(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023013257
(43)【公開日】2023-01-26
(54)【発明の名称】保持体収納具およびファイル
(51)【国際特許分類】
B42F 7/04 20060101AFI20230119BHJP
B42F 7/00 20060101ALI20230119BHJP
【FI】
B42F7/04
B42F7/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021117292
(22)【出願日】2021-07-15
(71)【出願人】
【識別番号】000129437
【氏名又は名称】株式会社キングジム
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】後藤 なつき
(72)【発明者】
【氏名】谷本 康一
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017QA03
2C017QB06
(57)【要約】
【課題】汎用性が高く、使い勝手が良好な保持体収納具およびこれを備えるファイルを提供する。
【解決手段】保持体収納具1は、第一規制部7と、第二規制部8と、を備える。第一規制部7は、保持体2の開口部5に挿入されることで開口部5の一縁部に引っ掛けられる。第二規制部8は、保持体2に対し接触することで保持体2の位置を第一規制部7が引っ掛かる位置に規制する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収容物を開口部から出し入れ可能に収容する保持体を収納する保持体収納具であって、
前記保持体の前記開口部に挿入されることで前記開口部の一縁部に引っ掛けられる第一規制部と、
前記保持体に対し接触することで前記保持体の位置を前記第一規制部が引っ掛かる位置に規制する第二規制部と、
を備えることを特徴とする保持体収納具。
【請求項2】
第二規制部は、保持体に対し開口部から離れた位置で接触する
ことを特徴とする請求項1記載の保持体収納具。
【請求項3】
保持体の一縁部側が挿入保持されるポケット部を備える
ことを特徴とする請求項1または2記載の保持体収納具。
【請求項4】
ポケット部は、保持体を基準として互いに反対側に位置する一方のポケット片部および他方のポケット片部を有し、
前記一方のポケット片部と前記他方のポケット片部とは、前記ポケット部の開口側の端部が前記ポケット部に対する前記保持体の挿入方向にずれている
ことを特徴とする請求項3記載の保持体収納具。
【請求項5】
第一規制部は、一方のポケット片部と他方のポケット片部とのいずれか一方と一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項4記載の保持体収納具。
【請求項6】
第一規制部は、一方のポケット片部と他方のポケット片部とのいずれか一方の一部が他方側に折り込まれて形成されている
ことを特徴とする請求項5記載の保持体収納具。
【請求項7】
第二規制部は、一方のポケット片部と他方のポケット片部との少なくともいずれか一方と一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項4ないし6いずれか一記載の保持体収納具。
【請求項8】
一方のポケット片部と他方のポケット片部との少なくともいずれか一方は、第一規制部側よりも第二規制部側が、ポケット部に対する保持体の挿入方向に幅広となっている
ことを特徴とする請求項4ないし7いずれか一記載の保持体収納具。
【請求項9】
保持体の開口部に挿入されて前記保持体を第一規制部へとガイドするガイド部を備える
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれか一記載の保持体収納具。
【請求項10】
ポケット部から先端部側が突出し、保持体の開口部に挿入されて前記保持体を基端部側の第一規制部へとガイドするガイド部を備える
ことを特徴とする請求項3ないし8いずれか一記載の保持体収納具。
【請求項11】
ガイド部は、第一規制部から第二規制部までの最短距離よりも、前記ガイド部の先端部から前記第二規制部までの最短距離が短い
ことを特徴とする請求項9または10記載の保持体収納具。
【請求項12】
表紙体と、
少なくとも第一規制部及び第二規制部を前記表紙体に取り付ける取付部と、
を備えることを特徴とする請求項1ないし11いずれか一記載の保持体収納具。
【請求項13】
取付部は、表紙体に対し着脱可能である
ことを特徴とする請求項12記載の保持体収納具。
【請求項14】
表紙体は、
背表紙部と、
この背表紙部にヒンジ部を介して連接された第一表紙部および第二表紙部と、
前記第一表紙部と前記第二表紙部とを係脱可能な係止部と、を有する
