(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132589
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】プレート式混合器
(51)【国際特許分類】
B01F 25/42 20220101AFI20230914BHJP
B01F 35/90 20220101ALI20230914BHJP
【FI】
B01F5/00 E
B01F15/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038001
(22)【出願日】2022-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】000152480
【氏名又は名称】株式会社日阪製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】岡本 民雄
(72)【発明者】
【氏名】樋渡 功
(72)【発明者】
【氏名】岡田 賢一
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4G035AC06
4G035AE13
4G035AE15
4G037CA02
4G037EA01
(57)【要約】
【課題】混合対象物の流れる流路の形状を変更可能なプレート式混合器を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、所定方向に重ねられる複数のプレート及びプレート間に挟み込まれる複数のガスケットを有するプレート群と、プレート群を解放可能に保持する保持部と、を備え、プレート群は、該プレート群の外部から該第一空間に前記混合対象物を流入させる複数の第一流入路と、第一空間から該プレート群の外部に前記混合対象物を流出させる少なくとも一つの第一流出路と、を有し、異なる第一流入路から供給された混合対象物同士を混合すると共に、保持部から解放された状態でプレートとガスケットとに分解でき、第一流入路と第一流出路とは、該プレートを貫通する第一貫通孔が所定方向に連なることによって形成されている、ことを特徴とする。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に重ねられる複数のプレート、及び、前記所定方向に隣り合う二つのプレートのプレート間に挟み込まれることで該二つのプレートと共同して該プレート間に混合対象物が流れる第一空間を形成する複数のガスケット、を有するプレート群と、
前記プレート群を解放可能に保持する保持部と、を備え、
前記プレート群は、
該プレート群の内部を前記所定方向に延び且つ前記第一空間と連通することで該プレート群の外部から該第一空間に前記混合対象物を流入させる複数の第一流入路と、
該プレート群の内部を前記所定方向に延び且つ前記第一空間と連通することで該第一空間から該プレート群の外部に前記混合対象物を流出させる少なくとも一つの第一流出路と、を有し、
異なる第一流入路を通じて流入した混合対象物同士を混合すると共に、前記保持部から解放された状態で前記プレートと前記ガスケットとに分解可能に構成され、
前記第一流入路と前記第一流出路とは、前記プレートの対応する位置において該プレートを前記所定方向に貫通する第一貫通孔が前記所定方向に連なることによって形成されている、プレート式混合器。
【請求項2】
前記複数のプレートのうちの少なくとも一つのプレートは、前記プレート群において前記所定方向に隣り合う二つの第一空間を仕切る部位に、該二つの第一空間同士を連通させる少なくとも一つの第二貫通孔を有する、請求項1に記載のプレート式混合器。
【請求項3】
前記複数のガスケットのそれぞれは、前記プレート間に、前記第一空間、及び温度調整用の流動物が流れる第二空間の少なくとも一方の空間を形成し、
前記プレート群は、
該プレート群の内部を前記所定方向に延び且つ前記第二空間と連通することで該プレート群の外部から該第二空間に前記流動物を流入させる少なくとも一つの第二流入路と、
該プレート群の内部を前記所定方向に延び且つ前記第二空間と連通することで該第二空間から該プレート群の外部に前記流動物を流出させる少なくとも一つの第二流出路と、を有し、
前記第二空間は、前記プレート群において前記第一空間と前記プレートを介して前記所定方向に隣り合う位置に形成されている、請求項1又は2に記載のプレート式混合器。
【請求項4】
前記第二流入路及び前記第二流出路の組は、前記プレート群において複数配置され、
前記プレート群は、
前記複数の第一流入路から前記少なくとも一つの第一流出路まで延び且つ複数の前記第一空間を含む少なくとも一つの混合用流路と、
各第二流入路から該第二流入路と対応する第二流出路までそれぞれ延び且つ少なくとも一つの前記第二空間をそれぞれ含む複数の温度調整用流路と、を有すると共に、
前記所定方向に並ぶ複数の区分領域に区分され、
前記混合用流路は、前記複数の区分領域のそれぞれを通るように配置され、
前記複数の温度調整用流路のそれぞれは、互いに異なる区分領域に配置され、
各温度調整用流路に含まれる前記少なくとも一つの第二空間は、該温度調整用流路が配置される前記区分領域に含まれる前記第一空間と前記プレートを介して前記所定方向に隣り合う位置に形成されている、請求項3に記載のプレート式混合器。
【請求項5】
前記プレート群は、該プレート群の内部を前記所定方向に延びる第三流入路を有し、
前記第三流入路は、前記混合用流路が通る順における二番目以降の前記区分領域において該混合用流路に前記プレート群の外部から混合対象物を流入させる、請求項4に記載のプレート式混合器。
【請求項6】
前記第三流入路は、前記温度調整用流路が配置されている前記区分領域において前記混合用流路に前記混合対象物を流入させる、請求項5に記載のプレート式混合器。
【請求項7】
前記第三流入路は、前記プレート群に複数配置され、
前記複数の第三流入路のそれぞれは、互いに異なる区分領域であって前記温度調整用流路が配置されている区分領域において前記混合用流路に前記混合対象物を流入させる、請求項5に記載のプレート式混合器。
【請求項8】
前記保持部は、
前記所定方向において前記プレート群の両側に配置される一対の挟持部と、
前記一対の挟持部の間隔を変更可能に該一対の挟持部を支持する支持部と、
前記一対の挟持部の間隔を変更する間隔調整部と、を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のプレート式混合器。
【請求項9】
前記プレートは、前記ガスケットが配置可能なガスケット配置部を有し、
前記ガスケット配置部は、複数種のガスケット形状に対応した形状を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のプレート式混合器。
【請求項10】
前記第二流入路と前記第二流出路とのそれぞれは、前記プレートの対応する位置において該プレートを前記所定方向に貫通する第三貫通孔が前記所定方向に連なることによって形成され、
前記プレートは、三つ以上の前記第一貫通孔と二つ以上の前記第三貫通孔と、を有し、
前記第一貫通孔と前記第三貫通孔とは、同じ大きさで且つ同じ形状の貫通孔である、請求項3~7のいずれか1項に記載のプレート式混合器。
【請求項11】
前記プレートは、前記所定方向から見て、該所定方向と直交する一つの方向に長い矩形状であり、
前記第一貫通孔と前記第三貫通孔とは、円形孔であり、
前記第一貫通孔と前記第三貫通孔とを含む複数の前記円形孔は、前記プレートにおいて、該プレートの長手方向に延びる中心線又は短手方向に延びる中心線を対称軸とする線対称に配置され、又は、該プレートの中心点を対称の中心とする点対称に配置される、請求項10に記載のプレート式混合器。
【請求項12】
前記第二流入路と前記第二流出路とのそれぞれは、前記プレートの対応する位置において該プレートを前記所定方向に貫通する第三貫通孔が前記所定方向に連なることによって形成され、
前記第一貫通孔と前記第三貫通孔とは、円形孔であり、
前記第一貫通孔と前記第三貫通孔とを含む複数の前記円形孔は、前記プレートにおいて、該プレートの長手方向に延びる中心線又は短手方向に延びる中心線を対称軸とする線対称に配置され、又は、該プレートの中心点を対称の中心とする点対称に配置され、
前記線対称又は前記点対称な配置における対応する位置の前記円形孔同士の大きさは同じである、請求項3~7のいずれか1項に記載のプレート式混合器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性を有する複数の混合対象物がプレート間を通過することで混合されるプレート式混合器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から流動性を有する複数種の混合対象物を連続的に混合できる混合器として、
図22に示すような、いわゆるスタティックスミキサーが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この混合器600は、エレメント601と、エレメント601が内部に配置される管状の混合器本体602と、を備える。
【0004】
エレメント601は、矩形板をその長手軸線まわりに180°捻じったものを最小単位部材603として、複数の最小単位部材603を、捻じり方向が交互に異なる方向となるように一体的に直列に結合したものである。エレメント601の外径は、混合器本体602の内径にほぼ等しくなっており、このエレメント601は、混合器本体602の内部において該混合器本体602の中心軸c方向に沿って配置されている。
【0005】
このように構成される混合器600に対して、流動性を有する複数種の混合対象物が混合器本体602の中心軸c方向の一方の端部から供給され続けると、これら複数種の混合対象物が混合器本体602の内部を前記一方の端部から他方の端部に向けて流れる(通過する)ことで混合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のような流動性を有する複数種の混合対象物を連続的に混合可能な混合器において、混合対象物の種類によって混合に適した流路(混合対象物が流れる空間)形状に変更することが望まれるが、上記の混合器600では、混合対象物の種類に応じて混合器600の内部に形成される流路の形状(流路の長さや配置等)を変更できない。
【0008】
そこで、本発明は、混合対象物の流れる流路の形状を変更可能なプレート式混合器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプレート式混合器は、
所定方向に重ねられる複数のプレート、及び、前記所定方向に隣り合う二つのプレートのプレート間に挟み込まれることで該二つのプレートと共同して該プレート間に混合対象物が流れる第一空間を形成する複数のガスケット、を有するプレート群と、
前記プレート群を解放可能に保持する保持部と、を備え、
前記プレート群は、
該プレート群の内部を前記所定方向に延び且つ前記第一空間と連通することで該プレート群の外部から該第一空間に前記混合対象物を流入させる複数の第一流入路と、
該プレート群の内部を前記所定方向に延び且つ前記第一空間と連通することで該第一空間から該プレート群の外部に前記混合対象物を流出させる少なくとも一つの第一流出路と、を有し、
異なる第一流入路を通じて流入した混合対象物同士を混合すると共に、前記保持部から解放された状態で前記プレートと前記ガスケットとに分解可能に構成され、
前記第一流入路と前記第一流出路とは、前記プレートの対応する位置において該プレートを前記所定方向に貫通する第一貫通孔が前記所定方向に連なることによって形成されている。
【0010】
かかる構成によれば、プレート群が保持部から解放された状態では該プレート群をプレートとガスケットとに分解可能であるため、プレートやガスケットの交換等が容易に行え、これにより、プレートの数、第一貫通孔の位置や数、ガスケットの形状等を変更することでプレート群の内部で混合対象物が流れる流路の形状を変更することができる。
【0011】
前記プレート式混合器では、
前記複数のプレートのうちの少なくとも一つのプレートは、前記プレート群において前記所定方向に隣り合う二つの第一空間を仕切る部位に、該二つの第一空間同士を連通させる少なくとも一つの第二貫通孔を有してもよい。
【0012】
このように、プレート群において、所定方向に隣り合う二つの第一空間同士を連通させる少なくとも一つの第二貫通孔を該二つの第一空間を仕切るプレートの部位が有していることで、一方の第一空間から他方の第一空間への第二貫通孔を通じた混合対象物の移動(流入)や、一方の第一空間から他方の第一空間への第二貫通孔を通じた混合対象物の流れの分岐、一方の第一空間から他方の第一空間への第二貫通孔を通じた混合対象物の流れの合流等が可能になるため、プレート群の内部での混合対象物が流れる流路の配置の自由度がより向上する。
【0013】
また、前記プレート式混合器では、
前記複数のガスケットのそれぞれは、前記プレート間に、前記第一空間、及び温度調整用の流動物が流れる第二空間の少なくとも一方の空間を形成し、
前記プレート群は、
該プレート群の内部を前記所定方向に延び且つ前記第二空間と連通することで該プレート群の外部から該第二空間に前記流動物を流入させる少なくとも一つの第二流入路と、
該プレート群の内部を前記所定方向に延び且つ前記第二空間と連通することで該第二空間から該プレート群の外部に前記流動物を流出させる少なくとも一つの第二流出路と、を有し、
前記第二空間は、前記プレート群において前記第一空間と前記プレートを介して前記所定方向に隣り合う位置に形成されてもよい。
【0014】
かかる構成によれば、プレート群における第二空間と第一空間とがプレートを介して隣り合っている部位において第二空間を流れる流動物と第一空間を流れる混合対象物とがプレートを通じて熱交換するため、プレート群の外部から第二流入路に供給される流動物の温度を調整することで、混合対象物の温度調整(加熱や冷却等)を行うことができる。
【0015】
また、前記プレート式混合器では、
前記第二流入路及び前記第二流出路の組は、前記プレート群において複数配置され、
前記プレート群は、
前記複数の第一流入路から前記少なくとも一つの第一流出路まで延び且つ複数の前記第一空間を含む少なくとも一つの混合用流路と、
各第二流入路から該第二流入路と対応する第二流出路までそれぞれ延び且つ少なくとも一つの前記第二空間をそれぞれ含む複数の温度調整用流路と、を有すると共に、
前記所定方向に並ぶ複数の区分領域に区分され、
前記混合用流路は、前記複数の区分領域のそれぞれを通るように配置され、
前記複数の温度調整用流路のそれぞれは、互いに異なる区分領域に配置され、
各温度調整用流路に含まれる前記少なくとも一つの第二空間は、該温度調整用流路が配置される前記区分領域に含まれる前記第一空間と前記プレートを介して前記所定方向に隣り合う位置に形成されてもよい。
