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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023132615
(43)【公開日】2023-09-22
(54)【発明の名称】ガイド装置
(51)【国際特許分類】
   B28D 1/08 20060101AFI20230914BHJP
   E01D 24/00 20060101ALI20230914BHJP
   E04G 23/08 20060101ALI20230914BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20230914BHJP
【FI】
B28D1/08
E01D24/00
E04G23/08 D
B24B27/06 Q
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038036
(22)【出願日】2022-03-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-26
(71)【出願人】
【識別番号】596118530
【氏名又は名称】テクノス株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】502345278
【氏名又は名称】株式会社誠和ダイア
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】谷内 健治
(72)【発明者】
【氏名】山本 勝
(72)【発明者】
【氏名】田近 正春
【テーマコード(参考)】
2D059
2E176
3C069
3C158
【Fターム(参考)】
2D059AA14
2D059GG41
2E176AA01
2E176DD22
3C069AA01
3C069BA06
3C069BB03
3C069BC01
3C069BC04
3C069CA10
3C069EA01
3C158AA05
3C158AA13
3C158AA16
3C158DA03
(57)【要約】
【課題】上下間隔が狭い狭小空間においても設置可能なガイド装置等を提供する。
【解決手段】本発明に係るガイド装置は、ガイドレール20と当該ガイドレール20に取付けられたプーリ30とを備えたガイド装置1であって、プーリ30の回転中心軸は、上板21と下板22と左側板23と右側板24とを有した筒状のガイドレール20の内側において上下方向に延長するように設けられ、ガイドレール20は、上板21及び下板22に、プーリ30の回転中心軸をガイドレール20の延長方向に沿って移動可能とするための移動ガイド手段を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレールと当該ガイドレールに取付けられたプーリとを備えたガイド装置であって、
プーリの回転中心軸は、上板と下板と左側板と右側板とを有した筒状のガイドレールの内側において上下方向に延長するように設けられ、
ガイドレールは、上板及び下板に、プーリの回転中心軸をガイドレールの延長方向に沿って移動可能とするための移動ガイド手段を備えたことを特徴とするガイド装置。
【請求項2】
プーリは、回転中心軸に力が付与されて当該回転中心軸がガイドレールの延長方向に沿って移動するように構成された可動プーリであることを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項3】
可動プーリの回転中心軸に力を付与する力付与手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のガイド装置。
【請求項4】
プーリは、回転中心軸がガイドレールの延長方向に沿って移動可能に設けられてかつ当該回転中心軸が任意の位置において固定された固定プーリであることを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載の可動プーリと請求項4に記載の固定プーリとを備えたことを特徴とするガイド装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のガイド装置のプーリを、ワイヤを駆動させて構造物を切断する切断装置のワイヤをガイドするプーリとして使用したことを特徴とするガイド装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドレールと当該ガイドレールに取付けられたプーリとを備えたガイド装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダイヤモンドワイヤ等のワイヤを備えた切断装置を用いて構造物を切断する切断方法(ワイヤソー工法)が知られている。
例えば橋梁のコンクリート床版(以下、床版という)を更新する際の解体工事においては、桁の上面に取付けられた床版と桁の上面との境界近傍部分を、上述したワイヤを備えた切断装置を用いて切断する。当該切断方法においては、ワイヤをガイドするためのガイド装置として、ガイドレールと当該ガイドレールに取付けられたプーリとを備えたガイド装置を用いている。