ことを特徴とする請求項12または13記載の保持体収納具。
【請求項15】
係止部は、
第一表紙部と第二表紙部との一方に形成された受け部と、
前記第一表紙部と前記第二表紙部との他方と一体的に形成され前記受け部に対して背表紙部から離れる方向に向かい係止される係止片と、を備える
ことを特徴とする請求項14記載の保持体収納具。
【請求項16】
請求項1ないし15いずれか一記載の保持体収納具と、
この保持体収納具に収納された保持体と、
を備えることを特徴とするファイル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被収容物を開口部から出し入れ可能に収容する保持体を収納する保持体収納具およびこれを備えるファイルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙葉類等の被収容物を収容保持する保持体としてクリアホルダが知られている。クリアホルダは、その構造上単体で多量の被収容物を保持することが困難であり、また複数の書類等を一つのクリアホルダに保持すると、書類等が探しにくくなり、管理しにくいことから、一般に、複数の書類等は複数のクリアホルダに分けて収容される。そのため、複数のクリアホルダをまとめて管理したいというニーズがある。
【0003】
そこで、複数のクリアホルダの上下をフックに引っ掛けて保持するファイル(例えば、特許文献1参照)、あるいは、複数のクリアホルダを表紙に対して本状にまとめて固着したファイル(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3148453号公報
【特許文献2】特開2015-229310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたファイルの場合、フックを挿入可能な切り角を有する専用のクリアホルダを用いる必要があり、汎用性に乏しい。
【0006】
また、特許文献2に記載されたファイルの場合、各々のクリアホルダを表紙から取り外して扱うことができない。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、汎用性が高く、使い勝手が良好な保持体収納具およびこれを備えるファイルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の保持体収納具は、被収容物を開口部から出し入れ可能に収容する保持体を収納する保持体収納具であって、前記保持体の前記開口部に挿入されることで前記開口部の一縁部に引っ掛けられる第一規制部と、前記保持体に対し接触することで前記保持体の位置を前記第一規制部が引っ掛かる位置に規制する第二規制部と、を備えるものである。
【0009】
請求項2記載の保持体収納具は、請求項1記載の保持体収納具において、第二規制部は、保持体に対し開口部から離れた位置で接触するものである。
【0010】
請求項3記載の保持体収納具は、請求項1または2記載の保持体収納具において、保持体の一縁部側が挿入保持されるポケット部を備えるものである。
【0011】
請求項4記載の保持体収納具は、請求項3記載の保持体収納具において、ポケット部は、保持体を基準として互いに反対側に位置する一方のポケット片部および他方のポケット片部を有し、前記一方のポケット片部と前記他方のポケット片部とは、前記ポケット部の開口側の端部が前記ポケット部に対する前記保持体の挿入方向にずれているものである。
【0012】
請求項5記載の保持体収納具は、請求項4記載の保持体収納具において、第一規制部は、一方のポケット片部と他方のポケット片部とのいずれか一方と一体的に形成されているものである。
【0013】
請求項6記載の保持体収納具は、請求項5記載の保持体収納具において、第一規制部は、一方のポケット片部と他方のポケット片部とのいずれか一方の一部が他方側に折り込まれて形成されているものである。
【0014】
請求項7記載の保持体収納具は、請求項4ないし6いずれか一記載の保持体収納具において、第二規制部は、一方のポケット片部と他方のポケット片部との少なくともいずれか一方と一体的に形成されているものである。
【0015】
請求項8記載の保持体収納具は、請求項4ないし7いずれか一記載の保持体収納具において、一方のポケット片部と他方のポケット片部との少なくともいずれか一方は、第一規制部側よりも第二規制部側が、ポケット部に対する保持体の挿入方向に幅広となっているものである。
【0016】
請求項9記載の保持体収納具は、請求項1ないし8いずれか一記載の保持体収納具において、保持体の開口部に挿入されて前記保持体を第一規制部へとガイドするガイド部を備えるものである。
【0017】
請求項10記載の保持体収納具は、請求項3ないし8いずれか一記載の保持体収納具において、ポケット部から先端部側が突出し、保持体の開口部に挿入されて前記保持体を基端部側の第一規制部へとガイドするガイド部を備えるものである。
