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特開2023-132576商品処理装置、コンピュータプログラム、及び計量装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132576
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】商品処理装置、コンピュータプログラム、及び計量装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20230914BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20230914BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
G07G1/00 331C
G07G1/12 361E
G07G1/12 321K
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037980
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬行
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142CA12
3E142DA04
3E142DA07
3E142DA08
3E142EA04
3E142FA27
3E142FA31
3E142FA41
3E142FA42
3E142GA02
3E142GA03
3E142GA04
3E142GA32
3E142GA41
3E142JA01
3E142JA02
(57)【要約】
【課題】量り売り商品の値引きを可能とすることにより、量り売り商品の販売促進を図る。
【解決手段】POS端末1Bは、複数の量り売り商品の組み合わせと、当該組み合わせのうち、一または複数の量り売り商品の商品重量を合計した合計重量とで定められた値引き条件が設定された所定の量り売り商品が買上対象商品として登録されたか否かを判定する第一判定処理部と、所定の値引き条件が設定された量り売り商品であって、買上対象商品として登録された量り売り商品の商品重量を合計した合計重量が所定重量を超えるか否かを判定する第二判定処理部と、合計重量が所定の値引き条件で定められた所定重量を超える場合に、所定の量り売り商品の販売価格の値引きを行う会計処理部とを有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の量り売り商品の組み合わせと、当該組み合わせのうち、一または複数の量り売り商品の商品重量を合計した合計重量とで定められた値引き条件が設定された所定の量り売り商品が買上対象商品として登録されたか否かを判定する第一判定処理部と、
前記所定の値引き条件が設定された量り売り商品であって、前記買上対象商品として登録された前記量り売り商品の商品重量を合計した合計重量が所定重量を超えるか否かを判定する第二判定処理部と、
前記合計重量が前記所定の値引き条件で定められた所定重量を超える場合に、前記所定の量り売り商品の販売価格の値引きを行う会計処理部と、を有する、
商品処理装置。
【請求項2】
自装置が有する計量部又は外部接続された計量部から前記商品重量を取得する第一重量情報取得部、をさらに有する、
請求項1記載の商品処理装置。
【請求項3】
置数入力により前記商品重量取得する第二重量情報取得部、をさらに有する、
請求項1記載の商品処理装置。
【請求項4】
前記量り売り商品のシンボルコードから、コード化された前記量り売り商品の販売価格を取得すると共に、前記量り売り商品の単価情報に基づき、前記販売価格を単価で除算することにより前記商品重量を取得する第三重量情報取得部、をさらに有する、
請求項1記載の商品処理装置。
【請求項5】
前記量り売り商品のシンボルコードから、コード化された前記量り売り商品の商品重量を取得する第四重量情報取得部、をさらに有する、
請求項1記載の商品処理装置。
【請求項6】
前記選択された量り売り商品の個体識別情報に基づき、所定の記憶手段を参照して、当該個体識別情報に関連付けられた前記商品重量を取得する第五重量情報取得部、をさらに有する、
請求項1記載の商品処理装置。
【請求項7】
前記値引き条件が設定された量り売り商品が買上対象商品として登録されると、他に買上対象商品として登録された商品とは異なる態様で前記値引き条件が設定された量り売り商品を表示する第一表示部、をさらに有する、
請求項1乃至6いずれかの項に記載の商品処理装置。
【請求項8】
前記値引き条件が設定された量り売り商品が買上対象商品として登録されると、前記所定の値引き条件及び/又は前記所定の値引き条件の成立に必要な条件を表示する第二表示部、をさらに有する、
請求項1乃至7いずれかの項に記載の商品処理装置。
【請求項9】
コンピュータに対し、
一又は複数の量り売り商品の組み合わせと、当該組み合わせを構成する量り売り商品の商品重量を合計した合計重量とで定められた値引き条件が設定された所定の量り売り商品が買上対象商品として登録されたか否かを判定する第一判定処理と、
前記所定の値引き条件が設定された量り売り商品であって、前記買上対象商品として登録された前記量り売り商品の商品重量を合計した合計重量が所定重量を超えるか否かを判定する第二判定処理と、
前記合計重量が前記所定の値引き条件で定められた所定重量を超える場合に、前記所定の量り売り商品の販売価格の値引きを行う会計処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【請求項10】
計量対象として量り売り商品の指定入力を受け付ける受付部と、
前記量り売り商品を計量する計量部と、
指定入力された前記量り売り商品について、計量値に基づいた販売価格を算出する算出処理部と、
一又は複数の量り売り商品の組み合わせと、当該組み合わせを構成する量り売り商品の商品重量を合計した合計重量とで定められた所定の値引き条件に基づき、当該値引き条件の成立によって前記販売価格の値引きを行う会計処理部と、
前記計量対象として受け付けた量り売り商品と共に前記値引き条件を構成する他の量り売り商品を通知する通知部と、を有する、
計量装置。
【請求項11】
前記通知部はさらに、前記所定の値引き条件及び/又は前記所定の値引き条件の成立に必要な条件を通知する、
請求項10記載の計量装置。
【請求項12】
前記所定の値引き条件が設定された量り売り商品の場合は、販売価格が算出されたときに会計用の媒体を発行し、前記所定の値引き条件が設定されていない商品の場合は、販売価格が算出されたときに会計用の媒体を発行しない、
請求項10又は11記載の計量装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量り売り商品の値引きを行う商品処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特定商品のうちの一定数の商品の購入に対して値引きを行うミックスマッチや、特定商品の組み合わせに対して値引きを行うセットマッチなど、商品の個数に基づいた販促が行われてきた。
一方、近時は、特許文献1の例に示される量り売りが見直されてきており、量り売りにおいても新たな販促方法の提案が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-241342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明は、量り売り商品の値引きを可能とすることにより、量り売り商品の販売促進を図ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品処理装置は、複数の量り売り商品の組み合わせと、当該組み合わせのうち、一または複数の量り売り商品の商品重量を合計した合計重量とで定められた値引き条件が設定された所定の量り売り商品が買上対象商品として登録されたか否かを判定する第一判定処理部と、前記所定の値引き条件が設定された量り売り商品であって、前記買上対象商品として登録された前記量り売り商品の商品重量を合計した合計重量が所定重量を超えるか否かを判定する第二判定処理部と、前記合計重量が所定重量を超える場合に、前記所定の量り売り商品の販売価格の値引きを行う会計処理部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の実施例1に係る商品処理装置を構成するPOSシステム及びPOS端末の機能構成を示した機能ブロック図である。
図2】POS端末の外観構成を示した図であって、(a)斜視図、(b)正面図、(c)背面図、(d)平面図、(e)底面図、(f)右側面図、(g)左側面図、である。
図3】値引き条件の一例を示した図である。
図4】値引きの適用例を示した図である。
図5】値引き条件の他の一例を示した図である。
図6】値引きの適用例を示した図である。
図7】商品の精算後に発行されるレシートの一例を示した図である。
図8】POS端末における商品の登録処理の流れを示した処理フロー図である。
図9】POS端末上に表示される画面の一例を示した図である。
図10】POS端末上に表示される画面の一例を示した図である。
図11】本発明の実施例2に係る商品処理装置を構成するPOSシステム及びラベル発行装置の機能構成を示した機能ブロック図である。
