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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132602
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】ホイール付き折り畳み式バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 5/14 20060101AFI20230914BHJP
【FI】
A45C5/14 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038021
(22)【出願日】2022-03-11
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】502042322
【氏名又は名称】株式会社レップ
(74)【代理人】
【識別番号】100080012
【弁理士】
【氏名又は名称】高石 橘馬
(74)【代理人】
【識別番号】100168206
【弁理士】
【氏名又は名称】高石 健二
(72)【発明者】
【氏名】陳 志豪
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA01
3B045AA53
3B045CB05
3B045CE07
3B045CE09
3B045CE10
3B045EA02
3B045FB02
3B045FC08
3B045GB02
3B045GC01
3B045GD01
3B045LA10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】袋部を広げた使用状態において、袋部が自立するホイール付き折り畳み式バッグを提供する。
【解決手段】開口部21を有し、折り畳み可能な袋部2と、袋部2の背面22に設けられ、折り曲げ可能であって弾性復元力を有する環状線材3と、袋部2の底面に設けられた底板部4と、底板部4の底面側に設けられた少なくとも一対のホイール5,5とを備えるホイール付き折り畳み式バッグ1であって、環状線材3は袋部2の背面22の少なくとも底辺側の外周部及び一対の側辺側の外周部に配置されており、環状線材3を折り曲げて底板部4の上面側に裁置することにより、袋部2が折り畳まれて底板部4の上面側に裁置され、使用状態では、環状線材3のうち少なくとも袋部2の背面22の底辺側の外周部に位置する線材底辺部3aが、底板部4よりも底面側に位置しており、もって袋部2が自立しているホイール付き折り畳み式バッグ1。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有し、折り畳み可能な袋部と、
前記袋部の背面に設けられ、折り曲げ可能であって弾性復元力を有する環状線材と、
前記袋部の底面に設けられた底板部と、
前記底板部の底面側に設けられた少なくとも一対のホイールとを備えるホイール付き折り畳み式バッグであって、
前記環状線材は前記袋部の背面の少なくとも底辺側の外周部及び一対の側辺側の外周部に配置されており、
前記環状線材を折り曲げて前記底板部の上面側に裁置することにより、前記袋部が折り畳まれて前記底板部の上面側に裁置され、
前記環状線材が弾性復元力により開かれ、前記バッグが水平面に裁置されている使用状態では、前記環状線材のうち少なくとも前記袋部の背面の底辺側の外周部に位置する線材底辺部が、前記底板部よりも底面側に位置しており、もって前記袋部が自立していることを特徴とするホイール付き折り畳み式バッグ。
【請求項2】
請求項1に記載のホイール付き折り畳み式バッグにおいて、前記環状線材のうち少なくとも前記線材底辺部は、前記環状線材の内側に向けて湾曲しており、前記使用状態において前記線材底辺部の両端部が前記底板部の前記袋部の背面側の側面と当接していることを特徴とするホイール付き折り畳み式バッグ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のホイール付き折り畳み式バッグにおいて、前記底板部の上面側の全周にファスナーを備え、前記底板部は前記袋部から着脱自在であることを特徴とするホイール付き折り畳み式バッグ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のホイール付き折り畳み式バッグにおいて、前記開口部の前面側に前面側取っ手が備えられ、前記開口部の背面側に背面側取っ手が備えられており、前記環状線材は、前記袋部の背面と前記背面側取っ手に設けられていることを特徴とするホイール付き折り畳み式バッグ。