【0016】
かかる構成によれば、各温度調整用流路が異なる区分領域に配置されるため、第二流入路毎に供給される流動物の温度を調整する(即ち、温度調整用流路毎に流れる流動物の温度を調整する)ことで、混合対象物に対して温度調整用流路が配置される区分領域毎に異なる温度調整を行うことができる。
【0017】
また、前記プレート式混合器では、
前記プレート群は、該プレート群の内部を前記所定方向に延びる第三流入路を有し、
前記第三流入路は、前記混合用流路が通る順における二番目以降の前記区分領域において該混合用流路に前記プレート群の外部から混合対象物を流入させてもよい。
【0018】
かかる構成によれば、混合用流路が通る順における二番目以降の区分領域において混合用流路に混合対象物を流入させる(即ち、混合用流路の途中からも混合対象物を流入させる)ことができる。
【0019】
この場合、
前記第三流入路は、前記温度調整用流路が配置されている前記区分領域において前記混合用流路に前記混合対象物を流入させてもよい。
【0020】
かかる構成によれば、プレート群において、混合用流路を流れる混合対象物に対して他の混合対象物が第三流入路を通じて合流(流入)する区分領域において該混合用流路を流れる混合対象物(合流後の混合対象物)の温度調整を行うことができる。
【0021】
また、前記プレート式混合器では、
前記第三流入路は、前記プレート群に複数配置され、
前記複数の第三流入路のそれぞれは、互いに異なる区分領域であって前記温度調整用流路が配置されている区分領域において前記混合用流路に前記混合対象物を流入させてもよい。
【0022】
かかる構成によれば、プレート群において、混合用流路を流れる混合対象物に対して他の混合対象物が第三流入路を通じて合流(流入)する区分領域毎に、該混合用流路を流れる混合対象物(合流後の混合対象物)の温度調整をそれぞれ行うことができる。
【0023】
また、前記プレート式混合器では、
前記保持部は、
前記所定方向において前記プレート群の両側に配置される一対の挟持部と、
前記一対の挟持部の間隔を変更可能に該一対の挟持部を支持する支持部と、
前記一対の挟持部の間隔を変更する間隔調整部と、を有してもよい。
【0024】
かかる構成によれば、間隔調整部によって一対の挟持部の間隔を変更することで、保持部によるプレート群の保持、及び保持部からのプレート群の開放を行うことができる。
【0025】
また、前記プレート式混合器では、
前記プレートは、前記ガスケットが配置可能なガスケット配置部を有し、
前記ガスケット配置部は、複数種のガスケット形状に対応した形状を有してもよい。
【0026】
かかる構成によれば、交換等によってガスケットの形状を変更してプレート群の内部に形成される流路の形状を変更するときに、前記複数種のガスケット形状のいずれかの形状のガスケットを用いることで、プレート群を形成するときのプレート間へのガスケットの配置が容易になる。
【0027】
また、前記プレート式混合器では、
前記第二流入路と前記第二流出路とのそれぞれは、前記プレートの対応する位置において該プレートを前記所定方向に貫通する第三貫通孔が前記所定方向に連なることによって形成され、
前記プレートは、三つ以上の前記第一貫通孔と二つ以上の前記第三貫通孔と、を有し、
前記第一貫通孔と前記第三貫通孔とは、同じ大きさで且つ同じ形状の貫通孔であってもよい。
【0028】
このように、第一貫通孔と第三貫通孔とを同じ大きで且つ同じ形状の貫通孔とすることで、第一流入路や第一流出路を形成するのに第三貫通孔を利用できると共に、第二流入路や第二流出路を形成するのに第一貫通孔を利用できるため、プレート群の内部に形成される流路の形状や配置等の設計の自由度がより向上する。
【0029】
この場合、
前記プレートは、前記所定方向から見て、該所定方向と直交する一つの方向に長い矩形状であり、
前記第一貫通孔と前記第三貫通孔とは、円形孔であり、
前記第一貫通孔と前記第三貫通孔とを含む複数の前記円形孔は、前記プレートにおいて、該プレートの長手方向に延びる中心線又は短手方向に延びる中心線を対称軸とする線対称に配置され、又は、該プレートの中心点を対称の中心とする点対称に配置されもよい。
【0030】
かかる構成によれば、プレート群を形成するときに、プレートを、前記長手方向に延びる中心線又は前記短手方向に延びる中心線まわりに反転させ、又は前記中心点まわりに反転させて使用でき、これにより、プレート群の内部に形成される流路の形状の設計の自由度がより向上する。
【0031】
また、前記プレート式混合器では、
前記第二流入路と前記第二流出路とのそれぞれは、前記プレートの対応する位置において該プレートを前記所定方向に貫通する第三貫通孔が前記所定方向に連なることによって形成され、
前記第一貫通孔と前記第三貫通孔とは、円形孔であり、
前記第一貫通孔と前記第三貫通孔とを含む複数の前記円形孔は、前記プレートにおいて、該プレートの長手方向に延びる中心線又は短手方向に延びる中心線を対称軸とする線対称に配置され、又は、該プレートの中心点を対称の中心とする点対称に配置され、
前記線対称又は前記点対称な配置における対応する位置の前記円形孔同士の大きさは同じであってもよい。
【0032】
かかる構成によっても、プレート群を形成するときに、プレートを、前記長手方向に延びる中心線又は前記短手方向に延びる中心線まわりに反転させ、又は前記中心点まわりに反転させて使用でき、これにより、プレート群の内部に形成される流路の形状の設計の自由度がより向上する。
【発明の効果】
【0033】
以上より、本発明によれば、混合対象物の流れる流路の形状を変更可能なプレート式混合器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るプレート式混合器の斜視図である。
【
図2】
図2は、前記プレート式混合器の分解斜視図である。
【
図3】
図3は、前記プレート式混合器が備えるプレート群の第一区分領域の分解斜視図であって、一部の構成を省略した分解斜視図である。
【
図4】
図4は、前記プレート群の第二区分領域の分解斜視図であって、一部の構成を省略した分解斜視図である。
【
図5】
図5は、プレート群の内部に形成される流路の配置を示す模式図である。
【
図6】
図6は、プレート群の内部に形成される流路の配置を示す模式図である。
【
図7】
図7は、第一プレートを第一面側から見た図である。
【
図8】
図8は、第一プレートを第二面側から見た図である。
【
図9】
図9は、第二プレートを第一面側から見た図である。
【
図10】
図10は、第二プレートを第二面側から見た図である。
【
図11】
図11は、第一ガスケットをX軸方向から見た図である。
【
図12】
図12は、前記第一ガスケットが第一面に配置された状態の前記第一プレートを第一面側から見た図である。
【
図13】
図13は、第二ガスケットをX軸方向側から見た図である。
【
図14】
図14は、前記第二ガスケットが第一面に配置された状態の前記第二プレートを第一面側から見た図である。
【
図15】
図15は、第三ガスケットをX軸方向側から見た図である。
【
図16】
図16は、前記第三ガスケットが第一面に配置された状態の前記第二プレートを第一面側から見た図である。
【
図17】
図17は、第四ガスケットをX軸方向側から見た図である。
【
図18】
図18は、前記第四ガスケットが第一面に配置された状態の前記第一プレートを第一面側から見た図である。
【
図19】
図19は、前記プレート群の内部における混合対象物の濃度、流量、温度を示す図である。
【
図20】
図20は、ガスケットの交換前の流路を示す図である。
【
図21】
図21は、ガスケットの交換後の流路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の一実施形態について、
図1~
図21を参照しつつ説明する。
【0036】
本実施形態に係るプレート式混合器(以下、単に「混合器」とも称する。)は、
図1~
図4に示すように、所定方向に重ねられる複数のプレート3を備え、流動性を有する複数種の混合対象物A、Bを所定のプレート間に流入させることでこれら複数種の混合対象物A、Bを混合する。この混合器1が混合可能な混合対象物A、Bとは、液体や気体等の流体、粉体(粉、粒等の集まったもの)、エマルジョン流体やスラリー流体等の液体同士が混ざったものや流体と粉体とが混ざったもの、液体に気体が混ざったもの(例えば、炭酸水、発泡石鹸水)等であり、流動性を有する。本実施形態では、混合対象物Aは、硫酸であり、混合対象物Bは、水(希釈水)であり、混合器1は、硫酸と希釈水とを混合することによって硫酸の希釈を行う。尚、以下では、複数種の混合対象物A、Bが混合されたもの(即ち、混合された状態の複数種の混合対象物)を「混合物C」と称することもある。
【0037】
具体的に、混合器1は、所定方向に重ねられる複数のプレート3と、所定方向に隣り合う二つのプレート3のプレート間(以下、単に「プレート間」とも称する。)に挟み込まれることで該二つのプレート3と共同して該プレート間に所定の流路空間(第一空間Sp1、第二空間Sp2)を形成(画定)する複数のガスケット4と、を有するプレート群2を備える。また、混合器1は、プレート群2を解放可能に保持する保持部5を備える。
【0038】
プレート群2では、該プレート群2の外部から供給された複数種の混合対象物A、Bが所定のプレート間(第一空間Sp1:
図5参照)を流れることによって混合される。このプレート群2は、保持部5から解放された状態(即ち、保持されていない状態)のときにプレート3とガスケット4とに分解可能に構成されている。また、プレート群2は、流動物W1、W2が所定のプレート間(第二空間Sp2:
図5参照)を流れることによって混合対象物A、Bや混合物Cの温度調整を行うこともできる。本実施形態のプレート群2は、プレート3の重ねられる方向(所定方向)が水平方向と一致するように保持部5に保持される。以下では、プレート3の重ねられる方向をX軸方向とし、プレート3の重ねられる方向と直交し且つ該プレート3に沿った水平方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。
【0039】
尚、流動物W1、W2とは、混合対象物A、B又は混合物Cと熱交換することによって混合対象物A、B又は混合物Cの温度調整を行うためのものであり、流動性を有する。具体的に、流動物W1、W2は、混合対象物A、Bと同様に、液体や気体等の流体、粉体(粉、粒等の集まったもの)、エマルジョン流体やスラリー流体等の液体同士が混ざったものや流体と粉体とが混ざったもの、液体に気体が混ざったもの(例えば、炭酸水、発泡石鹸水)等であり、本実施形態の流動物W1、W2は、水(冷却水)である。また、混合対象物A、B又は混合物Cを加熱する場合には、混合対象物A、B等より温度の高い流動物(加熱媒体)W1、W2、例えば、温水(100℃未満の水)や、熱水(100℃以上の水)、蒸気(スチーム)等が用いられ、混合対象物A、B又は混合物Cを冷却する場合には、混合対象物A、B等より温度の低い流動物(冷却媒体)W1、W2、例えば、常温(室温)の水や、低温の水(常温より低い温度の水)等が用いられてもよい。
【0040】
具体的に、プレート群2は、
図5及び
図6にも示すように、内部に複数の流路(流路空間)Ch1~Ch5、Ch11~Ch16を有し、異なる流路Ch1、Ch2、Ch5を通じて流入した混合対象物A、B同士を混合する。これら複数の流路は、混合対象物A、Bが流れる流路Ch1~Ch5と、流動物W1、W2が流れる流路Ch11~Ch16と、を含む。
【0041】
また、プレート群2は、X軸方向に並ぶ複数の区分領域に区分される。この区分領域Ar1、Ar2は、温度調整用の流動物W1、W2が流れる流路Ch15、Ch16の配置に基づいて区分された領域である。本実施形態のプレート群2は、第一区分領域Ar1と第二区分領域Ar2とに区分される。このプレート群2において、第一区分領域Ar1には、流動物W1が流通する流路Ch15が配置され、第二区分領域Ar2には、流動物W2が流通する流路Ch16が配置されている。
【0042】
また、プレート群2において、X軸方向の一方側(
図2における左側)の端面において、流路Ch1~Ch3、Ch5、Ch11~Ch14と対応する部位は、それぞれ開口しており、X軸方向の他方側の端面において、流路Ch1~Ch5、Ch11~Ch14と対応する位置は、それぞれ閉じている(塞がっている)。
【0043】
より具体的に、プレート群2は、該プレート群2の内部をX軸方向に延び且つ第一空間Sp1と連通することで該プレート群2の外部から該第一空間Sp1に混合対象物A、Bを流入させる複数(本実施形態の例では、二つ)の第一流入路Ch1、Ch2と、該プレート群2の内部をX軸方向に延び且つ第一空間Sp1と連通することで該第一空間Sp1から該プレート群2の外部に混合対象物A、Bを流出させる少なくとも一つ(本実施形態の例では、一つ)の第一流出路Ch3と、を有する。
【0044】
本実施形態のプレート群2では、二つの第一流入路Ch1、Ch2のそれぞれは、第一区分領域Ar1に形成(配置)されている複数の第一空間Sp1のそれぞれと連通する。また、第一流出路Ch3は、第二区分領域Ar2に形成(配置)されている複数の第一空間Sp1のそれぞれと連通する。これら第一流入路Ch1、Ch2と第一流出路Ch3とは、プレート3の対応する位置において該プレート3をX軸方向に貫通する連通孔(第一貫通孔)31A、31BがX軸方向に連なることによって形成されている。
【0045】
また、プレート群2は、該プレート群2の内部をX軸方向に延び且つ第二空間Sp2と連通することで該プレート群2の外部から該第二空間Sp2に流動物W1、W2を流入させる少なくとも一つ(本実施形態の例では、二つ)の第二流入路Ch11、Ch12と、該プレート群2の内部をX軸方向に延び且つ第二空間Sp2と連通することで該第二空間Sp2から該プレート群2の外部に流動物W1、W2を流出させる少なくとも一つ(本実施形態の例では、二つ)の第二流出路Ch13、Ch14と、を有する。
【0046】
本実施形態のプレート群2では、二つの第二流入路Ch11、Ch12のうちの一方の第二流入路Ch11が第一区分領域Ar1に形成されている複数の第二空間Sp2のそれぞれと連通し、この一方の第二流入路Ch11と対応する第二流出路(一方の第二流出路)Ch13が第一区分領域Ar1に配置されている複数の第二空間Sp2のそれぞれと連通する。また、二つの第二流入路Ch11、Ch12のうちの他方の第二流入路Ch12が第二区分領域Ar2に形成されている複数の第二空間Sp2のそれぞれと連通し、この他方の第二流入路Ch12と対応する第二流出路(他方の第二流出路)Ch14が第二区分領域Ar2に形成されている複数の第二空間Sp2のそれぞれと連通する。これら第二流入路Ch11、Ch12と第二流出路Ch13、Ch14とは、プレート3の対応する位置において該プレート3をX軸方向に貫通する連通孔(第三貫通孔)31A、31BがX軸方向に連なることによって形成されている。