【0018】
請求項11記載の保持体収納具は、請求項9または10記載の保持体収納具において、ガイド部は、第一規制部から第二規制部までの最短距離よりも、前記ガイド部の先端部から前記第二規制部までの最短距離が短いものである。
【0019】
請求項12記載の保持体収納具は、請求項1ないし11いずれか一記載の保持体収納具において、表紙体と、少なくとも第一規制部及び第二規制部を前記表紙体に取り付ける取付部と、を備えるものである。
【0020】
請求項13記載の保持体収納具は、請求項12記載の保持体収納具において、取付部は、表紙体に対し着脱可能であるものである。
【0021】
請求項14記載の保持体収納具は、請求項12または13記載の保持体収納具において、表紙体は、背表紙部と、この背表紙部にヒンジ部を介して連接された第一表紙部および第二表紙部と、前記第一表紙部と前記第二表紙部とを係脱可能な係止部と、を有するものである。
【0022】
請求項15記載の保持体収納具は、請求項14記載の保持体収納具において、係止部は、第一表紙部と第二表紙部との一方に形成された受け部と、前記第一表紙部と前記第二表紙部との他方と一体的に形成され前記受け部に対して背表紙部から離れる方向に向かい係止される係止片と、を備えるものである。
【0023】
請求項16記載のファイルは、請求項1ないし15いずれか一記載の保持体収納具と、この保持体収納具に収納された保持体と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、汎用性が高く、使い勝手が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の第1の実施の形態の保持体収納具の見開き状態を示す正面図である。
【
図2】同上保持体収納具の見開き状態の一部を正面側から示す斜視図である。
【
図3】同上保持体収納具の見開き状態を示す背面図である。
【
図4】同上保持体収納具の使用方法を示す正面図である。
【
図5】(a)は
図4の第一規制部側の作用を示す斜視図、(b)は
図4の第二規制部側の作用を示す斜視図である。
【
図6】同上保持体収納具の閉じ状態を示す正面図である。
【
図7】同上保持体収納具の閉じ状態を示す平面図である。
【
図8】本発明の第2の実施の形態の保持体収納具の見開き状態の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下において、
図1において視認される左右方向及び他図においてこれに対応する方向の位置をそれぞれ「左」、「右」とし、
図1において視認される上下方向及び他図においてこれに対応する方向の位置をそれぞれ「上」、「下」と表記する。
【0027】
図1および
図2において、1は保持体収納具である。保持体収納具1は、少なくとも一つ、好ましくは複数の保持体2を収納するものである。なお、各図中において矢印により方向を示しており、矢印D1方向を上下方向、矢印D2方向を左右方向、矢印D3(
図5)方向を前後方向として以下説明する。
【0028】
図4に示すように、保持体2は、一例として、1枚のシートが折り曲げられて、その折目を介して互いに等しいまたは略等しい四角形状を呈するシート3,4が形成され、それぞれの一端部同士が互いに固着されてポケット状に形成されている。保持体2は、少なくともシート3,4の一の側辺部としての一の長辺部分を折目とし、一の端辺部としての一の短辺部分である下辺部分とが固着され、シート3,4の他の端辺部としての他の短辺部分である上辺部分に開口部5が形成されている。折目が形成される一の側辺部と固着される一の側辺部との位置関係は逆であってもよい。本実施の形態において、シート3,4は、他の短辺部分から他の側辺部としての他の長辺部分に亘り開口部5が形成されている。この開口部5から、紙葉類等の被収容物6が保持体2の内部に出し入れされる。なお、保持体2は、このような形態に限られるものではなく、それぞれ1枚のシートであるシート3とシート4とが重合されてそれぞれの端辺部が固着されてポケット状に形成されていてもよく、さらに、保持体収納具1に収納すると、第一規制部7が保持体2の開口部5に挿入されて開口部5の一縁部に引っ掛けられるように形成されていれば、当該開口部5が配された端辺部以外の端辺部に開口部が形成されていないものであってもよい。
【0029】
好ましくは、シート3,4の少なくともいずれか一方は、少なくとも一部が透明または半透明の材質で形成されている。図示される例では、シート3,4のそれぞれの全体が透明または半透明の材質で形成されている。シート3,4は、一例として、ポリプロピレン等の合成樹脂により形成されている。本実施の形態において、保持体2は、汎用のクリアホルダである。
【0030】
そして、
図1および
