1以上の受講者の指定を受け付ける受講者指定受付部と、抽出部により抽出された各受講者又は受講者指定受付部により受け付けられた各受講者に学習用コンテンツを配信する学習用コンテンツ配信部と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の受講者に学習用コンテンツを配信する情報処理装置であって、
前記学習用コンテンツの自動配信の有無の設定を受け付けると共に、自動配信の対象とする受講者の抽出条件の設定を受け付け可能な配信設定受付部と、
各受講者に対し、学習内容の理解度を確認するための確認用コンテンツを配信する確認用コンテンツ配信部と、
前記自動配信が有りに設定されている場合、前記確認用コンテンツについての各受講者の解答結果に基づいて、前記抽出条件を満たす受講者を抽出する抽出部と、
少なくとも前記自動配信が無しに設定されている場合、前記確認用コンテンツについての各受講者の正答率を含む情報を画面に表示する結果画面表示処理部と、
前記画面に前記情報が表示された受講者の中から、1以上の受講者の指定を受け付ける受講者指定受付部と、
前記抽出部により抽出された各受講者と、前記受講者指定受付部により受け付けられた各受講者と、の少なくともいずれかに対し、前記学習用コンテンツを配信する学習用コンテンツ配信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記確認用コンテンツの配信、並びに、前記学習用コンテンツの自動配信の有無及び前記抽出条件を設定するための画面を表示する設定画面表示処理部をさらに備える、請求項1に記載情報処理装置。
【請求項3】
前記抽出条件は、前記確認用コンテンツについての正答率により設定される、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記自動配信の設定が有りに設定されている場合、前記結果画面表示処理部は前記画面を表示せず、前記学習用コンテンツ配信部は、前記抽出部により抽出された各受講者のみに対して前記学習用コンテンツを配信し、
前記自動配信の設定が無しに設定されている場合、前記学習用コンテンツ配信部は、前記受講者指定受付部により受け付けられた各受講者のみに対して前記学習用コンテンツを配信する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記自動配信の設定が有りに設定されている場合、前記学習用コンテンツ配信部は、前記抽出部により抽出された各受講者及び前記受講者指定受付部により受け付けられた各受講者に対し、前記学習用コンテンツを配信する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記自動配信の設定が有りに設定されている場合、前記結果画面表示処理部は、前記複数の受講者のうち、前記抽出部により抽出された受講者を除く受講者に関する前記情報を前記画面に表示する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記自動配信の設定が有りに設定されている場合、
前記抽出部は、各受講者から前記確認用コンテンツの解答を受信した際に、当該受講者の解答結果が前記抽出条件を満たすか否かを判断し、
前記学習用コンテンツ配信部は、解答が前記抽出条件を満たすと判断された受講者に対し、前記学習用コンテンツを個別のタイミングで配信する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記学習用コンテンツは、講義動画から確認テスト、確認テストのみ、確認テストから講義動画の3つのタイプから選択可能である、請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記受講者指定受付部により受け付けられた各受講者に対して配信される学習用コンテンツのタイプは、講義動画から確認テスト、確認テストのみ、確認テストから講義動画の3つのタイプから選択可能であり、
前記抽出部により抽出された各受講者に対して配信される学習用コンテンツのタイプは、講義動画から確認テストのセットのみである、
請求項1から7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記自動配信の設定が無しに設定されている場合、前記3つのタイプのうちのいずれかを設定するための画面を表示する処理部をさらに備える、請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
複数の受講者に学習用コンテンツを配信するコンピュータを、
前記学習用コンテンツの自動配信の有無の設定を受け付けると共に、自動配信の対象とする受講者の抽出条件の設定を受け付け可能な配信設定受付部と、
各受講者に対し、学習内容の理解度を確認するための確認用コンテンツを配信する確認用コンテンツ配信部と、