当該ガイド装置としては、例えば、プーリが、断面四角筒状の長尺なガイドレールに沿った方向に自由に移動可能となるように、ブラケットを介してガイドレールに取付けられた構成のガイド装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7012042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の切断装置においては、図11に示すように、ガイド装置100は、プーリ101がガイドレール102の上方に位置するようにブラケット103を介してガイドレール102に取付けられているので、ガイドレール102の下面からプーリ101の上端までの高さ寸法が大きくなってしまう。このため、上下間隔が狭い狭小空間においては、当該ガイド装置100を設置できない。
例えば、図11に示すように、横桁2Sの上面2Stと床版3の下面3uとの間の上下間隔tは狭く、ガイド装置100のプーリ101と横桁2S上の床版3とが干渉するため、当該上下間隔tの狭い横桁2Sの上面2Stと床版3の下面3uとの間の狭小空間にガイド装置100を設置できず、上述した切断装置を用いて横桁2Sの横に位置する床版3を切断する作業を行えないという課題があった。
本発明は、上下間隔が狭い狭小空間においても設置可能なガイド装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るガイド装置は、ガイドレールと当該ガイドレールに取付けられたプーリとを備えたガイド装置であって、プーリの回転中心軸は、上板と下板と左側板と右側板とを有した筒状のガイドレールの内側において上下方向に延長するように設けられ、ガイドレールは、上板及び下板に、プーリの回転中心軸をガイドレールの延長方向に沿って移動可能とするための移動ガイド手段を備えたことを特徴とする。
また、プーリは、回転中心軸に力が付与されて当該回転中心軸がガイドレールの延長方向に沿って移動するように構成された可動プーリであることを特徴とする。
また、可動プーリの回転中心軸に力を付与する力付与手段を備えたことを特徴とする。
また、プーリは、回転中心軸がガイドレールの延長方向に沿って移動可能に設けられてかつ当該回転中心軸が任意の位置において固定された固定プーリであることを特徴とする。
また、上述の可動プーリと上述の固定プーリとを備えたことを特徴とする。
本発明に係るガイド装置によれば、上下間隔が狭い狭小空間においても設置可能なガイド装置を提供できる。
また、本発明に係るガイド装置の使用方法は、ガイド装置のプーリを、ワイヤを駆動させて構造物を切断する切断装置のワイヤをガイドするプーリとして使用したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】ガイド装置を示す斜視図。
図2】(a)はガイド装置の平面図、(b)はガイド装置の側断面図。
図3】(a)はガイド装置の一部拡大平面図、(b)はガイド装置の一部拡大側断面図。
図4】固定プーリの固定構成を示す断面図。
図5】可動プーリの取付構成を示す断面図。
図6】橋梁のコンクリート床版を切断するための切断装置にガイド装置を用いた場合を上方から見た平面図。
図7図6のA方向から見た状態を示す図。
図8図6のB方向から見た場合のプーリの配置例を示す図。
図9】可動プーリの回転中心軸に力を加えて移動させる方法の他例を示す図。
図10】ガイド装置を狭小空間に設置した状態を示す図。
図11】特許文献1のガイド装置が狭小空間に設置できない状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態に係るガイド装置を、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1に示すように、ガイド装置1は、ガイドレール20と、当該ガイドレール20に取付けられたプーリ30と、力付与手段40とを備えて構成される。
【0008】
ガイドレール20は、上板21と下板22と左側板23と右側板24とを備えた断面四角形の筒状に形成されている。
上板21、下板22、左側板23、右側板24は、それぞれ、ガイドレール20の延長方向(ガイドレール20を構成する筒の中心線に沿った方向)Eに長く延長するように形成された貫通孔である長孔25,25…を備えている。
即ち、当該長孔25,25…は、ガイドレール20の延長方向Eに沿った一端側と他端側とに亘って連続するように形成されている。
つまり、ガイドレール20は、延長方向Eの両端部は、上板21と下板22と左側板23と右側板24とで四方が塞がれた断面四角形の筒部により形成され、延長方向Eの両端部以外の部分は、四方が長孔25,25…により開口されて、断面四角形の角部近傍において上板21、下板22、左側板23、右側板24が残る四方開放の筒状に形成された構成となっている。
例えば、ガイドレール20は、断面四角形状の金属製の筒の一端部及び他端部を除いて、当該金属製の筒の4つの各側面に筒の延長方向に沿って延長する長孔25,25…が形成された構成、あるいは、金属製の長尺板の一端部及び他端部を除いて、当該長尺板の延長方向に沿って延長する長孔25が形成された長孔付きの長尺板材を4つ使用して、各長尺板の側端同士を溶接して断面四角の筒状に形成された構成である。
尚、ガイドレール20は、上板21及び下板22に、プーリ30の回転中心軸32をガイドレール20の延長方向に沿って移動可能とするための移動ガイド手段を備えた構成となっている。
【0009】