【0047】
また、プレート群2は、複数の第一流入路Ch1、Ch2から少なくとも一つの第一流出路Ch3まで延び且つ複数の第一空間Sp1を含む少なくとも一つの混合用流路Ch4と、各第二流入路Ch11、Ch12から該第二流入路Ch11、Ch12と対応する第二流出路Ch13、Ch14までそれぞれ延び且つ少なくとも一つの第二空間Sp2をそれぞれ含む複数(本実施形態の例では、二つ)の温度調整用流路Ch15、Ch16と、を有する。
【0048】
混合用流路Ch4は、プレート群2において、複数の区分領域Ar1、Ar2のそれぞれを通るように形成されている。本実施形態の混合用流路Ch4は、プレート群2において、第一区分領域Ar1、第二区分領域Ar2の順に各区分領域Ar1、Ar2を通るように配置されている。
【0049】
具体的に、混合用流路Ch4は、第一区分領域Ar1に配置され且つ第一流入路Ch1、Ch2とそれぞれ連通する複数の第一空間Sp1と、第二区分領域Ar2に配置され且つ第一流出路Ch3とそれぞれ連通する複数の第一空間Sp1と、第一区分領域Ar1の複数の第一空間Sp1と第二区分領域Ar2の複数の第一空間Sp1とを接続する接続路Ch40と、を有する。この接続路Ch40は、プレート群2の内部を第一区分領域Ar1と第二区分領域Ar2とに亘ってX軸方向に延び、且つ、第一区分領域Ar1の各第一空間Sp1とそれぞれ連通すると共に第二区分領域Ar2の各第一空間Sp1とそれぞれ連通する。また、接続路Ch40は、プレート3の対応する位置において該プレート3をX軸方向に貫通する連通孔31A、31BがX軸方向に連なることによって形成されている。
【0050】
二つの温度調整用流路Ch15、Ch16のそれぞれは、互いに異なる区分領域Ar1、Ar2に形成されている。本実施形態のプレート群2では、二つの温度調整用流路Ch15、Ch16のうちの一方の温度調整用流路(第一温度調整用流路)Ch15は、第一区分領域Ar1に形成され、他方の温度調整用流路(第二温度調整用流路)Ch16は、第二区分領域Ar2に形成されている。
【0051】
この第一温度調整用流路Ch15は、第一区分領域Ar1において一方の第二流入路Ch11と一方の第二流出路Ch13とのそれぞれに連通する複数の第二空間Sp2によって形成されている。
【0052】
また、第二温度調整用流路Ch16は、第二区分領域Ar2において他方の第二流入路Ch12と他方の第二流出路Ch14とのそれぞれに連通する複数の第二空間Sp2によって形成されている。
【0053】
さらに、プレート群2は、該プレート群2の内部をX軸方向に延びる少なくとも一つの第三流入路Ch5を有する。この第三流入路Ch5は、混合用流路Ch4が通る順における二番目以降の区分領域(本実施形態の例では、第二区分領域Ar2)において混合用流路Ch4と連通し、該混合用流路Ch4にプレート群2の外部から混合対象物Bを流入させる。本実施形態のプレート群2では、第三流入路Ch5は、第二温度調整用流路Ch16が形成されている第二区分領域Ar2において混合用流路Ch4に混合対象物Bを流入させる。
【0054】
以上のような各流路Ch1~Ch5、Ch11~Ch16が内部に形成(配置)されているプレート群2を構成する複数のプレート3のそれぞれは、Z軸方向に長尺な板状であり、伝熱性を有する。これら複数のプレート3のそれぞれは、ステンレス鋼、チタン等の金属プレート(薄板)がプレス成形されることによって形成されている。尚、プレート3は、樹脂、セラミック等によって構成されていてもよい。この場合、例えば押し出し成型法等によってプレート3が成形される。
【0055】
尚、本実施形態において「伝熱性を有する」とは、熱伝導率が0.2W/m・K以上のことを言う。この値は、混合対象物A、Bを温度調整しつつ混合する本実施形態の混合器1において、使用が予定されているプレート3の材質のうちで最も熱伝導率の低い材質(例えば、耐薬液用途で使用可能なフッ素樹脂等)に基づいて設定されたものである。換言すると、本実施形態の混合器1では、混合対象物A、Bが他の流動物W1、W2と熱交換しつつ混合されるように、熱伝導率が所定の値(0.2W/m・K)以上の材質によってプレート3が形成されている。
【0056】
複数のプレート3は、
図7~
図10にも示されるような二種類のプレート(第一プレート3A、第二プレート3B)を含む。これら二種類のプレート3A、3Bは、プレート群2においてX軸方向に交互に配置されている(
図3及び
図4参照)。また、本実施形態のプレート群2では、X軸方向に隣り合う区分領域Ar1、Ar2において、一方の区分領域(例えば、第一区分領域)Ar1の第一プレート3Aは、他方の区分領域(例えば、第二区分領域)Ar2の第一プレート3Aに対して中心点C1まわりに180°回転した姿勢で配置されている。同様に、一方の区分領域(例えば、第一区分領域)Ar1の第二プレート3Bは、他方の区分領域(例えば、第二区分領域)Ar2の第二プレート3Bに対して中心点C1まわりに180°回転した姿勢で配置されている。尚、各プレート3A、3Bの中心点C1は、プレート3A、3BのY軸方向の中心でZ軸方向に延びる縦中心線CL1と、プレート3A、3BのZ軸方向の中心でY軸方向に延びる横中心線CL2と、の交点である。
【0057】
具体的に、第一プレート3A及び第二プレート3Bのそれぞれは、X軸方向と直交する方向に広がり且つZ軸方向に長尺な矩形板状であり、X軸方向における一方の面(第一面)S1、S3と、第一面S1、S3と反対側(即ち、X軸方向の他方)の面(第二面)S2、S4と、をそれぞれ有する。これら第一プレート3A及び第二プレート3Bの各輪郭形状は、同じである。また、本実施形態の各プレート3A、3Bでは、中心点C1まわりにそれぞれ180°回転させたときに、回転前のプレート3A、3Bの輪郭形状と、回転後のプレート3A、3Bの輪郭形状とは、同じである。
【0058】
本実施形態のプレート群2では、第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3とが対向し、第二プレート3Bの第二面S4と第一プレート3Aの第一面S1とが対向するように、第一プレート3Aと第二プレート3BとがX軸方向に交互に配置されている(
図3及び
図4参照)。
【0059】
第一区分領域Ar1に配置される第一プレート3A及び第二プレート3Bのそれぞれは、Z軸方向の一方の端部(本実施形態の例では上端部)から他方の端部(本実施形態の例では下端部)に向けて順に並ぶ第一領域Ar31と第二領域Ar32と第三領域Ar33とを有する。本実施形態の第一プレート3Aと第二プレート3Bとにおいて、第一プレート3Aの第一領域Ar31と、第二プレート3Bの第一領域Ar31とが、Z軸方向の同じ範囲(即ち、X軸方向から見て互いに重なる領域)であり、第一プレート3Aの第二領域Ar32と、第二プレート3Bの第二領域Ar32とが、Z軸方向の同じ範囲であり、第一プレート3Aの第三領域Ar33と、第二プレート3Bの第三領域Ar33とが、Z軸方向の同じ範囲である。
【0060】
また、第一プレート3A及び第二プレート3Bのそれぞれは、ガスケット4が配置可能なガスケット配置部30Gを有する。本実施形態の第一プレート3A及び第二プレート3Bのそれぞれは、Z軸方向の両端に形成される一対の係合部30Eも有する。
【0061】
このガスケット配置部30Gは、各プレート3A、3Bにおいてガスケット4が配置される部位であり、例えば、ガスケット4がプレート間に挟み込まれるときに該ガスケット4のプレート3A、3Bに対する位置ずれ等を防ぐ。このガスケット配置部30Gは、複数種のガスケット形状に対応した形状を有する。本実施形態のガスケット配置部30Gは、四種のガスケット形状に対応した形状を有する。このガスケット配置部30Gは、
図7~
図10においては、形状を理解しやすいように二重線で示されているが、各プレート3A、3Bに形成された溝や、ガスケット4の各部位の幅方向の両側に形成される凸部等によって構成されている。
【0062】
尚、上述のように金属プレート(薄板)がプレス成形されることによって各プレート3A、3Bが形成されているため、ガスケット配置部30Gを構成する溝や凸部等は、同じプレート3A、3Bにおける第一面S1、S3と第二面S2、S4とにおいて表裏の関係(即ち、X軸方向から見て同じ形で且つ突出方向(又は凹み方向)が逆の関係)である。
【0063】
また、係合部30Eは、プレート群2が保持部5に保持されているときに、保持部5の一部531と係合する部位である。本実施形態の係合部30Eは、各プレート3A、3BのZ軸方向の両端に形成された切欠きである。この係合部30Eは、各プレート3A、3BのZ軸方の各端部におけるY軸方向の中央位置にそれぞれ形成されている。
【0064】
また、これら各プレート3A、3Bは、少なくとも、プレート間にガスケット4が挟み込まれた状態でX軸方向から見たときの該ガスケット4に囲まれた領域(第一空間Sp1又は第二空間Sp2と対応する領域)に、複数の凸部301と、複数の凹部302と、を有する。尚、各図において、第二領域Ar32の凸部301及び凹部302のみを示し、他の領域における凸部及び凹部の記載は、省略している。また、第二領域Ar32の凸部301及び凹部302の数、形状、及び配置等については模式的に示している。
【0065】
これら複数の凸部301と複数の凹部302とは、混合対象物A、B又は流動物W1、W2がプレート間に形成された第一空間Sp1又は第二空間Sp2を流れたときに、混合対象物A、B又は流動物W1、W2の流れにおいて分岐、合流、乱流等を生じさせることで混合対象物A、Bの混合効率又は混合対象物A、Bと流動物W1、W2とのプレート3を介した熱交換効率を向上等させるための部位である。
【0066】
具体的な凸部301及び凹部302の形状、大きさ、数、配置等は、混合対象物A、Bの種類又は流動物W1、W2の種類等に応じて種々設定される。例えば、各プレート3A、3Bの第二領域Ar32の第一面S1、S3に形成される複数の凸部301と複数の凹部302とは、V字状の凸部301とV字状の凹部302とがZ軸方向に交互に形成された、いわゆるヘリンボーン状に配置されている。
【0067】
尚、本実施形態のプレート3A、3Bは、上述のように金属プレート(薄板)がプレス成形されることによって形成されている。このため、各プレート3A、3Bの第二面S2、S4の各凸部301は、第一面S1、S3の凹部302と表裏の関係であり、第二面S2、S4の各凹部302は、第一面S1、S3の凸部301と表裏の関係である。即ち、第一面S1、S3においてX軸方向の第一面S1、S3側に突出する凸部301の裏面(第二面S2、S4の対応する部位)には、X軸方向の第一面S1側に凹む凹部302が配置され、第一面S1、S3においてX軸方向の第二面S2、S4側に凹む凹部302の裏面(第二面S2、S4の対応する部位)には、X軸方向の第二面S2、S4側に突出する凸部301が配置されている(
図7~
図10参照)。
【0068】
以下、第一プレート3A及び第二プレート3Bのそれぞれの各構成について具体的に説明する。尚、各プレート3A、3Bの構成は、第一区分領域Ar1に配置された状態のプレート3A、3Bに基づいて説明する。
【0069】
第一プレート3Aは、複数(本実施形態の例では、十)の連通孔31Aと、少なくとも一つの混合用貫通孔(第二貫通孔)35Aと、を有する。これら複数の連通孔31A及び少なくとも一つの混合用貫通孔35Aは、それぞれ第一プレート3AをX軸方向(厚さ方向)に貫通する。
【0070】
複数の連通孔31Aは、第一プレート3Aにおいて、該第一プレート3Aが中心点C1まわりに180°回転したときに同じ配置となるようにそれぞれ配置されている。即ち、第一プレート3Aが
図7及び
図8に示す姿勢から上端と下端とが逆になるように中心点C1まわりに回転したときに、回転した後の状態(姿勢)の第一プレート3Aの各連通孔31Aは、回転する前の状態(姿勢)の第一プレート3Aの各連通孔31AとX軸方向から見てそれぞれ重なる。
【0071】
また、本実施形態の第一プレート3Aにおいて、複数の連通孔31Aは、縦中心線CL1を対称軸とする線対称に配置されている。また、複数の連通孔31Aは、横中心線CL2を対称軸とする線対称にも配置されている。
【0072】
これら複数の連通孔31Aにおいて、三つの連通孔31A(第一連通孔310A、第二連通孔311A、第三連通孔312A)が第一領域Ar31に配置され、四つの連通孔31A(第四連通孔313A、第五連通孔314A、第六連通孔315A、第七連通孔316A)が第二領域Ar32に配置され、三つの連通孔31A(第八連通孔317A、第九連通孔318A、第十連通孔319A)が第三領域Ar33に配置されている。
【0073】
詳しくは、第一連通孔310Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において第一流入路Ch1を構成する連通孔(第一貫通孔)31Aであり、第一領域Ar31のZ軸方向の一方の端部におけるY軸方向の中央に配置されている。
【0074】
一方、プレート群2の第二区分領域Ar2においては、第一連通孔310Aは、接続路Ch40(即ち、混合用流路Ch4の一部)を構成する。
【0075】
また、第二連通孔311Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において第一流入路Ch2を構成する連通孔(第一貫通孔)31Aであり、第三連通孔312Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において第一流出路Ch3を構成する連通孔(第一貫通孔)31Aである。これら第二連通孔311Aと第三連通孔312Aとは、第一領域Ar31において、第一連通孔310AよりZ軸方向の他方側の位置で且つY軸方向の両端部に配置されている。
【0076】
一方、プレート群2の第二区分領域Ar2においては、第二連通孔311Aは、第三流入路Ch5を構成する連通孔31Aとして利用され、第三連通孔312Aは、使用されない(即ち、混合対象物A、B及び流動物W1、W2が流れない)。
【0077】
また、第四連通孔313Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において一方の第二流出路Ch13を構成する連通孔(第三貫通孔)31Aであり、第五連通孔314Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において他方の第二流入路Ch12を構成する連通孔(第三貫通孔)31Aであり、第六連通孔315Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において他方の第二流出路Ch14を構成する連通孔(第三貫通孔)31Aであり、第七連通孔316Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において一方の第二流入路Ch11を構成する連通孔(第三貫通孔)31Aである。これら第四連通孔~第七連通孔313A~316Aは、第二領域Ar32の四隅に配置されている。より具体的に、第四連通孔313Aと第五連通孔314Aとは、第二領域Ar32において、Z軸方向の一方の端部におけるY軸方向の両端部に配置され、第六連通孔315Aと第七連通孔316Aとは、第二領域Ar32において、Z軸方向の他方の端部におけるY軸方向の両端部に配置されている。