前記自動配信が有りに設定されている場合、前記確認用コンテンツについての各受講者の解答結果に基づいて、前記抽出条件を満たす受講者を抽出する抽出部と、
少なくとも前記自動配信が無しに設定されている場合、前記確認用コンテンツについての各受講者の正答率を含む情報を画面に表示する結果画面表示処理部と、
前記画面に前記情報が表示された受講者の中から、1以上の受講者の指定を受け付ける受講者指定受付部と、
前記抽出部により抽出された各受講者と前記受講者指定受付部により受け付けられた各受講者と、の少なくともいずれかに対し、前記学習用コンテンツを配信する学習用コンテンツ配信部と、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報技術を利用して、オンラインで授業やテストを受けることが可能な学習サービスが普及している。
【0003】
例えば、特許文献1には、受講者の演習問題に対する回答を、理解度を表す値に変換し、理解度が基準以上であれば発展的な解説や新しい演習問題の動画を提供し、理解度が基準に満たない場合には、詳細な解説や同様の演習問題の動画を提供するウェブラーニング方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-86549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された方法では、各受講者の理解度に応じた動画の配信を一律に行うことしかできず、講師の方針や講師の繁忙度合いといった講師の状況に応じた方法でコンテンツを配信することができなかった。
【0006】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、オンライン学習サービスにおいて、講師の状況に応じた方法でコンテンツを配信できるようにすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、複数の受講者に学習用コンテンツを配信する情報処理装置であって、前記学習用コンテンツの自動配信の有無の設定を受け付けると共に、自動配信の対象とする受講者の抽出条件の設定を受け付け可能な配信設定受付部と、各受講者に対し、学習内容の理解度を確認するための確認用コンテンツを配信する確認用コンテンツ配信部と、前記自動配信が有りに設定されている場合、前記確認用コンテンツについての各受講者の解答結果に基づいて、前記抽出条件を満たす受講者を抽出する抽出部と、少なくとも前記自動配信が無しに設定されている場合、前記確認用コンテンツについての各受講者の正答率を含む情報を画面に表示する結果画面表示処理部と、前記画面に前記情報が表示された受講者の中から、1以上の受講者の指定を受け付ける受講者指定受付部と、前記抽出部により抽出された各受講者と、前記受講者指定受付部により受け付けられた各受講者と、の少なくともいずれかに対し、前記学習用コンテンツを配信する学習用コンテンツ配信部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、オンライン学習サービスにおいて、講師の状況に応じてコンテンツの配信方法を設定できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るオンライン受講システム1の構成を示す図。
図2】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信サーバ10の機能構成を示す図。
図3】本発明の実施形態に係るオンライン受講システム1による学習用コンテンツ配信処理のシーケンス図。
図4】本発明の実施形態に係るオンライン受講システム1における講師用端末20に表示される宿題配信設定画面を例示する図。
図5】本発明の実施形態に係るオンライン受講システム1における受講者用端末30に表示されるホーム画面を例示する図。
図6】本発明の実施形態に係るオンライン受講システム1における受講者用端末30に表示される受講画面を例示する図。
図7】本発明の実施形態に係るオンライン受講システム1における講師用端末20に表示される宿題の結果画面を例示する図。
図8】本発明の実施形態に係るオンライン受講システム1における講師用端末20に表示される宿題の結果画面を例示する図。
図9】本発明の実施形態に係るオンライン受講システム1における講師用端末20に表示されるフォローアップ配信設定画面を例示する図。
図10】本発明の実施形態に係るオンライン受講システム1における講師用端末20に表示される課題確認画面を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るオンライン受講システム1の構成を示す図である。図1に示すように、オンライン受講システム1は、コンテンツ配信サーバ(情報処理装置)10と、講師用端末20と、受講者用端末30とを備えている。コンテンツ配信サーバ10は、管理センター等に設置され、講師用端末20および受講者用端末30と通信ネットワークを介して接続されている。通信ネットワークは、例えば、インターネット、LAN、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。講師用端末20および受講者用端末30は複数備えられていてもよい。