図4図5に示すように、プーリ30は、滑車31と滑車31の回転中心軸32とを備えた構成である。
プーリ30の回転中心軸32、即ち、滑車31の回転中心軸32は、筒状のガイドレール20の内側において上下方向に延長するように設けられている。例えば、回転中心軸32は、ガイドレール20の延長方向Eと直交する上下方向に延長するように設けられる。
滑車31は、回転中心軸32を回転中心として回転可能な円板により構成される。
滑車31には、滑車31を構成する円板の円の中心を貫通する中央貫通孔31aが形成されており、回転中心軸32が当該中央貫通孔31aを貫通して、回転中心軸32の上端部がガイドレール20の上板21に取付けられ、回転中心軸32の下端部がガイドレール20の下板22に取付けられていることにより、滑車31が回転中心軸32を回転中心として回転可能に設けられたプーリ30が構成される。
また、滑車31の外周面には、ワイヤ等の線状体をガイドするための外周溝31bが形成されている。
尚、プーリ30としては、固定プーリ30Aと、可動プーリ30Bとを備える。
【0010】
固定プーリ30Aは、回転中心軸32A(32)がガイドレール20の延長方向Eに沿って移動可能に設けられてかつ当該回転中心軸32Aが任意の位置において上板21及び下板22に固定された構成となっている。
尚、固定プーリ30Aにおいて、回転中心軸32Aをガイドレール20の延長方向Eに沿って移動可能とするための移動ガイド手段は、ガイドレール20の上板21、下板22、左側板23、右側板24のぞれぞれに形成された長孔25,25…である。
言い換えれば、固定プーリ30Aは、回転中心軸32Aがガイドレール20の延長方向に沿った方向の任意の位置に位置決めされた状態で上板21及び下板22に固定される。例えば、回転中心軸32Aの上端側がガイドレール20の一端側における上板21に固定され、かつ、回転中心軸32Aの下端側がガイドレール20の一端側における下板22に固定されている。
【0011】
例えば図4に示すように、固定プーリ30Aの滑車31の回転中心軸32Aとしては、上端に円形板32aを有するとともに、下端面から上方に延長するねじ孔32bを有した構成の軸が用いられる。
そして、滑車31の外周側がガイドレール20の左右の側板23,24に形成された長孔25,25を介してガイドレール20の外側に位置するように配置される。
また、固定プーリ30Aの滑車31の上面とガイドレール20の上板21の内面との間には、スペーサ21a及びシムリング21bが配置され、同様に、固定プーリ30Aの滑車31の下面とガイドレール20の下板22の内面との間には、シムリング22b及びスペーサ22aが配置される。
【0012】
そして、回転中心軸32Aを、下端側から、上板21の長孔25、スペーサ21a及びシムリング21bに形成された貫通孔、滑車31の中央貫通孔31a、シムリング22b及びスペーサ22に形成された貫通孔に貫通させる。
さらに、下板22に形成された長孔25の内側に固定ガイド板32cを配置するとともに、当該固定ガイド板32cの下側に下側固定板32dを配置した後に、当該下側固定板32dを貫通する貫通孔32f、及び、固定ガイド板32cを貫通する貫通孔32gに、ボルト32eを貫通させるとともに、当該ボルト32eの先端側が回転中心軸32Aの下端面に形成されたねじ孔32bに締結されたことにより、固定プーリ30Aが、ガイドレール20の延長方向の所望の位置に固定されることになる(図1図4参照)。
【0013】
可動プーリ30Bは、ガイドレール20の延長方向Eに沿った方向に移動可能なように、回転中心軸32B(32)の上下端側が、ガイドレール20の上板21及び下板22に取付けられている。
即ち、可動プーリ30Bは、回転中心軸32Bに力が付与されて当該回転中心軸32Bがガイドレール20の延長方向Eに沿って移動するように構成されている。
【0014】
また、上板21及び下板22には、可動プーリ30Bの回転中心軸32Bをガイドレール20の延長方向Eに沿った方向に移動可能とするための移動ガイド手段26が設けられている。
即ち、可動プーリ30Bにおいて、回転中心軸32Bをガイドレール20の延長方向Eに沿って移動可能とするための移動ガイド手段26は、図1に示すように、ガイドレール20の上板21、下板22、左側板23、右側板24のぞれぞれに形成された長孔25,25…と、上板21に形成された長孔25の内側において長孔25の長手方向に移動可能に設けられた上側滑板33と、下板22に形成された長孔25の内側において長孔25の長手方向に移動可能に設けられた下側滑板34とを備えて構成される。
【0015】
上側滑板33、及び、下側滑板34は、長孔25の延長方向に沿って延長する長尺板材により形成され、長孔25内に設置されて長孔25内を長孔25の延長方向に沿って移動可能に設けられている。
即ち、上側滑板33の左右の側縁面と上板21の長孔25の左右の孔内面とが近接するように、上側滑板33が上板21の長孔25内に設置される。
同様に、下側滑板34の左右の側縁面と下板22の長孔25の左右の孔内面とが近接するように、下側滑板34が下板22の長孔25内に設置される。
また、図1に示すように、上側滑板33を構成する長尺板には、長尺板の長手方向に沿って所定間隔を隔てて複数の回転中心軸固定位置調整用の孔33a,33a…が形成されている。
同様に、下側滑板34を構成する長尺板には、長尺板の長手方向Eに沿って所定間隔を隔てて複数の回転中心軸固定位置調整用の孔34a,34a…が形成されている。