図12】ラベル発行装置によって発行される合計ラベルの一例を示した図である。
図13】ラベル発行装置によって発行されるプライスラベルの一例を示した図である。
図14】ラベル発行装置におけるラベル発行処理の流れを示した処理フロー図である。
図15】本発明の実施例3に係る商品処理装置を構成するPOSシステム及びPOS端末の機能構成を示した機能ブロック図である。
図16】POS端末における商品の登録処理の流れを示した処理フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
●概要
以下、本発明の実施形態に係る商品処理装置について、図を参照して説明する。
本実施形態に係る商品処理装置は、量り売り商品の販売において、複数の量り売り商品の商品重量を合計した合計重量に応じて値引きを行う装置である。
【0008】
この商品処理装置は、ドライフルーツやナッツ、豆類といった食品など、量り売りされる商品の販売に好適に用いられる。ただし、このことは量り売りされないような商品の取り扱いを妨げるものではない。
【0009】
また、量り売り商品の販売においては、量り売り商品を容器に詰めて顧客に提供するところ、容器は、量り売り商品と共に顧客に譲り渡すもの、顧客に貸し出すもの、あるいは顧客が所持するもの(「マイ容器」などと称されることがある)が適宜に用いられる。
量り売り商品の商品重量を計量する場合、容器重量を差し引く風袋引きを行う。風袋引きは例えば、予め容器の風袋重量を計量装置等に登録しておいて量り売り商品の計量値から差し引くようにしたり、都度、容器の風袋重量を計って商品の計量値から差し引くようにしたりできる。また、風袋重量を記録したRFIDタグやコード化したシンボルコード(バーコードなど)を印刷したラベル等を容器に取り付けておき、当該RFIDタグやシンボルコード等を読み込むことによって容器の風袋重量を取得することもできる。
【実施例0010】
図1は、本発明の実施例1に係るPOSシステム1Aのネットワーク構成及び機能構成を示した図である。POSシステム1Aは、POS端末1BとストアコントローラSC(ストアコンピュータ、管理装置とも称される)を備え、それぞれはLANや専用回線を介して通信可能に接続されている。
【0011】
ここで、POSシステム1A又はPOS端末1Bは、本発明に係る商品処理装置を構成する。即ち、POSシステム1Aは、本発明に係る商品処理装置の機能実行に必要な機能部をストアコントローラSCやPOS端末1Bに分散保持させたシステムとして実現されたものであり、POS端末1Bは、本発明に係る商品処理装置の機能実行に必要な機能部が集約された装置として実現したものである。
【0012】
POS端末1Bは、後述のとおり、量り売り商品を含む各種の買上対象商品を登録し、登録された買上対象商品の会計を実行する装置である。本実施例に係るPOS端末1Bは、所謂計量機能付きPOS端末であり、容器等に入れられた量り売り商品について、自ら風袋引き処理をして商品重量に応じた価格を算出して量り売り商品を登録することができる。
【0013】
ストアコントローラSCは、顧客管理や発注管理等の基幹業務を担う上位の装置である。このストアコントローラSCは、各業務に応じて複数のサーバ装置で構成されていてもよいし、クラウドサーバとして構成されているものであってもよい。また、ここでいうストアコントローラSCはその名称を問わず、ストアサーバ等、他のいかなるサーバによっても構成し得る。
【0014】
本実施例のようにPOSシステム1AとしてストアコントローラSCを有する場合には例えば、ストアコントローラSCで後述する商品マスタや特売マスタなどを管理しておき、POS端末1Bは、ストアコントローラSCの商品マスタを参照して商品の登録処理を実行できる。
一方、ストアコントローラSCがない場合には例えば、POS端末1Bを複数設け、一のPOS端末1BにストアコントローラSCの機能を備えさせると共に、ストアコントローラSCの機能を兼任するPOS端末1Bにマスタ管理を実行させ、他のPOS端末1Bとデータ連携させることもできる。また他の例では、各POS端末1Bが個々にマスタ管理を行うように運用することもできる。
【0015】
●POS端末1B(商品処理装置)のハードウェア構成
図2は、POS端末1Bの一例を示している。
POS端末1Bは、店員が情報の入出力を行う店員側表示部11、顧客が情報の入出力(出力だけであってもよい)を行う顧客側表示部12、コード読取部13、タグ読取部14、及び計量部15を備える。このPOS端末1Bは外観上、略直方体状のコンパクトな装置として構成されており、裏面の四隅に設けられた脚部により店舗内のカウンター上等に載置できるようになっている。
【0016】
また、店員側表示部11と顧客側表示部12は反対向きに画面を向けており、店員が顧客と相対する位置に立って応対できるようになっている。なお、店員側表示部11と顧客側表示部12の画面はいずれも斜め上方に向けられ、店員や顧客が上方から見下ろした時に視認しやすいようになっている。もっとも、タッチパネルで構成される店員側表示部11の画面は顧客側表示部12の画面に比して、より上方に向けられており、店員がタッチ操作しやすいようになっている。
【0017】
なお、POS端末1Bには、バーコードや二次元コード等のシンボルコードを読み取るスキャナやカメラで実現されるコード読取部13、RFIDタグから格納されている情報を読み取るタグ読取部14などを接続できるようになっており、これらコード読取部13やタグ読取部14は店舗における運用次第で接続される。本実施形態では、POS端末1Bがこのようなコード読取部13やタグ読取部14を備えている場合を例にとって説明するが、本実施例ではこれらコード読取部13やタグ読取部14を備えなくともよい。
【0018】
図1に示されるように、POS端末1Bは、CPU(Central Processing Unit)101などの演算装置、RAM(Random Access Memory)102やROM(Read Only Memory)103などの記憶装置を有しており、インターフェース回路104を介して、店員側表示部11、顧客側表示部12、コード読取部13、タグ読取部14、及び計量部15に接続している。
【0019】
CPU101は、中央演算処理装置であり、ROM102に記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、POS端末1Bの動作を制御する。
ROM102は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU101が利用する各種の情報を記憶する。
RAM103は、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM103は、外部から取得した情報(例えば、ストアコントローラSCが商品マスタ等を保持する場合には当該ストアコントローラSCから取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報を記憶する。この情報は例えば、商品を登録する登録処理において生成した登録情報(登録データ)や、登録した買上対象商品を精算(決済)する精算処理において生成した精算情報などである。
【0020】
店員側表示部11は、タッチパネル式ディスプレイで構成され、店員が各種の情報を入力する入力手段及び出力する出力手段を構成する。この店員側表示部11により、店員は買上対象商品の登録状況を確認したり、買上対象商品の登録操作を実行したりする。
なお、本実施形態にかかわらず、店員側表示部11は物理的なメカキーやスイッチといった入力手段を兼ね備えていてもよいし、物理的なメカキーと液晶ディスプレイといったように、入力手段と出力手段が別々に構成されていてもよい。
【0021】
顧客側表示部12は、タッチパネル式ディスプレイで構成され、客が各種の情報を入力する入力手段及び出力する出力手段を構成する。この顧客側表示部12により、顧客は登録された商品を確認したり、必要に応じて買上対象商品に対する承認操作等を実行したりする。
なお、顧客に情報の入力操作を要求しないでよい場合には、顧客側表示部12は、情報の出力のみが可能な液晶パネル等によって構成してもよい。
また、顧客側表示部12も店員側表示部11と同様、物理的なメカキーやスイッチといった入力手段を兼ね備えていてもよいし、物理的なメカキーと液晶ディスプレイといったように、入力手段と出力手段が別々に構成されていてもよい。
【0022】
コード読取部13は、バーコードや二次元コード等のシンボルコードにコード化された識別子から各種のデータを読み取るための機能部であって、ハンディスキャナやCCDカメラ等によって実現される。なお、図2の例ではコード読取部13の図示を省略しているが、所定のケーブルによって接続して設けることもできるし、筐体の所定の部分に一体的に設けることもできる。
このコード読取部13により、例えば商品に対して発行されたプライスラベル上のシンボルコードを読み取り、コード化されていた情報を取得できる。また、コード読取部13をCCDカメラによって実現する場合には、オブジェクトスキャンも可能である。
【0023】
タグ読取部14は例えば、量り売り商品に付される容器にRFIDタグが付される場合に、当該RFIDタグに格納されている情報を取得する機能部である。このようなRFIDタグには例えば、容器の風袋重量や、後述する容器種別に係る情報などが格納される。なお、コード読取部13と同様、図2の例ではタグ読取部14の図示を省略しているが、所定のケーブルによって接続して設けることもできるし、筐体の所定の部分に一体的に設けることもできる。