【0012】
コンテンツ配信サーバ10は、汎用的なコンピュータであり、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、通信ネットワーク上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。コンテンツ配信サーバ10は、制御装置11と、記憶装置12を備えている。制御装置11は、ハードウェアとして、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入力インタフェース、出力インタフェース、通信インタフェース及びこれらを結ぶバス等を備えている。制御装置11は、CPUがROM等に格納されたプログラムを実行することにより各種機能を実現する。記憶装置12は、ハードディスクドライブ等である。
【0013】
図2は、制御装置11のCPUがROM等に格納されたプログラムを実行することによって実現される機能モジュールを示すブロック図である。図2に示すように、機能モジュールには、設定画面表示処理部111、配信設定受付部112、確認用コンテンツ配信部113、結果画面表示処理部114、抽出部115、受講者指定受付部116、学習用コンテンツ配信部117が含まれる。
【0014】
記憶装置12には、受講者管理テーブル121と、コンテンツ管理テーブル122が記憶されている。受講者管理テーブル121には、各受講者のID(アカウント情報)や、当該受講者の過去の受講履歴、宿題の実施状況等が記録されている。コンテンツ管理テーブル122には、配信する学習用コンテンツや、確認用コンテンツが記憶されている。
【0015】
講師用端末20および受講者用端末30は、それぞれ、講師と受講者がオンライン受講システム1を利用するために用いる端末であり、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン等の端末装置である。図1に示すように、講師用端末20は、プロセッサ21、入力装置22、表示装置23、通信インタフェース24、記憶装置25を備える。また、受講者用端末30は、プロセッサ31、入力装置32、表示装置33、通信インタフェース34、記憶装置35を備える。入力装置22,32は、タッチパネルやキーボード等である。表示装置23,33は液晶ディスプレイ等である。
【0016】
次に、図3のシーケンス図を用いて、本実施形態に係るオンライン受講システム1による、学習用コンテンツ配信処理について説明する。
講師用端末20は、コンテンツ配信サーバ10の設定画面表示処理部111により生成された宿題(確認用コンテンツ)の配信設定画面を表示する(ステップS101)。図4は、宿題配信設定画面を例示する図である。図4に示すように、宿題配信設定画面には、宿題として配信される講義が表示される配信内容表示欄A1、宿題の配信先(受講者)表示欄A2、及び、宿題のタイプの選択欄A3が設けられている。宿題のタイプには、講義動画から確認テスト、確認テストのみ、確認テストから講義動画等があり、講師は、選択欄A3に設けられたラジオボタンにより、所望の宿題のタイプを選択することができる。また、宿題配信設定画面には、宿題のフォローアップの自動配信設定欄A4が設けられている。
【0017】
講師は、講師用端末20を操作して、配信する宿題の講義及び配信先を選択する(ステップS102)。講師は、図4に示す宿題配信設定画面において、配信内容表示欄A1に表示された講義のうち、宿題を配信したい講義のチェックボックスにチェックを入れることで、配信する宿題を選択することができる。また、講師は、配信先表示欄A2に表示された受講者のうち、宿題を配信したい受講者のチェックボックスにチェックを入れることで、配信先の受講者を選択することができる。コンテンツ配信サーバ10の配信設定受付部112は、講師用端末20に対する操作に応じて、宿題の配信講義及び配信先を決定する(ステップS103)。
【0018】
講師は、講師用端末20を操作して、宿題のフォローアップのための講義の動画や確認テスト(学習用コンテンツ。以下、フォローアップの課題ともいう)の自動配信の設定を行う(ステップS104)。講師は、図4に示す宿題配信設定画面に設けられた自動配信設定欄A4において、ラジオボタンa41,a42のいずれかを選択することにより、自動配信の有無(する/しない)を設定することができる。
【0019】
フォローアップの課題を「自動配信する(有り)」ラジオボタンa41が選択されると、図4に示す宿題配信設定画面に、条件入力ボックスA5が表示される。講師は、条件入力ボックスA5に、例えば受講者が解いた宿題の正答率(図4では0%~50%)などの条件を入力することにより、フォローアップの課題の自動配信対象とする受講者の抽出条件を事前に設定することができる。