このように、上側滑板33及び下側滑板34が、複数の回転中心軸固定位置調整用の孔33a,34aを備えているので、可動プーリ30Bの回転中心軸32Bの取付位置の自由度が大きいガイド装置1を提供できる。
【0016】
そして、滑車31の外周側がガイドレール20の左右の側板23,24に形成された長孔25,25を介してガイドレール20の外側に位置するように配置される。
また、例えば図5に示すように、可動プーリ30Bの滑車31の上面とガイドレール20の上板21の内面との間には、スペーサ21c及びシムリング21dが配置され、同様に、可動プーリ30Bの滑車31の下面とガイドレール20の下板22の内面との間には、シムリング22d及びスペーサ22cが配置される。
【0017】
そして、回転中心軸32Bを、下端側から、上板21の長孔25、スペーサ21c及びシムリング21dに形成された貫通孔、滑車31の中央貫通孔31a、シムリング22d及びスペーサ22cに形成された貫通孔に貫通させる。
当該回転中心軸32Bとしては、例えば、図5に示すように、上端面から下方に延長するねじ孔32hを有し、かつ、下端面から上方に延長するねじ孔32iを有した構成の軸が用いられる。
また、下板22に形成された長孔25に下側滑板34を設置するとともに、上板21に形成された長孔25に上側滑板33を設置する。
【0018】
そして、下側のボルト32jを、下側滑板34に形成された孔34aに通すとともに、当該下側のボルト32jの先端側を回転中心軸32Bの下端面に形成されたねじ孔32iに締結する。
また、上側のボルト32kを、上側滑板33に形成された孔33aに通すとともに、当該上側のボルト32kの先端側を回転中心軸32Bの上端面に形成されたねじ孔32hに締結する。
また、図3(b)に示すように、上側のボルト32kを貫通させた孔33aの両隣(延長方向Eの両隣)に位置される孔33a,33aには、それぞれ、上側滑板33とスペーサ21cとを連結するためのボルト36が貫通するように設けられている。即ち、ボルト36が、孔33aを貫通して、スペーサ21cに形成されたねじ孔に締結されたことにより、上側滑板33とスペーサ21cとが連結されている。
同様に、下側のボルト32jを貫通させた孔34aの両隣(延長方向Eの両隣)に位置される孔34a,34aには、それぞれ、下側滑板34とスペーサ22cとを連結するためのボルト36が貫通するように設けられている。即ち、ボルト36が、位置調整用孔34aを貫通して、スペーサ22cに形成されたねじ孔に締結されたことにより、下側滑板34とスペーサ22cとが連結されている。
以上により、可動プーリ30Bが、移動ガイド手段26を介して、ガイドレール20の延長方向に沿った方向に移動可能なように、ガイドレール20に取付けられる(図5図3(b)参照)。
【0019】
即ち、固定プーリ30Aの回転中心軸32A、及び、可動プーリ30Bの回転中心軸32Bが、ガイドレール20の内側においてガイドレール20の延長方向Eと直交する上下方向に延長するように設けられる。
また、固定プーリ30Aの滑車31,可動プーリ30Bの滑車31の外周側がガイドレール20の左右の側板23,24に形成された貫通孔25,25を介してガイドレール20の外側に位置されて、固定プーリ30Aの滑車31が回転中心軸32Aを回転中心として回転可能なように設けられるとともに、可動プーリ30Bの滑車31が回転中心軸32Aを回転中心として回転可能なように設けられた構成となっている。
【0020】
図1に示すように、力付与手段40は、可動プーリ30Bの回転中心軸32Bに当該回転中心軸32Bをガイドレール20の延長方向Eに沿って移動させる力を付与する手段である。
当該力付与手段40は、可動プーリ30Bの回転中心軸32Bと連結されて可動プーリ30Bに対して可動プーリ30Bを移動させるための力を付与する、例えば、伸縮手段としての油圧シリンダ40Aにより構成される。
当該油圧シリンダ40Aは、例えば図3に示すように、シリンダチューブ41が連結手段50を介してガイドレール20の他端部に連結され、かつ、ピストンロッド42の先端部が連結手段60を介して上側滑板33と下側滑板34とに連結されたことにより、ピストンロッド42を伸縮させることによって、可動プーリ30Bをガイドレール20の延長方向Eに沿った方向に移動させることができるように構成されている。
【0021】
連結手段50、連結手段60の構成は、特に限定されないが、例えば、以下のように構成される。
例えば、図1図3に示すように、連結手段50は、連結板(ブラケット)51,51、及び、ボルト52,52…により、シリンダチューブ41におけるピストンロッド42が出入する側の端部とガイドレール20の他端部とが連結された構成とすればよい。
連結手段60は、例えば、上側滑板33の他端側と下側滑板34の他端側とにおいて互いに対向する板面間に配置されたスペーサ61と、上側滑板33とスペーサ61と下側滑板34とを連結する連結軸62及びボルト63と、スペーサ61と一体に形成された連結板64と、ピストンロッド42の先端側に設けられた連結板65と、連結板64と連結板65とを連結する連結軸66とを備えた構成とする。