【0078】
一方、プレート群2の第二区分領域Ar2においては、第四連通孔313Aは、使用されず、第五連通孔314Aは、他方の第二流出路Ch14を構成する連通孔(第三貫通孔)31Aとして利用され、第六連通孔315Aは、他方の第二流入路Ch12を構成する連通孔(第三貫通孔)31Aとして利用され、第七連通孔316Aは、使用されない。
【0079】
また、第八連通孔317Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において使用されない連通孔31Aであり、第九連通孔318Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において第三流入路Ch5を構成する連通孔31Aである。これら第八連通孔317Aと第九連通孔318Aとは、第三領域Ar33のZ軸方向の一方の端部におけるY軸方向の両端部に配置されている。
【0080】
一方、プレート群2の第二区分領域Ar2においては、第八連通孔317Aは、第一流出路Ch3を構成する連通孔(第一貫通孔)31Aとして利用され、第九連通孔318Aは、使用されない。
【0081】
また、第十連通孔319Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において接続路Ch40(即ち、混合用流路Ch4の一部)を構成する連通孔31Aであり、第三領域Ar33において、第八連通孔317A及び第九連通孔318AよりZ軸方向の他方側で且つY軸方向の中央に配置されている。
【0082】
一方、プレート群2の第二区分領域Ar2においては、第十連通孔319Aは、使用されない。
【0083】
以上の第一連通孔~第十連通孔310A~319Aは、それぞれ円形の貫通孔であり、第一連通孔310Aと第十連通孔319Aとのそれぞれは、同じ内径(第一内径d1)を有し、第二連通孔311A~第九連通孔318Aのそれぞれは、同じ内径(第二内径d2)を有する。本実施形態の連通孔31Aにおいて、第一連通孔310A及び第十連通孔319Aの第一内径d1は、他の連通孔311A~318Aの第二内径d2より大きい。
【0084】
少なくとも一つの混合用貫通孔35Aは、プレート群2において、混合対象物A、Bが該混合用貫通孔35Aを通過することによって混合対象物A、Bの流れを分岐、合流等させ、これにより、混合対象物A、Bの混合に寄与する貫通孔である。本実施形態の第一プレート3Aは、複数の混合用貫通孔35Aを有し、これら複数の混合用貫通孔35Aは、第一領域Ar31に配置されている。
【0085】
具体的に、複数の混合用貫通孔35Aは、第一領域Ar31における第二連通孔311A及び第三連通孔312AよりZ軸方向の他方側の位置においてZ軸方向に間隔をあけて並んでいる。より具体的に、複数の混合用貫通孔35Aは、第一領域Ar31のY軸方向の中央においてZ軸方向に間隔をあけて並び、各混合用貫通孔35Aは、Y軸に延びる長孔である。
【0086】
第二プレート3Bは、複数(本実施形態の例では、十)の連通孔31Bと、少なくとも一つの混合用貫通孔(第二貫通孔)35Bと、を有する。これら複数の連通孔31B及び少なくとも一つの混合用貫通孔35Bは、それぞれ第二プレート3BをX軸方向(厚さ方向)に貫通する。
【0087】
複数の連通孔31Bのそれぞれは、プレート群2において第一プレート3Aの対応する連通孔31AとX軸方向に交互に連なることで、プレート群2の内部をX軸方向に延びる流路空間を形成する。即ち、第一プレート3Aの連通孔31Aと第二プレート3Bの連通孔31Bとは、プレート群2においてX軸方向に交互に連なることによって、プレート群2の内部に混合対象物A、B又は流動物W1、W2がX軸方向(換言すると、プレート3の積層方向)に流れることができる空間を形成する。このため、本実施形態の第二プレート3Bは、第一プレート3Aの連通孔31Aと同じ数の連通孔31Bを有し、第二プレート3Bの複数の連通孔31Bのそれぞれは、第一プレート3Aの対応する連通孔31Aと同じ位置に配置されると共に、同じ形状で且つ同じ大きさである。
【0088】
これら複数の連通孔31Bは、第一プレート3Aの複数の連通孔31Aと同様に、第二プレート3Bにおいて、該第二プレート3Bが中心点C1まわりに180°回転したときに同じ配置となるようにそれぞれ配置されている。即ち、第二プレート3Bが
図9及び
図10に示す姿勢から上端と下端とが逆になるように中心点C1まわりに回転したときに、回転した後の状態(姿勢)の第二プレート3Bの各連通孔31Bは、回転する前の状態(姿勢)の第二プレート3Bの各連通孔31BとX軸方向から見てそれぞれ重なる。
【0089】
また、本実施形態の第二プレート3Bにおいては、第一プレート3Aの複数の連通孔31Aと同様に、複数の連通孔31Bは、縦中心線CL1を対称軸とする線対称に配置されている。また、複数の連通孔31Bは、横中心線CL2を対称軸とする線対称にも配置されている。
【0090】
以下、第二プレート3Bの複数の連通孔31B及び少なくとも一つの混合用貫通孔35Bについても具体的に説明する。
【0091】
複数の連通孔31Bにおいて、三つの連通孔31B(第一連通孔310B、第二連通孔311B、第三連通孔312B)が第一領域Ar31に配置され、四つの連通孔31B(第四連通孔313B、第五連通孔314B、第六連通孔315B、第七連通孔316B)が第二領域Ar32に配置され、三つの連通孔31B(第八連通孔317B、第九連通孔318B、第十連通孔319B)が第三領域Ar33に配置されている。
【0092】
詳しくは、第一連通孔310Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において第一流入路Ch1を構成する連通孔(第一貫通孔)31Aであり、第一領域Ar31のZ軸方向の一方の端部におけるY軸方向の中央に配置されている。
【0093】
一方、プレート群2の第二区分領域Ar2においては、第一連通孔310Bは、接続路Ch40(即ち、混合用流路Ch4の一部)を構成する。
【0094】
また、第二連通孔311Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において第一流入路Ch2を構成する連通孔(第一貫通孔)31Aであり、第三連通孔312Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において第一流出路Ch3を構成する連通孔(第一貫通孔)31Bである。これら第二連通孔311Bと第三連通孔312Bとは、第一領域Ar31において、第一連通孔310BよりZ軸方向の他方側の位置で且つY軸方向の両端部に配置されている。
【0095】
一方、プレート群2の第二区分領域Ar2においては、第二連通孔311Bは、第三流入路Ch5を構成する連通孔31Bとして利用され、第三連通孔312Bは、使用されない。
【0096】
また、第四連通孔313Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において一方の第二流出路Ch13を構成する連通孔(第三貫通孔)31Bであり、第五連通孔314Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において他方の第二流入路Ch12を構成する連通孔(第三貫通孔)31Bであり、第六連通孔315Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において他方の第二流出路Ch14を構成する連通孔(第三貫通孔)31Bであり、第七連通孔316Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において一方の第二流入路Ch11を構成する連通孔(第三貫通孔)31Bである。これら第四連通孔~第七連通孔313B~316Bは、第二領域Ar32の四隅に配置されている。より具体的に、第四連通孔313Bと第五連通孔314Bとは、第二領域Ar32において、Z軸方向の一方の端部におけるY軸方向の両端部に配置され、第六連通孔315Bと第七連通孔316Bとは、第二領域Ar32において、Z軸方向の他方の端部におけるY軸方向の両端部に配置されている。
【0097】
一方、プレート群2の第二区分領域Ar2においては、第四連通孔313Bは、使用されず、第五連通孔314Bは、他方の第二流出路Ch14を構成する連通孔(第三貫通孔)31Bとして利用され、第六連通孔315Bは、他方の第二流入路Ch12を構成する連通孔(第三貫通孔)31Bとして利用され、第七連通孔316Bは、使用されない。
【0098】
また、第八連通孔317Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において使用されない連通孔31Bであり、第九連通孔318Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において第三流入路Ch5を構成する連通孔31Bである。これら第八連通孔317Bと第九連通孔318Bとは、第三領域Ar33のZ軸方向の一方の端部におけるY軸方向の両端部に配置されている。
【0099】
一方、プレート群2の第二区分領域Ar2においては、第八連通孔317Bは、第一流出路Ch3を構成する連通孔(第一貫通孔)31Bとして利用され、第九連通孔318Bは、使用されない。
【0100】
また、第十連通孔319Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において接続路Ch40(即ち、混合用流路Ch4の一部)を構成する連通孔31Bであり、第三領域Ar33において、第八連通孔317B及び第九連通孔318BよりZ軸方向の他方側で且つY軸方向の中央に配置されている。
【0101】
一方、プレート群2の第二区分領域Ar2においては、第十連通孔319Bは、使用されない。
【0102】
以上の第一連通孔~第十連通孔310B~319Bは、それぞれ円形の貫通孔であり、第一連通孔310Bと第十連通孔319Bとのそれぞれは、第一プレート3Aの第一連通孔310A及び第十連通孔319Aと同じ第一内径d1を有し、第二連通孔311B~第九連通孔318Bは、第一プレート3Aの第二連通孔311A~第十連通孔319Aと同じ第二内径d2を有する。
【0103】
少なくとも一つの混合用貫通孔35Bは、第一プレート3Aの混合用貫通孔35Aと同様に混合対象物A、Bの混合に寄与する貫通孔であり、本実施形態の第二プレート3Bは、複数(詳しくは、第一プレート3Aの混合用貫通孔35Aと同じ数)の混合用貫通孔35Bを有し、これら複数の混合用貫通孔35Bは、第一領域Ar31に配置されている。
【0104】
具体的に、複数の混合用貫通孔35Bは、第一領域Ar31における第二連通孔311B及び第三連通孔312BよりZ軸方向の他方側の位置においてZ軸方向に間隔をあけて並んでいる。より具体的に、複数の混合用貫通孔35Bは、第一領域Ar31のY軸方向の中央においてZ軸方向に間隔をあけて並び、各混合用貫通孔35Bは、Y軸に延びる長孔である。本実施形態の各混合用貫通孔35Bは、第一プレート3Aの対応する混合用貫通孔35AのZ軸方向の位置と同じ位置にそれぞれ配置されている。
【0105】
尚、本実施形態の第二プレートの第一領域Ar31における混合用貫通孔35Bの数は、第一プレート3Aの第一領域Ar31における混合用貫通孔35Aの数と同じであるが、異なっていてもよい。また、本実施形態の第二プレート3Bの第一領域Ar31における各混合用貫通孔35BのZ軸方向の位置は、第一プレート3Aの第一領域Ar31において対応する混合用貫通孔35AのZ軸方向の位置と同じであるが、異なっていてもよい。
【0106】
続いて、プレート群2を構成する複数のガスケット4について、
図11~
図18も参照しつつ具体的に説明する。
【0107】
複数のガスケット4のそれぞれは、上述のように、プレート間に挟み込まれることで該プレート間に所定の流路空間(第一空間Sp1、第二空間Sp2)を形成する。詳しくは、複数のガスケット4のそれぞれは、プレート間において、混合対象物A、Bが流通する第一空間Sp1、温度調整用の流動物W1、W2が流通する第二空間Sp2、又は、第一空間Sp1及び第二空間Sp2を形成(画定)する。これら複数のガスケット4は、複数種のガスケットを含み、本形態の複数のガスケット4は、四種のガスケット4(第一ガスケット4A、第二ガスケット4B、第三ガスケット4C、第四ガスケット4D)を含む。これら複数種のガスケット4A、4B、4C、4Dのそれぞれは、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)やエチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)等の合成ゴム、フッ素樹脂等のシール部材である。
【0108】
本実施形態の各ガスケット4A、4B、4C、4DにおけるX軸方向から見た輪郭形状は、同じである。また、各ガスケット4A、4B、4C、4Dがプレート3の中心点C1と対応する点まわりに180°回転したときに、回転後の各ガスケット4A、4B、4C、4Dの輪郭形状は、回転前の各ガスケット4A、4B、4C、4Dの輪郭形状とそれぞれ同じである。
【0109】
第一ガスケット4Aと第二ガスケット4Bとは、プレート群2の第一区分領域Ar1においてX軸方向に交互に位置するように各プレート間に配置されている。
【0110】
詳しくは、第一ガスケット4Aは、第一区分領域Ar1において、第一プレート3Aの第一面S1と第二プレート3Bの第二面S4との間に挟み込まれている。これにより、第一ガスケット4Aは、第一区分領域Ar1における第一プレート3Aの第一面S1と第二プレート3Bの第二面S4との間に第一空間Sp1(
図12において符号R1で示すスモークを付した範囲を参照)を形成する。
【0111】
具体的に、第一ガスケット4Aは、
図11及び
図12に示すように、第一プレート3Aの第一面S1に配置された状態において、混合対象物A、Bが流通する領域(第一空間Sp1)の周囲を囲む第一流路形成部41Aと、所定の連通孔31A(第二連通孔~第九連通孔311A~318A)の周囲を囲む複数の第一封止部42Aと、を有する。また、第一ガスケット4Aは、第一流路形成部41Aと各第一封止部42Aとを接続する複数の接続部43Aも有する。尚、以下では、第一流路形成部41Aによって囲まれる第一空間Sp1を第一流路R1とも称する。