【0020】
本実施形態において、フォローアップにおいて配信されるコンテンツのタイプは、上記宿題のタイプとは異なり、例えば、講義動画と確認テストのセットのみなどと予め設定されている。しかしながら、フォローアップの自動配信においても、宿題と同様に、コンテンツのタイプを、講義動画と確認テストのセット、確認テストのみ、説明動画付き確認テスト等から講師が選択できることとしてもよい。後者の場合、自動配信有りのラジオボタンa41が選択された際に、宿題配信設定画面に、フォローアップのコンテンツのタイプの選択欄が表示されるようにしてもよい。
【0021】
コンテンツ配信サーバ10の配信設定受付部112は、講師用端末20に対する操作に応じて、フォローアップの課題の自動配信(有無及び配信対象の抽出条件)を設定する(ステップS105)。
【0022】
講師が講師用端末20において宿題の配信操作を行うと(ステップS106)、コンテンツ配信サーバ10の確認用コンテンツ配信部113は、選択された受講者の受講者用端末30に、宿題のデータを配信する(ステップS107)。
【0023】
図5は、受講者用端末30に表示されるホーム画面を例示する図である。図6は、受講者用端末30に表示される受講画面を例示する図である。受講者は、図5に示すホーム画面の配信内容表示欄D1を見て、配信された宿題の内容を確認することができる。また、受講者は、図6に示す受講画面において、動画表示欄D2に表示される講義動画を受講した後、確認テストボタンD3を選択することにより、確認テストに解答することができる。
【0024】
受講者は、宿題を受信すると、受講者用端末30を操作して宿題に解答し、解答済の宿題を提出する操作を行う(ステップS108)。解答済の宿題が提出されると、コンテンツ配信サーバ10において採点処理が実行され、採点結果(正答率)が受講者毎に受講者管理テーブル121に登録される(ステップS109)。
【0025】
コンテンツ配信サーバ10の抽出部115は、フォローアップの課題の自動配信が有りに設定されている場合(ステップS110:Yes)、設定された抽出条件に基づいて、フォローアップの課題の自動配信対象となる受講者がいるか否かを判断する(ステップS111)。例えば、宿題配信設定画面に設けられたフォローアップの条件入力ボックスA5に、宿題の正答率として0%~50%が入力された場合(ステップS104、図4参照)、抽出部115は、宿題に解答した受講者の中から正答率が0%~50%未満である受講者を抽出する。
【0026】
フォローアップの課題の自動配信対象の受講者がいる場合(ステップS111:Yes)、学習用コンテンツ配信部117は、抽出された受講者の受講者用端末30に対してフォローアップのための講義の動画や確認テストを配信する(ステップS112)。
【0027】
ここで、抽出部115は、各受講者から宿題の解答が提出された際に、その都度、当該受講者の解答結果が抽出条件を満たすか否かを判断し、学習用コンテンツ配信部117は、解答が抽出条件を満たすと判断された受講者に対してフォローアップの課題を個別のタイミングで配信してもよい。このように、受講者から宿題の解答が提出される都度、抽出条件に基づくフォローアップ課題の自動配信の判断及び配信を行うことにより、受講者は提出した宿題に対するフィードバックを素早く得ることができる。
【0028】
他方、フォローアップの課題を「自動配信しない(無し)」に設定されている場合(ステップS110:No)、又は、フォローアップの課題を「自動配信する(有り)」に設定されているものの(ステップS110:Yes)、自動配信対象の受講者がいない場合(ステップS111:No)、コンテンツ配信サーバ10の結果画面表示処理部114は、講師用端末20に宿題の結果画面を表示させる(ステップS113)。
【0029】
講師は、講師用端末20に表示される結果画面にて、宿題の結果を確認する。図7、8は、宿題の結果を確認する結果画面を例示する図である。図7は宿題全体の結果を表示する画面であり、図8は宿題に含まれる各設問の解答結果を表示する画面である。結果画面に表示される情報は、受講者管理テーブル121に登録されている各受講者の宿題の採点結果に基づいて表示される。
【0030】
具体的には、図7には、ある宿題(図7の例では、第1講の確認テスト)について、受講者毎に取組回数(P1)、初回正答率(P2)、最高正答率(P3)が表示される。また、提出が完了している受講者の割合(P4)、全体の初回平均正答率(P5)が表示される。宿題をまだ提出していない受講者については、これらの項目は空欄になっている。
【0031】
図8には、各設問の初回平均正答率(P6)と、設問の内容と答え(P7)、各受講者の正誤状況(P8)が表示される。左欄で設問を選択すると、右上欄に選択した設問の内容と答えが表示され、右下欄に各受講者の正誤状況が表示される。