【請求項5】
請求項4に記載のホイール付き折り畳み式バッグにおいて、前記前面側取っ手を前記背面側取っ手に取り付けるための取付具をさらに備え、前記前面側取っ手が前記取付具により前記背面側取っ手に取り付けられた状態において、前記前面側取っ手に働く前記袋部によって前方に引っ張られる力と、前記背面側取っ手に働く後方に倒れる力とが水平方向において釣り合い、もって前記袋部が自立していることを特徴とするホイール付き折り畳み式バッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイール付き折り畳み式バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用しないときには折り畳んでコンパクトにして携帯可能な状態にし、使用するときには広げてバッグとして物を収容することを可能にする折り畳み式バッグがある。また旅行やショッピングの際、ホイールが付いてキャリーが使用される。そのため、キャリーとして使用可能なようにホイールが付いており、かつ袋部を折り畳んで携帯可能な状態なホイール付き折り畳み式バッグが望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、ホイール付き折り畳み式バッグの袋部を広げてバッグとして使用する際、ホイールが付いているキャリーとして床などに裁置すると、広げた袋部が自立せず、荷物を袋部に収容したりするのが困難であるという問題がある。
【0004】
従って本発明の目的は、ホイール付き折り畳み式バッグであって、該バッグの袋部を広げた使用状態において、広げた袋部が自立するホイール付き折り畳み式バッグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、ホイール付き折り畳み式バッグにおいて、折り畳み可能な袋部の背面に折り曲げ可能であって弾性復元力を有する環状線材を設け、使用状態において環状線材の底辺部を袋部の底板部よりも底面側に位置させることにより、バッグの袋部を自立させることができることを発見し、本発明に想到した。
【0006】
すなわち、本発明の一実施態様であるホイール付き折り畳み式バッグは、開口部を有し、折り畳み可能な袋部と、前記袋部の背面に設けられ、折り曲げ可能であって弾性復元力を有する環状線材と、前記袋部の底面に設けられた底板部と、前記底板部の底面側に設けられた少なくとも一対のホイールとを備えるホイール付き折り畳み式バッグであって、前記環状線材は前記袋部の背面の少なくとも底辺側の外周部及び一対の側辺側の外周部に配置されており、前記環状線材を折り曲げて前記底板部の上面側に裁置することにより、前記袋部が折り畳まれて前記底板部の上面側に裁置され、前記環状線材が弾性復元力により開かれ、前記バッグが水平面に裁置されている使用状態では、前記環状線材のうち少なくとも前記袋部の背面の底辺側の外周部に位置する線材底辺部が、前記底板部よりも底面側に位置しており、もって前記袋部が自立していることを特徴とする。
【0007】
前記環状線材のうち少なくとも前記線材底辺部は、前記環状線材の内側に向けて湾曲しており、前記使用状態において前記線材底辺部の両端部が前記底板部の前記袋部の背面側の側面と当接しているのが好ましい。
【0008】
前記底板部の上面側の全周にファスナーを備え、前記底板部は前記袋部から着脱自在であるのが好ましい。
【0009】
前記開口部の前面側に前面側取っ手が備えられ、前記開口部の背面側に背面側取っ手が備えられており、前記環状線材は、前記袋部の背面と前記背面側取っ手に設けられているのが好ましい。
【0010】
前記前面側取っ手を前記背面側取っ手に取り付けるための取付具をさらに備え、前記前面側取っ手が前記取付具により前記背面側取っ手に取り付けられた状態において、前記前面側取っ手に働く前記袋部によって前方に引っ張られる力と、前記背面側取っ手に働く後方に倒れる力とが水平方向において釣り合い、もって前記袋部が自立しているのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
上記構成を有する本発明のホイール付き折り畳み式バッグは、使用状態においてバッグの袋部を自立させることができ、バッグへの物の収容が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施例によるホイール付き折り畳み式バッグを示す斜視図である。