図2に示すように、保持体収納具1は、保持体2を引っ掛ける第一規制部7と、保持体2の位置を規制する第二規制部8と、を備える。
【0031】
第一規制部7は、保持体2の開口部5に挿入されることで開口部5の一縁部に引っ掛けられる。第一規制部7は、保持体収納具1の上端部に位置し、上下方向に延びている。すなわち、第一規制部7は、保持体2の開口部5の一縁部に引っ掛かることで、保持体2の位置を左右方向に規制する。第一規制部7は、好ましくは透明または半透明の材質で形成されている。
【0032】
第二規制部8は、保持体2に対し接触することで保持体2の位置を第一規制部7が開口部5の一縁部に引っ掛かる位置に規制する。すなわち、第二規制部8は、保持体2の位置を上下方向に規制する。第二規制部8は、好ましくは開口部5から離れた位置で保持体2に対して接触する。本実施の形態において、第二規制部8は、保持体収納具1の下端部に位置し、第一規制部7が延びる方向と交差または直交する左右方向に延びている。すなわち、第二規制部8は、保持体2に対し開口部5とは反対側の端部である下端部(下辺部分)に接触することで保持体2の位置を上下方向に規制する。第二規制部8は、好ましくは透明または半透明の材質で形成されている。
【0033】
また、本実施の形態において、保持体収納具1は、保持体2の一縁部側である一の長辺部分側が挿入保持されるポケット部9を備える。ポケット部9は、第一規制部7から第二規制部8に亘り上下方向に連なって形成されている。また、ポケット部9の左右寸法は、保持体2の左右寸法の半分未満、図示される例では1/8程度に設定されている。
【0034】
ポケット部9は、一方のポケット片部10と、他方のポケット片部11と、を有する。一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とは、上下方向に長い四角形のシート状に形成され、ポケット部9に挿入された保持体2を基準として互いに反対側に位置する。すなわち、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とは、保持体2の一主面である前面と他主面である後面とに重ねられる。一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とは、好ましくは透明または半透明の材質で形成されている。
【0035】
本実施の形態において、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とは、ポケット部9の開口側の端部(
図1中の右端部)10a,11aがポケット部9に対する保持体2の挿入方向である左右方向にずれている。図示される例では、一方のポケット片部10の端部10aよりも他方のポケット片部11の端部11aが左右方向(
図1中の右方向)に延出されている。
【0036】
また、本実施の形態において、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11との少なくともいずれか一方は、第一規制部7側である上側よりも第二規制部8側である下側が、ポケット部9に対する保持体2の挿入方向である左右方向に幅広となっている。図示される例では、一方のポケット片部10および他方のポケット片部11のそれぞれが、上側から下側へと徐々に左右方向に幅広となるように形成されている。
【0037】
さらに、本実施の形態では、
図2に示すように、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とのいずれか一方と一体的に第一規制部7が形成されている。例えば、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とのいずれか一方の一部が他方側に折り込まれて第一規制部7が形成されている。図示される例では、一方のポケット片部10の上端部が他方のポケット片部11側すなわち後側に折り込まれて第一規制部7が形成され、ポケット部9の内部に第一規制部7が位置している。すなわち、一方のポケット片部10の上端部は、第一規制部7と連なる折り返し部となっている。本実施の形態において、一方のポケット片部10の上端部は、他方のポケット片部11側に向かい下方に折り込まれ、さらにその先端部が上方に折り返されて、第一規制部7が前後に二重に形成されている。また、本実施の形態において、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とは、上端部が互いに固着されていない。なお、
図2において、ポケット部9は、説明を明確にするために一方のポケット片部10および他方のポケット片部11を前後に開いて示している。
【0038】