【0024】
計量部15は、店員側表示部11と顧客側表示部12の間に設けられ、量り売り商品や容器など、所定の載置面に載置された被計量物の重量を計量する。
この計量部15は、載置面に載せられた被計量物を例えばロードセルによる重量検出方式で計量する。詳細には、計量部15は重量検出部とAD変換機によって構成され、A/D変換機が重量検出部から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。これにより、容器に入れられた量り売り商品について、風袋重量の参照値を参照して計量結果から風袋引き処理を行い、店員側表示部11や顧客側表示部12に内容物たる量り売り商品の重量を表示することができる。
【0025】
●POS端末1B(商品処理装置)のソフトウェア構成
POS端末1Bは、制御部100によって実行されるソフトウェア資源として、少なくとも、会員マスタ、商品マスタ、特売マスタ、登録処理部、受付処理部、重量情報取得部、判定処理部、会計処理部、表示処理部、通知処理部からなる機能ブロックを構成する。
【0026】
なお、制御部100によって実行されるコンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
また、本実施例に係る商品処理装置をPOSシステム1Aとして実現する場合には、POSシステム1Aを構成する複数のハードウェア資源に各機能部が分散して備えられていてもよい。
【0027】
会員マスタは、会員顧客に関する情報を記憶した記憶部である。
この会員マスタに記憶されるデータ項目には例えば、顧客を識別する会員番号、顧客の氏名や連絡先といった個人情報が含まれる。
会員番号は、会員顧客を識別する顧客識別情報の一例である。この会員番号は、会員カードや、顧客が所持する携帯端末上に展開されるアプリケーションソフトウェアによって店舗側に提示される。なお、会員番号は、英数字や記号等、各種の文字あるいはその組み合わせによって構成することができ、顧客を一意に特定できるように構成されていればよい。
【0028】
商品マスタは、商品に関する情報を記憶している。
この商品マスタに記憶されるデータ項目には例えば、JANコード等で構成される商品識別情報、商品名、計量区分、単価、単位重量が含まれる。
【0029】
計量区分は、計量に関する区分であり、不定貫、定貫、定額といった区分がある。
不定貫の計量区分に分類される商品(量り売り商品)は、予め設定した単位重量(例えば「100g」)当りの単価と、販売する重量(計量値)とに基づいて販売価格が決定される。
定貫の計量区分に分類される商品は、予め設定した単位数量(例えば「1個」)当りの単価と、単位重量から換算される販売数量とに基づいて販売価格が決定される。計量区分が定貫の商品については、商品の単位重量(単位数量である1個の重量)と計量値とから当該商品の数量を算出し、算出した当該商品の数量と単位数量当りの単価とから販売価格が決定されるため、計量が必要となる。
定額の計量区分に分類される商品は、予め設定した単位数量(例えば「1個」)当りの単価と、置数入力される販売数量とに基づいて販売価格が決定される。計量区分が定額の商品については、重量とは無関係に置数により販売数量が決定されるため、計量は不要である。
【0030】
特売マスタは、事前に登録された、特定の量り売り商品に対する値引き条件を記憶している。
値引き条件は、所定の量り売り商品について正規の販売価格から値引きを行うための条件である。本実施例において、この値引き条件は、一又は複数の量り売り商品(不定貫商品)の組み合わせと、組み合わせを構成する各量り売り商品の商品重量を合計した合計重量によって構成される。
なお、以下の説明においては、値引き条件が設定された量り売り商品を「値引き対象商品と」と称することがある。
【0031】
具体的には、図3の例に示されるように、ミックスマッチまたは、セットマッチで重量による値割引を行う企画コードを設定し、該企画コードごとにミックスマッチあるいはセットマッチ(区分)を決めた上で、対象商品の商品コード等(PLUコード)を設定し、重量値割引の条件である購入重量、該購入重量以上を購入した際に実行する値割引を設定する。値引きは例えば、100円などの具体的な金額や、割引20%といった値引き率等を適宜設定できる。
なお、特売マスタには、複数の企画を登録することができる。また、図3の例にかかわらず、企画が適用される適用期間なども登録できる。また、図示の例にかかわらず、一の値引き条件を構成する商品は一品のみとし、値引き条件を当該一品の商品の重量のみで構成することもできる。
【0032】
・値引き条件と適用の例
<各量り売り商品に同一の値引き率が設定されている例>
ここで、値引き条件と当該値引き条件によって値引きが適用される場合の一例について図3及び図4を参照して説明する。
図3の例は、特定の商品(食品A、食品C、食品F)のうちの複数を組み合わせたミックスマッチにより、商品の合計重量が800gを超えた場合に20%の値引きが行われるという値引き条件を示している。
【0033】
図中、「区分」はミックスマッチあるいはセットマッチの別を示している。ミックスマッチは、特定商品のうちの一定数の商品の購入に対して値引きを行うものであり、セットマッチは、特定商品の組み合わせに対して値引きを行うものである。
「品番」、「品名」は、ミックスマッチあるいはセットマッチの対象となる商品の識別情報である。ミックスマッチの場合は、対象の商品が複数、買上対象として登録されれば、2品あるいは3品など数量はいくつであってもよく、複数の商品の種類も同一であってもよいし、異なっていてもよい。セットマッチの場合は、対象の商品が全て買上対象として登録されることで、値引きの対象となる。
「g単価」は、品目ごとに異なる場合があってもよいし、同じ場合があってもよい。
「重量」は、値引きが可能となる販売対象の量り売り商品の合計重量を示しており、合計重量が所定重量以上であれば値引きが受けられる。
「値引き」は、値引き条件を満たす場合に、量り売り商品の正規の合計金額に対して適用される値引き率を示している。
【0034】
図4は、図3に示した値引き条件が適用されるケースの一例を示している。
図4(a)に示すパターン1の例では、ミックスマッチの適用がある食品A、食品C、食品Fという3種類の食品が買上対象となっており、それぞれの商品重量の合計重量がちょうど800gになっている。これにより、値引き条件を満たしていることから各食品の価格について20%の値引きが受けられ、正規の販売価格であれば「1,031円」となるところ、実際の販売価格は値引き後の「825円」となる。
【0035】
図4(b)に示すパターン2の例では、ミックスマッチの適用がある食品A、食品Fという2種類の食品が買上対象となっており、それぞれの商品重量の合計重量が800gになっている。これにより、値引き条件を満たしていることから各食品の価格について20%の値引きが受けられ、正規の販売価格であれば「884円」となるところ、実際の販売価格は値引き後の「708円」となる。
なお、図4の例では、価格の算出にあたって小数点以下を切り捨てているが、この点は運用如何によって適宜なものとすることができる。
【0036】
<量り売り商品ごとに値引き率が設定されている例>
図5の例は、特定の商品(食品A、食品C、食品F)のうちの複数を組み合わせたミックスマッチにより、量り売り商品の合計重量が800gを超えた場合に、量り売り商品ごとに予め設定された値引き率(食品Aについては10%引き、食品Cについては10%引き、食品Fついては15%引き)による値引きが行われるという値引き条件を示している。
【0037】
図中、「区分」、「品番」、「品名」、「g単価」、「重量」の各項目は図3を参照して上述したのと同様である。
「値引き」は、値引き条件を満たす場合に、各量り売り商品の販売価格に対して適用される値引き率を示している。なお、量り売り商品の値引き率は、量り売り商品ごとに異なるものであってもよいし、同じであってもよい。
【0038】
図6は、図5に示した値引き条件が適用されるケースの一例を示している。
図6(a)に示すパターン3の例では、ミックスマッチの適用がある食品A、食品C、食品Fという3種類の食品が買上対象となっており、それぞれの商品重量の合計重量がちょうど800gになっている。これにより、値引き条件を満たしていることから、食品Aについては10%、食品Cについては10%、食品Fについては15%の値引きが受けられ、正規の販売価格であれば「1,031円」となるところ、実際の販売価格は値引き後の「897円」となる。
【0039】
図6(b)に示すパターン4の例では、ミックスマッチの適用がある食品A、食品Fという2種類の食品が買上対象となっており、それぞれの商品重量の合計重量が900gになっている。これにより、値引き条件を満たしていることから食品Aについては10%、食品Fについては15%の値引きが受けられ、正規の販売価格であれば「1,252円」となるところ、実際の販売価格は値引き後の「1,090円」となる。
なお、図6の例においても、価格の算出にあたって小数点以下を切り捨てているが、この点は運用如何によって適宜なものとすることができる。
【0040】
なお、量り売り商品を入れる容器を顧客に提供する場合には、当該容器の風袋重量について管理マスタを設けて管理してもよい。