【0032】
取組回数(P1)は、各受講者が当該宿題を提出した回数を示している。なお、取組回数によって表示する色を変えるようにしてもよい。初回正答率(P2)は、各受講者が最初に宿題を提出した際の正答率である。最高正答率(P3)は、各受講者が提出した結果のうち、最も正答率が高かった時の正答率である。なお、最高正答率が100%など所定の正解率以上になった受講者は、表示態様(例えば色)を変えて表示するようにしてもよい。
【0033】
提出が完了している受講者の割合(P4)は、全受講者のうち、宿題を1度でも提出した受講者の割合である。なお、全受講者は、クラス単位、学校単位などの受講者とすることができる。全体の初回平均正答率(P5)は、全受講者の初回正答率の平均である。
【0034】
各設問の初回平均正答率(P6)は、宿題に含まれる各設問についての全受講者の初回正答率の平均である。設問の内容と答え(P7)は、各設問の内容と、正解の情報を示している。各受講者の正誤状況(P8)は、各設問についての、各受講者の最新の正誤の情報を示している。一度でも正解した受講者は「正解」と表示され、一度も正解していない受講者は「不正解」と表示される。未回答の場合は、空欄で表示される。
【0035】
講師は、結果画面に表示された受講者の中でフォローアップの課題を配信したい受講者がいる場合(ステップS114:Yes)、結果画面において、対象となる受講者を手動で選択することができる(ステップS115)。具体的には、図7に示す結果画面において、配信したい受講者のチェックボックスC1にチェックを入れる。例えば、最高正答率が100%ではない受講者を選択することなどができる。または、図8に示す設問ごとの結果画面において、配信したい受講者のチェックボックスC2にチェックを入れる。例えば、各設問について、不正解の受講者を選択することができる。
【0036】
さらに、講師は、結果画面において、所定の条件を満たす受講者を抽出した上で、配信対象の受講者を選択することができる。例えば、図7に示す全体の結果画面において、初回正答率の条件指定ボタンB1を選択すると、条件入力ボックスが表示され、講師が条件入力ボックスに受講者の抽出条件(例えば、初回正答率が0%~50%)を入力する。また、宿題を提出していない受講者を抽出対象とする場合には、「未完了者を含む」にチェックを入れる。条件を入力して「絞り込む」ボタンを操作すると、抽出部115によって、指定した抽出条件を満たす受講者が抽出され、結果画面に表示される。講師は、表示された受講者の中から、改めて配信対象の受講者を選択(チェックボックスにチェックを入れる)してもよいし、一番上のチェックボックスC0にチェックを入れて、表示されている全ての受講者を選択することもできる。同様に、最高正答率の条件指定ボタンB2を選択すると、条件入力ボックスが表示され、最高正答率の条件によって受講者を抽出することができる。また、図8に示す設問ごとの結果画面において、正誤情報の条件指定ボタンB3を選択し、「不正解」を選択すると、当該設問が不正解の受講者のみが抽出されて表示される。
【0037】
講師が、結果画面上で「選択した生徒に宿題を配信」ボタンB4を選択すると(ステップS116)、受講者指定受付部116は、チェックボックスで指定された受講者を配信対象として受けつける。さらに、講師は、図9に例示するフォローアップ配信設定画面において、選択した受講者に配信するフォローアップの課題(学習用コンテンツ)を指定する。学習用コンテンツのタイプは、講義動画と確認テストのセット、確認テストのみ、説明動画付き確認テスト等から選択することができる。さらに配信する期間等の必要事項を入力する。また、フォローアップ配信設定画面上で、配信対象の受講者を確認することができる。講師が「配信」ボタンB5を選択すると(ステップS117)、学習用コンテンツ配信部117は、配信対象として指定された受講者の受講者用端末30に対してフォローアップの課題を配信する(ステップS118)。
【0038】
受講者は、フォローアップの課題を受信すると、受講者用端末30を操作して課題に解答し、解答済の課題を提出する操作を行う(ステップS119)。フォローアップの課題の受講画面は、図6に例示する宿題の受講画面と同様に構成することができる。
【0039】
解答済の課題が提出されると、コンテンツ配信サーバ10において採点処理が実行され、採点結果(正答率)が受講者毎に受講者管理テーブル121に登録される(ステップS120)。さらに、コンテンツ配信サーバ10の結果画面表示処理部114は、講師用端末20にフォローアップの課題の結果画面を表示させる(ステップS121)。
【0040】
図10は、講師用端末20に表示される課題確認画面を例示する図である。図10に示す結果画面には、フォローアップの課題が自動配信又は手動配信された受講者のリストと、各受講者の課題の提出状況、確認テストの完了数、確認テストのマスター度、初回平均正答率、最終取組日時等が表示される。講師は、結果画面で課題の結果を確認し、必要に応じて再度フォローアップのためのコンテンツを配信してもよい。