また、本実施の形態では、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11との少なくともいずれか一方と一体的に第二規制部8が形成されている。例えば、ポケット部9の下端部が第二規制部8として形成されている。図示される例では、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11の下端部が互いに固着されて、これら一方のポケット片部10と他方のポケット片部11との固着部分が第二規制部8として機能する。
【0039】
また、
図1に示すように、本実施の形態において、保持体収納具1は、開口部5に挿入されて保持体2の上端部を第一規制部7へとガイドするガイド部12を備える。ガイド部12は、保持体2の開口部5に挿入される先端部側、すなわち第一規制部7側の端部を基端部側としたときこれと対向する位置にある端部側が下方に向かい徐々に細くなるように形成されている。ガイド部12は、当該基端部側から先端部側へと、第二規制部8側に寄るように傾斜状に延びている。また、ガイド部12は、下方に向かって左右方向において第一規制部7から離れる方向に延びている。すなわち、ガイド部12は、先端側ほど上下方向において第二規制部8側に位置する。そのため、ガイド部12の基端部側と第二規制部8との上下の最短距離よりも、ガイド部12の先端部側と第二規制部8との上下の最短距離が短くなっている。ガイド部12は、上下寸法がポケット部9の上下寸法あるいは保持体2の上下寸法の半分未満であり、図示される例では1/4未満に設定されている。
【0040】
図示される例では、ガイド部12は、直線状に延びているが、その機能を充足するものであれば、この形状に限らず、曲線状や円弧状に延びているもの、あるいは屈曲部分を一部に有しているもの等、任意の形状としてよい。また、本実施の形態において、ガイド部12の先端部は、ポケット部9から突出している。すなわち、ガイド部12は、ポケット部9の内部(第一規制部7)からポケット部9の外部に亘り形成されている。さらに、ガイド部12は、左右寸法がポケット部9の左右寸法の2倍程度であり、保持体2の左右寸法の半分未満、図示される例では保持体2の1/4程度に設定されている。
【0041】
ガイド部12は、第一規制部7に連なって延びており、第一規制部7の下端部とガイド部12とが連なる位置が屈曲状の角部14となっている。また、
図2に示すように、本実施の形態において、ガイド部12は、第一規制部7に一体的に形成されている。そのため、ガイド部12は、透明または半透明の材質で形成されている。第一規制部7とガイド部12とにより、フラップ形状(フック形状)が形成されている。本実施の形態において、ガイド部12は、第一規制部7とともに、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とのいずれか一方と一体的に形成されている。例えば、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とのいずれか一方の一部が他方側に折り込まれてガイド部12が第一規制部7と一体的に形成されている。図示される例では、一方のポケット片部10の上端部が他方のポケット片部11側すなわち後側に折り込まれて第一規制部7およびガイド部12が形成されている。
【0042】
そして、本実施の形態では、第一規制部7、第二規制部8、ポケット部9、および、ガイド部12が、一体的に一つの収納ユニット15を構成している。保持体収納具1には、この収納ユニット15が複数設定されている。各収納ユニット15は、取付部16に一体的に形成されており、この取付部16が重ねられて互いに固定されて、収納ユニット15が前後に複数配置された保持体収納具1を一体的に構成している。本実施の形態では、取付部16の両側に収納ユニット15がそれぞれ連接されて見開き状に形成された収納体17が、それぞれの取付部16の位置で互いに重ねられて一体的に固着されてまとめられている。これに限らず、一つの取付部16に対し、3つ以上の収納ユニット15が一体的に形成されていてもよい。なお、収納ユニット15において、ポケット部9およびガイド部12は、それぞれ必須の構成ではない。
【0043】
取付部16は、表紙体18に取り付けられる。つまり、取付部16により、少なくとも第一規制部7および第二規制部8、本実施の形態では第一規制部7、第二規制部8、ポケット部9、および、ガイド部12、すなわち収納ユニット15が、表紙体18側に対して回動可能となるように固定される。
【0044】
図1ないし
図3に示す表紙体18は、保持体2を保護するものである。表紙体18は、背表紙部20と、この背表紙部20に対しヒンジ部21を介して連接する第一表紙部22および第二表紙部23と、を有する。表紙体18は、合成樹脂、あるいは紙等により四角形状に形成されている。
【0045】
背表紙部20は、取付部16が取り付けられる。背表紙部20は、上下に細長い四角形状に形成されている。