この場合、管理マスタには例えば、容器を識別する管理番号に関連付けて、風袋引き処理において参照される風袋重量、容器種別を記憶しておく。なお、これらの項目、とりわけ風袋重量と容器種別に係る情報は必ずしもは全て管理マスタに記憶しておかなくてもよく、これらの項目の一部または全てを容器にバーコードやRFIDタグの形態で付けておくのみで運用することも可能である。この場合、POS端末1Bが備えるタグ読取部14やコード読取部13等を適宜に用いて、あるいは店員や顧客が視認して容器から情報を取得することができる。
【0041】
登録処理部は、顧客に販売する商品の登録処理を実行する。
登録処理部は、一会計の中で精算すべき全ての商品を買上対象商品として登録し、登録データは精算処理の際の参照データとなる。
なお、登録処理部は、登録した買上対象商品のキャンセル操作を受け付けることもでき、この場合には該当する商品等を登録データから削除する。
【0042】
受付処理部は、店員側表示部11上に表示された所定の入力画面を介して、店員から各種の情報の入力を受け付ける。
この受付処理部は例えば、商品種別の選択入力や会計操作等の操作を受け付ける。
【0043】
重量情報取得部は、買上対象の量り売り商品の重量情報として商品重量を取得する。
本実施例において、重量情報の取得は、量り売り商品の販売態様によって以下の例に係る態様がある。
【0044】
・重量情報の取得例
<第一の態様:計量部15による計量値を取得する例(第一重量情報取得部)>
この例では、POS端末1Bが備える計量部15により、量り売り商品を計量し、量り売り商品の商品重量として計量値を取得する。
なお、本例において、計量値は、POS端末1B自らが備える計量部15によらず、POS端末1Bにネットワーク等を介して外部接続された計量部(計量装置)から取得することもできる。
【0045】
<第二の態様:置数入力により取得する例(第二重量情報取得部)>
この例では、データの入力手段を構成する店員側表示部11や顧客側表示部12、あるいは別途設けたメカキー等により、置数として量り売り商品の商品重量の入力を受け付け、これにより商品重量を取得する。
なお、各量り売り商品の商品重量のみならず、各量り売り商品のg単価が同じであれば商品重量を合計した合計重量についても同様に置数入力により取得することもできる。
【0046】
判定処理部は、買上対象商品の種類とその重量に基づいて、値引き条件を満たすか否かの判定処理を行う。この判定処理部は、値引き条件で定められている特定の量り売り商品が買上対象商品として登録されたか否かを判定する第一判定処理部と、値引き対象商品であって、買上対象商品として登録された量り売り商品の商品重量を合計した合計重量が所定重量を超えるか否かを判定する第二判定処理部とによって構成される。
【0047】
会計処理部は、買上対象商品の会計処理を実行する。
具体的に会計処理部は、第一の会計処理として、登録処理部によって登録された買上対象商品について合計額を算出した上、消費税等の税金を加算して会計額を算出する。この際、買上対象商品が量り売り商品である場合には、計量値として取得された商品重量に基づいて当該量り売り商品の販売価格を算出する。
また、会計処理部は、第二の会計処理として、判定処理部による判定処理の結果、量り売り商品が所定の値引き条件を満たす場合には当該量り売り商品の販売価格に対して所定の値引きを適用し、値引き後の販売価格に基づいて買上対象商品の合計額を算出する。
なお、本実施例においては、登録された買上対象商品が値引き条件を満たす場合には、会計処理部により対象の量り売り商品に対して所定の値引きが行われるが、これにかかわらず、会計額の算出の際、値引き条件が成立していることをPOS端末1B上で通知し、店員等が所定の値引き率や値引き額を置数入力するなどして値引きを行うこともできる。
【0048】
表示処理部は店員側表示部11や顧客側表示部12に対し、商品の登録データ等の各種の情報を表示させたり、商品の入力を受け付けるための受付画面を表示させたりする。
例えば、店員の操作により、商品種別の入力が要求されたとき、商品種別の入力を受け付ける受付画面を店員側表示部11上に表示する。また、全ての買上対象商品の登録状況を顧客側表示部12上に表示する。
【0049】
通知処理部は、買上対象商品の登録時において、商品マスタを参照して、所定の値引き条件を満たすことで値引きが受けられる特定の量り売り商品が登録された場合、値引き条件の成立状況を通知する。即ち、所定の量り売り商品の登録により、値引き条件が成立した場合には、値引き条件が成立した旨の通知を行う。また、値引き条件が設定されている量り売り商品が登録されたものの、値引き条件がいまだ成立していない場合には、当該登録された量り売り商品に設置されている値引き条件、値引き条件成立のために必要な重量(合計重量や合計重量に必要な残り重量)や買上対象商品の種類、あるいは値引き条件成立時の値引き率や値引き額といった情報を通知する。これらの情報は、いずれか、又はいずれかの組み合わせ、あるいは全てを通してもよく、任意に運用できる。この通知処理部は、値引き条件の一部が満たされるごとに、値引き条件を満たすために必要な情報を更新して通知する。これにより、顧客や店員は、買い上げ対象商品の登録状況に応じて、値引きが受けられる状態になったことや、値引きに必要な量り売り商品や重量を知ることができる。
【0050】
なお、通知処理部による通知の仕方は特に限定されないが、例えば、POS端末1Bの画面上における文言やアイコン等による顧客あるいは店員向けの表示、音声によるアナウンス、別途設けたランプの点灯などであり、商品登録状況に応じた値引き状況を把握できるような通知又は報知であればよい。
また、通知処理部による通知、例えば画面上におけるメッセージは、少なくとも値引き条件が設定された量り売り商品が登録されてこれにより通知する内容がある限り、商品の登録から小計操作後、次の客の商品登録処理が実行されるまでの間、表示しておくことができる。
【0051】
なお、POS端末1Bにおいて会計額が確定すると、会計情報に基づいて精算処理が行われる。精算処理は、POS端末1B自身が精算のための機構や機能部を有している場合(物理的に一体であるか別体であるかは問わない)には当該POS端末1Bが実行してもよいし、POS端末1Bから会計情報を取得した他の装置であって、精算のための機構や機能部を有する装置が実行してもよい。精算のための機構や機能部は、現金支払いや所定の決済媒体又はコードを利用した決済、レシートを発行する印刷部などによって構成される。
【0052】
・レシートの例
ここで精算後に発行されるレシートの一例を図7に示す。
図7に示すレシートは、量り売り商品について値引きが行われた場合のレシートである。レシートには、買上商品の品名や価格、買上商品の合計点数と合計額などが印刷されている。
このレシートの会計では、量り売り商品が値引き条件を満たして値引きが行われたため、値引きの対象となった量り売り商品の下段に値引きが行われたことを示す「M重割」の表示と、所定の値引き率を適用することで受けられた値引き額「¥113」が印刷されている。
【0053】
●POS端末1Bによる処理フロー
続いて、本実施形態に係る商品処理装置を構成するPOS端末1Bを用いて商品を販売する際の流れと共に、当該POS端末1Bによって実行される処理について図8を参照して説明する。
なお、商品登録の前や途中、あるいは商品登録後において、各種の方法により顧客の会員番号の入力を受け付けることができる。例えば、会員顧客に提供されている会員カードに印字されたバーコード、会員顧客が所持する携帯端末にインストールされているアプリケーションソフトウェア上に展開されたバーコードとしてコード化された会員番号をコード読取部13で読み取る。また、会員番号をPOS端末1Bに直接、入力することもできる。また、会員番号が入力に応じて、締め操作が可能な状態となるようにしてもよい。
【0054】
顧客が購入を希望した商品が計量部15に置かれると、重量情報取得部が計量値を商品重量として取得する(S101)。なお、商品重量の取得においては、商品の種類に応じて風袋引きが行われる。
POS端末1B上からは、商品の登録操作が行われる(S102)。商品の登録は、具体的にはプリセットキーや品番入力といった商品の指定入力を受け付けることによって行われる。
なお、POS端末1Bは商品登録に応じて、適宜に商品マスタ等を参照して必要な情報を抽出し、商品の情報を端末上に表示できる。また、POS端末1Bは、商品マスタの商品情報に基づき、商品の単価情報と、風袋引きを行った商品のみの重量から販売価格を算出し、当該販売価格を表示できる。
【0055】
この商品登録において量り売り商品が登録された際、特売マスタを参照することにより、当該量り売り商品に値引き条件が設定されていると判別された場合には(S103)、通知処理部により値引き条件の成立状況が通知される(S104)。具体的には、判定処理部が登録された量り売り商品の値引き条件を参照して、当該登録された量り売り商品の重量、及び既に登録されている量り売り商品の情報に基づいて値引きの適用があるか否かを判定する。即ち、値引き条件を満たす量り売り商品が登録されたか、対象の量り売り商品の合計重量が所定重量を超えたか否かを判定する。この結果に基づいて、通知処理部は、値引き条件を満たしたかどうか、満たしていなければ、値引き条件成立のためにどのような量り売り商品をどれだけの重量購入する必要があるのかといった情報を通知する。
【0056】