【0112】
第一流路形成部41Aは、X軸方向から見て、第一プレート3Aの第一面S1における第一連通孔310Aと第十連通孔319Aとを囲む部位である。より具体的に、第一流路形成部41Aは、X軸方向から見て、第一プレート3Aの第一面S1における、第一連通孔310Aと、第一領域Ar31の複数の混合用貫通孔35Aと、第十連通孔319Aと、を含む領域を囲むと共に、第二プレート3Bの第二面S4における、第一連通孔310Bと、第一領域Ar31の複数の混合用貫通孔35Bと、第十連通孔319Bと、を含む領域を囲む。これにより、第一流路形成部41Aは、混合対象物A、Bが第一連通孔310A、310Bから第十連通孔319A、319Bまで流れる第一流路R1を第一プレート3Aの第一面S1と第二プレート3Bの第二面S4との間に形成する。
【0113】
本実施形態の第一流路形成部41Aは、Z軸方向に延び且つ該Z軸方向(混合対象物A、Bの流れ方向:
図12の矢印α1参照)の各位置における幅が略一定の環状であり、該第一流路形成部41Aに囲まれた領域(第一流路R1)の流れ方向α1の両端部に第一連通孔310A、310Bと第十連通孔319A、319Bとが配置されている。
【0114】
複数の第一封止部42Aは、X軸方向から見て、第一プレート3Aの第一面S1における第二連通孔~第九連通孔311A~318Aのそれぞれを囲むと共に、第二プレート3Bの第二面S4における第二連通孔~第九連通孔311B~318Bのそれぞれを囲む部位である。
【0115】
複数の接続部43Aのそれぞれは、X軸方向から見たときに他の種類のガスケット4B、4C、4Dの対応する部位と重なる位置において、第一流路形成部41Aと各第一封止部42Aとを接続する。
【0116】
また、第二ガスケット4Bは、プレート群2の第一区分領域Ar1において、第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間に挟み込まれている。これにより、第二ガスケット4Bは、第一区分領域Ar1における第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間に第一空間Sp1及び第二空間Sp2(
図14において符号R2、R3で示すスモークを付した範囲を参照)を形成する。
【0117】
具体的に、第二ガスケット4Bは、
図13及び
図14に示すように、第二プレート3Bの第一面S3に配置された状態において、混合対象物A、Bが流通する領域(第一空間Sp1)の周囲を囲む第二流路形成部41Bと、温度調整用の流動物W1が流通する領域(第二空間Sp2)の周囲を囲む第三流路形成部42Bと、所定の連通孔31B(第一連通孔310B、第三連通孔312B、第五連通孔314B、第六連通孔315B、第八連通孔317B~第十連通孔319B)の周囲を囲む複数の第二封止部43Bと、を有する。また、第二ガスケット4Bは、流路形成部41B、42B同士、第二封止部43B同士、又は流路形成部41B、42Bと第二封止部43Bとを接続する複数の接続部44Bも有する。尚、以下では、第二流路形成部41Bによって囲まれる第一空間Sp1を第二流路R2とも称し、第三流路形成部42Bによって囲まれる第二空間Sp2を第三流路R3とも称する。
【0118】
第二流路形成部41Bは、X軸方向から見て、第二プレート3Bの第一面S3における第二連通孔311Bと、第一領域Ar31の複数の混合用貫通孔35Bと、を囲む部位である。より具体的に、第二流路形成部41Bは、X軸方向から見て、第二プレート3Bの第一面S3における、第二連通孔311Bと、第一領域Ar31の複数の混合用貫通孔35Bと、を含む領域を囲むと共に、第一プレート3Aの第二面S2における、第二連通孔311Aと、第一領域Ar31の複数の混合用貫通孔35Aと、を含む領域を囲む。これにより、第二流路形成部41Bは、混合対象物A、Bが第二連通孔311A、311Bから最も下流側(
図14における最も下方側)の混合用貫通孔35A、35Bまで流れることができる第二流路R2を第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間に形成する。この第二流路R2では、混合対象物A、Bは、
図14の矢印α2で示す方向に流れる。
【0119】
本実施形態の第二流路形成部41Bは、混合対象物A、Bの流れ方向α2における各位置の幅が略一定の環状であり、該第二流路形成部41Bに囲まれた領域(第二流路R2)の流れ方向α2の両端部に第二連通孔311A、311Bと第一領域Ar31における最も下方側の混合用貫通孔35A、35Bとが配置されている。
【0120】
第三流路形成部42Bは、X軸方向から見て、第二プレート3Bの第一面S3における第四連通孔313Bと第七連通孔316Bとを囲む部位である。より具体的に、第三流路形成部42Bは、X軸方向から見て、第二プレート3Bの第一面S3における第四連通孔313Bと第七連通孔316Bとを含む領域を囲むと共に、第一プレート3Aの第二面S2における第四連通孔313Aと第七連通孔316Aとを含む領域を囲む。これにより、第三流路形成部42Bは、流動物W1が第七連通孔316A、316Bから第四連通孔313A、313Bまで流れる第三流路R3を第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間に形成する。この第三流路R3では、流動物W1は、
図14の矢印α3で示す方向に流れる。
【0121】
本実施形態の第三流路形成部42Bでは、該第三流路形成部42Bに囲まれた領域(第三流路R3)の流れ方向α3の両端部に第四連通孔313A、313Bと第七連通孔316A、316Bとが配置されている。
【0122】
複数の第二封止部43Bは、X軸方向から見て、第二プレート3Bの第一面S3における第一連通孔310B、第三連通孔312B、第五連通孔314B、第六連通孔315B、第八連通孔~第十連通孔317B~319Bのそれぞれを囲むと共に、第一プレート3Aの第二面S2における第一連通孔310A、第三連通孔312A、第五連通孔314A、第六連通孔315A、第八連通孔~第十連通孔317A~319Aのそれぞれを囲む部位である。
【0123】
尚、第一連通孔310A、310Bを囲む第二封止部43Bは、その一部を、第二流路形成部41Bと共通させ、第十連通孔319A、319Bを囲む第二封止部43Bは、その一部を、第八連通孔317A、317Bを囲む第二封止部43Bと共通させている。
【0124】
複数の接続部44Bのそれぞれは、X軸方向から見たときに他の種類のガスケット4A、4C、4Dの対応する部位と重なる位置において、流路形成部41B、42B同士、第二封止部43B同士、又は流路形成部41B、42Bと第二封止部43Bとを接続する。
【0125】
第三ガスケット4Cと第四ガスケット4Dとは、プレート群2の第二区分領域Ar2においてX軸方向に交互に位置するように各プレート間に配置されている。
【0126】
詳しくは、第三ガスケット4Cは、第二区分領域Ar2において、第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間に挟み込まれている。これにより、第三ガスケット4Cは、第二区分領域Ar2における第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間に第一空間Sp1及び第二空間Sp2(
図16において符号R4、R5で示すスモークを付した範囲を参照)を形成する。尚、この第二区分領域Ar2では、上述のように、各プレート3A、3Bは、第一区分領域Ar1の各プレート3A、3Bに対して中心点C1まわりにそれぞれ180°回転した状態(本実施形態の例では、上下が逆になるように回転した状態)でX軸方向に交互に配置されている(
図3及び
図4参照)。
【0127】
具体的に、第三ガスケット4Cは、
図15及び
図16に示すように、第二プレート3Bの第一面S3に配置された状態において、混合対象物A、Bの流通する領域(第一空間Sp1)の周囲を囲む第四流路形成部41Cと、温度調整用の流動物W2が流通する領域(第二空間Sp2)の周囲を囲む第五流路形成部42Cと、所定の連通孔31B(第一連通孔310B、第三連通孔312B、第四連通孔313B、第七連通孔~第十連通孔316B~319B)の周囲を囲む複数の第三封止部43Cと、を有する。また、第三ガスケット4Cは、流路形成部41C、42C同士、第三封止部43C同士、又は流路形成部41C、42Cと第三封止部43Cとを接続する複数の接続部44Cも有する。尚、以下では、第四流路形成部41Cによって囲まれる第一空間Sp1を第四流路R4とも称し、第五流路形成部42Cによって囲まれる第二空間Sp2を第五流路R5とも称する。
【0128】
第四流路形成部41Cは、X軸方向から見て、第二プレート3Bの第一面S3における第二連通孔311Bと、第一領域Ar31の複数の混合用貫通孔35Bと、を囲む(
図16参照)部位である。より具体的に、第四流路形成部41Cは、X軸方向から見て、第二プレート3Bの第一面S3における、第二連通孔311Bと、第一領域Ar31の複数の混合用貫通孔35Bと、を含む領域を囲むと共に、第一プレート3Aの第二面S2における、第二連通孔311Aと、第一領域Ar31の複数の混合用貫通孔35Aと、を含む領域を囲む。これにより、第四流路形成部41Cは、混合対象物A、Bが第二連通孔311A、311Bから最も下流側(
図16における最も上方側)の混合用貫通孔35A、35Bまで流通することができる第四流路R4(第一空間Sp1)を第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間に形成する。この第四流路R4では、混合対象物A、Bは、
図16の矢印α4で示す方向に流れる。
【0129】
本実施形態の第四流路形成部41Cは、混合対象物A、Bの流れ方向α4における各位置の幅が略一定の環状であり、該第四流路形成部41Cに囲まれた領域(第四流路R4)の流れ方向α4の両端部に第二連通孔311A、311Bと第一領域Ar31における最も上方側の混合用貫通孔35A、35Bとが配置されている。
【0130】
第五流路形成部42Cは、X軸方向から見て、第二プレート3Bの第一面S3における第五連通孔314Bと第六連通孔315Bとを囲む部位である。より具体的に、第五流路形成部42Cは、X軸方向から見て、第二プレート3Bの第一面S3における第五連通孔314Bと第六連通孔315Bとを含む領域を囲むと共に、第一プレート3Aの第二面S2における第五連通孔314Aと第六連通孔315Aとを含む領域を囲む。これにより、第五流路形成部42Cは、流動物W2が第六連通孔315A、315Bから第五連通孔314A、314Bまで流れる第五流路R5を第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間に形成する。この第五流路R5では、流動物W2は、
図16の矢印α5で示す方向に流れる。
【0131】
本実施形態の第五流路形成部42Cでは、該第五流路形成部42Cに囲まれた領域(第五流路R5)の流れ方向α5の両端部に第五連通孔314A、314Bと第六連通孔315A、315Bとが配置されている。
【0132】
複数の第三封止部43Cは、X軸方向から見て、第二プレート3Bの第一面S3における第一連通孔310B、第三連通孔312B、第四連通孔313B、第七連通孔~第十連通孔316B~319Bのそれぞれを囲む(
図15参照)と共に、第一プレート3Aの第二面S2における第一連通孔310A、第三連通孔312A、第四連通孔313A、第七連通孔~第十連通孔316A~319Aのそれぞれを囲む部位である。
【0133】
尚、第一連通孔310A、310Bを囲む第三封止部43Cは、その一部を、第四流路形成部41Cと共通させている。
【0134】
複数の接続部44Cのそれぞれは、X軸方向から見たときに他の種類のガスケット4A、4B、4Dの対応する部位と重なる位置において、流路形成部41C、42C同士、第三封止部43C同士、流路形成部41C、42Cと第三封止部43C、又は第三封止部43Cと接続部44C、を接続する。
【0135】
また、第四ガスケット4Dは、プレート群2の第二区分領域Ar2において、第一プレート3Aの第一面S1と第二プレート3Bの第二面S4との間に挟み込まれている。これにより、第四ガスケット4Dは、第二区分領域Ar2における第一プレート3Aの第一面S1と第二プレート3Bの第二面S4との間に第一空間Sp1(
図18において符号R6で示すスモークを付した範囲を参照)を形成する。
【0136】
具体的に、第四ガスケット4Dは、
図17及び
図18に示すように、第一プレート3Aの第一面S1に配置された状態において、混合対象物A、Bが流通する領域(第一空間Sp1)の周囲を囲む第六流路形成部41Dと、所定の連通孔31A(第二連通孔~第七連通孔311A~316A、第九連通孔318A、第十連通孔319A)の周囲を囲む複数の第四封止部42Dと、を有する。また、第四ガスケット4Dは、第四封止部42D同士、又は第六流路形成部41Dと第四封止部42Dとを接続する複数の接続部43Dも有する。尚、以下では、第六流路形成部41Dによって囲まれる第一空間Sp1を第六流路R6とも称する。
【0137】
第六流路形成部41Dは、X軸方向から見て、第一プレート3Aの第一面S1における第一連通孔310Aと第八連通孔317Aとを囲む部位である。より具体的に、第六流路形成部41Dは、X軸方向から見て、第一プレート3Aの第一面S1における、第一連通孔310Aと、第一領域Ar31の複数の混合用貫通孔35Aと、第八連通孔317Aと、を含む領域を囲むと共に、第二プレート3Bの第二面S4における、第一連通孔310Bと、第一領域Ar31の複数の混合用貫通孔35Bと、第八連通孔317Bと、を含む領域を囲む。これにより、第六流路形成部41Dは、混合対象物A、Bが第一連通孔310A、310Bから第八連通孔317A、317Bまで流れる第六流路R6を第一プレート3Aの第一面S1と第二プレート3Bの第二面S4との間に形成する。
【0138】
本実施形態の第六流路形成部41Dは、Z軸方向の一方側の端部を除いてZ軸方向に延び且つ前記一方側の端部を除いて該Z軸方向(混合対象物A、Bの流れ方向:
図18の矢印α6参照)の各位置における幅が略一定の環状であり、該第六流路形成部41Dに囲まれた領域(第六流路R6)の流れ方向α6の両端部に第一連通孔310A、310Bと第八連通孔317A、317Bとが配置されている。
【0139】
複数の第四封止部42Dは、X軸方向から見て、第一プレート3Aの第一面S1における第二連通孔~第七連通孔311A~316A、第九連通孔318A、第十連通孔319Aのそれぞれを囲むと共に、第二プレート3Bの第二面S4における第二連通孔~第七連通孔311B~316B、第九連通孔318B、第十連通孔319Bのそれぞれを囲む部位である。