【0041】
なお、図10に示す結果画面に、フォローアップの課題が配信されていない受講者を含め、宿題が配信された全受講者を一覧表示してもよい。この場合、フォローアップの課題が配信されてない受講者に、「フォローアップ配信無し」といった表示を追加し、識別できるようにしてもよい。
【0042】
以上のように、本実施形態によれば、オンラインで受講可能なシステムにおいて、宿題(確認用コンテンツ)の配信を設定する際に、フォローアップの課題(学習用コンテンツ)の自動配信の有無を設定し、自動配信が有り設定されている場合には、確認用コンテンツについての各受講者の解答結果に基づいて、設定された抽出条件を満たす受講者を抽出し、自動配信が無しに設定されている場合又は自動配信対象の受講者がいない場合には、各受講者の正答率を含む情報を宿題の結果画面に表示し、講師が手動で受講者を指定できるようにした。これにより、自動配信が有りに設定されている場合には、抽出条件を満たす受講者に一律にフォローアップの課題を自動配信することができ、自動配信が無しに設定されている場合又は自動配信対象の受講者がいない場合には、講師が指定した受講者にフォローアップの課題を配信することができるので、講師の方針や繁忙度合いなどの講師の状況に応じて適切に効率よくフォローアップの課題を配信することができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、宿題の配信設定画面において、フォローアップの課題の自動配信の有無及び配信対象の受講者の抽出条件を設定できるようにした。これにより、宿題の配信からフォローアップの課題の配信までを自動で処理することができ、講師の作業効率を向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、フォローアップの課題の配信対象の受講者の抽出条件を、宿題の解答の正答率により設定することとした。これにより、受講者の理解度に応じて適切にフォローアップの課題の配信することができる。
【0045】
また、本実施形態においては、フォローアップのコンテンツのタイプを、手動配信の場合には、講義動画から確認テスト、確認テストのみ、確認テストから講義動画の3つのタイプから選択可能とし、自動配信の場合には、講義動画と確認テストのセットのみとした。これにより、手動配信の場合には講義内容等に応じて適切なコンテンツのタイプを講師が選択することができ、自動配信の場合にはコンテンツのタイプが予め決まっていることから講師の利便性を高めることができる。
【0046】
もっとも、自動配信の場合であっても、フォローアップ用のコンテンツのタイプを上記3つのタイプから選択できることとしてもよく、この場合、宿題配信画面(図4参照)において、フォローアップ用のコンテンツのタイプを選択させるようにすればよい。
【0047】
(変形例)
上記実施形態において、フォローアップの課題は、自動配信又は手動配信のいずれかによって配信されたが、これらを併用してもよい。具体的には、フォローアップの課題が自動配信された場合であっても(図4のステップS112参照)、図7及び図8に例示する宿題の結果画面を講師用端末20に表示させ、フォローアップの課題の配信対象の受講者を講師に指定させる。この際、図7及び図8に例示する宿題の結果画面に、全受講者のうち、フォローアップの自動配信対象の受講者を除く受講者のみに関する情報を表示してもよい。或いは、宿題の結果画面に全ての受講者に関する情報を表示し、そのうち、フォローアップの自動配信対象の受講者については、例えば「フォローアップ配信済み」といった表示を追加するようにしてもよい。
【0048】
これにより、宿題の正答率に基づきフォローアップの課題を一律に自動配信することで、講師の作業効率を向上させることができると共に、講師の個別の判断でフォローアップの課題を手動配信することにより、受講者へのきめ細かな指導を行うことが可能となる。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0050】
1…オンライン受講システム、10…コンテンツ配信サーバ、11…制御装置、12…記憶装置、20…講師用端末、21…プロセッサ、22…入力装置、23…表示装置、24…通信インタフェース、25…記憶装置、30…受講者用端末、31…プロセッサ、32…入力装置、33…表示装置、34…通信インタフェース、35…記憶装置、111…設定画面表示処理部、112…配信設定受付部、113…確認用コンテンツ配信部、114…結果画面表示処理部、115…抽出部、116…受講者指定受付部、117…学習用コンテンツ配信部、121…受講者管理テーブル、122…コンテンツ管理テーブル
図1
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図10