買い上げ対象商品全てについて商品登録を繰り返し、全ての商品の登録が完了すると(S105)、小計キーの押下等による締め操作を受け付ける(S106)。これに応じて、判定処理部は登録された商品の内容に基づき、値引き条件を参照して値引きの適用があるかどうか、適用がある場合にはどの商品についていくらの値引きがあるかを判定する(S107)。会計処理部は、値引きの適用がある場合には販売価格に値引きを適用し、登録された買上対象商品の会計額を算出、確定させる(S108)。
なお、会計額は締め操作において確定するが、会計処理部は商品の登録に合わせて随時、登録された商品の合計額や加算される消費税等を算出し、表示する。
【0057】
締め操作が完了すると、POS端末1Bにおいて会計情報が生成され、当該会計情報に基づいた精算処理を受けることができる(S109)。
精算処理が完了するとレシートが発行され、一連の工程が終了する。
【0058】
●POS端末1Bの画面例
図9は、POS端末1Bに表示される画面であって、小計操作後の画面の一例を示している。
図中、図示左側には、登録された買上対象商品を一覧的に表示する商品表示欄G11が設けられている。この商品表示欄G11では、登録された順に上から下へ商品が追加されていくようになっており、商品ごとに商品名、数量、商品重量、単価などが表示されている。
図示右側の上方には、登録された商品の小計及び合計の金額を表示する金額表示欄G12が設けられている。
図示右側の金額表示欄G12の下方には、商品の買上点数を表示する買上点数表示欄G13が設けられている。
図示下側には、会計操作を行うためのプリセットキーを表示するプリセットキー表示欄G14が設けられている。
【0059】
ここで、値引き条件を満たすことで値引きされる値引き対象商品が登録されていた場合には、通知処理部により、値引き条件成立のために必要な情報を通知するウィンドウG15が表示される。このウィンドウG15には、値引き条件の成立に必要な買上対象商品や重量(合計重量や不足重量)、値引き条件成立時の値引き率が表示されている。なお、図示の例にかかわらず、条件成立時の具体的な値引き額を算出してウィンドウG15内に表示してもよい。
なお、本実施例にかかわらず、商品表示欄G11中に、ウィンドウG15と同様の内容を表示する行を設けてもよい。また、商品表示欄G11中に表示されている登録済みの商品のうち、いずれの商品と組み合わせることによって値引きが行われるかが分かるよう、登録済みの商品の内容や各商品に付された番号等を表示するようにしてもよい。
小計操作後の画面にて、値引き条件成立のために必要な情報を把握した結果、値引きを受けるために必要な商品を登録する場合には、商品登録の画面に戻って商品を登録することができる。
【0060】
図10は、図9に示した画面から、さらに商品が追加されて所定の値引き条件が満たされた場合の画面の一例を示している。
図中、商品表示欄G11では、値引条件を満たした商品情報の下段に値引きの内容が表示されている。図示の例では、値引きの内容として、値引条件を満たした商品の商品名、値引きが適用されたことを示す「M重割」表示、値引額が表示されている。
なお、この図10の例においても、図9で示したウィンドウG15と同様のウィンドウを設け、当該ウィンドウで値引き条件が満たされたことを示してもよい。
【0061】
なお、図9及び図10における画面例にかかわらず、登録された商品中、値引き対象商品については他の商品と異なる態様で表示してもよい。異なる態様は、所定の商品が値引き対象商品であることを識別できる限り、色彩、フォント、デザイン、注釈等、各種の例によることができる。
【0062】
以上の本実施形態に係る商品処理装置を構成するPOS端末1B又はPOSシステム1Aによれば、量り売り商品の値引きが可能となり、これにより量り売り商品の販売促進を図ることができる。特に、様々な量り売り商品の販売態様に対応して商品重量を取得し、商品重量に応じた値引きを行うことができる。
【0063】
なお、本実施例では、POS端末1Bは本発明に係る商品処理装置を構成したが、計量機能付きPOS端末であるPOS端末1Bから精算処理のための機能を省き、計量機能に関わる部分のみからなる装置として構成する場合には、当該装置は本発明に係る計量装置を構成する。
【実施例0064】
図11は、本発明の実施例2に係るPOSシステム2Aのネットワーク構成及び機能構成を示した図である。POSシステム2Aは、POS端末2BとストアコントローラSC(ストアコンピュータ、管理装置とも称される)に加えてラベル発行装置2Cを備え、それぞれはLANや専用回線を介して通信可能に接続されている。
【0065】
ここで、POSシステム2A又はラベル発行装置2Cは、本発明に係る商品処理装置を構成する。即ち、POSシステム2Aは、本発明に係る商品処理装置の機能実行に必要な機能部をストアコントローラSCやPOS端末2B、ラベル発行装置2Cに分散保持させたシステムとして実現されたものであり、ラベル発行装置2Cは、本発明に係る商品処理装置の機能実行に必要な機能部が集約された装置として実現したものである。
【0066】
POS端末2Bは、量り売り商品を登録し、登録された商品の会計を実行する装置である。
本実施例に係るPOS端末2Bは少なくとも、ラベル発行装置2Cによって発行された会計用媒体に印刷された情報に基づいて商品名や商品重量といった情報を取得し、商品の登録処理を実行する機能を有していればよく、顧客自ら商品登録と精算を行うフルセルフ式POS端末、店員が登録機で商品登録をし、顧客が精算機で精算を行うセミセルフ式POS端末など、種類を問わず各種のPOS端末が適用可能である。
【0067】
ラベル発行装置2Cは、後述のとおり、顧客が購入する量り売り商品を計量すると共に、計量値と商品情報に応じて商品ごとの会計用媒体を発行する装置であり、計量値付け機とも称される。POS端末2Bは、このラベル発行装置2Cによって発行された会計用媒体に基づいて商品登録を行う。
【0068】
ストアコントローラSCは、実施例1と同様、顧客管理や発注管理等の基幹業務を担う上位の装置である。このストアコントローラSCは、各業務に応じて複数のサーバ装置で構成されていてもよいし、クラウドサーバとして構成されているものであってもよい。また、ここでいうストアコントローラSCはその名称を問わず、ストアサーバ等、他のいかなるサーバによっても構成し得る。
【0069】
本実施例のようにPOSシステム10BとしてストアコントローラSCを有する場合には例えば、ストアコントローラSCで後述する商品マスタなどを管理しておき、POS端末2Bやラベル発行装置2Cは、ストアコントローラSCの商品マスタを参照して商品の登録処理やラベル発行処理を実行できる。
一方、ストアコントローラSCがない場合には例えば、一又は複数のPOS端末2BにストアコントローラSCの機能を備えさせると共に、ストアコントローラSCの機能を兼任するPOS端末2Bにマスタ管理を実行させ、他のPOS端末2Bやラベル発行装置2Cとデータ連携させることもできる。また他の例では、各POS端末2Bやラベル発行装置2Cが個々にマスタ管理を行うように運用することもできる。
【0070】
●ラベル発行装置2Cのハードウェア構成
ラベル発行装置2Cは、図11に示されるように、CPU(Central Processing Unit)201などの演算装置、RAM(Random Access Memory)202やROM(Read Only Memory)203などの記憶装置を有しており、インターフェース回路204を介して、表示部21、発行部22、計量部23に接続している。
【0071】
なお、CPU201、ROM202、RAM203の機能構成は、上記した実施例1におけるCPU101、ROM102、RAM103と同様である。
また、ラベル発行装置2CにはPOS端末1Bと同様、店舗における運用次第で、バーコードや二次元コード等のシンボルコードを読み取るスキャナやカメラで実現されるコード読取部、RFIDタグから格納されている情報を読み取るタグ読取部などが接続される。
【0072】
表示部21は、タッチパネル式ディスプレイで構成され、店員又は顧客が各種の情報を入力する入力手段及び出力する出力手段を構成する。この表示部21上からは例えば、計量対象である量り売り商品の選択入力の受け付け、買上対象商品の登録操作、買上対象商品の登録状況の確認などが行える。
【0073】
なお、本実施形態にかかわらず、表示部21は物理的なメカキーやスイッチといった入力手段を兼ね備えていてもよいし、物理的なメカキーと液晶ディスプレイといったように、入力手段と出力手段が別々に構成されていてもよい。
また、計量対象である量り売り商品の種別の選択等は、上記した実施例1のPOS端末1Bにおけるのと同様に行うことができる。即ち、ラベル発行装置2Cと量り売り商品を収容している保管容器とをデータ連携させ、当該保管容器が量り売り商品の取り出しを検出した場合に、ラベル発行装置2Cが保管容器から当該取り出された量り売り商品の種別に係る情報を取得するようにしてもよい。なお、保管容器が計量機構を備えるようにすれば、取り出された量り売り商品の種別と共に量り売り商品の重量に係る情報についても、保管容器からラベル発行装置2Cに供給することができる。
【0074】
発行部22は、会計用媒体として、顧客に提供した量り売り商品を販売するための情報が印刷されたラベルを発行する。
なお、会計用媒体は、レシートであってもよいし、量り売り商品を入れる容器等に貼付可能なラベルであってもよい。貼付可能なラベルによって構成する場合には、容器等に貼り付けた後、精算後には容易に剥がせるようなものであるとよい。
【0075】