例えば連結軸62としては、上端に円形板62tを有するとともに、下端面から上方に延長するねじ孔を有した構成の軸が用いられる。そして、連結軸62の下端側から、上側滑板33に形成された貫通孔とスペーサ61に形成された貫通孔と下側滑板34に形成された貫通孔とに貫通させた後、連結軸62の下端面の下側に下側固定板67を配置した後に、当該下側固定板67を貫通する貫通孔に、ボルト63を貫通させるとともに、当該ボルト63の先端側が連結軸62の下端面に形成されたねじ孔に締結されたことにより、スペーサ61と上側滑板33及び下側滑板34とが連結された構成となっている。
【0022】
また、図1に示すように、上側滑板33及び下側滑板34の延長方向Eにおける一端側と他端側とにおいては、補強支持部材70が設けられている。
補強支持部材70は、ガイドレール20の上板21,左側板23,右側板24を囲む門型の枠材71が、ねじ72によって、上側滑板33、左側板23の長孔25内に延長方向Eに沿って移動可能にされた図外の滑板、右側板24の長孔25内に延長方向Eに沿って移動可能にされた図外の滑板に取付けられている。
当該補強支持部材70,70を備えているので、可動プーリ30Bの移動時に、上側滑板33、左側板23の長孔25内及び左側板23の長孔25内に設けられた図外の滑板、下側滑板34が、一緒にスムーズに延長方向Eに移動するようになるので、スムーズに移動可能な可動プーリ30Bを備えたガイド装置1を提供できる。
【0023】
以上のように構成された実施形態に係るガイド装置1によれば、ガイドレール20と、当該ガイドレール20に取付けられた可動プーリ30Bと固定プーリ30Aと、力付与手段40とを備え、可動プーリ30Bの回転中心軸32A、及び、固定プーリ30Aの回転中心軸32Bは、筒状のガイドレール20の内側において上下方向に延長するように設けられた構成としたので、ガイド装置1全体の高さ寸法をほぼガイドレール20の高さ寸法に抑えることができるため、上下間隔が狭い狭小空間においても設置可能なガイド装置1を提供できる。
【0024】
従って、例えば後述するように、当該ガイド装置1のプーリ30を、ワイヤ10を駆動させて構造物を切断する切断装置のワイヤ10をガイドするプーリ30として使用して、構造物としての橋梁のコンクリート床版を切断する場合においては、図10に示すように、横桁2Sの上面2Stと床版3の下面3uとの間の上下間隔tが狭い狭小空間に、実施形態に係るガイド装置1を設置できるようになる。
そして、横桁2Sの上面2Stと床版3の下面3uとの間の上下間隔tが狭い狭小空間に設置された実施形態に係るガイド装置1の可動プーリ30Bを使用して切断装置のワイヤ10をガイドすることにより、横桁2Sの横に位置する床版3を切断する作業を行えるようになる。
即ち、横桁2Sの横に位置する床版3を切断する際には、図10に示すように、ガイド装置1のガイドレール20を、横桁2Sの上に載置した状態で切断作業を行えるようになる。
尚、図10図4図5において、符号11は、ガイドレール20の下板22の下面における、左側板23との境界部近傍、及び、左側板23との境界部近傍において、延長方向Eに沿って設けられた設置ガイドである。このような設置ガイド11,11を備えたガイド装置1とすれば、上下間隔tが狭い狭小空間に、ガイド装置1を安定かつ容易に設置できるようになる。
【0025】
構造物としての橋梁のコンクリート床版を更新する際の解体工事においては、図6乃至図8に示すように、ワイヤ10を備えた切断装置(ワイヤソー)を用いて、桁2の上面2tに取付けられた構造物としての鉄筋コンクリート製の床版3と桁2の上面2tとの境界近傍における床版3の切断対象部位3Aを切断する方法(ワイヤソー工法)を採用する場合がある。
以下、ガイド装置1を当該切断装置及び切断方法に使用する場合について詳細に説明する。
図6は橋梁の床版を更新する際の解体工事において、床版3の下面に取付けられた切断装置を上方から見た平面図であるが、床版3の切断対象部位3A及び桁2以外の部分の図示は省略してある。図7は、図6のA方向から見た状態において床版と切断装置との関係を示す断面図である。図8は、図6のB方向から見た状態においてプーリ群を構成する各プーリの配置を示す図である。
例えば、図7に示すように、切断装置を床版3の下面3uに取付けて切断装置を床版3に支持させた状態でワイヤ10を駆動して、床版3における桁2の上面2tとの境界近傍部分である切断対象部位3Aを切断することにより、床版更新工事において、床版周辺の利用、すなわち、道路の利用を損なうことなく、かつ、再利用する桁2を損傷する可能性を低くできる。
尚、切断対象部位3Aは、例えば、桁2の上面2tの幅方向Wの両端側より上方に向けて傾斜する傾斜下面3utに形成された床版3のハンチ(テーパ)部分における桁2の上面2tとの境界近傍部分である。
また、床版3の下面3uは、ハンチ部分の傾斜下面3ut以外の下面である。
【0026】
切断装置は、ワイヤ10と、ワイヤ10のガイド装置と、ワイヤ10の駆動装置16とを備える。
【0027】
ワイヤ10は、例えば、ダイヤモンド砥粒を埋め込んだビーズを一定間隔に装着した無端環状のダイヤモンドワイヤにより形成され、当該無端環状のワイヤ10が複数のプーリに掛け渡されて、循環移動を行うことにより、床版3の切断対象部位3Aに接触して当該切断対象部位3Aを切断可能なように構成されている。
【0028】
そして、ワイヤ10のガイド装置として、実施形態に係るガイド装置1を使用する。