【0046】
ヒンジ部21は、表紙体18を
図1に示す見開き状態と
図6および
図7に示す閉じ状態とにするために第一表紙部22および第二表紙部23を背表紙部20に対して折り曲げ可能とする部分である。
【0047】
図1に示すように、第一表紙部22および第二表紙部23は、背表紙部20の左右両側に連接する。第一表紙部22および第二表紙部23は、それぞれ保持体2よりも上下寸法および左右寸法が大きい四角形状に形成されている。第一表紙部22および第二表紙部23は、表紙体18をヒンジ部21から折り畳んだ状態で、保持体収納具1に収納されている保持体2を前後に挟み込んで覆うようになっている。
【0048】
また、本実施の形態において、表紙体18は、第一表紙部22と第二表紙部23とのいずれか一方に対しヒンジ部25を介して連接するフラップ部26と、第一表紙部22と第二表紙部23とを係脱可能な係止部27と、をさらに有する。
【0049】
フラップ部26は、第一表紙部22および第二表紙部23から左右方向に延びている。フラップ部26は、ヒンジ部25から折り返されることで、第一表紙部22と第二表紙部23との他方に重ねられる。本実施の形態では、
図6および
図7に示すように、フラップ部26は、第二表紙部23と連接し、ヒンジ部25から折り返されて第一表紙部22に重ねられる。本実施の形態では、フラップ部26は、第一表紙部22の外側に重ねられる。
【0050】
図1、
図3および
図6に示すように、係止部27は、第一表紙部22と第二表紙部23との少なくともいずれか一方に形成された受け部30と、第一表紙部22と第二表紙部23との他方と一体的に形成された係止片31と、からなる。
【0051】
本実施の形態において、受け部30は、第一表紙部22に形成されている。図示される例では、受け部30は、穴部またはスリット部として形成される係止開口部である。受け部30は、上下方向の中央部に、上下方向に長手状に形成されている。また、受け部30は、ヒンジ部21すなわち背表紙部20から離れた位置にある。
【0052】
係止片31は、受け部30に係止される切片部である。本実施の形態において、係止片31は、フラップ部26のヒンジ部25とは反対側の縁部に形成されている。図示される例では、係止片31は、フラップ部26のヒンジ部25とは反対側の縁部から、ヒンジ部25側に向かって延びている。そのため、
図6に示すように、係止片31は、受け部30に対して背表紙部20から離れる方向に向かい係止される。本実施の形態においては、フラップ部26を第一表紙部22の外側に重ねる構成であるため、係止片31はフラップ部26の内側、つまり第一表紙部22の外側に対向する主面側に形成されているが、フラップ部26を第一表紙部22の内側に重ねる構成の場合には、係止片31はフラップ部26の外側に形成してよい。係止片31の形状は任意としてよいが、本実施の形態では半円状となっている。すなわち、係止片31の外縁は円弧状に形成されている。
【0053】
なお、係止部27は、受け部30を開口部とし、係止片31を切片部とする構成に限らず、受け部30に対して爪状、フック状、ループ状等の係止片31を引っ掛けて係止する構成等でもよい。
【0054】
そして、
図1に示すように、保持体収納具1に対し、一つ以上の保持体2が収納されることで、ファイル35が構成されている。保持体2は、ファイル35において、保持体収納具1のすべての収納ユニット15に収納されていてもよいし、一部の収納ユニット15に保持体2が予め着脱可能に収納され、残りの他の収納ユニット15に汎用のクリアホルダ等の保持体2が着脱可能となっていてもよい。
【0055】
次に、第1の実施の形態の作用を説明する。
【0056】
保持体2を保持体収納具1に収納する場合には、
図1に示すように、保持体収納具1の表紙体18の第一表紙部22と第二表紙部23とを開いて保持体収納具1を見開き状態とし、
図4および
図5(a)に示すように、保持体2の開口部5の一縁部にガイド部12を差し込み、このガイド部12に沿って保持体2を第一規制部7に向かって移動させつつ、
図4および
図5(b)に示すように、第一規制部7側である上端部側を基点として保持体2の下端部側を第二規制部8に接近させるように回動させる。ガイド部12は、保持体2に被収容物6が保持されている場合、被収容物6と保持体2のシート3との間に差し込むことで、被収容物6の角部がステープラやクリップで留められていても差し込みに問題が生じることがない。そして、本実施の形態では、保持体2の一縁部側をポケット部9の一方のポケット片部10と他方のポケット片部11との間に挿入する。
【0057】