計量部23は、量り売り商品や容器など、所定の載置面に載置された被計量物の重量を計量する。
この計量部23は、載置面に載せられた被計量物を例えばロードセルによる重量検出方式で計量する。詳細には、計量部23は重量検出部とAD変換機によって構成され、A/D変換機が重量検出部から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。これにより、容器に入れられた量り売り商品について、風袋重量の参照値を参照して計量結果から風袋引き処理を行い、表示部21に内容物たる量り売り商品の重量を表示することができる。
【0076】
なお、上記した本実施例の構成にかかわらず、実施例1に係るPOS端末1Bが備えたコード読取部13やタグ読取部14に対応する機能部を備えてもよい。
【0077】
●ラベル発行装置2Cのソフトウェア構成
ラベル発行装置2Cは、制御部200によって実行されるソフトウェア資源として、少なくとも、商品マスタ、特売マスタ、登録処理部、受付処理部、重量情報取得部、判定処理部、会計処理部、表示処理部、通知処理部、発行処理部からなる機能ブロックを構成する。なお、これらの機能部に加えて、会員マスタを備えていてもよい。
【0078】
なお、制御部200によって実行されるコンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
また、本実施例に係る商品処理装置をPOSシステム2Aとして実現する場合には、POSシステム2Aを構成する複数のハードウェア資源に各機能部が分散して備えられていてもよい。
【0079】
本実施例において、商品マスタ、特売マスタ、受付処理部、重量情報取得部、判定処理部、会計処理部、表示処理部、通知処理部の各機能部は、上記した実施例1に係るPOS端末1Bにおいて対応する機能部と同様の機能をラベル発行装置2C上において実行する。
【0080】
ただし、本実施例においてラベル発行装置2Cが備える登録処理部は、会計用媒体の発行対象として量り売り商品を登録するものであり、登録データはラベル発行処理部によるラベル発行処理の際の参照データとなる。
また、重量情報取得部は、計量値を商品重量として取得する場合、ラベル発行装置2Cが備える計量部23や、ラベル発行装置2Cにネットワーク等を介して外部接続された計量部(計量装置)から計量値を取得できる。
【0081】
発行処理部は、登録処理部によって登録された量り売り商品の情報に基づき、会計用媒体を発行する。会計用媒体は、POS端末2Bにおいて商品登録を行う際に必要とされる商品情報を印刷したものである。
会計用媒体には例えば、量り売り商品ごとに発行するプライスラベル、複数の量り売り商品を一まとめにして発行する合計ラベル、プライスラベルや合計ラベルの販売価格等の内容を訂正するための訂正ラベル、プライスラベルや合計ラベルに示される販売価格を値引きするための値引き専用ラベルなどがある。
商品情報には例えば、商品名、販売価格、単価、商品重量などが含まれ、これらの情報は適宜にシンボルコード等にコード化されている。なお、量り売り商品について値引きがあった場合には、値引き後の価格を販売価格として会計用媒体を発行できる。
【0082】
・会計用媒体の発行パターンの例
<発行パターン1>
この例では、量り売り商品ごとには会計用媒体は発行せず、一顧客の買上対象商品の内、計量操作と会計用媒体の発行が必要な量り売り商品全てについて計量操作が完了した段階で当該計量した量り売り商品をまとめて表示した合計ラベルを会計用媒体として発行する。
【0083】
この例において発行される合計ラベルの一例を図12に示す。
この合計ラベルには、個別に登録した量り売り商品の情報として、商品名、単価、重量、個数、販売価格などが印刷されている。また、小計金額、販売企画名称(例えば、重量MM(ミックスマッチ)、重量SM(セットマッチ)など)、値割引金額(総値引金額)、部門計上用の合算バーコード、総個数(パック数)、消費期限、合計金額、店名等の情報など、会計の際に参照される情報が適宜に印刷される。
また、これらの情報のうち、少なくとも会計に必要な合計金額(値引きがあった場合は値引き後の金額)がバーコードとしてコード化されており、POS端末2Bは、当該バーコードを読み取ることによって会計を行う。
【0084】
<発行パターン2>
この例では、値引き条件の設定されていない通常の量り売り商品については、商品単位での計量が実行されるごとに毎回、個別の会計用媒体としてプライスラベルを発行する。
【0085】
ここで、図13は、単品の量り売り商品に対して個別に発行されるプライスラベルの一例を示している。
プライスラベルには、商品名や加工日、販売価格といった商品情報が印刷されている。販売価格は、計量値と単価に基づいて算出される。これらの情報は適宜にバーコード等にコード化される。ただし、会計用に別途合計ラベルを発行して会計には合計ラベルのみを用いるなど、プライスラベルを会計に用いない場合には、必ずしもプライスラベルにバーコードを印刷しなくてもよく、この場合には、商品情報は印刷されつつ、バーコードのない量り売り商品ごとの単品ラベルを発行してもよい。
また、商品情報には上記したもののほか、運用次第で100g当り単価、商品重量(内容量)、税額等の情報が含められ、これらの情報についてもバーコードにコード化して含めることができる。
【0086】
一方、値引き対象商品の場合には、商品ごとの計量段階ではそのままプライスラベルを発行することはせず、顧客が値引き条件を構成する量り売り商品の購入を希望するか否かに応じて、プライスラベルを発行する。
即ち、値引き対象商品の計量が行われると、「組合せ値割引対象商品です。他の商品も購入されますか?」といったメッセージを表示し、組み合わせて購入することで値引き条件が成立し得る他の量り売り商品があることを案内する。これに応じて、顧客が当該他の値引き対象商品の購入を希望する場合には、値引き対象商品のみのプリセットボタンと値引き条件及び/又は値引き条件の成立に必要な条件を表示する。このときの画面上には例えば、値引き対象商品のプリセットボタン、取消ボタン、保留ボタンなどが表示される。
【0087】
値引き対象商品のプリセットボタンが押下されると、該値引き対象商品を呼び出した計量画面へ移動する。計量画面から他の値引き対象商品が計量されると、購入対象商品として当該計量された他の値引き対象商品が登録される。ここで登録された各値引き対象商品については、全ての量り売り商品の計量が完了した段階で改めて値引き条件が成立するか判定され、値引き条件が成立していた場合には値引き後の販売価格に基づいたプライスラベルが発行される。
【0088】
取消ボタンを押下すると、他の商品の購入希望が取り消されたものとして、直前に計量した量り売り商品(値引き対象商品)のプライスラベルを発行する。
保留ボタンを押下すると、ラベル発行を保留して計量画面に戻る。保留状態の計量画面では、発行が保留されているプライスラベルがあることを報知する。この状態から、他の値引き対象商品の購入を希望しないことを示す操作が行われた場合にはプライスラベルが発行され、一方、他の値引き対象商品の購入を希望しないことを示す操作が行われない限りは全ての値引き対象商品の計量が終わった段階で値引き対象商品についてプライスラベルが発行される。
なお、保留ボタン押下で、計量実績画面及びラベル発行画面を表示してもよい。その際、何番目に計量した商品、換言すると何番目に計量されて登録された商品であるのかが分かるように番号を表示してもよい。そして、すべての量り売り商品の計量が完了した時、登録完了操作に応じて値引き対象の商品のプライスラベルをまとめて発行するようにしてもよい。
【0089】
なお、一の値引き対象商品の計量後、値引き条件が設定されている他の値引き対象商品の購入を希望しないことを示す操作が行われた場合には、当該一の値引き対象商品についてプライスラベルがその段階で発行される。但し、後の操作で値引きが発生することがあれば、訂正ラベルを発行する。訂正ラベルは、既に発行したものを差し替える再発行でもよいし、既に発行したものと合わせて用いる値引き専用ラベルであってもよい。
【0090】
<発行パターン3>
この例は、上記したラベル発行パターン2の変形例であり、操作中は、値引き条件の成立に必要な他の値引き対象商品の候補を通知(報知・表示)する。そして、値引き対象商品ごとに、計量操作終了時にプライスラベルを発行する。商品ごとの計量段階で発行されるプライスラベルは、正規(値引き前)の販売価格のものであり、後に値引き条件が成立した場合には、会計額から値引きを行うための値引き専用ラベルを発行する。値引き専用ラベルには例えば、値引き条件成立によって値引かれる金額を含めた情報をコード化したバーコード等のシンボルコードが印刷されている。POS端末2Bでは、各プライスラベルから商品の販売価格を取得した上、値引き専用ラベルによって値引き条件に応じた値引きを行う。
【0091】
<発行パターン4>
この例では、値引き条件の設定されていない通常の量り売り商品については、計量終了後に毎回、個別のプライスラベルを発行する。
一方、値引き対象商品については、値引き条件の成立又は不成立を問わず、全ての量り売り商品の計量操作が完了するまでプライスラベルを発行しない。全ての量り売り商品の計量が完了すると、値引き対象商品についてプライスラベルを発行する。このとき、値引き条件が成立していた値引き対象商品については、値引き額を値引き対象商品の数量や重量比で按分し、按分した値引き額を反映した値引き対象商品ごとのプライスラベルを発行する。