【0140】
複数の接続部43Dのそれぞれは、X軸方向から見たときに他の種類のガスケット4A、4B、4Cの対応する部位と重なる位置において、第四封止部42D同士、又は第六流路形成部41Dと第四封止部42Dとを接続する。
【0141】
以上のように構成されるプレート3及びガスケット4において、第一プレート3Aと第二プレート3BとがX軸方向において交互に配置されると共に、第一プレート3Aの第一面S1と第二プレート3Bの第二面S4との間に第一ガスケット4Aがそれぞれ挟み込まれ且つ第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間に第二ガスケット4Bがそれぞれ挟み込まれることによって、プレート群2の第一区分領域Ar1が形成される(
図2、
図3、
図12、及び
図14参照)。
【0142】
また、第一区分領域Ar1の各プレート3A、3Bに対して中心点C1まわりに180°回転した状態(姿勢)の第一プレート3Aと第二プレート3BとがX軸方向において交互に配置されると共に、第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間に第三ガスケット4Cがそれぞれ挟み込まれ且つ第一プレート3Aの第一面S1と第二プレート3Bの第二面S4との間に第四ガスケット4Dがそれぞれ挟み込まれることによって、プレート群2の第二区分領域Ar2が形成される(
図2、
図4、
図16、及び
図18参照)。
【0143】
そして、これら複数の区分領域Ar1、Ar2がX軸方向に並ぶ(本実施形態の例では、第一区分領域Ar1と第二区分領域Ar2がX軸方向に並ぶ)ことにより、プレート群2が形成される。
【0144】
このとき、プレート群2の第一区分領域Ar1において、第一プレート3Aの第一面S1と第二プレート3Bの第二面S4との間のそれぞれに、X軸方向から見て第一ガスケット4Aの第一流路形成部41Aの内側(第一流路形成部41Aに囲まれた範囲)に第一流路R1(第一空間Sp1)が形成されている(
図12参照)。
【0145】
また、プレート群2の第一区分領域Ar1において、第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間のそれぞれに、X軸方向から見て第二ガスケット4Bの第二流路形成部41Bの内側(第二流路形成部41Bに囲まれた範囲)に第二流路R2(第一空間Sp1)が形成され、第三流路形成部42Bの内側(第三流路形成部42Bに囲まれた範囲)に第三流路R3(第二空間Sp2)が形成されている(
図14参照)。
【0146】
また、プレート群2の第二区分領域Ar2において、第一プレート3Aの第二面S2と第二プレート3Bの第一面S3との間のそれぞれに、X軸方向から見て第三ガスケット4Cの第四流路形成部41Cの内側(第四流路形成部41Cに囲まれた範囲)に第四流路R4(第一空間Sp1)が形成され、第五流路形成部42Cの内側(第五流路形成部42Cに囲まれた範囲)に第五流路R5(第二空間Sp2)が形成されている(
図16参照)。
【0147】
また、プレート群2の第二区分領域Ar2において、第一プレート3Aの第一面S1と第二プレート3Bの第二面S4との間のそれぞれに、X軸方向から見て第四ガスケット4Dの第六流路形成部41Dの内側(第六流路形成部41Dに囲まれた範囲)に第六流路R6(第一空間Sp1)が形成されている(
図18参照)。
【0148】
また、
図3、
図5、
図6、及び
図11~
図14に示すように、プレート群2の第一区分領域Ar1において、各プレート3A、3Bの第一連通孔310A、310BがX軸方向に交互に連なることによって第一流入路Ch1が形成されている。また、各プレート3A、3Bの第二連通孔311A、311BがX軸方向に交互に連なることによって第一流入路Ch2が形成されている。また、各プレート3A、3Bの第三連通孔312A、312BがX軸方向に交互に連なることによって第一流出路Ch3が形成されている。また、各プレート3A、3Bの第四連通孔313A、313BがX軸方向に交互に連なることによって一方の第二流出路Ch13が形成されている。また、各プレート3A、3Bの第五連通孔314A、314BがX軸方向に交互に連なることによって他方の第二流入路Ch12が形成されている。また、各プレート3A、3Bの第六連通孔315A、315BがX軸方向に交互に連なることによって他方の第二流出路Ch14が形成されている。また、各プレート3A、3Bの第七連通孔316A、316BがX軸方向に交互に連なることによって一方の第二流入路Ch11が形成されている。また、各プレート3A、3Bの第九連通孔318A、318BがX軸方向に交互に連なることによって第三流入路Ch5が形成されている。また、各プレート3A、3Bの第十連通孔319A、319BがX軸方向に交互に連なることによって接続路Ch40が形成されている。
【0149】
また、
図4~
図6、及び
図15~
図18に示すように、プレート群2の第二区分領域Ar2において、各プレート3A、3Bの第一連通孔310A、310BがX軸方向に交互に連なることによって接続路Ch40が形成され、この接続路Ch40は、第一区分領域Ar1において第十連通孔319A、319Bが連なることによって形成されている接続路Ch40と連通している。即ち、接続路Ch40は、第一区分領域Ar1と第二区分領域Ar2とに亘って延びている。また、各プレート3A、3Bの第二連通孔311A、311BがX軸方向に交互に連なることによって第三流入路Ch5が形成され、この第三流入路Ch5は、第一区分領域Ar1において第九連通孔318A、318Bが連なることによって形成されている第三流入路Ch5と連通している。即ち、第三流入路Ch5は、第一区分領域Ar1と第二区分領域Ar2とに亘って延びている。また、各プレート3A、3Bの第五連通孔314A、314BがX軸方向に交互に連なることによって他方の第二流出路Ch14が形成され、この他方の第二流出路Ch14は、第一区分領域Ar1において第六連通孔315A、315Bが連なることによって形成されている他方の第二流出路Ch14と連通している。即ち、他方の第二流出路Ch14は、第一区分領域Ar1と第二区分領域Ar2とに亘って延びている。また、各プレート3A、3Bの第六連通孔315A、315BがX軸方向に交互に連なることによって他方の第二流入路Ch12が形成され、この他方の第二流入路Ch12は、第一区分領域Ar1において第五連通孔314A、314Bが連なることによって形成されている他方の第二流入路Ch12と連通している。即ち、他方の第二流入路Ch12は、第一区分領域Ar1と第二区分領域Ar2とに亘って延びている。また、各プレート3A、3Bの第八連通孔317A、317BがX軸方向に交互に連なることによって第一流出路Ch3が形成され、この第一流出路Ch3は、第一区分領域Ar1において第三連通孔312A、312Bが連なることによって形成されている第一流出路Ch3と連通している。即ち、第一流出路Ch3は、第一区分領域Ar1と第二区分領域Ar2とに亘って延びている。
【0150】
次に、
図1及び
図2に戻り、プレート群2を保持する保持部5について具体的に説明する。
【0151】
保持部5は、X軸方向においてプレート群2の両側に配置される一対の挟持部51、52と、一対の挟持部51、52のX軸方向の間隔を変更可能に該一対の挟持部51、52を支持する支持部53と、一対の挟持部51、52のX軸方向の間隔を変更する間隔調整部58と、を備える。
【0152】
一対の挟持部51、52のそれぞれは、X軸方向と直交する方向に広がる厚板状の部材である。本実施形態の各挟持部51、52は、X軸方向から見てプレート3と対応した大きさの矩形状である。
【0153】
具体的に、一対の挟持部51、52のうちの一方の挟持部51は、Z軸方向に長尺な矩形の厚板状であり、プレート群2の第一区分領域Ar1を構成するプレート3A、3Bの所定の連通孔31A、31B(本実施形態の例では、第一連通孔~第七連通孔310A、310B~316A、316B、及び第九連通孔318A、318Bのそれぞれと対応する位置、換言すると、第一流入路Ch1、Ch2、第一流出路Ch3、第三流入路Ch5、第二流入路Ch11、Ch12、第二流出路Ch13、Ch14)と対応する位置に、X軸方向に貫通する複数(本実施形態の例では、八つ)の貫通孔511~518を有する。
【0154】
また、一方の挟持部51は、Y軸方向の両端に、Z軸方向に間隔をあけて並ぶ複数の係合部519を有する。これら複数の係合部519のそれぞれは、間隔調整部58と係合する。本実施形態の各係合部519は、一方の挟持部51のY軸方向の端縁においてY軸方向の内側に凹む切欠きである。
【0155】
また、一対の挟持部51、52のうちの他方の挟持部52は、一方の挟持部51と同様に、Z軸方向に長尺な矩形の厚板状である。この他方の挟持部52は、一方の挟持部52に対してX軸方向に相対移動可能に支持部53と係合する被ガイド部521を有する。また、他方の挟持部52は、Y軸方向の両端に、Z軸方向に間隔をあけて並ぶ複数の係合部529を有する。
【0156】
被ガイド部521は、他方の挟持部52のZ軸方向の両端に配置されている。即ち、他方の挟持部52は、二つの被ガイド部521を有する。本実施形態の被ガイド部521は、Z軸方向の端縁においてZ軸方向の内側に凹む切欠きであり、この切欠き内に支持部53の一部が嵌まり込むことによって該支持部53と係合する。
【0157】
複数の係合部529のそれぞれは、間隔調整部58と係合する。本実施形態の各係合部529は、他方の挟持部52のY軸方向の端縁においてY軸方向の内側に凹む切欠きである。これら複数の係合部529のそれぞれは、一方の挟持部51の各係合部519とX軸方向から見て重なる位置に配置されている。
【0158】
支持部53は、それぞれがX軸方向に延びる一対のガイドバー531を有する。また、支持部53は、一対のガイドバー531の間隔を維持するサポート部材532も有する。
【0159】
一対のガイドバー531は、一方の挟持部51のZ軸方向の両端部から互いに平行に延びている。これら一対のガイドバー531は、他方の挟持部52の被ガイド部(切欠き)に嵌まり込むことで該他方の挟持部52を一方の挟持部51に対して平行な状態(姿勢)でX軸方向に接離可能(相対移動)にガイドする。また、一対のガイドバー531のそれぞれは、プレート3A、3BのZ軸方向の両端の係合部30Eとそれぞれ係合することで、各プレート3A、3Bを配置位置にガイドする。本実施形態の係合部30Eは、上述のように切欠きであり、一対のガイドバー531のそれぞれが各プレート3A、3BのZ軸方向の両端部に形成された切欠き(係合部)30Eに嵌まり込むことで、各プレート3A、3Bを配置位置にガイドする。
【0160】
サポート部材532は、Z軸方向に延び、一対のガイドバー531の端部(一方の挟持部52に接続されている側と反対側の端部)同士を接続することにより、該端部同士のZ軸方向の間隔を維持する。
【0161】
間隔調整部58は、一対の挟持部51、52の間隔が小さくなる方向に一方の挟持部51と他方の挟持部52とに対して力を加える。本実施形態の間隔調整部58は、複数の締付部材581を有し、各締付部材581は、X軸方向に延びるボルト582と、該ボルト582と螺合するナット583と、を有する。
【0162】
各締付部材581は、一対の挟持部51、52の対応する(X軸方向から見て重なる)係合部519、529に嵌まり込んだ状態でX軸方向の間隔が小さくなる方向に一対の挟持部51、52を締め付ける。この複数の締付部材581による一対の挟持部51、52の締め付けによって、各プレート間に配置されたガスケット4が十分な力で挟み込まれ、これにより、各プレート間に形成された各流路R1~R6が液密な状態となる。
【0163】
以上のように構成される混合器1では、例えば、硫酸(混合対象物)Aと希釈水(混合対象物)Bとが温度調整されつつ混合されることによって硫酸の希釈が行われる。ここで、混合対象物Aは、濃度が98%の硫酸である。また、混合対象物Aと混合対象物Bとの混合において温度調整のために用いられる流動物W1、W2は、いずれも常温(例えば、20~30℃)の水(冷却水)である。これら混合対象物A、Bの混合についての詳細は、
図6及び
図19を参照しつつ以下で説明する。
【0164】
混合器1に対し、混合対象物Aが第一流入路Ch1に供給され、混合対象物Bが第一流入路Ch2と第三流入路Ch5とに供給され、流動物W1が一方の第二流入路Ch11に供給され、流動物W2が他方の第二流入路Ch12に供給される(
図6参照)。
【0165】
第一流入路Ch1に供給された混合対象物Aは、プレート群2の第一区分領域Ar1において第一流入路Ch1から各第一流路R1に流入する。また、第一流入路Ch2に供給された混合対象物(
図19における一次希釈水)Bは、第一区分領域Ar1において第一流入路Ch2から各第二流路R2に流入する。
【0166】
各第二流路R2に流入した混合対象物Bは、第一区分領域Ar1の第一領域Ar31と対応する領域において、第一流路R1を流れる混合対象物Aと合流する。詳しくは、各第一流路R1に流入した混合対象物Aと各第二流路R2に流入した混合対象物Bとは、第一区分領域Ar1の第一領域Ar31と対応する領域において、X軸方向に隣り合う第一流路R1(第一空間Sp1)と第二流路R2(第一空間Sp1)とを仕切るプレート3A、3Bの部位に配置され且つこれら第一流路R1と第二流路R2とを連通させる(即ち、第一空間Sp1同士を連通させる)複数の混合用貫通孔35A、35Bを通じて隣の流路R1、R2へ移動等することにより、混合対象物Aと混合対象物Bの流れの分岐、合流等が繰り返されて混合される。
【0167】
このように混合された第一流路R1を流れる混合対象物A、Bと第二流路R2を流れる混合対象物A、Bのうち第二流路R2を流れる混合対象物A、Bは、第一区分領域Ar1の第一領域Ar31と対応する領域から第二領域Ar32と対応する領域に流れ込むまでに全て第一流路R1に流れ込む。これにより、混合対象物A、Bは、第一区分領域Ar1の第二領域Ar32と対応する領域においては、第一流路R1のみを流れることになる。
【0168】
この第一区分領域Ar1の第二領域Ar32と対応する領域では、各プレート3A、3Bに設けられた複数の凸部301及び複数の凹部302(本実施形態の例では、いわゆるヘリンボーン状に配置された凸部301及び凹部302)によって第一流路R1における混合対象物A、Bの流れにおいて分岐や合流が十分に繰り返され、これにより、混合対象物A、B同士が十分に混合される。
【0169】
このように、第一区分領域Ar1の第一領域Ar31と第二領域Ar32とに対応する領域において、混合対象物A、B同士(即ち、硫酸と希釈水)が混合されると、この混合によって混合対象物A、Bが発熱する(