この結果、保持体2の開口部5の一縁部が第一規制部7の側部に角部14を超えて回り込んで第一規制部7に左右方向に引っ掛かり、その位置で第二規制部8が保持体2の開口部5とは反対側の端部である下端部に接触して、保持体2の上下方向の位置を規制し、第一規制部7が開口部5の一縁部に引っ掛かった位置に保持体2が保持される。そのため、保持体収納具1に対し保持体2の移動が第一規制部7および第二規制部8によって上下方向および左右方向に規制されることで、保持体収納具1からの保持体2の上下方向および左右方向への脱落が防止され、保持体2が安定的に保持体収納具1に収納保持される。
【0058】
この状態で、保持体2の開口部5は第一規制部7、第二規制部8、および、ポケット部9によって閉塞されることなく開閉できるため、保持体2を保持体収納具1に収納したまま、開口部5から被収容物6を容易に出し入れ可能となる。特に、ポケット部9の一方のポケット片部10と他方のポケット片部11との上端部が固着されずに離れているため、保持体2は開口部5全体を容易に開くことができる。
【0059】
また、複数の保持体2を保持体収納具1に収納している場合には、見開き状態として必要な保持体2つまり被収容物6を容易に探すことができる。
【0060】
さらに、表紙体18の第一表紙部22と第二表紙部23とをヒンジ部21から折り曲げて保持体2に重ねた閉じ状態とし、係止部27によって第一表紙部22と第二表紙部23とを係止することで、
図6および
図7に示すように、保持体収納具1が閉じ状態を維持する。そこで、保持体収納具1を容易に持ち運ぶこと等が可能になる。
【0061】
上記のように、第1の実施の形態の保持体収納具1は、第一規制部7を保持体2の開口部5に挿入して開口部5の一縁部に引っ掛け、保持体2に対し第二規制部8が接触することで保持体2の位置を第一規制部7が引っ掛かる位置に規制することで保持体2を収納保持する。そのため、開口部5を有する汎用の保持体2を使用しつつ、第一規制部7と第二規制部8とにより保持体2を脱落させにくい状態で収納保持できる。しかも、被収容物6を保持した保持体2であっても、被収容物6が収納作業に影響を与えにくく、そのまま保持体収納具1に収納できる。また、保持体2は、第二規制部8との接触を解除することで第一規制部7による引っ掛けを解除でき、保持体収納具1から取り外して使用することが可能になる。このように、本実施の形態によれば、汎用性が高く、使い勝手に優れる保持体収納具1を提供できる。
【0062】
第二規制部8が、保持体2に対し開口部5から離れた位置で接触するため、保持体収納具1に収納された保持体2は、開口部5に第一規制部7が引っ掛けられているのみであり、開口部5から被収容物6を容易に出し入れできる。
【0063】
保持体2の一縁部側を挿入保持するポケット部9を備えることで、保持体2に対する開口部5からの被収容物6の出し入れをポケット部9によって妨げることなく、保持体2を保持体収納具1に対し、より確実に収納保持しておくことができる。
【0064】
ポケット部9の一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とのポケット部9の開口側の端部10a,11aが、ポケット部9に対する保持体2の挿入方向にずれているため、保持体2の一縁部側をポケット部9に挿入する際に、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11との間に保持体2を挿入しやすくなる。
【0065】
第一規制部7を一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とのいずれか一方と一体的に形成することで、これらを別個に形成するよりも製造性が良好である。
【0066】
第一規制部7を、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とのいずれか一方の一部を他方側に折り込んで形成することで、第一規制部7を容易に形成できる。また、第一規制部7が折り込まれた応力によって、ポケット部9において一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とが接近した状態が維持されるため、ポケット部9の開口が経時的に開くことを抑制でき、ポケット部9に保持体2の一縁部側を確実に収納保持できる。
【0067】
しかも、一方のポケット片部10と他方のポケット片部11とのいずれか一方の第一規制部7と連なる上端部が、保持体2を収納するために回動させる際の基点となることで、保持体2の開口部5の一縁部を第一規制部7に引っ掛け第二規制部8に接触させる作業が容易になる。
【0068】
第二規制部8を一方のポケット片部10と他方のポケット片部11との少なくともいずれか一方と一体的に形成することで、これらを別個に形成するよりも製造性が良好である。
【0069】