【0092】
<発行パターン5>
この例では、ラベル発行パターン4と同様、値引き条件の設定されていない通常の量り売り商品については、計量終了後に毎回、個別のプライスラベルを発行する。また、値引き対象商品についても、全ての量り売り商品の計量操作が完了するまでプライスラベルを発行しない。
一方、この例では、全ての量り売り商品の計量が完了すると、値引き対象商品ごとのプライスラベルを発行し、さらに値引き条件が成立していた値引き対象商品については、値引き後の販売価格からなる値引き対象商品のみの合計ラベルを発行する。
【0093】
<発行パターン6>
この例では、値引き条件の設定されていない通常の量り売り商品又は値引き対象商品のいずれについても、計量の都度、プライスラベルを発行する。その際、バーコードは印字しない。プライスラベルはあくまでも商品に貼付する単品ラベルである。購入する商品の計量、登録が終了した場合、値引き条件が成立、不成立にかかわらず、会計用の合計ラベルを発行する。プライスラベルにバーコードを印字しない理由は、誤ってPOSで登録処理が行われ重複して登録されないようにするためである。合計ラベルでは、値引き条件が成立していた場合には値引き後の販売価格が反映されており、POS端末2Bでは、合計ラベルによって値引き後の販売価格に基づいた会計が可能となる。
【0094】
●ラベル発行装置2Cによる処理フロー
ラベル発行装置2Cにおいて実行される会計用媒体の発行処理の流れについて、発行パターン6を例にとり、図14を参照して説明する。
まず、顧客が購入を希望した商品が計量部23に置かれると、重量情報取得部が計量値を商品重量として取得する(S201)。なお、商品重量の取得においては、商品の種類に応じて風袋引きが行われる。
【0095】
ラベル発行装置2C上からは、プライスラベルの発行対象とする商品の登録操作が行われる(S202)。商品の登録は、具体的にはプリセットキーや品番入力などの商品の指定入力操作を受け付けることによって行われる。
この商品登録において量り売り商品が登録された際、特売マスタを参照することにより、当該量り売り商品に値引き条件が設定されていると判別された場合には(S203)、通知処理部により値引き条件の成立状況が通知される(S204)。具体的な通知内容は実施例1と同様である。
【0096】
計量した量り売り商品について、プライスラベルの発行操作を受け付けると(S205)、発行処理部は発行部22によりプライスラベルを発行する(S206)。
【0097】
顧客が購入を希望した量り売り商品全てについて計量とプライスラベルの発行を繰り返し、全ての量り売り商品についてプライスラベルの発行が完了すると、合計ラベルの発行操作を受け付ける(S207)。これに応じて、判定処理部は登録された商品の内容に基づき、値引き条件を参照して値引きの適用があるかどうか、適用がある場合にはどの商品についていくらの値引きがあるかを判定する(S208)。会計処理部は、値引きの適用がある場合には値引きを適用し、会計額を算出する(S209)。これにより、プライスラベルを発行した全ての買上対象商品の会計額が算出、確定すると、発行処理部により、値引き後の会計額に基づいた合計ラベルが発行される(S210)。
【0098】
ラベル発行装置2Cにおいて、会計用の合計ラベルが発行されると、POS端末2Bは当該合計ラベルのバーコードを読み取るなどして量り売り商品の商品情報を取得して商品登録を行う。POS端末2Bにおいて会計情報が生成され、当該会計情報に基づいた精算処理が完了するとレシートが発行され、一連の工程が終了する。
【0099】
なお、ここでは図14を参照して、発行パターン6における処理の流れを説明したが、他の発行パターンにおいても、量り売り商品の登録ごとに値引き条件の成立を判定する処理が実行され、判定結果に応じた通知がなされる。
また、発行パターン3では、全ての量り売り商品についてプライスラベルが発行された後、合計ラベルに代えて値引き専用ラベルが発行され、この値引き専用ラベルに基づいて販売価格が値引きされる。
【0100】
以上の本実施形態に係る商品処理装置を構成するラベル発行装置2C又はPOSシステム2Aによっても、量り売り商品の値引きが可能となり、これにより量り売り商品の販売促進を図ることができる。特に、様々な量り売り商品の販売態様に対応して商品重量を取得し、商品重量に応じた値引きがなされたプライスラベルを発行することができる。
【実施例0101】
図15は、本発明の実施例3に係るPOSシステム3Aのネットワーク構成及び機能構成を示した図である。POSシステム3Aは、POS端末3B、ストアコントローラSC(ストアコンピュータ、管理装置とも称される)及びラベル発行装置3Cを備え、それぞれはLANや専用回線を介して通信可能に接続されている。
【0102】
ここで、POSシステム3A又はPOS端末3Bは、本発明に係る商品処理装置を構成する。即ち、POSシステム3Aは、本発明に係る商品処理装置の機能実行に必要な機能部をストアコントローラSCやPOS端末3B、ラベル発行装置3Cに分散保持させたシステムとして実現されたものであり、POS端末3Bは、本発明に係る商品処理装置の機能実行に必要な機能部が集約された装置として実現したものである。
【0103】
●POS端末3Bの構成
POS端末3Bは、量り売り商品を登録し、登録された商品の会計を実行する装置である。
本実施例に係るPOS端末3Bは、ラベル発行装置3Cによって発行された会計用媒体に印刷された情報に基づいて商品の登録処理を実行すると共に、値引きの適用有無を判定して値引き処理を行うことができる。
【0104】
なお、この本実施例に係るPOS端末3Bは、実施例1に係るPOS端末1Bとは異なり、計量部15に相当する機能部を有していないが、その他はPOS端末1Bと同様の機能部を有している。即ち、POS端末3Bは、制御部300、店員側表示部31、顧客側表示部32、コード読取部33、タグ読取部34を有しており、それぞれPOS端末1Bの制御部100、店員側表示部11、顧客側表示部12、コード読取部13、タグ読取部14と同様の機能部である。
また、POS端末3Bが備える重量情報取得部は、量り売り商品の情報に基づき、以下の例に係る態様によって量り売り商品の重量情報を取得する。なお、量り売り商品の情報は例えば、ラベル発行装置3Cによって発行された会計用媒体に適宜にコード化されて印刷されている。
【0105】
<第三の態様:シンボルコードに含まれる販売価格に基づいて算出する例(第三重量情報取得部)>
量り売り商品に対して発行されたシンボルコードに当該量り売り商品の販売価格がコード化されている場合には、まず当該シンボルコードをコード読取部33によって読み取り、販売価格及び品目やPLU等の商品識別情報を取得する。そして、商品識別情報に基づいて商品マスタから量り売り商品の単価情報を取得する。量り売り商品の販売価格を単価で除算することにより、当該量り売り商品の商品重量を取得する。
【0106】
<第四の態様:シンボルコードに含まれる重量情報を取得する例(第四重量情報取得部)>
量り売り商品に対して発行されたシンボルコードに当該量り売り商品の商品重量がコード化されている場合には、当該シンボルコードをコード読取部13によって読み取り、これにより商品重量を取得する。
【0107】
<第五の態様:量り売り商品の個体識別情報に基づいて商品情報を取得する例(第五重量情報取得部)>
この例では、各量り売り商品に対し、個体を識別する個体識別情報(パックID)を付すると共に、ストアコントローラSC等に設けた所定の記憶手段に各個体の生産ファイルをもたせておく。生産ファイルには、上記個体識別情報に関連付けて、PLU番号、品名、値段、商品重量、製造日、賞味期限、異物検査情報(異物検査結果)、異物検査日時などの情報が生産データとして格納されている。ここで、同じPLU番号かつ同じ品名であっても、実際の商品(パック)が異なれば異なったパックIDが付与される。このパックIDにより、生産ファイル内の商品をパック毎に個別に識別することが可能となっている。
量り売り商品に対して個体識別情報(パックID)を適宜にコード化して付しておき、これをコード読取部13によって読み取るなどして当該個体識別情報(パックID)を取得した上、当該生産ファイルを参照することで、当該個体識別情報(パックID)に関連付けられた商品重量を取得する。
【0108】
ラベル発行装置3Cは、実施例2に係るラベル発行装置2Cと同様、顧客が購入する量り売り商品を計量すると共に、計量値と商品情報に応じて商品ごとの会計用媒体を発行する装置であり、POS端末3Bは、このラベル発行装置3Cによって発行された会計用媒体に基づいて商品登録を行う。ただし、実施例2とは異なり、本実施例におけるラベル発行装置3Cは値引き処理を実行しない。また、判定処理部による値引きの有無の判定、判定結果に基づく通知は行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0109】
また、ラベル発行装置3Cは上記した実施例2に係るラベル発行装置2Cと同様、プライスラベルや合計ラベルを発行する。ただし、上記のとおり、本実施例に係るラベル発行装置3Cは値引き処理を実行しないため、量り売り商品が値引き条件を満たしている場合であっても、シンボルコードにコード化されたり、ストアコントローラSCに保持等されたりする商品の会計額は、値引き前の正規の販売価格である。
また、プライスラベルや合計ラベルにおいて適宜にコード化して印刷される商品情報には、運用に応じて、100g当り単価、商品重量(内容量)、税額等の情報が含まれる。