図19の符号β1で示す範囲を参照)が、第一区分領域Ar1の各第三流路R3を流れる流動物(冷却水)W1によって混合対象物A、Bが冷却される。詳しくは、以下の通りである。
【0170】
一方の第二流入路Ch11に供給された流動物(
図5における冷却水)W1が第一区分領域Ar1において一方の第二流入路Ch11から各第三流路R3に流入する。ここで、第一区分領域Ar1の第二領域Ar32と対応する領域では、第一流路R1(第一空間Sp1)と第三流路R3(第二空間Sp2)とが各プレート3A、3Bを介してX軸方向に隣り合う位置に形成されている。このため、第一流路R1を流れる混合対象物A、Bと第三流路R3を流れる流動物W1とがプレート3A、3Bを通じて熱交換し、これにより、混合による発熱によって温度上昇した混合対象物A、Bが冷却される(換言すると、混合対象物A、Bの温度調整が行われる)。
【0171】
このように流動物W1によって冷却された(即ち、流動物W1と熱交換した)混合対象物A、Bは、第一区分領域Ar1の第三領域Ar33と対応する領域において各第一流路R1から接続路Ch40に流入し、接続路Ch40を流れて第二区分領域Ar2に流入する。
【0172】
一方、第一区分領域Ar1において各第三流路R3を流れることで混合対象物A、Bを冷却した後(即ち、混合対象物A、Bと熱交換した後)の流動物W1は、各第三流路R3から一方の第二流出路Ch13に流入し、一方の第二流出路Ch13からプレート群2の外部に排出される。
【0173】
続いて、接続路Ch40を流れる混合対象物A、Bは、プレート群2の第二区分領域Ar2において接続路Ch40から各第六流路R6に流入する。また、第三流入路Ch5に供給された混合対象物Bは、第二区分領域Ar2において第三流入路Ch5から各第四流路R4に流入する。
【0174】
各第四流路R4に流入した混合対象物Bは、第二区分領域Ar2の第一領域Ar31と対応する領域において、第六流路R6を流れる混合対象物A、Bと合流する。詳しくは、各第六流路R6に流入した混合対象物A、Bと各第四流路R4に流入した混合対象物Bとは、第二区分領域Ar2の第一領域Ar31と対応する領域において、X軸方向に隣り合う第六流路R6(第一空間Sp1)と第四流路R4(第一空間Sp1)とを仕切るプレート3A、3Bの部位に配置され且つこれら第六流路R6と第四流路R4とを連通させる(即ち、第一空間Sp1同士を連通させる)複数の混合用貫通孔35A、35Bを通じて隣の流路R6、R4へ移動等することにより、混合対象物A、Bと混合対象物Bの流れの分岐、合流等が繰り返されて混合される。
【0175】
このように混合された第六流路R6を流れる混合対象物A、Bと第四流路R4を流れる混合対象物A、Bのうち第四流路R4を流れる混合対象物A、Bは、第二区分領域Ar2の第一領域Ar31と対応する領域から第二領域Ar32と対応する領域に流れ込むまでに全て第六流路R6に流れ込む。これにより、混合対象物A、Bは、第二区分領域Ar2の第二領域Ar32と対応する領域においては、第六流路R6のみを流れることになる。
【0176】
この第二区分領域Ar2の第二領域Ar32と対応する領域では、各プレート3A、3Bに設けられた複数の凸部301及び複数の凹部302(本実施形態の例では、いわゆるヘリンボーン状に配置された凸部301及び凹部302)によって第六流路R6における混合対象物A、Bの流れにおいて分岐や合流が十分に繰り返され、これにより、混合対象物A、B同士が十分に混合される(詳しくは、第一区分領域Ar1から混合用流路Ch4を流れてきた混合対象物A、Bと、第二区分領域Ar2において第三流入路Ch5によって供給された混合対象物Bと、が十分に混合される)。
【0177】
このように、第二区分領域Ar2の第一領域Ar31と第二領域Ar32とに対応する領域において、混合対象物A、B同士が混合されると、第一区分領域Ar1の第一領域Ar31と第二領域Ar32とに対応する領域における混合対象物A、B同士の混合と同様に、この混合によって混合対象物A、Bが発熱(
図19の符号β2で示す範囲を参照)する。しかし、第一区分領域Ar1での前記発熱と同様に、第二区分領域Ar2の各第五流路R5を流れる流動物(冷却水)W2によって混合対象物A、Bが冷却される。詳しくは、以下の通りである。
【0178】
他方の第二流入路Ch12に供給された流動物(
図5における冷却水)W2が第二区分領域Ar2において他方の第二流入路Ch12から各第五流路R5に流入する。ここで、第二区分領域Ar2の第二領域Ar32と対応する領域では、第六流路R6(第一空間Sp1)と第五流路R5(第二空間Sp2)とが各プレート3A、3Bを介してX軸方向に隣り合う位置に形成されている。このため、第六流路R6を流れる混合対象物A、Bと第五流路R5を流れる流動物W2とがプレート3A、3Bを通じて熱交換し、これにより、混合による発熱によって温度上昇した混合対象物A、Bが冷却される(換言すると、混合対象物A、Bの温度調整が行われる)。
【0179】
このように流動物W2によって冷却された(即ち、流動物W2と熱交換した)混合対象物A、B(即ち、混合物C)は、第二区分領域Ar2の第三領域Ar33と対応する領域において各第六流路R6から第一流出路Ch3に流入し、第一流出路Ch3からプレート群2の外部に導出される。本実施形態の混合器では、75%に希釈された硫酸が、第一流出路Ch3から導出される。
【0180】
一方、第二区分領域Ar2において各第五流路R5を流れることで混合対象物A、Bと熱交換した後(即ち、混合対象物A、Bを冷却した後)の流動物W2は、各第五流路R5から他方の第二流出路Ch14に流入し、他方の第二流出路Ch14からプレート群2の外部に排出される。
【0181】
以上のように、本実施形態の混合器1では、98%の硫酸を希釈して75%の硫酸を製造するときに、混合対象物(硫酸)Aに対し、混合対象物(希釈水)Bを第一区分領域Ar1と第二区分領域Ar2とで分けて合流させることで、混合対象物(硫酸)Aに対して混合対象物(希釈水)Bを一度に合流させる場合に比べて各区分領域Ar1、Ar2での混合対象物A、B(混合物C)の温度上昇の幅を抑えることができる。この状態で各区分領域Ar1、Ar2に流動物(冷却水)W1、W2をそれぞれ供給することで、第一区分領域Ar1と第二区分領域Ar2とのそれぞれにおいて混合対象物A、B(混合物C)を効果的に冷却できる。また、この冷却によって混合対象物A、B(混合物C)の温度上昇の幅が抑えられるため、安全面も改善する。
【0182】
以上の混合器1は、X軸方向に重ねられる複数のプレート3A、3B、及び、X軸方向に隣り合う二つのプレート3A、3Bのプレート間に挟み込まれることで該二つのプレート3A、3Bと共同して該プレート間に混合対象物A、Bが流れる第一空間Sp1を形成する複数のガスケット4、を有するプレート群2と、プレート群2を解放可能に保持する保持部5と、を備える。そして、プレート群2は、該プレート群2の内部をX軸方向に延び且つ第一空間Sp1と連通することで該プレート群2の外部から該第一空間Sp1(第一流路R1、第二流路R2)に混合対象物A、Bを流入させる複数の第一流入路Ch1、Ch2と、該プレート群2の内部をX軸方向に延び且つ第一空間Sp1(第六流路R6)と連通することで該第一空間Sp1から該プレート群2の外部に混合対象物A、Bを流出させる少なくとも一つの第一流出路Ch3と、を有する。このプレート群2は、異なる第一流入路Ch1、Ch2を通じて流入した混合対象物A、B同士を混合すると共に、保持部5から解放された状態でプレート3A、3Bとガスケット4とに分解可能に構成されている。また、第一流入路Ch1、Ch2と第一流出路Ch3とは、プレート3A、3Bの対応する位置において該プレート3A、3BをX軸方向に貫通する所定の連通孔(第一貫通孔)31A、31BがX軸方向に連なることによって形成されている。
【0183】
このように、プレート群2は、保持部5から解放された状態では、プレート3A、3Bとガスケット4とに分解可能であるため、プレート3A、3Bやガスケット4の交換等が容易に行える。これにより、プレート3A、3Bの数、連通孔(第一貫通孔)31A、31Bの位置や数、ガスケット4の形状等を変更等することで、プレート群2の内部で混合対象物A、Bが流れる流路Ch1~Ch5、Ch15、Ch16の形状や位置等を変更することができる。
【0184】
また、本実施形態の混合器1では、複数のプレート3A、3Bのうちの少なくとも一つのプレート3A、3Bは、プレート群2においてX軸方向に隣り合う二つの第一空間Sp1(第一流路R1と第二流路R2、又は、第四流路R4と第六流路R6)を仕切る部位に、該二つの第一空間Sp1同士を連通させる少なくとも一つの混合用貫通孔(第二貫通孔)35A、35Bを有している。このように、プレート群2において、隣り合う二つの第一空間Sp1同士を連通させる少なくとも一つの混合用貫通孔35A、35Bを該二つの第一空間Sp1を仕切るプレート3A、3Bの部位が有していることで、一方の第一空間Sp1から他方の第一空間Sp1への混合用貫通孔35A、35Bを通じた混合対象物A、Bの移動(流入)や、一方の第一空間Sp1から他方の第一空間Sp1への混合用貫通孔35A、35Bを通じた混合対象物A、Bの流れの分岐、一方の第一空間Sp1から他方の第一空間Sp1への混合用貫通孔35A、35Bを通じた混合対象物A、Bの流れの合流等が可能になるため、プレート群2の内部における混合対象物A、Bが流れる流路Ch1~Ch5、Ch15、Ch16の配置の自由度がより向上する。
【0185】
また、本実施形態の混合器1では、複数のガスケット4のそれぞれは、プレート間に、第一空間Sp1及び第二空間Sp2の少なくとも一方の空間(流路空間)を形成する。また、プレート群2は、該プレート群2の内部をX軸方向に延び且つ第二空間Sp2(第三流路R3、第五流路R5)と連通することで該プレート群2の外部から該第二空間Sp2に流動物W1、W2を流入させる少なくとも一つの第二流入路Ch11、Ch12と、該プレート群2の内部をX軸方向に延び且つ第二空間Sp2と連通することで該第二空間Sp2(第三流路R3、第五流路R5)から該プレート群2の外部に流動物W1、W2を流出させる少なくとも一つの第二流出路Ch13、Ch14と、を有する。そして、第二空間Sp2は、プレート群2において第一空間Sp1(第一流路R1、第六流路R6)とプレート3A、3Bを介してX軸方向に隣り合う位置に形成されている。これにより、プレート群2における第二空間Sp2と第一空間Sp1とがプレート3A、3Bを介して隣り合っている部位において第二空間Sp2を流れる流動物W1、W2と第一空間Sp1を流れる混合対象物A、Bとがプレート3A、3Bを通じて熱交換するため、プレート群2の外部から第二流入路Ch11、Ch12に供給される流動物W1、W2の温度を調整することで、混合対象物A、Bや混合物Cの温度調整(加熱や冷却等)を行うことができる。
【0186】
また、本実施形態の混合器1では、第二流入路Ch11、Ch12及び第二流出路Ch13、Ch14の組は、プレート群2において複数(本実施形態の例では二つ)配置されている。また、プレート群2は、複数の第一流入路Ch1、Ch2から少なくとも一つの第一流出路Ch3まで延び且つ複数の第一空間Sp1(第一流路R1、第二流路R2、第四流路R4、第六流路R6)を含む少なくとも一つの混合用流路Ch4と、各第二流入路Ch11、Ch12から該第二流入路Ch11、Ch12と対応する第二流出路Ch13、Ch14までそれぞれ延び且つ少なくとも一つの第二空間Sp2(第三流路R3、第五流路R5)をそれぞれ含む複数の温度調整用流路Ch15、Ch16と、を有し、X軸方向に並ぶ複数の区分領域Ar1、Ar2に区分されている。そして、プレート群2において、混合用流路Ch4は、複数の区分領域Ar1、Ar2のそれぞれを通るように配置され、複数の温度調整用流路Ch15、Ch16のそれぞれは、互いに異なる区分領域Ar1、Ar2に配置されている。これら各温度調整用流路Ch15、Ch16に含まれる少なくとも一つの第二空間Sp2(第三流路R3、第五流路R5)は、該温度調整用流路Ch15、Ch16が配置される区分領域Ar1、Ar2に含まれる第一空間Sp1(第一流路R1、第六流路R6)とプレート3A、3Bを介してX軸方向に隣り合う位置に形成されている。
【0187】
このように、プレート群2において、各温度調整用流路Ch15、Ch16が異なる区分領域Ar1、Ar2に配置されるため、第二流入路Ch11、Ch12毎に供給される流動物W1、W2の温度を調整する(即ち、温度調整用流路Ch15、Ch16毎に流れる流動物W1、W2の温度を調整する)ことで、混合対象物A、Bに対して温度調整用流路Ch15、Ch16が配置される区分領域Ar1、Ar2毎に異なる温度調整を行うことができる。
【0188】
また、本実施形態の混合器1では、プレート群2は、該プレート群2の内部をX軸方向に延びる第三流入路Ch5を有し、第三流入路Ch5は、混合用流路Ch4が通る順における二番目以降の区分領域(本実施形態の例では、第二区分領域)Ar2において該混合用流路Ch4にプレート群2の外部から混合対象物Bを流入させている。このため、混合用流路Ch4が通る順における二番目以降の区分領域Ar2において混合用流路Ch4に混合対象物を流入させる(即ち、混合用流路Ch4の途中からも混合対象物を流入させる)ことができる。この場合、第三流入路Ch5から混合用流路Ch4に供給される混合対象物は、第一流入路Ch1、Ch2から供給される混合対象物A、Bの何れかと同一の混合対象物でもよく、第一流入路Ch1、Ch2から供給される混合対象物A、Bと異なる混合対象物であってもよい。
【0189】
また、本実施形態の混合器1では、第三流入路Ch5は、温度調整用流路Ch16が配置されている第二区分領域Ar2において混合用流路Ch4に混合対象物Bを流入させている。このため、プレート群2において、混合用流路Ch4を流れる混合対象物A、Bに対して他の混合対象物Bが第三流入路Ch5を通じて合流(流入)する区分領域Ar2において該混合用流路Ch4を流れる混合対象物(合流後の混合対象物)A、Bの温度調整を行うことができる。
【0190】
また、本実施形態の混合器1では、保持部5は、X軸方向においてプレート群2の両側に配置される一対の挟持部51、52と、一対の挟持部51、52の間隔を変更可能に該一対の挟持部51、52を支持する支持部53と、一対の挟持部51、52の間隔を変更する間隔調整部58と、を有している。このため、間隔調整部58によって一対の挟持部51、52の間隔を変更することで、保持部5によるプレート群2の保持、及び保持部5からのプレート群2の開放を行うことができる。
【0191】