一方のポケット片部10と他方のポケット片部11との少なくともいずれか一方を、第一規制部7側である上側よりも第二規制部8側である下側でポケット部9に対する保持体2の挿入方向に幅広とすることで、第一規制部7を保持体2の開口部5の一縁部に引っ掛けやすくしつつ、第二規制部8に規制された保持体2の端部側をポケット部9に確実に収納保持できる。特に、本実施の形態では、第一規制部7側すなわち開口部5側を基点として保持体2の下端部側を第二規制部8側へと回動させて保持体2を保持体収納具1に収納するため、その回動を一方のポケット片部10あるいは他方のポケット片部11と保持体2の開口部5側との摩擦や摺動抵抗によって妨げにくくしつつ、保持体2の第二規制部8側についてはポケット部9に確実に収納保持できる。
【0070】
開口部5に挿入されて保持体2を第一規制部7へとガイドするガイド部12を備えることで、ガイド部12に沿って保持体2の開口部5側を容易に第一規制部7へと導くことができる。
【0071】
ガイド部12の先端部側をポケット部9から突出させることで、保持体2の開口部5に対してガイド部12を容易に挿入できるとともに、ガイド部12に沿って保持体2をガイド部12の先端部側から基端部側へと移動させることで、ポケット部9および基端部側の第一規制部7へと保持体2の一縁部を容易に導くことができる。
【0072】
ガイド部12が第一規制部7側から第二規制部8側に傾斜状に延びていることで、保持体2の開口部5側をガイド部12に沿わせると、保持体2が傾斜状となるので、開口部5側を基点として保持体2の下端部側を第二規制部8へと回動させるという保持体2の一連の収納動作を容易に行うことができるとともに、保持体2を回動させたときに開口部5の一縁部を第一規制部7の側部に容易に回り込ませることができる。
【0073】
表紙体18側に少なくとも第一規制部7および第二規制部8を取付部16により取り付けることで、収納した保持体2を表紙体18によって保護できる。
【0074】
背表紙部20に対してヒンジ部21により連接する第一表紙部22と第二表紙部23とを係止部27によって係脱可能とすることで、保持体収納具1を見開き状態と閉じ状態とにすることができる。そのため、保持体収納具1を見開き状態とすれば保持体2および被収容物6を探しやすくすることができるとともに、保持体収納具1を閉じ状態とすれば持ち運び等が容易になる。
【0075】
また、係止部27の係止片31が受け部30に対して背表紙部20から離れる方向に向かって係止されているので、第一表紙部22、第二表紙部23がヒンジ部21から回動して表紙体18が見開き状態に復帰しようとすると、係止片31の受け部30への掛かりがより大きくなる。そのため、多数の保持体2を収納した場合等、表紙体18がヒンジ部21から復帰変形しようとする際の応力によって係止部27が容易に外れてしまうことがなく、保持体収納具1を閉じ状態に維持できる。
【0076】
さらに、収納ユニット15が透明または半透明な材質で形成されているため、収納した保持体2に保持された被収容物6が収納ユニット15によって見えにくくなりにくい。そのため、保持体2に保持された被収容物6を容易に見つけ出すことができる。
【0077】
そして、上記の保持体収納具1に保持体2を収納したファイル35を構成することで、多数の被収容物6を保持体2とともに収納しつつ、必要に応じて見開き状態として被収容物6を容易に探すことができ、かつ、収納された保持体2に対して被収容物6を出し入れしやすい、使い勝手が良好なファイル35を提供できる。
【0078】
保持体2の少なくとも一部を透明または半透明な材質で形成することで、複数の保持体2を保持体収納具1に収納していても、保持体2に保持された被収容物6を容易に見つけ出すことができる。
【0079】
保持体2を汎用のクリアホルダとすることで、必要に応じて汎用の保持体2を保持体収納具1に追加したり、保持体収納具1から保持体2を取り外して個別に使用したりできる。
【0080】
なお、第1の実施の形態において、取付部16は表紙体18に対して着脱可能でもよい。取付部16を表紙体18に対して着脱可能とする構成は任意に形成してよいが、一例として、
図8に示す第2の実施の形態のように、取付部16と表紙体18の背表紙部20とに単数または複数の穴部40,41を形成し、これら穴部40,41に挿入される突起部42を有する一の取付体43と、突起部42を受ける突起受け部45を有する他の取付体46と、を用いて、取付部16と表紙体18とを一の取付体43と他の取付体46とで一体的に挟み込んで固定する構成等としてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 保持体収納具
2 保持体
5 開口部
6 被収容物
7 第一規制部
8 第二規制部
9 ポケット部
10 一方のポケット片部
10a,11a 端部
11 他方のポケット片部
12 ガイド部
16 取付部
18 表紙体
20 背表紙部
21 ヒンジ部
22 第一表紙部
23 第二表紙部
27 係止部
30 受け部
31 係止片
35 ファイル