【0110】
ストアコントローラSCは、実施例1と同様、顧客管理や発注管理等の基幹業務を担う上位の装置である。このストアコントローラSCは、各業務に応じて複数のサーバ装置で構成されていてもよいし、クラウドサーバとして構成されているものであってもよい。また、ここでいうストアコントローラSCはその名称を問わず、ストアサーバ等、他のいかなるサーバによっても構成し得る。
【0111】
●POS端末3Bによる処理フロー
続いて、本実施形態に係る商品処理装置を構成するPOS端末3Bを用いて商品を販売する際の流れと共に、当該POS端末3Bによって実行される処理について図16を参照して説明する。
なお、量り売り商品については、予めラベル発行装置3Cにより会計用媒体の発行が行われる。会計用媒体の発行処理は、上記した実施例2と同様に行われ、プライスラベルと合計ラベルが発行される。ただし、本実施例においては、合計ラベルの発行操作が実行された後、判定処理部による判定処理や会計額の算出処理における値引きは行われず、正規の販売価格に基づいたプライスラベルが発行される。
【0112】
まず、プライスラベルが発行された量り売り商品について、POS端末3B上からは、商品の指定入力操作に応じて商品の登録操作が行われる(S301)。商品の登録は、プライスラベルに印刷されているシンボルコードをコード読取部33により読み取ることで行われる。ただし、プリセットキーや品番入力などによって行われることがあってもよい。
【0113】
この商品登録において量り売り商品が登録された際、特売マスタを参照することにより、当該量り売り商品に値引き条件が設定されていると判別された場合には(S302)、重量情報取得部により当該量り売り商品の重量情報として商品重量が取得される(S303)。
商品重量の取得は、量り売り商品についての運用如何により、上記した第三乃至第五の態様のいずれかによって行われる。
【0114】
重量情報が取得されると、通知処理部により値引き条件の成立状況が通知される(S304)。具体的には、判定処理部が登録された量り売り商品の値引き条件を参照して、当該登録された量り売り商品の重量、及び既に登録されている量り売り商品の情報に基づいて値引きの適用があるか否かを判定する。即ち、値引き条件を満たす複数商品が登録されたか、対象の量り売り商品の合計重量が所定重量を超えたか否かを判定する。この結果に基づいて、通知処理部は、値引き条件を満たしたかどうか、満たしていなければ、値引き条件成立のためにどのような商品をどれだけの重量購入する必要があるのかといった情報を通知する。
【0115】
以後は実施例1におけるPOS端末1Bの処理と同様、買い上げ対象商品全てについて商品登録を繰り返し、全ての商品の登録が完了すると(S305)、小計キーの押下等による締め操作を受け付ける(S306)。これに応じて、判定処理部は登録された商品の内容に基づき、値引き条件を参照して値引きの適用があるかどうか、適用がある場合にはどの商品についていくらの値引きがあるかを判定する(S307)。会計処理部は、値引きの適用がある場合には値引きを適用し、登録された買上対象商品の会計額を算出、確定させる(S308)。
締め操作が完了すると、POS端末1Bにおいて会計情報が生成され、当該会計情報に基づいた精算処理を受けることができる(S309)。精算処理が完了するとレシートが発行され、一連の工程が終了する。
【0116】
以上の本実施形態に係る商品処理装置を構成するPOSシステム3AあるいはPOS端末3Bによっても、量り売り商品の値引きが可能となり、これにより量り売り商品の販売促進を図ることができる。特に、様々な量り売り商品の販売態様に対応して商品重量を取得し、商品重量に応じた値引きがなされたプライスラベルを発行することができる。
【0117】
●実施形態総括
本発明は、量り売り商品の値引きを行う商品処理装置に関する。
【0118】
従来、特定商品のうちの一定数の商品の購入に対して値引きを行うミックスマッチや、特定商品の組み合わせに対して値引きを行うセットマッチなど、商品の個数に基づいた販促が行われてきた。
一方、近時は、特開2005-241342号公報の例に示される量り売りが見直されてきており、量り売りにおいても新たな販促方法の提案が求められている。
【0119】
そこで本発明は、量り売り商品の値引きを可能とすることにより、量り売り商品の販売促進を図ることを目的の一つとする。
【0120】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る商品処理装置は、複数の量り売り商品の組み合わせと、当該組み合わせのうち、一または複数の量り売り商品の商品重量を合計した合計重量とで定められた値引き条件が設定された所定の量り売り商品が買上対象商品として登録されたか否かを判定する第一判定処理部と、前記所定の値引き条件が設定された量り売り商品であって、前記買上対象商品として登録された前記量り売り商品の商品重量を合計した合計重量が所定重量を超えるか否かを判定する第二判定処理部と、前記合計重量が前記所定の値引き条件で定められた所定重量を超える場合に、前記所定の量り売り商品の販売価格の値引きを行う会計処理部と、を有する。
【0121】
自装置が有する計量部又は外部接続された計量部から前記商品重量を取得する第一重量情報取得部、をさらに有するものとしてもよい。
【0122】
置数入力により前記商品重量取得する第二重量情報取得部、をさらに有するものとしてもよい。
【0123】
前記量り売り商品のシンボルコードから、コード化された前記量り売り商品の販売価格を取得すると共に、前記量り売り商品の単価情報に基づき、前記販売価格を単価で除算することにより前記商品重量を取得する第三重量情報取得部、をさらに有するものとしてもよい。
【0124】
前記量り売り商品のシンボルコードから、コード化された前記量り売り商品の商品重量を取得する第四重量情報取得部、をさらに有するものとしてもよい。
【0125】
前記選択された量り売り商品の個体識別情報に基づき、所定の記憶手段を参照して、当該個体識別情報に関連付けられた前記商品重量を取得する第五重量情報取得部、をさらに有するものとしてもよい。
【0126】
前記値引き条件が設定された量り売り商品が買上対象商品として登録されると、他に買上対象商品として登録された商品とは異なる態様で前記値引き条件が設定された量り売り商品を表示する第一表示部、をさらに有するものとしてもよい。
【0127】
前記値引き条件が設定された量り売り商品が買上対象商品として登録されると、前記所定の値引き条件及び/又は前記所定の値引き条件の成立に必要な条件を表示する第二表示部、をさらに有するものとしてもよい。
【0128】
本発明の別の観点に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに対し、一又は複数の量り売り商品の組み合わせと、当該組み合わせを構成する量り売り商品の商品重量を合計した合計重量とで定められた値引き条件が設定された所定の量り売り商品が買上対象商品として登録されたか否かを判定する第一判定処理と、前記所定の値引き条件が設定された量り売り商品であって、前記買上対象商品として登録された前記量り売り商品の商品重量を合計した合計重量が所定重量を超えるか否かを判定する第二判定処理と、前記合計重量が前記所定の値引き条件で定められた所定重量を超える場合に、前記所定の量り売り商品の販売価格の値引きを行う会計処理と、を実行させる。
【0129】
本発明のさらに別の観点に係る計量装置は、計量対象として受け付けた量り売り商品を特定する特定処理部と、前記量り売り商品を計量する計量部と、特定された前記量り売り商品について、計量値に基づいた販売価格を算出する算出処理部と、一又は複数の量り売り商品の組み合わせと、当該組み合わせを構成する量り売り商品の商品重量を合計した合計重量とで定められた所定の値引き条件に基づき、当該値引き条件の成立によって前記販売価格の値引きを行う会計処理部と、前記計量対象として受け付けた量り売り商品と共に前記値引き条件を構成する他の量り売り商品を通知する通知部と、を有する。
【0130】
前記通知部はさらに、前記所定の値引き条件及び/又は前記所定の値引き条件の成立に必要な条件を通知するものとしてもよい。
【0131】
前記所定の値引き条件が設定された量り売り商品の場合は、販売価格が算出されたときに会計用の媒体を発行し、前記所定の値引き条件が設定されていない商品の場合は、販売価格が算出されたときに会計用の媒体を発行しないものとしてもよい。
【0132】
以上の本実施形態に係る商品処理装置によれば、量り売り商品の値引きが可能となり、これにより量り売り商品の販売促進を図ることができる。
【符号の説明】
【0133】
1A、2A、3A :POSシステム
1B、2B、3B :POS端末
2C、3C :ラベル発行装置
11 :店員側表示部
12 :顧客側表示部
13 :コード読取部
14 :タグ読取部
15 :計量部
21 :表示部
22 :発行部
23 :計量部
31 :店員側表示部
32 :顧客側表示部
33 :コード読取部
34 :タグ読取部
100、200、300 :制御部
101、201、301 :CPU
102、202、302 :ROM
103、203、303 :RAM
104、204、304 :インターフェース回路
SC :ストアコントローラ

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16