例えば、図1に示すように、切断対象部位3Aの幅方向Wの左右両側に、それぞれ、ガイド装置1を配置して、一方のガイド装置1の可動プーリ30Bと他方のガイド装置1の可動プーリ30Bとの間のワイヤ10の部分を切断方向Sに移動させて、ワイヤ10を切断対象部位3Aに押し込むようにして切断対象部位3Aを切断する。
この場合、一方のガイド装置1の可動プーリ30B及び他方のガイド装置1の可動プーリ30Bは、ワイヤ10を切断対象部位3Aに押し込む際の支点となる支点プーリとして機能する。
また、一方のガイド装置1及び他方のガイド装置1は、例えば図6図7に示すように、床版3の切断対象部位3Aの幅方向Wの左右両側における床版3の下面3u側において、桁2の延長方向に沿って延長して桁2と平行に対向するように配置される。
【0029】
プーリ群としては、ワイヤ10を水平面上でガイドする水平方向配列プーリ群と、ワイヤ10を垂直面上でガイドする垂直方向配列プーリ群と、ワイヤ10を、水平面上から垂直面上、あるいは、垂直面上から水平面上に導く垂直水平方向変換プーリ群とを備える。
【0030】
水平方向配列プーリ群は、例えば図6に示すように、切断時において支点となる上述した各ガイド装置1,1の可動プーリ30B,30B及び固定プーリ30A,30Aとで構成される。
垂直方向配列プーリ群は、例えば図8に示すように、駆動プーリ122と、複数の方向変換用の従動プーリ123,124,125,126,127とを備える。
垂直水平方向変換プーリ群は、例えば図6図8に示すように、ワイヤ10を水平面に導く際の方向を変更可能に構成された可変プーリ128と、ワイヤ10を水平面に導く際の方向が一定の固定プーリ129とを備える。
【0031】
即ち、ワイヤ10は、一方の可動プーリ(支点プーリ)30Bから、可変プーリ128、従動プーリ123,124,125,126、駆動プーリ122、従動プーリ127、固定プーリ129、一方の固定プーリ30A、他方の固定プーリ30A、他方の可動プーリ(支点プーリ)30B、一方の可動プーリ(支点プーリ)30Bに戻るように、無端環状に掛け渡されて構成される。
そして、ワイヤ10の駆動装置16により、例えば図7に示すように、駆動プーリ122を回転させるとともに、駆動プーリ122及び従動プーリ125の両方又はいずれか一方を上下方向Vに移動させることにより、図6に示す、一方の可動プーリ(支点プーリ)30Bと他方の可動プーリ(支点プーリ)30Bとの間のワイヤ10の部分が切断対象部位3Aに押し込まれて、切断対象部位3Aが切断されることになる。
【0032】
例えば図8に示すように、駆動プーリ122は、上下方向に延長する第1垂直支持体135に上下方向に往復動可能なように取付けられている。この第1垂直支持体135は、例えば、上端に設けられた取付部材がアンカーボルト39等(図7参照)により床版3の下面3uに取付けられる。
また、例えば図8に示すように、従動プーリ125は、上下方向に延長する第2垂直支持体136に上下方向に往復動可能なように取付けられている。この第2垂直支持体136は、例えば、上端に設けられた取付部材がアンカーボルト等により床版3の下面3uに取付けられる。
また、例えば図8に示すように、従動プーリ124は、従動プーリ125よりも上方に位置されるように図外の取付部材を介して第2垂直支持体136に取付けられている。
さらに、例えば図8に示すように、従動プーリ123,126,127は、水平支持体137の所定に位置にそれぞれ図外の取付部材を介して取付けられている。この水平支持体137は、例えば、第1垂直支持体135と第2垂直支持体136とに図外の連結部材を介して連結されている。
また、可変プーリ128、固定プーリ129は、例えば図外の取付部材を介して水平支持体137に取付けられている。
【0033】
ワイヤ10の駆動装置は、駆動プーリ122を回転させるとともに、駆動プーリ122を上下方向Vに直線往復移動させる駆動プーリ制御装置16と、従動プーリ125を上下方向Vに直線往復移動させる図外の従動プーリ制御装置とを備えて構成される。
駆動プーリ制御装置16は、図示しないが、例えば、駆動プーリ122の図外の中心軸に連結された回転駆動源としてのプーリ回転用モータ、駆動プーリ122の回転中心軸を回転可能に支持する軸受、駆動プーリ122を第1垂直支持体135に沿って上下方向Vに往復動させる直線移動機構とを備える。
【0034】
直線移動機構は、例えば、第1垂直支持体135側に設けられた図外のラックと駆動プーリ122側に設けられて当該ラックと噛み合う図外のピニオンとで構成されたラックピニオン機構と、ピニオンを回転させる駆動源としての図外のプーリ移動用モータ(例えば油圧モータ)と、当該プーリ移動用モータの制御回路等とを備えて構成される。
即ち、ピニオンを回転させることで、ラックの延長方向、即ち、第1垂直支持体135の上下方向Vに駆動プーリ122が往復動可能となるように構成されている。
【0035】
従動プーリ制御装置は、従動プーリ125を第2垂直支持体136に沿って上下方向Vに往復動させる直線移動機構を備え、当該直線移動機構は、駆動プーリ制御装置16の直線移動機構と同様に構成される。
【0036】
ガイド装置1は、上下位置調整機構を介して床版3の下面3uに取付けられる。
当該上下調整機構は、例えば図7に示すように、アンカーボルト39等で床版3の下面3uに固定される固定板37と、固定板37の板面より当該板面と直交する下方に延長するように設けられた位置調整用ボルト38と、ガイド装置1のガイドレール20に設けられた図外の取付ブラケットと、図外の上下位置調整用のナットとを備えて構成される。