図2】本発明の一実施例によるホイール付き折り畳み式バッグを示す側面図である。
図3】本発明の一実施例によるホイール付き折り畳み式バッグを示す正面図である。
図4】本発明の一実施例によるホイール付き折り畳み式バッグを示す背面図である。
図5】本発明の一実施例によるホイール付き折り畳み式バッグを示す背面拡大図である。
図6】本発明の別の実施例によるホイール付き折り畳み式バッグを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。また下記説明は限定的ではなく、本発明の技術的思想の範囲内で種々の変更をしても良い。
【0014】
図1~5は本発明の一実施態様であるホイール付き折り畳み式バッグ1を示す。ホイール付き折り畳み式バッグ1は、開口部21を有し、折り畳み可能な袋部2と、袋部2の背面部22に設けられ、折り曲げ可能であって弾性復元力を有する環状線材3と、袋部2の底面に設けられた底板部4と、底板部4の底面側に設けられた一対のホイール5,5とを備える。
【0015】
袋部2の背面部22の底辺側の外周部及び一対の側辺側の外周部には、環状線材3が収納されている背面外周部23が設けられている。すなわち、背面外周部23は環状線材3を収納するようにチューブ状の内部空間を有しており、かつ背面部22の底辺側の外周部及び一対の側辺側の外周部を形成している。
【0016】
折り畳み可能な袋部2は、開口部21の前面側と背面側にそれぞれ前面側取っ手6aと背面側取っ手6bが備えられている。背面側取っ手6bは、背面外周部23と同様に、環状線材3を収納するようにチューブ状の内部空間を有しており、図5に示すように、背面側取っ手6bの両端が背面外周部23の両端と一体的に連結している。従って、環状線材3は、図4に示すように、背面外周部23と背面側取っ手6bの内部空間に収納されている。
【0017】
折り畳み可能な袋部2の材質としては、折り畳み式バッグに使用する一般的なものであれば特に限定されないが、ナイロンや綿等を用いることができる。
【0018】
環状線材3としては、折り曲げ可能であって弾性復元力を有するものであれば特に限定されないが、超弾性形状記憶合金等を用いることができる。それにより、環状線材3を2回程度折り畳んで底板部4の上面側に裁置することにより、袋部2もそれに伴って折り畳まれ、底板部4の上面側に裁置される。それによりホイール付き折り畳み式バッグ1をコンパクトにして携帯可能な状態にすることができる。環状線材3を折り曲げて底板部4の上面側に裁置する方法は特に限定されないが、環状線材3をひねりながら2回程度折り畳まれるように底板部4の上面側に裁置するのが望ましい。
【0019】
環状線材3が折り曲げられて板部4の上面側に裁置された状態を維持するために、底板部4にその状態を留めるための留め具が設けられているのが好ましい。上記留め具は例えば帯状のバンドであっても良く、特に弾性を有するバンドであるのが望ましい。
【0020】
環状線材3は、環状線材3が折り曲げられて板部4の上面側に裁置された状態で留め具を離すと、環状線材3の弾性復元力によって自動的に図1~4に示すような開いた状態に戻る。その際、袋部2の背面部22は環状線材3により底面側及び両側面側から引っ張られた状態になっているのが望ましい。
【0021】
底板部4は、平板状であり、底板部4の上面側に袋部2の底面を平板状に形作っている。本実施態様の底板部4は袋部2とファスナー41により連結している。すなわち、底板部4の上面側の全周にファスナー41の一方を備えられており、袋部2は底板部4が切り離された状態でも底面部を備える袋状であって、袋部2の底面部にもファスナー41の対応する他方を備えられており、それらが接合することにより、底板部4と袋部2とが連結する。
【0022】
底板部4の底面側に設けられた一対のホイール5,5は、一対のホイール5,5の互いに向かい合う方向に折り畳み可能であるのが望ましい。それにより、ホイール付き折り畳み式バッグ1をさらにコンパクトにして携帯可能な状態にすることができる。本実施態様では、底板部4の底面側において、一対のホイール5,5の前方側に一対の脚部7,7を備える。一対のホイール5,5と一対の脚部7,7により、底板部4が水平を保った状態でホイール付き折り畳み式バッグ1を床等に裁置することができる。
【0023】