また、本実施形態の混合器1では、プレート3A、3Bは、ガスケット4が配置可能なガスケット配置部30Gを有し、ガスケット配置部30Gは、複数種のガスケット形状に対応した形状、具体的には、四種類のガスケット4A、4B、4C、4Dの形状が重なった形状を有している。このため、交換等によってガスケット4の形状を変更することでプレート群2の内部に形成される流路R1~R6の形状を変更するときに、複数種のガスケット形状のいずれかの形状のガスケット4を用いることで、プレート群2を形成するときのプレート間へのガスケット4の配置が容易になる。また、各流路R1~R6、Ch1~Ch3、Ch5、Ch11~Ch14、Ch40等における液密状態が好適に保たれる。例えば、
図20及び
図21に示すように、プレート間において、ガスケット4Eがガスケット配置部30Gに対応する他の形状のガスケット4Fに交換されることで、流路R10の形状が、流路R11のように変更される。例えば、この流路R10、R11においては、混合対象物A、B又は流動物W1、W2が
図20及び
図21において矢印αで示す方向に流れる。
【0192】
また、本実施形態の混合器1では、各プレート3A、3Bの連通孔31A、31B(第一連通孔~第十連通孔310A~319A、310B~319Bは、それぞれ円形孔(同じ形状)であり、複数の円形孔310A~319A、310B~319Bは、プレート3A、3Bにおいて、該プレート3A、3Bの縦中心線CL1又は横中心線CL2を対称軸とする線対称に配置され、又は、該プレート3A、3Bの中心点C1を対称の中心とする点対称に配置されている。そして、線対称又は点対称な配置における対応する位置の円形孔31A、31B同士の大きさが同じである。
【0193】
この構成によれば、プレート群2の内部をX軸方向に延びる流路空間を形成するのに、一の区分領域において第一流入路Ch1、Ch2や第一流出路Ch3を形成するのに、他の区分領域において第二流入路Ch11、Ch12や第二流出路Ch13、Ch14等を形成する連通孔(第三貫通孔)31A、31Bを利用できる。また、一の区部領域において第二流入路Ch11、Ch12や第二流出路Ch13、Ch14を形成するのに、他の区分領域において第一流入路Ch1、Ch2や第一流出路Ch3等を形成する連通孔(第一貫通孔)31A、31Bを利用できる。このため、プレート群2の内部に形成される流路の形状や配置等の設計の自由度が向上する。また、プレート群2を形成するときに、プレート3A、3Bを、縦中心線CL1又は横中心線CL2まわりに反転させ、又は中心点C1まわりに反転させて使用でき、これにより、プレート群2の内部に形成される流路の形状の設計の自由度がより向上する。
【0194】
本実施形態の混合器1では、例えば、第一区分領域Ar1において使用されていなかった連通孔31A、31B(第八連通孔317A、317B)が、第二区分領域Ar2においては、第一流出路Ch3を形成されるのに利用されている。このように、一の区分領域では使用されていない連通孔31A、31Bを、他の区分領域において流路を形成するのに利用してもよい。
【0195】
また、本実施形態の混合器1では、例えば、第一区分領域Ar1において第二流出路Ch14を形成するのに使用されていた連通孔31A、31B(第六連通孔315A、315B)が、第二区分領域Ar2においては、第二流入路Ch12を形成するのに利用されている。また、例えば、第一区分領域Ar1において第二流入路Ch12を形成するのに使用されていた連通孔31A、31B(第五連通孔314A、314B)が、第二区分領域Ar2においては、第二流出路Ch14を形成するのに利用されている。
【0196】
このように、一の区分領域では、第一流入路Ch1、Ch2又は第二流入路Ch11、Ch12を形成するのに使用されていた連通孔31A、31Bを、他の区分領域において第一流出路Ch3又は第二流出路Ch13、Ch14を形成するのに利用してもよい。
【0197】
また、一の区分領域では、第一流出路Ch3又は第二流出路Ch13、Ch14を形成するのに使用されていた連通孔31A、31Bを、他の区分領域において第一流入路Ch1、Ch2又は第二流入路Ch11、Ch12を形成するのに利用してもよい。
【0198】
尚、本発明のプレート式混合器は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0199】
また、上記実施形態の混合器1では、プレート群2は、二種類の混合対象物A、Bを混合するように構成されているが、この構成に限定されない。プレート群2は、三種類以上の混合対象物を混合する構成(流路配置)であってもよい。
【0200】
また、上記実施形態の混合器1は、プレート群2においてプレート3の重ねられる方向が水平方向となるように配置されているが、この構成に限定されない。混合器1は、プレート3の重ねられる方向が上下方向等の水平方向以外の方向となるように配置される構成であってもよい。
【0201】
また、上記実施形態の混合器1では、プレート群2を構成する全てのプレート3とガスケット4とを分解できる(換言すると、別々にできる)が、この構成に限定されない。X軸方向におけるプレート群2の一部の領域を構成するプレート3とガスケット4とのみが分解可能に構成されていてもよい。
【0202】
また、上記実施形態の混合器1では、各プレート3は、少なくとも一つの混合用貫通孔35A、35B(即ち、プレート3を介してX軸方向に隣り合う第一空間Sp1同士を連通する貫通孔(第二貫通孔))を有しているが、この構成に限定されない。プレート群2を構成する複数のプレート3のうちの一部のプレート3のみが混合用貫通孔35A、35Bを有する構成でもよく、全てのプレート3が混合用貫通孔35A、35Bを有していない構成でもよい。また、プレート3毎に異なる数、異なる形状の混合用貫通孔35A、35Bが配置されていてもよい。また、同じプレート3において全ての混合用貫通孔35A、35Bが同じ形状、同じ大きさでなくてもよい。
【0203】
また、上記実施形態の混合器1では、プレート群2は、形状(例えば、凸部301及び凹部302の形状や配置、貫通孔の配置等)の異なる二種類のプレート3A、3Bを有しているが、この構成に限定されない。プレート群2は、一種類のプレート3のみを有する構成でもよく、三種類以上のプレート3を有する構成でもよい。
【0204】
また、プレート3の連通孔31A、31Bの具体的な形状、配置、数等は限定されない。例えば、本実施形態のプレート3は、複数の連通孔31A、31Bが、プレート3A、3Bにおいて、該プレート3A、3Bの縦中心線CL1又は横中心線CL2を対称軸とする線対称に配置され、又は、該プレート3A、3Bの中心点C1を対称の中心とする点対称に配置されているが、この構成に限定されない。複数の連通孔31A、31Bは、プレート3において、縦中心線CL1及び横中心線CL2と異なるプレート3上の線を対称軸とする線対称に配置されてもよく、中心点C1と異なるプレート3上の点を対称の中心とする点対称に配置されていてもよい。また、複数の連通孔31A、31Bは、プレート3において、線対称及び点対称のいずれでもない配置であってもよい。
【0205】
また、各プレート3が有する連通孔31A、31Bの数は同じでなくてもよい。また、同じプレートに配置された複数の連通孔31A、31Bは、大きさや形状等の異なる連通孔を含んでいてもよい。また、上記実施形態のプレート3A、3Bでは、第一連通孔310A、310B及び第十連通孔319A、319Bの大きさ(第一内径d1)と、第二連通孔~第九連通孔311A、311B~318A、318Bの大きさ(第二内径d2)とが異なっているが、同じプレート3A、3Bにおける全ての連通孔31A、31Bが同じ大きさ(内径)、同じ形状であってもよい。
【0206】
また、上記実施形態の混合器1では、プレート群2は、四種類のガスケット4A、4B、4C、4Dを有しているが、この構成に限定されない。プレート群2は、一~三種類、又は五種類以上のガスケット4を有していてもよい。
【0207】
また、上記実施形態の混合器1では、ガスケット4は、プレート間に挟み込まれることで該プレート間に第一空間Sp1、又は、少なくとも一つの第一空間Sp1及び少なくとも一つの第二空間Sp2を形成するが、この構成に限定されない。ガスケット4は、プレート間に第二空間Sp2のみを形成する構成でもよい。
【0208】
また、上記実施形態の混合器1では、保持部5は、一対の挟持部51、52がプレート群2をX軸方向に挟み込むことによって該プレート群2を保持する構成であるが、この構成に限定されない。保持部5は、プレート群2にX軸方向に挟み込む方向に力を加えてプレート3とガスケット4とをそれぞれ密着させ、プレート間に形成される各流路空間(第一空間Sp1や第二空間Sp2等)が液密状となった状態でプレート群2を保持できる構成であれば、他の構成であってもよい。
【0209】
また、上記実施形態の混合器1では、プレート群2は、二つの区分領域Ar1、Ar2を有しているが、三つ以上の区分領域Ar1、Ar2、・・・を有していてもよい。この場合、温度調整用流路(第二空間Sp2)は、各区分領域Ar1、Ar2、・・・にそれぞれ配置されてもよく、一部の区分領域にのみ配置されてもよい。
【0210】
温度調整用流路(第二空間Sp2)が複数の区分領域Ar1、Ar2、・・・にそれぞれ配置される場合、プレート群2の外部から対応する区分領域の温度調整用流路(第二空間Sp2)に流動物を流入させる第二流入路と、前記対応する区分領域の温度調整用流路(第二空間Sp2)からプレート群2の外部に流動物を流出させる第二流出路と、が各区分領域Ar1、Ar2、・・・までそれぞれ延びている。
【0211】
また、プレート群2が三つ以上の区分領域Ar1、Ar2、・・・を有している場合、プレート群2が複数の第三流入路Ch5を有し、これら複数の第三流入路Ch5のそれぞれが、互いに異なる区分領域Ar1、Ar2、・・・であって温度調整用流路が配置されている区分領域Ar1、Ar2、・・・において混合用流路Ch4に混合対象物A、Bを流入させる構成であってもよい。この構成によれば、プレート群2において、混合用流路Ch4を流れる混合対象物A、Bに対して他の混合対象物Bが第三流入路Ch5を通じて合流(流入)する区分領域毎に、該混合用流路Ch4を流れる混合対象物(合流後の混合対象物)A、Bの温度調整をそれぞれ行うことができる。
【0212】
また、上記実施形態のプレート群2では、複数の第一流入路Ch1、Ch2と、少なくとも一つの第一流出路Ch3と、これら複数の第一流入路Ch1、Ch2と少なくとも一つの第一流出路Ch3とを接続する混合用流路Ch4と、の組(混合用の組)が、一つ配置(形成)されているが、この構成に限定されない。プレート群2は、前記混合用の組を複数有していてもよい。
【0213】
また、上記実施形態のプレート群2は、第一温度調整用流路Ch15が配置された領域(第一区分領域)Ar1と、第二温度調整用流路Ch16が配置された領域(第二区分領域)Ar2と、に区分けされている、即ち、プレート群2が異なる温度調整用流路Ch15、Ch16が配置されている領域毎に区分領域Ar1、Ar2として区分けされているが、この構成に限定されない。例えば、プレート群2は、温度調整用流路が配置された区分領域と、温度調整用流路の配置されていない区分領域と、に区分けされていてもよい。
【0214】
また、上記実施形態の混合器1では、プレート群2は、該プレート群2の外部から各第一空間Sp1に混合対象物A、Bを流入させる流入路(第一流入路)Ch1、Ch2を二つ有するが、この構成に限定されない。プレート群2は、混合対象物の種類(数)に応じて三つ以上の流入路を有していてもよい。また、第一流入路Ch1、Ch2と第三流入路Ch5との数(総数)が、混合する混合対象物の種類(数)と同じになるようにプレート群2が構成されてもよい。
【0215】
また、上記実施形態の混合器1では、二つの区分領域Ar1、Ar2(温度調整用流路Ch15、Ch16)に同じ温度の流動物W1、W1が供給されるが、この構成に限定されない。例えば、プレート群2が、混合対象物A、Bを加熱する区分領域と冷却する区分領域とを有する構成等であってもよい。即ち、プレート群2において、区分領域Ar1、Ar2、・・毎に異なる温度の流動物W1、W2、・・・が供給されてもよい。
【0216】
また、上記実施形態の混合器1では、混合対象物A、B又は流動物W1、W2をプレート群2の内部に供給するための複数の開口、及びプレート群2の内部から排出するための複数の開口の全てがX軸方向の一方側の端部(一方の挟持部51)に配置されているが、この構成に限定されない。混合対象物A、B又は流動物W1、W2をプレート群2の内部に供給するための複数の開口、及びプレート群2の内部から排出するための複数の開口の一部が、プレート群2におけるX軸方向の中間位置や、X軸方向の他方側の端部(他方の挟持部52)に配置される構成であってもよい。
【符号の説明】
【0217】
1…混合器、2…プレート群、3…プレート、3A…第一プレート、3B…第二プレート、30E…係合部、30G…ガスケット配置部、301…凸部、302…凹部、31A、31B…連通孔(円形孔)、310A、310B…第一連通孔、311A、311B…第二連通孔、312A、312B…第三連通孔、313A、313B…第四連通孔、314A、314B…第五連通孔、315A、315B…第六連通孔、316A、316B…第七連通孔、317A、317B…第八連通孔、318A、318B…第九連通孔、319A、319B…第十連通孔、35A、35B…混合用貫通孔(第二貫通孔)、4…ガスケット、4A…第一ガスケット、41A…第一流路形成部、42A…第一封止部、43A…接続部、4B…第二ガスケット、41B…第二流路形成部、42B…第三流路形成部、43B…第二封止部、44B…接続部、4C…第三ガスケット、41C…第四流路形成部、42C…第五流路形成部、43C…第三封止部、44C…接続部、4D…第四ガスケット、41D…第六流路形成部、42D…第四封止部、43D…接続部、5…保持部、51、52…挟持部、511~518…貫通孔、519、529…係合部、521…被ガイド部、53…支持部、531…ガイドバー、532…サポート部材、58…間隔調整部、581…締付部材、582…ボルト、583…ナット、600…混合器、601…エレメント、602…混合器本体、603…最小単位部材、A、B…混合対象物、Ar1…第一区分領域、Ar2…第二区分領域、Ar31…第一領域、Ar32…第二領域、Ar33…第三領域、C…混合物、C1…中心点、CL1…縦中心線、CL2…横中心線、Ch1、Ch2…第一流入路、Ch3…第一流出路、Ch4…混合用流路、Ch5…第三流入路、Ch11、Ch12…第二流入路、Ch13、Ch14…第二流出路、Ch15…第一温度調整用流路、Ch16…第二温度調整用流路、Ch40…接続路、R1…第一流路(第一空間)、R2…第二流路(第一空間)、R3…第三流路(第二空間)、R4…第四流路(第一空間)、R5…第五流路(第二空間)、R6…第六流路(第一空間)、R10、R11…流路、S1、S3…第一面、S2、S4…第二面、Sp1…第一空間、Sp2…第二空間、W1、W2…流動物、c…中心軸、d1…第一内径、d2…第二内径、α1、α2、α4、α6…混合対象物の流れ方向、α3、α5…流動物の流れ方向