例えば、位置調整用ボルト38を貫通させる貫通孔を備えた取付ブラケットがガイドレール20に取付けられ、当該ガイドレール20に取付けられた取付ブラケットの貫通孔に位置調整用ボルト38を通す。この際、取付ブラケットの上下側に位置される上下のナットを位置調整用ボルト38に螺着する。そして、位置調整用ボルト38の上下方向に任意の位置に取付ブラケットを位置させた状態で上下のナットを締結することによって、ガイドレール20の上下位置調整を行うことが可能となる。
【0037】
上述した切断装置及び実施形態1のガイド装置1を用いた切断方法によれば、切断装置及び実施形態1のガイド装置1が床版3の下面3uに固定された状態で、駆動プーリ122を回転させるとともに、駆動プーリ122及び従動プーリ125の両方又はいずれか一方を上下方向Vに移動させることにより、駆動プーリ122や従動プーリ125がワイヤ10を牽引することによって、一方の可動プーリ30Bと他方の可動プーリ30Bとの間のワイヤ10の部分が切断対象部位3Aに押し込まれる。そして、ワイヤ10による切断動作が進行するにつれて、ガイド装置1,1の油圧シリンダ40A,40Aを作動させて、一方の可動プーリ30B及び他方の可動プーリ30Bを図6の上方側に移動させることにより、ワイヤ10が図6の想像線に示すように図6の上方側に移動して、切断対象部位3Aが切断されることになる。
【0038】
尚、力付与手段40としては、油圧シリンダ40Aに限らず、空気圧シリンダ、水圧シリンダ、電動シリンダ等の動力シリンダ、あるいは、その他のアクチュエータを用いてもよい。
【0039】
また、力付与手段40としては、図9に示すように、可動プーリ30Bを、移動させる方向に牽引する牽引ロープ43等を用いても構わない。この場合、図9(a)に示すように、牽引ロープ43等を、可動プーリ30Bを移動させる方向に平行に牽引するようにしたり、あるいは、可動プーリ30Bを移動させる方向に作業スペースが無いようであれば、図9(b)に示すように、牽引ロープ43等の牽引方向を方向変換ガイド44を介して他の方向に設定するようにしてもよい。
従って、力付与手段40は、ウインチ等の牽引手段等であってもよいし、あるいは、人力であってもよい。
【0040】
尚、上記では、プーリ30の滑車31の外周側がガイドレール20の左右の側板23,24に形成された長孔25,25を介してガイドレール20の外側に位置される構成のものを例示したが、プーリ30の滑車31がガイドレール20の内側に収まるように構成されたガイド装置としてもよい。
例えば、当該ガイド装置を上述した切断装置のガイド装置として使用する場合には、ガイドレール20の左右の側板23,24のうちの少なくとも一方の側板にワイヤ10を通す貫通孔を備えたものを使用すればよい。
【0041】
また、上記では、ガイドレール20に、プーリ30として、固定プーリ30Aと可動プーリ30Bとの両方を備えた構成のガイド装置を例示したが、本発明のガイド装置は、ガイドレール20に、可動プーリ30B、又は、固定プーリ30Aだけを備えた構成のガイド装置であってもよい。
即ち、本発明のガイド装置は、プーリ30の回転中心軸32が、上板21と下板22と左側板23と右側板24とを有した筒状のガイドレール20の内側において上下方向に延長するように設けられ、かつ、ガイドレール20が、上板21及び下板22に、プーリ30の回転中心軸32をガイドレール20の延長方向Eに沿って移動可能とするための移動ガイド手段を備えた構成であればよい。
例えば、プーリ30として、力付与手段40から回転中心軸32Bに力が付与されて当該回転中心軸32Bがガイドレール20の延長方向Eに沿って移動するように構成された可動プーリ30Bだけを備えたガイド装置、あるいは、プーリ30として、回転中心軸32Aがガイドレール20の延長方向に沿って移動可能に設けられてかつ当該回転中心軸32Aが任意の位置において固定された固定プーリ30Aだけを備えたガイド装置であっても構わない。
【0042】
また、上記では、ガイド装置1を、ワイヤソーを備えた切断装置により構造物としての床版を切断する切断作業時に使用する例を示したが、本発明のガイド装置1の使用方法は、当該切断作業において使用する場合に限られず、特に限定されない。
即ち、本発明に係るガイド装置1は、例えば、ワイヤやロープ等の線状体をガイドするために使用されるプーリを、ガイドレールに沿って移動させたり、あるいは、ガイドレールの所望の位置に設ける必要があり、かつ、上下間隔が狭い狭小空間において設置する必要があるガイド装置として広く使用でき、使用用途が限定されることはない。
つまり、本発明によれば、ガイド装置全体の高さ寸法をほぼガイドレールの高さ寸法に抑えることができるようになったため、上下間隔が狭い狭小空間において設置が可能となり、様々な使用方法が可能なプーリ付きのガイド装置を提供できるようになった。
【符号の説明】
【0043】
1 ガイド装置、10 ワイヤ、20 ガイドレール、21 上板、22 下板、
23 左側板、24 右側板、30 プーリ、32,32A,32B 回転中心軸、