環状線材3が弾性復元力により開かれ、かつ一対のホイール5,5が開かれ、ホイール付き折り畳み式バッグ1が水平面に裁置されている使用状態では、図4に示すように、環状線材3のうち袋部2の背面部22の底辺側の外周部に位置する線材底辺部3aが、底板部4よりも底面側に位置している。線材底辺部3aは環状線材3の内側に向けて湾曲しているので、このような使用状態において、図4に示すように、線材底辺部3a両端部が底板部4の袋部2の背面側の側面の領域A,Bとそれぞれ当接している。それにより、使用状態において袋部2を自立させることができる。
【0024】
ここで「自立」とは、ホイール付き折り畳み式バッグ1を水平面に静かに裁置して使用状態とした際に、環状線材3が前方又は後方に倒れ込まない状態を維持していることを指す。すなわち、環状線材3が垂直に保たれている場合に限らず、後方にやや傾斜した状態であっても良い。その場合、環状線材3の両側面部は袋部2の自重により前方に引っ張られる力が働くが、線材底辺部3aが底板部4よりも底面側に位置し、環状線材3の線材底辺部3aが底板部4の背面側の領域A,Bで当接しているので、環状線材3が自重で後方に倒れる力により、使用状態において袋部2が自立した状態を維持することができる。それにより、物を袋部2に収容する際、袋部2を自立させるために使用者の手を用いる必要がないため、片手で前面側取っ手6aを持って開口部21を広げ、もう一方の手で物を袋部2に収容することができる。
【0025】
本実施態様では、底板部4がファスナー41を有することによりある程度の厚みを有し、底板部4の背面側の領域A,Bで環状線材3の線材底辺部3aと当接する部分の幅を大きく取ることができる。それにより、使用状態において袋部2が自立した状態をより十分に維持することができる。このように、底板部4は厚みが大きいのが望ましいが、底板部4がファスナー41を有することで十分な厚みを確保しつつ、かつファスナー41により底板部4と一対のホイール5,5とを切り離し、袋部2を単体で用いることが可能になる。底板部4の厚みは4mm以上であるのが望ましい。
【0026】
本発明の別の実施態様であるホイール付き折り畳み式バッグ1’を図6に示す。図6に示すように、ホイール付き折り畳み式バッグ1’は、前面側取っ手6aを背面側取っ手6bに取り付けるための取付具8を備える。その他の構成要素はホイール付き折り畳み式バッグ1と共通する。
【0027】
取付具8は、前面側取っ手6aを背面側取っ手6bに取り付けることができるものであれば特に限定されないが、面ファスナーの結束バンド等が挙げられる。取付具8は前面側取っ手6a及び背面側取っ手6bのいずれか一方に固定されていても良い。
【0028】
図6は、前面側取っ手6aが取付具8により背面側取っ手6bに取り付けられた状態を示す。この状態において、前面側取っ手6aには袋部2の自重により前方に引っ張られる力Cが働き、背面側取っ手6bが後方にやや傾斜しているとその自重で後方に倒れる力Dが働く。環状線材3の線材底辺部3aが底板部4の背面側の領域A,Bで当接していることにより環状線材3の下端部が安定して固定されているので、前面側取っ手6aの前方に引っ張られる力Cと、背面側取っ手6bの後方に倒れる力Dとが水平方向において釣り合っていると、袋部2が自立した状態を維持することができる。
【0029】
本発明のホイール付き折り畳み式バッグは上述した実施態様に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態を採用することができる。例えば、上記の実施態様では、環状線材3が背面側取っ手6bの内側に収納されているが、本発明はこれに限らず、環状線材が背面外周部のみに収納されていても良い。上記の実施態様では、環状線材3が背面外周部23のチューブ状の内部空間に収納されているが、本発明はこれに限らず、環状線材の一部が背面外周部から露出していても良い。上記の実施態様では、底板部4が袋部2とファスナー41により連結しており、着脱自在であるが、本発明はこれに限らず、底板部と袋部とが一体的に設けられていても良い。また上記の実施態様では、底板部4の底面側に折り畳み可能な一対のホイール5,5と一対の脚部7,7とを備えているが、本発明はこれに限らず、3つ又は4つのホイールを備えていても良く、折り畳み式ではなく、小型のキャスタータイプのホイールを用いても良い。
【符号の説明】
【0030】
1・・・ホイール付き折り畳み式バッグ
2・・・袋部
21・・・開口部
22・・・背面部
23・・・背面外周部
3・・・環状線材
3a・・・線材底辺部
4・・・底板部
41・・・ファスナー
5,5・・・一対のホイール
6a・・・前面側取っ手
6b・・・背面側取っ手
7,7・・・一対の脚部
8・・・取付具
図1
図2
図3
図4
図5
図6