30A 固定プーリ、30B 可動プーリ、40 力付与手段。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-02-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドレールと当該ガイドレールに取付けられたプーリとを備えたガイド装置であって、
ガイドレールは、上板と下板と左側板と右側板とを有して、かつ、左右の側板にはガイドレールの延長方向に延長する長孔を有した筒状に形成され、
プーリは、滑車と滑車の回転中心軸とを備え、
プーリの回転中心軸は、筒状のガイドレールの内側において上下方向に延長するように設けられ、
プーリの滑車は、外周側が、ガイドレールの左右の側板に形成された左右の長孔を介してガイドレールの外側に位置するように配置され、
ガイドレールは、上板及び下板に、プーリの回転中心軸をガイドレールの延長方向に沿って移動可能とするための移動ガイド手段を備えたことを特徴とするガイド装置。
【請求項2】
プーリは、回転中心軸に力が付与されて当該回転中心軸がガイドレールの延長方向に沿って移動するように構成された可動プーリであることを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項3】
可動プーリの回転中心軸に力を付与する力付与手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のガイド装置。
【請求項4】
プーリは、回転中心軸がガイドレールの延長方向に沿って移動可能に設けられてかつ当該回転中心軸が任意の位置において固定された固定プーリであることを特徴とする請求項1に記載のガイド装置。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載の可動プーリと請求項4に記載の固定プーリとを備えたことを特徴とするガイド装置。
【請求項6】
ガイドレールの延長方向の両端部は、上板と下板と左側板と右側板とで四方が塞がれた断面四角形の筒部により形成され、ガイドレールの延長方向の両端部以外の部分は、四方がガイドレールの延長方向に延長する長孔により開口されて、断面四角形の角部近傍において上板、下板、左側板、右側板が残る四方開放の筒状に形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のガイド装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、ガイドレールと当該ガイドレールに取付けられたプーリとを備えたガイド装置に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
特許文献1の切断装置においては、図11に示すように、ガイド装置100は、プーリ101がガイドレール102の上方に位置するようにブラケット103を介してガイドレール102に取付けられているので、ガイドレール102の下面からプーリ101の上端までの高さ寸法が大きくなってしまう。このため、上下間隔が狭い狭小空間においては、当該ガイド装置100を設置できない。
例えば、図11に示すように、横桁2Sの上面2Stと床版3の下面3uとの間の上下間隔tは狭く、ガイド装置100のプーリ101と横桁2S上の床版3とが干渉するため、当該上下間隔tの狭い横桁2Sの上面2Stと床版3の下面3uとの間の狭小空間にガイド装置100を設置できず、上述した切断装置を用いて横桁2Sの横に位置する床版3を切断する作業を行えないという課題があった。
本発明は、上下間隔が狭い狭小空間においても設置可能なガイド装置を提供することを目的とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明に係るガイド装置は、ガイドレールと当該ガイドレールに取付けられたプーリとを備えたガイド装置であって、ガイドレールは、上板と下板と左側板と右側板とを有して、かつ、左右の側板にはガイドレールの延長方向に延長する長孔を有した筒状に形成され、プーリは、滑車と滑車の回転中心軸とを備え、プーリの回転中心軸は、筒状のガイドレールの内側において上下方向に延長するように設けられ、プーリの滑車は、外周側が、ガイドレールの左右の側板に形成された左右の長孔を介してガイドレールの外側に位置するように配置され、ガイドレールは、上板及び下板に、プーリの回転中心軸をガイドレールの延長方向に沿って移動可能とするための移動ガイド手段を備えたことを特徴とする。
また、プーリは、回転中心軸に力が付与されて当該回転中心軸がガイドレールの延長方向に沿って移動するように構成された可動プーリであることを特徴とする。
また、可動プーリの回転中心軸に力を付与する力付与手段を備えたことを特徴とする。
また、プーリは、回転中心軸がガイドレールの延長方向に沿って移動可能に設けられてかつ当該回転中心軸が任意の位置において固定された固定プーリであることを特徴とする。
また、上述の可動プーリと上述の固定プーリとを備えたことを特徴とする。
また、ガイドレールの延長方向の両端部は、上板と下板と左側板と右側板とで四方が塞がれた断面四角形の筒部により形成され、ガイドレールの延長方向の両端部以外の部分は、四方がガイドレールの延長方向に延長する長孔により開口されて、断面四角形の角部近傍において上板、下板、左側板、右側板が残る四方開放の筒状に形成されたことを特徴とする。
本発明に係るガイド装置によれば、上下間隔が狭い狭小空間においても設置可能なガイド装置を提供できる。